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#7500 
elevater 2007/04/18 13:09
民放では北条早雲やったみたい

そのドラマじたいは見てないし原作も知らないんですが聞いた話では
民放ドラマでは伊勢新九郎をやったみたいです、ずいぶん前だということで
配役は北往路欣也、TBS華麗なる一族でボスをやってた人?でしたっけ
伊勢新九郎は、関東へ出てくるまでの経歴がほとんど不明なのだし
どんな創作をしても、どこからも文句が出無さそう脚色のしがいはありそう
戦国時代は、やりつくし気味だし、南北朝も太平記をやったし
応仁の乱もやったし、という感じのNHK大河ドラマ、傾向として戦乱期を
好んでやる感じがありますが室町時代は、どこをつっついても戦乱期が多いから
ネタとして多いのでしょうが、その時代で、まだやっていないといえば
日本史上屈指の暴君といわれる将軍・足利義教の時代じゃないでしょうか
この人の治世は、結構ごたごたしていてネタ多いんじゃないでしょうか
関東公方が謀反を起こすし一色や土岐の殿様が将軍に謀殺されるし
最後は赤松が将軍を謀殺しちゃうし。

かも



#7499 
tomohiro 2007/04/17 19:46
北条早雲の企画について

いつも出入りしているサイトにて、
こういうスレッドがありました。
北条早雲の大河ドラマ化Planです。
良ければご一読を
http://www.tanomi.com/metoo/naiyou.html?kid=27448
私としてはなんとも複雑ですが。



#7498 
本田 2007/04/17 16:05
タイトル訂正

著作名正しくは『南北朝異聞―護良親王と淵辺義博』でした。訂正します。
神奈川県の淵野辺には、淵辺義博が大蛇を退治したという「淵野辺伝説」なるものがあるそうで、地元の人はみんな御存知だということです。今度行ってよく調べてきます。



#7497 
本田 2007/04/17 15:48
護良親王は生きていた?

大塔宮護良親王に関して新説を唱えている著作があります。
それは中丸祐昌という東京町田市在住(平成10年時点)という地元の郷土史家が書いた『南北朝異聞−足利直義と淵野辺義博』(東京経済出版)という作品です。本作品によれば、護良親王は従来言われているような鎌倉で足利直義の命により殺害されたのではなく、護良殺害を実行したとされる淵野辺義博により実は密かに逃がされ、その後現在の千葉県白浜あたりに辿りつきその地で没した、というものです。

著者は従来から伝えられている護良親王に関する伝説―石巻伝説という話を根拠に、更に話を発展させ、この説に辿りついたのですが、なかなか説得力があり面白かったです。図書館などで比較的入手可能なようです。
著者がこの作品を書いたのは、この地元出身で(神奈川県淵野辺と東京町田は隣同士)戦前戦中の大不忠とされた護良殺害の実行犯、淵野辺義博の汚名を何としてでも晴らしたかったからだ、というもので、その心意気たるや大いに共感したものでありました。

以前にこの著作の話題が、この掲示板で書かれていたのであれば、叉書きとなってしまって恐縮でしたが、まあ、南北朝ファンの方々にとっては決して損はない作品と思いましたので、敢えて書き込ませて頂きました。悪しからず。



#7496 
EN 2007/04/17 15:40
レスありがとうごさいました。

徹夜城様、昨日の書きこみのレスありがとうごさいました。南北朝もやってほしいとの事でしたが、僕はその時代にはあまり興味はありません(笑)。やるとしたら、鎌倉以前の古代や近代・・でしょうね。南北朝のようにマイナーな時代をやるというのもいいかもしれませんが、なにせ知名度も低いんですからどうなんでしょう。




#7495 
徹夜城(英国滞在時は仏教徒で通した管理人) 2007/04/17 13:47
歴史映像化された宗教家たち

 大河ドラマに出た有名な坊さんとなると、孟きょうさんの挙げた「花の乱」における一休さんのほかに「北条時宗」に登場した日蓮さんの例があります。
 さぁ、この二人の共通点は?(答え:演じた俳優が同じ(爆))

 大河ドラマに関しては脇役ならともかく主役に宗教者を持ってくると、よく描いたとしてもあれこれ他宗派からうるさく言われるでしょうからNHKとしてはまず回避するでしょうね。
 映画作品ではかなりの数が存在します。東映が北大路欣也主演で「空海」を作ってますし、「日蓮」は社長が信徒だった関係で大映が複数製作しています。「親鸞」も三国連太郎監督作品もふくめ2、3本はあったはず。「蓮如」は一時実写映画で製作という話がありましたが(山田洋次がやるとか聞いたような)それは流れてアニメ映画が製作されていました。僕が知ってるところでこんなもんです…近現代の新興宗教系は除くとして(笑)。

 世界に目を向けますとイエス=キリストは何度となく作られてます。「ベン・ハー」なんかだと顔が拝めませんが(笑)。
 イスラム教のムハンマドはとりあえず「ザ・メッセージ」一本が存在しますが、これまたムハンマドは一切映像中に出てきません。教義からいえばムハンマド個人の崇拝は本来ダメで(この映画でもムハンマドの「ただの人間」ぶりがかなり強調されてるんですが)その肖像使用じたいはかまわない気もするんですが、まぁやはり議論は起こっちゃうので避けたのでありましょう。
 仏教のお釈迦さんは、とりあえず日本で大映が製作した70mmスペクタクル大作「釈迦」があります。これも悟りを開いて仏陀になると顔が拝めなくなっちゃう(笑)。他にはキアヌ=リーブス主演でベルトルッチ監督が撮った「リトル・ブッダ」ってのがありました。
 数年前にインド・日本・ハリウッド合作でブッダ映画制作?との話が流れましたが、どうもこれ、ほとんど詐欺まがいの話であったことが先ごろ週刊誌で報じられてました(安倍現首相が一枚かんでたりするんだよな)。話を聞いた滝田栄さんが出演したい!と猛アピールしたとかで(ってことはお釈迦サン役を狙ったんでしょうな)、実体がまるでない話だったことを知ってガッカリしたと書かれてました。まさにオシャカになるというやつで(笑)。



#7494 
孟きょう 2007/04/17 12:56



 一休さんなら「花の乱」に出てらっしゃいますね。彼自身微妙に長生きをしてますので、足利義満から義政までのスパンを一人でカバーできてしまう便利な人間なんですよ。出生の秘密から南北朝統一、更にフィクションをおりまぜて足利義満との対面シーンを出し、応永の外冦、足利義教、足利義政、応仁の乱付近まで、彼の身辺と幕府の動向を行ったり来たり描けば15世紀の日本史をかなり包み込めてしまうわけでして(なんておいしいキャラなんだ!)。白帝社の本のように固い感じの題名をパクればさしずめ「一休宗純とその時代」とでもいいましょうか。ただね〜、日本でのマーケティングの問題が(泣)・・
 道元さんも南宋の明州や美しき呉越エリアを描けるチャンスではあるのですがこれもマーケティングの問題がなぁ〜(泣)



#7493 
elevater 2007/04/17 12:04
NHK大河ドラマですか

おもったのですが、NHK大河ドラマって宗教関係者が主人公のって
やったことないのでないですか。だめなんですか?政治みたいに
政教分離になってんですか(笑)(って政治じゃないか)
さしあたって、大河の主役を張れそうな宗教人といえば空海か最澄か
道元、親鸞、顕如あたりですか、一休さんとかは、もう出演して
そうですね太平記あたりで



#7492 
徹夜城(引越し作業もやっと一段落した管理人) 2007/04/17 00:25
引越しのおかげで

 大量かつ乱雑だった本の整理がしっかりできました(笑)。これまではホントにどこに何があるのか探すの一苦労だったもんなぁ。
 というわけで南北朝・太平記関連本・雑誌はすべて一箇所にまとまってくれたため、ひでさんの質問に答えられる本を速攻で見つけられた次第です。

>大塔宮護良
 これは長い間「だいとうのみやもりなが」と読むのが一般的だったわけです。僕が小学校の時に読んだ小学館「漫画日本の歴史」や学研漫画「足利尊氏」などもこの読みを用いています。しかしその後数年のうちに「おおとうのみやもりよし」が優勢になったようです。
 具体的な論文のタイトルは分からなかったのですが、1989年1月発行の学研・歴史群像シリーズ「戦乱南北朝」(「歴史群像」が南北朝を扱ったのは後にも先にもこの一冊だけ)中にこの件についてうまくまとめたコラムが載っています。
 それによればこの「もりよし」説を唱えたのは京大教授上横手雅敬氏。まず「大塔」を「おおとう」と読む根拠として1351年の文書に「おゝたをのミや」の表現があること、1333年に郡上八幡の神社に奉納された「大般若経」の奥付けに「応答宮」(誤変換ではありません)という箇所があることなどが挙げられています。
 「もりよし」の根拠はちとややこしい。結論から言えば中世の同時代史料で「護良」の読み方を明確に書いているものは現存しないのだそうです。しかし彼の異母兄弟で南朝第二代となる後村上天皇の名「義良」が「儀義」と書こうとして転倒して「義儀」と書かれているものがあり、これは「良」を「義=よし」と読んでいたことを推測させます。また同じく後村上の名前が「儀良」と書かれ「良」に「ヨシ」と振り仮名が振られている例があること、また他の兄弟の尊良・世良を「たかよし」「よよし」と読む文書が室町期に存在すること…などなどが根拠とされ「護良」も「もりよし」と読むべきと主張されたわけです。

 長年言われていたことがひっくり返されることって歴史学でもあんまりないんですが、これは割合すんなりいったらしく(まぁ日本中世史の現場の実態は知りませんが)これが短期間のうちにほぼ「定説」となったところをみるとかなり強力な説であったようです。大河ドラマ「太平記」はその後に制作されており、この中で「おおとうのみやもりよし」の読み方を完全に定着させた格好です。まぁ当時一部に抵抗を示すオールドファン(?)がいたことも覚えてますが(笑)。

 しかしこの件でも分かることですが、日本の昔の人って身分のある人でも名前の表記ってかなりアバウトなんですよね。また実際にはその人の名前を直接呼ぶこともあんまりなかったでしょうし、正しい読み方なんてどうでもいいと思っていた人も多いんじゃなかろうかと。
 いや、思い出しましたが中世だけじゃありません。あの西郷隆盛だって実際には「西郷隆生」が正しいのです。しかし通名として「西郷吉之助」で通しており、本人も「名」のほうはロクに使っていなかった。明治の初めに名前を文書に登録するときに自分の名の書き方を「リューセイ」と説明したら「隆盛」と表記されてしまい、本人も苦笑しつつ「それでよか」としちゃった…というような話をどっかで読んだような。


>mozawaさん
 そのニュース、僕も苦笑したクチですが、その後に「安部氏はもともと東北にルーツがある」と続き、いきなり東北人アピールに移ったといいますから、政治家って人種はまったく(笑)。


>ENさん
 2009年の大河ドラマ…まぁこの時期になるとあっちゃこっちゃで予想大会が行われるんですよね。で、あたることはまずないと(笑)。
 一応時代バランスというのはあるので来年が「篤姫」となると幕末はない、という程度の予想は可能です。また「義経」がちょっと前にあったから源平もなかろうと。戦国物に関しては連続でやる場合も多いのでなんともいえない、というところですね。
 NHKといえど視聴率が悪いとあれこれ文句を言われちゃうので戦国もの(特に信長・秀吉・家康)は何年かに一度はやんなくちゃいけない。しかしそればっかりやってるとマンネリになっちゃうので時々思い切った企画をやったりするわけですが…ただここしばらく大河も「安全路線」を目指しすぎかなという気もします。あと素材に困った挙句一年やるのは到底無理な企画をやったりしちゃってますし。「風林火山」も正直言うと一年はつらい企画なんですよね。三船プロの映画版はなかなか傑作なんですが、これなんて2時間半ぐらいでまとめてます。
 戦国物、それも地方ものとなると北条早雲か大友宗麟か…などと前から言われてはおりますけどね。
 ま、僕としては早いとこ南北朝をなんとかやってくださいと(笑)。足利義満だって不可能じゃないはずで。



#7491 
ひで 2007/04/16 22:40
素朴な疑問

なんだか“教えて君”みたい、というかそのものなので気が引けるのですが、
前から気になっていたことを聞いてみようかと。

「護良親王」の読み方は昔は「もりながしんのう」だったものが、
「もりよししんのう」というふうに最近では読むようになってきています。
この辺の変更について、何故そのような読み方の変更が起きたのか、
また、変更することの必要性はどこにあるのか、
どうもその辺の事情が余りよく分からないのですが。
何かそう言う変更を迫られる事情があったんでしょうか(何か史料がでてきたとか)?

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#7490 
elevater 2007/04/16 17:57
ポルシエて人の名前でしたね、たしか

ドイツの科学は世界一ぃぃぃ〜と思えるのでは、やはり
ポルシエ博士でしょうねぇ、スポ−ツカ−の定番ばかり着目されてますが
第二次大戦では戦車の大御所だったようで。ティ−ゲル戦車は亜種亜流が
何種類もあったようですが、ポルシェ博士が設計した戦車は独特の砲塔の
形状からポルシェティ−ゲルの名が
なんてったって、すごいのは水素エンジンの理論を発表した最初らしい
ですね、あの博士は



#7489 
EN 2007/04/16 15:56
2009年の大河ドラマは?

ENです。まだ先の事ですが、2009年の大河はいったいどんなものなんでしょうかね?戦国だけじゃなく、他の時代にも挑戦してもらいたいのですが。逆に視聴率が低そうな時代もあるんですけどね。今年の「風林火山」は面白いと思いますが、皆さんはどうですか?



#7488 
mozawa 2007/04/15 21:47
先輩って・・・

首相が、会津に行って戊辰の役のことを謝ったそうで・・・・。
でも、「私の先輩」と呼ぶのはちょっと不遜ではないですか?
維新からつづく長州閥の末裔、という自意識がおありなのか?
先人,とかもっと言い方があるだろうに、とちょっと苦笑いしてしまったニュースでした。



#7487 
徹夜城(引越しも一段落した管理人) 2007/04/15 21:30
ようやくドタバタが終わり

 わたくしごとでありますが、先日自宅を引越ししました。もとの家から1kmしか離れてないところなんですけどね。
 その引越し前後の多忙でネット活動も控え気味になっておりました。我が家のPC環境も多少変わりましたしね。

 そんなわけでかなり古い話題から(笑)。先日フジTV系で放送した歴史バラエティ「日本偉人大賞」をようやく録画で見たんですね。飛ばし飛ばしですが。この日はTBS系でも歴史バラエティをぶつけておりましたが、そっちはパスしました。
 フジの「偉人大賞」は、まぁそれなりに面白くはあったかと。歴史苦手という人に歴史に興味をもってもらおうという姿勢は、やはり歴史に興味のない生徒を日々相手にしている社会講師の立場として共感をするものではありました。でも全体的に面白さ優先で検証はあまりしてないというのは予想通り。

 歴史上の有名人のラブレターの品評会、ってのが番組表に出ていたので二つはしっかり予想的中。秀吉の「早く帰ってそなたの口を吸いたい」と武田信玄の「浮気はしてません」の二つですね(笑)。
 ただ秀吉が口を吸いたい対象を淀殿にしていたのはややダウト。淀殿あての手紙ではあるのですが、あれは幼い秀頼の口を吸いたいということだと見る意見が多いようです。まぁ微妙なところというぐらいならやっちゃおうということなんでしょうな。なお、この手紙は日本文化における「キス」の存在証明の一つともされています(小泉八雲は日本にはキスの習慣がなかったと思ってたりしたんだよな)。
 もう一つの信玄の浮気弁明の手紙はちゃんと「男だらけの三角関係」であったことを紹介してましたね。僕は東大史料編纂所が国立博物館で開いた展示会でこれを見ましたが、信玄もヘンなものを後世に残してしまったものです(笑)。
 この番組、「昔の戦争の実態」をコント風味にやってましたが、これは面白かったです。とくに義経がいかにルール無視のひどい奴だったかという点を強調してまして(笑)。非戦闘員の船のこぎ手を攻撃した話はやってなかったですが。
 あ、あと北条政子が頼朝の愛人宅をパワーショベルで破壊する場面もウケました(笑)。

 さてこの手の番組でもほぼ無視されてしまうのが南北朝時代です(涙)。ネタはいっぱいあるのに「視聴率」的にはやっぱり難しいようであります。
 唯一あったのが中尾彬と梅沢登美雄による「プレッシャークイズ」の問題の一つ。この二人がゲストに対してそれぞれの説をとなえて「どっちを信じるか?」とやるやつなんですが、このうち一問が楠木正成の篭城戦に関する問題だったんですね。
 問題は「正成が少数の手勢で幕府の大軍と戦った奇策とは?」というもの。梅沢説は「正成たちは死んだフリをした」、中尾説は「ウンコを投げた」、で正解は後者…となっていたのです。根拠として千早周辺に「糞谷」だったか、そういう地名があるのだそうで。
 ただねぇ、千早城に話を限定しなければ赤坂城の戦いで「死んだフリ」はやってるわけで、『太平記』の記事からすればウンコ投げよりは根拠のある話と思えるんですけどね。

 南北朝ばなしといえば、「コミック乱TWIN」の岡村賢二「私本太平記」の最新号を読みました。ついに後醍醐天皇登場…わぁ、思いっきり悪役顔(爆)。
 というか岡村さんの手にかかると日野俊基・赤橋守時・新田義貞の区別がつかないんですが…(汗)。


>ドイツといえば。
 実行するとは思えませんが、ドイツでは「ヒトラーのドイツ国籍剥奪運動」ってのがマジであるんですね。もともとオーストリア人だし、というのも根拠になってるようですが、それでいいのか、オイ。最近どこぞの町がヒトラーを名誉町民にしたままにしてて、あわてて取り消したりしてましたが(笑)。
 
 ドイツの科学力、と聞くと思い出しちゃうのが宮崎駿監督の「雑想ノート」。宮崎監督の独特で高濃度のミリオタぶりがわかる逸品ですが、その中でドイツ軍が次々つくった超兵器の数々を紹介して「ドイツはマッドサイエンティストの本場」と評しております(笑)。
 宮崎監督はハリウッド製の戦争映画はウソっぽいと言っており、「ヨーロッパの解放」とかソ連製戦争映画にリアリティを感じるとか描いてたこともあったような。



#7486 
マルクスの恋人 2007/04/15 14:15
ドイツの科学力は世界一ィィ!!

「BV141」でしょうか。私が最も「ドイツの科学力は世界一ィィ!!」を感じるのは。
http://ja.wikipedia.org/wiki/BV141_(航空機)

初めて目の当たりにしたのは10年以上も前、書店で立ち読みしたプラモ雑誌の記事だったと記憶しています。
その雑誌の企画も、ナチスドイツの超兵器を未完成品も含めて模型にして紹介するという企画でして、ご丁寧にも「ドイツの科学力は世界一ィィ!度」なる☆印評価までやってた。そんなわけで、円盤飛行機だのジェット戦闘機だのと比べると点数は低かったんだけど、あの悪夢のような機影は私の脳髄にとって最大の衝撃を残しました。
てっきり伊達や酔狂で図面を引いたと長い間思っていたら、ずっと後になって「単発機のカウンタートルクを相殺し、良好な視界を確保する」という真面目な設計意図の存在を知ってどれほど驚いたか! しかも実機が製造されてしっかり飛行していたなんて!
英語では設計も「デザイン」ですが、天才デザイナーの名を私が躊躇なく進呈できるのがこの機を設計したフォークト博士です。



#7485 
elevater 2007/04/11 12:39
じっさいは

プラモデルは商売でやっているので、かっこいい機種は人気がでるのもあり
とくに戦車はパンタ−戦車やケ−ニヒ・ティ−ゲル戦車が商品として多いですが
実際は、これらの高性能で構造が複雑な大型戦車は実戦配備がおっつかず
独・第三帝国の主力戦車は3号、4号戦車が、ほとんど、だった、という話で
ただ、ティ−ゲルT戦車は構造が単純で作りやすかったらしく大量に配備
できたそうです。
なんといってもドイツは、あの時代に、ジェット軍用機を実戦投入できたのは
たしかに、すごいのですが、総統は、軽快な迎撃ジェット戦闘機より
大型の戦略ジェット爆撃機の開発を優先させたので、ジェット機を最初から
迎撃路線で開発していれば、戦局は大きく変わった可能性もあった
ということです。



#7484 
tomohiro 2007/04/10 11:20
確かに模型にすると格好いいんですよ。

>elevaterさん
確かに模型にすると格好いいデザインがドイツ軍には多いんですよ。
実を言うとコンバットキョロq、ドイツ軍の方が格好良かったですね。
そういうのも有ると、私は思います。




#7483 
elevater 2007/04/09 12:46
ドイツ=ミリタリ−・テイスツの根源

ひところまえなら男の子がだいたい一時期プラモデルにはまる頃がありますが
そのジャンルの大部分をしめるのがミリタリ−系、そのうちの大部分が
第二次大戦のもの、で国別で一番多いのがドイツもの。とくるともう
日本人のドイツ=軍事色の根源はプラモデル産業といっても過言じゃない
気します(笑
まぁ、じっさい、模型にしたら面白い形状のものがドイツ製に多いから
なんでしょうが。兵器は人殺しの道具で忌まわしいもの
なのに、かつ、また、その機能美が人を魅了するものですね



#7482 
tomohiro 2007/04/09 06:28
環境問題もあります。

>NF様
私はドイツといえば環境問題のイメージがあります。
科学技術のイメージもありますが、
昨今のハイテク技術はどうも、アジア諸国よりも疎いようですね。
ドイツが誇る科学技術は化学分野で今も生きているのは
否定できない事実ですが。
ミリタリーの関係でも
確かにドイツはミリヲタの皆様に人気がある分野ですが、
言われてみれば
プロシアの影響も強いですね。
私が興味がある東獨もそのプロシア文化を受け継いでおりますし。
尚、ガンダムシリーズに登場するジオン軍を過度にナチス風にするのも
やめてくれませんかな。



#7481 
NF 2007/04/09 00:53
「次鋒レオパルドンいきます!!」「グオゴゴゴ」「ギャアーッ」

>tomohiro様
「キン肉マン」の話題につられて出て参りました。…だんだんどうしようもないキャラになってきてるなあ、僕は。ドイツのイメージと言えばナチスばかりでもないと思いますよ。ミリタリーなイメージは強いですが、これはナチスのせいばかりとも言えない。寧ろ、前身であるプロイセン時代から、人口から考えるとありえない程の兵力を抱え「軍が国を有している」などと言われた伝統によるものでしょうね。僕個人は、ドイツのミリタリーなイメージはナチスよりもフリードリヒ大王やモルトケに代表される参謀本部により作られたと思っています。
もっと昔の神聖ローマ帝国に関しては、「ドイツ史」の中では実質「前史」に近い気がします。少なくとも建前上は「ドイツ国王」でなく「欧州全体の皇帝」ですし、ナショナリズムが高まった後に関してはハプスブルク家を見れば分かるように寧ろオーストリアという感じがしますしね。
近代以降のドイツ=プロイセンなイメージが対外的にあるのは無理からぬところかなと思います。
で、キン肉マンにはブロッケン親子以外にもドイツ出身超人はいることはいます。レオパルドンという、名の通り戦車をモチーフにした超人なのですが…。
http://www4.plala.or.jp/kinkotsuman/leopardonprofile.htm
伝説的な秒殺されっぷりを披露する始末。因みに表題は彼の全台詞です。
えらく話が逸れましたが、結論として言いたいことは、ドイツのステレオタイプはナチスだけでなくミリタリーもあるのでないかと。ただ、両者が重なってしまうでねえ…。で、この二つがダブっても違和感がないのがより厄介。日本の場合に「帝国陸軍」と「サムライ、スモウレスラー、ニンジャ」がダブると珍妙になるのとはまた様子が違う。
本来なら芸術や哲学、古城、ソーセージにビール、科学技術といったものもイメージになりうる筈なんですが。

>小覇王様
お久しぶりです。僕は西洋史はよく知らないのですが、「カエサルのものはカエサルに」って奴ですかね。ローマの権力との正面対立を避けるためはぐらかした、というのが元来らしいですね。ルターが農民戦争に加担しなかったのもそれなんでしょうね。お仕事お疲れ様です。



#7480 
小覇王 2007/04/08 20:30
上司の居ぬ間に

 皆様、お久しぶりです!今仕事中ですが、史点を読んで思わず書き込んでしまいました。上司が戻ってくる前に書き上げたいと思います。
 天草四郎が何故、聖者もしくは福者に認定されないのかというのは以前、僕も気になって調べたことがありました。キリスト教には「地上の王に逆らってはいけない」という教えがあるそうで革命や反乱、一揆の指導者などはたとえどんなに立派でも聖者認定はされないのだそうです。
 おそらく初期はローマ帝国に迫害されないため、そして後には権力者に都合のいいようにそういうことが唱えられたのでしょう。ヨーロッパで宗教的反乱というと清教徒革命ぐらいしか思いつかないのはそういう理由もあるのでしょう。日本や中国のほうが宗教を基盤とした農民反乱や一揆は多いように思います。
 ですから天草四郎や洪秀全は聖人に認定されることはないでしょう。長崎の26聖人は歯向かうことなく殉死したので認定されたようです(ジャンヌ・ダルクの場合は国家間の戦争なのでOKらしい)。
 まあ、キリスト自身本来はユダヤの王となってローマ帝国に立ち向かう軍事指導者として他のユダヤ人から期待されていたのを自ら否定して処刑になったわけですしね。
 というわけで急いで書いたので乱筆乱文になってますがここらで失礼。やべっ!上司が戻ってきた!




#7479 
tomohiro 2007/04/08 16:20
嫌みな戰國時代に次いで嫌いな時代。

先日ブロッケンjr.の話題が出てきたので一つ語ります。
私は戰國時代が嘔吐が出るぐらい嫌いですが、
もう一つ嫌いな時代があります。
ドイツにおけるナチスドイツの時代です。
私は圖書館に通うことが好きなのですが、
各国歴史について書かれた本の書架にいって思うことは
ナチスドイツに関する本がドイツ史の半分を占めているということです。
私はドイツの歴史で他にも論ずることがあるのにと思います。
ナチスに対して戦後西ドイツは追求して許さない態度を取ってきましたが、
反ってその西ドイツの反ナチス的な思想が、
ドイツ=ナチスというステレオタイプを作ってしまったと思っております。
ナチスを批判するという態度でナチスの事を書き立てる事が、
ドイツの首を絞めているようにも思っております。
そんなわけでナチス以外の時代を扱った、
東ドイツ文学小史なる本を読んだとき、少しほっとしました。
資料詳細です
http://www.lib.city.yokohama.jp/cgi-bin/Swwwsvis.sh?0+319+1+1+0+199012396+0+1+0+0+1+1+1
そして、熊谷徹氏が執筆した
住まなきゃ分からないドイツなる本を読んでもほっとしました。
資料の詳細は是です。
http://www.lib.city.yokohama.jp/cgi-bin/Swwwsvis.sh?0+13+11+1+0+201011113+0+1+7+0+1+1+1
私はナチスよりは東獨の方が全体主義国家としては興味があります。



#7478 
EN 2007/04/05 10:09
二度もすみません

さっき気づいたら、文字の枠が少しあいてしまいました。すみませんでした。



#7477 
EN 2007/04/05 09:59
昨日は書きそびれました

どうも、ENです。昨日の書きこみの件について、どこからはいったのかという事について書きそびれてしまいました。どうもすみません。               歴史関係のサイトを見ていたら、偶然ここにあたりました。            改めて、よろしくおねがいします。 



#7476 
徹夜城(レスが長くなるのを避けた管理人) 2007/04/04 23:16
レス続き

>ENさん
 初めまして、管理人の徹夜城でございます。ご迷惑でなければ、どっからどうこちらにお入りになったのかお聞きしたいところです。
 どこの時代が好きですか…と問われると答えに窮するぐらい「歴史なら何でも好き」なんですが(笑)、傾向として他の人があまり首を突っ込んでない分野に首を突っ込みたがるというマイナー嗜好はありますね。戦国も好きといえば好きでそれなりに首も突っ込んでますけど、世の中戦国ファンは大勢いるし、と南北朝時代マニアに走ったりするわけです(笑)。 
 あと、日本史世界史問わず「国境・民族を越えて活動する人々」に強い興味を持っています。そんなわけで専門は「倭寇」になってしまいました。


>NFさん
 いろいろとコメントどうもです(^^)。
 四月馬鹿史点は昨年まぁまぁ好評でしたので(知らんうちにいくつかのサイトで紹介されちゃってまして)恒例行事にした次第です。贋作サミットともどもよろしく(笑)。
 執筆裏話をしますと、29日に祖母の葬儀、30日に引越し先新居の引渡しというハードスケジュールをぬって31日に「史点」を上げ、それから四月バカのネタ仕込みに入るという凄い展開でした。我ながら全くのゼロから10時間程度でネタを思いついて執筆&画像処理まで済ましたというのには驚きました。
 しかし実は3つまでしか書けずに1日当日を迎えたんですね。そしたら父が「ゆうべ寝ずに考えたぞ」と提供してきたのが4つ目のネタでした(爆)。

 「水晶の竜」の話は僕はリアルタイムでは知らなかったんですが、その後ゲーム史に深入りする中で知ることになった事件です(笑)。「ファミマガ」の裏技コーナーに一つだけ「ウソ技」をギャグで載せていたら、その「野球拳」だけは本気にする人続出という、男の子の煩悩の深さを見せ付けられる事件であります(笑)。
 「受胎告知」のあれ、そういえば無意識のうちにその事件をヒントに思いついたのかもしれないなぁ…



#7475 
徹夜城(引越し準備クライマックス状態の管理人) 2007/04/04 23:04
卍もご法度

 カギ十字の話題を「史点」で書いた際にPCエンジンの名作「天外魔境2卍MARU」のことを書いてましたが、同作のPS2、DSでのリメイクでは「MANJIMARU」と表記が変えられていたのですね。そう、海外で「卍」がカギ十字と見られ恐れを考慮してのことだったのです。
 その後ナチス否定の運動でカギ十字を使ったケースは裁判でOKになっていたような。

>elevaterさん
 ファシズムはもちろんナチス・ドイツの専売特許ではなく、ヒトラーとナチスは明らかにイタリアのムッソリーニのファシスト党を真似しています。また「映像の世紀」でもとりあげていましたが、似たようなファシズム主張を標榜する集団はイタリア・ドイツに限らず同時期のイギリスやフランスですら登場しており(もちろんアメリカでも)、政権をとれたかどうかだけが違いのような気もしてきます。
 
 ところで関連する話題をちょこっと。
 二ヶ月ほど前に地元の古本屋で昭和12年新潮社刊行の武藤貞一著「世界戦争はもう始まってゐる」というのをタイトルに引かれて入手しました。この武藤氏についてはネット検索でしか調べてないですが、まぁいろいろと話のある人はあるようで。ともかく昭和12年の段階で間もなく勃発する世界大戦の展開をあれこれ予想する軍事本です。いろんな意味でその後の歴史の展開を知る立場で読んでると非常に面白い。
 で、その本についてはいずれ触れることにしまして、注目は巻末にある「新伝記叢書」の広告です。とりあえず6巻広告があるんですが、以下にタイトルを挙げますと…

「独裁王ヒットラァ」「発明王エヂソン」「人類の恩人野口英世」「情熱の妖花クレオパトラ」「運命の英雄ナポレオン」

 とまぁ、何といいますか、選んだ基準がよく分からんラインナップ(笑)。「ヒットラァ」の宣伝コピーは「一伍長から身を起し、今や全独逸民族の救世主として君臨して居る、この摩天楼の如き巨像を見よ」となっております。まさに1937年段階ですね。
 隣のページには早くも「広田弘毅伝」の広告が出てて、ちょっとビックリ。


>あがたしさん
 宝塚情報というのは僕は日ごろ全然見ませんもんで、情報提供とてもありがたいです。しかし「AL」は残念ながら見逃すことになりました。ストーリーは突っ込みどころ満載という感じでしたが(笑)。
 オーストリアの皇后エリザベートについては詳しくは知らないんですが、僕が見たバイエルン国王を描いた映画「ルードヴィヒ」で登場していたのは覚えてます。


>tomohiroさん
 僕は受験産業に従事しており、受験生に世界史を教えたこともあります。それで歴史の面白さを生徒たちに知ってもらうキッカケに多少はなったかな…と思っております。変な雑学ばっかり教えて点数にはならんのかもしれませんが(笑)。
 実際予備校の歴史の授業で歴史の楽しさに目覚めたって人は少なくないようですよ。もちろん中学・高校の授業でって人もいるんでしょうけど、いずれにしても講師しだいというところがあるかもしれません。



#7474 
EN 2007/04/04 17:33
初めまして

初めまして、こんにちは。ENといいます。管理人様の好きな時代は何時代ですか。僕は、戦国時代が好きです。よろしくお願いします。



#7473 
NF 2007/04/03 23:46
こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーッ!!

↑半藤一利氏の辻政信氏への印象から連想した台詞。

お久しぶりです。「史点」連続更新、お疲れ様です。
>辻政信
最後に行方不明になったのは、僧侶の格好なのに眼鏡をかけているのを怪しまれて云々というのを耳にした事がありますが、真偽は不明です。
それにしても、CIAももう少し人選を考えろよ、という気がするネタですね。右派系統のサイトでさえも、この話題に関して「CIAは『過大評価』し過ぎ」とか「国を誤らせた『敵』は自身だろうに」とかつっこまれていたある意味傑物。
>「清水一家」
このニュースを聞いたとき、次郎長自身よりも先に「花岡組は全国のあちこちの組にコナをかけて…」なんて台詞をふと思い出したのはなぜだろう。
>「福者」
日本でいや、神社で祭られる神様になるようなもんでしょうかね。後世の都合で称揚されたりする辺り。
>戦中の宗教者による反戦運動
有名な所では大本教の出口王仁三郎がいますね。出征する信者に「我敵大勝利」と書いた御守を渡したり、「鉄砲は空に向けて撃っとけよ」と言ったり敗戦を予言したり…。真っ向から喧嘩を売って弾圧を食らったようです。

あと、月並みですが御祖母様の件に関して、お悔やみ申し上げておきます。

で、二日連続の更新に拘っておられると思ったら…(大爆笑)。
>「受胎告知」
これ見て、「水晶の竜」の野球拳云々なデマを思い出した僕は一体…。
>「この大仏を背負って歩いている不審な人物」「タワーを屋根に載せて首都高速道を走っている不審な車」
具体的に一番不審だったのはどの辺りか、目撃者に小一時間問い詰めたい(笑)。

ところで、「史点」とは関係ないですが。各国のステレオタイプなイメージ化って、ある程度大衆娯楽作品が盛んなところはどこでもやってるし、ある程度以上の存在感がある国はどこも一度はやられてるんだろうなあ、と思います。一々青筋たててクレームつけるのも大人気ないけど、変なイメージが定着するのもよろしくない。間違いは正しつつ、分かった上でステレオっぷりを笑って楽しむのが正しいのかな、と思います。以上、「お笑い、ヤクザ、たこ焼き」という関西のイメージに悩む「キン肉マン」好きの独り言です。

それでは、中身のない長文で失礼しました。



#7472 
tomohiro 2007/04/03 12:20
歴史の勉強について

tomohiroです。
學校や受験の勉強で歴史嫌いが続出するという
話をここ15/6年ぐらい聞くのですが、
私は學校や受験勉強で歴史が好きになったのです。
特に世界史は、浪人中の受験勉強の暗記で好きになりました。
神学大全、イブン・シーナー・・・。
当時勉強に使っていた教材に其れが乗っていました。
それから、世界史・・。特にヨーロッパと中近東の中世から近世の
歴史に興味を持ちました。
受験勉強時代、アル意味良い時代でした。



#7471 
elevater 2007/04/02 21:46
過激十字教政党

>カギ十字で「ジーク・ハイル!」と叫んでいる全体主義の面々
鍵十字はチベットの曼陀羅シンボルの逆向き、という説もありますが
ドイツ騎士団いらいの十字架のドイツ的シンボル「鉄十字」をデフォルメした
という説のほうがなんかしっくりきますね
ファシストはナチスが元祖、とはいいにくいみたい、ムッソリ−ニのほうが
先らしいし、だいいち、第二次大戦の時代、東欧はクロアチアを筆頭に
ハンガリ−、ル−マニア、ブルガリアでは過激・十字教系ファシストの
団体が政権をとり枢軸国となっていたようでテロなどで権力を奪取した
第二次大戦中のル−マニアの十字教系ファシスト団体「鉄衛団」は1927年
創設だとか。ってもハプスブルク王朝があったころからいた連中かは
どうだか



#7470 
あがたし 2007/04/02 11:10
ウィーン版「エリザベート」

以前ルパン掲示板に宝塚のルパンモノ「A/L」のあらすじURLを紹介した次郎長ゆかりの者です. さて別のヅカファンから教えてもらったのですが,大阪の梅田芸術劇場で,ウィーン版の「エリザベート」が始まりました(見てまいりました.後述するように,宝塚でも定番となっている演題です).

ストーリーは,19世紀後半にオーストリア皇帝に嫁ぎその美貌を武器に時代の荒波を乗り越えてきたエリザベート皇后の人生を描いたものです:

http://www.umegei.com/erz/story1.html

19世紀後半の欧州史に詳しい方にはじつに喜べる題材ではないでしょうか.舞台はオーストリア(ウィーン)とハンガリーあたりなのですが,せりふにはクリミア戦争,「ロシアと同盟を組むとイギリスを刺激します」,オーストリアの外交失敗,ハンガリーの独立運動,皇室の内情,ハプスブルク家の終焉,庶民の困窮と貴族の浪費生活,アナーキストによる皇后暗殺,などなどが次々と出てきてまいりまして,世界史を復習してから行けばよかったと思ったものです. ところで思いっきりカギ十字で「ジーク・ハイル!」と叫んでいる全体主義の面々が出てきたのですが,こういうグループは何年代からいたのでしょうか(史実ではエリザベートの死(暗殺)は1898年です).

ところで,宝塚歌劇団では5〜6月に宝塚,7〜8月に東京でエリザベート公演があるようです(あらすじ・音楽はウィーン版と同じ).ウィーン版ではアナーキストのルキーニが狂言回しをつとめてエリザベートが主役となっていましたが,宝塚版では死神のトートが完全に主役となり,もちろんその役は組のトップが務めます(今回は星組の水 夏希).ヅカファンの知人(もう何度も見ているそうで・・・)によると,ウィーン版の複雑な人物描写は宝塚版ではシンプルに改変されているとのこと.また,宝塚オリジナル音楽もすこし入っているそうです.

http://kageki.hankyu.co.jp/revue/24/index.shtml
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/07/snow_takarazuka_elisabeth/special/index.html

Wikipedia→
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%B6%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88_%28%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%AB%29




#7469 
徹夜城(この日の恒例行事をアップした管理人) 2007/04/01 12:45
史点最速更新記録かな(笑)

 迫る引っ越しの準備で忙しいというのに(笑)。

>elevaterさん
 ガリレオ裁判については20世紀末になってようやくバチカンは誤りを認めて謝罪したわけですが、次は異端として処刑されたボヘミア(現チェコ)の宗教改革者フスの名誉回復がされるのではないかと噂されてますね。
 ただ、ガリレオ同様地動説を支持して異端として火刑に処されたブルーノの名誉回復はなさそうだなぁ…とずいぶん前に「しりとり」で僕が書いてますね。ブルーノの場合「地動説」といっても科学的なそれではなく哲学的・宗教的な思考から支持しているものなので、これについてはバチカンも妥協しないんじゃないかと思われます。
 ま、日本でも南北朝時代の歴史人物が幕末以降やたらに称揚されたり貶められたりしてそれを政府の公式見解にしていた例がありますし(尊氏をほめたために辞職に追い込まれた大臣がいたな)、当人がとっくに死んじゃっていてもあれこれうるさい話をされることはよくあるわけで。まさに歴史は「過去と現在の対話」なんですね。

>マナさん
 おお、早速川本記念館を見に行かれましたか!うらやましいです。
 僕も子供のときに「人形劇・三国志」に熱狂したクチなので(東洋史専攻に進んだ大きな要因なのは間違いない)、あの人形さんたちにはまたお会いしたいものです(DVDは全巻持ってるけど)。
 諸葛孔明さんの人形にはやはり森本レオの声で「ゆだねてごらん」とか言われてメロメロに…(爆)。



#7468 
elevater 2007/04/01 09:17
本人は400年後に名誉回復されてもね(笑

>福者認定
史点を読んで思い出したのは、地動説のガリレオを有罪にしたバチカンですが
その裁定は間違いだった、と初めて表明した法皇はヨハネ・パウロ2世でしたっけ
ガリレオも史実は裁判では私は地動説は却下します、といって
「それでも地球は回っている」というセリフは吐いてないらしいですね、そういうのを
この間、テレビ番組でやってましたよ
ジャンヌ・ダルクは男装などして民間人が非合法に戦争に参加した、ということで
戦争犯罪で裁かれた側面(といっても英国側の都合ですが)もあるので
なかなか聖者復権が遅れたのかな



#7467 
マナ 2007/03/31 22:11
川本喜八郎人形美術館

飯田に行く用事 (友達の結婚式)があったので、早速行ってきました。金曜日の夕方でそんなに人はいなかったのでゆっくりみれましたよ。三国志の放送は、小学校低学年のころだったけれど覚えているシーンも結構あり懐かしかった。
7時までやってるので、のんびり見れますよ。



#7466 
徹夜城(今日、明日と「史点更新というムチャに挑んでいる管理人) 2007/03/31 13:48
情報どうもです!

>阿祥さん
 「新忠烈図」ですか!情報ありがとうございます。
 「新」といっても続編ではなくリメイクってことなんでしょうかね(だいたい旧作でも主要人物のかなりが死んでしまうラストでしたし…)。ご紹介の映像を見た限りでも旧作をしのばせる場面が目に付きます。
 やはり敵は「倭寇」ということなんですが、中国的イメージの「倭寇=日本人海賊」のイメージそのまんまですな。「チャングム」に出てきた倭寇のイメージとも似ています。しかし日本の武者姿をさせるのはまだいいとしても、それも微妙にデザインがいい加減なところがこっちから見ると笑ってしまいます(もっとも日本で作った中国・韓国ものだって結構いい加減でお互い様という可能性もあるので注意)。
 旧作だとサモハン演じる「博多津」が幕末の浪人みたいだったんですが、今回はどうなっていることやら。そもそも「博多津」「倭助」「才門」という研究者誤読によるキャラクターは相変わらず登場するのだろうか…

 倭寇ではありませんが、海外へ行った日本人ネタということでは、こんな話題も出ております。

「山田長政」タイで初映画化
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070330-00000501-yom-int

 この記事ではなくほかの新聞の記事で読んだ気がするのですが、クーデタ以後のタイでは外国からいろいろ言われるせいか愛国心をあおる映画(誰だったか昔の国王を英雄視する映画らしい)がヒットするなど、いささか「排外的」な傾向が出ているとか。それでこの「山田長政」製作者はむしろソレに対するアンチテーゼとしてこの映画を作るつもりのようです。
 もっとも、過去に日本人たちがタイに山田長政の銅像を建てようとしたら一部から猛反発を受けたケースもあるんですよね。長政は最終的に国王派によって毒殺されたらしいのですが、その国王がタイ歴史上では名君扱いされることが多いらしく、それで長政は悪役まわりにされることもあるようなんです。今度の映画、その件でも大丈夫なのかな、と思うところも。
 それとクーデターで成立した現政権もまたごちゃごちゃしてきてるようで、再クーデターの噂も…外国に亡命中のタクシン前首相だってなんだかんだで復活の目があると言われてるようです。



#7465 
阿祥 2007/03/29 12:43
新忠烈図

忠烈図のリメイクがあるようですが、チェックされました?

http://youtube.com/watch?v=B3KFnBe1W2A



#7464 
徹夜城(歴史もの作家の死を悼む管理人) 2007/03/24 22:00
城山三郎氏逝く

 ちょいとタイミングをはずした感もありますが、作家の城山三郎氏が亡くなりました。特に好きな作家だったかと言われるとそれほど作品を読んでいたわけではないので「特に」とは言いかねるのですが、そのわずかに読んだ「男子の本懐」「落日燃ゆ」の2作で特に昭和史においてはずせない歴史作家と認識はしておりました。
 「男子の本懐」は浜口雄幸と井上準之助、「落日燃ゆ」は広田弘毅(ある意味吉田茂も主役のような気がする)を主人公とした作品で、戦争にいたる昭和前期を政治家・官僚の生き様を軸に描いてみせた、フィクションのほとんど入る余地のない重厚な歴史小説でした。傾向としては昨年亡くなった吉村昭氏によく似ていたような…
 個人的追悼企画としてNHKドラマ「男子の本懐」を先ほど最鑑賞しましたが、僕が持ってる録画は数年前にNHKアーカイブスの一環として再放送したときのもので、城山三郎さん本人が作品について(ドラマについては何も言いませんが)語ってるんですね。今となってはこれも貴重な映像記録になってしまいました。


>民本主義者さん
 「ユア・アイズ・オンリー」は見たことあったはずなんですけど、すっかり忘れてました(笑)。あのころサッチャーさんだったかな、そういえば。ここ最近のイギリス首相の中では存在感がある人だったのは確かですね。
 ロンドンを旅した際に首相官邸の近くも行ってきました。ダウニング街10番地、確かに普通の一般家屋とおんなじようなつくりなんですよね。ただし、さすがに一般人はダウニング街そのものに入れてもらえません。通りの入り口にしっかり鉄格子みたいな扉がついていてガードされてるんです。もっとも報道陣は入れるようで、首相宅の前には報道陣が群れをなしていました。
 その報道陣の前にブレアさんの奥さんが寝間着姿で出てきちゃったことがありましたっけね。ブレアさんはとりあえず在職中にお子さんが生まれちゃった首相ということでは歴史に残りそうですが(笑)。


>ひでさん
 「300」にイランが反発しているとの報道、僕も目にしました。映画だけに多少深読みなところもあるでしょうけど、ペルシャ戦争そのものが「進んだヨーロッパ対遅れたアジア」の対決みたいな構図で語られがちだったこともあり、注意は必要でしょう。
 これ原作はコミックなんですね。なんでこんなテーマがアメリカンコミックになっていたのか、そこにまず興味がわくところです。「玉砕戦」ということでは「アラモ」みたいな感じになってるのかな…?



#7463 
elevater 2007/03/24 18:01
レプリカ

ちょっと、わけあって甲冑のレプリカ製作をこころみようとしていまして
現物を作るのではなくて設計モデリングというか立体座標デ−タ−とペイント
デ−タ−をファイル化し画像出力する感じのものを作ることになりますが
どんな参考資料がいるのか分からないので先へ進まないのですが
時代設定は、あまり西洋中世の甲冑は重厚すぎて何でして、どちらかというと
ギリシア・ロ−マ時代・仕様の適度に肌の露出箇所がある動きやすい甲冑を
かんがえていまして。
その分野で、特に画像も豊富なサイトなどあったらいいなと思っていますが
どなたか、御存知なら
それとファイル化する際、使っているアプリケ−ションが欧米か?てか
半角英数いがいは使えないのでファイル名に日本語を入れられなく
「甲冑」あるいは「重装歩兵」はアルファベットでは、どんなスペルに
なるんでしょうか



#7462 
ひで 2007/03/23 21:04
負けた戦争の記憶、というと大仰か。

この掲示板でもとりあげられた「300」について、イラン政府やマスメディア(しかも改革派系日刊紙)から反発がでているとのこと。「イランに対する米国からの心理的な戦争」というコメントまで発せられるこの映画はテルモピュライの戦いを題材にしたフランク・ミラー(「シン・シティ」を描いた人)の漫画を、デフォルメされた描写をそのまんま実写にしたと思われる作品です。だって、鼻ピアス?にスキンヘッドで半裸なクセルクセス1世なんてねえ…。

テルモピュライの戦いというとスパルタ軍300人がペルシアの大軍と激突して壮絶な戦死を遂げたということで後々まで語られる戦いです。「自由」を守るための戦いというステレオタイプな見方がされやすい(そして今も残っている)ペルシア戦争のなかでとくに壮絶な題材に描くというのもかなり厄介なことになりそうですし、もとが漫画なのでスパルタ軍とペルシア軍のかき分けについてもステレオタイプを増幅するようなかなりデフォルメは入っているでしょう(ちなみにスパルタ軍の兵士は赤マント、兜、盾を装備していますが半裸です)。それをそのまま映像化してしまうとペルシア軍は野蛮人の群れっぽくなりそうですし。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#7461 
民本主義者 2007/03/22 22:17
いぶし銀のユーモア

007シリーズでサッチャーのそっくりさんが首相役で出てたのがあったよな、と思って検索しました。「007 ユア・アイズ・オンリー」のようです。記憶から引用します。
イギリス首相公邸の住所「ダウンニング街10番地」と明記されたドア(警官が警護しています)が開いて、カメラが中に入ると、サッチャーさんのそっくりさんがエプロンを付けていて台所で料理をしている。壁掛け電話のベルが鳴り、受話器を取った彼女が
「ハロー。ア。ミスター・ボンド?」というシーンです。
これはイギリス風のユーモアなのか?と見ていて判断に困りました。

関連ニュース
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070223k0000e030024000c.html
「サッチャー元英首相:「鉄の女」が帰ってきた…銅像完成
ロンドンのウエストミンスター宮殿で21日、自身の銅像の前に立つサッチャー元首相=ロイター 【ロンドン小松浩】「『鉄の女』が帰ってきた。今度は『銅』で」(英タイムズ紙)
 サッチャー元英首相の銅像がこのほど完成し、チャーチル、アトリー、ロイド・ジョージなど歴代首相の像が並ぶ議会ロビーに飾られた。
 存命中の英首相の銅像が、議会ロビーに飾られるのは初めて。脳卒中の後遺症で、02年から公の場での演説を控えている元首相だが、21日の除幕式では上機嫌。「鉄の方が良かったけど、銅でもいいわ。さびないし」とユーモアたっぷりにあいさつ、健在ぶりをみせた。」(引用終了)

本当に鉄で作れば面白かったのに…。




#7460 
徹夜城(少し風邪気味の管理人) 2007/03/21 21:31
「鉄の女」映画化

 映画の掲示板との境目があいまいなのは昔からですが、やはりこの話題から(笑)
 フォークランド紛争時のサッチャー英首相を映画にするそうで。とりあえず誰が演るのかが注目ですな。
 それにしてもサッチャーよりブレア現首相のほうが先に俳優に演じられて映画化されるとは意外であります(エリザベス女王を描く「クイーン」って映画の話です)。もっとも映画ではなくドラマならば以前ドイツで製作されたドキュメントドラマ「ドイツ統一の舞台裏」で俳優に演じられたサッチャーさんが出てきてました。あんまり似てなかった印象ですが(このドラマ、ドイツで俳優を調達したのかゴルバチョフやブッシュ父、ミッテランも全然似てなかった)。

>Кискаさん
 川本記念館の情報ありがとうございます。飯田となるとそう簡単には行けないところですが、「人形劇三国志」の人形全部がそろってるとなるとこりゃ行かなきゃいけませんねぇ。
 以前、徳間文庫の「三国志演義」(立間祥介訳)のカバーが「人形劇三国志」の人形写真で飾られていたことがありますが、番組では登場しなかったはずの司馬炎など三国志終盤キャラの人形が最終巻を飾っていました。あれは一応作っておいたんでしょうねぇ。
 そーそー、浅野忠信版チンギス・ハーンの話もありましたっけね。すっかり忘れてましたが順調に製作されているようで。チンギス映画は他ではスティーブン=セガールが狙っているといわれてますが、彼だけはやめてもらいたい気もします(笑。話の種にはなるでしょうけど)。


>tomohiroさん
 まぁ世の中極端なことを言いたがる人というのはいるものですから…その本の意図も恐らく戦国時代というよりは統一に向かう安土桃山の段階を念頭に置いてる気配も感じますね。確かにヨーロッパ文化がドドッと入ってくるなど、外来文化によって日本が「進化」したようにとりたがる向きには鎖国により閉鎖的なイメージがもたれる江戸時代よりは「黄金時代」に見えちゃうところがあるとは思います。
 江戸時代を鎖国と固定的身分社会とのイメージで否定的にとらえがちだったのは1980年代ぐらいまでじゃないかなぁ、というのが一応歴史学に首を突っ込んでいた僕の印象です。その後鎖国イメージもずいぶんくつがえされましたし(もっとも開放的とは言いがたいですけど)、江戸時代に花開いた文化への評価はもう否定しようもないでしょう。
 といって、一方でこれまた極端に江戸時代をむやみに持ち上げる人もおりまして、これにも僕は抵抗を感じますけどね。日本史に限ったことではありませんが、ある時代をいいの悪いの言うこと自体がナンセンスなのではないかと。

 それとは別に戦国〜安土桃山にいたる時代はエピソードも多く、好きな人が多いというのは無理はないところだとは思ってます。ただそればっかりになっちゃう「歴史好き」にはもうちょっと広い視野を持ってくださいよ、とも思ってますが。



#7459 
elevater 2007/03/21 07:05
戦国人気は

単純な統計というか、歴史ドラマの定番NHK大河ドラマは、どの時代のものが
多いかなというと、たぶん戦国時代のが多いのじゃないかな、と思います。
理由は明快、チャンバラや合戦をやれるから、ではないかと。しかも鉄砲もある時代だし
現代人は結局、興味本位にしか歴史に触れられない一面なんではないでしょうか
歴史で一応ほんとにあった殺し合い時代を後世の我々は自分らは危険な目にあわず
コロシアムで殺し合いショウを見るように見てるんでしょうが
しかし、実際に、そういう時代に生きていた人々は、それは中には戦が死ぬほど好きな
階層はいたでしょうが、また、戦は悲惨だ、こんな社会は変えないといけないと
思った人々もいたはずで、そういう階層が徳川の世をバックアップしたのか
わたしのいる地方で藩の書状が多く見つかったことがあり、江戸時代が始まりかけの頃ので
書状は、侍が自分は農民か商工人か漁師に転職したいので武士は辞めると宣言しますとし
殿側がそれを了承するような内容
江戸時代は鎖国があり閉鎖的な時代だと思いますが、また結構ながくそんな時代が続いた
のは、その時代の日本人が、そんな社会を望む人々が多かったからなんじゃないかと
思うし、それをだめだというのは外野な見方かな



#7458 
景虎 2007/03/20 22:55
比較技術学

>tomohiroさん
>「戦国時代は、日本の近現代に次ぐ黄金時代で、江戸時代は 停滞期である。」
一昔前ならともかく、今の時代にここまでいってしまうと、ちょっとトンデモに近いような印象を受けますね。

『比較技術学』の森谷という方等は、江戸時代を近代の原型として評価しているようです。昔に比べると、江戸時代に対する評価は、高くなっているような印象を受けますね。

まあ、私も近世史の専門家ではないので、細かい部分までは分かりませんが。



#7457 
tomohiro 2007/03/20 20:59
アンチ・ユートピア

有る本に、
「戦国時代は、日本の近現代に次ぐ黄金時代で、江戸時代は
停滞期である。」
という考えには虫ずが走る。
私は石仏などの民俗学的な物が好きなのだけれども、
今に伝わる民俗学的なもののルーツの大半は江戸時代にあるものが多い。他にも江戸時代だから発展した伝統工芸
などが有ることを考えると、戦国時代が日本の黄金期であるとは言い難いと思う。
なんでもかんでも戦国時代をユートピアに考えるのは如何な物かと思う。
幕末から明治の沸騰した時代も戦国時代と幕末・明治の橋渡し役である大平の江戸が有るから成し得たと私は考えている。




#7456 
Киска 2007/03/18 09:24
「孔明先生や郎女が皆様をお迎えします」

今年の年頭でのお知らせでは「5月初旬オープン」という話だったのだけれど、「広報いいだ」最新号を入手したところ、飯田市川本喜八郎人形美術館の開館は3/25(日)。人形劇「三国志」に登場した人形全てを収蔵しているそうです。美術館のシンボル、諸葛孔明先生は、2階にいらっしゃるとのこと。
こちら方面においでの際は、三国志ファンでなくても是非ご覧になってください。と宣伝工作でした。私も早いとこ行きたいです。

>チンギス・ハーン映画
セルゲイ・ボドロフ監督が浅野忠信主演で撮っているものも控えていますね(「Mongol」)。お楽しみに!
『日本に恋するロシア映画』(杉浦かおり著東洋書店)によると、台詞はモンゴル語だそうです(それならモンゴル人俳優に主演させればよさそうなものですが)。




#7455 
elevater 2007/03/18 07:58
ここ映画・掲示板と変わらない(笑

わたしは、歴史映画とジャンルを一応うたっているものに厳しい
時代考証を求めるのが、あほらしくなってきたのは、フランス映画だったかな
ミッション・クレオパトラというのを見たときです
あれは、ほんますごいですよ、いま、世界遺産といわれてるものを作ったのは
実は権力者にワニのえさになりたくなかったら早く建設せいといわれて
建築家が必死こいて作った、というの、結構、説得力あるかな(笑
あとフランク族だかゲルマン民族だかの設定が、すごい(笑
まぁ、あの当時のゲルマン民族といったって資料が皆無だから何でもありと
言えばそうなんですが、ロ−マ軍がゲルマン諸族に大敗した黒い森の戦いだって
伝承があるだけで遺跡もないから合戦の位置もはっきりしないらしいし
ロ−マ軍は全滅、生存者がいなかったとされ証言も無しというのもあるけど
何か最近、研究団体がドイツで、それらしい痕跡を発掘したとか何とか
聞きましたけど





#7454 
徹夜城(土日は引越し準備でてんてこ舞いの管理人) 2007/03/18 00:07
歴史映画のトンデモ度

>孟きょうさん
 お久しぶりです(^^)。「蒼き狼」「墨攻」「その時〜義満」と趣味が完璧に合う三連荘はなかなか楽しいですよね(笑)。
 「蒼き狼」の若村ホエルンはやはり出色ですね。そもそも企画時点で「女たちのチンギスハーン」という狙いだったのだそうで、ホエルン・ボルテ・クランといったあたりの描写はそれぞれ力が入っていたかと。これがかつてのTVドラマ版だと大楠道代・倍賞美津子・神崎愛といった配役になるのですな。
 一方の男性陣がイマイチ盛り上がらないというのは以前にも書いた感想ですが、松方弘樹のトンデモ死、なんとなく鑑賞中に予感があった(ホント)のは、「太閤記」のデジャブだったのかな(笑)。
 ジャムカの死に方で一番すごかったのはハリウッド版(オマー=シャリフ主演)でしょう。ホラズムに逃げ込んだジャムカが最後はジンギスカンと一騎打ちで決着をつけることになり、ジンギスカンに止めを刺されるがジンギスカンもその戦いで致命傷を負う「相打ち」になってます。

 今度の「蒼き狼・地果て海尽きるまで」に「日本語で話しているのがヘン」という声があることに対してどなたか評論家が「かつて『楊貴妃』や『敦煌』とかがあったのを知らんのか」とお書きになっていたそうですが、考えてみりゃアカデミー作品賞受賞するような「名作」のハリウッド製歴史大作の大半が英語台詞の全く別地域ロケ、さらには大胆すぎる史実改変がたっぷりあったりするんですよね。今度の「蒼き狼」なんてまだおとなしい方かも知れません(笑)。
 作品賞受賞作で挙げれば「グラディエーター」「ブレイブハート」の史実改変は凄まじいものがあります。これらを見ていると「柳生一族の陰謀」だってアカデミー作品賞を取れそうな気がします(笑)。

 さて昨年末から連打していた歴史映画(戦争映画含む)の嵐も一段落かな、と思っていたところ、アメリカではペルシャ戦争中のスパルタ軍のテルモビュレイの合戦を描いた「300」が封切られました。日本公開はまだ聞いてませんが、まぁそのうちやるでしょう。西洋古代史映画ブームも「アレクサンダー」で打ち止めかなと思いましたが、これが最後か?
 あと歴史映画ではないんですけど、予告編を見ていて気になってるのが「ナイト・ミュージアム(原題は「Night at the Musium」なんですね)。夜の博物館で展示品が動き出して…というファンタジードタバタものですが、復活する展示品に歴史人物が何人かいるんですよ。ロビン=ウィリアムス演じるセオドア=ルーズベルトも注目ですが、あのアッティラまでが出てくるんです。いかにも遊牧民の野蛮人キャラで。
 ずばり「アッティラ」という映画も過去にはあったそうで(未見)、欧米ではチンギスハーンと並んで「侵略してくるアジア異教徒の親玉」の代表的存在として強烈に印象にあるようです。以前「ムーラン」って中国史ネタのディズニーアニメがありましたが、あれに登場するフン族大軍の表現に使われたCGプログラムの名前も「アッティラ」だったとかで。
 娯楽映画ですからあまりうるさいことは言いたくないですが(といいつつ書きますが)、「ムーラン」にも感じたことですが、どうも「遊牧民の野蛮人」のステレオタイプのお笑いキャラにされてるのはアジア人の端くれとしては気にはなるんですよね。



#7453 
孟きょう 2007/03/17 12:49
ご無沙汰です


 >徹夜城様
 ご無沙汰しておりました。徹夜城様の方は新居移転で中々多忙のようで・・おめでとうございます。  私の方はと言いますと、2月、3月と遅ればせながら「墨攻」「蒼き狼」等を視聴したのですが同時にNHKで内容はともかくとして「足利義満」が放送されてしまい、自分の興味の一番のストライクゾーンが同時に来てしまい刺激が強すぎ、感動と興奮と武者震えで逆に頭がフリーズしてしまっておりました(恥)。
 
 「蒼き狼」なのですが、私も元々ホエルン役の若村さんのファンではあったので、あの老けメイクには歴史ドラマにふさわしい本格演出として満足でしたね〜、あれは感動しました。「利家とまつ」等最近の大河だと、女優への配慮か視聴者の美形ファンへの配慮かわかりませんが、美女三人が60近くでもまったく老けないとか、歴史を楽しむ、とか本格的な人物史等よりも「美形ファンの為のファンタジー」になっている感がややありましたので意外なところで感動してしまいました、グッジョブです(感泣)(「政宗」や「太平記」では主人公やヒロインは結構老けさせてくれたんだけど、最近は視聴層が変わっているのか?)
 
 ジャムカの最期(松方氏の最期も「太閤記」以来のトンデモ死ですが)ですが、あくまで私個人の感想では「ええ〜っ、それはないだろ〜」という感が・・。紋切り型のイメージではやはり「袋に入れて上から馬でガガガ」か「板の下敷きになって上で酒盛り、圧死」とかがあるんですけど・・。「言う事聞かんか、ならちと痛めつけるぞ」とかだと金の完顔陳和尚が三峯山で敗れ、城から出頭してきた所を腕、脚をへし折られた等の説話がありますが実態はいかに?   やや物騒な話で失礼致しました。



#7452 
徹夜城(暇なようなそうでないようなの管理人) 2007/03/15 23:09
ラスト・キング・オブ・スットコドッコイ

 暇になったとか先日書いていた割には更新も書きこみもとまっておりますが、実は4月あたまに新居に引っ越すことになりまして、いろいろと整理で忙しくなってしまってます。膨大な蔵書もあらかたはそのまま持っていくんですが、整理が大変で…さすがに両親が大学時代に使っていたかなり古い学術書のたぐいはこれを機に処分しますけどね。

 整理といえば大量にあるビデオテープも全部DVDにしちゃえと作業を平行してやってます。これがまた面白くってついつい見入ってしまったりするわけですが(笑)。
 最近はむかしNHKで放映したグラナダTVの「シャーロック・ホームズ」の録画をDVD化(全集BOX買うのはまだ控えてます…「怪盗ルパン」DVD−BOXの費用を優先しまして)してるんですが、再放送時の録画なので5時台のニュースがチラッと入ってるんですよ。そうすると株価が2万円台だとか、湾岸危機がどうのこうのとか、即位式パレードとか、1990年の時事ネタがちらちらと散見されます。なお、我が家にある最古のビデオテープには当時ニュースの最後に円相場や株価と並んで放送された「今日の陛下のご容態〜下血××リットル…」なんてのが残っていたりします(汗)。

>忙しいといいつつ映画は見る。
 早く見に行かないとさっさと終わっちゃいそうな映画でしたからね、「ラスト・キング・オブ・スコットランド」、見てまいりました。以前この掲示板で話題が出ましたが、スコットランド最後の王様の映画ではなく、大量粛清で悪名高いウガンダの大統領アミン(2003年死去)を描いた映画です。アミンを怪演したウィテカーはアカデミー賞ほか数々の主演男優賞を受賞しています。
 物語はスコットランドで医師免許をとったばかりの青年ニコラスが、今風にいえば「自分さがし」で母国を飛び出してウガンダへ医療活動しに行き、そこで偶然アミン大統領と知り合い、その主治医というよりは側近となってしまい、最初はアミンの魅力にひかれていたがやがて恐怖を味わっていく…とまぁ、まとめてしまうとそういう映画。
 見ていてこのニコラスって実在人物なのか気になったのですが、あくまで原作小説において複数の西洋人をモデルに創作された人物とのこと。ニコラスのキャラがなんというか、21世紀の今を生きてそうな現代っ子の先進国青年って感じなので観客にはすんなり入りやすいところかと。また実在人物や実際に起こった事件がからみながらも語り役を架空人物にしていることで物語に自由度が出て、けっこうサスペンスを盛り上げていくところなど脚本がうまいと思ったところです。しいて難を言えばアミンがどうしてあそこまで暴走しちゃうのかがいまいち分からないところなのですが、ウィテカーの怪演でそれなりに説得力をもっちゃうような(笑)。
 
 見ていてポルポト時代のカンボジアを描いた「キリング・フィールド」をどうしても連想しました。ただしあちらはあくまでドキュメントの劇映画化でポルポトはいっさい登場しないのに対し、こちらはフィクションを多く混ぜつつアミンという強烈なキャラクターを描くことに力を入れるという違いはあるんですが、両者ともにジワジワと怖さが出て来る過程とか、大筋には関係ないけど細かい演出を加えているところとかよく似ています。パンフレットの解説で監督がドキュメンタリー映画出身だったと知って納得したところも(「キリング・フィールド」のローランド・ジョフィもドキュメンタリー出身)。
 
 語り役のニコラスはスコットランド人なわけですが、ウガンダに先に入っていた英国人に「英国人が増えてうれしいよ」と言われて「スコットランド人だ」と言い返す場面があります。なんでもオリンピックの時なんかでもスコットランドじゃスコットランド人のメダリストの報道しかしないなんて話も聞きましたが…

 ともあれ、これでアフリカ史の映画がまた一本増やせます。それにしても近現代史ばっかりだなぁ。


>パパゲーノ川崎さん
 ラジオ語学講座といえば、僕の母が中国語講座を聞いてるんですが、やはりテキストに歴史ネタ、あるいは映画ネタがあり、そこを面白がって読んでいたりします。最近番組内でも陳凱歌監督(「覇王別姫」「始皇帝暗殺」「PROMISE」など)の文革体験や映画製作ばなしなんかをやってるそうで。
 フランス語学雑誌「ふらんす」でも怪盗ルパンの「カリオストロ伯爵夫人」を原文で読む、なんてコーナーがあったりして、なかなか油断ができません(笑)。

 日本における歴史趣味が人物偏重…というのは、もしかすると日本に限らず中国的な歴史叙述の影響なのかもなぁ、と思うところも。とくに「史記」の影響が絶大なのかも。頼三陽の「日本外史」だって歴史講談のレベルに近いところがありますし。司馬遼太郎は名前からして司馬遷の「子孫」なわけですから(笑)。
 もちろんヨーロッパでもその手のものはあるとは思うんですけど、中世のキリスト教的歴史観(神の計画)、近代以後の唯物史観とか、人間を上から見下ろすような歴史鑑賞の伝統があるのかもなぁ、と思うところも。イスラム圏でもイブン=ハルドゥーンとかそうですしね。


>あがたしさん
 お待たせしちゃって申し訳ないです(^^;)。次郎長ネタの記事はもう書いちゃってるんですが、上記のようなわけで他の記事の執筆が遅れてます。なんとか「ニュース」なうちにアップしたいです。
 それにしても次郎長とゆかりの方だったとは、うっかりしたことが書けない(笑)。その短刀なんて「なんでも鑑定団」に出してみたくなりますね(笑)



#7451 
あがたし@清水出身 2007/03/15 10:37
次郎長の(遠い)ゆかりの者です

> 次郎長ネタは次回「史点」ネタとして書いていたりします(笑)。
> 墓石といえば森の石松の墓石もみんながかけらをもってっちゃうんで大変らしいですね。

↑大変楽しみです. 今回帰省したおり,なぜウチの菩提寺が梅蔭禅寺なのか聞いてみたら,どうやら父方が次郎長の縁戚だそうです(父の曾祖母の最初の夫が次郎長の孫だか息子だか(まあ当事者にもその程度の記憶しかないのですが)だそうです.ただし父の家系は二番目の夫〜遠州森出身〜との間の子からです).

父の祖母だかその兄弟だかが生まれた折,次郎長が短刀を枕元におくというまじない行為をしたとのこと.その短刀を見せてもらったことがあるのですが,数十年手入れしていなかったらしく,もうサビサビでした.研ぎなおしてもらったら(できるのか?)値打ちモノになるのかなぁ.

では,記事を楽しみにしております.




#7450 
パパゲーノ川崎 2007/03/12 18:59
ラジオ語学講座本でも歴史ネタ

NHKラジオ語学講座のテキスト、巻末の特集はなかなか充実していて
面白いです。
ラジオドイツ語講座のテキストには、ドイツ各地の都市の紋章についてや
伝統的な行事の由来とか、近代の文学者が生きた時代の背景とか
分かりやすく解説されています。

こういう資料を読んで感じるのは、ドイツ人に限らず、特にヨーロッパの人々に
とって歴史とは”その時代がどのような仕組みの社会であったか、
何が行われ、何が達成されたか。。。”ということに関心があるのでは?
ということです。

しかし、日本人にとっては、歴史について、特定の登場人物にまず関心があり、
その人物の活躍を鑑賞するというようなことが多いのではないでしょうか。
(特に戦国武将や幕末の志士は、アイドル化しているようにも思われます^^;)

このあたり、闘争により強固な市民社会を築いてきたヨーロッパと
そうでない日本との歴史の差から来るものなのでしょうか。
司馬史観の影響、もっと遡れば講談本の影響もあるのかもしれませんが。





#7449 
elevater 2007/03/09 12:25
ロ−マは一代では衰えず

>コンモドゥス
史劇では悪役の皇帝としてキャスティングされることが多いし
五賢帝時代の次の帝ということで帝政の下り坂の根元みたいにいわれて
いるひとですが、この人のあとも、この帝国が何百年続いたことを考えれば
ちょっと後世で、つるしあげられ過ぎ?て気もします
このひとは自分に政治の才能がないと自覚していたのか、側近に摂政みたいことを
一任する特色があって、また運わるく、どの側近も私腹を肥やす人材ばかり
だったので、この帝の治世は悪評が絶えなかったらしいですが
歴代の皇帝はゴ−ド族に対する防衛のため年に何ヶ月か首都を離れ野陣していたそうですが
コンモドゥスは、これが嫌で、さっさと講和して首都から出たがらなかったそうで
辺境族との和議には賠償金も払い、当時の評判では屈辱的な策と評されましたが
長い目で見たら、彼の治世からしばらくの期間、外征で国力が損なわずに済んでよかった
という評もあるようです。もっとも彼にしてみたら優れた政治的選択じゃなく
単に辺境を行軍などしたくなく華やかな首都を離れたくなかっただけなんでしょうが



#7448 
徹夜城(暇になったらまず映画三昧になってる管理人) 2007/03/08 23:55
アリ/マリ・アントワネット/蒼き狼

 とりあえず暇がとれたら録画だめしていたものと、劇場公開中の映画を見まくる日々です(笑)。こちらでは歴史ものがらみに絞りまして。

>「アリ」
 たしか去年衛星放送でやったやつを録画してものです。ウィル=スミス主演、マイケル=マン監督作品。モハメド=アリの半生を描く映画で、ウィル=スミスはこれで主演男優賞をとっちゃった。
 ボクシング映画というよりは純粋に伝記映画と言っちゃっていい内容ですが、時代背景が予想以上に濃厚に出てくるんですね。カシアス=クレイがネーション・オブ・イスラムに参加して「モハメド=アリ」になったのは知ってましたが、あのマルコムXが重要な登場人物としてさかんにアリと絡むのは意外でもありました。スパイク=リー監督でデンゼル=ワシントンがマルコムを演じた「マルコムX」がありましたが、あれと重なるシーンが多くてザッピング風味に見られました。マルコム暗殺シーンなんか史実だからとはいえ両者瓜二つに再現されてました。
 ベトナム徴兵拒否のくだりなんかも時代性を感じますが、フォアマンとのザイール(コンゴ)での対戦では、モブツ大統領が出て来て、こちらも映画「ルムンバの叫び」とリンクしてしまいます。さらにそのモブツの台詞の中で「ウガンダのアミンとの対戦」ってなことが出てまいりまして、これは今度公開される「ラスト・キング・オブ・スコットランド」とリンクするのでありました。


>「マリー・アントワネット」
 ソフィア=コッポラ監督作品。製作総指揮はお父上、助監督はお兄さん、ルイ16世役は叔母のタリア=シャイアの息子、つまり従兄弟だったりして。ソフィアさんは「ゴッドファーザー」1作目のあの殺人と同時進行する洗礼場面で赤ちゃんとして出演していたのをはじめとして三作全部に出てましたし、昔からコッポラ家は一家総出でお仕事してるのでありました。
 現代的感覚で描いたマリー・アントワネットということで、なかなか面白く見ました。とりあえず出てくるお菓子がみんなおいしそうで(笑)。マリア=テレジアやヨゼフ2世も登場しますし、アメリカ独立戦争がちょっと話に絡んできます。
 「早くお世継ぎを」とやたらに周囲から言われて孤独に苦しむアントワネットの姿にはなにやらどっかの皇室の話を連想しなくもなく…あ、美智子皇后はまたいろいろ苦しんでおられるようですな。
 ついでに言うと、予告編でやっていた「クイーン」はダイアナ元皇太子妃事故死直後のエリザベス女王と英国王室一家、ブレア首相の模様を描く「直近現代史ドラマ」。ヘレン=ミレンは本物の女王に招待を受けてるそうで(笑)。そういや英国女王役はアカデミー賞をとりやすいような気がする。


>「蒼き狼・地果て海尽きるまで」
 これで僕にとっては5本目となるチンギスハーン映画です。探せばあと2本は見つけられます。
 元の話がおんなじだから、と言ってしまえばそれまでですが、むかしテレビ朝日で製作した加藤剛主演「蒼き狼」と全体的によく似ています。やはり日本人にはチンギスの少年時代の苦労とか出生の秘密や妻を奪われて実の子じゃない息子をもったりといった泣かせドラマをウェットに描くのが気分に合うようで。オマー=シャリフ版でも妻奪回は描かれてましたが(ジャムカが奪ってたな、確か)…
 モンゴル版「チンギスハーン」だとそうした苦労話が終わったあとからはじめられ、息子との愛憎劇はあっさりスルーされてました。「元朝秘史」なんか読んでても「ジュチ」の問題はモンゴル人にとってはそれほど深刻なものではない感じがするんですよね。

 スケールの大きい話のはずなのにどうもホームドラマ的にまとまってしまった、そんな映画だったという感想です。とくに悪い出来ではないのですが。若村麻由美のホエルンはなかなかいいと思います(驚異の老けメイク含む)。
 チンギスと戦うキャラクター群は単純化してわかりやすくしてました。そのぶん彼らの愛憎劇が女性陣と比べると淡白で…「男のドラマ」期待派には肩透かしかも。

 チンギスハーン映画を何本も見ているといつも気になるのがチンギスの幼馴染の義兄弟にして生涯の宿敵であるジャムカの描かれ方です。「元朝秘史」で読んでいても複雑怪奇なキャラクターで、自己破滅型キャラが好みの僕にはなかなか興味がひかれる存在。美味しい役どころなので過去の映画作品でも主役級の人がぶつけられてきたもんです(オマー=シャリフ版なんか、スティーブン=ボイドが演じたためこっちがトップタイトルだった)。
 そこいくと今回のジャムカはかなり物足りないです。それでなくても理解しにくいキャラなんですが、単純化をめざしたためによけいにワケが分からないキャラになっちゃった。ああ、ヤバいなヤバいな…と思ってみていたら予想通り○○○○○○を殺しちゃうし。ま、明智光秀が足利義昭を射殺したり織田信長を突き殺したりするドラマを見た者からすればさして驚きません(笑)。
 またジャムカでいつも気になるのが「殺され方」。記録によれば「大地を血で汚さずに死なせる」という最上級の礼をもって処刑されたことになってるんですが、具体的にどうするのか分からないので過去の映像作品ではあれこれ知恵を絞ってます。テレ朝「蒼き狼」では袋に詰めて水に投げ込んで死なせてましたし(もっともその前に圧死させてその後放り込んだようにも見えた)、モンゴル版では二本の棒を使って体を徐々に折り曲げ、最後に背骨を折って死なせるという壮絶な描写になってました。
 今回、この点も注目していたのですが…いや、正直結構驚きました。そう来たか!と(笑)。
 もしかするとこの件、楽しみにしている(?)方もいるかもしれませんから、映画のネタばれ掲示板にでも書いておきます。
 

以下、遅れたレスを。

>若水さん
 カストロさんもまだまだ大丈夫…かな?
 ところでひところ一時のカストロ並みのキャラであったリビアのカダフィさん、「核もふくめて大量破壊兵器も破棄したのに見返りが少ない」とボヤいていたのがなんとも可笑しくって(笑)。う〜ん、なんだかんだ言われつつ北朝鮮って外交上手なのか。昨年段階でそれはなくなったかと思ったんですけどね。


>elevaterさん
 コンモドゥス帝が剣闘士となって試合したという話は、「グラディエーター」以前に「ローマ帝国の滅亡」という映画でも使われてました。もっともどうも「グラディエーター」じたいが「ローマ帝国の滅亡」のリメイクじゃないかと言われてまして。


>あがたしさん
 次郎長ネタは次回「史点」ネタとして書いていたりします(笑)。
 墓石といえば森の石松の墓石もみんながかけらをもってっちゃうんで大変らしいですね。



#7447 
あがたし 2007/03/08 01:05
次郎長の墓

清水出身のものです.つい先日親族が亡くなりまして,で行ってきたのが,一家の菩提寺である静岡市清水区の梅蔭禅寺.次郎長の墓があるところです.

次郎長の墓石は,全国の博徒が,御利益?を求めて欠いて持って行ていたということで有名です.本当ならば,今の墓石は何代目なのかなあ.

そんなこんなで,盆暮れ正月には必ず行っていた梅蔭寺の次郎長の話が,いま襲名の話で突然出てきたことにびっくりいたしました(清水っ子からするとあれは過去の話であって現在の暴力団と結びついているとは思いたくないんですけど).

ところで富士山南麓中腹には「次郎長」という地名がありますね.
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.aspx?b=351424&l=1383957&r=1
晩年になって原野開墾事業を始めたという彼の,その土地なのでしょうか.




#7444 
NF 2007/03/07 23:19
皇帝も色々

>elevater様
「とらっしゅばすけっと」への御訪問ありがとうございました。
ローマ皇帝では、今やっている企画の関係からティベリウスが一時期引きこもっていた事が僕には興味深かったり(笑)。



#7443 
elevater 2007/03/04 22:27
ロ−マ皇帝そろいぶみ

ロ−マ史に関して調べごとなどしていて便利なサイトが見つかりました
下記がアドレスです
http://www.augustus.to/other/nenpyou.html
歴代ロ−マ皇帝の経歴が、だいたい、簡潔に書かれていて、こういう
資料は私のような素人には勝ってがよいですね
全部よんではいませんが、さらっと読んだかぎりでは
ロ−マの皇帝職というのが、さほど絶大な権力でもなかったというか
あんがい身内の裏切りや反乱で殺されてしまう皇帝が多いですね。
まぁ、コンモドゥス帝みたいに3〜4回も暗殺されかかったのは
ちょっと際だってますけど。映画グラディエ−タ−は、まるっきり
うその話なのかと思ってましたが、ほんまにこの皇帝がコロシアムに出て
五体満足で済んだというのが傑作です(笑
あと、落雷に撃たれて死んだ皇帝とか、ほんとうにこの帝国の歴任権力者は
多彩だったんだなと



#7442 
若水 2007/03/04 01:29
カストロ議長復活ですって

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/cuba/
失礼ながら完全に諦めていました。
『不死身』のアラファトを上回りましたね。


>清水一家襲名
そのニュースで清水一家に昭和の時代に5代目が居たことを初めて知りました(汗)

http://zyakusui.web.infoseek.co.jp/index.html


#7441 
徹夜城(受験産業の仕事がやっと一段落した管理人) 2007/03/01 00:28
一月ぶりの更新。

 やっと暇になりました。
 もっとも今年度は昨年よりずっと暇が多そうで、収入面では問題アリアリなんですが(笑)。まぁ更新度は高くなるとご期待ください(カネにならんことには熱心になる)。

>更新箇所
 たいした更新ではありませんが、「歴史映像名画座」に6本追加。「墨攻」「王の男」「ジュリアス・シーザー(2002版)」そして「硫黄島」映画3本です。
 また相互リンク申し込みをいただいたままほったらかしになっていた(笑)ので、リンク先をいくつか追加してあります。
 しかし最近雑学サイトを作る人が多いのか、その手のところからのリンク申し込みがやたら多い…

>NFさん
 というわけで、ずいぶん遅れましたが、「れきけん」の方にもリンクさせていただきました。今後ともよろしくです。


>小覇王さん
 返事がずいぶん遅れちゃってすいませんです。これからもROMでもちょくちょく覗いてくだされば幸い。一刻も早い書き込み復帰もお待ちしております。


>景虎さん
 「炎立つ」は渡辺謙が出ているということもあり、またなかなかハードボイルドな内容もあいまって時代劇ファンの一部に熱狂的な支持者がいたりしますんで、もしかするとそれで完全版発売なのかな。あと一年分放送ではないので出しやすかったとか?
 「太平記」も一部濃い目マニアはいるわけですが(Wikipediaでも「大河の最高傑作という声もある」とか書いた人がいるし(笑))、主要な出演者に承諾を得る必要とか、売り出してもどれだけ買ってもらえるのか、とかいろいろネックはありそうな気はします。
 「太平記」に限ったことではないですが、やっぱ大河は完全版で見ませんとねぇ。


>elevaterさん
 これもずいぶん遅れたレスになっちゃうんですが、「二重まぶた」につきまして。
 ちゃんと調べたことはないんですけど、日本でも一重が多い地方と二重が多い地方があるとかないとか読んだことが…なんとなくですけど南方方面の方に二重が多かったような気がしてます。
 韓国映画で俳優さん見ていて、「日本にはあまりいない顔だな」と思う人に一重まぶたが多い…と感じちゃうのは気のせいでしょうか?そのデンで、モンゴル人などはさらに一重まぶたが多い気がするんです。
 なお、僕は疲れ目になると「二重」を越した「三重まぶた」になっちゃうんです(笑)。「奥二重」というんでしょうか、表面的には一重まぶたなんですがちょっと目が疲れると「二重化」「三重化」してくんですね。

 シロアリの話を読んでて、いしいひさいちの戦争ギャグ漫画で、南方戦線の日本軍の将軍が「斬り込み突撃隊をもってマラリア、アメーバ赤痢を殲滅する!」と指揮する話を思い出しました(笑)。


>ぬえさん
 「史点」ネタはたまりにたまっております(笑)。先日出たCIAの公開文書なぞは、「昭和史の闇」がまだまだあることを改めて思い知らされましたね。
 そいでもって今日なんか、「清水一家襲名」なんて美味しいネタが飛び込んでくるし(笑)。



#7440 
NF 2007/03/01 00:11
わ…(今気付いた)

>徹夜城様
「とらっしゅばすけっと」とのリンク、本当にありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
「しりとり歴史人物館」とネタが被りそうなのが少し心配ですけどね…(苦笑)。



#7439 
NF 2007/02/28 23:47
「シロアリ軍団に比べ、我がマレーシア陸軍の戦力は三十分の一以下である。にもかかわらず、今日まで戦い抜いてこられたのはなぜか!諸君!我々マレーシア陸軍の戦闘目的が正義だからだ!」

>elevator様
つい、表題の台詞を言いたくなりますな。しかし、実際にはシロアリの戦力は三十倍どころじゃないんでしょうけど。一日も早く「圧倒的じゃないか、我が軍は」なんて状況になるよう人事ながら祈っておきます。

>小覇王様
あらら、残念です。また、ご縁がある事をお祈りします。

 ところで、最近は菅原道真の時代について少し調べているのですが、894年の遣唐使計画について。何でも、新羅の衰退に伴って海賊活動が盛んになり、九州がしばしば被害にあう事態となり、唐に使者を送り外交的圧力をかける事を期待したのが遣唐使派遣計画の一因と聞いた事があるのですが、この辺りについてご存知の方がいらっしゃったら教えて頂きたいのですが。
 しかし、この時代を調べていると、政治改革やら日本海の治安問題やら日中関係の距離感やら格差社会やら変にキーワードがタイムリーで何だかなあ(苦笑)。別にそんな意図で調べ始めた訳じゃないんですが。



#7438 
elevater 2007/02/28 12:44
敵は我々よりも兵力が多い

タイトルのセリフは、最近のマレ−シア陸軍の発表の中のものだそうで
マレ−シアに、そんな手強い反政府勢力があったっけ?とお思いのかた
なんだと思います?その敵とは、シロアリ軍団だそうで(爆
同国陸軍の兵舎・約80カ所がシロアリの被害で機能がままならなくなって
いるそうで同国陸軍の発表「我が軍創設いらい最強の敵に遭遇」と
いっているから、そうとう参っているみたい。




#7437 
ぬえ 2007/02/28 11:38
史点ネタっぽいです

半鐘など、全国で相次ぐ金属製品の盗難事件。五輪を控えた中国での需要が影響しているなどと言われておりますが、史劇的読者としては、明代の日本銀流出とかを連想してしまいます。



#7436 
elevater 2007/02/19 21:58
二重まぶた

とうとつですが、みなさん は二重まぶた は美しいと思いますか
陳腐な説ですが美形の人気流行は時代によって変わるといいますよね
で、二重まぶた は、今では美容整形手術の主力みたいもんですが
手術してまでそうなりたいと思う人が多いということは日本人は
二重まぶた が天性では少ない民族ということになるのでしょうか
西欧人の顔では二重まぶたは日本人よりは多いかなと感じてますが
歴史的な女性の日本絵画など見てみたら確かに二重まぶたキャラが
あんまり見かけない気はします。というか、そもそも自分じしんも
知り合いに二重まぶた の者が殆どいないので「二重まぶた」の
正確な定義を知らないのです。この関係で詳しいひとがおられましたら
書き込んでいただけないでしょうか。



#7435 
景虎 2007/02/18 12:18
完全版

検索していて知ったのですが、大河ドラマ『炎立つ』の完全版が発売されるんですね。
もしや『太平記』も?・・・と思って検索してみましたが、残念ながら『太平記』はないようです。

しかし、『炎立つ』がありなら、『太平記』もそのうちあるかも?しれませんね。

>小覇王さん
お帰りを、お待ちしております。



#7434 
小覇王 2007/02/17 19:06
しばしの別れ

 仕事の都合で引越しをし、そちらはネット環境が整っていないのでしばらく、書き込めそうにありません。仕事場のパソコンでROMるぐらいは出来ると思いますが。
 せっかく、いいサイトを見つけたと思ったのに残念です。いつになるか分かりませんが、また書き込んだ際はよろしくお願いしますね。

 私は古文より、漢文派なんですが、漢文を読み下すという一手間を経ることで理解が容易になると思っています。一時期は漢文から日本語の古文、最後に現代文、というややこしいやり方をするより、直接中国語を習ったほうがはええ、などと思っていたのですが実際は学校で習うやり方のほうがしっくりくるようです。現代中国語でそのまま漢籍の古文が読めるのかは分かりませんが。

 それでは、また。:カウンターがリセットになってるみたいです。




#7433 
徹夜城(これで少しは「ムロタイ」読者が増えて欲しいと思う管理人) 2007/02/15 00:04
今日の「その時」は…

 永徳3年(1383)2月1日、後円融上皇が厳子を峰撃ちにした瞬間です!
 …ってなネタを一度ぐらいやってもらうと面白いのですが(笑)。

 録画予約を忘れたので、仕事先から急遽帰宅してなんとか10時1分から見ました。番組の内容紹介のオープニング部分でしたが、この部分ではちとツッコミどころが多そうな…と思って見ていたんですが、本編全体を見渡せば、まぁなかなかよくまとめてあったと思います。
 「日中国交回復」というフレーズが連打されるのはどうしても耳障りでしたが、その一方で民間貿易はずっと盛んだったことにもちゃんと触れ、海禁問題や銅銭問題(ただあれを単純に銅銭不足の「デフレ」ととっていいかは疑問あり)、そして懐良親王をめぐり「日本国王」争奪戦という背景にもちゃんと突っ込んでいたのは評価していいと思います。また、名前こそ出ませんでしたが義満の外交ブレーンに「倭寇にさらわれた中国人」すなわち魏天クンらがいたことを紹介したのも注目点です。あと「胡惟庸事件」にまで触れたのは正直以外でした。
 不満を言えば義満がプライドや面子を捨ててそこまでやった動機の説明が弱いことでしょう。経済面の理由を主につけてましたが、やはり国内政治面、東アジア国際情勢の中で「日本国王」の権威を保障してもらうという面に言及が言ってない。さらにいえばそれは義満の「皇位簒奪」問題にも関わってくるわけです。まぁ「皇位簒奪」の件は危なすぎるので避けたんじゃないかなぁ。
 あ、あと建文帝と永楽帝の「靖難の変」のタイミングに合わせて使節派遣をしたという点に触れてくれたのは嬉しかったのですが、実はどっちが勝ってもいいように国書を二通用意していたという周到さにも触れて欲しかったところです。洪武帝はさんざん出てたけど永楽帝は出てきませんでしたなぁ。

 映像は予想通り「太平記」(真田高氏や柄本師直がバッチリ映っていたような)と「北条時宗」(義満の前で幕府重臣が議論する場面は和泉元弥らが映ってますな)から大量に引用。蒙古襲来の場面は「回想」として盛大に使用。また、倭寇や遣明船の描写は全て「時宗」だったはずです。予想に反して「琉球の風」と思しきカットは見当たらなかったような…(倭寇シーンはそれかな?)。北山第の工事シーンは「徳川家康」のような気がします。
 番組用の新撮り映像は足利義満、細川頼之らが俳優に演じられて描かれたということでは物凄く貴重。「ムロタイ」大河実現でもしないと難しいんだ、これは(笑)。


>古代東アジア。
 このところ当伝言板で古代東アジアネタ議論が盛り上がっているので、僕も便乗して遠山美都男著『白村江』(講談社現代新書)に手を出しました。倭国、唐、新羅、百済、高句麗各国の同時代情勢をあれこれと俯瞰できるということではなかなか便利。当然金春秋=武烈王の件も詳しく出てきますし、日本の皇極・斉明女帝と新羅の真徳・善徳女王の件(唐の則天武后のこともちょこっとは触れてます)など入門書的に読みどころは多いです。
 百済滅亡後、最初は百済復興のために唐軍と戦い、その後投稿して今度は唐の部将として百済残党と戦い、その後唐軍を率いて突厥へ遠征し勝利するも冤罪によって処刑という、えらく波乱に飛んだ人生をおくった黒歯常之という男の話は面白かったです。高仙芝みたいのは他にもいたんですな。
 ただ遠山さんは白村江の戦いの「敗戦ショック」は倭国では従来言われているほど大きくはなかった(というよりほとんどなかった)という評価なんで、これは全面同意はできかねるかな。これまでの評価は太平洋戦争の敗戦→アメリカ流受け入れの民主化の戦後史と重ね合わせた「敗戦史観」ではなかったか、という提起は興味深いしうなづく部分もあるのですけど。



#7432 
Q世代 2007/02/14 18:07
私は古事記派

>改竄された証拠を改竄された可能性のある資料から
 まったく徹夜城さんや巫俊さんのご指摘のとおり、このパラドクスに私もついついはまり込んでしまうんですね。歴史研究を専門にされている方から見ると「困った奴」に見えるかもしれません。
 とはいえ私も先人の研究の蓄積にだいいちに敬意を表する者ですから、自分の述べたことが思いつき、飲み屋での素人の戯れ言みたいなモノであることは自覚しております。いわば「なんちゃってな?」ですから「なわきゃねーだろ!」と突っ込まれるのもまた嬉しいわけで、やっぱりここに書き込んで良かったなぁと思ってます。
 巫俊さんが紹介してくださったページは大変面白かったです。「一書」の探求も含めて記紀研究はまだまだ奥が深そうですね。

>孟きょう様
 調べるほどに金春秋と天智天皇の軌跡は似てますよね。同時代に倭国と新羅にそっくりな境遇の王がいた偶然を考えても面白いですが、即位せずに身軽な活動を続けた金春秋に中大兄が倣った可能性もあり、またもしかしたら、中大兄の即位までの事情がよく分からなくなっていたため、書記の執筆者が金春秋の故事を借りてきた可能性も考えられるかもしれません。
 
 根っからヨタ話が好きらしく、「何が事実か」が大切であることを認識しつつも、「どうだったら話が面白いか」を真っ先に考えちゃいます。「なわきゃねーだろ!」をよろしくお願いします(笑)。



#7431 
阿祥 2007/02/11 12:56


また、名前入れるの忘れました。阿祥です。



#7430 
2007/02/11 12:55
巫俊さんへ

“東ユーラシアの風土史”の文章興味深く読みました。僕も東アジアの歴史を勉強するのに、中国を中心としていろいろな民族のことを包括的に見ていく必要があるように感じています。初めのころは司馬遼太郎さんの中国周辺の少数民族に対する偏愛に影響を受けていました。最近は中国語の方言の分化や、現実の今の中国少数民族史などもいろいろ勉強しています。
そんな中でNational Geograficの番組の内容が非常に面白かったので、報告しておきます。

人類がアフリカを発祥の地としているというのは、よく報道されている話で、僕も以前から知識としては知っていたのですが、そのNational Geograficの番組ではアフリカで発生した人類がどのように全世界に広がっていったかということを系統立てて説明していました。
特に興味深かったのは、アフリカを離れた人類が、次ぎに住む場所として選び、長期に渡って暮らしたのが、中央アジアだったと説明していたことです。場所は正確には忘れてしまいましたが。もとソビエト連邦領のウズベキスタンとかタジクスタンとかそのあたりだったと思います。アフリカを第一のルーツだとすると、第二のルーツが中央アジアにあるといった感じでしょうか。そして、その第二のルーツの典型的な遺伝子を持つ人々として、中央アジアの人たちの遺伝子を採取して特定していました。
番組では、ヨーロッパの人たちも、もともと中央アジアにいたものが西進してヨーロッパに向かったと説明していました。その間長期に渡って何らかの理由で太陽の光を受けないような暮らしを続けたので、色が白くなったのだと。そういう説明と、インドとヨーロッパ系の言葉が似ているという事実は符合しているので、なるほどと思いました。

一方中央アジアから東へ向かう人の流れは、北廻りでモンゴルからアリューシャン、シベリア、アメリカへと向かうものと、南に向かいインドに下りて、そこから東南アジアに行くものに分かれます。このうち北側路線のことは、北アメリカのインディアンや、南アメリカのインディオたちの物語としてよく知られています。
僕がなるほどと思ったのは、インドへの人の動きが、やはり中央アジアからの南下であると説明してあったことと、そこから南回りで東南アジアを経由し、中国の南部に達する人の流れを説明していたことです。
最近のテレビ番組でいくつも日本人のルーツを探るものがありますが、その中でNHKのシリーズ番組は日本人のルーツを北からのものと南からのものと双方に求めていました。遺伝子の分析から、バイカル湖の付近によく似た遺伝子を持っている人々がいると報告していました。一方、食や建築に関する文化人類学的アプローチではブータンとか、中国南部の少数民族にその類似を求めています。魚の保存食としての寿司とか、納豆、民族衣装、歌垣、畳、大社造りの神殿様式など、枚挙にいとまがありません。大野晋さんの日本語のタミル語源説も著名です。

これらの部分的なさまざまな類似性を、人の動きが中央アジアから二つのルートに分かれたというその事実は包括的に説明できるのじゃないかと思っています。そしてその大きなルーツが中央アジアにあったのだということには、非常にロマンを感じます。問題は、そういう大きな流れと、歴史として記述されたことがらをどう関連付けていくかということです。



#7429 
孟きょう 2007/02/10 00:42



 >Q世代様、NF様
 そうなんですよね。あの時代は結局まだよくわからない事が圧倒的に多いのが現状の舞台ですから、時間的に番組も最大公約数をなんとか、という事なんですよね。勉強になります。

 >Q世代様
 >天智称政、そうご指摘されると・・確かに似ていますね(驚)。しかもこの二人、女王が謎の死を遂げる類似性が何とも言えず・・。ともあれこの二人は一度会っているかすれ違うくらいの事はあった可能性もあるわけで、映像化してくれれば西欧歴史大作映画に負けない名場面になると思うんですよねえ・・・けっこう素材にダイヤの原石がゴロゴロしている気が・・

 >NF様
 いえいえとんでもない、私なんぞは一般概説レベルをえんやこらとおいかけているレベルの小人ですから。 そうですね、東北は難しくてよくわからないんですけど、関東周辺ですと、やはり山梨、長野、埼玉とかですかねえ(身内が長野に旅行に行った事があるんですけど、写真やムック本で蒙古馬系列の木曽馬がもう感動ものでして、東アジア本場の騎兵かくもやとワナワナしてしまいました)。騎馬民族説がどうとか言う勇気は私には無いんですけど、狩猟民族、騎馬、遊牧民族、および騎馬技術を習得した華北の漢族が土着民族と雑居していた朝鮮半島から人が列島に大量移住してきているわけですから、馬の育成技術や騎馬関連でどんな大物が来ているかははかり知れないものがあるんですよね。2世3世がいる中に「昨日まで半島で騎兵や歩兵の小隊率いて戦ってました」て人もいた可能性があるし、天文学的な確率で「いや、先月まで鴨緑江やその西のマンジュリアにいまして」みたいな人も一人ぐらいいたのかななどと想像しちゃったりするんですよね(高句麗と百済との人種的関係は色々言われてるんですけども、もし高句麗の人が来てれば「本場の人」ですし、一人でも列島、さらに関東に来てればロマンあるな〜)。まあ、朝鮮系で軍事的な手練は結構機内に虎の子として留め置かれただろうし、渡来系の人が不在でも畿内では中国王朝風軍隊の様式を整備するため騎兵は多少は要求されたのでしょうが。東国では、そんなこんなで伝統技術がゆったりと、なんとなく伝承、またはフェードインしていったのかもしれません。根拠があまりないんですけど(恐) 
 華北や朝鮮で騎兵は「それを育む歴史と地理、気候風土」と「人」によって編成、育てられたのに対し、日本もとい列島では「人だけ来た」という事でしょうか。

 >巫俊様
 夏殷周の研究、知識がベースになっておられるというのはとにかくうらやましいですね。基礎、基本がガッチリとしておられるわけですから。
 そうですね、中国も一皮剥けば巫術の世界はありますね。4百年続いた漢朝末期で列島で卑弥呼の時代に漢中でも五斗米道の張衡の妻が鬼道に仕え、巫術をしていましたし。そういえば満州族も巫女の存在を漢族の前では隠したり、李朝でも、やや後ろめたくもあり、されども欠かせないシャーマニズムは女性にやらせていたみたいという話がチラホラと・・



#7428 
電羊斎 2007/02/09 23:15
鉄道ネタについて

おひさしぶりです。

少し乗り遅れ気味ですが、史点の「弾丸列車」の記事について。
確かに意味深ですな。おそるべし中国(笑)

管理人さんのおっしゃるとおり、確かにネチズンや憤青に「反日」の傾向はあるにせよ、中国政府としては当面「親日」でいきたい所ですしね。
また、中国鉄道の現場サイドでは、日本の技術に対する評価がかなり高いらしいですし。
私の友人の家は満鉄以来親子三代ずっと東北の鉄道の仕事に携わってきたんですけど、みんな日本の技術をほめてましたしね(社交辞令もあったでしょうが)。

余談ですが、友人の父は蒸気機関車の機関士で、十年ほど前まで日本製の機関車を走らせてたそうで、日本の機関車は頑丈だったってほめてました。
一昨年の2月、その方の勤め先の阜新駅(炭鉱専用線)で蒸気機関車にも乗せてもらいました。小さいころの夢が機関士だったので、最高にうれしかったです。
(阜新のSLについてはこのサイトがありました→中国鉄道倶楽部 - 時刻表にない中国鉄道 http://railway.org.cn/seek/)

またまた余談ながら
現在の東北の鉄道ダイヤは大連を起点として組まれていて、大連発が下り(奇数番号)、大連方面行きが上り(偶数番号)になってるんですよ。
中国の他の地方では北京から見て「下り」と「上り」になっているのと異なっています。
それで大連から北京への列車は「下り」になってます。
まさか満鉄のなごりか(笑)

(北京=瀋陽、ハルビン間の長距離列車ではちゃんと北京発が「下り」の番号になってますけど)



http://honin.spaces.live.com/


#7427 
tomohiro 2007/02/09 09:33
懲りずに3人の博士とパルティア

ここに集うかたがたへ
最近は聖書に出てくる3人の博士は民間伝承のような物だと
考えております。
インドで生まれた仏教が中國や日本の土着信仰と
結びついたように
(井澤元彦流によると怨靈信仰の道具として)
キリスト教も土着信仰と結びついたのでしょう。
3人の博士伝承が生まれた背景には
当時パルティアが支配していたMESOPOTAMIAやペルシャでは
パフラヴィー語が支配的で、
楔形文字が廃れていたと聞きます。
ウィキペディアなどでは西暦75年頃の
天文学の資料だそうですが、
おそらく当時の楔形文字のポジションは
現在の日本における平安/鎌倉時代の文学や文献のような
立場で、それを読むことが出来る学者がいたという
事なのでしょうか。
そういう裏付けや事実が存在して3人の博士の伝説が
出来たのではと考えております。
神話や伝説には事実を寓話化して伝えることが多いですからね。





#7426 
巫俊(ふしゅん) 2007/02/09 04:21
さらに待て

考えてみると、上田氏が『東ユーラシアの生態環境史』なんて本を出した時点で、東ユーラシアの「史」と付いてるのだから、明清時代だけを重視する訳にはいかなくなるはずだ。
少なくとも読者の中にはそう思う人が多くなるはず。
つまりさっき私が書いたことはこの手の世界では自明のことだったのか!?...
ということは自分の個性を磨くことが何より大事ということでしょうか^^。
でもこれで自分の目標だけは決まったのかも。
どちらにせよ『日本書紀』も生態環境史で孤立と交流の海内に倭国があるということを考えると、歴史叙述が偏向した理由は一目瞭然ですよね。

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#7425 
巫俊(ふしゅん) 2007/02/09 04:05
ちと待て (上田信先生のこと)

この東ユーラシア史論は上田信先生の本の影響を受けること極めて大なのですが、『荘子』の逍遥遊篇とガガーリンを結びつけて「青い地球は大陸と海で出来ている」ことを説明しましたが、これは上田信先生もどこかで使った概念でしたっけ?
私の場合は夏殷時代とか『山海経』の世界観とかを上田信先生よりも重視することで差別化したいんですが。
できれば『荘子』も...

上田信氏の「合」「散」「離」「集」のユーラシア・ステージの四段階モデルでは、周が始まりになっているので新石器時代と夏殷時代が入っていないですし、元・明・清より以前を東アジア・ステージと矮小化して呼ぶことで明清時代を際立たせているので、この二点で修正を入れて立案したいなぁと思ってます。
産業経済的には明清時代が際立つのは間違いないんですが、文化人類学的な観点からすると無文字社会を参考にして組み上げる新石器時代は馬鹿にできないなと。
スキュタイと南島語族が中国の北辺と南辺に起源していると言う論考が今日では有力ですし、人の数と物資の量では明清時代に負けても、巫術が一瞬にして貝殻を財宝に替えてしまう謎の能力であるとか、大型船舶もユーラシア帝国も存在しないのに世界の隅々にまで進出した人類社会であるとか、地域という側面で語れることは明清時代とは尺度も価値観も違いますが、その「世界の大きさ」を見直せるならば見直してみたいと思っています。
つまり私は上田氏と違って人類史の最初から「東ユーラシア・ステージ」という土俵に登っているんだと考えたいんだと気付きました。

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#7424 
巫俊(ふしゅん) 2007/02/09 03:31
おっと

あれこれ推敲してる間に管理人さまが(^^;
そうでしたか、白文の方が読みやすかったという感想を聞けて安心しました。
私だけが異常かと思って(笑)
森氏の本は未読なので早急に図書館で借りてこようかと。
『日本書紀』の果てのない恣意を前にすると、何人も自身の恣意で対抗したくなるものなのでしょうか。
そこをぐっと我慢できる人には敬服します。

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#7423 
巫俊(ふしゅん) 2007/02/09 03:22
少年時代をボヤく (東ユーラシアの風土史)

>NFさん、孟きょうさん、そして諸氏へ
私が中国史を専攻するようになってしまったのは、少年のアイデンティティを形成するはずの中高生時代に日本書紀と皇国史観の印象が悪かったからだろうと思うこともあります。
それと同じくらい毛沢東と蒋介石の印象だって悪かったのですが、そこは中国は時代が進むほど悪い国になったんだと思えば解決可能だったのです...
そういえば小学生のときは漢字が嫌いで先生からも見放されてました。
どーして漢字嫌いの日本書紀嫌いの中国(明清も^^)嫌いの少年が十余年の歳月の後に今ここにいるのか分かりません(爆)

漢字が嫌いなのは小学二年の漢字テストで「雪」という漢字の正字(旧字体)を書いたところ、問答無用で×にされたという事件がすべての根源でした。
先生は裏切ったという猜疑心が芽生え、旧字体をひた隠しにして説明しようともしない先生の態度は国家の手先以外の何者でもありませんでした。
どうも私は漢字にしろ英語にしろ中国語にしろ、事物の根源を知らなければ理解しないという昆虫ファンにしてダーウィン的自然科学的系統樹少年だったらしく、確かに中国の歴史は時代が下がるほど悪くなるとか凄まじい偏見を培養した系統樹史観は気の毒なほどに明清時代のイメージが悪くなるという弊害もあった訳ですが、
その少年が東ユーラシアの人類史中で最高の時代と考えた夏殷時代から得たものは大きかったです。

何故ならば、夏殷時代は最高の時代で漢や唐や朝鮮、日本書紀の日本は評価の芳しくない時代だったのですから、まず最初に夏殷時代の知識が私の中に集中して蓄積されていきました。
そして「漢や唐や朝鮮、日本書紀の日本時代は評価されているし、巫俊さんのご意見はひどい妄想に満ちていますね。そんなの歴史家の態度では無いですよ」という誠実で批判精神に満ちたご意見を某人から頂くことができました。
そこで自分の妄想を貫けばトンデモ歴史ファンで人生を終えていたんでしょうが、幸いにして「夏殷時代と同等に評価すべき時代と地域が時代を経るにして成熟し増えていく東ユーラシアの人類史」というテーマが神の啓示の如く私の目の前に出てきたのです。

今では地域的範囲の狭い夏殷に変わって、東ユーラシアの新石器時代の集落群形成(注1)から文化人類学と神話的理念で脚色して弾き出される「ひとつの樹形の地域の歴史」が中国と韓国と日本、それだけでなく東ユーラシアの西蔵、雲南、泰、越南、広西壮族、、、同じく苦夷、女真、朝鮮、契丹、蒙古、、、を結びつける壮大な歴史が私の中で創出されるようになってきました。

   注1(漢文風に言えば百越とか群蛮という感じ)

ひとつの樹形の歴史というところが拘りで、それも新石器時代から地域の風土に適応した文化が育まれたのだと考えると、今度は近視眼的にはならないと思います。
遠史眼的になってるところを細部で修正していくことと、東ユーラシアの外部の人類史との遭遇・順化の歴史に対応していくことが肝心だと。
あと東ユーラシアなんてものが存在しているのか?という疑問ですが、さしたる地域の設定と区分も無く漫然と世界史を見ているよりはよっぽど有意義だと思うのです。

よく古代の日本が巫術的なのに古代中国の集権官僚国家は、、、、なんていう比較が出てきますが、それは新石器時代まで遡れば日本も中国も同じ巫術の時代ではないか、という答えが期待できます。
この東ユーラシアの風土と生態環境の地域史はひとつの世界を成しているとともに、山海経の如く常に風穴が外部世界との間に吹き抜けており、そこからかのモンゴル人は流沙の西に走り抜け、かのオーストロネシア人(インドネシア等の南島語族のこと。新石器時代の中国の華南に出自する世界第二の言語集団)は南海の先に到達し、或いはコーカソイドを含む匈奴は南進して中国(西晋)を征服し、印度人とムスリムと西欧人は中国に進出した。
このように考えるのです。

さてさて長くなってしまいましたが、つまるところ日本の古代の果てるところは東ユーラシアの風土にあると。
そうしてこうしないと、ちっとも日本国内からは海外のことが分からないと。
逆にNFさんの鍛えた日本史観が今度は東ユーラシアのタイトルを得て水を得た魚と化し、孟きょうさんの鍛えた遊牧民や海域民の歴史が東ユーラシアの歴史の中に組み込まれるのではないかと、我田引水をして締めくくりたいと思います(笑)
東ユーラシアは水を得た魚の集まり、『荘子』に出てくる積乱雲と化して北海の果てから南海の果てに飛翔する魚(注2)、地球は青かった、、、、

   注2(「魚昆(こん)」のこと。『荘子』逍遥遊篇第一)

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#7422 
徹夜城(「墨守」ならぬ「墨攻」なのか、と今ごろ気付いた東アジア史専攻のはずの管理人) 2007/02/09 01:42
東アジアな歴史映画を

 さて、予告どおり見てまいりました。映画「墨攻」。
 スタッフ・キャストをちゃんと再確認しましたところ、スタッフだけでも原作は日本、監督は香港、撮影監督は日本、音楽も日本、美術・衣装は中国、プロデューサーは日中韓香連合という、なんとも東アジア共同体(笑)な布陣でございました。
 キャストは主役の革離にアンディ=ラウ(劉徳華)、敵役の巷淹中にアン=ソンギ(安聖基)、梁王に王志文(「始皇帝暗殺」でロウ毒やってた人と気付いて、印象の違いにビックリ)、その子・梁適にチェ=シウォン(崔始元。全然知りませんでしたが韓国アイドルグループの一員で中国でえらく人気だとか)といった、中・韓混合のメインキャスト。うーむ、こうなると日本俳優が出なかったのが悔しいぞ。

 予想通りというか、韓国の名優アン=ソンギの「大物」ぶりは本作でも健在。中国ロケは「MUSA」で経験済みですが、やっぱり北京語は間に合わなかったと見え、全部吹き替えだそうです。撮影現場では「音が似た韓国語」で演技してたとかで、そう思ってみると逆に中国俳優さんたちがそれに合わせてちゃんと演技してるのが凄いと思えたりします。なお、同様のケースはむかし丹波哲郎・黒沢年男が香港映画「水滸伝」に出演した際にもあったそうです。

 原作はコミック版(久保田千太郎+森秀樹)のほうなんですが、僕は連載中のをちょっと読んだだけでして…映画を見終えてから原作コミックを書店で探して買いました。文庫版で全8巻のうち3巻までしかなく、とりあえずそれでいいやと読んでみたら、なんのことはない、原作の3巻までの部分の映画化なんですな。さらにコミックの原作となる酒見賢一の小説もそこまでの内容だったのを思いっきり引き伸ばしたんだそうで。
 しかしコミック版を読んでみると、映画版はそれを原作としつつさらに大幅に改造してるんですよね。やっぱ映画は女性キャラがいなきゃダメ、ということらしくヒロインが新規に作られてまして革離とラブストーリーっぽい絡みかたをしてます。それと庶民キャラがもっと泥臭く、したたかに、かつ悲惨に描かれています。構造が「七人の侍」っぽいので意識したかな?という感もありました。革離のキャラクターも演じる人が若いせいもあって、コミック版よりも理想と現実の狭間で苦悩する青年、という度合いが高い気がします。あと、原作以上にある意味で救いが無い話になってると言えなくも無いような…

 この革離が初登場する場面、誰もが「お前はジェダイの騎士か!」とツッコミをいれちゃうんじゃないかと(笑)。ワザとやってるとしか思えないほど似てるんです。まぁジェダイの騎士も東洋思想てんこもりですから、これは「先祖がえり」なのかもしれませんが。
 原作小説・コミックと同様に、映画も梁城をめぐる革離VS巷淹中の知略合戦という趣きになってますが、さすが映画、やたら派手です。原作を使ったり、全く新しく作ったりと作戦はいろいろでしたが、映画では「気球」による空襲&降下作戦が出てきてビックリ(笑)。無茶するなぁ、と思ってコミック版読んだらこっちでは凧&落下傘(?)による作戦になってました。…う〜む、絵で見る限り「気球」のほうが現実味があるような気も。

 大軍描写にCGも部分的に導入されてましたが、やはり今どき人海戦術のスペクタクルが撮れるのは中国なんだなぁ、という思いを新たにしました。製作がホントに進んでるんだろうな、と心配にもなっているジョン=ウー&チョウ=ユンファ&渡辺謙(?)の「赤壁の戦い」をこの調子で実現してほしいなぁ、とも。


>日本書紀
 岩波版で僕も途中まで読んだんですよ。国産みから神功あたりまで読んだかな。漢文に慣れている僕には、やっぱり妙な古文書き下しよりも白文のほうが読みやすかったです。
 森先生の「日本書紀の謎を解く」も以前読んだことがあります。非常に面白く読んだのは確かですが、書いた人物を特定するとこまでいって「謎は全て解けた!」と名探偵ばりに断言するのは学者にしては珍しい方だなぁ、なんて感想でした。確かに正統漢文ではない和製漢文部分に注目したのは卓見ではあります。
 ただ、すでに巫俊さんも指摘されてますが、「改竄された証拠を改竄された可能性のある資料から見つける」という、危ない綱渡りをされてるような…先日の番組にもそのケがかなりあったように思います。
 これで連想しちゃうのが「てこ歴」候補に以前からあがっている、さる魏志倭人伝解読本でありまして…「魏志倭人伝は歴史の真相を隠すべく改竄されている!」と言いつつ、「真相はそこに暗号で隠されている」として結局そこから読み解いちゃうんですよね。


>さて「てこ歴」になるかどうか。
 先日話題に出しました、三浦佑之著『金印偽造事件〜「漢委奴国王」のまぼろし』(幻冬社新書)を買ってきました。立ち読みだけではツッコミいれるのが大変そうなんで(笑)。
 まだ全体を読み通してはいないのですが、冒頭の「つかみ」からして無理がありませんでしょうか…「七百兆分の一」と小見出しをつけて江戸時代の農民・甚兵衛さんによる金印発見の逸話にケチをつけてるんですが…以下、引用(漢数字は算用数字に直しました)。

「…どれほどの偶然かといえば、現在の日本列島の陸地部分の表面積は約377900平方キロメートル、掘り出された金印の印面の面積は約5.382平方センチメートル。単位を揃えて単純な割り算をすると、その確率は702155332590115分の1、およそ700兆分の1の偶然ということになる。もちろん、太陽の光を反射してきらきら光っていたのを見つけたというのではなく、地面の下に埋まっていたというのを掘り出したのである。
 700兆分の1というのはただの割り算で、確率などとはいえないが、ほとんどありえない出来事だということは理解してもらえるだろう」

 この文章のどこがおかしいか、考えるのは中学生にはいい思考訓練かもしれません。
 もっともご本人もこの直後に「開発の途中に偶然宝物が見つかることは多い」といくつも例を挙げて、「これら現代における数々の事例と比較してみると(中略)志賀島の一隅で、古代中国の皇帝から下賜されたという金印が掘り出されたとしても、けっして不思議ではない」といきなり腰砕けになってしまいます(笑)。さっきの文から1ページも過ぎてないのに…
 最初からこの調子のようなので、期待しつつ(笑)これから電車の中でぽつぽつ読んでみます。


>和解成立。
 いきなりですが、六カ国協議のことではありません(笑)。
 都内で発生した暴力団抗争は、とりあえず上部組織の山口組と住吉会のあいだで「手打ち」が決まったそうで。昨日の段階では物別れと聞いていたので、都内にも行く身としては結構不安でございました。
 この抗争で気になる人が多かったのか、昨年5月に書いた山口組歴代組長の比叡山での法要ネタの「史点」のアクセスが急増しておりました(笑)。



#7421 
NF 2007/02/09 00:46
島国男のボヤキ

>孟きょう様、Q世代様、巫俊様
結局、古代のこの辺りは分からない事が多いですからねえ…。統一国家としての日本のルーツがこの辺りにあるから過大評価が出るのもやむを得ない訳ではありますが。他の地域と比較して「一般論的にここまでなら言えそうだ」という辺りで僕は留めるようにしてます。でないと(専門外だけに)大火傷しそうで。
朝鮮史についても、孟きょう様辺りのお話はいつも勉強になります。しかし、高句麗周辺の遊牧系との交流で精兵が育つ地域は、日本で性格の近いところを探すなら関東・東北になるわけか。つくづく、この国は島の中で自己完結する傾向があるな、と思わされます。かく言う僕も日本列島内で世界観が自己完結する傾向が強いなあ…。極東情勢全体が絡む時代をまとめてみると自分でも精彩を欠く文章になるのが分かりますもの(泣)。

ところで、悪戯半分で、歴史に名を残したニートなんて企画をやってたら同じ事を考えている2ちゃんねるスレッドがあって苦笑。そりゃそうだよな…。



#7420 
巫俊(ふしゅん) 2007/02/08 21:48
それで韓人ですが (鞍作臣は入鹿の異称)

私が考えますところ、古人大兄が貴人の中大兄を風刺することを憚(はばか)って「諸蕃(海外出身と称する人たち)の韓人が鞍作臣を殺した」と言ったんだと思いますが、
つまり貴人の中大兄に言及することを避けて格下の韓人が殺したと表現したんだと。
(注釈には「謂因韓政而誅.」と誤魔化したような(?)注釈がありますけど)

この皇極天皇の本紀が歴史を改竄・改変しているという可能性は高いとしても、本紀の中に堂々と「韓人が殺した」と書いてあるからには、それを根拠にしての中大兄韓人説はちょっと信じる訳にはいかないんじゃないでしょうか。
信用ならないはずの『日本書紀』の会話文から『日本書紀』の改竄を指摘するというのは、ちょっとパラドックス入ってます。
『日本書紀』が怪しいといってるのに『日本書紀』の一文だけに依拠しているという...

この中大兄は天皇の子ではなく韓人だったとするような『日本書紀』の大規模な改竄説に少しでも信憑性を与えるとすれば、『日本書紀』のほかの部分にも改竄の跡が確認できる場合ですね。
それも日本の正史編纂者の立場から見て、正史編集者が糊塗しきれなかった部分の確認でないと。

森氏の説は面白いですが、それだけの説といえばそれだけですし、海外人の日本征服説というよりは、内乱説らしいですから。
(森氏の本読んでないから知らないけど^^)
それとなく探していましたが、白村江の戦いの四年後の(称制)天智天皇の本紀の六年十一月の条には「筑紫都督府」という言葉が出てきます。
「筑紫都督府というのは唐が北九州を征服して属官を置いたんだ」と言っている人がいるみたいですね。↓
http://members.jcom.home.ne.jp/4313532601/page022.html

筑紫都督府という職名は唐風という主張も分かるのですが、都督という職名は南朝宋風という解釈ができないかという疑問がありますし、南朝宋風の筑紫都督府を中大兄が置いたという解釈は成立しないでしょうか。
この解釈を成立させないような論考が出てくると面白くなりそうですね。

http://uruseiyatsura.blog62.fc2.com/


#7419 
巫俊(ふしゅん) 2007/02/08 20:56
ちょっと調べたことをつらつらと

私は日本書紀の時代の歴史については素人同然なんですけど、漢文が好きなので最近は『日本書紀』にも手を出すようになってきました。
http://applepig.idv.tw/kuon/furu/text/syoki/syokitop.htm
ここは『日本書紀』を電子文献化したサイトで、日本書紀の本紀がネット上ですべて読めるんです。白文の漢文ですけど。

『日本書紀』の訳注なんかに手を出しますと、中国の史書を書き下すときは音読みするような言葉も和文調に訓読みされてることが多いんですよね。
http://www1.kcn.ne.jp/~uehiro08/contents/parts/27.htm
ここは大化の改新あたりの『日本書紀』の一部の文を和訳したサイトなんですけど、ここにあるように「韓人(からひと)、鞍作臣を殺しつ。吾(わ)が心(こころ)痛(いた)し」と和文調で読まれると苦手でして、

韓人鞍作臣を殺す。吾が心痛む。

と読んだ方がすっきりしますし、森博達氏が中国古典語としての『日本書紀』を論じていることの理解にもなるかな〜と思いました。
従来の和文調の読み方が廃れないのは理由があるんでしょうけど。

http://www004.upp.so-net.ne.jp/dassai1/shoki/kubunnronn/kubunnron03.htm
ここのサイトで森博達氏の『日本書紀』のα群とβ群の研究が載ってました。『日本書紀』には正調の中国古典語で書かれたα群と中国古典語を模しているが日本語の癖が文法に出ているβ群があるという件の話です。
ここによると皇極天皇の本紀はα群の中国古典語で書かれています。
TV番組では森氏は皇極天皇の本紀にも後人の加筆と思われる文章がニセ中国古典語で書かれていると言っていましたね。

http://uruseiyatsura.blog62.fc2.com/


#7418 
Q世代 2007/02/08 16:10


 >NF様、孟きょう様
 結局のところ大化の改新前後というのは未だ想像で語る部分が多すぎるんでしょうね。
 私は昔から「このころはだいたい蘇我氏の専制時代で、蘇我氏は“俗世の王”と呼んでもいい地位にあったんじゃないか」と想像していたんですが、「NHKスペシャル」で紹介された発掘結果を見ると、それほど間違ってはいなかったのではないかと。
 で、クーデターの原因は百済に未練を持つ勢力と、列島に根を下ろして生きる決意をした勢力の対立であったろうと思うのです。当然“俗世の王”はリアリズム第一でしょうから後者です。一方、中大兄皇子の側はやけに百済に未練を持っているなぁと。
 なんてことを考えてゆき、さらに想像が過ぎると「そもそも中大兄はホントに王子なのか?」とか、入鹿暗殺を目撃した古人大兄はどうして「韓人が入鹿を殺した」なんて口走っちゃったの?とか、どうしてあんなに長い間即位しなかったの?とか疑問がわいてきて、あげくの果てに「中大兄って渡来人じゃねえの」なんて彼方の方まで行っちゃうんで控えようとは思うんですが(笑)。

 ただ、天智の称政は金春秋のエピソードがモデルになってる可能性もありますね。



#7417 
孟きょう 2007/02/08 11:43



 >NF様
 日本列島内の勢力関係、地理条件もありますし、東アジアの各エリアの時代の位相のずれもありますから確かにそうなんですよね。ただまあ私もその史実での時代の斉明朝や天智朝に怨みがあるわけでは無くてですね、この時代を表現、説明する従来の国内の媒体、テレビ番組、活字等のメディアが学者等を含めて、あまりに誇大に景気がよすぎて能天気な表現を近代の日本と強引にイメージを結びつけ、高揚感に浸っている感に違和感と疑問を感じていたしだいなんですよ。(これとセットで聖徳太子も虚像を取り混ぜてナショナリズムの高揚に現在にいたるも尚、大の大人達が利用、信仰していたりもするので)

 中大兄皇子が参加したクーデターも、「藤原氏の開国神話」としてなら、それなりの意味はあると思うんですが今までの誇大な宣伝を鑑みると、どうしても当時の日本列島の立場、中国王朝の制度、技術を大量に受け入れて長い年月を経てバージョンアップ、マイナーチェンジされていく日本の朝廷の正確な段階測定、東アジア情勢へのまなざしが「大化の改新、クーデター騒ぎ、中大兄皇子のアイドル的人気」の高揚感によって自己完結というか、かき消されてしまっていると思うんですよ。漫画、映像の媒体でも、中国式王朝の雰囲気、制度、称号や唐服やムードが、導入されるずっと前の、ありえないほど古い時代から自明の理として日本に登場したりする?シーンが多々ありましたし(昔の漫画とかだと、油断すると大王や厩戸皇子や中大兄皇子が唐服を着て「大陸の文化を導入して国造りじゃー」みたいなシーンがざらにありましたから)。後は豪族の寄せ集めにすぎない軍(豪族の寄せ集めの軍でも孫呉政権みたいに滅茶苦茶強い時がありますので攻撃力はそれほど問題無いとして)を某新聞では興奮しながら「朝廷の中央軍、天皇の軍、まさに国、日本の軍なのだ!」みたいな描写をしていたりしますので。  ですからつまり私としては「近代における国の面体もある事はわかるけど、これでは海外の法制度、軍事制度、王朝制度、漢字、技術、そして今や日本文化に溶け込んだ唐服の導入の感動が全然伝わってこないではないか〜(泣)」と言いたいのですよ。あとは中大兄皇子と金春秋を比較するのは無理があるとは思いますが、「高句麗に向かって捕らわれの身となり」「倭国に挨拶に来訪し」「唐をみずから視察して導入を決意」「優秀な軍人と共に百済を自ら討罰」した正に北東アジアを駈けずり回った金春秋の行動力、パワーを見ると、「こりゃヤバイわ(汗)」というか、二人が人生の中で得る事の出来た物の違いにスケールの差ができてしまうのも仕方が無いかな、と思うんですよね・・(どちらがいいってことでも無いんですけど) 
  
 長文、失礼致しました。



#7416 
孟きょう 2007/02/07 23:40
ペー様と高句麗の精騎

 
 >巫俊様
 そうなんですよね、ぺヨンジュン氏が歴史ものに出るそうで・・確か他にも泉蓋ソブンを描いた作品も出るとかでないとか・・(敵役として李世民も韓国人俳優が演じるらしいのですが、とにかくカッコ良く描いてくれよ〜「哀願」)
 朝鮮半島の歴史については、これはもう、好きな人、嫌いな人、普通な人と様々だとは思うのですが、中国大陸の華北と同じように朝鮮半島北部、及び鴨緑江ライン、マンジュリア東部は昔より精強な軍人を輩出しておりまして。様々な人種が錯綜する中、力強い軍団、私兵、精強な騎兵の発祥地になっており、歴代朝鮮史の動乱期でも、安定した王朝期でも虎の子の騎兵軍団、半島内最強の軍事力の出身地となる凍てつく大地、武の地だったわけで、巫俊様が紹介して下さいました広開土王や、ウッチ文徳、泉蓋ソブン、李成桂などキラ星の如き将軍が出てきているわけなんですよね。
 それで前述した半島北部、鴨緑江、マンジュリアの3つのエリアはそのまま高句麗のテリトリーにあてはまるもんでして、そこにはもの凄くあいまいな世界が広がっておりまして。こんなものだから近代以降の領土主張の際に「高句麗」という勢力は語るに非常に厄介な存在となったんですよね。この地から勃興したツングース系の勢力が2千年以上華北と朝鮮半島に多大な影響を与え続けたため、もはや近代国家の領土概念などを使った単純な断定などできない歴史がこのエリアに成立してしまってるんですよね〜。韓国も、北朝鮮を巻き込んだ色々な感情、政策、思惑があるんでしょうけど。この地をめぐっては高麗末、明初に遼東及びマンジュリア、鉄嶺の地をめぐった深刻な領土対立が起きておりまして。モンゴルが草原の地で滅びる寸前だっつーのに悲憤慷慨した高麗の王朝は精鋭の李成桂軍を出動、これを明軍の主力にぶつけ殲滅せしめんという作戦をたてまして、あにはからんや李成桂によるクーデターを引き起こしてしまい朝鮮王朝成立の基礎がつくられる、しかも李成桂はこのあいまいな高句麗エリア出身の女真人という事態を引き起こしております。
 高句麗も魅力的なんですけど、大モンゴルの以後3年以内の滅亡、明軍による遼東の基地化、高麗から李朝への交代と、この地は歴史上大きな大転換期の舞台になっているんですねえ・・



#7415 
巫俊(ふしゅん) 2007/02/07 04:04
映画じゃなくて

ドラマでした(^^;



#7414 
巫俊(ふしゅん) 2007/02/07 02:31
そういえば

南アフリカは漢文で「南裴洲」と書くとか、
裴姓の有名人と言えば裴松之と裴世清と裴容浚が三大有名人ですよねとか、
裴容浚が主人公を演じる製作中の韓国映画「太王四神記」が中国国内で公開禁止処分になってしまったとか色々ネタあります。

裴容浚とは言わずとしれた東方君子の国のペ・ヨンジュンのことですが、
檀君の生まれ変わりであると演出される高句麗広開土王にキャスティングされたということで、
広開土王で韓国版の「キングアーサー」を演出するつもりの民族主義者の監督をむかえて、来年は大波乱の予感です。
ヌルハチも信仰した長白山(白頭山)を韓国領土と言ってはばからない韓国人選手の吉林での行動など、韓国の歴史も来るところまで来てしまったと思うところです。

韓国人としての箕子の再評価とか、韓国の漢籍文化の再興とか、本気で考えてる韓国人も少しくらいいるのではないかと思いますが。

http://uruseiyatsura.blog62.fc2.com/


#7413 
巫俊(ふしゅん) 2007/02/07 02:00
楼船が量産された暁には倭国などあっという間に叩いてみせるわ

そういえば、youtubeで「ドズル」で検索すると、韓国のアニメにも友情出演なさったドズル閣下や赤い彗星、金髪さんの姿を拝むことができますね〜。
周知のことかもしれませんが他に「3Dガンダム」などもお薦め。

正直言って120mの楼船となると、その名の通りビグザムに等しいので(笑)
「そのとき歴史が動いた」のトンデモ振りには楽しませていただいているのですが、
しかしこのちょっと手口がアルアルに似てない?というような番組が今週も罪のない歴史ファンを洗脳してるところを見ると、捨て置けないような気もします・・・
一応は春秋時代の後期から外洋航行の歴史が確認される中国の船舶史なので、海の中国史は好きでも船舶事情には疎い巫俊には分かりかねることなのですが^^

それに対比しても先週のふしぎ発見の墨攻特集は悪くない出来でした。
世界遺産の平遥城は正史において呂布の領地だった平陶県(へいようけん)でもあります。



#7412 
小覇王 2007/02/07 01:53
再び訂正

メリカ→アメリカ
  です。恥ずかしい・・・



#7411 
小覇王 2007/02/07 01:52
訂正

私服→私腹
 の間違いでした。



#7410 
小覇王 2007/02/07 01:45
会津対長州、いまだ戦さ中?

 ベネズエラのチャベス大統領に『授権法』ですか。共産党の機関紙『赤旗』内で異様に持ち上げていたのが気になったのですが。とにかく反米という一点で好意を持っているようですね。今後どうなるか分からないんで現時点であまり褒めすぎるのはどうかと思いますね。僕は、かなりの確立で独裁者化して私服を肥やし始めると思うのですが。
 アメリカの次期大統領ですがどうやら次は民主党が獲るのは当然、という形になっているようですね。その辺のアメリカ人の政治におけるバランス感覚は尊敬に値すると思います。なんだかんだいっても結局自民党が政権に居座り続ける日本よりはマシでしょうね。たとえ失敗したってかまわないから、一回民主党にやらせてみりゃいいのに。それでだめならまた次の選挙で落とせばいいだけなのに・・・
 話がそれました。メリカはだから、民主党の誰が候補になるか、というのが問題になっているみたいですね。ヒラリーさんか、黒人候補か(この人の名を失念してしまいました)。どちらが大統領になるにしても初めてのことなんですが。いっそのこと仲良く大統領候補と副大統領候補になれば人類史に残る快挙です。まあ、この15年ほどパパブッシュ→夫クリントン→Wブッシュと続いてきたのでここでヒラリーさんが大統領になってしまうとブッシュ家とクリントン家で大統領の座を占領してしまうことになるので(ブッシュ家にはまだ、ジェブが控えている)黒人さんにがんばって欲しいと思います。昔「サタデー・ナイト・ライブ」でコメディアンのクリス・ロックが「黒人はマイノリティだから大統領になれないのは仕方が無い。でもなんで副大統領候補にならないんだ。決まってる。黒人が副大統領になったら大統領が暗殺されちまうからだ。オレはやるよ。例え死刑になっても黒人を大統領にした男として歴史に名を残せるなら!」というネタをやってましたが。

 諸事情により、テレビはほとんど見れない状況が続いているので歴史ものの番組やドラマがほとんど見れませんでした。白虎隊は前半だけ。NHKの大化の改新やふしぎ発見の墨家の回も見れません。残念。白虎隊に関しては会津出身なのでいろいろといいたいことはありますが(といってもここ十数年行ってないな)、今でも萩市と会津若松市は仲が悪い、というのは本当です。とはいっても若い人は本気で長州人が嫌いとかではなく、そのほうがネタとして町のウリになるからだと思います。萩市からは定期的に和解と姉妹都市提携の話が来るのですが会津のほうがそれを断っているということが続いています。何しろ市長選では「萩市と和解しない」というのが公約で掲げられるくらいですから。とはいえ、先述した通り、本気で嫌ってる人はそう多くないと思います。個人的にもこの二つの市の関係はずっとこのままで行くのがいいんじゃないかとも思いますし。こういう形の関係があってもいいでしょ。
 ちなみになぜ長州ばかりで薩摩のことは言わないんだ、というとこれが、

@ 西南戦争で実質的に会津対薩摩戦をやっておりこれに勝利しているから敵は獲った。

A いや、長州は最初から敵だったが薩摩は最初味方であとから裏切ったから余計に憎い

 という二つの説があります。うーむ。いづれにしても本気で山口県人に冷たいということはないと思うので皆さんぜひ、一度会津へお越しくださいね。特にさざえ堂は必見です。



#7409 
NF 2007/02/07 00:16
ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲ…

徹夜城様、御忙しい中ありがとうございます、お疲れ様です。
「アドルフに告ぐ」に関しては徹夜城様が全て仰ったようなのでおきますが、「ヒトラーを扱った」「戦時中日本を舞台に傑作」といえば、もう一人水木しげる氏の名が連想されます。彼の場合、手塚氏と違ってフィクションを交えた娯楽作品というより事実に忠実な記録という性格が強いようですが。「総員玉砕せよ!」は有名ですが「劇画 ヒットラー」もヒトラーを悪の権化でも怪物でもなく飽くまで一人の人間として描いた傑作だと思います。

>孟きょう様、Q世代様
今テレビがない環境で暮らしてるので番組について何も言えないのが辛いのですが…。大化の改新が効率の悪い代物だったのは仕方ないかと。日本は当時、集権的な古代帝国を構築しようとしていた段階だった訳ですが、社会的成熟度が不十分であり有力豪族の力が未だに強くて不徹底で妥協的なものにならざるを得なかったのではないかと創造されるわけで。オリエントや中国が同様な段階の時にはアッシリア・ペルシア、秦漢の動乱があったのに対して日本の場合は宮廷内でゴタゴタしてるだけ(最後に壬申の乱はありましたが)。有力者達を抑えきれず改革が妥協的なものであった証左だと思います。そんな状況で統一歩調をとり統制された軍を編成して対外政策をしろというのが無理な話で…。中大兄らの個人的資質より社会的状況がそれを許さなかったんじゃないかな、と思っています。対外的に遅れをとり後手後手に回ったのは国内事情からやむを得ないのではないかと。ま、古代史には余り強くないのでかなり妄想が入っています、読み流してください。

>あがたし様
はじめまして。「なんておさま」をお祭りする儀式が公開されるようになった訳ですか…。これも時代の流れですかね。

>若水様
お久しぶりです。お役に立てたようで、幸いです。



#7408 
若水 2007/02/06 23:39
史点更新ありがとうございます

ベネズエラで「授権法」ですか・・・、
遠くをみればヒットラー、近くを見ればフジモリさん、といったところでしょうか?
富の一方的な偏在を改めるには劇薬ではあるものの効果的なんですかね。
問題は軟着陸できるのかな。


>>あがたし さん

おお、これは素晴らしい。
いや、私も参加したかったな、朝拝式。
どうやら今年は雪も無かったようで、無理してでも行けばよかった。

>> NF さん
どうもお礼が大変遅くなりまして。
そうか、婦女子からきてたのね。


http://zyakusui.web.infoseek.co.jp/index.html


#7407 
孟きょう 2007/02/06 21:59



 >徹夜城様
 「NHKスペシャル」なかなかCGが印象的でしたね。唐の楼船再現CGが異様に力がはいりすぎて、まるでフォートレス状態でしたが(笑)。気になる点といたしましては、三階立ての高楼は、まあいいとして、投石器といいましょうかマンジャニークといいましょうか、敵船を沈めるハンマー類といい、やや元、明代でないと難しいんじゃないかと思われるものが搭載されているシーンでして・・ホントかな?(本当だったら凄いですけどね)。あとは楼船の巨大さですね。まるで明代の鄭和の宝船のイメージを彷彿とさせるような・・史実の鄭和船でさえ、有名なイメージのより二分の1以下のスケールじゃないかと思われているのにデカすぎる・・。イメージ的には元末に朱元ショウの宿敵、陳友諒が決戦兵器として量産した超大型船がありますが、それが唐の国力ピークの頃でも果たしてつくれたのか・・。福建内部の河川沿いの街、潮州とかに鄭和船は巨大すぎたので河川でさかのぼる事はできなかったんじゃないかという指摘があるんですよ(泣)  そうなると水深が浅い箇所もあり、時間により干上がる箇所もあったらしい河の白村江、及び熊津付近に巨大船はさかのぼる事はできたのか?という疑問がありまして。隋の楊広が作らせた楼船の正確な資料があれば時代が近い事もあり、より研究も進むんですけどね〜。いずれにせよ、ロマンを掻き立てられるテーマですよね。
 そうなんですよ。各国共同制作にこれほど適して、東アジア史上これほど無視する事のできない、時代の大きな転換期の舞台設定もないと思うんですよ。新羅の女王をイ・ヨンエにやらせるとか、後は朝鮮半島出身で高仙之に負けずとも劣らない出世頭の名将、黒歯常之を出すとか。



#7406 
Q世代 2007/02/06 19:48
天皇家の周り

 NHKスペシャル、私も見ました。
 番組の論調では、蘇我氏が板葺宮を外敵から守っているように語られていましたけど、あの絵面を見た私の最初の感想は「天皇家取り囲まれてるじゃん」だったわけで(笑)。豊富な武器を蓄えた巨大勢力が周囲を固めているってことは、身動きが取れないってことですから。なるほどやるとしたらだまし討ちのクーデターしかないわけだ、と、そういう方に話が行かなかったのでビックリしたくらいでして。
 東アジアの動きと絡めて語るのはダイナミックでいいんですけど、あれは何より天皇家と蘇我氏以外の勢力とが連絡を取りづらくするためのやり方だったのでは、と思うんですね。血縁関係を見ても、皇極以前の天皇家というのはまあ蘇我氏の天皇家だったわけですが、その関係が揺らいできている時期の甘樫丘の造営ですからなおさら。

 とまあそのような妄想をした上で、蘇我氏がそうまでして囲い込んでおきたかった天皇家の価値ってなんだったんだろう?なんてことも考えちゃうわけですが。



#7405 
徹夜城(受験シーズンまっさかりで少々反応が遅い管理人) 2007/02/06 17:59
レス溜め込みすぎ(^^;)

 やはり「史点」を更新したりするとアクセスも書き込みもドッと増えますなぁ…

>galleryさん
 どうもどうも、各方面でお世話になっております(^^)。直接歴史関係ではないですが、トンデモ関係のつながりもこのサイトのひとつの特徴でありますから、ぜひリンク先にと(笑)。まぁ「バカ漫画」のところも「漫画史」の一側面だと思うのですよ。
 「てこ歴」も再開の意図はもちろんあるんですけどね〜あれはエネルギーをかなり消耗します(汗)。いま、必ずしもトンデモとかお笑いじゃないんだけど、かな〜り古い本で取り上げてみようかなという気がするものを入手して読んでいたりはします。


>NFさん
 再開「史点」へのさっそくの御反応、ありがとうございます。
 「五・一五」前夜という例えはところどころで目にしますね…怖いことですが思い当たるフシは確かにあったりします。それとNFさんもお書きですが、ウヨ書き込みが多いと言われた某巨大掲示板が最近何やら「左傾化」してきた?との観測もあったりして。


>tomohiroさん
 「東方三博士」はウィキペディアでちょこちょこっと調べてみたんですが、どうも占星術師のたぐいであったというのが正確みたいですね。しかも三人だとはどこにも書いてないようで、イエスに三つの贈り物をしたことからいつの間にか三人いたことになって、それぞれ名前もついちゃったということのようです。「三博士」ではなく「三人の王」とされる場合もあって、湾岸戦争時のイラクを舞台にした戦争アクション映画「スリー・キングス」の元ネタになったりしています(なお、この映画自体は湾岸戦争のアメリカの「正義」に疑問符をぶつけた、なかなかの社会派秀作です)。
 この「博士」はパルティア方面から来た事になるわけですが、福音書により登場しない(羊飼いたちが来たってのがありますね)ので、そもそも事実なのか怪しいです。


>十一郎さん
 民主党の鳩山系とか小沢さんにくっついてきた自由党系なんかは自民党内でも右派に分類できる人たちでしたからねぇ。それでいて旧社会党左派までいるんですから、ワケがわかりません(笑)。もっとも自民党にしても極端に意見の違う人が一緒にいるんですが、こちらは政権をとってるからケンカしないだけですね。
 共産党といえば党員の陸前高田市長が当選して機関紙一面で大騒ぎ(笑)。これ、世にも珍しい「自共連立」政権でありまして、要は「反小沢」で結びついた経緯が。細川政権や新進党在りし日もそうでしたが、共通の敵を持ったとき自・共って意外と話が合ったりするんですな。
 ドラマ「白虎隊」の現代青年を絡めた脚色ですが、以前内舘牧子さんがエッセイで、「ひめゆりの塔」の前で修学旅行の高校生たちが説明も聞かずに騒ぎまくっている光景に激しく憤っていたのを読んでおりまして、その思いもぶつけたかな、と思いました。ただあのラストはちと安直に過ぎるのではないかなぁ。


>モーグリさん
 モーグリさんのお書きになった「アドルフに告ぐ」についての批判はウィキペディアの同作品の項目でもほぼ同じことがチラッとではありますが触れられています。とくにイスラエルの人たちからすれば不愉快には思うかもしれません。
 ですが、僕はこの作品は最後のパレスチナのあの展開があるからこそ「名作」なのだととらえています。物語がパレスチナ問題で終わるのは構想上必然だったと言えるでしょう。本来この作品の最大のテーマは「民族・国家を根拠に唱えられる“正義”への懐疑」だと思うからです。ユダヤ人問題やヒトラーはそのテーマを語るための要素の一つであり、「誰が悪いか」とか「同罪」といったことを「裁く」ようなことはこの作品はしていないはずです。
 そりゃホロコーストとパレスチナ問題は「同じ」ではないでしょう。しかしナチスに迫害されたユダヤ人が「正義」をふりかざして今度は迫害側にまわったという事実は動かせませんし、また作品の中ではそれに対するパレスチナ・ゲリラ側の「正義」に対しても疑問はぶつけられていたと思います。ほんらい人間はみないい人のはずなのに、国家やら民族やら宗教やらといった「正義」により平気で大虐殺をする悪魔にもなりうる、という怖さを描くことが全編を貫くテーマだと思ってます。それだけにユダヤ人迫害を描いたのちに物語はパレスチナへ行かざるを得なかった。
 ただ、この構想は手塚治虫自身の体調もあって大幅にはしょる結果になってるのは残念な点です。とくにカウフマンに対置されるカミルが、結局はカウフマンと同じ道のりをたどる過程がまるっきり描かれていないのは不満点。これが終盤の「割り切れなさ」につながってる点は認めます。
 テーマ性ばかりで語るのもナンなので付け加えますと、「アドルフに告ぐ」を名作たらしめているのはやはり娯楽作品としてのストーリーテリングの巧みさでしょう。まず第一にスパイもの(そもそも企画時点でフォーサイスがモデルだった)として抜群に面白い。「ヒトラーはユダヤ人」という怪しすぎるアイテム(笑)を駆使するあたりも実に漫画的ですし(これについては白土三平「カムイ伝」の影響を指摘する意見もあります)、戦中派の作者として、戦時中の日本を舞台にあれだけの物語を展開して見せた手腕はやはり賞賛したいところ(日本を舞台、って点では名作はあまりないんですよ)。早すぎる死であったとはいえ、これが最晩年の作品であったというのは、作家にしても画家にしてもなかなか無いことで、やはり手塚の「天才」を証明する結果になってると思います。
 と、褒め上げた上でケチをつけますと(笑)、カミル一家が「エホバ」と神の名を連発すること(十戒に背きます)、やはりアドルフ=カミルが「イエス・キリスト」と口にすること(もちろんユダヤ教徒はイエスを救世主とは認めません)など、細かい点で間違いがあります。日本部分についてはそう問題はないかもしれませんが、ドイツ部分の描写では向こうの人が読むとどうなのかな?という不安もあります。だいぶ前にドイツ人が読んで感動し翻訳したいと言ってる、って記事を読んだことはありますが…


>孟きょうさん
 大化の改新の番組、昨日になってようやく見ました。う〜ん、こちらは事前知識があるせいかそれほど「ビックリ」の内容でもなかったような。「通説がくつがえされます!」ってのは歴史番組の常套文句ですし(笑)。あそこまでではないですけど、NHKドラマ「大化改新」だって入鹿と皇極天皇の協力関係を描いてましたし。
 それにしても唐の楼船の再現CGに異様に力が入ってたなぁ(笑)。「白村江の戦い」もいずれ歴史ドラマで見てみたい素材の一つです。7世紀後半の東アジアドラマを各国共同で作ったりするとすっごく面白いんですけどねぇ。
 東アジア共同といえば、映画「墨攻」とタイアップした「世界ふしぎ発見!」も録画を今日になって見ました。これも原作は日本、製作は香港、俳優は香港・中国・韓国連合という体制なんですよね。近日中に鑑賞します。
 恥ずかしながら「墨守」の由来が墨子にあったとはこの番組で初めて知りました(^^;)


>あのさん
 書き込むからには名前(HN)をはっきりさせるようにしましょう。それと言葉遣いは丁寧にしないと相手にされません。感情的に書き飛ばしちゃだめですよ。


>あがたしさん
 情報どうもです。後南朝をしのぶこの行事は本では読んだことがありましたが、こうして報道で見るのは初めてでした。
 そういや先日の大化の改新番組では蘇我入鹿を神として祭る神社とその氏子たちが出てきてました…これもムチャクチャ古い話で。



#7404 
あがたし 2007/02/06 12:30
後南朝からの歴史的行事,一般公開

新聞記事:
http://mytown.asahi.com/nara/news.php?k_id=30000000701250002

知人が行ってきました:
http://blog.goo.ne.jp/2005morikoro/e/21bcdaba1ec14b6f0f4c2f115368aece

南北朝ファンの方にはたまらないですね.


http://www.meisui.org/


#7403 
あの 2007/02/06 11:56


名作かどうかは、おのおのの判断でしょう
あなたが駄作だと思うのは自由ですが
おれは駄作だと思うのに、あんたが名作だというのは
間違っていると詰め寄ってくるのは良い面の皮



#7402 
孟きょう 2007/02/05 20:37



 >NHKスペシャル
 そうですね、久しぶりにおもしろい内容ですし、番組の切り口も従来より少し変わっていましたね。ただ指摘されたように、この手の番組、どうしても「近代のためにする理論」を織り込んでしまうもので、そこが引っかかるというか、興ざめしてしまうんですよね。「1つの国に対してのみの外交」とか、もろに来てますからねえ・・近いうちにある「遣明使節」放送でも、国際問題学者やらもってきて強引なコメントとかしないだろうかハラハラもんですよ(川勝氏とかゲストとかだと泣くぞ〜)、面白さぶち壊しものですもの(壇上氏出してほしいな〜、無理か)。

 番組内では、森氏が著本の内容どうりの事を述べてましたけど、他に大きな特徴としては従来「聖徳太子」と並ぶセットで大人から子供まで高揚感で異常なほどの過大評価を受けてきた大化の改新と斉明王朝にたいするネガティブな評価ですね。私も昔から大化の改新及び斉明女王、王朝、中大兄皇子にはずっと醒めた目で見てきたので、番組がそれをやったのには驚きました。「蘇我氏を滅ぼし、斉明女王は精力的に土木工事、建造物を建てたので、さぞかし素晴らしい国づくり、有効な政策、改革の連続、優秀な君主だったのでしょう」から「んなわけなくて、建造物はたしかに建てたけど、大陸の実情に真に有効な政策、建造、改革は行わず、効率の悪い、自己満足も内在している政策であった」という変化ですが、私もそんな気がするんですよね。金春秋率いる新羅にはかなり遅れをとっていたわけですから。英雄崇拝というわけじゃないんですけど、金春秋や劉仁軌など、当時の超一流の人材達がほとんど歴史番組に出ないのも一連の大化の改新番組ものにおける「大陸事情への真摯な関心の欠如、無関心」につながってるんじゃないかと私は思うわけで・・



#7401 
モーグリ 2007/02/05 20:06
ひさしぶりです

ひさしぶりです。

史点でナチやホロコーストの記事を読みました。それを読んでいて以前から気になっていた
事を思い出したんですが、手塚治虫の「アドルフに告ぐ」という作品は本当に名作
なのでしょうか?
徹夜城さんは以前「アドルフに告ぐ」を名作だとして誉めていました。「史点」でもそう書いて
ありますし掲示板でも徹夜城さんのそのような記述を見た記憶があります。これに関しては
他の人もそう思うらしく「アドルフに告ぐ」は発表当時から名作だと評価されてきました。

私は、数年前に初めて「アドルフに告ぐ」を読んだ時なんとも言えない気持ち悪さと当惑を
隠しきれませんでした。そして今この文章を書いていて同じ当惑を感じます。ちなみに私は
大学時代授業でホロコーストについての授業を受講して勉強しています。

私が当惑したのは物語の後半で手塚治虫がナチスのホロコーストとイスラエルのパレスチナ問題
を引き合いに出してドイツ側、ユダヤ側双方とも同罪だと批判する部分です。これは
あまりにも杜撰で酷すぎる論理ではないでしょうか?ホロコーストはドイツ側が一方的に
悪ですがパレスチナ問題はイスラエル側が一方的悪いようなそんな単純な話ではありません。
#そのことを友人に話したところ「イスラエルは悪、それが定説」と言われてしまったもので。

パレスチナ問題が重要な問題なのは私も理解しています。誤解の無いように言っておきますが、
私はイスラエルの政策に全面的に賛同する気はありません。イスラエルの態度や行動にも
問題点はあります。
だからといって、安易にナチスの行為とイスラエルの行為を同一視したり、ホロコーストと
パレスチナ問題を短絡的に結びつけるのはイスラエルに住むユダヤ人を非常に傷つける
行為だと思います。



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