☆歴史のトップページに戻る
<<<過去ログ6802〜6899
過去ログ6601〜6700>>>

#6800 
景虎 2006/06/17 06:21
日本の将来

私は、政治や経済には詳しくないので、そういう方面で日本がどうなるかは分かりませんが、人材の流出はあり得るかも・・・という気はします。
いつだったか、特許問題で中村修二という研究者が、企業と揉めたことがありました。
この方は、仕事はアメリカでして、時々日本に遊びに帰るというのがいい・・・と主張していたのが印象的でした。
このような研究者に限らず、海外で通用する技術を持っている人達の場合、活動の拠点を移す人が増えているのでは?という印象を受けることが多いです。

武道家にしても日本で活動している限り、一部の恵まれた人を除いて武道では生活できないという現実があります。それに対して欧米では、道場収入で生活するプロの武道家は珍しくありません。
このような違いが生じるのは、武道に対する評価が違うからです。
日本では、武道などは子供の習い事か、学生の部活動としか考えられていません。都合がいい時だけ、『サムライ魂』だとか、『これぞ日本文化』とか言って利用するだけです。欧米では、貴重な文化として評価されているようです。

武道家は芸能人でも政治家でもないので、通常は武道家個人の情報は少ないのですが、例外的に本を出版したり、雑誌で連載を持っているような人は、ある程度の情報が公開されています。
そのような人達の中には、アメリカやヨーロッパに住んでいて、時々日本に帰ってくるという人がいます。
例えば、沖縄古武道の大城利弘、加地伸行などはサンフランシスコ在住、自成道の創始者である時津賢児はパリ在住、日本人と台湾人のハーフで、日本で中国武術を教えていた蘇東成も、数年前に活動の拠点をアメリカに移してしまいました。

私の場合は、ずっと日本にいたいと考えていますが、日本で食えなくなるような事があれば、欧米に移住して道場開くつもりでいます。真面目に稽古すればするほど、海外脱出を検討しなければならなくなるというのが、今の日本の実態です。

武道以外では、ミュージシャンの喜多郎もアメリカ在住ですね。
アルバム古事記は、ビルボード誌ニューエイジ・アルバム部門において8週連続第1位になったりしていて、日本よりも海外で有名とされていますが、こういう人がアメリカにいってしまうのは、仕方がないですね。

色々と考えてみると、言葉の問題が解決されれば、かなり多くの分野で人材が流出するのかもしれません。
国民国家が本当に終焉すれば問題にならないのかもしれませんが、これからの世界がどうなる事やら、私には予想できないですね。



#6799 
尾鳩 2006/06/17 00:36
これは、また^^;

>イレギュラー満タン様
すさまじいまでの悲観論ですね^^;。
しかし、何故「それほどまで」日本に悲観するのかが良く判らないです・・・。

>僕は正直な所、我が国の将来にあまりいい展望を持っておりません。
その気持ちはわからないでもないですが、旧ソ連の崩壊と同様にというのは、これまた凄まじい・・というか、日本が今後旧ソ連のように崩壊するというイメージがどうにもよく判らないと申しますか・・・。
そもそも、国家の「破産」ですとか、「崩壊」というイメージを、日本にあてはめるところが、私にはよく理解できないです。革命でも起きるんですか^^;。
むしろ、一党独裁の国家に対して、旧ソ連の崩壊を例えにするのはよくわかるんですが。

>世界からの日本に対する不信感が円の大暴落という形になって表れるのは・・・
え?日本はそんなに世界から不信な目で見られているんですか?その「世界」とは、具体的には何処なんでしょうか。また、「不信感が円の大暴落の形になる」という点は、私には理解できないです^^;。世界中の市場で、一斉に円売りが行われる、という意味・・・かな^^;。

>その先の展望が(もしくは違った展望が)お有りなら、是非ともお伺いしたいものです。
様々な展望はありますし、そのような展望は様々な方々が出していますよ。
イレギュラー満タン様が挙げられました問題点ですが、それらの問題点に対して、悲観論に終始することなく、真っ向から取り組んでいる方々を私は周りで何人も知ってます。かくいう私も、友人達と最近NPO法人を立ち上げたりなんかしまして、少子高齢化問題に取り組んでいます。
ここでは、具体的にどのような事業を行っているのかは敢えて書きませんが、悲観的になるのはまだ早いんじゃないかな^^;。

>「国民国家」と、「その終焉」とは、具体的に何を意味するのでしょうか。
金融関係の書籍などで、よく言われていることなんですが、所謂「ボーダレス」というやつですね。経済、特に資金の場合、国境に関係無く地球規模で展開している。
ここには、もはや「国境」の概念は存在しないというわけです。企業は、もはや国を代表して活動を展開しているのではなく、「利」と「効率性」を求め、多国籍に跨って展開している。一国の利益を代表した東インド会社のような企業は、もう存在しないというわけですね。

「国民国家」というのは、国家が一定領域内の個人を全て「国民」というかたちで統合していくわけですが、経済自体は、もはや国家が全てを管理できる時代はとうの昔に「終焉」しているというわけです。

最近では、EUを参考に、日本でも、通貨統一を前提にした「アジア共同体」構想が現実味を帯びて語られ始めてますし、さらには「世界政府」といった概念も、一部では根強い研究テーマとなってます。「国民国家」の集合体としての国際社会は、経済的にはほぼ意味を成さなくなりつつあり、政治的にもそろそろそれに代わる制度を考えよう、という機運は、現在ちらほらと見られるようになってます。

私は、「国民国家」の「終焉」と書いたのは、そのような事実の一側面を語っただけです。私自身は、「国民国家」の役割は、まだ終わったとは考えてはいませんけどね。
前回書いたように、領土問題や軍事に関しての問題も、依然として存在してますし。問題など、いつの時代でも存在してきたわけで、特に日本の場合は、自己嫌悪にいきやすいんでしょうかね(^^;。日本より、もっと酷い国なんて、ごまんとありますよ。



#6798 
イレギュラー満タン 2006/06/16 01:09
さらに火に油を注ぐ (><)ノノ 

>十一郎様
よくよく考えてみれば、「自由主義」と「民主主義」って、(語源は)相反するものなんですね。
じゃあ、「自民党」って、矛盾してるんじゃないかって思ったんですが、
日本のは「自眠党」だから、まぁいいか f(><);;

>尾鳩様
「国民国家」と、「その終焉」とは、具体的に何を意味するのでしょうか。
僕は正直な所、我が国の将来にあまりいい展望を持っておりません。
溜まりに溜まった借金のツケと家庭の生活力をないがしろにし続けてきた故の、国家を維持することさえままならない程の労働力の減少というツケ、
そして汚され尽くした大地に浪費され尽くした資源・・・
世界からの日本に対する不信感が円の大暴落という形になって表れるのは、
もはや時間の問題にさえ思えます。
もう行くところまで行くしか・・と言うより、
もはや旧ソ連よろしく、破産して崩壊するより道はないのではないか、
とさえ思っているのですが、
その先の展望が(もしくは違った展望が)お有りなら、
是非ともお伺いしたいものです。




#6797 
徹夜城(お仕事のために史点執筆が遅れている管理人) 2006/06/16 00:21
スペインチームといえば「無敵艦隊」

前回のW杯でも言われてましたが、実力ウンヌン以前にスペインチームは「無敵艦隊」と呼ぶことに決まってるんじゃなかろうか(笑)。「無敵と呼ばれたものが勝ち続けたためしなし」という言葉もあるようですが。
今大会日本では代表チームカラーを盛んに「サムライブルー」などと呼んでますが、海外では日本チームについて知らないうちに何か変なあだ名をつけたりしてないだろうかという気もしますね。「カミカゼ」とか「ハラキリ」とか「スシ」とか(笑)。


>mozawaさん
 小学館版「漫画日本の歴史」は以前のバージョンでは戦後史はかなり駆け足でしたよね。ロッキード事件あたりが最後の事件だったような…
 集英社が昭和40年代に出していた旧版「漫画日本の歴史」は意外に戦後が詳しくて、吉田茂から高度経済成長までかなり詳細に書いていた覚えがあります。「バカヤロー解散」とか「浅沼稲次郎暗殺事件」とか「60年安保」とか、発売時期からするとえらく生々しい素材を詳しく扱ってたな、と後年思ったものです。最後のところで中国の文化大革命がチラッと描かれてるんですが、まだ実態がわからなかったころでもあり意外と肯定的に描かれているところにも時代を感じます(もっともこの集英社版は今からするとかなり復古調なカラーが目立った)。

 最近は昭和世代は高校生にギリギリ最後がいますね。日ごろ教えてる生徒が平成生まれだらけになっちゃったときは僕も時代の流れを感じたものです。
 平成も18年ですが、こうしてみると大正時代ってあっという間だったんですねぇ。歴史の授業じゃ大正デモクラシーとかいろいろ出てきてえらくにぎやかなんですが。平成の出来事もあと80年もしたらいろいろ暗記項目にされてるのかな。わずか2年で失敗に終わった水野忠邦の天保の改革だってあれだけ重要事項として習うんですから、小泉改革だってどう言われてるかわかったもんじゃありません。
 なお、現在の歴史・公民の教科書では「バブル経済の崩壊」「冷戦の終結」あたりはもう必須事項になってますね。今の中学生はW杯やってるドイツが東西に分断されてたなんて「歴史」でしかないですからなぁ。


>十一郎さん
 それは面白そうな番組を見逃してしまった…と悔やんでおります。ETV特集は再放送も多いからチェックしておこうかな。
 関連するようなしないような話ですが、昨日、岡本喜八監督作品「どぶ鼠作戦」(1962)を鑑賞しておりまして…この監督の代表作「独立愚連隊」に連なる日中戦争ものアクションなんですが、まったくのフィクションながら八路軍やら日中間をたくみに動く馬賊みたいな武装組織やら特務部隊やらいろいろ出てきて面白い。もちろん中国でロケしてるわけもなく、全部日本国内での撮影で中国人役もみんな日本の俳優が演じてるんですが、それなりにそれっぽいのです(まぁ中国本土の人が見たら苦笑ものなのかもしれませんが)。ちょっとネタバレになるけど、「林(はやし)」という日本人が実は「林(りん)」という中国人が化けていたものだった、というオチは漢字文化圏ならでは(笑)。

 日本の共産党が戦後直後に武装革命路線を掲げていたころ、「天皇制を倒すため」と言って入党した現・読売新聞社会長(笑)は世の中を混乱させるために発電所爆破の指示を受けたあたりから疑問を感じたらしいですね。両面の意味でそんな時代もあったのね、というエピソードです。
 そういや共産党の委員長が初めて訪韓するってだけでニュースになってますが、ここの機関紙は長いこと「南朝鮮」って表記を堅持し続けてましたっけね(確かソウル五輪あたりでやめたような気がする)。

 某官房長官のその祝電の話ですが、まぁ祖父の代以来、いやこの家系以外でも自民党とはいろいろ腐れ縁がありますからねぇ、この集団は。祝電ぐらいは贈ることになってるんじゃないかと。


>尾鳩さん
 先日はどうも。MJさんとはニアミスでしたね、お互い(笑)。あの次の日も来てたそうですが(笑)。
 先日酒の席でもこの話題をしてるので僕は長く答えるのは控えておいて…ただ確かに日本では相手に対するレッテルとして右だの左だの言ってることは多いかな。右に立つと全部左に見えてくる、というやつで(逆もしかり)。
 あといわゆる保守派・右派の中でも中国はともかくアメリカに対する感情は複雑ではありますね。例の「つくる会」内紛でもそれが一部に見え隠れします。そういや追放された側が新団体立ち上げたようですな、どうやら。



#6796 
尾鳩 2006/06/15 18:05
危ない話題ですが

管理人様
この前はどうもです。
前にお会いした際は、M.Jくんが近くまで来ていたんですね。
いやはや・・・全然興味ないですけど(笑。

右翼・左翼
前にG院大学からゲストスピーカーとして誘われて、是非中国の反日運動の動向について話して欲しいと頼まれたことがあったんです。
その際は、日本の反応に注目して、敢えて「右派の意見」、「左派の意見」という構図を見立てて分かりやすく話したんですが、正直なところ、右派、左派の明確な定義に示すことはしなかったんです。
というのも、今の日本でどれが右派で、どれが左派かというのは、明確化するのは結構難しいもんで。
管理人様も書いている通り、歴史的なルーツについては、もちろん説明しましたが。

その講義では、こんな風に説明しました。
今の日本で、「私は右翼です」「私は左翼です」と自称している人はあまりいない。
むしろ、相手を差して「お前は右だな」「お前は左だな」と枠にはめる人の方が圧倒的に多い。それで、「お前は右だ」と言っている人を「左派」、逆を「右派」として定義することにしたんです。

で、史点を読んで、かつて香港のジャーナリストと右左のレッテルについて話したことを思い出しました。
その人曰く
「日本の右派というのは、どうして反米ではなく、反中になるんでしょうか」と。
右派というのを、あくまでも国粋主義者、愛国主義者、民族主義者とレッテル付けした場合の話なんですが、そうであるなら、まずは反中ではなく、反米にいかないとおかしいんじゃない・・・と。
「何故なら、仮にも今日本に軍隊を駐留させているのは、米国でしょ。健全に日本の独立を指向するなら、まずは米国に対してもの言うべきなんじゃないの」と、日本の右派に対する疑問をぶつけてました。

これは、逆に言えば
「何故、日本の左派は、親中の傾向が強くて、反米を唱えているの?」
という質問にもなるわけですよね。

私は、以下のように答えたように覚えています。
現在に限って言えば、むしろ米国がキーになって右/左の違いが個人において明確化されてるのではなく、あくまでも中国や韓国、北朝鮮がキーになっているんでしょう、と。つまり、本来の生活においては、右左等考える機会等ほとんどない。
しかし、むしろ中国や韓国の時代遅れとも言える強烈なナショナリズムに刺激されることにより、「国」を考える機会が増大しているのではないかと思うのです。

日本の周辺動向を現実的な危機感として捉えたのなら、当然「国」を憂える感情は強くなると思います。また、国内においても、「自由」を口にしても、それについてくる「責任」をおきざりにしている風潮、これに対してのアンチテーゼとしての愛国主義という側面も決して否定出来ないのでは考えます。公と個の論争ですね。

このような場面において、批判はうまいが現実的ツールと責任を示さない「左」に対する嫌悪感が広がっていることも事実ではないでしょうか。

ビジネスの観点、実体経済及び金融経済の観点からすれば、「国民国家」の役割はそろそろ終焉に近いのではないか・・・このような意見は確かに説得力があります。
しかし、領土問題や軍事等、依然として現実に存在する問題に関して、ならばどうすればいいのか、という質問に対して、何の現実的アプローチを示していない、「戦争はいけない」「外交努力が大切」等の教条主義的な回答のみ。これが現在「左」のレッテルを貼られている人たちに対して、信頼感を寄せられない理由の一つではないでしょうか。
勘違いして欲しくはないのですが、だから「愛国」なんだということを、私は言っているわけではありませんよ。ご理解頂けますよね。



#6795 
十一郎 2006/06/15 06:53
すみません

「>イレギュラー満タンさん」に訂正します。

訂正ついでに小ネタ。一部で広まっている某首相候補の醜聞(というには堂々としすぎ?)。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-06-13/2006061314_01_0.html
ちょっと前から反自民系ブログの間で話題になっていましたが、
tp://hamnidak.exblog.jp/3573786
ようやく一般的な新聞(ただし赤旗)でも記事になったようです。



#6794 
十一郎 2006/06/15 06:43
ちょうど2、3日前に

NHK教育でETV特集『中国映画を支えた日本人』をやっていました。満映で映画制作をしていた人々が、敗戦後に中国にとどまって、1960年ごろまで中国映画界の基礎を築いたという内容です。
中国で映画関係の博物館が作られ、そこに戦後における日本人の協力も展示されているからみでした。

あくまで映画技術が伝播していった過程を中心にし、政治性は踏み込まないようにしていました。
劇映画を撮るために中国に残ったのに作っている内容が共産党のプロパガンダであったり、「精簡」で肉体労働を命じられたり、日本軍の悪行を描いた映画を編集する苦しみが語られたり、けっこう重い内容もありましたが。
終戦直後なので日本人スタッフのクレジットが中国風の名前に差し換えられたりというのもきつかったですが、こちらは博物館で本名が公開されたとの事。

技術に絞って引用された映画シーンを見ると、プロパガンダ映画といっても、蒋介石を皮肉った人形アニメがあったり(東欧を連想させますがアニメート担当は日本人)、橋のシーンにミニチュア特撮を駆使したり、日本人カメラマンがコンテを切って音楽と合わせた緻密なシーンがあったり(現在の目で見ても構図が非常に良い)、政治以前の文化としての面白味も感じました。

※ちなみに戦前の邦画、『無法松の一生』のクライマックスも番組に引用されていました。
「中国側監督に編集の参考として日本人編集者が見せた」というエピソード紹介の流れで引用されたものですが、戦中にあんな映画が作られていた事そのものがけっこう衝撃的でした。どこかで話は聞いていたのですが、時代を考えれば信じられないほど先鋭的なカット割り、カメラワークで衝撃を受けましたよ。

この掲示板の話題とからんで面白かったのが、50年代に作られた内蒙古少数民族を描いた映画の、制作エピソード。
もともとのストーリーは、共産党が協力して農民が決起し、王が倒されるというストレートな内容でした。
ところが共産党の検閲時、当時に首相だったトウショウヘイが「今はまだチベットのように共産党の勢力が及んでない地域がある。彼らを仲間にするため、共産党への恐怖をいだかせないように」と注意したわけです。
そしてラストが変更され、農民決起を助けた共産党軍が王に対して銃を向けつつ「地位や財産は保証する」と確約、王は「最初から共産党についていれば良かった」と後悔する内容に・・・
同じプロパガンダでも、流れがスムーズで政治意図が前面に出ない変更前の方が面白そうで。何より、私有財産を保証するのかよ、と思わず突っ込んでしまいました(笑)。
制作していたのは結局プロパガンダだったという番組における注釈的位置。さらに(番組内での言及こそありませんでしたが)トウショウヘイの選択した経済体制や後年の毛沢東の巻き返しを思うと、なかなか味わい深いエピソードでありました。

>イレギュラー満タン
派閥政治と関係の少ない、数少ない日本共産党ですが、彼らの場合は他の政党と事情が違ってまして。
戦後のかなり長い間、武装闘争路線等から足を洗い切れてなく、そのくせ野党として平和路線をかかげる立場に立たされたので、あまり政治方針を広く知らしめるという事ができなかったらしいです。

ちなみに自由主義国家といっても、現在の自由主義はマルクスの時代と違い、福祉等の概念を持ち、公正取引のような規制もあるわけです。
だから社会主義的な思想も取り込んでいるともいえ、「自由主義vs社会主義」を実態として見ると「穏健な社会主義vs原理的社会主義」という構図であったとすらいえるかもしれません(ただの思いつきなので信用しないように[笑])。



#6793 
不肖デルタ 2006/06/14 17:43
けっこう前から盛り下がっていた?

>Wカップ
敗戦の予兆といったらアレですが、日豪戦の中継がNHKだけで
やってるのを新聞のテレビ番組欄で見て、この放映権を民放が
取らない、ということは日本のマスコミ全般が、あんまり
ジーコジャパンに期待してないのかな?と試合前から不吉な
感じがしてました。
だから、前から期待してなかったんだから日本のマスコミは
ジーコジャパンの敗戦を あまり騒ぐな、と言いたいけど。
じつはフジテレビが中継するとサッカー全日本は勝率が良い
というジンクスがあったみたいだけどホリエモン戦争で資金が
窮乏したフジテレビには放映権は取れなかったのかな。




#6792 
mozawa 2006/06/14 14:14
確かに

満州出身の文化人、著名人て多い気がしますね。
やはり、創作の原動力になっているということなのでしょうかね。

歴史的話
 時代と共に何が歴史の話かはスライドしていくのでしょうね。何十年後には、東京オリンピックを見た、とか大阪万博に行った、が抑留体験と同レベレになったりして・・・。
 こちらで何回も話題になった「漫画日本の歴史小学館版」、私や管理人様が読者の頃は最終巻の20巻1冊に満州事変から現代までが収められていました。が、今は改訂されて21巻が出ています。20巻が終戦まで。21巻は終戦後から現代です。
 これを知った時はちょっと衝撃でした。自分の子ども時代と現在では、歴史の範疇が変わってしまったのだな、と。
 高校生も平成生まれですし、昭和は遠くなりにけり、というところでしょうか。
 
ちなみに、W杯話に無理やり絡めると、ORANGE RANGEは「ドーハの悲劇」が幼稚園時代だったそうで。。。これもちとショックでした。



#6791 
徹夜城(昨日はラスト15分で見るべきものは全部見た管理人) 2006/06/13 22:28
試合よりも地名が気になった

 昨日の日豪戦、まぁ帰宅してラスト15分で見るべきものは全部見た、というところでした。へそ曲がりな僕は全国民的に熱狂してると逆側について応援していたという非国民なことをしておりましたが(いしいひさいちも一週間ほど前の漫画で「盛り上がれるのもあと七日」とか書いてたな)、ちとあれはキツイ展開でした…さすがにあとの二試合は日本を応援しようかと思いましたもん(^^;)。
 さて多くの人が「ドーハの悲劇」を連想して「○○の悲劇」とか言おうとするわけですが、ちょっと舌かみそうな地名なんですね。カイザースラウテルン…「カイザー(皇帝)」と来るので歴史ファンとしてはこちらに反応してしまうところ。山ん中の人口10万の田舎町ながら神聖ローマ帝国皇帝バルバロッサの居城があったから…と説明はどっかにでておりましたが。どうして東京都文京区と姉妹都市なんだろう(笑)。


>新参右衛門さん
 「共産党」「労働党」といっても国により党により結構まちまちですね。名前だけではなんとも判断しにくいものです。朝鮮労働党は実質「朝鮮共産党」なのですが、同じ労働党でも今のイギリスの政権政党になってるようなところもありますし。また「共産党」って名前がついても路線により分裂して「○○共産党××派」とかややこしくなってるケースも多いです(特に南アジアにこのケースが見られますね)。
 一般論ですが、あくまで革命を起こして社会主義国をつくるのが「共産党」だとすると、革命はしなくてもあくまで議会制民主主義のもとで社会主義的政策を実現するのが社会民主主義政党というやつで、おもに「社会党」「社会民主党」を名乗ることになってます。西欧・北欧ではこうした政党が政権をとることもよくありますし、東欧諸国の共産党も社会民主党に衣替えしたのが多くなりましたから、純粋な意味で「共産党」やってるところってもうかなり少ないんじゃないかなぁ…存在はしていても勢力が縮小中とか。

 あのアメリカにも共産党はあるんですよね。その創設者ジョン=リードを描いた映画「レッズ」(監督・主演ウォーレン=ビーティ)なんかは歴史映画としても結構お奨めですね。
 以前書いたネタですが、あの東映が深作欣二監督・笠原和夫脚本、菅原文太・梅宮辰男・山城慎吾ら出演(要するに「仁義なき戦い」そのまんまの布陣)で「実録・日本共産党」という映画を企画し実現寸前までいったことがあります。シナリオが雑誌に載ったので読んだのですが、これは映画で見たかったなぁ〜一女性運動家を主人公に戦前・戦中・戦後の日本共産党の青春群像を描くという企画だったんですが、東映の組合側が紆余曲折の末にOKしなかったんで流れたと言われてます。


>電気羊さん
 いえいえ、あくまで教科書的説明なんで恐縮です。これとても正解とはいえまいと自分でも思ってます。
 中国に十年ほど前に旅したとき、上海の高速道路の入口で「江沢民同志と共に社会主義国家を建設しよう!」ってスローガン書いた大看板を見かけましたが、あの時点ですでに時代錯誤な感じがあったんですよね。今もああいうのってあるんでしょうかね?
 上海といえば、「ミッション・インポッシブル3」に上海のボロッちい古い町並み(?)でのシーンが中国当局にバッサリ削除されたとか。そういうのも大人気ないとは思うけど、ハリウッド映画の「東洋描写」の古色蒼然のステレオタイプだったという気もしなくはないですねぇ。


>奥野さん
 僕の未完(汗)の中国旅行記でも書いてるんですが、ツアーに同行したご老人から終戦直後の満州での体験(シベリア抑留こみ)を聞いて、「これぞ歴史だ!」となにやら感動した経験が僕もあります。満州で収容されたとき看守の朝鮮人から「今はおつらいでしょうがこらえてください」と流暢な日本語で言われ、ショックを受けたというエピソードは圧巻でした。
 気のせいかもしれませんけど、映画人・小説家・漫画家など、僕が知ってる著名人に妙に満州生まれが多いんですよね。それだけ大勢行っていたということかもしれませんが、もしかすると幼児期の満州体験がその後の創作活動の原動力になってるのかも、と思うこともあります。

 切腹のことですが、信長に関してはその瞬間を目撃した人っているんだろうか…という疑問も。僕が見た大河では「徳川家康」の役所広司以前はみんな切腹してたと思うんですけど、渡哲也が信長を演じた「秀吉」あたりから切腹じゃなくなったような記憶があります。
 凄かったものとしてTBS正月ドラマの「太閤記」(柴田恭平主演)で、光秀が直接本能寺の火の中に飛び込んで信長を斬り殺す、というのがありました(笑)。


>イレギュラー満タンさん
 政党とその主義主張に関してはやってる当人たちも何がなんだかわかんなくなってるところはあると思いますね。特に日本においては顕著なんじゃないかなぁ。
 昭和史研究家の保阪正康さんが書いてた「仮説」ですが、田中角栄は「自覚せざる社会主義者」だったんじゃないか、って話はこうした観点からも案外説得力があったりするんです。

 「右翼・左翼」の話ですが、これは有名でして…もともとフランス革命時の国民議会の勢力ごとの議席の配置から起こった言葉です。議長席から見て、保守的な勢力が右側に、改革志向の勢力が左側に配置したことからこうした言葉が出来ました。
 ただ語源はそれとしても、その後の歴史的経緯で単純にこれも定義しにくくなり…一般論として「左」というと改革派というより社会主義・共産主義的勢力のことを指し、「右」というと保守派というより国粋的・民族主義的なものを指したりしてる、ということなんですけどね。これだって国家社会主義みたいに国粋・民族主義的社会主義が出てくるとややこしくなってしまいます。



#6790 
(てこ暦)を見た後なので、結構毒舌かも知れないイレギュラー満タン 2006/06/13 21:42
ご返答下さった皆様、ありがとうございます

いやーなるほど、大変よく分かりました。
しかし何ですねぇ、こういった政治や政党に関する全く基本的なことが
当の政党様から聞くことがないというのは、
取りも直さず、我が国の政治のレベルをよーく物語っていると思います。
主義主張ではなく、派閥で分かれているから・・・
と言ってしまったら、ミもフタも無いなぁ;;
勉強をさせよう・・という気も起こらないんでしょうねぇ。
「国民にはバカでいてもらった方がやりやすい」とでも思っているんでしょう。
建物や道路や橋などを造ったら国が豊かになると未だに信じて止まないみたいだし、
思考が江戸時代以前と変わってねーじゃん、と思うのは僕だけでしょうか。

日本は成功した社会主義国家ですかー、さもありなん。
あんまり行き過ぎて、儲けている人がバカバカしくてとても住めない国になっていますが;;

共産主義の思想についてなんですが、
これを聞いた時に、僕は石田三成の旗印、「大一大万大吉」を思い出しました。
三銃士の中にも「一人がみんなの為に、みんなが一人の為に」って有名なセリフがありますし、
個=全・全=個の思想は洋の東西を問わないのでしょうか。

あと、ある意味大変危険な質問。
そもそも、「右翼・左翼」って、何なんですか?



#6789 
奥野 2006/06/13 01:24
満州国とソ連

日本からお客さんが来ていて、ロシアの史跡めぐりをしているので忙しいです。楽しいですけどね。やっぱり、お客さんでも来ないと思い切って行かれないような場所はたくさんありますからね。

>満州

今から10年以上前に通っていたロシア語教室で、戦後シベリア抑留経験があるという年輩の方に会ったことがあります。抑留されたのは戦時中に国境警備隊員だったからですが、その前は満鉄で勤務されていたのだそうです。毎日のように松岡洋右の顔を見ていた、と言っていました。
もちろん、人間の体験を「歴史的」なものとそうでないものに分けることなどできないのですが、しかし満州で過ごされた方の話を聞いて「ものすごい歴史的な体験だなあ」と思ってしまったのも事実です。何と言うか、「満州」には独特の歴史的存在感がありますね。非常に奇妙な・人工的な国であり、ダーティーなイメージがつきまとう一方、景虎さんや徹夜城さんが指摘されているような側面もある。その上、歴史の中で一時期だけ反映し、その後忽然と姿を消したというのも、妙な歴史的ロマンをかき立てる原因なのかもしれません。いや、「ロマン」というイメージで全てを昇華させてしまうのは問題ありだと思いますけどね。

…こう書いてくると、何だか満州国とソヴィエト連邦って意外に印象が被るような気がしてきました。

>本能寺

切腹について、そういう観念があるとは知りませんでした。大変勉強になりました。確かに、日本語では「腹をわって話し合う」などという表現もあるし、昔から人間の魂の落ち着き場所として腹は重要視されてきたのでしょうね。
しかし本能寺の変ですが、「信長公記」では「御腹めされ」とあるので、信長が切腹して自害したのは定説かと思っていました。それとも「腹をめされる」というのは自害の常套表現にすぎず、実際にはどのような方法を用いたかは分かっていない、ということなのでしょうか。



#6788 
電気羊 2006/06/12 21:26
ご指摘ありがとうございます

>マルクスの恋人 様
>徹夜城 様
ありがとうございます。
大変勉強になりました。

無意識のうちについ自由主義と混同していたようです。
確かに自由主義は乱暴な言い方をすれば、「豊かになるためなら何をやっても自由、貧乏なのは努力不足で本人が悪い」という考えですね。

社会主義についても資本主義についても、わかっているようでわかっていませんでした。
社会主義国に在住しているというのに、全く!



#6787 
新参右衛門 2006/06/12 18:30
日本も一緒ですな

そうですね、労働党と共産党は、違う政党でしょうね、日本だって
そんな感じかな、「連合」があるし社会民主党が労働党みたいもんで
日本共産党は、そのまんま。
社民党は、前身の社会党のとき北朝鮮の影響力が浸透して
日本人拉致問題の進展を圧力かけたり捜査を妨害したみたいだから
「日本労働党」と影で呼んだって遜色はないか。



#6786 
徹夜城(ついでにパパッと連続カキコする管理人) 2006/06/12 14:52
何度目かの本能寺&スペ大河(?)ネタ

 うって変わった話になりますが、大河ドラマ「功名が辻」は昨日放送分でとうとう「本能寺」になりました。このドラマ、戦国ネタには食傷気味の僕は敬遠しておりましたが「本能寺」は恒例行事ということで比較のために見てみました。えーと、大河史上何度目の「本能寺の変」でしたっけ。分かる方は書いてくださいな。

 司馬遼太郎の原作小説はあくまで山内一豊の妻・千代が主人公の話であって、本能寺の変については「本能寺の変が起きた。信長が死んだ」と2行しか書かれないそうで(笑)。しかしドラマとしてはそうもいかず、けっこう派手にやっておりました。
 舘ひろしの信長が甲冑を着て出てきて銃撃戦をするというのが今回の特色。妻の濃姫が信長と一緒に本能寺で死んでましたが、これは大河では「徳川家康」以来となります。いわゆる濃姫については江戸時代まで生きていたとの説も出てますが、どうせよくわかんないし、ということでこうした「原点回帰」になったようです。
 そういや信長は切腹ではなく頚動脈を切っての自害でしたね。切腹というのは本来は「わが誠心を見よ」と腹を開く(「腹黒い」なる言葉があるように心は腹に表れると考えられた)ことに由来するとされ、「反逆者」として追いつめられたものが最後の抵抗として腹を切るという解釈もあるようです。だから壇ノ浦の平氏は天皇をかついだ「官軍」というつもりなので腹を切らない…というわけですが、南北朝ごろにはもう曖昧になっていたんじゃないかと思われます。僕も「室町太平記」で書きましたが、細川頼之に殉死した家臣は切腹で自害してます。
 しかし切腹が様式化された江戸時代でも腹を切って内蔵が見える(腹=心を見せる)のは「無念腹」といって死の命を与えた主君に対する抗議になるってんで忌まれたという話も聞きました。だから切腹といっても実際には脇差に手を伸ばした段階で介錯しちゃってたというんですが、これも「脇差で最後の抵抗を試みられるとまずい」という観点からという話もあったなぁ。
 話を信長に戻すと、信長は裏切られて死ぬわけで、切腹という自害手段を選ぶのはおかしいという見解からか最近は切腹してない気がします。大阪夏の陣の秀頼以下の自害も切腹にはなってない描写が多かった気がするなぁ…そういや楠木正成一党も切腹ではありません(ま、これは「太平記」に刺し違えたという描写があるからですが)。

 「功名が辻」ですが、主役はあくまで千代と一豊であるわけで、かなり強引ではありましたがそれぞれ活躍させてました。やるだろうと思っていたらやっぱりやったのが、本能寺の変を毛利に知らせる使者をつかまえるのが秀吉軍中にいた一豊という設定。
 その一豊の家臣としてその場に立会い、信長の死を知って愕然とする武田鉄矢さん。我々の世代にはこの人が秀吉に見えちゃうんでややこしいったらありゃしない(笑)。


>社会主義ネタ。
 下の書き込みと連動、ついでに司馬遼太郎と結びつけた話題を。
 「スペシャル大河」としてまだ企画は動いているらしい「坂の上の雲」、このラストのほうで主人公の一人・秋山好古が社会主義について言及するくだりがありますね。元ネタをどこから引っ張ってきたのかわからないんですが…
 日露戦争が終わり、秋山好古は「ロシアは社会主義国になるよ」と部下に予言します。部下が驚いて「社会主義とはどのようなものかご存知ですか」と聞くと好古は「耳学問」といいつつ妙に詳しく知っている。フランス留学時に酒場に集まっている社会主義者たちから聞いたというんですな。晩年に共産党問題がやかましくなってからも「共産党を悪と決め付けてかかってはいかん」という趣旨のことを言っていたという話も書かれてます。
 そして乃木希助に同行して海外に行った際に、記者から「社会主義についてどう思うか」と乃木が聞かれ、社会主義について詳しくない乃木に好古が「平等を愛する主義です」と簡単に説明したといいます。すると乃木は大きくうなづいてから「しかし他人のために自分の命を投げ出す武士道の方が上だ」と分かったような分からないようなことを断言して記者が圧倒された…というんですな。これも出典がわからないので確認しようがないのですが。



#6785 
徹夜城(今日は仕事から急いで帰っても日豪戦のラスト15分しか見れそうにない管理人) 2006/06/12 14:07
「主義」という言葉は難しい

 イレギュラー満タンさんの発された質問、素朴ながら重要であり答えるのはなかなか難しいのですね。そして「主義」というだけに思想に関わってますから人によりとらえ方が微妙に異なるものでもあり、「完全解答」が出にくいものでもあります。
 まぁ僕としては「通説」から分かりやすく説明してみたい…と思います。実際生徒(中学生から大学受験生まで)にはよく聞かれる質問でして。

 まず「社会主義」ということについてですが。すでにマルクスの恋人さんが指摘されてますように、本来は「社会主義」と「民主主義」は対立する概念ではありません。かつての冷戦構造というやつはイデオロギー的には「社会主義」と「資本主義(自由主義)」の対立であって(実のところどうだったかという問題はここでは脇におきます)、「社会主義対民主主義」という構図でとらえられがちになったのは実際に成立していた「社会主義国」がいずれも民主的ではない独裁・全体主義国家であったということに由来します。

 「社会主義」という発想自体は産業革命後の資本主義社会成立の中でその矛盾を克服するためのいわばアンチテーゼとして出てきたものです。初期資本主義社会での貧富の差の拡大、非人道的な社会問題の数々の原因を「私有財産制」にあるとみなし、その解決のために私有財産制の制限ないしは廃止(みんなで共有、の発想)をとなえ、真の平等社会を実現しようととなえたが「社会主義」思想の始まりで、マルクス以前の段階の19世紀はじめごろには一つの主張として広がってはいました。

 マルクスが社会主義思想史上の画期をなすのは、そこに科学的理論づけを行った点にあります。唯物史観・階級闘争史観にもとづく論理的説明と資本主義社会の綿密な分析により、資本主義社会は「必然的」に社会主義に移行し、やがて共産主義段階へと達するであろうと予言したわけですね。
 で、ここで「社会主義」と「共産主義」という言葉が出てきます。これ、実際問題混同して使われてることが多いわけですが、厳密には異なります。簡単に言っちゃうと究極の平等・共有社会が実現するのが「共産主義」段階であって、それまでの途中段階が「社会主義」段階ということになります。マルクスとしてはまずは社会主義段階を実現しなきゃいけないわけですが、その理論の結実が「共産党宣言」であり、その運動政党が共産党だったりするので話がややこしくなってます。

 マルクスの理論によると高度に発達した資本主義社会で矛盾が限界点に達し、革命が起こって労働者階級が天下をとった「社会主義」が実現するはずでして、あのレーニンだって資本主義国としては後進としか思えないロシアでいきなり世界初の社会主義国が出きるとは思ってなかったといわれています。革命になっちゃったから仕方ないというところもあったようですが(笑)、レーニンらは「ロシアで社会主義革命が起きたんだから西欧各国もすぐに社会主義革命になり、ただちに共産主義段階に達するだろう」と見ていたという話もあります。

 ロシアだけでなくその後の「社会主義国」の多くが資本主義段階を通過したかすら怪しい発展途上国ばかりだったというのが実態で、マルクスに言わせりゃ「あんなの社会主義じゃない」ってもんでしょう(まぁ本人は生きてるうちから「彼らをマルクス主義者というなら、少なくとも私はマルクス主義者ではない」と公言してましたが)。
 そういう国で植民地支配からの脱却や急速な先進国化をはかろうとして社会主義体制をとってしまうと「プロレタリアート独裁」というやつが良い様に利用されて個人崇拝の独裁国家・全体主義国家・官僚支配国家という実態になっちゃったと見たほうがいいんじゃないかと。事実上の一党独裁、それと結びついた官僚機構、巨大な公企業による支配と巧みな資金投入(=計画経済)による驚異的な経済発展を遂げたということで日本が「成功した社会主義国」と揶揄をこめて言われるのもそういうことだったりします。最近の中国なんかも近いような気がしますけどね。

 まぁ発展段階のことはおいといても、社会主義・共産主義というのが結局のところは個々人の善性に期待するユートピア思想になってしまうというところは否定できないんじゃないかと。実際に成立した多くの「社会主義国」も個人の欲望や自由を束縛する結果になってしまったのもそこに一因があった気がします。
 SF的な話になってきますけど、究極の矛盾克服理想社会って個は全にして全は個、というもので僕みたいな俗人にはついていけないところもあります。そういう社会がアシモフの未来史の最後に出てきたりしましたっけ(あれは惑星まるごと、人類も自然も全部が一体感をもつというものでしたが)。

 なおナチスに代表される「国家社会主義」ですが、戦前日本の右翼思想でも似たようなものは見られます。まさに極左と極右は紙一重、両極間の転向がしばしば見られるのも無理はないでしょう。というか、戦中日本の経済統制とか満州国の計画経済なんかは「社会主義」の発想そのものだったりしますし…それが戦後にまで実は続いている、という見解もありますね。



#6784 
ブッチャ−3世 2006/06/12 12:43
労働党と共産党は違う、とか

わたしは冷戦時代に産まれた世代なんで社会主義といったら
共産主義と混同しがちですね。
社会主義をとなえ始めたマルクスは共産主義を知らなかった、
共産主義はレ−ニンが反体制活動を急進にやるうえで
ぶち上げていった主義で、広い意味で社会主義の政党だって
あのナチス党だってもとは社会主義系の政治団体だったとか
正式名称に社会主義の言葉が入ってるとかなんとか。
いまも現存する共産政党が統治する国といえば
中国とキュ−バ、ミャンマ−だけになっちゃい
ましたね、え?北朝鮮はちがうのか?って話は
あれですね、あの国は共産党じゃなくて労働党ですから。
言葉が、ちょっと違うだけじゃないか?って向きも
あるけど、北朝鮮は朝鮮戦争の直前に国内の親ソ連派を
大粛清して以来ずっとソ連型の共産体制とは一線を
画しているようです。



#6783 
マルクスの恋人 2006/06/12 04:08
自由主義と混同しないで

電気羊殿。あなたのいう「民主主義」とは「自由主義」のことでしょう。

「自由主義」とは本来は「金持ちの金儲けを妨げるな。国王だろうが誰だろうが」という思想であり、食うや食わずの貧乏人にとっては別世界かあるいは敵対する思想です。そう。相手の弱みに付け込んでどんな阿漕な契約をしても有効。
「民主主義」とはより広範な、被影響者全員の参加を要求する。例えば政治を行うには識字能力が不可欠だが、その識字能力は各自が自分で身につけろ、貧乏人が金がなくて習えないなら、永久にあきらめろというのが自由主義なら、全構成員特に恵まれている者の負担によってせめて最低線だけは全員に確保せよというのが民主主義。
ですからかつて、自由主義と民主主義は対立する概念だと考えられていました。少なくとも19世紀以前の欧州では。両者が両立する可能性が検討され始めたのは、開拓時代の、まだ既存特権階層が形成される前の北米です。

平等というのは形式だけではなく実質が伴わなければならないというのが民主主義です。
納税額が一定なら生まれも職業も問わず参政権があるというのは確かに平等ですが、現実にそんなに稼げる(納税できる)職業など限られているし、なりたくてもなかなかなれないのです。
だからむしろ民主主義というのは、自由主義よりも社会主義のほうに近いと私は思う(特に最近のさばっている自称「新自由主義」とやら!「死んじまえ主義」の間違いだろ)のですが、違いますか?



#6782 
電気羊 2006/06/12 00:27
民主主義と社会主義

民主主義と社会主義の違いを一言で言えば、自由と平等のどちらをより重要視するかという点でしょう。
言論、結社、経済活動などの自由を何よりも重視し、そのためには平等が多少損なわれても仕方が無いとするのが民主主義。一方平等を何よりも重視して、そのためには自由が制限されても仕方が無いとするのが社会主義、といった感じで自分は捉えています。

ただ、社会主義国では自由が過度に制限されたせいで経済が沈滞、かつ国家財産の配分を握る特権階級の腐敗が横行し、肝腎の平等すら実現不能となってしまいましたが。

つたない回答で申しわけありません。

http://spaces.msn.com/honin/


#6781 
イレギュラー満タン 2006/06/11 23:09
今さら聞けない歴史の質問

大変お久しぶりです。
とはいえ、時々覗いてるんですよ、コメントをしないだけで;;
では本題なのですが・・・

『社会主義国家って、何?』

「国民は国家の元に平等であり、そこには如何なる身分の上下も存在しない。」
スローガンだけを取れば非常に理想的なのですが、それでは民主主義とは何がどう違うのでしょうか?
あと、誰が言ってたのか忘れてしまったんですが、社会主義国家の事を指して
「神の理想を掲げて、悪魔の国を作った」
と揶揄していたんですが、実際の社会主義国の実情も、いかがなものなんでしょうか。
(旧ソ連、中国、北朝鮮・・・と来ると、僕はあまりいいイメージがありません
f><;;)






#6779 
徹夜城(アルコールが入ってる管理人) 2006/06/11 20:26
映画を見ても内容は人それぞれ…?

妙なもんで、同じ映画でも人によっては全く違った感想を持ってしまうものです。中にはその作者の主張すら勘違いする人も少なくなかったりしますね。

>民本主義者さん
 「マーシャル・ロー」(あえて邦題で)については僕も9.11直後の「史点」で言及してました。確かに9.11を予言した映画とあとで言われたものですが、その言われようは完全に勘違いとしか思えませんねぇ…
 一応見てない方のために説明しておきますと、映画自体はデンゼル=ワシントン演じる捜査官がアラブ人の相棒と一緒にイスラム系テロ組織による自爆テロ事件の捜査を進めていく内容ですが、悪役はテロ組織ではなくテロを巻き起こす社会矛盾そのものに向けられているというべき。イスラム組織によるテロ続発に「戒厳令」を敷いてアラブ系を徹底的に取り締まり人権を無視しまくるブルース=ウィリス演じる軍人が最大の悪役であり、宗教や民族に対する偏見はイケナイと主張する映画でして、その「イスラム学者」の見方は映画の肝心の部分をまるっきり見落としているというべきでしょう。最初ッからプロパガンダのつもりだと分かっててやってる可能性もありますが…
 まぁ確かに結局のところ善玉と思えたアラブ系の登場人物がいきなり自爆テロを決行したり、気になる人には気になる描写もなくはないのですけど…。しかしその団体の発想はこの映画を根拠に「同時多発テロはアメリカの自作自演」と匂わせてるわけで、そりゃまるっきり筋違いだろうと。今にして思うと予言されるだけすでに現実味のある話だったというべきでしょうね。
 そういやイランで「アポロは月にいっていなかった」というネタが流行してるとの報道が…(汗)

>不肖デルタさん
 「亡国のイージス」ですが、あれも原作小説と映画でだいぶ印象が違うということもご留意ください。原作読むとむしろ悪役は北朝鮮政府の宥和政策に反発したはねっ返りグループという設定でして、韓国映画「シュリ」と同じ構造で北朝鮮そのものはしっかりと分離処理されています(映画では「北朝鮮」という単語も全て「共和国」に置き換えられた)。それでいて読んで(見て)いるとそのはねっ返りたちに感情移入してしまうつくりになっているところも共通です(映画でもそれぞれチェ=ミンシク、中井貴一のキャラがかぶり、「主役」を食ってしまってます)。
 ネタバレにならない程度に書きますが、「亡国のイージス」は原作ですと一番のワルは某世界唯一の超大国だったりしまして、登場人物たちはしょせんその手のひらでおどらされていただけ、というオチがつきます。映画ではその点が完全にカットされているので鑑賞後の印象がだいぶ違うのです。むしろそっちからクレームがつきそうな内容、というのが僕の読後感想でした。
 「007」の北朝鮮ネタのは単純に内容が浅かった(しょせん東アジア理解がムチャクチャ)から抗議されたんじゃないですかねぇ。しかもむしろ韓国のほうで反発があったのもそれが理由では。


>阿祥さん
 戦前の歴史家の研究のスケールの大きさを見ているので、僕も阿祥さんと似たような思いを持ってます。帝国主義・植民地政策を肯定するわけではないけれど、ヨーロッパにおいても東洋史学が長いことフランスが本場だったりした(ちょっと昔の東洋史学徒はフランス語習得が必須だった)ことも考え合わせて、「帝国」スケールでの研究発達という面は確かにあったと思います。戦後歴史学界がタコツボ化したというのもよく言われるところで。
 戦前の内藤湖南、津田左右吉や宮崎市定なんかの全集見てるともう頭が下がりっぱなしですからね。「こんなことまで手を出してるのか!」ってぐらいありとあらゆるジャンルに手を広げて詳細な論文を書いていて、「東洋史」と言っても東アジアから東南アジアまで広い視野に立った博学な研究姿勢はその後の歴史家にはなかなか見られないものです。まぁ宮崎市定が太平洋戦争中に書いた倭寇に関する論文は「日本の南進」と露骨に重ね合わせていて「時局に乗る」姿勢も感じたモンです(それでいてよく読むと構成員が中国人多数ってことは本人も百も承知なわけですが)。



#6778 
不肖デルタ 2006/06/11 18:33
社会派じゃなきゃ虚構に徹すれば

マ−シャル・ロゥという映画を見たことはありませんが
ハリウッド映画では多いのではないでしょうか?娯楽ものの
映画で偏った政治的、民族的な悪役が振られて不快ですら
あるのは。最近みたのでは007の悪役=北朝鮮が酷かった
ですね。でも私は、ちょっとした工夫で衝突を回避できそうな
気はします、もろに国名、民族名、特定宗教宗派組織団体名を
出さなければ、架空の名前を配するだけでも緩和される気は
します、そうしても先方から文句を言われれば、架空の民族
架空の宗教じゃないですか、と切り返すことができるような
邦画でも、私は亡国のイ−ジスは、危険な映画だと心配して
ました、映画は結局みなかったけど原作を読んだかぎりでは
もろ北朝鮮の工作員と指摘した悪役で、これいじょうない
くらい極悪非道なことをやっていて、それを虚構と割り切れる
私ならいざしらず北朝鮮の人がこれ読んだら気分を害する
だろう、ぐらいは感じました。
結局、亡国のイ−ジスは北朝鮮当局が抗議した、ということも
なかったみたいだし007のときの北の抗議から比すと
ましなほうだったのでしょうか。



#6777 
阿祥 2006/06/11 17:06
日本人の台湾研究

「大日本帝国時代の地理感覚」、という点では、僕も今の日本のとはかなり違っていたように感じています。
小熊英二氏の著作に「単一民族神話の起源」というのがありますが、この本では戦前戦後のメディアの言説から、日本という国が単一民族であるという見方は、もちろん戦前にもありましたが、主として戦後にメインストリームになったということが述べられています。それ以前は、汎日本人主義というか、多民族国家としての日本というか、そういう認識であったということのようです。
今の日本は地続きで国境を接している国はないのに対して、戦前だとサハリン、朝鮮、満州を介して、中国やロシアとつながっていたのでしょうし、国家としても膨張主義というか海外に発展していこうという気持ちがあったのでしょうから、国自体としても狭い日本に閉じ込められたという意識ではなかったのでしょう。

植民地主義としての悪い点はそれとして、歴史の研究の点ではそういう開放的な国家感は非常に視野の広い研究を促していたように思います。
台湾の歴史を勉強していて、非常に面白いと思うのは、現在の台湾史研究の礎を築いたのは日本人だということです。日本人は台湾を植民地にした後に台湾、ひいては南洋のことを積極的に研究していきます。その範囲は台湾史、華僑史、オランダ領東インド、東南アジア全域、台湾原住民、台湾の言語などの非常に幅の広い範囲に及びます。そういった研究の総本山は台北帝国大学です。ここで教鞭をとった人たちには、村上直次郎・岩生成一といった著名な歴史研究家がいます。
戦後も彼らの研究はさまざまな成果をあげていますが、こういった研究は戦前おそらく国家の全面的援助を受けて行われていたのに対し、戦後はそういった後ろ盾がなくなってしまったこと、また植民地が失われたことで、外国に対する積極的な関心が薄くなったことから、研究としてはかなり下火になってしまったような印象を受けます。
台湾での台湾史研究の草分けといわれている曹永和氏は村上氏・岩生氏の薫陶を受けた歴史家で、国民党の恐怖政治の時期も台湾史の研究を黙々と続け、現在の台湾史研究の第一人者となりました。

翻って、戦後の日本の台湾研究は中村孝志というやはり台北帝国大学で学んだ教授がおり、氏の研究は非常に豊富で優れたものがありますが、その後に続く人材は台湾とか南洋の研究には向かわず、永積洋子氏のオランダ語文献の研究のほうに向かい、どちらかというと国際的な視点よりも、日本に対象を絞った海外文献の研究を目指したような印象があります。
こんな印象を戦後の歴史研究について持っているんですが、どうでしょう。



#6775 
民本主義者 2006/06/10 23:40
#6774に追加。

「アメリカの最も注目されるムスリム学者の一人」が以下のように発言したそうです。
「サラハ・スルタン博士;「デンゼル・ワシントンDenzel Washingtonが主役の映画『ザ・シージThe Siege』(邦題マーシャル・ロー)はムスリムを極めて悪く描いた。(映画では)ムスリムの礼拝の呼び掛け、礼拝、そして多くの爆弾テロ計画ーー政府の建物、治安機関やFBI(米連邦捜査局)の建物、若い男性と女性を運ぶバス、大人と子供たちーーなどが映し出された。ムスリムは商店を爆破した。
「この映画は1996年4月に封切られ、9・11テロの道を開いた。なぜなら、この映画はニューヨークのブルックリンで撮影されたからだ。事実、私は9・11テロ直後、同テロと『ザ・シージ』の事件はうりふたつであり、9・11テロは『ザ・シージ』の文脈で見るべきだと語った。
「この映画のシナリオは・・・私は今日まで信じ続けていることだが・・・このシナリオは今もなお私を困惑させる。私と同じ意見のアメリカ人、フランス人、ヨーロッパ人は多い。彼らは9・11テロはーームスリムだろうが他の者だろうがーー(米国)外からだけでは遂行できるものではなかったと言う。一部の人々の自白は、編集された可能性がある。しかし、たとえ編集されなかったにしても、これらの人々は末端の役割で使われたに過ぎないと思う。事件の全体は大規模なものであり、米国内で計画されたものだったーーその狙いは、米国が全世界を制圧し、威嚇することを可能にすること、また、対テロ戦争&#8212;&#8212;この、今なお定義が確定していない戦争に米社会を同意させることだった。 」(引用終了)

http://memri.jp/bin/articles.cgi?ID=SP116806
こちらの「メムリ(MEMRI) 中東報道研究機関」のサイトにあります。
このメムリというのは
http://memri.jp/aboutus.html
「1998年2月、アメリカの対中東政策をめぐる論議に関し、情報提供を目的として設立された超党派の非営利調査・研究機関。寄付行為で運営している。本部をワシントンにおき、ベルリン、ロンドン、エルサレムに支部があるほか、メディアセンターも有する。」
だそうで、「ああはいはい、そういう機関ね」と思わせておいて、でも宣伝内容があまりにものすごいので、ついつい継続的に見てしまう、プロパガンダのお手本のようなところです。
テーマは2つ。
「イスラム世界で反アメリカ・イスラエル宣伝が広まっている」
「それに反対しているイスラム圏知識人はこう述べている」
です。
オススメ、して良いのか迷いますなあ…。



#6774 
民本主義者 2006/06/10 23:31
ああやっぱり、出てきましたか。こういう考えが。





#6771 
徹夜城(ホントに徹夜もして疲れ果てた管理人) 2006/06/07 20:38
眠い…

 ハンドルネームに反し徹夜はしない主義なのですが、仕事が集中&自分のスケジュール管理ミスから久々に完徹を余儀なくされ、ここ二日ひたすら眠い(それでいて案外眠れないもので…)。
 今日も今日とてその徹夜仕事の成果を都内まで運び、そのままUターンも悔しいから神保町→秋葉原コース散歩。新本・古本とりまぜてまたもやいろいろ本を仕入れてきました。

☆本日買った書籍リスト
神保町長島書店にて
○「新映画宝庫vol.4スタークラッシュ」
 …SF映画百科本。なぜか買ってなかった一冊だったので入手。平成14年刊のため「スターウォーズ・エピソード1」あたりまでしか載ってない。
○四方田犬彦「白土三平論」
 …そういや出てたのに買ってなかった、と棚で見かけて即買い。「カムイ伝全集」も出てるんだけど、「第二部」はどうなるんだか。

神保町篠村書店にて
(ここが先日書いた古書店。「社会科学・軍事・思想・鉄道趣味」というこのサイトに集まる人の趣味を集めたような古書店です(笑)。古書センターから九段方向へ少し歩くあります。時刻表(復刻含む)・鉄道模型雑誌などバックナンバー豊富)
○「時刻表でたどる鉄道史」
 …宮脇俊三氏編。写真資料豊富だがコンパクトすぎるかも。
○「図説国鉄全史」
 …学研の歴史群像シリーズで最近続いてる鉄道ものの一冊。この店には鉄道・歴史・軍事それぞれの「歴史群像」シリーズが並んでおり、やっぱりこの方面の趣味者は重なるのか、と思ったり。
○鉄道資料研究会編「象は汽車に乗れるか」
 …なんともインパクトのある表題ですが、中身は雑誌「旅」の同時代記事資料を中心に鉄道昭和史をふりかえるもの。超特急「燕」の試運転の同乗記事があったので買ってしまいました。


>ひでさん
 京大の遼壁画の件も「史点」記事に入れようかどうか迷ったんですよ。そんなもんまであったか、と僕も少し驚きました。確かにまだ大学とか博物館とかいろいろあるんじゃないかなぁ。そういやわが母校でもディズニーアニメのセル画とかがひょっこり出てきて話題になったことが…

>奥野さん
 矢口高雄さんはもともと時代劇にも合う絵柄ですね。僕も最初に読んだときは「白土三平の線だなぁ」と思ったモンです(その年で白土作品を先に多量に読んでたもんで)。白土さんからの絵の影響がどれほどあったのか具体的には知らないのですが、プロデビュー前に「ガロ」に掲載された作品などもかなり白土調な感じがしました。

 「大日本帝国時代の地理感覚」、というと思い出してしまうのが十数年前に対馬に旅した時のことで…民宿のおばちゃん(いや、おばあちゃんぐらいか)が話してましたが、戦前は一番近い都会が「釜山」で、映画なんか見に行くのもそっちに…なんて話があったんですよ。まぁ今だって韓国からの観光客のほか、いろいろ経済的にはあっち側に依存してるところはあるんですが…思えば古代・中世以来そうだったんですけどね。


>民本主義者さん
 お恥ずかしい限りで。「イチジク」の件は修正しておきました。
 なんか書く際に木の実の件と混線したのか思い込んじゃっていたらしく…またウィキペディアの「イチジク」の項目でそれっぽいことが書いてあったもんだから原典にあたらずに書いてしまいました。新約聖書は我が家に転がっていたんですが(親戚にクリスチャンがいたためらしい)、旧約聖書が手元になく、今日出先で確認しました。確かにはっきりと「イチジク」と明記がありますね。
 ご紹介のモンテネグロvs日本の「百年戦争」フラッシュ、見ました。モンテネグロのほうの日本イメージもどんなもんなんでしょうかねぇ。


>景虎さん
 当時の「満州」って現在の僕らが想像する以上にロシアの遺産が残っており、またユーラシア大陸横断鉄道に見られるように非常に国際的な地域にもなってました。「満州国」も日本の支配地域の辺境なんかではなく、実は当時の日本の支配地域の中でもっとも「先進地域」になっていた…という話も読んだことがあります。ここに当時の日本政財界のホープたちが投入され、その満州人脈が戦後日本を作っていく…という見解の本もありました。


>貧乏神さん
 古書センターのほうは逆に知らなかったんです。もっとも篠村書店も今まで素通りしていたような…日大や専門学校が入ったビルと一体化していて工事で目立たない時期があったせいかもしれません。
 篠村書店には古い時刻表もわんさとありました。ただ1970年代ぐらいまでがほぼ限界で、それ以前のものは復刻版。その中にひょっこり置かれていた昭和五年の時間表はやはり珍しかったんじゃないかなぁ…異様に保存状態がよかったので未使用品だったかもしれません。そのうち旅と鉄道のコーナーででも一部公開してみましょう。


>十一郎さん
 このシリーズは学校や市立図書館においてあったのでいくつか読んでました。「卑弥呼」には手を出さなかったと思いますが、そのサイトで紹介している「聖武天皇」「源頼朝」「武田信玄と上杉謙信」、そのほか「聖徳太子」や「足利尊氏」「織田信長」、前川かずおさんのギャグ満載の「豊臣秀吉」なんかは読んでます。
 子ども向けということもあるんでしょうが、主人公美化が凄かったような。そのサイトでも触れてますが「源頼朝」がねぇ…義経も美化してるから梶原景時が一番のワル(笑)。自分で義経を追いつめつつ、その死を聞いて涙し怒って奥州征伐に出かける頼朝に子供心にも矛盾を感じなくはなかったです(笑)。その点前川さんの「秀吉」は後半どんどんおかしくなっていく様子がリアルに描けてたと思いました。
 「聖徳太子」では崇峻天皇が猪の首を切って(実際に切ってた)「馬子の首をこんなふうに切ってやりたい」というシーンはかなりホラーでした(汗)。



#6770 
十一郎 2006/06/07 07:55
今日はちゃんと知られざる歴史本の紹介

ttp://www.websphinx.net/manken/labo/gakn/h_himiko.html
学研から出ている、子供向けな卑弥呼の書籍。
実は自分も、昔に読んだ記憶がありまして・・・(遠い目)

ttp://www.websphinx.net/manken/labo/gakn/gakn.html
他にも同じシリーズのレビューがいくつか掲載されています。このような本で子供達が楽しく歴史を勉強できるのは素晴らしい事です。ははは。

>史点
>党勢のバロメータといわれる部数は減少傾向で、こちらも大変らしい。

赤旗が低迷しすぎて、数年前に党全体の収入が赤字転落したそうですね(ちょっと前は最も資金力のある政党だったのに)。最近、これまで返還してきた政党助成金を受け取るように下から意見されたのは、そういう理由もあったそうです。
日本共産党も日本の政党では一番歴史のある党ですが、長くなればどうしても尻すぼみになるものでしょうか。

>東大がその附属図書館に所蔵していた『朝鮮王朝実録』をソウル大に寄贈することが明らかとなった。

アカデミックレコードには他にも貴重な史料が眠っているかもしれませんね。

・・・すみません、バカな事ばかり言って。



#6769 
貧乏神 2006/06/07 01:18
左か右か

ええと、鉄分担当の貧乏神です。いや、最近は齢のせいか、鉄分もちょっと不足気味
だったりしますが。

鉄道だと、互いに乗り入れていない路線が結構あったりする関係で、どちら側を通行
するかは割と適当なようですね。ポルトガルでも、いわゆる国鉄は右側通行なのに、
リスボンからロカ岬方面に向かう郊外電車は左側通行でした。たぶん、どこの国の
技術によるものなのかがかなり影響するんじゃないかと見てますが。

しかし、SNCFが左側通行というのは知りませんでした。以前、タバコの広告で、SNCFの
列車が左側を走っている画像があって、てっきり、「裏焼きでもしたんじゃないか」と
思ってたんですが、ほんとに左側通行だったのですね。国際列車が乗り入れる際は多少
問題になりそうな気もしますが。

>昭和5年の時間表
なかなかいい買い物をされましたね。神保町で鉄関係の古書というと、古書センター
でしょうか?あそこは結構割高な印象があったのですが。
私も古い時刻表は好きなんですが、その辺の歴史的なのは押さえてなくて、60〜70年代
くらいのものくらいしか持ってません。以前ミュンヒェンで買った1960年の東ドイツ
時刻表が35マルクくらいでした。当時のマルクは60円くらいだったと思うので、それと
比較しても、なかなか良い買い物だと思いますね。

時刻表は、その時代を映す鏡、と言うとちょっと大袈裟かも知れませんが、私のような
人間にとっては、その時代に入り込む道具としては非常にいいものだったりします。
以前見つけたサイトで「20世紀時刻表歴史館」というのがあります。貴重な古い
時刻表がいろいろ公開されていて、感銘を受けました。
管理人の方とは全く面識もないので、URLは書きませんが、検索かけると一発で
引っかかるはずです。



#6767 
景虎 2006/06/07 00:50
戦前鉄道話

鉄道はよく知らないのですが、歴史群像の2月号に『満鉄の車窓から』というのがあったのを思い出しました。

日本商船初の冷暖房完備船『金剛丸』、満鉄の花、特急『あじあ号』、白系ロシア人ウェイトレスが作る『あじあ号』の食堂車名物『あじあカクテル』など、中々面白かったです。
乗り物以外では、満鉄が経営する温泉、炭鉱、競馬場、ホテル(現在も大連迎賓館などとして現存しているとか)などがあり、満鉄って色々やってたんですね。
温泉、炭鉱、競馬場以外の観光名所も面白そうでした。

まず『大連』では、繁華街の常盤橋通、桜の名所である電気遊園、星ヶ浦海水浴場、マーチョ(四人乗りの馬車)。

『旅順』は、二○三高地、水師営など日露戦争の戦跡巡りが多かったようです。

『奉天』は、奉天城などの清朝関係の史跡巡りにくわえて、夜の歓楽街なども殷賑を極めたようです。

『新京』は、満州国の首都だけあって、中央銀行、公安局、国務院、関東軍司令部などを巡ったらしいですね。その他に、北満鉄道倶楽部というのも観光名所になっていたそうです。

『吉林』は、歴史ある古都なので、全体が観光地みたいなものでしょうか?三方が城壁に囲まれた落ち着いた街だったとか。

『ハルピン』は、日本人、満州人、ロシア人などが住む街で、非常に国際的だったようです。日本料理、中華料理、ロシア料理、コーカサス料理などの店があり、ロシア正教のニコラエフスキー寺院、中国人の孔子廟、日本人のハルピン神社などもあり、色々な文化を直接体験できるというのは楽しそうです。
他にも、松花江には社交場としてのヨット倶楽部もあったとか。東洋のパリと呼ばれただけのことはありますね。

>奥野さん
>大日本帝国の地理感覚は今とは全く違うものだったのでしょうか。
私もそう思います。



#6766 
民本主義者 2006/06/06 23:05
あれ?

アダムとイブが陰部を隠したのはイチジクであることは、創世記に明記してあるような…。第三章7節です。
知恵の木の実がリンゴだというのは、北ヨーロッパではリンゴ酒(シードル、サイダーの語源ですな)をつくる風習からリンゴを神聖視する風習を廃れさせようとキリスト教会が流布させた説だそうで、ブドウ酒文化圏の地中海文化とリンゴ酒文化圏との対立が背景にあるのだそうです。(『愛の林檎と燻製の猿と 禁じられた食べものたち』スチュワート・リー・アレン著 渡辺葉訳 集英社)白雪姫の毒リンゴもこれがルーツなのかな?
モンテネグロと日本の百年戦争をテーマにしたフラッシュができました。
http://www.geocities.co.jp/Playtown-King/2816/flash/montenegro.html
2ちゃんねるでも「都市伝説かなんかじゃないの」と議論になってます。
http://academy4.2ch.net/test/read.cgi/whis/1140349005/l50



#6765 
奥野 2006/06/06 06:42
天津航路

「史点」の記事から、ちょっと思い出した話。
3月に帰省した時、東京で高橋是清記念公園というところを散策する機会がありました(カナダ大使館の近く)。ここでは、公園のあちこちに不思議な石像が置かれているのが目につきます。のみならず、公園の一角には、かつてここに朝鮮半島から持ち運ばれてきた石碑があったことを示す説明板も立っていました。その石碑は、最近になって「日韓友好のために」返還されたのだそうです。そもそもなぜ石碑がここに置いてあったのか、という説明は一言もなし。ずいぶんと露骨にごまかしたものですが、こういうのはまだまだあちこちに残ってるんだろうなと思います。

>高田屋嘉兵衛

それはちょっと読んでみたいですね。矢口高雄さんの絵柄って、歴史物には相性がいいんじゃないでしょうか。確か釣りキチ三平でも、ある淵にまつわる伝説か何かのシーンで武士が描かれており、それが子供心にかなりの迫力であったと記憶しています。

高田屋嘉兵衛の子孫の方といえば、2003年にペトロパヴロフスク・カムチャツキーで日露交流のフォーラムをやった時、ヴァシーリー・ゴロヴニン(ゴローニン)の子孫と共に招かれたそうです。それ以前にも日本海海戦の司令官・東郷平八郎とロジェストヴェンスキー両提督の子孫が会談したという話を聞いたことがあります。ロシア人はこういう企画が好きなのかなあ。

>時刻表

「鮮満案内所」というのが何だかすごいです。今じゃ、「せんまん」と聞いて何のことかすぐ分かる人は少ないのだろうな。考えてみれば、「日本領(一応満州は違いますが)だけど日本語が通じない土地」ってことで、この手の施設が必要だったのでしょう。海外植民地のある生活。我々には想像もつかないですが、当時はそれが当たり前の世界だったわけで。

そういえば僕の職場で、戦後すぐにソ連で出版された日本語学習者向けの語学教材というものを見つけました(詳細は下記アドレスから)。内容は様々なシチュエーションにおける日本語の会話が列挙されているだけですが、どうやらシベリアに抑留されている日本人捕虜に会話のネタを提供させたらしく、戦前の日本の「常識」を濃厚に反映したものとなっています。
で、船旅という場面も出てくるのですが、この船が大阪から天津に向かう定期船なのです。当時は代表的な航路といえば天津行きだったのかと思うと何だか感慨深いです。しかも「天津に支店を持っているので」なんて台詞が出てくる。やっぱり、大日本帝国の地理感覚は今とは全く違うものだったのでしょうか。


http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/6218/razgovory.html


#6763 
ひで 2006/06/05 01:51
遼の皇帝陵の壁画が近日公開されるとか

「史点」に渤海関係の話が出ていますが、渤海の後に東北アジアに栄えた遼についても最近タイトルにあるようなニュースがでていました。京大の調査隊が1939年に調査した遼の慶陵の壁画が6月9日から18日まで公開されるそうですね。1939年の調査の時は皇帝陵を調査し、そのときに武人の壁画をはがしてもってかえってきたそうで、今回が初公開だとか。1939年の調査の段階で山水画や人物画などいろいろあったようなのですが、非常にもろくあちこち剥落していたりしたため一部をはぎ取って持ち帰り、そして長年地下室や総合博物館に保管されて一般の目に触れることはないまま半世紀以上の時が過ぎていったと言うことのようです。

旧帝大の博物館をしらべると色々な物がまだ眠っていそうな気がします。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#6762 
徹夜城(史点も上げて深夜に書き込みしてる管理人) 2006/06/05 01:12
「釣りキチ三平」の「風雲児たち」化?

 このネタ、他の某所で書こうかと思ったのですが、歴史がらみ、およびロシアがらみでもあるのでこちらに。

 矢口高雄さんの「釣りキチ三平」平成版のカムチャツカ編、雑誌スタイルの定期刊行が終わってからしばらく見ないな…と思っていたら先日から続きを載せた号が書店に並んでました。しかし驚いたことに(矢口さんご本人もおことわりコメントをつけてましたが)今回は「釣り」が一切ないのです!なんとあの高田屋嘉兵衛の話が延々と漫画化されているじゃあありませんか!
 登場人物の谷地坊主が実は嘉兵衛の子孫で…という設定でカムチャツカにまつわるということで嘉兵衛伝が語られるのであります。ベースに司馬遼太郎「菜の花の沖」を使ってはいますが、あれはあくまで小説という断りを入れた上で独自の取材による要素も混ぜた内容でした。次回以降も続くようです。
 高田屋の七代目の方と矢口さんの対談も載っており、なにやら雰囲気は「風雲児たち」(笑)。「風雲児たち」ではあの「幕末へ向かって爆走」の時期にあたったため、みなもと太郎さんが泣く泣くカット(それでもさわりだけは書いてた)した高田屋嘉兵衛の話だけに嬉しい驚きでありました。
 僕自身専門の外ではありつつ国際的に活躍した豪商ということでは王直なんかと相通じるものを感じる嘉兵衛なので、これは意外な楽しみだなと思ってるところです。


>十一郎さん
 動画、見ました〜同じ事件(?)のニュース映像はほかでも見た気がしましたが、これは完全に警察をメインに編集したから面白くなっちゃったんですねぇ。いやもう、どちらがヤクザか分からない大迫力。タイトルの元ネタ「県警対組織暴力」の菅原文太を越す迫力でありました。
 警察関係のタネ本で読んだのですが、実際ヤクザの相手をする四課の刑事たちって風貌がどんどんヤクザ化するんだそうですよ。そうでないと相手が出来ないというだけでなく、癒着…といっていいのかどうか、相互の関係も出来てくるような気もするんですね。
 近ごろ散発的に銃撃が起こる福岡・佐賀でのヤクザの抗争も跡目争いから始まってるらしいですね。山口組組長に関する連載で目をつけられたのか、ヤクザ関係では有名なジャーナリスト・溝口敦さんの息子さんが襲撃されるという事件もありまして、なんだかんだ言いつつ怖い存在ではあります。


>マルクスの恋人さん
 なるほど、パリも同様ということは単純に「感情」と言ってしまってはいけないようですね。ソウル在住者のコメントだったので、そんなもんかなと思いはしたんですが。

 近代天皇制研究者の原武史さんが鉄道マニアぶり全開で書いたエッセイ集「鉄道ひとつばなし」(講談社現代新書)を愛読してるんですが、原さんも何度か韓国に行って鉄道マニアの目でつぶさに観察してきた韓国鉄道事情を書いてます。そこでもソウルの地下鉄の話題があり、国鉄と乗り入れしている地下鉄1号線のみが左側通行で、他は右側になっている(地上の電鉄と乗り入れるがこれは地上でも右側らしい)という話が出てきます。これについては特に日本とのからみは言ってないんですが、韓国の鉄道に「急行」「快速」といったものがほとんどない(最近になって「セマウル」ほかちょこちょこあるそうですが)、一方でバスがやたらに発達しているといった点に「鉄道は日本のもの」という感覚があるのかもしれない、ということを書かれてました。地下鉄の列車内で雑貨売りが平然と行われてるところなんかは日本との感覚の違いが見えて面白かったです。



#6761 
マルクスの恋人 2006/06/04 12:41
パリの「鉄道感情」?

あのー、その論法でいくと、国鉄もRERも左側通行してるのにメトロは右側通行のパリ交通営団にはどんな「鉄道感情」があるんですか?

都市の地下鉄というのはたいてい路面電車の代替として建設されるもので、自動車の通行と合わせるのはごく自然なことです。



#6760 
十一郎 2006/06/04 06:59
府警対組織暴力

海外サイトに引用されているニュース映像ですが・・・
http://www.youtube.com/watch?v=fbBmtSSoJQE
「どっちがどっちだ?」「出来レースっぽいなあ・・・」「たった2箱かよ!」とツッコミ所が満載で、個人的には笑えました。捏造映像かと一瞬思ったくらいです。
字幕も無いので海外の人が面白味を理解できるかどうかは不明ですが。

個人的な話ですが、先週は小用で北九州を旅してまして、ちょうど福岡によった時に近所で暴力団による銃撃戦があったり。ひまな時、暴力団の入っているという新し目なビルも見てきました。

>中村屋のボース
はずかしくも、完全に勘違いしてました。
実は書き込む前に少し検索したのですが、検索単語と検索サイトの選択が悪かったのか、全然引っかかりませんで。



#6759 
徹夜城(鉄道史にも首を突っ込んでいる管理人) 2006/06/03 23:26
ときには鉄道の話を

>奥野さん
 ちょっと遅れましたが、時刻表ネタにレスありがとうございます。昭和五年の時刻表、ホントにいい史料だなぁと思いながら読んでおります。以前宮脇俊三さんの「時刻表昭和史」でこの手の話に興味を持ったことがあるんですが、時刻表そのものが入手できるとは正直思っておりませんでした。

 昭和五年(1930)10月といいますと、この翌月に浜口雄幸首相が東京駅で狙撃される暗殺未遂事件が起こります(翌年死去)。そして間もなく満州事変勃発です。日本は長い不景気のただなかにあり(世界恐慌が前年)、あとから振り返ればこの辺が昭和史の分かれ目だったと言えそうです。以後、日本は転がり落ちるように…なのですが、時刻表自体からはもちろんそこまでは読み取れませんけどね。
 鉄道史的に見るとこの時期は国鉄が大衆化、サービス強化を始めた時期で、「富士」「桜」「燕」といった公募によって命名された特急・超特急が走り始めています。こうしたサービス強化部分は時刻表を読んでいても結構感じ取ることができますね。「鉄道営業案内」の文章もえらく低姿勢で「お客様向け」って感じですし、はじめのほうに入ってる広告にもこんなのが。

 不案内石に聞いては曲がってく
 旅に出て土地不案内程困るものはありませぬ
 満鉄では朝鮮総督府と連合して鮮満の道知るべとも云うべき案内所を左の各所に設け鮮満支那方面行き旅客の為めに無料で各般の便宜を計つて居ります
                        鮮満案内所

 なんとも言いがたい「味わい」を感じる広告でありました。樺太・台湾・朝鮮・満州といった大日本帝国の支配地域の鉄道時刻がしっかり載ってるあたりも「時代」を感じさせます。なぜか中華民国の鉄道時刻が載っているのが不思議ですが…「中華民国十八年改正」なんて表示つきで出ています。まだ18年しか経ってなかったんだ!
 広告といえば時刻表の背表紙にまで広告が入っていて、「宮内省御用達 ヒゲタ醤油」なんてデカデカと書いてあったりします(笑)。だから棚においてあると一瞬時刻表とは気付かないぐらいです。
 「旅行必携・づつうには!頭痛譲テーリン」なんてのもありますね。「神経衰弱・婦人血之道(ヒステリーとふりがな)・精神過労(こころつかいすぎ)・宿酔(ふつかよい)・感冒(ひきかぜ)より起る頭痛に卓効(ききめ)あり」だそうです。

 鉄道だけでなく乗合自動車(つまりバス)、船舶まで実に充実。僕の地元のバスが全く同じ路線で載ってて驚きました。さすがに時刻は載ってませんが行先と距離、運賃と所要時間が載っております。僕の自宅の最寄駅から最寄バス停まで「30銭・20分」と出てました。現在は「310円・20分」でありまして、この発見から貨幣価値の換算が出きるようになりました(笑)。
 飛行機便はまさかあるまい、と思っていたら、わずか1ページでしたが、「旅客航空便」がありました!東京〜大阪間をおよそ2時間半ちょっとで結び、料金は「30円」と出ておりました。

 樺太の鉄道のお話、大変興味深いですね〜。この時刻表に載ってる、まさにそのままつい最近までやってたわけですか。
 朝鮮半島においても南北で「京義線」「東海線」連結の話題がありますが、これも日本統治時代に作られたもの。ついでにいえば「ひかり」「のぞみ」ももともとは朝鮮半島から満州に向けて走る列車の愛称でした。
 現在でも韓国の鉄道は基本的に日本が敷いたものをそのまま使っているので道路と逆に「左側通行」になってるそうです。さすがに鉄道は配線の都合上列車の進行方向だけ逆にすりゃいいってもんではないので切り替えられなかったようですが…ところがソウルの地下鉄は全て「右側通行」になっていまして、この辺に韓国側の「鉄道感情」が見え隠れする、という話をソウル在住の知人に聞いたことがありました。

 ところで「シベ超」で水野晴郎氏演じる山下奉文はまだ見てないのですが(汗)。
 それ以前に「にっかつ」の死に水をとった大ボケ超大作「落陽」で水野さんが映画の宣伝がてら「似ている」という理由から山下を演じてまして、これがその後の「シベ超」につながった経緯があります。そのときにたぶん遺族に断りは入れてるんじゃないかなぁ…と。モデルがある映画は実名・変名に関わらず俳優さんは関係者に挨拶はしておくものだそうですので(あの「仁義なき戦い」もそうだったとか)。



#6758 
奥野 2006/06/02 03:46
歴史的鉄路

>昭和5年の時刻表

また面白そうなものを入手されましたね。僕は鉄道関係には甚だ疎いのですが、しかし古い時刻表などというものは、見る人が見れば本当にいい史料になるのだと思います。また、ごくありふれた・実用的な書籍であっても歴史を感じさせるというのが古本の醍醐味ですね。
しかし、シベリアを横断するのに沿海州ではなく朝鮮半島やハルビンを通過するというのが、何とも時代がかっていていい感じです。当時の日本人にとっては、この辺りの地理感覚は全く違っていたのでしょう。ほんの25年ほど前にロシアと戦争して取り合った土地なのだし。
あと、戦前のシベリア鉄道横断というと、どうしても水野晴郎の顔を思い出してしまう…あの映画、山下大将の遺族の方から抗議されたりしなかったのでしょうか。

歴史&鉄道ネタでは、ご存知かもしれませんがこんな話があります。
サハリンでは、鉄道のレール幅を日本統治時代の標準からロシアスタンダードに切り替えるための工事が行なわれています。着手したのは去年で、今年の作業は5月の初め頃から始まっています。列車の流れをできるだけ阻害しないため、まずは3本のレールを平行して引く形にし、当面は日本・ロシア両タイプの車両を走らせることができるようにしておいて、最後に余分な1本を撤去するのだとか。
実は、ソ連は戦後南サハリンを領有した際に日本が敷設した鉄道を接収しただけでなく、同じ日本スタンダードで路線を延長してさえいます(日本時代の鉄道は700キロ、戦後にソ連が追加したのは200キロ)。戦後すぐにレールを引き直すのは困難であったため、日本標準に統一するという決定が下されたのでしょう。しかし、今や日本領時代の「遺産」もその役割りを終えようとしているわけで、これもまた歴史を感じさせる話だと言えそうです。

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/6218/


#6757 
ブッチャ−3世 2006/06/01 22:05
リベンジ

フェルメ−ル事件は私も聞いたことがあります
もっとも美術史としてでなく犯罪クロニクル物
として稀代の詐欺事件として紹介されていました。
そのフェルメ−ルの素晴らしい出来映えの贋作を
描いた人は若い頃、画家を志しベルギ−でしたっけ?の
著名な絵の鑑定・評論家のところへ自分の描いた絵を
見せに行って、ずたぼろに、けなされて相当、恨みに
思い、この評論家を一杯くわせる方法を考えました。
贋作というのは有名作家の、すでに有名で世間で
知られている作品を模写し売るよりも
有名画家の埋もれた幻の作品、という触れ込みのものを
描いて売り付けるほうが引っかけが成功しやすいらしく
そのフェルメ−ル派・画家も、そのようにして標的の評論家の
ところへ持っていったら、その評論家は、まんまと、はまり
その評論家のお墨付きのもと、贋作者は次々と幻の作品群を
世に出していった、という興味深い話でした。
評論家は鑑定眼がよろしくないと自分も痛い目にあうもの
でしょうね、自分で創作せず他人の創作にケチつけて
飯が食えて創作者より気楽に、はたからは見えても。



#6756 
ひで 2006/06/01 18:27
真贋の見極めはむずかしい

>ゲーリングに売られたフェルメール
ゲーリングに売ったフェルメールが贋作だと分かったのは本人が贋作であると言うことを自白(ナチス協力者でないことを示すため)し、なかなかそれを信じようとしない人々の前でフェルメールそっくりの絵を描いて見せたことによって判明したということで、専門家でもなかなかわからなかったようです。

もともとその贋作者が捕まった容疑は贋作をしていたと言うことではなく、ゲーリングにフェルメールの絵画を売ったと言うことです。その売った人というのは美術アカデミーで学位を取り、国内外でかなりもてはやされたこともある画家だったのでそれなりの技量の持ち主だったようです。そんな彼が贋作を作成した理由はオランダに前衛美術が台頭するようになると今まで彼をもてはやしてきた人々が彼のロマン主義的リアリズム志向を古臭いものとして冷遇し始めたため、そのことに対する復讐を果たすために贋作を書き始めたとか。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#6754 
流星くん 2006/06/01 12:52
眼が節穴

>盗作
贋作師というのは絵が上手くないと務まりません
だから、盗作疑惑画家の人は贋作師としては
プロフェッショナルということかな
第二次大戦中、ナチスドイツは占領地域で名画を
収集して回ったそうで、ゲ−リングにフェルメ−ル?
だったかの幻の作品と思わせて、まんまと贋作を
売り付けた伝説の贋作師がいたそうです。
その贋作師の手口はナチスの官憲に見破られることは
無かったのですが、皮肉なことに詐欺師の祖国を解放
した連合軍の手によって詐欺師は捕捉されたとか。

今回の騒動は疑惑の張本人もあれですが
その人物の手による盗作疑惑の作品に賞を与えた多くの
コンテストの審査陣の芸術を見る眼の節穴性も問われる
べきではないかと
そのようなことも見抜けないで審査員の座にあぐらを
かいている人が日本には多いということですか
文化庁は古墳の不手際に続き、また汚名が増えましたね




#6753 
不肖デルタ 2006/06/01 08:13
絵柄を盗む

徹夜城さん原田さん、キリンのレスありがとうございます。
原田さんが紹介なさった書籍は私みたい貧乏人には敷居が
高いんで、まぁお二人の書き込みで大体の言われは分かった
ので、これにて一件落着ということで。

>盗作疑惑
そのイタリア人画家の独白をTV報道で見ました、その
疑惑の日本人画家は、その伊・画家に対し貴方の熱烈ファンで
絵を見たり写真を撮ったりさせて下さいと申し出て了承され
その伊・画家のアトリエへ出入りするほどの仲だったそうです。
しかし、理由は明かしてませんが、2人の画家は仲違いして
最近は連絡をとってなくて、疑惑画家が盗作疑惑の絵で賞を
とったのも伊・画家は知らされてなくて後から知り憤慨し
今回の騒動の起点となったとのことで。
その伊・画家は、その疑惑画家を美術系の学校の講師だと
思っていて授業の題材として自分のアトリエの出入りや
絵を写真に撮ったりするのを許可してた、と言ってました。
学校の授業の一環で作品の模倣模写描きをするなら
ともかく、それを仕上げて展覧会に出品するのは
ちょっと神経を疑いますね



#6752 
徹夜城(昨夜は有楽町で飲んでた管理人) 2006/05/31 23:42
昭和五年の時刻表

 昨日は有楽町で飲んでおりまして…集合場所がビックカメラの前だったのですが、その後夜11時近くにそこにマイケル=ジャクソンが買い物に来ていたとの話を今日になって知りました(笑)。別にファンでもないからどうってことはないのですが、確か店を出たのもそのぐらいの時間のはずで、結構ニアミスだったんだなぁ〜と。
 有楽町へ行く前に、ちょいとワケアリで(ここのディープな常連さんの中にはお分かりの方もおられるかも)このところ調べている件で神保町の書店・古書店で資料探しをしてました。鉄道趣味関係をそろえている古書店に入りましたら、ドンピシャで目的物があって驚きました。それは、

「鐡道省編纂 汽車時間表 附汽船自動車発著表」(原題のまま)
 発行元・日本旅行協会 昭和五年九月二十五日印刷納本昭和五年十月一日発行
 定価金三十五銭

 というものなのであります。まさかそのものズバリがあるとは思わなかったな〜。昭和ヒトケタ年代の資料でもあれば、と思ってフラリと入り、いくつか目ぼしいのをあたってたら調査対象の年月日(!)そのものの時刻表の現物がひょっこり置かれてるんだもん。ちなみに値段は2400円。現在の時刻表で考えてもそう高い買い物ではありません。
 最初のほうに鉄道路線図が出ていてそこから索引できるというのは今と全く同じ。というか、このころから鉄道路線図の図柄が今もまったく変わってないんですね。昔の時刻表を見ると今はない鉄道路線が載っている、というのは当たり前ですが、このぐらい古いと「まだ建設してない路線」もかなりありますね。その一方で沖縄県に鉄道が走ってるのが確認できたりして。
 そして戦前の時刻表でありますから、樺太・台湾・朝鮮・満州・中華民国まで路線図および列車時刻が載っているのであります。圧巻なのは「日本・莫斯科・羅馬・伯林・倫敦・巴里間連絡」の列車時刻が出ていることです。その東京〜パリ間の時間を載せますと…
 東京(21:45)→下関(2日目21:40)→釜山(3日目8:00)→京城(19:20)→奉天(4日目13:00)→長春(21:00)→ハルピン(5日目8:00)→チタ(6日目20:45)→イルクーツク(7日目20:54)→オムスク(9日目3:45)→スウエルドロフスク(10日目12:04)→モスクワ(12日目14:30)→ワルソー(13日目21:10)→ベルリン(14日目9:58)→パリ(15日目6:43)
 もちろん乗り換え乗り換えなんですが、切符はまっすぐ買えたそうなんですよね。
 この時刻表、船便も海外便時刻まで載せてますねぇ…ま、今も飛行機時刻が載っていたりするわけですが。割とコンパクトなスタイル(今日のポケット時刻表と同じ)の割りに内容がやたらに濃いです。
 いや〜やっぱり間接的資料より現物ですな。当分楽しめそう(笑)。この昭和五年十月という時刻表になぜ僕が執心してるのかは、鉄道史マニアな方は見当がおつきかもしれません。以前栄耀映画のほうでチラッと書いたことがありましたし。

>民本主義者さん
 モンテネグロが日本に宣戦布告してた、って話題は、僕もあの記事書く過程で初めて知ったのですが内容的にスルーしていまして…まさか国会でも出てきていたとは知らなんだ。

>十一郎さん
 「ボースカレー」のほうはいわゆる「中村屋のボース」のほうじゃなかったかな?

>ひでさん
 モンテネグロ独立のニュースを聞いた僕の家族などは「60万人」という数字を見て「間違いだろ〜!」と言っておりました(笑)。確かに日本では昨今の市町村合併の反対賛成の投票並みに見えちゃいますよね。

>貧乏神さん
 京都にお引越しですか〜。確かに存在そのものが歴史みたいな町ですからねぇ。「首都」でなくなっても「京都」って都市名が通用してるんだから思えば不思議(笑)。

>新参右衛門さん
 くだんの画家の盗作疑惑ですが、はたから見る限り限りなく真っ黒に思えますねぇ…。ちょっと前に騒ぎになった漫画家の「トレース」事件を連想します。
 そもそも宗教画以外にもソックリな構図がいっぱいあるんですよね。それなのにそんな言い訳を堂々としていたとすると…。問題の発覚し始めの段階で「元ネタ?」のイタリア人画家にこっそり謝って「訴えない」という言質をとっていたとの報道も一部であり、かなり怪しいのは確か。
 それにしても良く分からないのが、あそこまで完璧にソックリに作っちゃってるということそのもので…ヒントにするとかそういうレベルではないソックリさでしたからね。画家なんだからもうちょこっといじって変えて「オリジナル」と主張する程度にごまかせるんじゃないかと思うんだけど…もっとも例の漫画家の場合も同じ事を思ったものですけどね。本人は「共同制作」という言い方もしているようですが、どうもそういう感じではなさそうな…



#6751 
新参右衛門 2006/05/31 11:31
贋作、盗作

きのう、テレビで例の盗作疑惑の文化庁某賞の受賞画家が
単独インタビューに応じていたのを見てたのですが
結構じしん満々に反論してて、私の絵が盗作だというなら
世に出ている宗教画の大半が盗作になる、だいたい構図が
決まってしまうもんなんだよ宗教画は、ってな事を
言って切り返していたんで、そういえばマリアの絵とか
宗教画の母子肖像は、どれも似て見えるかな、と
思ってしまった、宗教画に疎い自分。
けど、とうの絵を盗まれたと主張するイタリア画家の
言っていることも、もっともな気がするし〜
みなさんはどうですか?盗作と思いますか
それとも、よくある宗教画ステレオタイプ?



#6750 
貧乏神 2006/05/31 01:37
インド人、嘘つかない

って言っても、そろそろ通じにくくなってるのかな。

それはそうと、チャンドラボースの話ですが、実は銀座に「チャンドラボースビル」なる
建物が存在します。松屋の北あたりだったと思いますが。
以前はこのビルに、某ビール会社の直営店が入っていたので、たまに呑みに来ていたので
このビルの存在を知ったわけなのですが、残念ながら、このビルが如何なる理由で
チャンドラボースの名を冠することになったのかまでは存じません。

さて、私事ですが、京都に引っ越しました。実は20年ほど前までは京都に住んでいたの
ですが、久しぶりに戻ってみると、この町、そこらへんにこともなげに歴史がごろごろ
転がっているというのがわかります。昔は全然気付かなかったのですが。

京都人にとって「さきの戦」といえば応仁の乱のことだ、という話がありますが、
これって、けっして冗談じゃないんですね。また聞きの話なんですが、伝統芸能に
携わってるような人に言わせると、「祇園祭は新しい祭」なんだそうです。もちろん
時代祭なんてそもそも数に入っていない。こういう言葉が自然に出てくるというあたりが
面白い土地ですな。

まあ、引越しはしましたが、これからも、たまに現れては変なことをちょこちょこと
書き込んでいくと思いますので今後ともよろしくお願いいたします。



#6749 
孟きょう 2006/05/30 00:31



 >電気羊様
 『康熙帝の手紙』読んでおられましたか! あれももう絶版になっちゃってるんですよね、やっぱり古本屋ですよね・・。私も高校生の頃に図書室で借りた『康熙帝の手紙』を楽しく読んでいましたよ。部活の帰りにもなじみのラーメン屋さんで夢中でラーメンをすすりながらこの本を読んでおりまして、ラーメンのスープが本にかかるかかる(笑)。あの頃は楽しかったなぁ・・。駱駝をバリケードにした鉄砲隊の出てくる章から三軍団に分けた外蒙古遠征、皇太子に送る陣中日記、巻き狩り、「銀川あたりの地方は粉が白くて饅頭が美味い」等の章ありで、とても面白いですよね。
 本格的な研究をされていたのですね。凄いな〜。そうですね、あの時代の研究は、他の時代にもまして北アジア言語を含む多言語の知識及び広範な知識が要求されるため、ハマると面白いかわりに史料が膨大すぎて大変ですよね〜。もう康煕朝の頃を含めて清朝というのはマンジュリア統一戦の頃からモンゴル文化、モンゴル言語は無視できないものがありますから。博学な康熙帝そのものがあの時代のごった煮感を体現しているものがあるんでしょうね。そういう彼独特のつづりがはいった手紙が、モンゴル系列の伯母達にモンゴルより送った茹でた羊肉に添えられていたかもしれないと想像すると面白いじゃあないですか。



#6748 
ひで 2006/05/29 23:49
そりゃ、もちろん「王様」でしょう(笑)

>ピッチ嬢では王様と言っても良いサヴィチェヴィッチ
サヴィチェヴィッチというと好不調の波が大きかったり、怪我が多かったり、カペッロ(当時のACミランの監督)とあまりうまくいっていない感じがする一方で会長のベルルスコーニには「天才」とまで言われて気に入られていたり、背番号10はロベルト・バッジョ相手でも絶対譲ら無かったり・・・と言った感じの人でした。試合には出たりでなかったりが多かったけれど、絶好調時には手のつけようがなかったですから、「天才」といわれるのも分かりますが。ちなみに日本にトヨタカップで2回きていますが、はじめてきたときにはレッドカード一発退場、2回目の時はきたけどあまり目立ってなかったような記憶があります。あと彼にとって不運だったのは絶頂期の頃はユーゴ内戦のせいでユーゴ代表には94年のワールドカップの出場資格がなかったと言うこともあるかな。

そんなサヴィチェヴィッチも独立したモンテネグロのサッカー協会会長として2010年ワールドカップにむけて準備をし始めている模様です。人口60万の国で代表チームを作ってワールドカップに出るというのは確かに優秀な選手は何人かいますがいくらなんでもきつそうな気がします。

何か歴史にほとんど関係なくなってる気が・・。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#6747 
民本主義者 2006/05/29 22:26
その上さらに

>十一郎さま
こんな話もあるようで。真偽は不明ですが。
http://trivium.jugem.jp/?day=20051026
「アメリカ、日本、ロシアは、モンテネグロのことを忘れていて、講和会議に呼ばなかったのです。
その結果、一見終戦したかのようにみえて、国際法上はモンテネグロと日本の戦争は終わっていなかったのです。
2001年、モンテネグロの元サッカー選手デヤン・サヴィチェヴィッチ氏が来日し、正式に終戦にサインをしました。」

どんな資格で「正式に終戦にサイン」したのかを考えると、夜も眠れません。



#6746 
十一郎 2006/05/28 04:50
坊主華麗

いや、以前にどこかでレシピを見てから、一度ボースカリーを作ってみたいと思ってまして。こういう政治・軍事の交流から意図せずして文化が伝わっていく事も歴史には多いようですね。
ボース自身は最後は大東亜戦争の実態に失望した様子もあるのに、日本の問題そのものは認めているパール判事ともども過去を美化したい人々に利用されている。しかし独立運動はさておき市井の日本人との交流は良い印象もあったようで、多少は救われた感もあるなと思いつつ。

>歴史的和解
本題とは少しずれますが、ほんの少し前、日本政府が本腰を上げるより先、民団は拉致被害が北朝鮮の犯罪と指弾していたわけですよね(同時に、民団が別れる原因らしい日本共産党も、いち早く指摘していたのが数奇な運命)。
ところが最近、とあるニュースサイトで北朝鮮拉致を批判しつつ「だから在日は全て追い出せ」という論調を見かけ、ずっこけた事があります。韓国が北朝鮮と和解に向かっている事自体が最近なのに(現在でも軍事的緊張が継続したまま)、印象論ってのは恐ろしいなと思った次第。
とはいえ、そういう過去が忘れられるくらいに和解ムードが継続しているのは、緊張が高まるよりは良い事だとは思います。

>民本主義者さん
>モンテネグロ
つまるところ、講和を結ぶ前にモンテネグロがユーゴスラビアになってしまった結果、まるで日本と戦闘状態を続けているかのような見かけになったわけですね。
しかもモンテネグロの戦線布告自体が知られていないから、豆知識的な面白さも手伝って、この冗談が広がってしまった、と。



#6745 
民本主義者 2006/05/27 23:15
#6744に追加

しまった。日本財団のサイトのURLを貼り忘れました。↓です。
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/moyo/2002291/20022912.html



#6744 
民本主義者 2006/05/27 23:12
嗚呼!モンテネグロ!

ニュースな史点でモンテネグロをお取り上げになるのなら、これについても触れていただきたかった!日本財団のサイトより引用。
「「この女博士さん、日本人の珍客が来たので張り切ってますよ。彼女、モンテネグロと日本は、日露戦争当時の講和条約がいまだ締結されてない――と言ってます」。通訳の山崎さんがそう言うのだ。「エッ、冗談言ってるんでしょ」。「いいえ。本当の話ですって」。

 彼女の説はこうであった。日露戦争当時、モンテネグロ公国はロシアと同盟を結んでいた。そこで1904年(明治37年)、この国は同盟のよしみをもって日露戦争に参戦、兵を満州に送った。今風に言うと集団的自衛権の行使だ。

 日露は、米国のポーツマスで講和条約を結んだが、ロシアも日本もモンテネグロの同盟軍を無視し、なんの呼びかけもなかった。だから、国際法上、日本とモンテネグロは、交戦状態が続いていると。」

あの鈴木宗男衆議院議員がこの件について国会で質問しております。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a164069.htm
「二 一九〇四年にモンテネグロ王国が日本に対して宣戦を布告したという事実はあるか。ポーツマス講和会議にモンテネグロ王国の代表は招かれたか。日本とモンテネグロ王国の戦争状態はどのような手続きをとって終了したか。」

小泉首相の答弁情報にいわく。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b164069.htm
「二について

 政府としては、千九百四年にモンテネグロ国が我が国に対して宣戦を布告したことを示す根拠があるとは承知していない。モンテネグロ国の全権委員は、御指摘のポーツマスにおいて行われた講和会議に参加していない。」(引用終了)
だそうです。

日英同盟の規定によると、ロシアについでさらに一カ国が日本に宣戦を布告すると、自動的に英国がロシア(プラス当該一カ国)に参戦する義務が生じてしまうので、日英双方が言わず語らずのうちに「なかったこと」にしたのではないでしょうか。

この点に関する皮肉の効いた論評がこちら。
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/3776/montenegro.html
「おかげで、未だにモンテネグロと日本とは国際法上戦争状態にあるといふ訳です。たとへ日本のPKOが、モンテネグロを避けたとしてもその周辺国に自衛官を派遣するとやはり問題がありさうです。別に戦争になるつて訳ではないのですが、さすがに明治の元勲も今頃になつて日露戦争が顔を出してくるとは考へてなかつたでせう。

 まぁ、日本政府内部では「すでにモンテネグロ王国なんてぇのは消滅してゐるんだからいゝんぢやないか」といふ意見もあるやうですが、それを云つたら「大日本帝国」なんてのもすでに消滅してゐるはずですよね。それでもいゝなら、いゝんですが――。 」

ま、真相はこの辺↓にある、いたってつまらないものでして…。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88:%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8D%E3%82%B0%E3%83%AD
















#6743 
原田 実 2006/05/27 11:09
キリンとジラフ

不肖デルタ様

キリンとジラフの関係については、下記書籍が参考になろうか、
と存じます。

『キリン伝来考』 (文庫)
ベルトルト ラウファー
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4150503036/



http://www8.ocn.ne.jp/~douji/


#6742 
十一郎 2006/05/27 08:03
ゴルゴムの仕業だ!

主人公が強引としか思えない断定で、何もかもをゴルゴムという敵組織の陰謀と考える描写は、ファンの間でも愛されるツッコミ所ですね(笑)。
初代の原作漫画も、黒幕が○○政○という辺り、微妙に陰謀論的でもあります(そういう現実的で、子供には正義にあたるような存在を黒幕に置く事こそが原作の特徴ではありましたが)。

>すい星落下で株急落? 「25日に大津波」予言(夕刊フジ)
もし、これがエリック・ジュリアン氏が意図的に行う株操作だとすれば、なかなかの知能犯かも。だとしたら巧い手だな、とちらりと思ってしまったり。

>国旗・国歌
ちょっと古い話題ですが(前に紹介されていたかな)、文部科学省(パソコンが古くて一発変換しない)が各国における学校行事での国旗掲揚・国歌斉唱を比較したページがあります。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/11/09/990906i.htm
先進主要国しか載っていませんが、相当に千差万別のようです。国旗は掲揚しても、必ずしも国歌は斉唱しない傾向にあるようですね。日本政府の考えに近いのが中国・韓国であり、欧米が(多様性という点もふくめて)やや自由主義者よりというのも興味深いです。
そもそもフランスやイタリアでは、入学式や卒業式自体が存在しないというのも知りませんでした(しかしページ最下段ではイギリスにも無いとある。はて?)。

そういえば、オーストラリアには第2国歌とでも呼ぶべき物があって、泥棒が羊を盗んで逃げて溺れ死ぬという内容らしいですが、それは学校で唱わせるべきやいなや。愛国者の意見は、どっちなんでしょう(笑)?



#6741 
マルクスの恋人 2006/05/27 04:21
♪支配したがる宗教(リリジョン) 怪しげな学者(スカラー)…

♪罵るときは手先(エージェント) 汚いホコリさ…

ちょっとマイナーだったか? 2番の歌詞だもんな。
私は南光太郎ではないので、トンデモ本の流行をゴルゴムの仕業とは思いませんが、逆に言うと、悪の陰謀でもないのに人間は勝手な妄想に狂い、他人に難癖を付けて破滅していくのかと思うと、現実はどんな怪奇ホラーよりも怖いんだということをしみじみ実感している今日このごろです。



#6740 
徹夜城(出勤前に書き込む管理人) 2006/05/26 14:40
なんか凄いことになってる

 しばらく書き込みをしないうちに、随分と多岐にわたる話題が…しかもちょっとビックリなものまでありますね。

>なかじまさん
 おおお…あの中嶋真さんでいらっしゃいますか!?ようこそおいでくださいました!
 ボードゲーム「太平記」は今もしっかり所有しておりまして、そのうち「ゲームで南北朝!」コーナーでデータ紹介なりリプレイ記事なりを書かねばと思っていたところでした。当時「シミュレイター」誌の「太平記」特集で史実・ゲームデザインともに物凄く濃い南北朝記事があって感動したものでしたが、こうしてつながりが出てくるというのはすごいなぁ…。こりゃうっかりしたことを書けないぞ、とも(笑)。
 「観応の擾乱」については以前どこかで聞きまして、やってみたいなぁとは思っておりました。他のTVゲーム版「太平記」ではこのあたりの再現ができないので…
 今後も南北朝がらみでゲームを作られることはあるんでしょうか?

>ひでさん
 「ダ・ヴィンチ・コード」、あんまり大騒ぎしてるんで(芸能面じゃなくて社会面の話題になってますもんね)、見てないうちから見たような気分になってます(笑)。
 でも「最後の誘惑」の時ほどスキャンダラスな騒ぎではない気もしますね。そこらへんはあくまでエンターテイメントと割り切れるんでしょう。面白いのが騒ぎがむしろインドやフィリピン、中国、ロシアといった欧米以外で大きくなってるところでしょうか。

>奥野さん
>プロと称する歴史学者たちは古い「常識」にとらわれていて真実を理解していない。あるいは、自分たちの権威を守っていくために真実を隠そうとしている。しかし、こむずかしい理論や古びた通説を打ち捨てて素直に歴史を見ていけば、おのずと本当の姿が浮かび上がってくるはずである云々…

 すでに尾鳩さんも書かれますが…いやホント、これは歴史分野に限らずいろんな方面で同様の主張が古今東西おこなわれてるんですね。で、だいたいそれらの大半はすぐ忘れ去られるので、またしばらくして同様のことをさも「新説」のように唱える人が出てくるわけです。
 歴史の場合、究極のところ「決定的証明ができない」というところがありまして、それがトンデモ史学(これもレベルの差はいろいろありますが)のつけいるところになってますよね。文献だって「ウソをついている」と言ってしまえば否定できますし、自分がいま信じている「歴史」は全部作り事かもしれない、と言い出すともうなんでもアリになります。
 ただ、歴史学者以外の「学者」で「歴史研究」にハマり、独自の珍説を唱える人については、ご専門の分野でも問題のある人だったんじゃなかろうかと思うことが多いのですけどね。

>アール・ケイさん
 とりあえず何も起こらぬまま25日は世界的にほぼ過ぎました(笑)。
 その人もどういう言い訳を考えているんでしょうかねぇ。「地球外の科学」という著書のタイトルも気になりますね(笑)。

>電気羊さん
 中国の記事では地図入りだったんですか(笑)。「古代韓国が実は中国を圧倒する強大な大国だった!」というネタ、実は日本人の竹田日恵氏(はい、「後醍醐天皇・竹内文書」をものしたあのお方です)も書いていたりします(笑)。「魏志倭人伝」を暗号解読していくとそういう「史実」が浮かんでくる、という「ダヴィンチ・コード」も真っ青の内容でした(笑)。
 高句麗や渤海については以前から韓国歴史学界レベルでも強く主張されていて、日本で使ってる「統一新羅」なんかもあちらではけしからんってことになるんでしょうけどねぇ。中国側が「中国の地方政権」といってもそれはあくまで現在の「中国領域」の話であって民族的にどうこうと言ってるわけではないように思えるんですが、韓国ではマスコミレベルで「捏造問題」と感情的に騒いでしまうんですよね。ヨン様演じる好太王ドラマも妙な事を言い出さなきゃいいんですけど…(笑)

>不肖デルタさん
 ちょっと混乱されているようですが、まずあの動物の名前は「ジラフ」とするのが一般的です。確か広辞苑も「ジラフ」で出していた記憶があります(今のバージョンだと違うかもしれませんが)。
 あれを「キリン」と言い出したのは、それこそ鄭和艦隊の遠征でジラフを中国に連れてきて「これが麒麟だ」と認識したあたりから始まるのでは。あの動物を「麒麟」というのは中国と日本ぐらいなんじゃないかと思います。



#6739 
不肖デルタ 2006/05/26 13:13
麒麟=Giraffe?

わけあって、麒麟の像を3DCGで製作中でして
モデリングに直接関係は無いが西洋では麒麟にあたる
言葉はあるのかな、と和英辞書で調べたらありました

giraffe(英)= ジラフと読む、俗にいう「キリン」のこと

わたしがモデリングしているのは、アフリカにいる現実の動物では
無くビールのマスコットでお馴染みのモンスターの麒麟のほう
なんですが、ふと思ったのですが、英名giraffeは動物のほうを
指すのですか、怪物のほうを指すのですか?それとも
日中のように現実生物、架空生物、両方を指しているのでしょうか。





#6738 
なかじま 2006/05/26 12:22
ボードゲーム「太平記」その他のご紹介

はじめまして。ボードゲーム「太平記」(旧翔企画、現シミュレーションジャーナル社発行)の戯作者でございます。
知人に「こちらのHPに「太平記」のことが出ていたよ」と教えてもらったので書き込みいたしました。アナログなボードゲームを趣味としておりますのでITには疎いのであります。
今でもちびちびと色々な歴史ゲーム(全部「太平記」と類似したルールです。「太平記システム」と呼ばれております。中世的世界の戦争を再現するために不肖小生がひねりだしたシステムです)を作成しておりますので、ご興味がおありでしたら以下の各出版社のHPを御参照ください。
1.シミュレーションジャーナル社(雑誌「ゲームジャーナル」版元)
http://www.gamejournal.net/
「太平記」日本南北朝時代。付録「観応の擾乱」付。
「英仏百年戦争」西部欧州中世。英仏の戦役。
「甲越軍記」日本室町時代。武田と上杉の戦役。
「源平盛衰記」日本平安〜鎌倉時代。治承寿永内乱。
2.国際通信社(雑誌「コマンドマガジン日本版」版元)
http://www.kokusaig.co.jp/CMJ/
「信長公記」日本室町時代〜安土桃山時代。信長の天下統一。付録「太閤記」付。
「三十年戦史」中部欧州近世。独の内戦。
「将門記」日本平安時代。承平天慶の乱。
「真本信長公記」「信長公記」バージョンアップ版。付録「太閤記」「徳川実紀」付。2006.06.20発売予定。
3.MMP社(米国のゲーム出版会社。メジャーリーグのボストン・レッドソックスのエース、カート・シリング氏が社主)
http://www.multimanpublishing.com/preorder/viewGame.php?id=31
「Warriors of God」「英仏百年戦争」の英語版。付録「冬のライオン(プランタジネット家対カペー家)」が付くかもしれない。近日発売予定。
一般にボードウォーゲームはマニア向けで難しいと言われていますが、これらの駄菓子ゲーム群は大変簡単で、ゲーム界では初心者向けと言われて気軽に遊んでもらっております。ボードウォーゲーム未経験の歴史愛好家の皆様に是非遊んでいただきたいと考えております。
失礼いたしました。



#6737 
電気羊 2006/05/26 00:53
康煕帝の手紙

>孟きょう様

私も『康熙帝の手紙』を読みましたよ!
古本屋でようやく見つけて、そのあとは擦り切れるほど熟読しました。二人の英雄のドラマチックな戦いに興奮したのを覚えています。

そして、修士論文を書くときには原史料の『宮中档康煕朝奏摺』も読みました。
そのために大阪外大で教えていた先生に頼み込んで、満洲語の授業にもぐりで参加させてもらってました。バイトを抱えて自分の大学院のゼミや授業にも出て、さらに1時間以上かけて外大にも行かねばならないという辛い日々でしたが、今となっては楽しい思い出です。、

余談ですが康熙帝の満文の手紙はモンゴル語的なつづり方をしていてけっこう読みづらかったです。清朝初期の満文の特徴をまだ色濃く残している感じがします。
(祖母の孝荘太皇太后の影響もあるかもしれませんが)

>韓国のトンデモ
私も中国のサイトに載っていた記事を読みましたが、いやはやどこにでもその手の方はいるんですなあ。
その本の地図では統一新羅が朝鮮半島はいうに及ばず、北はシベリア、モンゴル。東は日本列島、南は上海、福建と、東アジアのほぼ全域を支配してますね。

中国も別にマジで取り上げなくてもよさそうなものですが、やっぱり高句麗騒動以来、相当神経質になってるみたいですね。
今年初めハルビンの黒龍江省博物館にいってきましたが、高句麗、渤海はやはり中国(唐)の一地方政権という位置づけになってました。

ちなみにおととし夏以来、中国本土からは朝鮮日報のサイトにアクセス不能になってますね。
高句麗騒動のときは朝鮮日報が中国批判の急先鋒でしたので。

http://spaces.msn.com/honin/


#6736 
孟きょう 2006/05/24 21:08


 
  >康煕王朝、ジュンガル
 いいですねえ♪ 昔「康熙帝の手紙」でよく読みました。清軍の東路軍、皇帝直属の中央軍の重なる脱落により進退窮まった状況の中、フィヤング、殷将軍率いる西路軍がジョーン・モドにてガルダン軍と遭遇、これを覆滅するというドラマチックな結末は、読み物としても興奮した記憶があります。



#6735 
新参右衛門 2006/05/24 18:39
相場ですか

株屋がデマを流して相場を変動さすのは、よくあるみたいですね
その予言者も、あんがい取り込み詐欺士?
アメリカとカナダは隣同士で仲良い国どうしという印象が強いですが
一度、たった一人の人物のためにアメリカとカナダが戦争寸前まで
いった時期があったそうです、その人物は取り込み詐欺集団の首領で
カナダとアメリカの国境地帯のカナダのある村に架空の開発投資話を
持ちかけて村や投資家たちから大金を引っ張ろうとしました、巧妙な
手口で村の人々を信用させカナダの騎馬警官隊も手なづけて計画も
大成功、あとはトンズラの段階でアメリカ当局から詐欺集団の追及の
手が到達、しかし詐欺集団の鼻薬のためカナダ当局は米当局の捜査
協力を拒否しアメリカ、カナダは険悪となり両国の軍隊が国境で対峙
という状況下、詐欺集団の首領は、あまりに詐欺話が大きくなり
過ぎて困り自殺し、衝突の危機は回避されたとか。




#6734 
奥野 2006/05/24 05:43
歯切れよく荒唐無稽な話をする人々

>尾鳩様

コメントありがとうございます。まさに「どこの国にも…」という感じです。太陽の下に新しいものなし、というか何というか。

この手の人たちに関しては、妙な歯切れのよさも特徴の1つなのだろうと思っています。矛盾点や疑問点はない。何らか答を出せない問題があるのは、歴史家の無力を示すものである、という。そこで、尾鳩さんも指摘されているように、「独自の研究」やら「法則」やらが引っ張り出されるわけですね。フォメンコさんもそんな感じです。
難しい問題ですが、こういう人々が出てくるのは、歴史家と呼ばれる人々の仕事ぶりに対する一般的なマイナスイメージの裏返しなのかなとも思います。難解で歯切れが悪くて何を言っているのか分からない、論争ばっかりで明解な答を出してくれない云々と。もちろん、広くアピールできるような仕事をするのも歴史研究者としての力量だとは思いますが、しかし分野によってはそれが困難な場合もあるのであって…やっぱり難しいですね。




#6733 
アール・ケイ 2006/05/24 01:09
空気のなくなる日・再び?

下記はトンデモネタとしてコピペしてみました。


-------------------------------------------------------------------

すい星落下で株急落? 「25日に大津波」予言(夕刊フジ)

 約2カ月半ぶりに平均株価が終値で1万6000円を割り込んだ22日の東京株式市場。株安の一因になったと市場でささやかれているのが、なんと「5月25日に彗星の破片が落下し大津波が起きる」という予言だったというのだ。
 総合ビジネスニュースを提供する米ビジネスワイヤが、「地球外の科学」などの著書もあるフランス人、エリック・ジュリアン氏が、「5月25日ごろ、シュワスマン・ワハマン第3彗星(すいせい)の破片が大西洋に墜落、海底火山噴火を引き起こし、高さ200メートルもの津波が発生すると予言した」と報じた。
 22日午前は平均株価が100円を超す値上がりだったが、午後になって一転して下落に転じ、一時、300円以上に下げ幅を広げたが、このニュースが市場心理を悪化させたというのだ。
 これが現実になるなら確かに大変なことだが、すでに米航空宇宙局(NASA)は、この彗星について全く危険はないと発表している。
 これに対し、ジュリアン氏は科学的データを示すとともに、米連邦緊急事態管理局(FEMA)も5月23−25日にかけて津波警報演習を行う予定があるなどと反論している。ただ、同時に「ノストラダムスや預言者、聖書の記述などもすべてこの時期を示唆している」と発言しているところをみると、トンデモ理論にも聞こえるのだが、こんなことで株価が左右されるのか。
 市場関係者は、「天災からテロ情報、経済人の逮捕に至るまで根拠に乏しいウワサや情報が常に市場では流れるもの。相場が良いときは無視されるが、悪いときは何でも下げの理由になってしまう」と指摘する。
 下降相場の背景にあるのは市場環境の悪化だ。今月8日に終値で1万7291円だった平均株価は、米国株安や国内の企業業績の不透明感を背景に、22日の終値が1万5857円と約2週間で1400円以上も下がった。新興市場もライブドアショック以来、会計不信が蔓延して下げ止まらない。
 「本来なら下げ止まる水準に入っているが、株式ブームに乗って参入してきた個人投資家がパニック的に投げ売りし、下げを加速させる可能性もある」(アナリスト)との指摘もある。
 津波よりも恐ろしいのは、人の不安心理ということか。

------------------------------------------------------------------


エリック・ジュリアンっつー奴は何かのパニック映画と現実を混同してるのでしょうか(笑)。
あえてこの人物の正体を検索してませんけど。
こういうときこそ、行けー、細木数子〜、
テレビ局よ細木を行かせろ〜何のためにこれまで飼いならしてきたんだー。
ってどこに行かせるの(爆)。




#6732 
巫俊(ふしゅん) 2006/05/23 21:58
非歴史学者=文化人類学

なんじゃないでしょうか?一例として。
文化人類学でも歴史学の分野に参入してきている研究者が沢山いますし、とくにアフリカ史では生粋の歴史学者は無力、もしくは研究対象が限定されていますから、
フィールドワークによって足しげくアフリカの諸民族や王国の足跡を踏査した文化人類学の研究者がアフリカの歴史書を書いています。
そういう人が書いた歴史書は「歴史はこうでなくてはならない」というような語り口を使いませんし、
それに文化人類学の思考方法で歴史を執筆するために、歴史学者よりしがらみから自由だとうらやましくも思ったりします。
歴史学では隅に追いやられている関心事が、水を得た魚のように体験談の形で書けるのが人類学のすごいところですよ。

私だったら中国の南方の東南アジア系の諸民族に関心があるんですけど、従来の歴史学じゃ文献のある限りは一通りの研究ができても、南方の民族を追い求めることに何故惹かれるのかまでは研究できないようになっているような気がします。
それも変わりつつあると思いますけど。
憧れの歴史学なるものは今までなかったので。(と私の狭い知識の中では思ってるんですけど、どうやら)



#6731 
流星くん 2006/05/23 07:55
非歴史学者の歴史研究

なんか、それは私みたいのは歴史学者と非歴史学者の
境目は、どこらへんなのか、よくわかりませんね。
歴史・考古の学術研究員の資格や大学の歴史関係の
修士卒業証がそれなら、世で、我は歴史研究者なりと
著作をしてる人々の大半が非歴史学者なのかな。
言語関係の専門家が歴史を研究すると結構いい線
いくんじゃないですか?史跡文献を読めなきゃ
話にならないし。
あ、それと骨董品・鑑定士は、いやがおうでも
歴史がらみになりますねぇ。




#6730 
mozawa 2006/05/22 18:49
ガスパッチョのCM

 私は信長と利休編が好きです。
 お茶が絡むところ、新し物好きの視点、
 秀吉では利休と不仲だし、ってあたりにツボつかれます。
 (そこまで考慮されてるのかどうか不明ではありますが。)



#6729 
尾鳩 2006/05/22 18:06
それでも歴史は動いている

奥野様
>実際、歴史は歴史学者だけが独占するものではないし、アカデミックな世界の枠外で重要な発見がなされることも事実だと思います。しかし一方で、それをダシに使い、歴史学への不信感を煽る方向で自分たちの妄想を売り込むのは止めてほしいもので。

ご意見、同感です。
しかし、どこの国にでも、このような人達はいるんだなあと実感している次第。

ずっと前に書いたように思うんですが、中韓朝間では、高句麗を巡っても長々と論争していますね。あれは、中国の少数民族だ、いや朝鮮民族の国だ云々。
中朝の国境地帯に眠ると言われる資源をめぐる争いがその下地にあるとも言われてますが、現状の正当化を狙って歴史事象を持ち出してきても、それは際限の無い議論に落ち込むだけなように思います。
こういう例は結構多いですね。日本もその例に漏れないかもしれませんが、所謂「ウェスタン・インパクト」以降、ナショナリズムを刺激された国家ほど、その傾向が強いように思います。現在の国境線が如何に正しいか、正しくないかを目的に、歴史に語る人達には、私も仕事上でたくさんお会いしましたから^^;。

また、「私は長年独自の方法で歴史を眺めた結果、以下のような歴史法則を発見した!」との前振りの後、全ての歴史事象に無理やり、その法則を当てはめていくパターン。成功と失敗の歴史法則とか・・・。白人や中国の残虐性ばかりを強調するような論点とか。

帰納法的な視点と演繹法的な視点の違いにもよるのだと思うのですが、無理矢理法則を当てはめて歴史を語ろうとすると、往々にして「とんでも」に走ってしまう例も多いように思います。
過去のことを現在から眺め、全て知っていると思っている現代人ですから、ついつい高台から眺めるように、歴史を「評価」してしまうもの。いや、自分もよくその「罠」にはまりがちなもので・・・^^;。

現代人が過去を評しているうちに、そして歴史に生きる一存在である自身を忘れた「過去の妄想」に惑わされているうち、いずれそれも過去を見る指標のひとつとなり歴史対象へと変貌していく。「それでも歴史は動く」とは美味く言ったものです。




#6728 
奥野 2006/05/22 02:49
トンデモ歴史学発生のメカニズムと北条時行

>韓国のトンデモ歴史学

哲学の方ですか。やっぱり、他の分野から歴史学に参入して変なことを言っちゃう人は多いんでしょうかね。
ロシアでも、数年前から書店の歴史コーナーを席巻しているトンデモ本の一連のシリーズがありまして、その元祖はアナトーリー・フォメンコという数学の先生です。ちょっとだけ読んだ限りでは、非専門家であることを逆に上手く利用しているなという印象でした。曰く、プロと称する歴史学者たちは古い「常識」にとらわれていて真実を理解していない。あるいは、自分たちの権威を守っていくために真実を隠そうとしている。しかし、こむずかしい理論や古びた通説を打ち捨てて素直に歴史を見ていけば、おのずと本当の姿が浮かび上がってくるはずである云々と。
ロシアの場合、ソ連崩壊を経て、従来の歴史学が政治に縛られていたことが明らかになってしまい、歴史学者への信頼感が薄れたという特殊ロシア的な背景はあるかもしれません。しかし一方で、フォメンコさんのやり口を見ていると、トンデモ歴史学のツボの押さえ方はどこでもそう変わらんものだと思います。つまり、アンチアカデミズム、学者というものに対する一般の反感をうまく味方につけ、「古い権威や常識にとらわれない」ことを売りにする。月並みだけど効果的な方法ではあります。

実際、歴史は歴史学者だけが独占するものではないし、アカデミックな世界の枠外で重要な発見がなされることも事実だと思います。しかし一方で、それをダシに使い、歴史学への不信感を煽る方向で自分たちの妄想を売り込むのは止めてほしいもので。結局こういう人たちって、「歴史学」と「歴史への関心」の間に空いた隙間に上手いこと潜り込み、その中に根を下ろそうとしているんじゃないでしょうか。

>北条時行

足利氏と組みたくないのは分かりますが、しかし南朝につくとなると、今度は新田氏と肩を並べて戦うことになるんですよね。で、北条高時滅亡の際に鎌倉へ攻め込んだ実行犯は新田義貞だったはず。普通に考えれば、親の仇は新田ということになってしまいます。この辺りをどう割り切ったのか、いま一つよく分かりません。当時は足利のネームバリューがあまりにも大きく、鎌倉攻略における新田義貞の存在感はそれほど大きくなかったのか、あるいは中先代の乱で負けたのがよっぽど嫌だったのか。

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/6218/


#6727 
ひで 2006/05/21 23:49
どこを見てもダヴィンチネタが多いなあ・・・

あの映画が公開されているためか、テレビでもダ・ヴィンチ関係の特集がちょこちょこあったりします。

今日、モンテネグロで国民投票をやっていますが、その結果によってはモンテネグロが独立することになります。そうなるとサッカーのセルビア・モンテネグロ代表は最初で最後のワールドカップと言うことに・・・・。

>東京ガスのコマーシャル
ガリレオ、フレミング、信長、小野妹子、ベートーベン・・・・。つながりが全く見えてこないですね(笑)。何気に怖い小野妹子、どう見ても使用前使用後なガリレオ等々、結構面白いですが、次は誰が出てくるんでしょう。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#6726 
徹夜城(史点はまた書いてるけど上がるのは明後日かなと思う管理人) 2006/05/21 22:30
い、息が苦しい…(汗)

>ぬえさん
 …マジで笑い死ぬかと思いました。まだ咳き込んでるんですからヘンなもの見せないで下さい(笑)。計画的にやったら完全犯罪ですぜ(爆)。
 う〜む、しかしよく作ったな〜これ。北条一族、確かに濃いぞ。足利一族はちとお笑い度には欠けてるなぁ。

>NFさん
>「現場を最も知っていた楠木正成の建策」の中には、新田氏を切り捨てるというものがあった時もあったんだけど…。と言ってみる。

 うまいっ!座布団2枚差し上げましょう(笑)。おっと、メンツが変わった今日の笑点を見るのを忘れていた…!
 よく読んでみたらその南北朝に例えた文は新田氏ではなくやはり追い出され組の松浦元理事が書いた文章でした。ま、少なくとも彼らから見るとそういう気分なんでしょうね。
 双方のブログがお互いを意識して罵倒合戦やってる感じにもなってきたなぁ…ホントに南朝末期みたいだ。暴露本、ホントに出すんですかね。

>ブッチャー3世さん
 タイでも映画館で上映前に「国王を称える歌」が流れると聞いています。国歌とは別らしいんですが。BSのアジアニュースでタイのニュース番組の冒頭に国王の映像と一緒に流れてるのもそうらしいです。

>CMのはなし。
東京ガスの「ガス・パッ・チョ」のCM(妻夫木聡が出てるやつ)が歴史映像マニア的にも刺激されて面白がってるところです。ご存じない方のために書くと、部屋の衣装箪笥の中から歴史上の有名人が飛び出してきて、現代のガスの便利さに感心する…という趣向のものです。

http://home.tokyo-gas.co.jp/pa-cho/

 最新版ではとうとう織田信長と千利休が登場。信長か竜馬はやるだろうとにらんでましたが、日本歴史人物第一号が「小野妹子」だったというのは意表を突かれました。しかもなぜか「女の子」なんですよね(笑)。
 他はベートーベン、フレミング、ガリレオと…人選はどういう基準なんだ(笑)。



#6725 
ブッチャー3世 2006/05/21 20:29
国歌

>史点 星条旗よ永遠なれ
アメリカ国歌のタイトルって、そういう和訳なんですか
知らなかった(爆
ラップ調・米国歌もあるとのことですが、最近アメリカの
野球中継をやるようになって見てると気付くのは
7回に必ず国歌斉唱をやってますよね、ゲスト有名人が
独唱するときもあって、かなり自己流で歌っている場合も
あり、あれを聴く限り、いろいろなバージョンが
考えられやすい曲でしょうね。
インドを旅行した知人の話では映画館が映画をやる前に
国歌を流すんだそうです、別に、場内で流れるからと
いって合唱せねばならんということはないんですが
知人は最初に他のインド人の客が一斉に映画館で国歌を
歌い始め驚いたそうで、そりゃ驚くわな
それに引き換え我が国は教育の場や行事で国歌の斉唱の
是非で真っ二つに割れてますよねぇ。



#6724 
ぬえ 2006/05/21 20:14
画像入り北条氏系図

有名な歴史サイトの企画ですが、これも太平記ネタ。大笑いしてしまいました。

http://nekhet.ddo.jp/item/1246/catid/1



#6723 
NF 2006/05/21 01:20
♪ああ心に愛がなければスーパーヒーローじゃないのさ

>マルクスの恋人様
御役に立てたようで、何よりです。
ところで、マルクスの恋人様のお話から、以前友人と交わした議論を思い出しました。
「大人の才覚・能力を備えながらも、自分自身の理想・筋道やあるべき世界の姿を見失っていない。そして現実の世界に迎合もしないが、世界や人間を否定することもなく、己の大人の才覚を振るって自分の理想・あるべき世界の姿を損得を度外視して可能な限り熱い心と冷静な合理性を両立させ追求する。こういった人物を『漢』(生物学上の男女はここでは問題にしない)と呼ぶ。」というものです。一脈通じるものがある気がします。そういった視点から見れば、「キン肉マン」にも利害や生死を度外視した正義を愛する心や仲間達の友情があり、「男塾」にも生死を越えたあるべき生き様の追求や同志の絆がありました。「一定以上の哲学」がこの両作品にもあると言えるなら、僕にとっては喜ばしいです(笑)。我々は現実においては現実の世界のありようを受け入れて不満を抱えながらも黙々と支える道を選ばざるを得ません。また、目先の利害や生死を超越して理想を求められるほど強くもない。だから物語や歴史のそうした人物に憧れ感動するのでしょうね。
ところで理想を追求する人間の強さを知っている物語作者は、同時に人間の弱さも熟知しているようで、そういった作品のヘタレなキャラは滑稽でしかしながら親近感を抱かせ愛すべき存在に描かれているように思います、余談ですが。
前の書き込みは、「細部はリアル」な大嘘にも賛同しながらも、「キン肉マン」「男塾」にストライクだった世代として、対極な大嘘のつき方にも言及したかったというところでして(苦笑)、邪念が混じると目が曇りますね。



#6722 
マルクスの恋人 2006/05/20 04:58
愛は自分を救うのです

NF殿、ありがとうございます!
そうですか、スコティア号は実在しましたか! ご紹介のサイトをたどってみたところ、どうやら「モントリオール大洋汽船会社」の「モラヴィアン号」も実在したようで、改めてベルヌ先生の設定魔ぶりに驚かされるばかりです。
きっと船会社の時刻表取り寄せて、首っ引きで「こいつが丁度いいや」とかやってたんだろうな。
もしかして船長の名前も本物か?
しかしさすがに「フリゲート艦エイブラハム・リンカーン号」は完全架空だったようですね。さらについでに調べてみたら、当時の海軍長官(最高の邦訳・福音館版ではなぜか「海軍秘書官」と信じがたいほどの初歩的誤訳。おかげで長いこと、私はこの人を海軍長官の秘書官だと思ってた)の名前も架空(小説J・B・ホブスン、史実G・ウェルズ)。
いったいどういう基準で現実と架空の折り目を付けていたのやら。もしかして故意に気ままにしてたのか?

そうそう、NF殿は少し言葉の意味を誤解されたようですね。
私の言う「一定水準の哲学・世界観」とは物語の細かい設定という意味ではなく、作者自身がこの世をどう捉えているかという意味です。
非常識な超科学が跋扈していても、矛盾があってもいいんです。登場人物が説得力のある振る舞いをしていれば。
無闇に他人を見下して巨悪にへつらう冷笑主義者に、命に代えても巨悪に立ち向かう勇者を描き切れるはずがありません。怠け者には働き者を想像する能力もないのです。
ナディアには「愛」がありました。宇宙刑事や仮面ライダーにも熱い魂がありました。
理想への邁進という人間の特権を否定したら、どうして感動という人間の特権を享受できますか?
それが如何ほどの金を稼ごうと、それは既に形骸です。
敢えていいましょう。カスであると!



#6721 
不肖デルタ 2006/05/19 12:38
空母といえば

空母が話題になったので思い出しましたが
アメリカのテレビショッピングはときおり
空母でやったりしてますが、しかも退役空母
じゃなくて現役のものでショッピング番組を
やるのですが、むろん空母でやる必然性は
まったく感じられないのですが(笑
ハワイの日本の船と米軍原潜との衝突は
原潜は民間人の客を乗せデモ航行中だったて話も
ありましたね。
アメリカ軍て、たしかに大らかなで明け広げな
軍隊なのかもしれません。
自分たちが、どんな戦力を持っているのか
公開して見せつけて相手の戦意喪失につながれば
戦う手間が省けるという考えだ、と米軍極東部の
広報関係の人間が言っていたのを聞いたことがあります
その人はアメリカ軍は国際社会に、これだけ
戦力公開しているのだから中国もコッソリ
軍備増強などしないでフェア−に公開すべきだ
と強引な事いってましたが。



#6720 
NF 2006/05/18 23:20
NF、ノウハレベルオチテル!

最近、余り頭が回らん気がする。

#6719でああ書いたけど、「ナディア」は他の作品と比肩されるほどには「ベタな嘘まみれ」とはいえない気もしてきたなあ。ひょっとすると不適切な例かも。

>「正す会」新田氏
「現場を最も知っていた楠木正成の建策」の中には、新田氏を切り捨てるというものがあった時もあったんだけど…。と言ってみる。
ついでに後醍醐方からすればその時点で既に延元元年じゃ、とも言ってみる。

ホント、脳味噌の活性度が下がってるなあ。



#6719 
NF 2006/05/18 23:03
大嘘のつき方?

>マルクスの恋人様
キュナード社のスコティア号は実在したようですよ。
http://hush.gooside.com/Text/2S/23Su/S302gSuku_.html
「スコシアScotia.
[地名]スコットランドの古名.
キュナード社客船
ネーピア社で1862.6進水
75引退 78Telegraph Construction & Maintenance社に売却されケーブル敷設船に改造。
同社が保有した最後の外輪客船。3871T。ジュール・ヴェルヌの小説『海底2万海里』では1867.4/13に潜水艦ノーチリュスに衝突されたことになっている。」

ところで、「物語作家には知識以前に一定水準のの哲学(世界観)が必要」という御意見には基本的に同感です。世界の構造を適切に把握しているというのか、大局的な視点があるというのか、どう言えばいいのかは分かりませんが、そうした能力が物語世界に説得力ある骨組みを与えるために必要なのだと思います。良い物語作家は世界が良く見えているということでしょうか。これも力量のうちなんでしょうね。そうした作品にはアシモフの諸作品や、卑近な例では宇宙世紀ガンダムや銀英伝あたりがあてはまるのでしょうか。しかし一方で、「大嘘をつくための方法」として「細部はリアルに」することができない場合、逆に「誰が見てもすぐに分かる(突っ込む気すら起こらない)ベタな嘘まみれにする」というものもある様です。現代の我々から見れば神話がこれに近いでしょうか。卑近な例では「Gガンダム」や「キン肉マン」「男塾」、そして「海底二万マイル」を原作としていると主張する「不思議の海のナディア」もこれにあたるんでしょうか。こうした嘘は本気にする人はほとんどいないですが、大体は大目に見てもらえ話に付き合ってもらえる傾向があるようです。骨組みが作れないようなら、いっそのこと軟体動物のように骨をなくしてしまうのも方法なのかもしれません。中途半端が一番いけない。
…これでは「大嘘をつく」というより「大法螺を吹く」といった方が正確かも。
最近、アホな事しか書いてない気がするなあ(涙)。では、失礼します。



#6718 
徹夜城(佐賀県呼子を長いこと長崎県と書いていた管理人) 2006/05/18 21:57
どこにでもトンデモ学者はいる

 こういう話題を見かけまして。
「上海は古代韓国王朝の領土」学者主張 「非常識」「無責任」中国反発
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/kokusai/20060517/m20060517010.html
 産経webでは見当たらなかったんで、こちらを参照。
 つまり「新羅時代に上海周辺、福建までが新羅の支配領域だった」と主張する韓国人の本が中国メディアで紹介されて猛反発を受けている、という話題。海商・張保皐あたりの話をドンドン拡大解釈してるのかな、と思えますが…「鄭和はアメリカまで行った」ってのと似たようなもんかも。
 気をつけなきゃいけないのはこの本を書いた「韓国人学者」は歴史ではなく哲学畑の人で、定年後に韓国古代史にのめりこんで本を書いちゃった、という歴史系トンデモ本には割とよくあるパターンということですな。もっともとりあげた中国メディアがこれをマジっぽくとりあげて騒いだのもイカンと思うんですが。高句麗騒動の尾を引いてるのかな?案外記事で言ってるほどマジで怒ってるんじゃなくてネタとして楽しんでる中国人も少なくない気もします(笑)。
 こんなのにいちいち怒ってたら、日本にはその手の妄想歴史本がヤマとあるじゃないですか(笑)。

>NFさん
そうか、大阪の交通科学博物館のほうは行ったことがなかったこともあり失念してました。

>電機羊さん
 そうでしたか、修士論文のテーマがそのものズバリだったのですね。僕などは不覚にも「ジュンガル」そのものについてもほとんど知らない状態でした。
 いま宮脇淳子さんの「最後の遊牧帝国・ジュンガール部の興亡」を読み始めております。パラパラと見ていたら、僕が愛してやまない歴史映画の一本である「マンドハイ」の時代にチラッと触れた部分がありまして、詳しい史実はよく知らなかった僕にはこの部分もなかなか面白かったです。
 西洋武器の「東西決戦」というと、清対明の戦いでもイエズス会宣教師が持ち込んだ西洋砲が明軍で使われてたのを思い出します。

>十一郎さん
 中国共産党の陰謀、という話とつながるんですが、最近話題になった「マオ」で「張作霖爆殺はソ連の陰謀だった」という箇所があって批判を受けてたりしましたね。
 カダフィさんの長男がプロサッカー選手になったというニュースは聞いていたのですが、その後どうしたかなぁ…と思いつつ書いてたんですよね。まだいろいろとあるようで。まだペルージャでやってるのかどうか確認してないのですが。

>新参右衛門さん
 ブッシュ大統領がソックリさんと並んでコント(?)やってるのは僕も目撃しました(笑)。しかしブッシュさん自身のこれまでやって来たことそのものがコントみたいですからなぁ…チェイニーさんまで付き合っちゃってるようだし(笑)。

>つねさん
 シーランド公国…これは知らんかった…存在そのものがすでに珍妙ですが、すでに波乱の歴史があるところが凄い。「独立国家やまと」もビックリですな(笑)。

>マルクスの恋人さん
 そのフレーズですが、ちょうどいま「BSアニメ夜話」の書籍版の第1号「ルパン三世カリオストロの城」を読んでまして(なんで本当の第1回「999」は出ないんだろう)。放送ではカットされた部分も載っていて、さらに面白い。
 関連話ですが、以前「カリ城」と宮崎監督を褒めた誰かさんの文章で「カリオストロというのが歴史上実在した人物だということをどれほどの人が知ってるだろうか」と述べて「宮崎監督は勉強家だ」みたいな結論にもってくのがあったんですよね。「ああ、この人は原典アルセーヌ・ルパンをぜんぜん知らんのだな」と呆れたモンです。
 ジュール=ベルヌは…不覚にも(我ながら意外にも)まともに読んだ代表作は「二年間の休暇(十五少年漂流記)」しかないんです。しかしあれも全くの絵空事をそれなりにリアリティを持って読ませてしまうというテクニックに長けた名作ですね。よく読むと生態系がかなりヘンな島なんですけど(笑)。

>パパゲーノ川崎さん
 「石綿空母」はフランスのですね。そういやアメリカは昨日退役した空母オリスカニー(朝鮮戦争やベトナム戦争に出たそうで)を爆破・沈没させて処理してましたが、あれは大丈夫なんだろうか…漁礁にするらしいのですが。
 それにしてもニュースで流れた「空母撃沈」の映像は、なんだか円谷特撮みたいでした(笑)。

>奥野さん
 ええ、その橘耕齋の話なんです。僕は全然知らなかったのですが、漫画「風雲児たち」は以前から妙に日露交渉の歴史を詳しくつづっておりまして、最近の連載でもペリーよりプチャーチンのほうが印象に残るつくりになってるんですよ。で、お約束の脱線でクリミア戦争について一章つぶして書いてしまいまして(だから終わらないんだ、と言われてるがそこが楽しいのも確か)、この中でその謎の日本人が登場したんです。それにしてもそれを小説に書いたのが山田風太郎とは意外な…
 「北条時行」は僕も南北朝キャラのなかでちょっとした思い入れがありますね。南朝軍で戦うんだもんなぁ…(ま、足利につけないのは分かる)。

>で、南北朝ばなしにつなげる。
 ブログ同士で抗争が拡大してる観もある「つくる会」VS「正す会」ですが、今日新田氏の「正す会」のブログを見てたら、こんなくだりが。

------------------------------------------------------
 はるか昔…、建武三年のこと、京都で公家たちが「詮議」をしていたが、その「詮議」は、ある愚かな公家の扇情的な発言にひきずられていた。やがて彼らは、現場を最も知っていた楠木正成の建策を退け、いかにも公家くさい、虚栄心に満ちた、現実離れした作戦計画を決定してしまう。そして、その愚かな作戦によって正成は「討死」し、やがて「建武中興」は瓦解していく…。今の私には、なにやらこの半年の「つくる会」の理事会が、その公家たちの「詮議」と、どこかしら似ているように思われてならない。
----------------------------------------------
 もしかして西尾氏=後醍醐、藤岡氏=坊門ということでしょうか(笑)。あるいは逆かな?



#6717 
奥野 2006/05/18 14:55
ヤマトフと呼ばれた日本人

世界初の日露時点を作った日本人というのは橘耕斎のことでしょうか。僕も詳しくは知らないのですが、随分と変わった人生を送った人のようですね。

http://www.kufs.ac.jp/toshokan/gallery/137.htm

ここで紹介された簡単な経歴を読むだけでも充分に面白い。クリミア戦争で捕虜になってというのは、密航してロシアに向かう途中、乗っていた船がイギリスに捕獲されたからだそうです。紹介したサイトでは、「イギリスを経て」と簡単に説明されてしまっているものの、実際はよりドラマチックな展開だったわけですね。
ちなみに橘さんについては、山田風太郎が小説の題材にしているようです(未読)。流石に創作者はいろんなところからネタを引っ張り出すものだと思います。

僕も、「流れ流れて」とはちょっと毛色が異なるかもしれませんが、「自己の勢力を失った後、失地回復のため意外な場所で戦いを続けた」という人物に興味があったりします。例えば北条時行とか斉藤龍興とか。彼らはどんな思いで各地を転戦していたのでしょうか。



#6716 
パパゲーノ川崎 2006/05/18 13:15
石綿空母

なるものが世界の海を徘徊しているようです。
こんな恐ろしいものは近海に来て欲しくないですが、
字にするとなんとも間抜けです。なんだかソフトな素材で
出来た空母ですか、みたいな(爆)
芸名に採用してもインパクトはないですね。





#6715 
マルクスの恋人 2006/05/18 00:47
聞かねぇ名だなぁ、シーランド公国たぁ

「人口4・0、世界最小の自称独立国だよ」
いや、つい思いついたので。

小学生の頃に「海底2万海里」の完訳を読んでいなくても、海上独立国に憧れた人間は多いでしょう。
それにしても、ベルヌ先生(去年没後100周年だったんですね)は「大嘘つくには細部はリアルに」という命題に忠実な方だった。
例えば第1章で大西洋定期航路の歴史を延々解説する場面があるのですが、それが完全に史実通りだったことを私が知って驚いたのはつい最近のことです。で、実在の最有力汽船会社の話から、謎の怪物の衝突事件に話を持っていく展開は見事としかいいようがない。
(当時のキュナード社に果たしてスコティア号は実在したのか、誰か教えて下さい!)

現実を踏まえた作り話が、妄想を軸に捏ね上げた虚偽に勝るのは、作者の力量だけで説明つきませんね。
私の持論ですが、物語作家には知識以前に一定水準のの哲学(世界観)が必要だと思うんですよ。



#6714 
つね 2006/05/17 22:49
シーランド公国

「イギリスで独立を宣言した」で思い出しました。
同じくウィキペディアから
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E5%85%AC%E5%9B%BD

人口4人、面積207平方メートルの世界最小国家です。
西ドイツと交渉したりクーデターが起きたり君主自ら反乱を鎮圧したりと
おもしろいことをやってます。



#6713 
新参右衛門 2006/05/17 12:40
史点を読んで

>ブッシュ大統領の弟
フロリダ州知事としては、評価されているみたいですね。
兄の大統領閣下は「弟は私より支持率が良い」と言った
そうですから(笑
しかし、この強硬派大統領も柔らかくなった、というか
最近は自虐ギャグが冴えてる気が(笑
アメリカにメイクを駆使して、色々な政治家の物真似を
する芸人がいるんですが、メイクを使うとはいえ、この人が
ブッシュそっくりに化けるんで話題となってますが
ブッシュ大統領が、評判を聞き、この芸人と一緒に漫才もとい
演説をしよう、と言い出し実現してしまったんでして
その映像がテレビでやってました。
本物ブッシュがチェイニ−が最近、元気ないんだよ、と言えば
にせブッシュは、この間、チェイニ−に会ったけど元気だったよ
私は出会って思わず「撃たないで!」と叫んでホ−ルドアップ
したけどね、と言ったら、本物ブッシュはウケまくって大笑い
してました、アメリカ本土は平和だ(爆





#6712 
十一郎 2006/05/17 07:58
毎週更新、お疲れ様です

テコ歴やしりとりも催促せずに待たせてもらいます(まるで催促しているかのような言い方:笑)。

>史劇的
>ロッコール岩
ふむふむ、高さ25mというデータと写真から推測すると・・・ちょっと、沖ノ鳥島よりよほどデカいじゃないですか(笑)。これで島という主張を断念するのなら、イギリスが沖ノ鳥島を持っていても島とは考えもしなかったでしょうね。
しかしシーランドといい、そもそもアメリカ合衆国といい、イギリス関係は独立好きな人が集まるものなのか、妙な気分です。

>西尾幹二大先生
教科書採択を批判する根拠にイザヤ・ベンダサンを持ち出した『文藝春秋』(2001年12月)ため笑われたり、くだんの小泉批判だけでなく、陰謀論にはまりやすい点は支持者も困っているようですね。

>共産党の陰謀
なんでも右派の極々一部にある嫌共陰謀論者には心をくすぐられるテーマのようで、「南京事件は中共の陰謀」「張作霖暗殺はソ連の陰謀」というネタを今も生真面目に語っています(日本軍侵攻時に南京を首都にしていたのは国民党で、共産党は陰謀はれるほどの勢力は無し。張作霖暗殺は当時の日本内部調査ですでに、他国の関与する余地がない事をつきとめているではないか!)。
要するに、共産党関係者は自己の偉大さを喧伝するためにフカシた発言を残している事が多く、よりによって共産党を嫌悪している人間が信じちゃうんですね。

>国歌
「日本語」と一口に言っても、そこには「アイヌ語」「琉球語」は入らないという暗黙の了解があるわけで、「君が代」は天皇を賛美するという意味合いが歴史的に形成されてきたので、アメリカ合衆国とは少し違った方向に進むかと思います。
面白い事に、合衆国では反戦デモや政府批判(現代日本なら一部から「売国」「反日」と呼ばれるだろう)時、「国を愛するがゆえに行動するのだ」という意味で国旗をかかげ、国家を斉唱するそうです。実際、デモの映像を見ると米国旗が映っている事があります。
国歌のスペイン語翻訳には、合衆国のそういう状況も関係しているのかもしれません。あんまり愛せ愛せと言わない方が、国(歌・旗)も愛してもらえるのかも(苦笑)。

>長男のサアディ=カダフィ氏はプロサッカー選手としてイタリアのペルージャに入団したりしてたから、

さらっと書かれていましたが、知らなかった自分には面白い話です。軍事独裁者の長男が国を出て、文字通り体一つで海外で活躍ですか・・・と、検索してみたらドーピングに引っかかったり、リビアから要職につくよう要請されたりもしていたようですね。
http://www.nikkansports.com/ns/soccer/f-sc-tp0-060110-0024.html

>NFさん
そのカードゲームもなかなか興味深いですね。
悪趣味と言えば悪趣味ですが、ほんの少し前、現実世界こそが何より正気じゃなかったという事なのでしょう。



#6711 
電気羊 2006/05/17 01:25
火器の道

ごぶさたしております
>スターリンランド
うーん、確かにロシアではスターリン時代への郷愁があるようで、留学していた大学のロシア・旧ソ連からの留学生でもスターリンを高く評価する人が多くてびっくりした覚えがあります。やっぱりソ連を一躍強国に押し上げた人物ですからねえ。
中国でも「毛沢東ランド」とかできたりして(笑)
そういえば、以前北京に文革時代を再現したメニューを出す食堂があったそうですが、今はどうなったんでしょう?

>康熙王朝、ジュンガル
実は私の修士論文がまさにその分野なんですよ。
康煕年間から乾隆年間にかけての清朝とジュンガルの火器部隊についてですけど。
西ヨーロッパから海を越えてやってきた清朝の火器が、大陸を東へと進んできたロシア製火器と対決するところが面白いですな。
東西ヨーロッパの数百年早い「代理戦争」といえばオーバーですが(笑)
ジュンガルは鉄砲をかなり売りにしていて、ガルダンも清に入貢するときわざわざ鉄砲を差し出したりしてますし、康熙帝の母方のおじもウランブトンの戦い(1689)で銃撃を受けて戦死してます。、
清が乾隆年間にジュンガル、回部(現 新疆)を征服したあとにも大量の鉄砲、大砲や弾丸を押収しており、その裏にはロシアやスウェーデン人以外にも現地の高い技術をもった「回人」(ウイグル人)の鍛冶屋の活躍もあったようです。
現在でもウイグルナイフや金物は有名で、去年カシュガルにいったときも金物屋がたくさんありました。
これは、日本刀を鍛えていた鍛冶屋が、鉄砲伝来後に鉄砲鍛冶になったみたいなものなんでしょうか。

なお当時の史料を読むと、康熙帝はジュンガルの鉄砲の威力にかなりショックを受けていたらしく、これまで火縄銃にあまり縁の無かった満洲旗人にも熱心に射撃訓練をさせてたり、火器や鎧(綿甲)を増産させてますね。

>つくる会
さっき私も彼らのブログをざっと読んでみたんですが、なんだか本当にどっちもどっちって感じですね。
中国共産党の陰謀ねえ。共産党さんはそこまで暇なんですかねえ。


http://spaces.msn.com/members/honin/


#6710 
NF 2006/05/17 00:31
新たな史点感想と思いつくままに

この時期、暑かったり寒かったりですから…。僕も連休中は風邪でえらい目にあいましたし。お忙しいでしょうが、御無理のないように。
>国歌と言語
国のアイデンティティーを何におくかですよねえ。アメリカは基本的に移民を受け入れて多民族国家としてやってきた歴史があるから何とかなるかもしれませんが、日本の場合は、いわゆる「日本民族」が圧倒的多数を占めるというのを前提にしてきたからややこしそうですね。そういや、昔、大学講義の「帝国」論で多民族をシステムとして共存・内包しているのが帝国の定義の一つだという話が。アメリカは名実共に「帝国」となろうとしているのでしょうか?日本の場合は…。「五族協和」という何だかなあなフレーズが頭を横切った気がしますが、気のせいでしょう多分(苦笑)。
>交通博物館
ここも広義のテーマパークといえるかも知れませんね。大阪の交通科学博物館は、JR西日本管轄みたいですから、それぞれが東西に博物館を持っているということでしょうか。
http://www.mtm.or.jp/
(交通博物館は閉鎖になってしまったようですが、)テーマを明らかにしてその筋の趣味の人に満足できる深さを持つことがテーマパークは大事みたいですね。
>球団消滅
関西人として、鉄道沿線の人間として残念な出来事ではありました。入れ替わりに誕生した新球団にも注目はしてるんですが…。ここの日本一は当分先のようですね(苦笑)。選手やファンの声が事態を動かした、球団経営という側面が注目された、球団と地域愛との関連が着目されたという点では成果を残したといえましょうが。
>原爆、悪趣味
そういや、こんなカードゲームが存在します。
http://ejf.cside.ne.jp/review/nuclearwar.html
「核戦争を危惧する冷戦下を背景にもつバランスオブパワーなゲームで、最終的には自国の国民を生き残らせることを目指します。」…知らんかった。いや、滅亡したプレイヤーの報復攻撃やら何やらで全員滅亡の憂き目に会うことが多かったり、最強ミサイルと最強核弾頭の組み合わせでサイコロの目が12だと地球の生態系が破壊され人類滅亡になったりするもんで。プレイした時には史上最悪の政権候補(ナチスとか北の国とか)をそれぞれがロールプレイしながらやった記憶があります。世界観が正気じゃないので正気ではやってられません。…こうしてみると大概悪趣味なことやってんだな、僕は。
>ロッコール岩
相変わらず飛ばしてくれますねえ、グリーンピースは(苦笑)。本当に独立承認されたら逆にどうする気だったんだろ。
>台湾総統の外遊
外交は友誼より国益ということですね、やはり。ギリギリの所で生き残りを図らないといけないだけに、神経を使うだろうなあと思います。現実問題としては、「現状維持」しか選択肢がないでしょうねえ(日本もそうなんですが)。



#6709 
徹夜城(仕事で喉がつぶれてしまった管理人) 2006/05/16 17:25
流れ流れていろんなところへ

>景虎さん
>これの為に、アベニューパッド6買いましたよ。
 あえてこの掲示板で話すのも「ゲーム史」ということでよろしいかと(笑)。
 僕もPCエンジン版「スト2ダッシュ」はずいぶん遊びましたねぇ。やはりアベニューパッド6を使っておりますが、話の種に専用のゲーセン仕様6ボタンスティックまで入手しております(笑)。
 ゲーム史も今年またひとやま来ますねぇ…スクウェア・エニックスは「ドラクエ」を任天堂ウィーに、「FF」をPS3に出すという二股かけるそうですが、日刊ゲンダイで「真田昌幸のようだ」とか書かれていて笑ってしまった。

>奥野さん
 どうもお久しぶりです。こちらも奥野さんとこは時々覗かせていただいてます。
 プーチンさんの少林寺詣での写真、ありがとうございます。などと書きつつ手元の朝日夕刊を見たら昨年、山下泰裕さんら日本の柔道選手達と一緒にプーチンさんが柔道着姿で映ってる写真が掲載されておりました。

 ロシアがらみの話なぞ。
 先日書いた中国ドラマ「康熙王朝」のことですが、その後よく調べたら「三藩の乱」が始まる直前の段階ではピョートルはまだ幼くて皇帝にすらなってなかったみたいなんですよね。皇帝になっていたとしても兄との共同帝位で、少なくともここで康熙帝が「ピョートルに伝えよ」と言うような状況ではなかったみたい。かのネルチンスク条約は康熙帝とピョートルの間で…とよく書かれたりしますが、その時点ではまだ姉で摂政のソフィアが実験握っててピョートルはまったくタッチしてないそうですし。中国でも「康熙帝のときロシアはピョートル」というイメージが先行してるのかも?

 さて今谷明さんの「中国の火薬庫・新疆ウイグル自治区の近代史」をほぼ読み終えました。作者自身も言ってますがなかなか取り上げられない素材、しかしそれをうまくまとめた面白い歴史本になっていたと思います。
 この中で清朝とジュンガル帝国(モンゴル・オイラート部のつくった「最後の遊牧帝国」)の戦いが詳しく書かれていましたが、ジュンガル側がロシア製の大砲で清軍を苦しめたという話が出てきます。またどういうわけかジュンガル側にスウェーデン人の技術者がいて西洋式兵器を多く作ってたらしいんですね。
 なんでジュンガルにスウェーデン人が?と思ったのですが、そういや当時ロシアは北方戦争でスウェーデンと戦っていたんですよねぇ。ピョートル大帝がスウェーデンのカール12世を破ったポルタヴァの戦いというのがありますが(アメリカ製ドラマ「ピョートル大帝」でも最大の見せ場になっていた)、このスウェーデン人はこのときにロシア軍の捕虜となり、その後中央アジアに送られてこちらでまたまたジュンガルの捕虜となり、ここで兵器製造なんかやってたんですな。その後ちゃんと帰国したそうですが、時々こういう面白い流転をする人が歴史にはいるものだなぁ、と。
 似た話で、最近漫画「風雲児たち」で「クリミア戦争でロシア軍ともども捕虜になってロンドンで日露辞典を作った日本人」っちゅうとんでもない人が実在することを知り、驚きました…なんか昔からこういう人の話って好きなんですよね。



#6708 
徹夜城(風邪がなかなか完治しない管理人) 2006/05/16 16:59
清水の舞台から飛び降りた人がいた

 昨日、清水寺の舞台から本当に飛び降りて亡くなった男性がいましたが、1995年にも前例があるんですってね。慣用句になってるぐらいだから創建以来だとかなりの数の実行者がいるんじゃなかろうか…と不謹慎ながらそんなことを思いました。

 ところで先週の「史点」感想が先日から多くなってますが、今日付けで更新しております。今回は思い切り趣味に走ったものがあります(まぁいつも趣味ですが)。
 とりあえず先週の「史点」に関するいろんなレスにまとめてお返事を。」

>沖ノ鳥島
 確かに地球温暖化で真っ先に消滅しちゃいそうな「島」ですよね。僕も望夢楼さんとこの文章を読んでましたが、日本人ながらあれを「島」と主張することは厳しい〜と思う所はあります。参考までに、イギリスが「島」とすることを断念した「ロッコール岩」というのがありまして…
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%B3%B6
 ↑ウィキペディアの「ロッコール岩」の項目です。写真が見られます。「こんなもんがあるだ!」と僕も驚きましたねぇ。またここを占拠して「独立国」を主張するという事件があったということにも(笑)。

>例えば、どんなに弱くても、ベンチがアホでも、フロントがケチで自分勝手でも、地元民からこよなく愛された球団があるように
 …「愛」の対象であった球団自体が消滅の憂き目を見て流浪の民になってる人もいますから(涙)。ここが日本一になったら「史点」ネタにするという公約もあったのに。

>スターリンランド
 靖国も開き直って娯楽テーマパーク化しちゃえばいいんじゃないかと(笑)。ひところプロレス興行をやったりしたこともあったそうですが。
 そういや以前「史点」でアメリカの「原爆アトラクション」の話もありましたねぇ。絶叫マシンレベルの爆発体験アトラクションとか。あれこそ悪趣味ってもんでしょう。

>つくる会
 とりあえず「新しい「新しい歴史教科書をつくる会」をつくる会」ではなく(笑)、「つくる会の体質を正す会」というのは発足してます。「会」といえるほどの規模かは分かりませんが、「追放組」の新田均氏のつくったブログがそういう名前で、西尾・藤岡両氏の主張に対する反論を発信しています。
http://tadasukai.blog58.fc2.com/
 最新更新で伊藤隆氏が会を辞めたことの重大性を訴える文が載っていて目を引きます。
 まぁ僕から見るとどっちもどっちという気もしますが、少なくとも西尾氏が激しく妄想にかられて暴走していることは確か。「神社右翼」との対立とか言ってたのが、今度は「中国共産党の謀略」とまで言い出してますから。八木氏らが中国の手先とまで言い出すとあんた方がやってたことは何なんですか?とツッコンでしまうところです。西尾さん、前にも小泉首相憎しのあまりネット上のガセネタを信じてスキャンダルと騒ぎ立てたこともありまして、今度は同じことを以前の身内に対してやってるだけみたい。こーいう人が「保守言論界の重鎮」みたいに扱われてるところがかなり謎。結局のところこの内紛って思想対立なんてたいそうなものじゃなくて単なる「人間関係」なんですよねぇ。
 とりあえずこの内紛について産経新聞が不思議なほど沈黙してますね。今度追放された一派に加担した事実はあるようで扱いに困ってるとこなんでしょう。長い間やってた教科書問題取材班とやらも解散されたそうです(つくる会HPより)。7月に藤岡会長という方向らしいですが、どうなるのかなあ。面白い話があったらいずれ「その後の仁義なき戦い」のタイトルで書いてみたいと思います(マニアックなネタをふる)。



#6707 
奥野 2006/05/16 03:50
少林寺

こんにちは、ご無沙汰しております。ずっと覗かせてもらってはいるのですが、書き込むのは1年以上ぶりになるんじゃないでしょうかね。まだモスクワ辺りでぶらぶらしています。
まずは久し振りのご挨拶代わりにこんなネタでも。

http://www.rian.ru/photolents/20060322/44670736.html

リア・ノーヴォスチ通信の写真コーナーより、ちょっと前にプーチンが少林寺を訪れた時の画像です。偉そうな感じのお坊さんが終始プーチンに付き添っているのですが、何となく「案内し慣れた」雰囲気です。実際、スペシャルゲストのガイドをすることも多いんでしょうね。こりゃ、上手くやればいいビジネスになるなと思う人が出てきても不思議はない感じ。

それから「スターリンランド」のお話ですが、調べてみたら確かにそんなニュースがありました。まあでも、いかにも今のロシアらしいネタです。金になるなら何でも利用されてしまう。極東の方(マガダンかどこか)では、ソ連時代の強制収容所をめぐる観光コースがあるばかりか、脱走者の辿った道を追体験させるサービスさえあるそうです。
そんなわけで、クラスノヤルスク地方のスターリン神殿(ロシア語では「パンテオン」と表現されている)再建計画も、純粋に観光のプロジェクトとして準備されているものではあるようです。真面目にスターリンを支持する人、あるいは批判する人の双方から反発が出ているらしいですけどね。

ただ、ビジネスの観点から見てペイするものかどうかは甚だ疑問。立地条件が悪すぎます。あの地区で曲がりなりにも交通の便がいい街といえばクラスノヤルスク市でしょうが、現場はそこからエニセイ川を下って1000キロ以上離れているのですよ。とても、気軽に観光客を集められるような場所ではありません。よっぽどの物好きしか来ないでしょう。
従って、一般向けのレジャーランドのような楽しいものにはならないようです。昔あった「神殿」にプラスアルファでいくつか施設を増やすだけ、という。あくまでもソ連時代の史跡を再建する形で売り出したいのでしょう。どっちにしても、お金が集まらず企画段階で潰れそうな気がします。

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/6218/


#6706 
十一郎 2006/05/16 00:17


「つくる会」、それでも最初はいわゆる“左”な歴史学者も参加していたような・・・と昔の記事を探してみたら、表に出ない地味な学者も定期的に抜けてたんですね。
一般向けは売れても教科書としてはほとんど売れないし、次の教科書作りまでに会が立ち直るかどうか。個人的には、他の教科書と比較する意味で1個や2個はこういうのがあっても良いとは思うんですが。
ともあれ、最近目を通していたブログのコメント欄にひょんな事から「つくる会の考えが主流になりつつある」というような書き込みが複数から出され、「最近は幹部がすげ変わり続けているという報道もあるのに、楽天的すぎないかな」と思っていた自分には、ありがたいまとめでした。新聞等から思っていたよりゴタゴタしていたんですねえ。

「スターリンランド」はもしかしたら、旧ソ連への郷愁をかきたてるノスタルジックな施設かもしれません。単に当時の建築や歴史的遺物を再現し、当時の食事や娯楽を提供するような。
日本で高度経済成長期の下町を再現した施設や映画が人気なのと呼応しているかもという、思いつきです。高度経済成長期の中にも相当の矛盾がありましたが、それは横に置いといて、良い面だけを懐かしむという。
それでもって、付属の資料館ではそれなりに暗部も教えるようにする、とか。

>NFさん
>人々がまとまるために目に見えて分かりやすい「御神輿」

富裕層より一般人の方が王様を求める、王室に権威を見い出すという傾向があるようですね。
あくまで緩衝剤の役割を逸脱しないタイ王室の評価を見ると、現代の王室は政治に直接関わっちゃいけないと強く思います。



#6705 
景虎 2006/05/15 05:07
竜巻旋風脚

>徹夜城さん
>PCエンジン版スト2
これの為に、アベニューパッド6買いましたよ。
今も我が家のDUOには、アベニューパッド6がささってます・・・って、掲示板が違いますね。こういうのは、激論!PCエンジンFX伝言板にこそ相応しい話題ですね。

>菊池勢が初めて使用した
そう言われてみれば、どこに出てきたか忘れてますね。
どこかで読んだ気がするのですが・・・暇があったら調べてみます。

>尾鳩さん
少林コーラですか。そういう話を聞くと、最近話題のポーションを連想してしまいます。



#6704 
NF 2006/05/15 00:35
僕も史点感想を。

>ネパール王族
王族の存在意義というのは、人々がまとまるために目に見えて分かりやすい「御神輿」という点にあると思っています。「御神輿」は極端な話をすれば、神聖な存在な訳で汚らわしい俗世間に首を突っ込まず(政治にやたら首突っ込んだりは望ましくないし、犯罪はもってのほか)、マスコット役と次世代の後継の確保に専念していれば良い、そんな気がしています。それが、王族の振る舞いが火種になっているようじゃねえ…。
>国境と愛国と
本来、境界を余り厳密にしない海洋民の領域に、協会の厳密さを求める農耕文明(それでも、昔は入会地とかがあったんですがねえ)の論理を持ち込むからややこしいことになる。まあ、現在はそれがルールなんですから文句を言っても仕方ない。相手と決定的対立は避けたいですが、黙って引き下がったんじゃ相手が笠にかかって何を言い出すか分からんし…。最悪でも現状維持を目指すよりなさそうですね。
それはともかく、愛国というのは教えられるものでもなければ、自国が崇高だから愛するというものでもない。僕が日本を、そして関西を愛する理由は「僕を生んでくれた所だから」、これだけで十分です。理屈じゃないんですよね、「愛」ってやつは。例えば、どんなに弱くても、ベンチがアホでも、フロントがケチで自分勝手でも、地元民からこよなく愛された球団があるように(今は状態がいいけど、いつ逆戻りするか分からんので敢えて現在形)。そして広義のナショナリズムには祖国愛のほかに、地域愛・郷土愛もある。これらが程よく共存でき、どれかに盲目的にならないようにするのが大事。個人的には、故郷を愛せない人間に本当に世界を愛することはできないと思うし、故郷の虚像にこだわる人間は本当に故郷を愛しているとはいえない、そう思います。
>つくる会
保守的な視点での教科書自体は、価値観の多様性という面からもあって良いと思うんですが、これはねえ…。「正義は我々にあり」てな感じではなくて、「こういう見方もあるよ」位のスタンスならここまでにはならんかったんじゃないでしょうか。
しかし、ズタボロな状況になりながらもその中で権力闘争や内紛…。南朝末期じゃないんだから(苦笑)。「今度の雌雄、思いの如くなら」なんて神社へ願文を誰かがやってそうな…。
>スターリンランド
何にせよ、観光の呼び物にする、という発想自体がスターリンが歴史になりつつあるということの証ではあるでしょうね、十一郎様が仰ったように。どういうものになるか予想してみると…。子供好きな「スターリンおじさん」の着ぐるみが笑顔で出迎え、赤の広場とクレムリンを模したシンボルを中心にして当時の雰囲気を醸し出した施設が多数。赤軍兵になってファシストどもをやっつける娯楽施設、コルホーズで生産拡大を競う施設…。クライマックスには赤の広場で児童合唱隊によるスターリン賛歌に乗って戦車を中心にした赤軍パレード(もどき)。…何か書いてて自分でも欝になってきたのでこのくらいでやめておきます(苦笑)。まあ、西欧列強に後れを取っていたロシアを世界最大級の強国にした人物であることは事実ではあるので、良くも悪くも話題は取りそうですね。そういや、カンボジアでポル・ポト政権時代をテーマにした食堂が物議をかもしていた事を何となく思い出しました。
では、最後に、悪趣味な妄想を書き散らして御気分を害されたかもしれないことをお詫びしつつ、筆をおきます。



#6703 
NF 2006/05/14 23:48
農耕文明は、土地に魂を縛られた人々だ?

>尾鳩様、徹夜城様
すると、遊牧民や海洋民と比較して考えると、国民国家というのは定住性の強い農耕文明の所産ということができそうですね。西欧は勿論、中国や日本などでも似たような流れであったことからも。遊牧民や海洋民は土地に縛られないで交易に従事する人々、農耕などを多少行う人々、都市に拠点を持ち交易で農耕文明と仲介したりする人々など職種が多才であるだけでなく、言語や宗教なども多様性を持ってそうで、共同体も流動性に飛んでいるイメージですね。一方、一定の領域に定住しある程度反復性のある作業で生活を立てている農耕文明は共同体内で言語・宗教・因習などに共通性が要求された。そして、時代が下るごとに農耕文明の生産力が上昇し交易において遊牧民や海洋民は農耕文明に経済的に依存する割合が増加、やがて強力な農耕集権国家の成立や火器の発達などに伴い軍事的・政治的にも屈服を余儀なくされ農耕文明様式が世界標準となる。そして、農耕文明がそれだけの力を付けた原因はというと、貨幣経済の発達により農耕文明内の経済流通域が飛躍的に拡大しそれに伴い政治的支配が質量共に充実した集権国家が成立したため。農耕文明で非農業民の力が強くなり民衆の実力が無視できなくなった事が、世界規模では非農耕文明を圧迫する結果になり民衆レベルで国家に全てを捧げるナショナリズムの遠因となった、考えると皮肉な話ですね。…話が逸れましたが、全世界規模で非農耕民の動きを追う、これが御二人の専門の共通点と言えそうな気がします。
勝手なことを書き散らしてみましたが、長くなったので一旦きります。



#6702 
不肖デルタ 2006/05/14 19:05
怖いもの見たさ

>スタ−リンランド
人は怖いもの見たさ、というものがあるので
ホラ−ハウスとしては成功しそうですね(爆
つまり、かつてロシアには冷酷漢が元首をやって
いたんだよ、って冷戦を知らない世代には斬新な
趣向かな、その向きで、いくと、ルビアンカも
幽霊屋敷としてテ−マパ−クにしたら受けるかも
あそこは、取り調べで拷問されたり処刑された人の
亡霊が出るとか初代KGB長官ベリヤの地縛霊が出るとか
名実ともに屈指の幽霊屋敷でしょう、虐殺された
人々がはんぱじゃないですし。



#6701 
十一郎 2006/05/14 08:02
視点、読ませてもらいました。

>パレス皇太子
2回もひき逃げをしておいて、まだ運転しようとした、運転できたというのが凄まじいですね。
そういえば世界一有名であろうドラ王子、英国のチャールズ皇太子も最近ひき逃げを起こし、運転手に責任をなすりつけようとしていました(この王子は笑っちゃいけないが苦笑がもれる)。

個人的には、ギャネンドラ国王が息子をどう思っているかが気になります。悪い状況でさらに足を引っぱっているのに、ダメな子供ほど可愛いという事なのか。
もし王室を守るためという理由で皇太子にさせたままというのであれば、王室の考えはシモジモのワタクシにはさっぱり判りませんです。

>スターリンランド
呉の大和博物館のように、それを忌避する気分が風化し、他に観光地の目玉になるネタが少ないから作るのですかね。良くも悪くも自由化の結果といったところですか。
名称を見る限り、ロシア保守派に対象を限定しているわけでは無さそうですが・・・

今ごろ思い出したのですが、香川県にも『レオマワールド』なる、テーマのはっきりしないテーマパーク(語義矛盾)がありました。そこでは世界各国の伝統的家屋が再現された区域があり、無料で家屋の中にも入れます。
しかし内容は無し。同テーマパーク全体に流れる「いちおう作って置いてみた」という投げやりな雰囲気が漂う場所でした。
ちなみにあまりにも内容が無かったためか、テーマパーク閉鎖ラッシュ前にいち早く休業し、最近ようやく『ニューレオマワールド』として再建されています。
ttp://fine.tok2.com/home/moka/kagawa_syoukai-reoma.html
上は体験感想を載せている個人ページ。微妙さが少しでも伝わるでしょうか。

>「あれは島ではなく岩だ」
たしか望夢楼氏サイトで、その説に重点を置いたページがありました。と、検索したら流石に最初に見つかりました。
http://homepage3.nifty.com/boumurou/island/sp01/

個人的な思い出でも、小学校か中学校の授業で「岩っぽい感じもするが、政治的に島である」みたいな話を教師から聞かされたので、台湾の言い分にも一理はあるなと思います。もちろん台湾が今そういう発言をする事もまた政治なのでしょうが・・・政治問題で決着する前に、地球温暖化で消失する可能性もありそうだ。

>「側室制度復活に大賛成」
そういえばコレ、「結婚せずに複数女性と浮き名を流し、子供が産まれてからそれぞれ認知すれば現行の法律でも良いんじゃないか」ということもこっそり思ってたのは自分だけですかね?
男系継続をかかげる人々が一番反発しそうですが(笑)。

>つくる会
内紛は、まあ良いんですが、唯一の本職歴史学者(教科書監修も担当)が抜けて、テーマであった歴史教科書自体が作成困難になりそうですね。
最初の歴史教科書では近現代史論争以前に凡ミスの多さが批判材料となり、次の歴史教科書でもまだミスが残っている点をチクチクつつかれていましたから。

そもそも、日本の教育が大学受験を中心に動いていて、受験に使える内容が好まれ、学校より塾が重要になっている限り、つくる会教科書は採択されようがないし、採択される一部地域でも実際の授業では重点を置かれないでしょう。「上は圧力に弱そうな人で人事を固めているが、現場には何のメリットもないし、採択されても授業に影響はない」とは、知り合いの教育関係者から聞いた話です。
そういえばその教育関係者から「送りつけられてきたんだけど、話の種にいる?」ともらった『国民の歴史』が今、漫画本の下敷きになってます。最初の歴史教科書で基本にされるはずだったコレ、著者は話題の西尾幹二先生の単独表記なんですよねえ・・・作成に関わった人は他にもいるのに、全て西尾先生の手柄にされた事への反発が、院政になった原因の一つだったかと記憶しています。



☆歴史のトップページに戻る
<<<過去ログ6802〜6899
過去ログ6601〜6700>>>