☆歴史のトップページに戻る
<<<過去ログ7900〜8000
過去ログ7701〜7800>>>

#7900 
問題児 2007/11/29 07:51
武芸能者といえば

先天的に、ではなく、後天的に平民階級からランクアップできる武芸階級といえば
相撲力士がそうなんじゃなかったでしょうか、帯刀もできたとか聞いていますが
芹沢鴨が力士を斬って新撰組と相撲部屋との間でバトルロイヤルになったのは有名ですね
今では歌舞伎の最高血統の中村一族、もとは、出雲の阿国からの家系だというのを
ちらっと聞いたのですが



#7899 
小覇王(病み上がり) 2007/11/29 00:30
私も百姓の子孫です。

 インフルエンザかどうかは分かりませんがここしばらくノドをやられて書き込む気力が失せておりました。
 どこの国も大多数は農民、というのはまあ、普通なのでどうしてもそれ以外の別の身分がその国のイメージになってしまうのでしょうね。アメリカのカウボーイとか、メキシコのマスクマンとか。
 サッカーが代理戦争、というのは概ね賛成です。彼らをサムライと称してもいいでしょう。でもだからこそきちんと成績を残さないとね。
 ところでよく農業を「自然と共に生きる」とか言いますが農業こそ自然と闘う職業だと思うのですがどうでしょう。品種改良を繰り返したり、山を切り崩したり科学の最先端を行く行為だと思うのですが(だからこそ人間にしか出来ず尊敬に値するしょくぎょうだとおもうのです)。



#7898 
NF 2007/11/28 23:09
ところで

一揆と聞いて真っ先に連想したのがこれ。
http://uso8oo.com/wara/wara12.html

「カムイ伝」辺りをまず連想できない辺りが僕の限界なんだろうなあ(溜息)…。



#7897 
NF 2007/11/28 23:04
そういえば「農村マン」なる超人がいたような

…「キン肉マンU世」での話ですが。しかし、第一次産業が今のような状況では農村に日本を代表させるのは無理がある気もします。あと、農耕文明圏では人口の大部分が農民なのは普通だからキャラクター付けとしては弱いのが難点なような。皆様が既に指摘されていますけど、国のイメージを背負ってるのは特権階級が多いようですね、確かに。まあ、サッカー選手の皆さんもある意味で国を背負った「特権階級」なのだしW杯などは「代理戦争」とか言われるくらいだしあながち間違ってはいない気はしますよ。
>徹夜城様
「やまとだましい」は、王朝時代には中国渡来の学問的な知恵に対し、我が国での実生活に基づいた実際的な知恵、といった意味合いがあったそうです。一般の意味とずいぶん違うようですね。しかし、弱肉強食の中で国民を奮い立たせる必要性からとはいえ、日本人=武士道というのが日本人自身に自己認識を誤らせたという気は僕もしますね。あえて特権階級に日本人のイメージを求めるならお公卿さんのほうが近いかもしれない、なんて思うのは飽食時代に生きてるからかもしれませんが。でもまあ、日本人の本性は勇敢で雄雄しいというより寧ろ女々しくて繊細なのだ、そしてだからこそ文化面で成果を残してきたのだ、とか思ってるわけですが。これは本居宣長辺りにかぶれすぎかもしれない(汗)。
>景虎様
能楽(猿楽・田楽)や連歌、茶の湯辺りは富裕な庶民や新興豪族から支配階級に入り込んで上流文化化した一例と言えなくもないかもです。まあ、新興豪族自体が支配階級といわれるとそうなんですが、俗な娯楽文化だったのが将軍家や朝廷に入り込んで代表的な教養になったと強弁できなくもないかも。



#7896 
徹夜城(「尊氏小説」の読み比べなんてやってる管理人) 2007/11/28 21:36
サムライニッポン?

 海外における日本のイメージで「サムライ」が広く浸透してるのは確かなようでヨソサマから「日本=サムライ」みたいに言われるのはある意味仕方の無いところもあるかと。確かに人数的には圧倒的に少ない人たちなのですが、中世〜近世の支配階級にして文化の代表的担い手であったことは事実ですから。ただ日本人の側が自分達を全員「サムライ」と自称しだすと「それはどうだい?」と思うわけです。サッカー日本代表ぐらいの人たちになると「サムライ」と呼んで上げるぐらいはいいと思いますけど。
 近代以降だと「サムライ」というか「武士道」を日本人全般の道徳意識のように日本人自らが錯覚していったところもあるんじゃないかなぁと。じゃあ「武士道って何?」ってことになるとこれがまた江戸時代以降の特殊な産物という面もありますからコトは単純ではありません。
 これと並んでスポーツ界で良く使う言葉で定義がハッキリしないものに「ヤマトダマシイ」がありますね。


>mozawaさん
「後醍醐天皇が流刑となった島を地図中から探して記号で答えよ」って問題、どっかの県立入試問題で出ていたことがあったかと。僕もこの問題を見たときは「えらいマニアックなことを聞くなぁ」と驚いたモンです(笑)。そういう問題が過去に出たからこそそのプリントでも取り上げているんだと思いますよ。



#7895 
問題児 2007/11/28 20:29
安全な一揆はありません

えぇ、一揆は百姓が専科ではないのは知っています
江戸以前の馬借一揆や山城一揆は農民いがいの商人も武士もいましたし
有名な毛利元就は、もともと安芸の国人一揆の触れ頭だそうですね。
しかし、治安が悪かろうが良かろうが一揆は体制に対する反抗に変わりはないから
命を賭けねばならないのに変わりはないのではないですか




#7894 
巫俊(ふしゅん) 2007/11/28 18:00
一揆

それは「一揆」を抑えることが(何とか)できていた江戸時代だからこそ、首をはねられる覚悟云々という価値観が出てくるんじゃないでしょうか。
「一揆」の歴史は長いです。
「一揆」は支配側の法秩序に対するオリジナルの盟約という意味でしょうから、現代の「一揆」とは市民の「集会の自由」など諸権利の古語であると思ってもいいのでは?
という訳で、生命を危険にさらさない「一揆」もアリでないかと思うのですが、この辺は危険じゃない=真似事、遊び事に過ぎないじゃん、と評価が低くなるのでしょうか。

>景虎さん
『新猿楽記』という平安時代の職能民を描写した史料に、武芸の民も市井の民衆の一種類として出てくるそうです。



#7893 
問題児 2007/11/28 17:39
一揆といえば

一揆という言葉で思い出したのですが他の時代はどうか知りませんが
江戸時代では一揆を起こした者は例外をのぞき
(つまり一揆で訴えた事がお上に通った場合いがいで)
通常は処刑されるという話を聞きました
わたしの住む地方では江戸時代に何件か一揆がありましたが
全件の関係者、全員、死罪はりつけ となっていました。
つまり一揆とは死ぬことを前提に何かを訴える
自分の命がなくなるのを覚悟の上で何かヤラかすということだそうです。
現在においてスポーツで競技中に選手の命がなくなる危険は稀なので
スポーツの日本代表に「一揆」の言葉を使うのはいかがなものでしょうか



#7892 
景虎 2007/11/28 05:12
サムライ文化

>パパゲーノ川崎さん
>人口比率から言うと圧倒的に農民が多かった
そうですねえ、確かに農民が多かったんですよね。
ただ、農民が多かったのにサムライとか言われるのは、こういう文化的な問題は、人口比率はあまり関係ないという事なんでしょうね。

他国の場合もそうですが、実際の血のつながりよりも、文化を継承しているかどうかで、自称、他称が決まる場合が多いような気がします。

基本的に、社会が発達すると、上流階級の文化がその他の階級に浸透して行きますから、その逆はあまりないでしょう。
或いは、上流階級に対する憧れもありそうですね。
何らかの政治的意図によって、中下流階級を高く評価する場合もあるでしょうが、憧れの対象には、なりにくいと思われます。
そうなってくると、中下流文化は残りにくいし、残ったとしても、スポーツチームの代名詞には成り難いですね。

>巫俊(ふしゅん)さん
>芸能民(職能民)
武士も本来は、武芸を専門とする芸能民とも考えられますね。



#7891 
巫俊(ふしゅん) 2007/11/27 23:31
芸能民日本!

江戸時代の多数は農民、とおっしゃられますと、
網野史観を出してきて芸能民(職能民)日本!と言いたくなりますな(笑)
竹細工師や木地師など、漁民から狩猟の民まで、農業に従事しているといっても稲作、畑作の農業専業ではなく、集落周辺の山野の材料を拾って雑多な細工をして暮らす民を忘れることはできますまい。とか何とか。

スポーツ選手って芸能民ですよね?(笑)
人類の文化として、生活のあり方として芸能民という存在。つまり人類社会を支える技巧の価値ですか。
農民の生業もふくめて。

私論になりますが、私の子どものころはJリーグブームでして、スポーツの出来る器用な子ばかりが小学校男子社会の中で支配者、サル山のボスを自認していることが、非力で競争力のない私には「怨恨」でありました。
サムライジャパン、支配者階級たるサッカー少年、平等な社会なんてありました?



#7890 
問題児 2007/11/27 18:11
サムライ

むかし、アランドロンが殺し屋の役のサムライというタイトルの映画を見たことがあります、日本人にとってサムライという言葉は、だいぶん前から死語になっていますが
海外では死語になってなくて、意味も一人歩きしていて、階級的な意味合いよりも
むしろ「戦闘」「武道」の中でサムライという言葉が死んでいないのではないかと
思います。
英語の辞書にはサムライに該当する言葉は確認できませんが
warriorという言葉が和訳で「武人」となっていてコレが英語圏ではサムライに
こじつけられるのでしょうか
むろんスポーツは戦闘、殺し合いではなくルールという寸止めがある
競技ですが戦闘的なほどの闘志が必要になってくる競技、国を代表するという高揚な
環境がある場合はサムライを持ち出すのもあながち不適切ではない気はします。




#7889 
パパゲーノ川崎 2007/11/27 13:01
農民ニッポン!

いきなりですが、なんで日本代表のスポーツチームは
”サムライニッポン”というのでしょう?

 侍が活躍していたころの日本では、人口比率から言うと
圧倒的に農民が多かったはずです。
となると、私たちの遺伝子には農民の血(知?)のほうが
圧倒的に多く含まれているのではないでしょうか?
武士といってもその多くは下級武士であり、
侍文化を余裕で謳歌できたのはほんの一握りの特権階級なので
あります。

 ということで、頑張れ”農民ニッポン”
”農民魂を見せてやれ!”
クライマックスは”一揆に片を付けろ!”でどうでしょう?





#7888 
ぬえ 2007/11/26 22:03
南北朝本と言えば

小学館から日本通史が出ますよね。
最新の通史では南北朝・室町時代史がどう扱われているのかも気になるところです。



#7887 
mozawa 2007/11/26 17:49
新興武士でいいんですね。

管理人様 ご教示ありがとうございます。

後醍醐帝の隠岐配流、教科書ではやらないのですか?私が教えたプリントだと、「後醍醐天皇が流された隠岐の位置を丸付けしなさい」なんて問題もあるのですが。



#7886 
徹夜城(最近「南北朝本」を収集して収拾がつかない管理人) 2007/11/26 13:11
中学教科書の南北朝なんてアッサリだもん

>mozawaさん
 僕も毎年のように中学生に南北朝時代史を教えているわけですが、教科書の記述じたいがホントにアッサリですからねぇ。まぁ戦前のようにこの部分がやたらクドイのもどうかと思いますけど、クドくて善悪がはっきりしてるだけに「面白かった」部分はあったかもしれません。
 現在の中学歴史教科書ですと、

・後醍醐天皇が倒幕を計画、足利・楠木・新田らが呼応して成功
・建武の新政が行われるが天皇・公家中心であったために武士が不満をもち失敗
・武士たちの不満を糾合した足利尊氏が建武政権を打倒、幕府樹立
・後醍醐天皇、吉野に南朝を樹立、足利氏がたてた北朝と対立する南北朝時代となる
 と、この4点おさえるだけですからね。

 倒幕の過程では楠木正成や新田義貞については言及することすら珍しい、後醍醐天皇が一度は失敗して隠岐に流刑となり脱出までするというドラマチックな展開も触れられることはまずありません。建武政権だって「公家中心」という単純なものではなく「天皇独裁制」とみなすのが正しい(重用された武士もいるし公家保守層からは批判が多かった)。
 また足利尊氏が建武政権に反旗をひるがえす過程もかなり簡略化されています。中先代の乱もなく、尊氏が一度は京都を占領するが敗北して九州まで逃げて大逆転して戻ってくるとか、劇的な展開はまず教えませんからね。まぁいちいちやってたらキリがなくページ数&時間配分の都合もあるとは思うし、複雑になるだけで厄介なのは分かります。またこうした劇的な展開はわずかに5〜6年の間に起こっていることも簡略化の一因ではあるでしょうね。
 まぁ僕はその中でなんとかやりくりしてこの辺をしゃべっちゃってるわけですが。

 なお、楠木正成が「新興武士」と表現されるのはとくに問題はないと思います。「悪党」といったって定義は専門家の間でもかなり難題とされていて、単に権力側あるいは報告者から見て秩序を乱すものとされるのを「悪党」と呼んでいるだけとも思えるわけです。正成の戦術が確かに「悪党」的なのは事実ですが、実は北条得宗の被官だったという可能性も早くから指摘されており、実態はまだまだ不明です。だから「新興武士」あたりにしておくしかない、ということもいえるんですね。同様のことは名和長年・赤松円心らにも言えることです。

 ところで最近思い立つことがあって「南北朝本」の収集なんてのをやっております。まぁ戦国なんかに比べると明らかに少ない業界ですが、探せばあるもんだと思っているところで…やはり大河ドラマをやった1991年前後に圧倒的に集中してるんですけどね。「歴史読本」「歴史と旅」「歴史群像」のたぐいでもその時期ぐらいしか特集をやっておらず、「南北朝はカネにならない」ということをよ〜く実感します。逆にやはろNHK大河の存在は大きいなぁ、とも思うわけですが。

 そんな中で、あの「後醍醐天皇・竹内文書」に続く「南北朝トンデモ本」を入手いたしました。

 深見東州「経営と未来予知―楠木正成の経営術」(たちばな出版、平成13)

 ええ、もうワクワクしながら読んでます(笑)。そのうち「てこ歴」でやりますから。
 しかしまぁ、ビジネス・経営本というのは半分ぐらいオカルト本なんじゃないかと以前から思っていましたが、この本もそのほんの一例といえるようです。著者は経営コンサルタントでありまして、あの船井幸雄氏ともお知り合いらしく…僕も身近に経営者で宗教にハマっていく人を見たことがあるので、経営者って「何にでもすがりたくなる」ものなのかなぁ、と思うところです。
 探してみると大河ドラマで南北朝をやったこの時期、無理矢理「南北朝にビジネスのヒントを見る」本がいくつか出版されたようです。しかし戦国ものですら無理があるのに、著者も良く知らないドロドロの南北朝でそれをやるのはかなり無理があったようで…


>尾鳩さん
 私信ですが、このところお招きにお応えできず、スイマセン(^^;)。



#7885 
mozawa 2007/11/26 08:12
太平記の時代を教えました。

 塾講のパート、期末試験対策で社会も教えることになりました。中1の範囲は鎌倉末期から戦国初期。
 中学の歴史って、本当に表面をさらうだけなんですね。「鎌倉幕府を倒した新興勢力の武士と有力御家人は?」答えは「楠木正成と尊氏」。楠木は悪党でしょ・・・・と心の中で突っ込みながら教えています。
 問題文を読むと浮かぶのは真田、武田、片岡など俳優諸氏の顔。建武の新政が失敗した理由を書け、という問いには、土地を貰えなかったギバちゃんの顔が浮かんだりします。
 ドラマで歴史を覚える、ということに決して賛成しないのですが、教科書上の文字だけでなく、イメージとして捉えられる、という点ではやはり助かります。



#7884 
尾鳩 2007/11/24 02:22
10周年ですか

ほう、10周年・・・いやあ、感慨深いなあ。歴史を共有している部分も多いですからね(笑。久々に暖簾をくぐったので、一言でもと思いまして。

>少なくとも最近の社会全体が右傾化していることは、左翼政党の衰退から見ても明らかだと思いますし、これは70年代や80年代には見られなかった現象だと思います。

そうなんですかね。別に議論をふっかけるつもりはないんですが、社会って単純に右傾化しているんですか、本当に。私はむしろ意味も無く左にぶれていたのが、振り子を元に戻しているという印象を受けなくもないんですがね^^;。

日本人が国家や個人をグローバルな視点で語る、これは単純に今まで無かったことなのかと。外国人と会える接点が増える分、いろんな人達の現実的な視点で世界を語る機会が増えた、その分、客観的に世界を眺められる機会が増えた反面、コンプレックスと優越感の入り混じった感情が見え隠れする、時には右にぶれてみえたり、左にぶれてみえたり・・・それだけにすぎない気もしますね。

日本人が自身の誇りを語りだした・・・右の露出と見る場合もあると思いますが、多くは普通に国際社会の中での日本の役割と位置づけを語りだしたに過ぎないとみるのが妥当かなと気がします。中には、日本原理主義はいますけど・・・それが時折強いのが日本の難点。バランスのいい国際主義者、愛国主義者というのは、なかなか表れにくいのかねぇ、この国は・・・。

右や左やと言っている時期はとっくに過ぎているだけでなく、世界史的にも意味は無いんですがねぇ。



#7883 
徹夜城(いまごろ「猿の惑星」を初見した管理人) 2007/11/18 23:10
劇画・私本太平記第2巻は来月発売

 いきなり宣伝のようなタイトルですが(笑)。昨日ひさびさに「コミック乱TWIN」を買いましたら、告知が出ておりました。
 ここ3号ばかり買い忘れているうちに(コンビニ・キオスク中心で書店にあまり置いてないので…)元弘の乱に突入しておりました。楠木正成初登場場面をうっかり見逃してしまい、とっくに笠置落城したあとで、今月号で後醍醐隠岐配流決定です。とにかくスピーディーですな、この連載は。まぁ月刊連載で太平記ワールドをまともにやってると何年かかるかわからんのでこれはこれでいいかとも思うのですが。
 今月号のハイライトは佐々木道誉が後醍醐と初顔合わせするシーンですね。原作小説・大河ドラマ同様に道誉は幽閉された後醍醐への接近を図り、何かと親切にして対面を実現するわけです。原作ではここで道誉は後醍醐の魅力(牽引力と表現される)にひきこまれそうになる、という描写があるんですが、岡村劇画版はこれをふまえつつより劇的に演出しています。道誉、はっきり言ってビビってます(笑)。岡村さんの描く後醍醐ってすっごく怖いんだもん(笑)。
 
 しかし結果的に南北朝動乱を巻き起こす張本人となってしまい、建武新政の失敗もあってあまり高評価はされなくなった後醍醐天皇でありますが、やはり強烈なカリスマの会った人であろうことは間違いないんですね。会った人が「これは凄い」とひきつけるようなものは確かにあったんだろうと。尊氏もそれに魅入られたところがあったフシもありますし、道誉だって何か感じるところがあったんじゃないかと。
 小説・ドラマでも描かれていることですが、後醍醐を隠岐まで護送した責任者の一人が佐々木道誉だったというのは史実なんですよね。古典「太平記」は護送行列に道誉の名前を書いているだけでエピソードは何もないんですが、あの時代を代表する強烈な個性二人が長旅を共にしていたというのは想像するだけでゾクゾクするものがあります。
 ああ、後醍醐とはいわないから誰か道誉主役で大河ドラマやってくれないかなぁ。裏切りと権謀術数の限りを尽くしつつあえてナンバー2に甘んじた男、みたいなポジションでやればウケる気もするんですが。

 そうそう、南北朝といえば森茂暁さんの「皇子たちの南北朝」が文庫化されてたので買って電車内で読んでます。父親が強烈すぎたばかりに苦難を強いられた皇子たちの運命には泣けてくるものがありますなぁ。


>+αさん
 お久しぶりです!
 いやぁ、「戦史研究所」からのリンクでこちらに来る方も少なくなかったんで、僕も時々チェックしていたんですが、更新がまるっきりなく、どうしたかな〜とは思っていたんですよ。久々に書き込みを拝見して嬉しいです。

 「大空のサムライ」の件、情報ありがとうございました。やはり実話でしたか。映画中でもその「これより自爆」の無線を打つシーンがあったはずです。
 ところでこの映画ではこのエピソード、まず最初に彼らが護衛機もないまま事実上「特攻」の出撃を強制され、これを見かねた坂井三郎らが独断(?)で護衛に出撃、一度は無事に帰ってくるんです。ところが坂井たちの隙をついて(!)再度の出撃命令が出てしまい、今度こそ「自爆」に至るという展開になってるんです。実話のほうはそんなにややこしい展開だったんでしょうか?
 ともあれ、この「自爆」シーン、川北紘一のラジコン飛行機を駆使した特撮により、空高く舞い上がった飛行機が一瞬の沈黙ののち爆発するという印象の強いシーンになっております。あとこの映画では特撮側が撮ったシーンが本編と齟齬を生じてしまい、本編側のストーリーが変更を余儀なくされるというトラブルもあったそうです。



#7882 
+α 2007/11/18 14:29
送ればながら、10周年おめでとうございます

 徹夜城様、大変ご無沙汰をしておりました、+αです。遅ればせながら、10周年おめでとうございます。
 その他の皆様には始めまして、色々とあってもう5年も更新の滞っている戦史研究所(http://homepage1.nifty.com/SENSHI/)の管理者をしております+αと申します。
 最後にこちらの掲示板に書き込みましたのが、イラク戦争の直前でしたので、軽く4年以上経っている計算になります。
 最近久しぶりに、こちらのサイトをのぞかせていただきましたところ、戦史の話で、ちょこっと気になる話が出ていましたので、錆付いた頭と腕を使って書き込ませていただきます。

 問題児様
>空挺の精鋭部隊を編成して日本軍は太平洋のアメリカのB29の発進基地を2箇所、降下急襲してB29を全機破壊し隊は全員戦死しました
 サイパン島のB29攻撃を目指した剣作戦のことを仰っているのだと思いますが、剣作戦は実施されておりません。三沢基地に集結した輸送機(陸攻)が、7月14日に米艦載機の空襲を受けて損害を受けため、計画が延期になり、再度攻撃を実施する前に終戦となってしまいました。恐らく、問題児さんは、フィリッピン戦の高千穂空挺隊や沖縄戦の義烈空挺隊と混同されているのだと思います。
 ちなみに、剣作戦の海軍部隊の指揮官、園田直大尉は戦後、外務大臣となっております。
  
 徹夜城様
>史実なのかどうかは確認してないのですが、先日見た映画「大空のサムライ」(撃墜王・坂井三郎の自伝が原作)のなかで、一度敵軍の捕虜になった兵士達が事実上の「特攻」を強いられて悲惨な死を遂げるくだりがありました。
 実話です、開戦直後、フィリッピンにおいて、海軍の陸上攻撃機が撃墜され、搭乗員はアメリカ軍の捕虜になってしまいました。しかし、まもなくフィリピンは占領され、捕虜となった搭乗員も解放されました。
 ここで問題になったのが、この捕虜となった搭乗員の処遇です。海軍は命令はしませんでしたが、実質的に彼らに自決を強制しました。(このへん沖縄戦の自決命令の話とも被りますが、これが日本の組織の体質なのでしょう。)最後は、単機で、敵地偵察に出され、偵察終了後「天候良好、敵影なし、我これより自爆す」という旨の電文を打った後、未帰還となりました。
 これと対照的に、連合艦隊参謀長であった福留繁中将が捕虜になった場合は、作戦計画書から暗号書といった機密書類一切を奪われるという大失態を犯したにも拘らず、一切を不問に付し、第2航空艦隊長官に栄転させています。
 こういう事例を見ると、日本軍というのは結局のところ、組織として腐っていたというしかないと思います。負けたのも無理ないことでしょう。

>うーん、「若者の右傾化」って言い方も何十年も前から言われてる言葉のような気もするんですよ。
 ミリタリーマニアの個人的な感想としては、比較的最近、91年の湾岸戦争以降の現象で、ソ連の崩壊でそれに拍車がかかったと思います。それ以前は、あまりいなかったと思います。以前、同じミリタリーマニアの知り合いが、彼ら新右翼を指して「君たちはいつの間に我々の右に移動したんだい」と言っておりましたが、私も同様の印象を持っています。
 少なくとも最近の社会全体が右傾化していることは、左翼政党の衰退から見ても明らかだと思いますし、これは70年代や80年代には見られなかった現象だと思います。

http://homepage1.nifty.com/SENSHI/


#7881 
徹夜城(多忙のせいかここ数日頭痛が痛い管理人) 2007/11/14 23:31
偽使倭人伝

 放送からしばし経ってしまいましたが、先日NHK教育のETV特集で放送された「朝鮮通信使の真実」を見ました。通信使開始400周年記念、と言われて気づく始末でしたが、番組自体は非常に面白く見ました。好きなんですよね、外交交渉史って。
 実のところ自分でもこの方面は調べたことがあったし、対馬にも足を運んだことがありますので、目新しい話はないんです。でも映像で語られると面白さはやはり倍増。ところどころ再現ドラマ仕立てであるところも歴史映像マニアとしても嬉しいところでした。
 僕のようにすでに知ってる人間ならともかく、この件を詳しく知らない人にとってはかなり衝撃的な内容だったかと思われます。番組自体初心者向けにそういう「驚きの面白さ」を強調するつくりになっていたことも評価できます。

 秀吉による朝鮮侵攻戦争が秀吉の死によって終わってのち、わずか半年で対馬宗氏から講和の使者が来ます。もともと対馬は朝鮮との交易で食っていくしかない土地でしたから、さっさと国交回復しなきゃいけなかったわけです。しかしこれは朝鮮側の拒絶を受けます。
 その後関ヶ原の戦いで徳川家康が天下をとると、日本・朝鮮双方で国交回復交渉が非公式に始まるわけですが、朝鮮側はメンツにかけて日本から先に国書を出すこと、戦争時に歴代国王の墓をあばいた犯人を引き渡すことなどを要求。これに江戸幕府がすんなり応じるはずがない情勢だったのですが、どういうわけかこれらの要求をあっさり飲み低姿勢な内容の家康からの国書が届き、墓暴きの犯人2人も朝鮮に送られてきます。しかしその国書を読んだ国王は「言葉遣いが日本風ではなく、中国の年号を使っている」ことから対馬による偽造と見抜きます。しかしあえて分かった上で家康に返事をするという形で第一号の「通信使」(朝鮮側は「回答使」)を送ることになるわけです。

 そうなると国書偽造を行った対馬としては話のツジツマが合わなくなると困るので、今度は朝鮮側の国書の偽造を行います(笑)。これが第三回まで続いていたんだから凄い。番組では対馬における国書偽造の技術を再現、これが対馬が中世以来「伝統芸」としてみがきあげてきた技術であったことを紹介していて面白かったです。室町期の対馬をからめた日朝交渉がこれまた面白い話の連発なのですよ。番組に出ていた研究者の方も通信使の歴史は室町期から考えなくてはいけないと言ってましたが、ホントにその通りだと思います。
 で、家光の時に国書偽装がバレちゃう。しかも最近流行りの「内部告発」で(笑)。これを告発者の名をとって「柳川事件」というのですが、藩主と家臣が家光の前で直接対決というなかなかドラマティックな展開になります。幕府が出した裁定は藩主宗氏の主張を受け入れて柳川を流罪にするというものでしたが、朝鮮外交が対馬藩なしには不可能であったため実態を知りつつも微罪で済ましてしまった形です。他の藩だったらおとりつぶしものでしょう。
 この事件のあと、幕府は事件の経緯を朝鮮朝廷に報告してますが、朝鮮側もうすうす分かっていたことですから、偽装問題は不問に付します。そしてその後の通信使はちゃんと本物の国書を持ってくることになるわけです。

 番組ではそのあとの通信使については有名な雨森芳州をとりあげてましたが、他にもいろいろと面白い「衝突」があるんですよね。国書の一字一句をめぐって新井白石がやりあったこともありましたし…そういえば大河ドラマ「八大将軍吉宗」でも通信使とのトラブルが軽く描かれていた記憶があります。
 吉宗といえば朝鮮の薬学に凝っちゃって、対馬藩に命じて標本を集めさせたなんてこともあったような。

 とまぁ、なかなか面白く見ていたのですが、BGMになぜか「ロード・オブ・ザ・リング」が多用されていたのが耳障りで(笑)。冒頭で秀吉の朝鮮戦争のTVドラマ映像が使われてましたが、どうやら昔の「壬辰倭乱」ではなく最近韓国で作ったドラマ「李舜臣」の映像を使ったようです。日本の武士の鎧が格段に正確になってましたから(笑い)。

 韓国のドラマと言えば、とまた連想ですが、「海神」をチビチビ見てます。舞台の半分ぐらいが唐になってしまうため、中国語のセリフも頻発。するとそこにハングルの字幕がつき、それを避けるように日本語の字幕がつくという、実に東アジアなドラマになってしまいます。
 未確認ですが、確か主人公の張保皐は日本の大宰府あたりに来たことがあったはず。とすると日本が舞台になる部分もあるのかな?



#7880 
問題児 2007/11/13 22:03
インテリというより

多くの時代劇で明智光秀が秀才肌の文人的な武将を描いていてそういう印象が定着してしまってる感じがありますが、実像は、そうでもないような気がします。
秀吉のように農民出身の成り上がりものというほどではないにしても
(木下藤吉郎も厳密にいうと素に農民出身とはいいがたいという意見も)
明智十兵衛光秀は、さほど身分の高くないところからのしあがってきた野武士の徒では
ないかと思います。彼の はっきりしない素性のうちで織田に仕える前の諸国流浪の頃
彼は朝倉に仕官しましたが、朝倉は彼を鉄砲隊の将として取り立てていました。
いくらもと美濃の斉藤の家臣だったとはいえヨソモノをここまで朝倉が引き上げて使ったのは彼に鉄砲術の心得があり将としての才を見たからで。

光秀と秀吉は織田では共に新参者で成り上がっていきました、どちらも甲乙つけがたい
将だったと思いますが、いづれが総合で優劣かは歴史の結果が示していますが
それでも、たまたま、秀吉が毛利攻めを先に命じられ光秀が信長の膝元の部署だった
ので光秀が謀反しましたが、気まぐれな信長が、もしも光秀に先に毛利攻めを命じ
秀吉が京都詰めだったら秀吉が謀反を起こしたかもしれません。
自分が最初に毛利攻めを命じられるよう工作した秀吉が、やはり、光秀より一枚上手
だったととらえればそれまでですが、二人は似た者通し優劣の差がそんなになかった
将ではなかったかと思います。



#7879 
徹夜城(最近土日がやたら忙しい管理人) 2007/11/10 22:25
同一人物説

 まぁさすがに僕は現実味を感じませんね、天海=光秀説には。だいたい光秀を生かしておく理由が家康にないでしょ(当人も殺されかかったわけですから)。当時光秀と天海の両方をよく知ってる人も少なくなかったのに当時そういう噂すらないですし。天海にしても謎の多い人物なのは確かですが、宗教界の大物ってわりとそういうものですから。そういえば内田康夫氏が最近天海を主人公に歴史小説書いてましたね。
 それにしてもこの説、根強いものがあるようですが、いつごろ発生したモンなんでしょうか。そのきっかけのほうが自称歴史研究者としては気になります。義経=成吉思汗説(これも21世紀の最近でも「新作」が出てます)は原因もきっかけもだいたい見当がつくんですが。
 なお、いしいひさいち氏の漫画では村山政権当時、しばしば「雲隠れ」を起こした小沢一郎氏(当時は新進党の幹事長だったか党首だったか…)が、当時ほとんど公の場に姿を見せない(今もあまり見せないけど)謎の存在だった北の将軍様と同一人物だった!!というネタがありました。小沢さんにメガネをかけてモジャモジャのカツラをつけると…(笑)。

 その小沢さんですが、二夜にして辞任撤回になったもんで、週刊誌泣かせの展開でした(笑)。
 週刊誌だけでなく、参院選後の情勢を見て政権奪取の可能性をみたか小沢一郎絶賛本(絶賛とまではいかないかもしれないけど)がいくつか10月中に出てました。うち一つは森田実さんの本で、今度の事態に激怒した森田さんは「辞任が当然」と吼えておりましたっけ(笑)。
 もう一冊は過去に出ていたものの文庫版なのですが元側近の平野貞夫さんが書いたもの。いろいろと面白いので今回の「史点」ネタ用に読んでます。これも発酵直後に大連立&辞任騒ぎが起こったので出版元としては一週間ヒヤヒヤもんだったでしょうね。
 それはそれとして、政界にいた人間の目からの小沢一郎、その父、そして「オヤジ」である田中角栄の逸話の数々がいろいろと面白いのは確か。ただ小沢一郎の「改革」遺伝子とやらのルーツを縄文人だとか荒吐神信仰だとか平将門だとかを持ってくるところにどうもトンデモ系の匂いもしちゃうんですけどね(汗)。
 平野さんによると日本の政治は古代より弥生人(大陸系)・帰化系によって官僚層が構成されているとかで、その話を現代まで持ってきて、過去に後藤田さんを「帰化系」などとする変なメモを書いちゃって怒られたこともあるようです。



#7878 
問題児 2007/11/10 21:49
似たもの同士?

天海がもしも明智十兵衛光秀だったとして、そうなら家康はそうとしって起用したのだとして、家康も、何回も、途中で死亡→替え玉を立てた説が多い人物だから
光秀と似た者どうしだなって気はしますね。
家康の死亡影武者が代役説として知っているのは
織田の人質強奪のドサクサで殺害説と三河一向一揆で戦死説と
三方ヶ原戦死説、本能寺で暗殺説と大阪夏の陣で戦死説




#7877 
tomohiro 2007/11/10 18:09
済みません。

済みません。
下のカキコは小生です。



#7876 
2007/11/10 16:36
軍師向きの男

実を言うと明智光秀は死なないで天海僧正に成ったと
考えている人間である。
まぁ。其れはよしとして、私は光秀と言うことは
天下を取れる人だったかと思っているのだ。
私は否だ。
しかし、捨てる神あれば拾う神ありという言葉があるように、
彼に向いたPostがある。やはり軍師のような立場である。
もし、天海が光秀だとしたら、凄い働きではないか。
おそらくは光秀=天海だとしたら大阪城の弱いところを
徹底的に研究しただろうし、徳川のために根回しも
しただろう。光秀という男はやはり、軍師的な立場で
立ち回るべき男だと考えている。
信長を討ったとき自分は天下は取れないこともどこかで考えていたかも
しれない。




#7875 
巫俊(ふしゅん) 2007/11/05 05:50
パワーウェイトレシオは

力の重量比のことなので誤例かもしれません...
パワーバランスの方がいいのでしょうか。



#7874 
巫俊(ふしゅん) 2007/11/05 03:05
民主党に期待すること 

私は戦略的な観点から民主党に投票することで、自民党の一元的な政策支配の脱却に一番の期待を持っていました。
ここのBBSって歴史を語るところだから、私は皆さんの政治信条がどんなものかよく知らないです。
ですが、ここのBBSの皆さんなら議会制民主主義の「投票によって国家の政策を転換させることができる」ことの面白さが分かってるんじゃないかと思いますので、民主党の政治的な位置について語ってみようと思います。

ところで私、パワーウェイトレシオって言葉が好きなんです。
力と力の勢力均衡とかいう意味です。
ガンダムでいえば、オデッサ作戦の回で出てくる「ミリタリーバランス」という言葉の持つ意味を感じとって凄く興奮した小学生でしたから。
勢力均衡を崩すのには凄い価値がある、それは政治的な価値だけでなく、文化的価値ままで変えてしまうので。
例えば、80年代の地球連邦軍はMS文化を「連邦文化」の象徴にさえしているのですが、それは70年代までの連邦軍では考えられなかったことです。
オデッサ作戦は連邦軍の反攻であっただけでなく、ガンダム=連邦軍という一体化された文化複合さえ引き起こしたのです。

さて、私たち日本国民にとって、歴史の流れを自らの手で覆す瞬間、それは総選挙に他ならないはずです。
国家秩序の理念としてはそうであるはずで、日本国民が自らの「覆す手」に実感が分からないとすればそれは現実の社会に問題があるんだと思います。
しかし小沢代表の戦略的な政策意図(2007版)は「歴史の流れを覆す」という点では不明瞭でした。給油反対までは良かったのですがISAF参加は反戦派の立場からすれば逆コースですし、民主党の参院選までのマニフェストは自民党の政策から大幅に脱却することを打ち出していたはずです。

民主党の政策が本当に自民党よりも優れているのか、脱却できているのか、そうしたことを懐疑させるのが民・自連立です。
融和を軸にした民・自連立が成立するということは、急進的な民主党の脱却案に修正が施されるということです。
そもそも民主党という組織が怪しい、、、とかそういうことは幾らでもいえるんですが、私は民主党を愛すべきか議論しているのではなく、民主党を使って国民の手で「政治を覆す」ことを議論しているので、民主党の中に自民癒着分子がいることも承知の上です。


かつての郵政選挙の際のように、郵政民営化にあまり賛成していない議員も賛成せざるをえなくする、こうした「勢い」的手法は弊害もあったのですが、しかし「勢い」によって勢力均衡を破壊するのは政治の本質であると思います。
ここら辺はポピュリズムに似ているのですが、負の価値観であるポピュリズムを正の価値観で漢訳すると「市民主義」という言葉に豹変するんですよね。
君子豹変す、とは君子が邪人になることではなく、邪人の心を持った者さえ君子になることです。
民主党に期待するとすれば、「君子豹変するか?」という点。

ここで逆コースの融和的な連立が計られた場合、民主党の支持層は分裂するはずです。
それこそ自民党が付け入る隙。
ここで民主党は攻勢に入るべきなんですが、金銭的に腐敗しているのは民主党も同じなので「腐敗」を攻勢の材料にすると民主党も傷口を広げることになる訳です。


私としては民主党に「肉を斬らせて骨を断つ」政策を取るように国民の手で訴え、自民党の骨も民主党の肉も斬ってしまえば、多くの国民にとっての利益を代表した議員が当選していくと思います。
逆に、国民にとって不利益な逆コースとしては自民も民主も旧体質を温存して互いに馴れ合い、そして政治不信が一層増幅していくことですね。



#7873 
徹夜城(次回の史点ネタに早くも迷う管理人) 2007/11/05 00:24
小沢伝説にまた1ページ

 日も変わりましたが…仕事先で知ったんですが、小沢さん、辞意表明。「またやっちゃったか、この人」という感想ですねぇ。以前「史点」でこの人が民主党代表になったときだったと思うんですが、プロフィールをざっとまとめてみて、どんどん仲間を減らす政党クラッシャーとか評したことがあります。まぁあの年にもなると人間の体質なんて変わらんもんなんでしょうけど、それにしてもデジャブ感がありますぎます。
 このところどうも「らしくない」ことをしてるなぁ…と思っていたら、「ああ、やっちゃった」って感じで(笑)。この人は裏工作は得意らしいけど表に出て何かやると見事にコケる。ここでバッサリ切ったほうが民主党のためにはいいんじゃないかって気もするんですけど、慰留してる人がいるとこみるとまだ「豪腕」という評価が残ってるのがまた不思議。
 それとナベツネさんも、やってることがプロ野球界でも政界でも一緒ですな(笑)。



#7872 
つね 2007/11/03 00:49
S証券の調査によると

1997年の新聞記事で、私も直接、目にしたものです(谷岡一郎「『社会調査』のウソ」にも掲載されています)。
高度経済成長終了後(巨人V9後かもしれない)の、この時点までのセ・リーグの各球団の優勝回数と経済成長率の平均は、
阪神4%超(1回)、巨人4%超(10回)
広島3.67%(6回)
中日2.7%(3回)
ヤクルト2%(4回)
ちなみに横浜(大洋)は98年が初優勝、でこの年はヤクルトが優勝でした。

それにしてもこれで「調査」とは。



#7871 
問題児 2007/11/02 19:14
機長さん がですか

>エノラゲイ機長
爆撃機の乗員はサディストか悪魔のような人間がやっているというのは偏見でしょう。
命令を受けたら、たとえ核兵器だろうが生物化学兵器だろうが搭載して
投下するのが任務、それを拒否すれば拘束されて反逆罪か職務怠慢や
放棄で軍法会議にかけられ処断されるのですから。
エノラ・ゲイに乗った人々に命令を拒絶する選択があったのでしょうか。
たとい拒絶しても代用の人材は当時も世界最強の軍事大国アメリカには
たくさんいたのですから。運わるく、おはちがまわってしまった
ってところでしょうね、この機長さんは。
どちらかというと強硬なのは当時、原爆開発に加担した科学者や政務者
でしょう、最近、日本に太平洋戦争時に原爆開発委員会の科学者がきて
広島、長崎を訪ね、原爆の被爆者と対面、しかし、この元・科学者は
きっぱりと、私は被爆者の貴方と会ったからといって原爆投下を
間違っていたとはいわない、謝罪も絶対しない、謝罪すべきは
先制攻撃をしてきた当時の日本であり、アメリカは悪しき日本に
天罰をくだすために原爆を投下した、と言い切りました。



#7870 
徹夜城(徹夜はしない主義の管理人) 2007/11/02 13:38
エノラ・ゲイ機長死去。

 最近史点の更新はコンスタントにやってるんですけど、執筆ペースが遅いもんでニュース的には周回遅れになってます。今日も更新したんですけど、その直前にこういう「史点ネタ」ニュースが入ってきます。
 ちょうど原爆投下の話題がこの伝言板で出ていた直後でもありました。この機長は典型的な原爆正当化論を繰り返し口にした人でしたが、その遺言なんかを見ると個人的にはいろいろ思うところはあったのではないかなぁ。命令を受けた軍人としては反省も後悔も表向き言うことはないでしょうし。ま、この話は次回「史点」で。

>NFさん
 そうですか、むしろ阪神優勝は好景気の前触れなのか(笑)。
 前に中日が日本一となった1954年の出来事を調べておりますと、奇しくも安倍晋三前首相がお生まれになってました(笑)。物故者のリストを見ていたら「吉田茂」なる政治家がいたので「あり?」と思ったら、これ同姓同名の別人なんですね。内務省出身で貴族院議員、米内内閣・小磯内閣で閣僚を務めており、実際に外務省出身の吉田茂と間違えられることも多かったそうで。思わぬところで面白い話を知りました。
 なおこの年は「ゴジラ」「七人の侍」「二十四の瞳」といった日本映画の大当たり年としても知られています。

 余計なお世話ですが、NFさん、寝不足は体に毒です(笑)。いつも2時3時台の書き込みなんで、一応一言。僕は名前だけの「徹夜」で、実際にはめったに夜更かししませんので(笑)。



#7869 
NF 2007/11/02 03:22
眠れん…

そういや、少し前に朝青龍が謹慎期間に細木数子とテレビで共演して問題になってましたね。昭和の大横綱・双葉山が師と仰いだのが漢学者・安岡正篤。そして平成の大横綱・朝青龍と親交があるのが細木数子。因みに安岡氏の最晩年に彼と入籍して親族と騒ぎになったのが細木さんでした。…何だか因縁を感じるような。



#7868 
NF 2007/11/02 02:13
えーと、逆です

阪神が優勝すると好景気になる、というジンクスだったように思います。高度成長に加速がかかった62年や64年、バブルが始まった85年、近年の好況(実感はないですが)あたりで03年・05年という事でしょうか。ただし、2リーグ分裂前に関しては必ずしもそうもいえないようですが。まあ、いずれにせよそんなジンクスが出来るほど優勝と縁遠いという事で余り喜ばしい事ではないのですが。
しかし、かつて4つあった関西の球団も近鉄がなくなって2つになってしまいました。まあ、人口バランスからすれば妥当だとも言われますが。そういえば、中村ノリは初めての日本一でしたね。ここ数年はパッとせず今年の始めはもう終わりかと思われていたのに見事な復活。そういえば、ローズだの山崎武だの今年はベテランがえらく元気でしたね。

鳩山さん、一体どうしちゃったんでしょうか。某巨大掲示板でも「クスリでもやってるんじゃないか」とか色々言われてましたが。



#7867 
小覇王 2007/11/02 00:14
別に靖国に他意はないよ

>万吉さん
 はじめまして。
 日本人の宗教観についての話、概ね同意いたします。
 というか、半分冗談ではじめたネタに素晴しい意見を皆様ありがとうございます。日本人の宗教のいい加減さというのは決して悪いことではないと思うですが、何事も時と場合によるということです。例えば、どうしても靖国神社が分かりやすいので例に挙げてしまいますが、あそこには生前、仏教徒やキリスト教徒だった方々も神として祭ってあるわけです。そういう方たち本人のことを第一に考えれば、靖国に祭られることを望んでいないでしょう。それを分祀できないとか言うのはどうかな、と思います。大多数の日本人はそんなのどうでもいいじゃん、と思うかもしれませんが(実際僕自身、死んだ後に自分がどう扱われようとたいして気にしません)やはりそれこそ国のために死んでいった人たちなのだから本人たちの望むようにしてあげるべきだと思います。特にキリスト教徒でなおかつ朝鮮半島出身の人たちとかは何とかして上げられないかなと。僕は限りなく無宗教に近い(実家は浄土真宗なので知らぬ間に檀家扱いされてるかも)平均的な日本人ですがそうでない人に対しては気をつけるように心がけています。



#7866 
徹夜城(近鉄ファンだった管理人) 2007/11/01 22:05
中日が優勝すると…

 まずは中日ドラゴンズ日本一おめでとうございます。
 ああ、こちとらむかし「近鉄が日本一になったら史点ネタにする」と公約したこともあったものですが(涙)。中村ノリがMVPだから、と勝手に代わりにさせてもらってこちらに書き込み。

 「中日が優勝すると政変が起こる」という言葉を聞いたことがあるんですが(阪神が優勝すると恐慌になるんだっけ?笑)、53年前、中日が日本一になった1954年は吉田茂内閣が退陣、結成されたばかりの日本民主党が政権を奪取しているんですな。そのとき民主党を率いて首相になったのが鳩山一郎。現在も「一郎」が率いる民主党が妙に元気だったりしますが…さて。

 そうそう、鳩山一郎のお孫さんの法務大臣は昨日も国会で聞かれてもいないのにアメリカのスパイの接待を受けてタダ飯をいっぱい食った、とか面白い話をバシバシ言い出して周囲を困惑させているようですが…「情報入手のために金を使え」という趣旨だと言うんですが、なんかヘンな方向にハイになってるみたいで、ちょっと怖いです(^^;)。

>ごまぞうさん
 「スポーツの貯蔵倉」からのリンク、すでに済んでおります。あっちの管理は弟が全面的に担当しているので、連絡したら即座にやってくれました。僕の方は彼と違ってものぐさですので歴史からのリンクはしばらくそのままになってると思います(笑)。



#7865 
問題児 2007/11/01 13:00
原爆で

このあいだ、防衛大臣が原爆投下はしょうがなかったという発言をしましたが
アメリカがなぜ日本に原爆を2個も投下したのかは、本土上陸して陸上戦で損害が
大きくなりそうな想定があったからで沖縄戦で思いのほか日本の抵抗が激しかった
ことが想定の裏づけになったのだろうと。
そして、また、アメリカは先に降伏したドイツのように「無条件降伏」を
日本にさせたかったので原爆を2個も落としたのでしょう。
さいしょに長崎に落とした原爆より広島に落としたもののほうが
性能がよい改良型でした、長崎と広島で原爆被害を受けた人々は
単に戦災にあっただけでなくアメリカ軍の核実験の実験献体を
何ら報酬なくやらされたのと一緒です。
満州の石井細菌部隊が捕虜を細菌兵器の献体にしたのと同等
日本を 今の北朝鮮のように見返り付きで譲歩させるのでは
なく完膚なきようネジ伏せるために原爆を2個も落としたと思います。



#7864 
ごまぞう 2007/11/01 11:47
そうですね

もうすでに歴史サイトとはいえない状態なので、「スポーツの貯蔵蔵」へのリンクを希望します。
お手数をおかけしますがよろしくお願いします。。

ルパンと言えば、最近ではテレビ版のいわゆる”赤ルパン”が(特にヨーロッパが舞台のエピ)、
70年代後半から80年代前半のテーストが醸し出されて好きですね。
そして、徹夜城さんがいうように、女性キャラがその時の流行を反映してますよね(不二子ちゃん見るとよく分かるw)


http://www.fehd.view21.net/~junhe/index.htm


#7863 
NF 2007/11/01 02:34


>万吉様
宗教的いい加減さは、日本が海に隔てられていわば「別天地」のような状況であったため可能になったというのは同感です。僕は日本は「中国文明」とは別扱いにすべきだと思っているのですが、決して中国より偉いとかそんなのじゃなくて余り真面目に「中国」をやっていないというか、異質性が目に付くと言うのか、そんな理由からなのです。しかし、それも「別天地」ゆえだろうと思えば説明がつくわけで。直接的な圧力を受けずに自己流での発展が可能になったという。

>問題児様
その特殊部隊の話から、「ガンダム0080」のサイクロプス隊を連想するのは僕だけでしょうか…。結果として無駄死にになってしまったところまで同じ。あの時代の日本は、作戦面での「ぶざま」さ以前として国家戦略レベルで袋小路でしたから、ますます難しい条件下での作戦を余儀なくされ、官僚主義なども絡まって全てが裏目裏目に出た印象があります。元来、日本の国力で大陸に戦力を張ってこれを維持するというのに無理があり、更にこれを支えるために新たな勢力獲得を余儀なくされると言う悪循環になる。国内でもこの無理を何とかするための軍事的負担やら経済的負担やらと難題が山積み。こうした中で乏しい手札で遣り繰りしないといけないのに、硬直した官僚主義などで選択の誤りが生じてボタンの掛け違いが生じたと言いますか。当時の国民は言うまでもなく指導者たちも彼らなりに必死だったと思うのですが、こうしておかしな流れを止めることはできなかった。敗戦による犠牲は大きかったし、断じてベストな道ではなかった。しかし、これによって少なくとも無理をする事での軍事的負担や経済的負担からは解放されており、その意味では大戦での死者たちも無駄死にではなかったのかな、と思っています。…というか、宋思わなければやり切れません。

以上、駄弁失礼しました。



#7862 
徹夜城(史点執筆がなかなか進まない管理人) 2007/10/31 19:35
「ルパン三世」を眺めていると

 他所で書いた話題なんですが…実は最近、「ルパン三世」アニメ版のTVスペシャル(1989から毎年製作)を次々と見ています。今まで一本を除き全く見ていなかったTVスペシャルなのですが(個人的には「ルパン三世」の世界観自体が70年代で限界だと思ってます。「007」とおんなじで)、「怪盗ルパンの館」で「ルパン三世とおじいちゃん」というコーナーを作る予定があるため調査をする必要があったのです。
 まぁそんなわけでこの89年以後のTVスペシャルを見ているわけですが…これがまさに「歴史」なんですなぁ。長時間アニメという性格上時事ネタが結構入るのですよ。またここ20年で技術・インフラがいかに劇的に進歩したかもよくわかります。それとアニメの表現自体の変遷も浮かび上がりますね。
 世界情勢では冷戦終結、湾岸戦争、ソ連崩壊といった時事ネタが意外に出てくるし、実在の政治家がモデルのキャラもよく出てくる。技術面ではコンピュータ描写が年を追うごとに変化していくのがよくわかります(またより現実的なコンピュータ描写になりますね)。また女性キャラのデザインが時代と共に露骨に変わっていくのも興味深いところでした。
 それと毎回「お宝」要素があるため、ナポレオンだのハリマオだのロマノフ王朝だのタイタニックだのと歴史そのものの話題が多いのもいろいろとツッコミが入れられて楽しい。本来の目的とは違ったところでいろいろ面白く見ています。


>万吉さん
 はじめまして。いつもご愛読ありがとうございます。
 日本人の宗教観についてのご考察、非常に興味深く読ませていただきました。うんうん、そういう面はあるよなぁ、といちいち思い当たるところが多かったです。
 増田義郎さんが言ってた話だと思いましたが、日本ってやっぱり海という自然障壁に囲まれていて他民族・他文化の直接的侵略をほとんど受けずに来たというのが大きいのではないか、という指摘はあるんですね。世界史的にみれば文化の伝播はしばしば征服活動に伴って行われる中、日本の場合それがほとんど無かった。逆に日本側から文化の「いいとこどり」をすることができ、それが日本人の外国文化への憧憬と外国人そのものが入ってくることへの拒絶意識を形成したんじゃないかというんですね。そしてそのために攘夷から文明開化へ、鬼畜米英から民主主義バンザイへと一夜にしてコロッと切り替えられるんじゃないかと。これを増田氏は「ケロリ主義」と名づけてました。
 宗教の話にもこれはあてはまるんじゃないかと思えます。そして明治以降、敗戦までの日本人が外国人・外国文化と直接的に接することで文化的にも宗教的にも「国粋的」で「非妥協的」になったのかも、と思えたのです。


>ごまぞうさん
 URL変更の件、了解いたしました。歴史関係がなくなるとのことですが、一応当サイトにも「スポーツの貯蔵蔵」という実質高校野球専門コーナーがあるのです。そちらからリンクするということも考えるのですが、どうでしょう?この「史劇的」からのリンクもこれまでの縁でそのままということでもいいのですけど。


>問題児さん
 以前大学近くの食堂で太平洋戦争中の日本軍の作戦面での「ぶざまさ」の批判を友人達とやっていたら、その店の店長に怒られた経験があります。その店長の弟さんが戦死されていたのですな。そこでとくにもめはしなかったのですけど、いろいろと考えさせられるところではありました。もっともその弟さんが戦死されたことの原因が作戦のぶざまさにある可能性も高いわけで、身内の人の戦死をもって日本軍全体の批判をいっさい許さないみたいな傾向には困ったもんだと思うわけですけど。そうした感情論が戦争に対する冷静な評価を妨げてきた部分は少なくないでしょう。もっともこれも日本だけの現象というわけでもないのですけどね。
 僕自身、どの国のどの時代の歴史でもその時代を懸命に生きた人々への敬意は決して失わないようにしたいという気持ちは持ってます。そしてまた人間って完璧じゃありませんから、どの時代でもどの国でも凄いこともするけどヘマもすると。それって人間である以上どこでも当たり前だと思うのですけど、そう思えない人も多いあたりがまた人間なのでもありますね。



#7861 
問題児 2007/10/31 19:01
右翼ではないけれど

>玉砕
わたしは、右がかってはいませんが、太平洋戦争での日本のブザマな話を
面白く吹聴している人は好きになれません。南京虐殺も慰安婦問題も
完全否定はしませんが、かりにも我々の先輩がたのなした良くも悪くも業なの
ですから。戦後うまれの自分としては殺人犯人の子供のような心持で
この問題をつきあってしくしかない気はします。
いくら戦後に生まれたから直接、関与はしてないけれど
旧日本軍を愚か千万と喧伝するのには加担したくはないですね。
あのときの日本の方向性は正しくはないと思うし
それを隠したり揉み消すのはだめだと思いますが。
特攻隊は残酷で愚の骨頂という意見はよく聞くし逆に
散りぎわを美化する話も聞きます。
国防のため良くも悪くも戦った行為を後世の人間が
とやかくいうのもなんなんですが。
特攻隊というと航空機や潜水艇の話が多いですが、陸でのその試みは
あまり注目されてないかも。爆弾を抱えて敵陣に飛び込む
現在で言う自爆テロみたいのを連想しがちですが、太平洋戦争末期に
旧日本軍はアメリカの新型爆弾の情報を得て何とか阻止しようと
していました、その頃からB29の空爆に大打撃で米が新型爆弾を
完成させれば直ちにB29に搭載して投下すると予想されたからで
空挺の精鋭部隊を編成して日本軍は太平洋のアメリカのB29の
発進基地を2箇所、降下急襲してB29を全機破壊し隊は全員戦死
しました、不幸にして、その基地には原爆はなかったので
広島長崎の投下は阻止できませんでした。
この秘密作戦に参加した隊員たちは、一種、特攻隊と一緒と思います。
とても生きてかえれないと思える任務だし
しかし、かれらは新型爆弾を阻止するべく死地へ向かったのでしょう。



#7860 
ごまぞう 2007/10/30 22:17
「駄事類苑」移転しました

大変ご無沙汰しています駄事類苑の管理人こと「ごまぞう」です。。
近況は”投稿論文闘争”に明け暮れています(苦笑)

さて、愚サイトである「駄事類苑」がURL変更となりました。

新URL
http://www.fehd.view21.net/~junhe/index.htm

歴史サイトへのリンクをお願いしている割には歴史関係が削除となりましたが(汗)、
もし宜しければリンク先の変更をお願いいたします。
最近はすっかり高校野球サイトと化していますが、
一応日記部の紀行シリーズが歴史系と言えば歴史系かも・・
お暇なときにご笑覧いただければ幸いです。(ちょっと毒々しいかも・・)

また、自分の守備範囲であれば当伝言板のお役に立ちたいとも思っております(笑)

http://www.fehd.view21.net/~junhe/index.htm


#7859 
万吉 2007/10/30 19:20
宗教観

はじめまして。
いつもここの掲示板や「史点」を読むのを楽しみにしています。

日本人の宗教的いい加減さについて思ったことなのですが、
日本のこのような宗教観は、外部からの大規模な人口の流入や外敵の侵略をあまり経験せず、民族的・文化的同質性が極めて高いことによるものなのではないでしょうか。
身近に文化や生活習慣が大きく異なる人々がいない(いても少数で自分たちの生活に影響しない)ので、自らの文化的・宗教的アイデンティティをあまり意識しないで済むために、特定の宗教に帰属する必要を感じないのではないかと思います。なので、多民族社会のような自らのアイデンティティを意識せざるを得ないようなところでは、日本的な宗教観は受け入れられないのではないでしょうか。それから日本においても、鎖国体制が崩れ欧米列強の脅威を身近に感じるようになった幕末〜明治初期には廃仏毀釈のような運動が起こり、戦前・戦中のように植民地を持ち国内に異なる民族を抱え、外国と戦争した時代には国家神道が推し進められたことをみると、日本人の宗教的いい加減さというものも常に存在するとは限らないと思います。
私は歴史についても社会学についても素人なので、間違いだらけのことを言っていると思いますので、ご指摘頂ければ幸いです。






#7858 
徹夜城(夕方のニュースショーを眺めている管理人) 2007/10/30 17:29
嘉門達夫は偉大だな

 いきなり何の話かといえば、嘉門達夫の「友達の友達」って唄(?)を思い出しちゃったんですよ。鳩山法相の例のお言葉を聞いて(笑)。「友人の友人がアルカイダでバリ島のテロも聞いていた」とこともあろうに外国人記者クラブで言っちゃったアレです。その後「事前に聞いていたわけではない」と訂正してますが、「友人の友人がアルカイダ」という話については「事実を口にしてはいけないのか」と逆ギレ気味に記者に答えたとかで、どうも本人も何が問題になってるのかよくわかってないんじゃないかと。
 この話題は日本に入ってくる外国人の指紋採取など管理を行うという方針について語る中で出てきたそうなんですね。「実は私の身近にもテロリストが」ということで引き合いにだしたらしい。「友人の友人」だから赤の他人の話だ、というつもりなんでしょうけど、極秘情報を間接的にせよ聞ける立場ということにもなるし、事前に知ってたのなら通報しなきゃいけないはずだし、秘密の情報源として維持する気ならこんな場所で漏らしちゃいけない話だし…二重三重にいろいろツッコミが入れられ話で。
 インド洋での給油活動の延長に反対する野党を「テロリストの味方」とばかりに批判した同僚もおりましたが、これってアメリカあたりからみるとちょうど給油一時停止のタイミングでもアリ「もしや日本はひそかにアルカイダと共謀?」などと思われたりして。まぁあまりに軽々と言っちゃったので単に「アホか」と扱われるだけでしょうけどね。
 なお、冒頭に挙げた嘉門達夫の唄「友達の友達」は「わたしの友達の友達がね〜」として語られる話はまずホラであるという趣旨でした(笑)。


>NFさん
 スサノオが自分の気持ちの潔白を示そうとアマテラスと「子作り」をして見せる場面、あきらかに男女のそれを意識してるとしか思えませんよね。一応お互いの持っている道具を口に含んで吹き出すと神々が生まれる、という「無性生殖」ではあるのですけど、スサノオの持ち物をアマテラスが噛み砕いて産んだのが全て女神、アマテラスの持ち物をスサノオが噛み砕いて産んだのが全て男神だったのでスサノオが「姉上の心がたけだけしく、私の心が清らかな証拠」と言うんですよね、確か(資料引っ張り出すのが面倒でうろ覚えで書いてます)。
 無性生殖といえば、だいたいこのアマテラス・ツキヨミ(出番がほとんどない月の神様)・スサノオの三姉弟は、黄泉の国から帰ったイザナギが川でみそぎをした際に両目と鼻から生まれた、つまり「無性生殖」で生まれたのです。それでいてスサノオが「母上に会いたい〜!」と駄々をこねるのが神話らしい矛盾ですが(笑)。と書いてて思ったんだけど、例の「神武天皇のY染色体」(笑)はアマテラスにはないはずで、もしかしてスサノオのものだったりするのかな?

 「大阪の兵は弱い」というのはホントに言われてたそうですね。大阪出身の司馬遼太郎は軍隊時代は部下になめられまいと「奈良の生まれ」とごまかしてたそうですし。しかし本当に大楠公の故知に習うなら、死んだふりしてでも生き延びて再逆転のチャンスを待つべきでしょう。…おっと、辻政信あたりはそのつもりだったのかな(汗)。
 人に「死ね」って命令する側は結構生きている、というのがこういう話のひどいところなんですよね。なお、お話に出てきたミッドウェー海戦の生き残りが隔離されそのまま出撃させられたというのは東宝の戦争特撮映画の名作「太平洋の嵐」の結末で描かれてました。また特攻隊でも事故で生き残ってしまった人も極秘で隔離施設に送られた話は映画「月光の夏」で描かれてます…ってオレって映画で学んだ話ばっかりですな(笑)。
 「ガンダム建造計画」は福岡市も言っていたような…(^^;)。そのうちニュータイプを開発する政府極秘機関とか現れたりして(笑)。


>tomohiroさん
 「ドイツ」と一口に言っても広いですからねぇ。オーストリアだって「ドイツ」であり、プロイセンでなければここを中心に統一した可能性もあったわけですから。ヒトラー自身オーストリアの出身でしたし、あとで併合した際もナチス工作があったとはいえ併合に熱狂するオーストリア人が多くいたのも確かです。
 一方でかつてのハプスブルグ帝国の領域を「中欧」という枠組みでとらえるべき、というような本も読んだことがあったような。 

 またまたルパンの話になるんですが(笑)、長編「813」でルパンがドイツ西部の公国を支配してそれが「ヨーロッパの地図をぬりかえる」などと表現されるのも、この地域も歴史的に見れば「ドイツ」に編入されたのが当時において「つい最近」でありドイツ帝国への帰属意識がまだまだであったことが背景にあります。バイエルン王国だってかなり強引に併合された側面がありますし。



#7857 
tomohiro 2007/10/30 07:14
ドイツは南北だ

昨夜から
「頑張れ、ブランデンブルグ州」というかつてddrが存在した
ドイツの一テリトリーに言及した本を読んでいた。
今回読んだ本だけではなくて、
昨今のドイツ史に言及した本には、
「ドイツとは東西ではなくて南北という概念で考えるべき。」
という考えが多く生されています。
やはり、長い歴史の中で南北ドイツという考えの方が
多くのドイツから中欧に描けて住んでいる人間に
dnaに刻まれていたのかなと考えています。
そういえば、私が今言及した書物の中でも
東ドイツ地域のザクセンは政治的にはバイエルンなどの
南ドイツ的だと言っておりました。




#7856 
NF 2007/10/30 02:10


少し古いレスですが、中国や韓国に特に強く反応するのは、やはり現代の外交における利害が絡むからでしょうね。「過去の罪」を持ち出されて国益が損なわれるのが忌々しいということでしょう。まあ、ネット世論レベルではアメリカへの反発も強かったりするようですが。

>小覇王様
>「日本をほめるのはかまわないけど相対的に他の国を貶めるのは感心しませんね」
基本は同意です。それだけに現在現代語訳している本居宣長の著作の扱いは慎重にしないとなあ、とか思っています。まあ、国学者が儒学や中国を攻撃するのが日本において儒学が盛んであったのを牽制するためだったのと同様、現代日本において「日本の国益より中国や韓国などを優先する」(少なくとも彼らにはそう映る)人々への牽制という性格が強いのでしょう。つまりは主に国内問題なのですよ。
>クリスマスは家で一人で「バットマン・リターンズ」観賞が恒例
まあ、「フランダースの犬」最終回を引き合いに出して「喪に服せ!!喪に服せ!!」とかやってるよりはずっと健全です。…僕の事ですが。まあ、ネタでやる分には面白いですが本気になってしまうと痛々しいでしょうね。日本の宗教的ないい加減さはある意味宝なんだろう、と中東などを見ていると思わざるを得ないですね。確かに。



#7855 
NF 2007/10/30 00:35
日本神話ついでに

天照大神といえば、スサノオとの「誓約」が気になりますね。それぞれの道具からそれぞれの子供が生まれるのなら、なんで交換して噛み切る必要があったのかな、と。あと、このときのスサノオの行動は「妻訪い」に来た男のそれなんじゃないか、という指摘も見た事があります。山崎闇斎が、スサノオとアマテラスが子を儲けて云々という異伝を発見して保科正之と相談し儒教道徳に反するのでその説を抹殺したとかいう話も。少し前に流行った「姉萌え」の元祖なのかも。…日本神話って良い感じに気まずい話ばかりですね(笑)。

>「総員玉砕せよ!」
初めて読んだ時は、まだ生きている負傷兵の指をスコップで切断して「遺骨」を作るシーンでたまらなくなって本を投げ出したヘタレから一言。何と言うのか、貧すれば鈍すというのか思考回路がどうなっちゃってたのやら。どういってよいのか良くわからん感情が沸き起こってただただ気が滅入った記憶がありますね…。
ミッドウェーの負傷兵も敗報が漏れないように病院でも隔離され、その後もすぐに前線に飛ばされた(口封じの意味もあるか?)という話も真偽不明ながらあります。まあ、何かがおかしくなっていた時代なのは確かですね。

大楠公からみの突込みを入れると、湊川に似ているのなら「針の穴を通すような可能性だが、活路があるかもしれない」という見方も出来なくはない気が。あと、大阪出身の部隊が弱いといわれましたが、あの戦争では何のかのと言って中央からの攻撃命令をはぐらかして生き残りに徹したそうです。他の部隊が壊滅していく中で、大阪の部隊が残っていて「次は何をしたら良いか」と連絡があった際には嬉しかったと参謀が述懐したという話が。地元の英雄・大楠公の赤坂城攻防戦における先例にのっとり、「大楠公精神」を発揮したと言えば大阪の名誉挽回になるんだろうか。「正成が生きている限りは、聖運は開ける」ってことは正成が死ねば後醍醐の運が尽きたという意味なわけですし。

 話が湿っぽくなったので、少し切り替えて。このような悲劇を繰り返さないためにも、日本文化を尊重するためにも、新時代の国防はかくありたいものです。↓
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2007/10/post_2793.html
「防衛省技術研究本部、陸上装備として「ガンダム」の実現を模索」



#7854 
徹夜城(TVを横目に書き込む管理人) 2007/10/29 13:32
ワールドシリーズから国会へ

 さっきワールドチャンピオン決定を見てから(松坂も岡島もめぐりあわせがよかったなぁ)チャンネルを変えたら元防衛次官・守屋さんの証人喚問の中継が始まってました。これ、当初静止画(本人希望とか?)という話が与党側から出てましたが、結局ふつうに動く映像での中継になったわけです。やはりしゃべる側としては静止画の方が落ち着くのかなぁ?


>小覇王さん
 そういや下で書いた「水煮三国志」で「東呉集団」が作るカラーテレビは「小覇王」ブランドとなっておりました(笑)。
 アメノウズメ、元祖ストリッパーですね(笑)。それが見たくて岩屋から出てくるアマテラスは実は男だ!みたいな珍説もあるわけですが。以前「つくる会」の教科書で日本神話部分を小林よしのり氏が担当し、このアメノウズメの乳房等の露出場面をそのまんま書いちゃったため、各地で不採択の原因になった、なんて逸話もあります。これについては原典に忠実にやったわけで評価してあげてもいい気もしますが、本人の意図とは別に裏目に出た形。その後結局彼が会を追放された(西尾幹二氏が「追放」と明確に言ったことがありました)一因になってるような気もしてます。


>問題児さん
 水木しげるさん原作のドラマというのは「総員玉砕せよ!」のことですね。水木さんを演じたのは香川照之。いつもながら上手すぎますね、この人。
 このドラマの出来もよかったのですが、やはり原作コミックをお読みいただきたいと思います(ドラマ中でも絵が使われてましたが)。厳密には実体験の完全な再現と言うわけでもなくあくまでフィクション作品なのですが、前半を中心に水木さん自身の実体験がそのまま内容に反映されています。玉砕命令が出て、それでも生き残った将校らが自決を強要されたこと、兵士達が再度玉砕をやらされるといった酷い展開は史実としてあるのですけど水木さん自身はそこに参加しておらず(片腕を失う負傷をしていたため)、この部分は後で聞いた話や資料で再構成しているわけです。
 水木さん自身がコミックのあとがきに書いているのですが、「90%は事実」とのこと。物語中では全員が玉砕したことになってるけど、実際には80人程度が生き残ったのだそうです。「だいたい同じ島で『オレたちはあとで死ぬから、お前たち先に死ね』といわれても、なかなか死ぬものではありません」と書かれてます。また再度の玉砕を命じる参謀が漫画では流れ弾で死ぬのですけど、実際には「テキトウな時に上手に逃げます」と書いてます(ドラマ版ではこの「史実」に従ったようですね)。
 この漫画の中で最初の玉砕作戦をやっちゃう指揮官が「地形が湊川に似ている!大楠公のように華々しく散るのだ!」ってな感じで玉砕にのめりこんでいく様子が可笑しくも恐ろしく描かれてますが、これも実際そうだったらしいんですよねぇ。こんな指揮官のもとで命を落とさなきゃならない兵士達が哀れすぎる。水木さんもあとがきで「戦記物を書いているとわけのわからない怒りがこみあげてきてしかたがない」とつづっています。
 
 史実なのかどうかは確認してないのですが、先日見た映画「大空のサムライ」(撃墜王・坂井三郎の自伝が原作)のなかで、一度敵軍の捕虜になった兵士達が事実上の「特攻」を強いられて悲惨な死を遂げるくだりがありました。



#7853 
問題児 2007/10/29 13:02
命令というか洗練というか洗脳というか

このまえ、NHKで水木しげるサンの兵役再現ドラマをやっていて
見てましたが、演じた俳優がソックリで水木しげるサンがノリウツッテ
いるかのように見えたんですが(笑
そのドラマでは旧日本軍がいかに玉砕精神にあふれていたか
満載で、降伏より死を 生き恥は最悪、のスピリットが
植えつけられていたかが、よく分かりました。
このマインドセットが隅々まで徹底していたのなら
沖縄戦の集団自決に旧日本軍は無関係の理屈は
通りづらいきがします。



#7852 
小覇王 2007/10/29 02:06
好きな神様はアメノウズメ

>萌える日本神話
「萌ゆる神の国! 」が正確なタイトルのようです。僕も軽く立ち読みをしただけなので、あれなのですが、日本神話の紹介本というわけではないのかもしれません。少なくとも後半は関係なかったような・・・でもこのての本も題材が旧日本軍だったり独ソ戦だったり、いまいちターゲットが分かりません。独ソ戦に萌えの要素など皆無だと思うのですが。だからこそ敢えてなのでしょうか。いや、主義主張に関係なく男の子は戦車とか軍服とか好きだとは思うんですが。



#7851 
徹夜城(受験シーズン到来で土日が多忙な管理人) 2007/10/29 00:09
これも「てこ歴」の範疇かな。

 図書館で見つけてひょこり借りてきた一冊。

成君憶著/呉常春・泉京鹿訳「水煮三国志・中国ビジネス思想の源流を知る」

 日本にもよくある「むりやり三国志に見立てるビジネス本かな」と思って手にとったのですが、読み初めからどうも様子が違います。登場人物こそ劉備、曹操、孫権、諸葛亮といったおなじみの面々なのですが、時代は明らかに現代中国。おまけに登場人物たちが争うのは天下国家ではなくカラーテレビ市場です(笑)。以下に一部抜粋。

 …曹操の巨額の広告投資は、中国全土を震撼させるほどのインパクトがあった。
 〔英雄〕シリーズの電気製品が、中央テレビ局のゴールデンタイムを連日埋め尽くした。独占状態といっても過言ではないほどだった。真っ赤なブランドカラーの〔英雄〕が集中投下されたため、まるでブラウン管が真っ赤に染まったように見えた。この強力なプロモーションは後日、〔赤壁の戦い〕と呼ばれた。(p420)

 …いつしか年の瀬も迫り、毎年恒例の「家電バーゲンセール」に突入した。(中略)
 この日の〔呉国経済日報〕に「〔英雄〕の仮面の下に隠された曹操の素顔」と題した黄蓋の寄稿記事が掲載された。これは膨大な事実に基づいて書かれた、曹操の会社の生産体制と品質管理の不備の実態を暴くものだった(p423)
 
 …孫劉連合軍によってカラーテレビ市場は、荊州電器の生産ラインを手に入れた劉備の皇族電器がある蜀、孫権の東呉集団のある呉、曹操の東漢公社のある魏の三国鼎立の市場構造となった。(p429)

 といった調子の内容です。大学で就職先を探す劉備たちが「桃園の誓い」で起業、曹操が関羽にBMWをプレゼントし、マーケティング戦略を展開する孔明と、まぁよくもこれだけいろいろ考えたもんだという三国志パロディです。その合間合間に「ビジネスの心得」ネタが入ってくるわけです。
 日本でも戦国ものでこんなノリのがあったような…ともあれ、本場中国でもこんなノリのが、との思いもありますし、物語で展開されるカラーテレビ市場戦争は「いかにも」な感じで今の中国家電業界を想像させるものがあります(曹操がやってるのが「半官半民の公社」ってところも心憎い)。まぁどれほど役に立つかは別物ですが(笑)。
 三国志本としてみた場合目立つ点は孔明の不美人の妻が重要な役どころで出てくるところですかね。


>トンデモ本関連
 同時に図書館から借りてきたのが保阪正康「松本清張と昭和史」です。これ、気になってたんですよ。なぜかといえば「と学会」の最新刊である「トンデモ本の世界U」で永瀬唯氏がこの本を強烈に批判する箇所があったからです。
 永瀬氏がとりあげたのは松本清張の「日本の黒い霧」を批判した佐藤一氏の本のほうで、あくまで松本清張の「陰謀史観」を叩く趣旨です。これは大筋で問題はないのですが、「そして、松本清張を信じ、擁護するものの末路はどうか」として保阪氏のこの本の一部が引用されるわけです。
 その一部と言うのは全部書くと長いので省きますが、要するに松本清張が「日本の黒い霧」を書いた意義を認めるものです。そこに「事実の如何を問わず、この重要性をまず私たちは客観的に認めるべきだと思う」と書かれていることに永瀬氏は「事実の如何を問わず、たとえ、意図的なデマだろうがデタラメだろうが許されると保坂(ママ)は言っているのだ!」と強烈に批判しています。

 これ、書店での初読時すでに強烈に違和感があったんですよ。保阪さんの昭和史本はかなり読んでいて、その綿密な取材力・事実の検証作業・慎重な物言いから僕の中ではかなり高評価していたんです。その保阪さんがそんなうかつなことを言うだろうか?と。
 で、うすうすそうじゃないかと思ったのですけど、実際にこの本を読んでみると保阪さん自身は「日本の黒い夏」の松本清張の「米軍謀略説」自体には批判的な立場なんです。とくに永瀬さんがとりあげた「下山事件」については本文中でも「自殺説」をとる立場であることを明言してます(一応他殺説も吟味、ですけど)。また松本清張の推理で同意しない部分は「牽強付会」「納得しがたい」「現在分かってる資料では完全に否定される」ときっちり書いてあるはずなのですが…まさか永瀬さん、この箇所以降を読まなかったんじゃあるまいか?と思ってしまうほどです。
 僕なりに保阪さんの本の趣旨を読み取ると、「事実の如何を問わず〜」の部分は、昭和三十年代という時期に「米軍謀略説」に松本清張がいきつき(それが正しいかは別)、それが世間的に受けたことの重要性という趣旨だと思うんですよ。この本自体が松本清張が昭和史にどう向き合ったかを論じる本であり、著者自身が清張に敬意を払いつつもやや突き放した客観的立場にたって論じているものですが、そこを最初から「盲信者」という先入観を持って読んでしまったためにそうとっちゃったんじゃないか?と思ったんですね。


>右傾化?
 うーん、「若者の右傾化」って言い方も何十年も前から言われてる言葉のような気もするんですよ。もちろん用心は必要ですけど、どの時点でもそういうのは一定数いますし、また若者の特性として現状の体制に反感をもって一度はスネてみるという部分は仕方ないのではないかと。これが方向を変えると左翼革命運動になるわけで、「つくる会」内紛騒動を見物してきた僕としてはこの騒動の登場人物に元左翼運動家が多いというのはそこに通じるものがあるんじゃないかと。たいていの人は「若者」でなくなったあたりで良くも悪くも「保守化」して体制順応しますしね。
 ネットというツールの出現でウヨ的言動がサブカル方面で目立っているというのも事実だとは思うのですが、ネットによってもともと潜在していたものが可視化しただけかも、とも思うんです。可視化したほうが対策もとりやすくていい面もあるんじゃないかと思いますし(苦笑)。

 「萌える〜」もとうとう日本神話が出たんですか…ちょっとチェックしてみる必要はあるかな。もともとエロ話や痴話げんか、近親相姦に妹萌えなど意外に日本神話ってその方面と相性が良かったりもするわけですが(笑)、そこまでちゃんと把握できてるものかどうか。以前「ちょっとHな日本神話」って本はあったんだけど、あっという間に消えちゃいました。

>宗教的寛容性
 あちこちでの宗教がらみの紛争を見るにつけ(根本原因が宗教以外にある場合が多いわけですが)、日本人の「宗教的いい加減さ」は見直されるべきだと僕は思ってます。ベツレヘムでのイスラエルとパレスチナの紛争の最中に日本人アベックが状況も知らずにふらふらとやってきて問題視されたことがありましたが、ほんらい紛争やってるほうが異常じゃないの?という見方もあっていいだろうと以前書いたことが。まぁ報道ぐらい見て旅行に行けとは思いますがね。
 明治神宮にしたってあれだけ初詣に人が押しかけるけど、どういう神様が祭られてる神社かって知らない人が大半ですし。そういや明治神宮は神社本庁とケンカして離脱してたはずですが、その後どうなったんでしょう?

>くすのきさん
 「自決しろ」と正式に命令は出さずとも、住民ぐるみで戦争やって(しかも最初から「玉砕」予定)戦闘員も非戦闘員もありゃしない状況を作って、戦陣訓なくともこの時期の日本軍の暗黙の了解になっていた「降伏するより死を」を実行させてるわけですから、強制のうちには入るだろう…と僕は思いますね。本土決戦でも同様のことは起こったでしょう。千葉県の九十九里あたりじゃ自爆攻撃の練習を住民もやらされてますし、それこそ「集団自決」も起こっただろうと思います。
 「鬼畜米英に降伏すれば酷い目にあう」と言ってた割に降伏したとたんにケロッと切り替えた(少なくともこれほどレジスタンスのない占領はないでしょう)あたり、司馬遼太郎も言ってますが、戦中の日本は実質軍隊による「占領状態」だったとみるべきではないでしょうか。



#7850 
くすのき 2007/10/28 21:20
沖縄の「自決命令」は「存在した」と言へると思ひます

はじめまして。
下の方の書込みで「自決命令は無かった」とするかたの書込みがあって気になったので
書込みます。

私は、沖縄での民間人に対する軍からの「自決」命令は、存在したと言へると考へてゐます。
当時「自決」に追ひ込まれた人々が、旧日本軍の軍人の命令を聞かざるを得ない状況下にあった、といふ事は、「命令は無かった」派の方もほぼ共通の認識ではないかと思ひます。
また、「言ひ出しっぺ」が誰かは兎も角として、兎に角軍人から民間人へ「自決するやうに」との指示があったであらう事も、特に議論の的にはなってゐないやうに思ひます。
ですから、この二点については、これを事実であったと仮定して話を進めます。

当の自決指示された民間人の側に立ってみれば、日本軍の中の誰が発した命令であるかといふ事は、知る由もない事のはずです。
そして、兎に角目の前に居る軍人が何か命令をして来たのならばそれに従ふしかないといふ状況にある訳ですから、「自決命令」の言ひ出しっぺが誰であったかに全く関係なく、目の前の軍人から発せられた命令は軍命令として従ふ他ない事になります。
即ち、仮に「自決命令」が「本来命令を発する権限を持つ者」の意図に必ずしもそぐわぬものであったと仮定しても、「軍の持つ強制力を用ゐて民間人に自決命令が出された」事実に違ひは無いので、誰が「言ひ出しっぺ」かといふ問題は軍内部の問題でしかない事になります。
つまり、仮に「日本軍の総意」に反してゐたとしても、「誤って総意と異なる命令が発せられた」事にしかならず、「軍隊としての自決命令」そのものが無かった事にはなりません。
少なくとも誤った命令を防げなかった落ち度は存在する事になるので、日本軍が無罪といふ事にはなり得ないと考へます。

何かを購入したら欠陥商品だったのでメーカーに抗議して、「下々の連中が勝手にやった事なので社として全く責任がありません」と言はれて納得する人はゐないと思ひます。それと同じ事なのではないでせうか。

註: これは「もし自決命令が決定権を持つ者の意思に反するものだったとしても」といふ仮定の話であり、「決定権を持つ立場の人々は自決命令など考へてゐなかった」と主張するものではありません。念のため。



#7849 
小覇王 2007/10/28 00:20
ハロウィンだ!

 >若者の右傾化
 僕個人の印象では十年ほど前までは左右はともかく何でも笑いものにしても大丈夫、という風潮だったのが、ここ最近はそういう冗談が通用しなくなった、という感じがあります。確かにサブカル方面でも右よりっぽいのが増えたかな。今日も書店で「萌える〜」のシリーズで日本神話の本があったのですが後半はずっと日本は偉い!本でした。
日本をほめるのはかまわないけど相対的に他の国を貶めるのは感心しませんね。

>個々の教師レベルで左寄りの教育を熱心に行う例が多かった反発
 なるほど、と思ってしまいました。正直熱血教師ってウザイですもんね。とはいえこういうことは検証がしにくいのでなんともいえないしょうが。統計を取るわけにもいかないですし。例えば日本が戦後の平和を保てたのは一体何のお陰か、という問いに対して幾つかの答えを用意できるでしょうが(「憲法九条のお陰」「日米安保のお陰」「自衛隊のお陰」・・・など)どれが正解かは再現できない以上すべて推測になるのと同じようなものですしね。

 話は変わりますが日本人の宗教観って寛容だとよく言いますよね。数年前に明治神宮がクリスマスのイルミネーションをやめたときに「あたりまえ。何で神社がキリストを祝わなならんねん」と思った自分は西洋の思考に汚染されてますか?決して独り身の負け惜しみではありません。クリスマスは家で一人で「バットマン・リターンズ」観賞が恒例となっいますが・・・
 とかいってる身ですが、明日は川崎でハロウィンを堪能しつつ念願の「ロッキー・ホラー・ショー」観賞を堪能したいと思います。



#7848 
ミッキー 2007/10/26 11:09
史点拝見アレコレ

近ごろの若者の右傾化とか話題みたいですが、単純な反韓ー反中みたいですね!慰安婦とか南京虐殺問題とか。ただ疑問なのは中国や韓国の非難には捏造と反発するが欧米からの指摘にはダンマリになるのは変ですね。だって欧米でも歴史的事実として受けとめられてますからね、一部のマスコミや文化人も急にオトナシクなるし。結局は中国や韓国がキライという心理が大きいのかな。それは、日本の将来にたいする不安の裏返しかも。中国や韓国の台頭が相対的に日本の没落を招くという危機感からの感情的反発のような気がするのは私だけかな?特に日本に地理的に一番近いし経済的に軍事的にも影響大ですから。「三丁目の夕日」の時代に生まれた者ですから後進国の日本を知ってるけど今の若者は経済大国日本しか知りませんからね。話はかわりますがアルメニア人虐殺の問題のトルコは辛い立場になってますね。冷戦時代はソ連という敵がいたからヤバイ過去も不問でした。が、時代が変われば責任が問われますから。欧米ではジェノサイドという言葉はトルコの発明というのが定説になってますからね。アルメニア民族虐殺がそれです。たからトルコ政府が反論しても無理かなーと思いますよ。当時の米国の駐トルコ大使であるヘンリー、モーゲンソーの報告書が多く残ってますし、また、ヒトラーもユダヤ民族虐殺のため参考にしたことはニュールンベルク裁判で証言がありますからトルコ政府がどこまで頑張れるかEU加盟の問題もからんで注目してます。



#7847 
徹夜城(SFにたまにのめりこむ管理人) 2007/10/25 20:55
未来世界の宗教界

>NFさん
 そうですか、ティアンム提督はムスリムの設定…といっても特にそれが意識されたシーンはなかったような。
 未来世界を描いたSFだと現在地球上にある宗教は一掃されてる設定が多いですね。地球型人類のみが銀河系に広がって「銀河帝国」を作っちゃうといった設定はアシモフから始まるわけですが、アシモフ世界にはキリスト教などの宗教はかすかな伝説のみを残して跡形もなく消えている設定です。もっともアシモフ銀河帝国では地球の存在自体が忘れ去られ、銀河系の人類が一つの惑星から拡散したことも「仮説」になってる状態ですが。
 設定的には似ている「銀河英雄伝説」は地球の存在や歴史もきっちり記憶されているものの既成の宗教は登場しなかったように思います(地球教はあったけど)。

 一方でアシモフ的な銀河帝国を舞台としながら既成宗教が完璧に生き残り、かなりの影響力を残している設定になっているのがダン=シモンズの「ハイぺリオン」シリーズ。カトリック、イスラム、仏教、道教にいたるまであらゆる作者の薀蓄がSF世界で展開されついていくのが大変なSFです(汗)。「エンディミオンの覚醒」なんか延々と宗教談義してるようなところがあったからなぁ…しかし読んでいて、存外地球人類が銀河中に拡散して地球のことなんか忘れ去っても、各種宗教はしっかり生き残るんじゃなかろうか、って気はしたんですよね。


>阿祥さん
 「大明王朝」入手の節はお世話になりました。
 僕もこのドラマの狙いに現実の政治腐敗の問題がからんでるのかな〜という気もしたんですよね。かなり先まで見ないと分からないのかもしれませんが…第2回で朝廷が絹の生産量を上げさせようと水田を桑畑に変えさせようとして反対する農民達と衝突、その政策をめぐって戚継光や胡宗賢たちが異論を唱え…という展開には昨今の中国各地の農民暴動の姿も重なります。
 さらにいえばその胡宗賢じたいが現在の共産党総書記にして国家主席の胡錦涛さんの同郷同族のいわばご先祖にあたるわけです(直接のご先祖ではないかもしれないけど)。深読みするとそこに政治的意図が…と思えなくもない。まぁかつての中国のTV番組や歴史評論はそういう深読みが必須だったのですけど、このドラマを見る限りではそこまで考えてはいない気がします。
 地味な素材と言えば「雍正王朝」がヒットした時も「政治腐敗に対する民衆の批判」が背景にあるのではないか、と言われたこともありました。



#7846 
NF 2007/10/25 03:16
史点拝見

>ネットもはや十数年
ネット普及で最も変わった点といえば、文字通り名もない人が全世界に意見を発信できるようになったということでしょうね。…いや、落書の歴史などを調べてみて思ったことですが。しかしトップドメイン一つとってもナショナリズムあり小国の商魂ありと面白い門ですね。もし南朝がしぶとく残ってたら、とか思ったりはしますが、それだけに「琉球王国」は少し洒落にならないかも(汗)。
>セーラー服
詰襟・セーラー服がブレザーにというのは、戦争機械だった近代国家から企業戦士養成の現代国家に変遷した象徴なんでしょうか。女子制服としてのセーラー服は、萌えアニメや恋愛ゲームの中では当面生き残るんでしょうが。何たって、「萌え属性」として定着した感がありますし。ちなみに、軍服風の伝統を残しつつ現代文化を反映した制服として男子は銀河帝国風で女子が自由惑星同盟風とか、男子がジオン風で女子が連邦風とか考えたこともあります(要は男子の詰襟っぽさを基準に)。ああ、それはただのコスプレですか、そうですか(笑)。
>宇宙時代とイスラム
「宇宙世紀」にまた引っ掛けて言えば、地球連邦軍のティアンム提督がムスリムという設定があったような気がします。あの時代はコロニーではどうしてたんでしょうかね。
>教科書
まあ、色々とデリケートだし人間の業というやつだし…。言い尽くせないと思うのでここでは勘弁を。ただ、教科書より教師の授業内容の方が重要なんですよね。何にせよ、事実を淡々と教えて判断は個々に任せるしかないような。

>小覇王様
「政府や親公認なんてダセエぜ」という観点がどれほどあるかは微妙なところですが、これに関して皮肉な説を聞いたことはあります。若年層の「右傾化」の原因の一つに個々の教師レベルで左寄りの教育を熱心に行う例が多かった反発でないか、という説が。まあ、実際のところは単に世代ごとの揺り動きの範囲内でないかな、と思うわけですが。

>パパゲーノ川崎様
京都にいたのに、仕事で見られませんでした(涙)。室町は文化・経済の視点からは分岐点となる時代ですからねえ。「桓武・孝明両天皇に今の京都を見ていただく祭りで、行列はそのお供」というのですが、その視点で見ても尊氏だって当時としては皇室への崇敬は強い方だったのだし入れてやってもよかったわけで。何たって、「日本は天皇を中心とする神の国である」という某元首相みたいな意味の歌を詠んだ経歴がありますから(笑)。あと、一応は桓武の子孫だし、孝明の系統を擁立した人物だし(見捨てたこともあるけど)。



#7845 
阿祥 2007/10/25 00:51
大明王朝のテーマ

ネットで調べていたらこの“大明王朝”のドラマについて、官僚の腐敗に対して警鐘を鳴らすとか、そんな事が書かれていたことがありました。
仕事で中国の公共建築のコンペをやっているので、非常に実感があるのですが、最近の公共建築に関わる行政上層部の汚職や腐敗は目に余るものがあり、共産党のトップでもそういう建設プロジェクトに待ったをかけたり、大鉈を振るったりといった事態が続いています。そういった社会風潮を反映してのドラマだと言われるとそうかもしれないと思います。
今の中国では、拝金主義を修正して、共産党の元来の主張である質素倹約、農民を大事にする政策を見直そうという風潮があるようです。若い人が共産主義を勉強しなおしたりしています。まあ、中国のこういったドラマというのは、共産党のチェックを受けるらしいので、そこをクリアする方便とも考えられますが。

実のところはドラマを見ればわかるのでしょうけど、実は僕の方もいろいろ忙しくててっきり進んでいません。かみさんがのってくれないもので、なかなか時間が割けないでいます。



#7844 
徹夜城(今度は「大明王朝」を見続けている管理人) 2007/10/24 23:07
「末代皇帝」鑑賞終了

 ようやく見終えました。中国ドラマ「末代皇帝」。
 事前に知ってはいたのですが、戦犯収容所から特赦で釈放されるところで終わりなんですね。釈放された溥儀が北京を訪れ、周恩来(中国ならではのソックリさん俳優)と対談し、かつて自分の住処だった故宮を見学するところでおしまい。このあと文化大革命があり溥儀も迫害を受けることになるわけですが、このドラマ制作時点の中国ではまだ文革ネタはタブーで…映画「ラストエンペラー」で溥儀への直接的迫害ではない形で描かれてましたが、あれが限界だったでしょう。文革期の溥儀については香港映画「火龍」(原題:溥儀的後半生)でかなり強烈に描かれてましたが、たしかここでも周恩来が彼を保護する役回りだったはず。
 ようやく大河ドラマ一つ見終えた、ということでしばし放置状態になっていた「大明王朝」にとりかかって数回分見てます。しかしえらく地味な素材で…嘉靖時代終盤の政治状況を克明に描いたドラマで、えらく質の高い演義と演出、撮影で感心してるんですけど、こんな重苦しい政治ドラマを中国人でもどれほど見たんだろう?いや、専門分野が近い僕には面白くてしょうがないんですけどね(笑)。王直処刑後の話ですが、政府に反抗する農民達が「王直の一党か」と濡れ衣を着せられるシーンがありましたし、倭寇と戦った名将・戚継光、そして王直をとらえた張本人である胡宗賢もかなりカッコよく登場します(このあと政争で悲劇的な死を遂げるわけですが…)。
 日本で言うと水野忠邦の天保の改革あたりをじっくりドラマ化しちゃうようなもんかなぁ…と。なんでこのドラマが企画されたのか興味深いところです。


>パパゲーノ川崎さん
 時代祭、ご覧になったんですか、いいですねぇ。今回初の室町時代行列、見てみたかったです(ニュース映像で見たけど)。
 この件、実は次回「史点」ネタ確定してますので(笑)ここでは軽くしか触れませんが…要するに「足利は逆賊」だから100年間室町時代行列が存在しなかったんですよね。戦後60年たってもまだそんなことやってたんかい、と思いましたが、しばし考えたら理由の察しがつきました。そうだろうと思っていろいろ調べてたらやっぱり…でした。これにつきましては次回「史点」にて。


>あがたしさん
 ご指摘どうもです。「トップドメイン」という言い方は文中で一度だけ使ってまして、一応念頭にはあったんですが、文章書いてて面倒くさいと思ったモンで(^^;)
 すでにネット世界も10数年の蓄積がありますから、「歴史」が刻まれていってますよね。その初期のころの記録にはすでに永久に消え去ってるものもあります。すでにネット上情報の保存をする活動も行われてますけど、全てというわけじゃないですし…当サイトでも映画のところにあったやつとか、すでに永久に失われた記録もあります。
 この「史劇的伝言板」過去ログは幸い最初から全部保存してアップしてますが、これも開設当初から読み返すとすでにそれ自体が「歴史」となってると実感します。その時その時の事件の話題も多いですからね。

>たらちね小僧さん
 セーラー服はまずヨーロッパで高級子供服になっており、それが日本の女子制服につながっていったようですね。この「第一号認定」のニュースには何事にも歴史ありだな、と思いました。

>小覇王さん
 教科書そのものを読んだだけで急に愛国心がわくとかわかないと考えてる向きがあるんですが、それは無理ってモンでしょう、というのが一応教育現場に立つ僕の結論ですね。教科書をうのみにして丸覚えしてくれればどんなに楽か(笑)。社会科苦手な子はその覚えること自体ができないし、社会科得意な子は教科書なんて読んでませんし(笑)。
 亀田家の話ですが、TBSが初期から密着していたのは事実ですけど、他局も多かれ少なかれ扱いはおんなじでしたよ。去年の「疑惑判定」あたりから批判派が増してきたんですが、それまでは今どき珍しいスパルタ親父と密接な親子関係、昔のスポ根漫画みたいな展開のあの一家を応援してる声はメディア内に限らず世間的にかなりあったと思ってます。それとTVってのは他にも怪しげなタレントいっぱい使っていて、それを喜んでみてる視聴者が少なからずいるわけで。

>問題児さん
 あとボクシングの「疑惑判定」「反則」だって今に始まったことではないのにな、という感想を僕はもちましたけどねぇ。問題児さんも書かれてますが、試合前の挑発も含めて以前からあるボクシングショーの要素をよりえげつなく露骨に出しただけ、という見方もできるんです。



#7843 
パパゲーノ川崎 2007/10/24 21:09
時代祭り

先日時代祭りを観に行ってきました。
今年の目玉は、なんといっても初めて参加の
室町洛中風俗列でした。
華やかですばらしかったです。

それにしても、普通こういう行列は進むに従って
時代が新しくなるものですが、
時代祭りは逆で、まず維新勤皇隊から始まり
時代は遡っていきます。
面白いものです。




#7842 
問題児 2007/10/23 13:09
仕合う前に

>亀田
プロボクシングは、お客を呼んで大入りできて、なんぼ、なところもあるので
亀田一家の演出そのものはエキシビジョン系・格闘技の一つの要素から生じた
ものではあると思います。ボクシングがプロレスやK1のようになってきている
とも感じます。
試合前の会見で相手を威圧、挑発するのは、今までにもあったしボクシングには
つきもので、こういうのを全く無くすると味気ないものになるか、と。
ただ、試合前に相手を恫喝するのは案外、効き目は薄いらしいですね。
中学生にカツ上げをするのなら、まだしも、同じランク、フィールドで
雌雄を決するわけですから、マインドセットが出来ているのですから
チンピラのような恐喝めいたニラミを利かせても、あまり戦術的な効果は
薄く、むしろ相手を油断させるように演出するほうが戦術的には効果が
あるみたいです、かつて某チャンピオンがマスクをして咳をワザとして
試合前会見で体調不良を装い、その試合に勝ったのは有名ですね。



#7841 
小覇王 2007/10/23 00:57
若者よ書を捨てよ、町へ出よう!

そして本屋か図書館へ!
タイトル入れ忘れました。
訂正 義務養育→義務教育、の間違いでした。



#7840 
小覇王 2007/10/23 00:53


 史点、読ませていただきました。
>教科書
 前から疑問だったのですが、教科書が学生に与える影響ってどんなもんなんですかね。自分の場合だと、資料集や用語集は活用したものの肝心の教科書そのものはあまり読まなかった記憶があります。ざっと流し読みして専門書や、全20巻ぐらいの世界の歴史とかの方にいっていたような気が。まあ、うちは親父がそういう本をたくさん持っていて、歴史に小さい頃から興味を持っていたからかもしれませんが、そんなに過大評価するほど影響力ってあるんでしょうか。その気になって、ちょっと本屋にでも行けばいろいろな立場から書かれた本がたくさん出回っているわけで、その中から見つけていけばいいと思うのですが。教科書に書かれたことが全てではもちろんないわけです。まあ、書かれている方は学生に影響を与えたいと思って、懸命に書かれているのだとは思いますが。
 まあ、教育基本法の愛国心の問題とかもそうですが、何事にも反発する年頃に愛国心とか言っても「政府や親公認なんてダセエぜ」ってなことになると思うのですが。個人的には義務養育の歴史の授業は生徒に歴史について興味を持たせることが一義だと思います。

>亀田弁慶
 亀田三兄弟ではありませんが史郎氏に弟子入りしたボクサーに「牛若丸あきべえ」という人がいます。牛若丸が身内なので油断したか(笑)。兄貴のほうはまだキャラクターとして暴言を吐いている感じ(演じてる)だったのですが、弟のほうは素っぽくていやな感じでした。試合後、処分が確定した後の記者会見で父親の史郎氏が「反則をしないよう指導していく」といったのには「いやいや、だからお前はもう指導すんなっていわれたんだよ!」とテレビにツッコミを入れてしまいました。まあ、一番悪いのはTBSだと思いますが。あそこはもう報道やるべきじゃないよね。
 



#7839 
たらちね小僧 2007/10/22 22:29
セーラー服について

セーラー服は、
もともとは
水兵さんの制服から始まって
男女を問わず、子供服に広がって
それから女学生の制服になったようですね。
美少年愛好家にとっても
ウィーン少年合唱団とか
映画「ベニスに死す」の美少年タジオ(彼の姉妹もセーラー服ですが)とか
たまりません。






#7838 
あがたし 2007/10/22 18:01
TDL,ちがった,TLD

史点2007.10.22拝見しました.

ユーゴの話のところですが,「ドメイン」ではイマイチ文意が明確に通りづらいのです(biglobe.ne.jpもドメインですから). むしろ実際にお話のものにあわせるならば,トップレベルドメイン(TLD)と明示したほうがわかりやすいと思います.国にわりあてたものをccTLD,別のルールで割り当てたものがgTLDです.

それにしてもユーゴのccTLDってあったんだ・・・(確かになければおかしいか)と思いました.

いまにネット上の過去・現在の出来事を題材に,「ネット史版:ニュースな史点」ができあがるのでしょうか.



#7837 
徹夜城(某社のテスト採点作業に追われる管理人) 2007/10/22 14:29
ハラキッテ行こう!

 亀田大毅選手については弁慶のコスプレじたいに「縁起が悪いと思わないのか」とツッコんでおりました。五条大橋の演出だって相手が牛若だったらどうする、って話ですし。そして切腹ではなく「立ち往生」でギャグをとればそう悪くも言われなかったんじゃないかと。
 しかしまぁ世間というのは叩き出すとどこまでも叩きますな。ふりかえってみても「国民的悪役」のニーズと言うのは常にあるもんです。亀田一家の前は先代時津風親方、その前は朝青龍、その前はミートホープ元社長かな?ずーっとたどっていくと姉歯さんとかヒューザーの社長とか、もっとさかのぼって鈴木宗男議員とか(笑)。2ヶ月もすれば次の悪役に交代してほとぼりが冷めるんだと思いますね。


>切腹
 日本人と言えば切腹というイメージが世界的に広がってるのは確かで、三島由紀夫みたいに戦後の有名人の実例もあってなおさら浸透しているのですが、そもそも切腹が武士のたしなみみたいになったのは南北朝時代ごろなんじゃないでしょうか。
 「平家物語」で平氏一門は壇ノ浦で切腹ではなく入水自殺しています。これは平氏一門が天皇を抱えた「官軍」であるため腹を切って赤心を示す必要が無いから、という説明もあるようです。切腹ってのは「私の腹の中は潔白」を表明する儀式ということのようでして、江戸時代には主君の命で切腹する場合、潔白の主張である内臓の露出をさせなかったとか、そもそも実際には腹を切る前に脇差にてをかけたところで介錯していたという話があります。
 「平家」に戻ると、木曾義仲は自害しようとしたが果たせず矢で狙撃死してますけど、これもどうも切腹っぽくないんですね。後を追った今井四郎は「自害の手本を見ろ」といって太刀をくわえて馬から飛び降り、みずからを貫いて死んだ…と語られます。
 「太平記」になると鎌倉陥落の際に北条方の武士たちがやたらに切腹で自害するんですが、これも「賊軍」として討たれる立場だから、という解釈も出来そうです。しかしそうとばかりもいえず、楠木軍を攻撃する鎌倉幕府軍で真っ先に切腹で自害するやつが出てきます。護良親王の家臣・村上義光の親王になりすましての切腹自害も有名です(つまり皇族でも切腹がアリということになる)。また南朝の尊良親王は新田義顕に手本を見せてもらって見事に切腹してます。「太平記」は後世の加筆修正もだいぶあるとは思われますが、自害と言えば切腹、というのが常識化してるのが「太平記」世界だといえるでしょう。
 「室町太平記」でも書きましたが、主君の病死に殉じて家臣が腹を切るケースが室町時代になると出てきます。どうも細川頼之の家臣・三島外記入道がその第一号なんじゃないかと思えます。「明徳記」でこれが異例のこととして語られてますから。

 …とまぁ、「切腹」というだけで思いついたことをパラパラと書いただけでこれだけ出てきます(笑)。それにしても旧日本軍人、とくに陸軍軍人でも切腹自害のケースが多いわけですが、これはいつからそう「決まった」ことなんでしょうかね。文書化されたものはそれこそ無いんじゃないかと思うんですが…


>NFさん
 九州大Uターンで尊氏気分、ですか(笑)。しかし建武の乱の際の尊氏軍の東奔西走は日本史上まれなスケールの大軍大移動でありますね。その前後に北畠顕家軍も二度にわたって物凄い大移動をしておりますし…こういう南北朝のスケールが大好きな僕にいわせれば戦国時代の連中なんて小さい小さい(笑)。いま佳境の「風林火山」なんて「山梨と新潟の連中が長野県をめぐってケンカしてるだけじゃん」とか言っちゃうわけです(笑)。
 もっとも南北朝はそういう特殊性があるゆえに領国経営とか家臣団組織みたいなコーエー型SLGが実現不能なんですよね。そこが日本人にはマッチしにくいのかもしれんと。


>事務連絡
さっさと書くとか言ってて結局二週間近く遅れましたが、「史点」更新しました。
また史点過去ログも2007年6月までのが追加されてます。



#7836 
NF 2007/10/21 02:08
「腹を切って死ぬべきである!」

と言ったのは有名な諸派候補・唯一神又吉イエス氏ですが、確かに女性の「切腹」は普通はないと思います。義政の乳母(側室という話も)・今参局が日野富子の子を呪殺したという疑いをかけられ自害を余儀なくされた際に、憤懣の余り腹を切って果てたという話はあった気がしますがそれくらいですね。あとは喉を突いて自害とか、祈りながら介錯のみとかだったような。米国の某推理作家がある作品(推理小説という性格上、ネタバレを避けるため名を伏せます)で「女性のハラキリは喉を突くんだ」とか言ってたような気がしますし。



#7835 
問題児 2007/10/19 12:33
切腹

福原愛・選手「わたしは試合に負けても切腹はしませんよ」
なんか亀田さんとこの自称・弁慶クン(笑)の言葉が社会現象になってますが
愛チャンので、ふと思ったのは婦人が切腹てのは聞いたことがないので
切腹で殿方だけのもんなんですか



#7834 
NF 2007/10/18 23:26
九州Uターン

この間、出張で福岡まで行ってきました。関西から中国を経て福岡に至り、そこで現地の協力を得て一仕事して帰り京都で友人と会う。なんだか、多々良浜の尊氏気分を少し味わったような。そのせいか、新神戸(湊川)では神妙な気分になりましたけどね。尊氏気分ついでに現地で箱崎宮や香椎宮を参拝して来ました。あの周辺が多々良浜古戦場なんですよね。湊川周辺もそうでしたが、都市開発されちゃって当時の気分にはなかなか浸りにくかったのは止むを得ませんが。

>沖縄戦
まあ、日本軍が公式に自決・殺害命令を出していない事や、それと裏腹に日本軍内部に沖縄への蔑視・不信があってそれが背景になって軍人・兵士による現地民殺害やら自殺強要やらが起こっている事の二つはどちらの陣営も認めているのなら、純粋に事は現在における政治的問題ですよねえ。まあ、教科書はどうしても奥歯に物の挟まった表現にならざるを得ないでしょう。しかし、現地民内部や現地出身兵が云々という話からは朝鮮出身兵による蛮行云々という話ともども、小学校道徳教科書で読んだ「ざるどじょう」の話を思い出します。捕まってざるに入れられている沢山の泥鰌たち。みないずれ食われてしまう運命なんですが、その中でも大きな泥鰌が小さな泥鰌を圧迫して苦しめている。抑圧され差別された存在が、その鬱憤を晴らすために更に弱い相手を抑圧する…。やりきれないですね。

重苦しい話で終わるのも何なので話を転換。日本の右派がアメリカべったりなカッコ悪さ(仕方ないとは思いますが、カッコ悪いという自覚は持って欲しい)を嘆いていましたが、友人によれば「日本のナショナリズムがショボイのは昔からだからそう気にする事でもない」との事。
参照:http://trushnote.exblog.jp/7570986/
まあ、確かに神国である根拠が外国の悪魔と契約したからというのはカッコ悪いです。しかし、リンク先の推論が正しければ信長のやり口は義満より巧みかも。



#7833 
マルクスの恋人 2007/10/14 23:39
下地がなければ事件なし

確かに軍司令官や師団長クラス(それ以下ならどうかな?)が単に住民殺害を命じたことなどありません。
ただし、理由があればスパイと見なして殺してよしとする命令は出しているんですね。
その、殺してもよしとする条件の1つが「方言で話す」であったのは有名。地元住民が方言で話しただけで死刑ですよ! 多分九州あたりで本土決戦してても、薩摩弁で話しただけでスパイ扱いされることはなかったでしょう。ちなみに第32軍隷下部隊のうち、第24師団は北海道出身者を中心に編成し、満州にしばらく駐屯してから沖縄へ。第62師団は関西出身者を中心に、それも満期除隊者を再招集再々招集して編成(だから平均年齢が妙に高い)し、悪名高き大陸打通作戦に動員された後で沖縄へ。「敵地」で侵攻作戦やった直後だったことが意味深ですな。要は、沖縄も「敵地」扱いされていたようなもの(少なくとも指揮官の意識の中では)だったことが、住民殺害の下地だったことは指摘しないですませることはできません。大手金融会社の暴力取り立てが何件も発覚した場合、社長が直接具体的に命じてなくてもそんなことを起こさせるような従前からの営業姿勢が問題にならないはずがないように。
人間、わかりきっていた敵に攻撃されるより、信じていた味方に裏切られるほうが深く傷つくものです。例えばシベリア抑留中、ソ連兵から受けた行為よりも日本人(特に将校下士官・軍医といった、頼られる立場の人間)の振る舞いの方が証言記録に多いのも同様でしょう。



#7832 
徹夜城(今回の史点はさっさと書くつもりの管理人) 2007/10/14 23:21
ドラマ版「ラストエンペラー」

 ただいま怒涛の勢いで(1.5倍早送りで)見ているのが録画だめしていた中国のTVドラマ「末代皇帝」です。映画「ラストエンペラー」に対抗する意図もあって中国で製作された大河ドラマだったかと。民放BSで放送していたんで、今回初めて見ることになりました。
 物凄く大急ぎで見て、現時点で満州国崩壊、次回で「東京裁判」というあたり。青年期を後に康熙帝を演じることになる陳道明が演じており、満州国崩壊・シベリア抑留となるところで老け役の朱旭(「大地の子」に出てましたよね)に交代します。いきなり老けすぎですが(笑)。
 80年代末勢作ということもあり、かなりお堅い歴史ドラマなんですが、まぁまぁ面白く見てます。時代が近いせいもありますがなんせ監修に登場人物でもある溥傑さん本人がついてますから(笑)、ほぼ史実をいじらずに映像化がなされてます。溥儀の自伝を以前読んだことがありますが、それもかなり材料にしていると思われます。
 ただ元の話がおんなじといえばおんなじですから、映画「ラストエンペラー」で出てきた話はほとんどそのまんま出てきます。映画版との違いは家庭教師ジョンストンさんの出番がアッサリしていること、映画では坂本龍一が演じて印象の強い甘粕正彦や、「男装の麗人」としてスパイ女役にされていた川島芳子が登場しないことぐらいですか。甘粕の代わりに出てくるのは吉岡大佐ですが(映画でもちょこっと出てきた)、溥儀の自伝でも溥儀の周囲に出てくるのはいつも吉岡で甘粕は一度ぐらいしか出てこなかったはず。

 筋書き上当然ながら日本はかなり悪玉になりますが、通して見た印象としては中国で作ったものにしては日本軍関係の描写がヘンじゃない(完全に正確とは言いがたいけど)。ただ演じてるのは全部中国の俳優さんなのでたどたどしい日本語を無理にしゃべったり吹き替え(しかしやっぱりヘン)でごまかしたりと大変です。ずっと中国語で台詞をしゃべってるのに「ハイ!」と返事だけ日本語になったり。ああ、お約束の「ハカ!(バカ!)」もやたらに出てきますね。満州では日本人がやたらに口にしたため中国人が一番覚えた日本語だとか(略奪にあった地域では「メシ、メシ」が有名)。
 着物とか和風の風俗描写もヘンと言えばヘンなのですが、「ラストサムライ」並みにはなってるかな、と。

 さて、これを一気に見終えたら「海神」をなんとかしないと。もう13回分ぐらいたまっちゃってるぞ(汗)


>NFさん
 お返事が遅れまして〜コメントありがとうございました。「史点」はさっさと次の回を書いております。
 上越線沿線といえば、その上杉謙信の関東遠征も雪で埋もれる期間の「出稼ぎ」じゃなかったか、という説もありますね。上州あたりで奴隷市場が開かれてたりとか。
 西原理恵子さんの件ですが、「毎日かあさん」によると夫婦そろってミャンマーの寺院で出家生活を送られた時期があるそうで、ご主人の位牌に戒名(現地語で「賢いくん」だとか)を刻んでもらうべくいずれその寺院に行く予定なんだそうです。
 「宇宙世紀」ネタは次回の史点でもあるかと思われます(笑)。


>問題児さん
 沖縄の「集団自決」の論点についてはすでにモーグリさんが要領よくまとめておられますし、僕も次回「史点」でほかのこととからめてこの件に触れる予定でもあるので、ここではなるべく簡単に。
 まず保守派の間では「南京」なんかと並んで沖縄における日本軍の「蛮行」は絶対に認めないと言い続けているものの一つなんですね。まぁつまるところは命令があったのかどうか、という話にもっていってそこから全否定までもってっちゃう人がいるから困るわけですが。1980年代にもこの件が教科書から削除されて批判をうけてまた戻った経緯があるそうです。その後も検定の場では延々とその手の意見がつき続けていたようです。
 一方で沖縄側からすると日本軍が県民ぐるみで戦争(しかも本土決戦の時間稼ぎの性格が強い)に巻き込んだから多くの死者が出た、という思いが強いですからそこまで含めての「強制」にこだわります。「敵が上陸したら玉砕」と民間人も含めて事実上の指示をしているフシもあり、それが「命令」なのかどうかも論点でしょう。少なくとも今度の検定意見のように「日本軍」という主語をはずされることには警戒感を持つでしょうね。また「自決」という自主的に死んだような言葉を使われることに抵抗して「集団死」という言い方をする人もいるようです。
 またことはなかなか単純ではなくて、実際の戦場で状況が悪化してくるといわゆる「蛮行」は沖縄出身兵がやっていたケースも多いようで、「ヤマトンチュとウチナンチュ」みたいな単純な対立構図でとらえるな、との研究者の意見もあります。
 どっちにしても1ページ程度しか触れられない教科書だけでこの手のことを教えるのは無理ってもんです。いまどき教科書だけをうのみにしてる人もいませんし、影響力じたいはそんなにないです(みんなが教科書を信じてるならオカルト話にひっかかるやつがこんなに多いはずが無い)。ただ鬱陶しいのはこの手の話で教科書の影響力を過大評価して政治的に動き回る人たちですね。

 今回の動きはひとつには安倍政権下で功を焦った一部の文科官僚が進めちゃったものじゃないのか、という印象を持ってます。だから政権が変わった途端に「訂正を考慮する」方向になっちゃいましたし。政権次第でコロコロ変わるというのもどうなのよと言いたくなりますがね。だから検定制度自体やめちゃえばいいのに、と思ってるんですけどねぇ。



#7831 
問題児 2007/10/14 20:38
なるほど

イデオロギーに利用されやすい問題なのは何となくわかります。
ただ、教科書から、完全に削除してしまうのは、どうなんでしょうか。
そんなことをすれば、ひともんちゃくになるのは容易に予想できそうなのに
私も教科書に書いてあるから書いてないからとかで歴史が、そういうふう
だと鵜呑みする幻想はいだきませんけど。
教科書から抹消したのは旧日本軍・擁護の方向で関与は完全否定しての
行為、そういうふうにこれから教育していきたいのでやったのでしょうか
けっきょく教科書を作っているひとたちってそんなんですか




#7830 
モーグリ 2007/10/14 20:25
沖縄戦の論点について

>沖縄のひとたちが憤るのは分かりますが
>どうなんでしょうか、わたしは軍の強要だと聞かされていた世代なので
>教科書から省いた人の考えが理解できないのですが。

出来るだけ客観的に書きます。
問題は「沖縄守備隊の軍としての組織がいつ瓦解したのか」のかという点にあります。

日本軍が作戦として住民を虐殺したり、そのような命令を出した事実はありません。しかし、沖縄戦後半に軍の命令系統が組織崩壊した段階で、敗残兵が住民を殺害した事例はあります。これを日本軍によるものと見るかどうかが論点になると思います。
また、住民が疑心暗鬼で自決を強要したり、自発的にスパイ狩りをやった例もあるようです。当時の日本人は民間人も捕虜を許さない空気があり、サイパン島などでも民間人の自発的な集団自決が行われています。

戦後、反戦運動や本土復帰運動等で沖縄が反米・反体制運動の象徴として左翼に持ち上げられ、それに危機感を抱いた保守派が沖縄を批判し、さらに沖縄県民がそれに反発してイデオロギッシュな論争が繰り返される、という悪循環が起こりました。その結果、沖縄戦に関する話は非常にイデオロギーによるバイアスがかかり易い状態になってます。



#7829 
問題児 2007/10/12 13:28
沖縄戦の集団自決、軍が強要の記述を教科書から削除

沖縄のひとたちが憤るのは分かりますが
どうなんでしょうか、わたしは軍の強要だと聞かされていた世代なので
教科書から省いた人の考えが理解できないのですが。



#7828 
NF 2007/10/11 00:03
「史点」拝見

早速、関連して駄弁らせていただきます。

>上越線沿線
南北朝には両国で新田VS上杉だったり、戦国期には上杉謙信が侵入したり。昔からあの辺りは激戦区ですね。
>今はその一部が民主党に流れる構図になっている
足利幕府の権力争いで負けた有力者が南朝に流れるようなもんですね。しかし、民主党も南朝よりはずっと天下に近いんだから、長期的展望が問われる局面ですな。

軍事政権にも、「安定した支配をしてきた」という自負や言い分もあるでしょうし、難しいところですね。少なくとも軍事政権発足時点ではそうした考えだったでしょう。まあ、いつまでもそうしているわけにもいかんのですが。いずれにせよ、これ以上大きな犠牲なく進展する事を望みたいです。
>西原理恵子さん
亡くなられた御主人がかつてタイで出家していた経験があるそうですね。
しかし、仏僧による政治的抗議で思い出しましたが、我が国で公害が大問題になっている時期に、なかなか責任を認めず補償にも応じない企業側に憤ってか僧侶達が集団で会社要人達を公然と「呪詛」するという行動に出た事がありました。実際、何人かの要人が直後に亡くなっているらしく、かなりの圧力になったようです(「呪詛」で罪に問うわけにいきませんしね)。デモもさることながらこうした搦め手からの行動も効果的かもしれません。

>宇宙と資源
宇宙世紀が少しずつ近づいているような(笑)。そのうち、小惑星まで探査したりするんでしょうかね。



#7827 
徹夜城(顔文字をたまに使うこともある管理人) 2007/10/04 23:25
()=■=|/ (←ヒトラー?)

>NFさん
 ロベスピエールに爆笑しちまったんで、ひとつ無理矢理創作(誰かもうやってるかな?)。まぁその気になってみれば見えてくるかと。それにしても「にしこり」で松井秀喜というのは大発見ですよねぇ。
 「史点」ネタにしようかと一時思ったのが、こうした顔文字の元祖「スマイリー<:-)>」が25周年を迎えたという話題でした。こうして横倒しで表現するのがあちらの伝統ですが、日本にも<||:3ミ>←バカボンのパパなどの例があります。

 アベル=ガンスの「ナポレオン」、繰り返しになりますがいいですよ〜。ただし「ナポレオン伝」を期待するむきは失望する可能性大ですが…なんせイタリア遠征に出ることろで終わっちゃいますからね。あくまで「ナポレオンから見たフランス革命史」の映画としてみるべきです。マラー暗殺、ダントン処刑、ロベスピエールの失脚と処刑、細かいところでラ・マルセイエーズ誕生の場面なんて結構マニアックなシーンがありますし(笑)。
 マラー、ダントン、ロベスピエールの「三傑」を白黒無声の映像で見てると何やら記録映像を見ている錯覚にも陥ります(笑)。実際かなりドキュメントタッチの映画なんですよね。「劇映画」として出色なのは誰もいない議場に入ったナポレオンの前にマラー、ダントン、ロベスピエールの3人の幻影が現れ、ナポレオンが彼らの遺志を継ぐことを誓う場面でしょう。
 配役を確認したところ、アベル=ガンス本人はサン=ジュストの役で出てます。ロベスピエールのような気がしていたんですが、記憶違いでした。



#7826 
NF 2007/10/04 00:21
◎(●皿●)◎←ロベスピエールだそうです

>徹夜城様
ガンス「ナポレオン」があるんですか、テレビがないのはこういう時に辛い。長谷川「ナポレオン」でロベスピエールに惚れ込んだ(変な意味でなく)身としては、見て見たいのですが…。

>貴族と教養
 僕は、近代における政治家・実業家でなおかつ道具コレクター・大茶人でもあった益田孝や馬越恭平といったいわゆる「数寄者」を念頭においていたわけです。「保守派」は明治から戦前までを理想化するようですが、その時期の上層階級は案外と徳川期以前の伝統を大事にしていたような。有名作家の子や孫が議員になっているのも驚きましたが、本人達はどの程度そうした素養があるやら。そういや、そうした作家自身は漢籍の素養がある人が多かったんですけどね。「教養」が政治利用されるのは問題ですが、特権があるだけの人間が増えるのも「教養」が先細りになるのももっと問題な気はします。
 …でもまあ、王朝時代の貴公子たちも教養・素行とも褒められない人が多かったそうですね。特権を嵩に来て集団リンチ・拉致・暴行など胸糞悪くなる話も色々あったようで。そう考えると今の「貴族」はまあまだましなのかもな、とか思ったりもしますが。
でもまあ、確かに上層階級ができる事より下層のレベルが下がる事が問題なんですよね。始めからチャンスすら与えられない本人も不幸だし、人材供給源を失って基礎体力を失う日本にとってもよくありません。今の財界の偉い人たちは、その辺が分かってないのと違うかなあ…。

>トシヒサ様
はじめまして。僕は戦国についてはよく知らないのですが、調べて見たところでは
分家・日置家の祖であること、家臣が多く反乱に参加したため謀反を疑われ秀吉の命で自害させられたこと、実際には無実であり病で釈明のため参上できなかったこと、病で刀を握れず自刃の際に苦痛を味わった事から「戦の神」としてだけでなく「安産の神」としても信仰されたこと(平松神社に祀られた)、でしょうか。ただし、情報源がWikipediaなので、信頼性という点では問題がありますが(苦笑)。



#7825 
徹夜城(各国大河ドラマを見るのが大変な管理人) 2007/10/02 23:23
大河ドラマが多すぎて

 先日も書いたことですが、引越しを機にBSデジタルが見られるようになりました。で、民放BSでは放送するのにちょうどいいというわけなのか、中国や韓国の歴史大河ドラマを放送しているのです。大喜びで録画しつつ見始めたのですが、さすがに4〜5本ほど同時進行で見るというのは苦痛になってまいります(^^;)
 韓国ものですとフジテレビがやけに力を入れて放送(地上波でもやってますね)している高句麗建国者ドラマ「朱蒙(チュモン)」だけでも手に余る(80回ぐらいあるそうで)と思い始めていたところでしたが、さらにBS朝日で先日から「海神(ヘシン)」の放送が始まってしまいました。
 実はこちらのほうが以前から見たかったのですよ。台湾や中国でも放送されていたようで(中国ロケが多いためと思われます)中国のサイトでチラホラと情報を見かけていました。これは9世紀に東アジアをまたにかけた実在の新羅人大海商(海賊ともいえます)・張保皐(チャン=ボゴ)を主人公とするドラマでありまして、700年ほどの「時差」はありますが王直ら後期倭寇集団とよく似たテーマを扱っているんですよ。これは見なくちゃ!と思っていたところでした。
 BS朝日での放送は毎日なのでもう追いつかなくなってます(涙)。韓国歴史ものは「チャングム」も「チュモン」もそうですが、どうせ史実は詳しくは分からないので大胆に創作をほどこし、次から次へとピンチが見舞う雑誌連載マンガみたいな展開になるのですが、この「海神」も例外ではありませんでした。史実に絡んでくるのは後半からだろうな〜と思いつつ辛抱して見てます。序盤の3回だけ見ましたが、早くも少年張保皐が唐へ密航しようとしたり、唐と往来する海賊が襲撃してきたりと、僕の趣味直撃の展開になってくれてるのが嬉しい(笑)。3回のラストで子役から本役に代わりましたが、子役たちが結構よかったんで惜しい気もしますな。
 高句麗建国、つまり紀元前1世紀の話なのにとてもそうは見えない時代考証の「朱蒙」に比べると、「海神」は資料があるのか今まで見た限りでは「時代相応」に見えます。まぁこっちは王宮ドラマではなく地方の海辺、しかも海商・海賊なんかを扱っているせいもあるのかもしれませんが。

 このほか項羽と劉邦の「大漢風」、溥儀の「末代皇帝」、そしてDVDを入手した「大明王朝」とチビチビとあっちこっち見ている状況ですが、なかなか進みません(汗)。楽しいと言えば楽しいのですが、満漢全席を延々と食わされてるような感覚(笑)。
 なお歴史映画では、NHK−BSで先日に「ローマ帝国の滅亡」、昨日と今日の深夜にアベル=ガンス監督の無声映画「ナポレオン」を放送しています。今日の深夜にやる「ナポレオン第2部」は未見の方、オススメ。以前長谷川哲也の劇画「ナポレオン〜獅子の時代」の話題が出たときに書きましたが、この映画の「ナポレオンから見たフランス革命史」という性格は長谷川さんの劇画にもかなり影響を与えているかと思われます。さっき「第1部」を再見していたんですがロベスピエールの描き方なんかは特に似てるかも。肖像画のせいもあるんでしょうが、だいいち外見がよく似せてあります。


>古雑誌
 僕は先日神保町で昭和30年の「宝石」(推理小説雑誌)をルパン関係の資料として買ったんですね。そしたら坂口安吾が亡くなった直後で、江戸川乱歩の追悼文が載っておりました。そのときの「空気」に触れられるところがこうした古新聞・古雑誌の面白さです。
 以前戦時中の雑誌記事を大学のゼミで見たことがありますが、本文もさることながら「歯磨きの使命完遂!」などとライオン(このころすでにこの名前だったのですね)の広告が載っているのが非常に面白かったりしたものです。



#7824 
mozawa 2007/10/02 09:52
古書の保存って・・

民本主義者様
そうですね。興味あるけど、買える値段だけど(200円くらいでした)、買うからには資料として活用、保存する覚悟がないと、「宝の持ち腐れ」になりますよね。私には、一時の歴史探訪ができれば十分でした。

私の古書自慢
伯母から譲られた高等小学校裁縫の教科書です。戦前でまだ物資に余裕があった頃のもののようです。「着こなし、配色はパリーの女性が参考になります」とありますから。





#7823 
民本主義者 2007/09/30 00:15
追記

前記の古書自慢者は私、民本主義者です。



#7822 
2007/09/30 00:13
買うかどうしようか迷いますよね。

>mozawa様
私も近所の駅前地下街で開かれた古書フェアで、戦前の人文地理学の叢書を見つけて、おお!これは!と読みふけったことがあります。鶴見祐輔がアメリカ合衆国の豊かさをと多様性を強調しておりました。一冊500円でもちろん買えるんですけど、自分が買っても宝の持ち腐れになるんじゃないかと思って躊躇してしまうものなんですよね。

唐突に古書自慢。藤原弘達『創価学会を斬る』(日新報道出版部)を持っています。
1200円で買いました。この書物の出現が、この書物が警告的に予言していた未来の到来を結果的に防いだわけで、歴史の一部を所持したい!との思いだけで購入しました。骨董なんかにくらべたらずいぶん安上がりな趣味であります。
(1200円だけあって、内容はたいしたことないです。「神保町に掘り出し物なし」を痛感しました)



#7821 
mozawa 2007/09/28 17:12
戦中の雑誌

 現在の情勢と関係ない話で恐縮ですが・・・。
 本日、地元デパートでの古書展にさほど期待もせず行ってみましたら、戦中戦前の雑誌が結構売られてました。まず、中身を読む前に、「よくぞ焼けずに・・・」と驚いてしまいました。空襲をくぐり抜け、焚付にもならず。「歴史そのもの」と思いました。

 昭和12年と17年、たった5年間で全く違う内容。(世相を反映しています)昭和12年の誌面はカラーが多く、高松宮のアメリカ訪問、神宮での大学野球、イギリスの「王冠を捨てた恋」などが特集され、戦争の暗さは殆ど見えません。この4年後に米英と戦争をするとどれくらいの人が思っていたのでしょう? 17年になると、誌面はモノクロで「銃後の生活の心得」が中心になります。小国民のあり方、とか、もんぺの説明とか。衣料切符を返納しようとか。

 今から5年前の2002年といったらつい最近に感じますよね。殆ど何も変わっていないような。それとも、比べてみれば「変化」はあるものなのでしょうか。

 一番悲しかったのが昭和12年の大学野球特集。わずか数年後に同じグランドで学徒出陣壮行会が行われることを思うとなんとも・・・。こういうのも、後世から歴史を俯瞰する見方なんでしょうね。

 購入には至りませんでしたが、思わず有意義な時間を過ごすことができました。神保町に行かなくても見られた、というのが嬉しかったです。

 



#7820 
徹夜城(史点執筆のタイミングを考える管理人) 2007/09/27 23:32
ビルマとミャンマー

 ミャンマー情勢が緊迫してきて、どうも日本人ジャーナリストが巻き込まれて亡くなったりしているようで…この話題も史点的には情勢をしばしうかがいたいところですね。もしかすると急変があるかもしれませんし。
 ところでニュースでみても分かるように亡命して国外で民主化運動している人たちはもっぱら「ビルマ」と呼ぶんですよね(英米の報道もそう呼ぶみたいですね)。軍事政権が植民地時代の「ビルマ」をきらって「ミャンマー」に変えた経緯がそうさせているのですが、かえって旧称(?)の「ビルマ」のほうが“進歩的”であったりするところが面白い。政変でも起こったらまたビルマに戻ったりするんでしょうか。
 聞いた話ではビルマもミャンマーも「にほん」と「にっぽん」みたいなもんでどっちも昔からある言い方らしい。中国でいう「緬甸」はミャンマーの方の音だったかと。

 ところでそこから近いような遠いような、のネパールでは王政廃止がついに確実となったと報じられております。あの皇太子による王室一家惨殺事件のミステリーはその後どうなってるのかな…などと思うところも。


>トシヒサさん
 どうも初めまして。管理人の徹夜城でございます。「太平記大全」、お楽しみいただければ幸いです。完全版DVDが早く出るといいんですけどね〜
 島津歳久の件、戦国のほうは僕は苦手ですので、どなたか詳しい方、お答えくださいませ(^^;)

>ミッキーさん
 なるほど、ナチス内部でもいろいろと路線の思惑の違いはあったわけですね。確かに「社会主義」というのが計画経済・国有企業の体制を指すのであれば特に右だ左だという問題ではないでしょうね。まぁ、右・左も語源からしても時と場合により定義が難しくなりますが…
 安倍前首相の祖父・岸信介は「満州国は自分の作品」とまで言い切ったほど満州国の経済体制を整えた官僚なんですが、それだって多分にソ連的な計画経済であったと言われてます。またややこしいことに日本国内では左翼分子扱いされそうな人が満州国に流れて建設にタッチしていた部分もあるようで。そしてこの時の満州人脈が戦後日本の自民党による高度経済成長に関わっていく…というような話が「満州と自民党」(だったかな?)という本で出てました。
 ついでに書けば保阪正康氏の大胆仮説として「田中角栄は意図せざる社会主義者だった?」という一文もあったりします。

 昨日のNHK「その時歴史が動いた」はその田中角栄による日中共同声明がテーマ。まさか狙って作ったわけではないでしょうが、自民党総裁選で福田赳夫が田中角栄に敗れる場面の映像が出てきて、なにやら因縁を感じてしまったものです。票数も先日の麻生さんとかなり似てたような。



#7819 
ミッキー 2007/09/26 09:30
ナチス

社会主義だから左翼というのは間違いだと思いますよ。普通はマルクス主義をさすでしょう。ナチスは純血の民族共同体を意味することをヒトラーもオットーシュトラサーに語ってますが。それでナチス左派はソ連の手先として粛清されましたから。一番の対立はクルップなどを代表とする財閥をどうするかで左派はすべて企業は国有にすべきと要求したことから始まったわけで、もちろんヒトラーは拒否しましたね。ちなみにナチス最高幹部のオットーシュトラサーは粛清前に地下にもぐりこんどは反ナチ抵抗運動をおこなった事実があります。



#7818 
トシヒサ 2007/09/24 06:07
誰か、教えてください

始めまして、太平記で検索したらこのホームページにたどり着きました。
楠木正成が好きな僕には幼稚園の頃の大河ドラマの情報が、マメ知識と一緒に載っているのは感動ものです。夢中で読み漁っています。
そんな歴史初心者の僕ですが、
最近、島津家にも興味抱き色々と調べています。この家は資料が豊富だと言われているそうですが、義弘の弟の歳久についてだけは、ネットでも本でも義久の作戦参謀であった事と秀吉の籠に弓を射た事以外に全く情報がありません。どなたか、歳久についてお教え願えたら幸いです。



#7817 
たらちね小僧 2007/09/23 21:50
今の国会議員には、文学者の二世、三世もなぜか多いです。

みなさま、お久しぶりです。

自民党の与謝野馨氏は、与謝野晶子と鉄幹の孫で、
津島雄二氏は、太宰治の長女の夫、婿養子です。
太宰治は青森の大地主・津島家の六男に生れ、父は衆議院議員・貴族院議員で
兄も衆議院・参議院議員・青森県知事をつとめたそうです。

民主党には
「徳川家康」を書いた歴史小説家山岡荘八の養子、山岡賢次氏がいます。

ちなみに麻生太郎氏の妹の信子さまは、三笠宮寛仁さまに嫁がれていて、
その妹、容子さんは裏千家に嫁がれているので、
政治家と茶道とも、閨閥がつながっているんですね。

ますますもって、貴族院的ですかね。




#7816 
景虎 2007/09/23 07:18
古い家ですねえ

>天皇家
天皇家って確かに古い家ですが、神話を信じるなら出雲大社の出雲国造家の方がもっと古いんですよね。国造家の方は100代もいってませんが、昔の天皇は短期間で引退していましたから、そのせいでしょうか。

不思議な事に、出雲大社系の公式サイトでは、現代の国造については書いていないようですね。出雲大社も国造家も、右翼左翼にかき回されたくないのかも知れません。
右翼、左翼にしても、天皇家より古い国造家に出てきてほしくないのでは?という気もしますね。
神話を信じるなら、天孫族(天皇家の先祖)が、出雲から日本を奪ったことになりますし。

>日本の伝統
まあ、明治以降の伝統が悪いとも思いませんが、明治以前の伝統が不自然なほど出てこないというのは、確かにおかしいですね。
伝統文化を本気で学ぶ気がないとも言えますし、伝統文化の継承者側にしても、政治的な事に巻き込まれたくないという事情もあるのでしょう。



#7815 
小覇王 2007/09/23 01:08
それでも100代か・・

 >継体から125代?
 それでも100代も続いてるんですね。なげーな。確か早良親王とか天皇の諡号を送られた人もいますよね。自称天皇も含めると125人ぐらいいそうですが・・

 史点のイスラエルのネオナチの話はちょっとビックリしたんですが、今日「ニューズウィーク日本語版」を読んだらその記事が載っていました。ロシア系のユダヤ人というのはロシアではユダヤ人扱いされ、イスラエルではロシア人扱いされ民族とての自己が分かりづらいという状況にあるのだそうです。同時に思い出したのはアメリカの銃乱射事件の犯人だったりしたのですが。日本だと在日の方たちが似たような立場でしょうね。日本では韓国人扱いをされ韓国では日本人扱いをされるそうです。韓国で人気の日本人留学生というのも実は在日韓国人の韓国への留学生だそう。
 イスラエルのことについて言うと、WW2以降昔のようなあからさまなユダヤ人差別は無くなったと思うのですが(あからさまじゃない部分については知りません)、差別に耐えることで結束していた民族の団結や意識が今は希薄になってきているのでしょうか。エチオピア系の黒人ユダヤ人がヨーロッパ系の白人ユダヤ人より差別を受けているという話も聞いたことがあります。
 いずれにしろ差別や犯罪行為はいけません。ダメ!絶対!

 >「貴族」なら貴族らしくあってほしい
 現在日本の伝統や常識とされているものの多くは明治以降に成立したものだったりします。とくに保守派な人たちが声高に叫ぶようなものは。江戸時代には大衆文化だったのに明治以降、芸術にまつりあげられて逆に一般庶民から縁遠くなってしまったものもありますので、マンガやアニメ、ゲームなどにはそうはなって欲しくないと願うのであります。
 格差社会で問題なのは収入の格差よりも機会均等の格差であると思います。貧乏人の子供は世にでるチャンスも少ないわけで。学校の入学費や学費を親の収入に比例させるべきですね。
 政治家の世襲についていえば、いっそのこと貴族院を復活させるべきですよ。そして二世、三世はそこにいれて無償で審議させる。イギリスみたいに。まあ、イギリスの貴族院も存亡の危機らしいですが。
 誰が新総理、総裁になっても小泉氏以来三人連続で世襲が続くわけ(森さんもそうだっけ?)で、ほんとに平安時代のようです。はあ・・・

 相変わらず話があっちに飛び、こっちに飛びで脈絡がなくてすいません。 



#7814 
徹夜城(ルパンのために第一次大戦関連を勉強するハメになった管理人) 2007/09/22 23:43
継体から125代?

 昨日の自民党総裁候補の公開討論会で、皇室典範改正問題の質問が飛んだ時、麻生さんが言っちゃったんですよ、「継体天皇からは125代ずっと続いていると文書史料もある…」と。
 「神武天皇から」とはさすがに言わなかったところは勉強してるんでしょう(なんせ世の中には「神武天皇のY染色体」なんてことを皇位の根拠にする学者もいましたから。ああ、安倍さんのブレーンだったそうですがね)。継体天皇がその前の大王家と血筋が怪しいということも考慮のうえで言ってるのもまぁ良く知ってるほうかと。だけど「継体から125代」はいけません。今上天皇で「神武から125代」が正しい…いやまぁそれが「正しい」かどうかも分からんわけですが、少なくとも26代目の継体からは100代ということで。
 …ふと「百代説」を思い出しちゃったりして(汗)。

 ところでこの「125代」ってのも実は微妙な数字なんですよね。
 まず壬申の乱の一方の旗頭であった大友皇子(天智の子)を天皇と認めるかどうかで論争があった。結局明治になってから「認定」して「弘文天皇」ということになったわけです。ただ最近は大友皇子は正式に即位はしてなかったとみる見解が有力のようです(歴代天皇に「空白期間」を認めたくないために「天皇」とされてる可能性が高い)。
 それから南朝と北朝のどっちを正統とみなすかで代数が変わってくる。これだって南朝を正統としたのは明治の末、大逆事件の直後に「南北朝正潤論」が起こった後で南朝正統と決まってからのことです。
 さらに南朝正統とした場合、「長慶天皇」の即位を認めるかどうかの問題があります。これも大正時代に入ってから歴史学者によって即位が確認されたもので、現在使ってる歴代天皇の代数は大正以後という意外に最近定まったものなんですね。以前隊がドラマ「葵・徳川三代」でこのことを知らずにうっかり天皇の代数を現代の数え方で家康が口にしちゃう場面がありました。


>NFさん
 お読みいただき、かつ感想までお書きいただきどうもありがとうございます。
 「瀬島龍三」については、彼をモデルにした山崎豊子の小説「不毛地帯」が一応の参考になりますよ。まぁあくまで「モデル小説」なので実像の通りってわけじゃないですが。もっとも僕も小説のほうは読んでなくて、その前半を中心とした山本薩夫監督の映画版で見ているだけです。瀬島にあたる主人公は「壱岐正」という名前で仲代達矢が演じてまして、大本営参謀からシベリア抑留、その後の商社での戦闘機商戦と、ほぼ彼の生涯がそのまんま脚色されてます。ただし映画ではこの商戦における金銭疑惑で壱岐の友人の元軍人の幹部自衛官が自殺してしまい(史実でもそういう人がいます)、壱岐はこの世界に嫌気がさして退社、引退してしまう…というラストに変更されてます。そう考えると実在の瀬島さんのほうはえらく神経が図太かったと言うべきでしょうか。
 「史点」に書かなかったことですが、瀬島氏関連の一番の材料は共同通信記者達が取材した「沈黙のファイル・瀬島龍三とは何だったのか」(新潮文庫)でした。瀬島さんの死を受けて産経新聞社から自伝「幾山河」が再刊されてますが、こちらのほうがずっと力作です(笑)。インドネシア賠償ビジネスではスカルノとも関係があり、インドネシアの西イリアン攻略の作戦を立てた(というか太平洋戦争時の作戦の流用)のも瀬島氏だったという面白い話もあります。

 日本の「右翼」の、妙に近代的「伝統」ということについては、思い出すことが。
 12,3年ぐらい前だと思うんですけど、フジテレビ系の深夜のニュース番組(今のニュースJAPANにあたるが当時は安藤&木村コンビ)で「近ごろの若者右翼」みたいな特集がありまして、その中で出てきた右翼団体に笑っちゃったんですよ。入会の儀式がタキシード着て西洋サーベルを持って、ワインをそこにふりかけるってやつでして(笑)。これは極端な例ですが、どこかあるでしょ、いわゆる「右翼」(ヤクザ右翼は除く)の妙な西洋クラシックスタイル傾向って。これ以外にも日本の自称保守派が主張する「日本の伝統」とやらは明治以後のものがかなり多く、江戸以前の日本とは無関係のものが多いのです。
 だいたい「大和魂」なんて定義もあいまいなものはいつから言うようになったんでしょうかねぇ。今はスポーツ関連でよく使うようですが(ラモスもこの言葉にほれ込んだそうですが)、良く考えるとどういう定義の言葉なのか分からない。以前「VOW!」で「ハンガリー精神」という誤植に「大和魂みたいなもんか」というコメントがついていて爆笑したことがありますが、なんかそんなもののような。

 なお、相対性理論では「光速度不変の原則」というのが出発点になってたはずで、現在我々が認識する宇宙においては光の速さは不変と考えていいわけです。
 じつはさっきまで理科の授業やってたんですが(笑)、そこでの質量の説明は、「てんびん秤で比較して計測するものが質量」ということでしたね。それなら地球上で測っても月面で測っても同じであるわけです。今度の「原器減量事件」も複製のほうが「増量」した可能性もあるらしいですが、それでも今度はそっちの理由が説明できないのだそうで。


>elevaterさん
 ナチスは確かに正式名称は「国家社会主義ドイツ労働者党」と一見左翼政党っぽい名前ですが、共産党やソ連は敵視しましたし明白な民族主義を掲げていたのでやっぱり「極右」といわざるをえないところではあります。
 ただし、前にも書いたことなんですが「極右」と「極左」は両極端のようで限りなく近い存在でもあります。誰かの例えを引用するなら「蹄鉄の両端」だと。まったくの反対の端にあるのに非常に近い存在だということ。実際歴史をみれば極右から極左へ、極左から極右で立場を変えた人は多くいます。そして当人はそれを「転向」とはちっとも思ってなかったりする(笑)。
 日本でも戦前に「右翼」とされる人も実はかなり社会主義的な国家構想を持ってるケースがあるんですよね。戦前・戦中の日本軍部・政府がソ連を仮想敵にしつつどこか親近感(?)のような幻想を抱く原因もどっかそこにあるような気がして。また日本の共産党の方針がえらく「国粋的」ということもこの話につなげられるかなぁ…とも思います。少なくとも千島列島全部の返還を要求してるのはここだけみたいですし(笑)。



#7813 
elevater 2007/09/22 07:54
史点を読んで

史点更新ごくろうさまです。

>メートル法
日本も全部が全部、メートル法じゃないですね、工業製品、ネジや配管など工業部品はインチ表示、ガン関係もインチ派が大多数、まぁ、9ミリ弾もポピュラーな
ほうですが
日本人は38口径や45口径と表示される日本式インチ表示のほうが馴染みありそう
航空関係も米英のヤード表示、高度とかヤードで表示してるでしょう。
でもフランスは頑固だからメートルでやってたりして。エアバスという世界屈指の
航空メーカーがあるし。

>ネオナチ
ネオナチはヒトラーを生んだナチスとは別物と判断してもいいかも。
ネオナチって思想大別では極右に分類されることが多いですが
ヒトラーのナチスは漢字で無理に和訳したら国家社会主義なんとか党って正式名称
だそうで思想大別では左派なそうですね。



#7812 
NF 2007/09/22 02:55
ちょっと訂正。

「保守」の論説で宣長を引き合いに出したのは少数ですがあることはあった気がします。ただ、変に都合よく理想化しているようにも思います。たとえば、以下で僕が書いたような微妙にダメな一面を直視したりはしていないような(笑)。
http://www.geocities.jp/trushbasket/data/nf/dame07.html
http://trushnote.exblog.jp/7330644
http://trushnote.exblog.jp/7223008

政治家の条件に関しては、我ながら無茶を言ったものですが、食うのにも困って結婚もままならない人間が多い中で優遇されてるんだからこれ位はしてもらわないと。例えば和歌だって実朝とか宗良親王レベルなんていわない、尊氏レベルで良いのだから。



#7811 
NF 2007/09/22 02:42
史点、お待ちしておりました。

 拝見しての、感想と言うか駄弁を。
>瀬島龍三氏
昭和史には詳しくない身としては、訃報を聞いた際も「どなた様ですか?」というのが第一感想でした(苦笑)。案外間違った感想じゃないのかもしれませんね、こうしてみると(苦笑)。最近「総員、玉砕せよ!」を再読した時も思ったけれど、この時代ってとにかく陰鬱でやりきれない話が多いですからねえ。それで逃げてしまっている面があるかもしれない、自戒、自戒。まあ、瀬島さんはスネ夫くらいには「大物」かも知れませんがね。ところで、彼の周囲の人脈って、「華やか」というより「ドス黒く輝いている」って感じがするのですが(笑)。
>単位
今のメートルは光速との比較が基準なんですね。光の速さが変わらないものなのか、それとも変わらないと言う前提した上で宇宙観を構築しているのか、理系の話はよく分かりません(苦笑)。
>「ネオナチ」
「ユダヤ」といっても色々ですからねえ。アメリカ並みに「人種のサラダボール」担ってるとは聞いたことがあります。ところで、いつも思うんですけど、「民族の伝統」を重んじる右派の人々が実際に引き合いに出すのは近代以降ばかりなのは何なんでしょうね。時には自分の民族ですらないものが引っ張り出されている。日本の「保守」論客も西洋の哲学者やらばかり引き合いに出してる気がしますよ。たとえば本居宣長辺りが引き合いに出されたのを見たことがない。ま、ナチスがもてはやされるのは単純にデザインなどが「カッコいい」からなんでしょうけどね。個人的には悪役だからこそ映えるものじゃないかという気はしますが。そういや、「ヘルシング」の漫画もほぼ原作そのままで紹介されてはいますがハーケンクロイツだけは消されているそうです。
>ここ10年の総理たち
10周年記念企画ですね。こうしてみると年をとったなあ(笑)。安倍さんについては、左系メディアでも本人に関しては意外に同情的な記事があったりして驚いたものです。彼個人はいわゆる「いい人」だったのかもしれませんな、「本人の」スキャンダルは耳にしなかったところからしても。「ネット右翼」の間では、あの内閣に対しては矛盾する感情を持つ傾向があったような。法案通過については評価しつつ(先代からの仕事を無難にこなしたと言う点含め)も、相次ぐ閣僚スキャンダルや経団連との密着には強い反感があったようで。
話し変わって、先ほどの話題にも関連するんですが、いわゆる「右派」やら「保守」の「守り」「復興」させたい日本って何なんでしょうか?「大和魂」だの「道徳」だの形のないものばかりぶち上げてますけど、伝統精神なんて手近な伝統的日本文化から入らないと身につくわけないじゃないですか。特攻やら玉砕やら、そんな怖くて痛そうなものを好き好んで見習う人がそうそういる筈もなし。二世以上の政治家や実業界の御偉方は、率先して消えつつある伝統文化を受け継ぐ必要があるはずなんだけど、庶民の文化に圧力かけるばかりで彼ら自身の文化があるんでしょうかね。彼らの中で誰が和歌(特に古今集以降の技巧的なもの)を巧みに詠んでいます(中曽根さんあたりの俳句がせいぜいでは)?誰が茶の湯を宗匠並に嗜み自身でも創意工夫をしているでしょうか?歌舞伎はもちろん能・狂言を愛好し自らも舞えるような人がいるでしょうか?誰が日本音楽に長じ秘伝の曲を会得しているでしょうか?大和絵を描ける人がいるんでしょうか?「貴族」なら貴族らしくあってほしいもんです、格差が避けられないのなら。日本に住みながら他国の利益を優先させる人は論外ですが、「右派」(ネット右翼含む)も本当に日本の長い歴史を愛しているのか疑わしいのですよ。彼らの言う伝統は近代以降でしかない気がして。

…長い愚痴になって申し訳ないです。私生活で色々あったり気の滅入るニュースが多かったりで憤懣やるかたなかったもので。



#7810 
徹夜城(次のルパンコーナー更新のために「映像の世紀」を再見した管理人) 2007/09/20 23:36
史点更新

 ほぼ2ヶ月ぶりの更新です。もっともここ数年は8月以降半年ぐらい更新自体がストップするという事態が多発してましたから、自分としては良くやったほうです(^^;)。
 まぁとりあえず安倍内閣が一応存続しているうちには更新しないと、とは思っておりました。しかしなんだかんだで遅れてしまい、瀬島さんネタなんかもう古びちゃった感じです。
 他にも休載期間中の面白ネタ特集とかも予定していたんですが、とりあえず先送り。次回はネタが少ないかも、なのでその時にでもまとめましょうかね。
 そういえば「贋作サミット」、来年はホスト役が変わってしまうことに。だけどそのとき誰がやってるのか、現時点では予測がつきません。


>久々に南北朝ネタを一つ。
 このところルパン関係の資料集めに良く神保町に出かけていたのですが、そんななか某漫画古書店でこんなものを見つけてしまいました。

コミグラフィック日本の古典16「太平記」(暁教育図書、昭和63)
構成:辻真先・画:一峰大二

 コミックをベースに図版をふんだんに入れた児童向け古典紹介シリーズといったところですね。企画自体は珍しくもないのですが、一峰大二・画というところに僕は驚きまして。
 なんで驚くかと言いますと、この方、「怪盗ルパン」のもっとも原作に忠実な漫画版も描いてるんですよ(長らく入手困難でしたが電子書籍化で入手容易になりました)。これはまた凄い因縁だな、と思ったんですね。それというのもつい先日横山まさみち作画のルパン本を紹介する文で「この人は太平記も描いてまして」とか書いたばかりで、なんと二人の漫画家が奇しくも太平記とルパンという、一見なんのつながりもない僕の趣味の領域のどっちにも姿を現したからであります。
 この一峰版「太平記」、どうしても大ダイジェストにならざるを得なかったのですが、楠木正成の赤坂・千早の大奮戦に大きくページを割いてますね。建武中興以後はかなり駆け足で、中先代の乱がすっ飛ばされてしまい、護良親王を殺した足利尊氏のワル化がかなり強くなったように思います。新田義貞と後醍醐の死で実質終わっちゃってますしね。
 これで企画中の「漫画で南北朝!」のネタが一つ増えました(笑)。


>民本主義者さん
 どういう本かは見てないんですが、妙なところで明石散人さんの名前が出てきましたよね…
 まぁこの方、香港情勢がどうのといういたってまともなビジネス本も出されていたようなので、手広く書いているってだけのことなのかもしれませんが。



#7809 
民本主義者 2007/09/18 23:54
福田首相誕生なら必ず売れる本の対談相手は…

『一国は一人を以って興り、一人を以って亡ぶ 』という書籍が2005年にベストセラーズから発売されまして、福田康夫の対談を、衛藤征士郎がまとめたものです。
一国は一人を以って亡ぶ、というと私は呉三桂に関する俗説(なんでしょう?あの女がらみの鬱憤で城門を開いて云々は?)を連想しますが、それよりなにより、対談相手にご注目。よりによって、普段ほとんど表にでてこない、アノ人!

明石散人ですよ。

さあ、吉とでるか凶とでるか?



#7808 
elevater 2007/09/16 07:31
何回でてもいい?

小泉さん も何回も首相選挙に出て、やっとの思いで満願がなったと聞いてますが
小泉さんは郵政大臣のとき相当、郵政省にイジメられたらしく、そのリベンジが
一種、執念の原動力、という説も。
何回でてもかまわないんなら麻生さん も今度がダメでもアキラメなさそうな
キャラクターですね。この間だったか、外相、外遊先の余興で侍の仮装をやってましたけど私には、どうみても時代劇で御馴染みの「悪代官」にしか見えず
非常に面白かったです。
ミスター悪代官?麻生氏は、タフな代議士と個人的には思っています。



#7807 
NF 2007/09/15 21:57
「禁じられた遊び」(っておい)

流石というか、何でわかったんでしょう?徹夜城様。僕はてっきり麻生さんとばっかり思ってましたが。

安倍さんも運がないと言えば言えそうな。本人のせいだけではない問題に振り回された面がある気がします。まあ、それを払いのけられるだけの器でなかったのは事実でしょうし、タイミングが遅すぎるし早すぎる。

しかし、麻生さんがまさか「アリス」にはなれないとはね。まあ、原作も編集者と揉めて急に終了になったから仕方ないのかな、って何の話だか(笑)。

 生臭い話が多いですが、こういう時は、俗世間の話を忘れて古典にでも目を通して心を洗うのも良いかもしれません。そうですね、「大鏡」あたりはどうでしょう。兼通と兼家の関白争いや、道隆病死後の「七日関白」道兼や道長・伊周の争いとか…、ってあれ?



#7806 
mozawa 2007/09/14 21:53
慧眼

ですね。管理人様。
なんというか、虎視眈々と機会を狙ってたんだろうなあと思わざるを得ない福田氏の動きの速さ。角福戦争再び、という評論家が多いですね。

麻生さんは・・・、「辞意を知っていた」発言で後継をアピールしようとしたのかなあ。裏目に出ちゃいましたね。



#7805 
徹夜城(2日前の時点で賭けておくんだったかと思う管理人) 2007/09/14 11:54
三世から二世になるだけか

 昨日一日で「麻生本命」から一挙に「福田首相」方向に動いちゃいましたが、なんかそんな気がしたんですよね。12日の時点の肩書きでそう書いてたでしょ。
 どーも麻生さん、今度の退陣劇の裏で糸を引いていた感じがあり…待ってりゃ熟した実が落ちるように天下が転がり込んだろうに、どうも焦って動いた感もあります。事実そうかどうかはともかく党内でそう見られたのは間違いないでしょう。「麻生の三日天下」かな。下手するとこの人も「再チャレンジ」不能になるかもしれません。
 鳩山兄弟の弟さんのほうは常に「負け馬」に乗り続ける悪い癖があるような気がするなぁ…(笑)。



#7804 
elevater 2007/09/13 13:05
政権移譲

>首相辞任
今日の午前中、当人が病院へ検査へ、場合によっては入院、と報道。
ひところまえは、政治家が入院というと汚職の追及の手を逃れる手段に
なっていた時期もありましたが、今回は、本当なんでしょうね、体が
もたない、というのもわかる気はします。

>ジャッカルのモデル
ジャッカルのアダ名の南米出身でフランスに現在、収監中のテロリスト
カルロス。彼の仇名はフレデリックフォーサイスの同名小説の主人公の
ように非イデオロギー系テロリストだから付けられたわけで
作家がカルロスをモデルにしたわけではないでしょう。
カルロスのテロ歴はフォーサイスの小説より時期的に後です。
カルロスの逮捕ではフランスは、かなり強引にやってのけたみたいですね。
そんなに昔のことでもなかったような。フランスはアメリカのCIAやFBIほど
強硬なアクションはやらなさそうに見えますが、仏憲兵突入隊GIGNには自由な
現地行動権限がもたされていて、ドイツの似た隊GSG9には海外で活動する
権限が少ないのと対照的。
いくら仏でテロやったテロリストの拘束とはいえ現地の国の当局をシカとして
カルロスのガラをかっさらっていったわけですから中々。
もっとも、そのころにはカルロスも往年の精気が衰えていて捕まえやすかった
と聞きます。




#7803 
小覇王 2007/09/13 00:05
タイミング、それが重要だ

 早晩辞めるだろうとは思ってましたが、こんなタイミングで辞めるとは思いもしませんでした。参院選ボロ負けの後でやめず、組閣をしなおし、新しい農水大臣が一週間ちょいでやめても自らは辞めず、所信表明までした後でまさか国会中に辞めるとは思わんでしょう。もっと早く辞めていれば責任を取って、といえたでしょうが今はむしろ責任を放り出して辞めた、といわれてもしょうがないでしょう。一部では政治家としてももう終わり、などといわれているみたいですが、年齢的にはまだ若いわけで、ここから復活して妖怪の孫振りを発揮できるかどうか。いずれにしてもしばらく政治から眼が離せませんね。



#7802 
徹夜城(本命は元首相の息子かなぁ…と思う管理人) 2007/09/12 23:41
ジェームズ・ボンドも言ってました

>mozawaさん
 「サヨナラ」はやはり知名度の高い日本語でしょうね。「007は二度死ぬ」でもボンドがマネー・ペニーに別れ際に口にしてました。もっともこの映画はボンドが日本人になりすまして「ドーモドーモ」とか言うトンデモシーンがあるわけですが(笑)
 「スシ」といえば…やっぱり「マダム・スシ」は嗅覚が鋭いことを改めて示してしまいました(笑)。常に沈む船から逃げ出して勝ち馬に乗るという、なかなか日本政界では珍しいキャラかもしれません。



#7801 
mozawa 2007/09/12 22:35
SAYONARA

はそんなにメジャーな日本語なんですね。SUSHIみたいなものかな。

辞任については、つい今しがた知りました。。1時過ぎに家を出て帰ってきたのが8時、サッカーを見ていてその間ニュースに全く触れなかったので浦島太郎状態でした。そういえば午後通りかかりで見たTVで小沢氏が喋ってたんですけど、辞意表明に対する感想の会見だったんですね。全く気にもせずに素通りしてました。呆れたというかなんとも。。。引き際、とか以前に無責任といわれてもしょうがない面はあるかと。

 >戦後腹切らなかった要領の良い人々
 この中には首相の祖父も含まれるわけで。。。
 孫の坊ちゃまは百戦錬磨のおじいちゃまその他に守られて育ち、ひ弱なのね、と短絡なことを考えてしまいます。



☆歴史のトップページに戻る
<<<過去ログ7900〜8000
過去ログ7801〜7800>>>