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#8600 
徹夜城(ぼちぼち「列伝」作業を再開する管理人) 2009/10/31 20:09
妙吉について

>坂東太郎さん
 これはどうも。思わぬところでまたこちらに迷い込まれたようで(^^)。ちょうど先日ミネルヴァ日本評伝選で「北畠親房」が出たので、その親房をはじめまだまだ大物が残っている「南北朝列伝」作業を再開しようとしていた矢先でした。

 妙吉のことはたまたま大河ドラマに1回だけ出てくるから項目を作ることになったんですけど、調べてみて「そんなことがあったのか」と僕も驚いたんですよ。そんな「名僧」と同一人物説があるなんて、と。
 「鎌倉大草紙」がそう書いていたせいか、両者を同一人物とする事典類があったようで、新潮古典文学大系「太平記」の脚注でも妙吉の経歴について「名僧伝」の妙浮フ項目を参照した記事を載せています。同一人物説というより、完全にそう思って何の疑問もなく書いちゃったみたいです。

 で、僕もあの「列伝」作業でその脚注を見て「そうかぁ?」と思いまして、ネット検索であれこれ調べたわけです。すると、次のようなサイトを発見したのです。
 http://www.kagemarukun.fromc.jp/page020.html
 ↑このサイトの安国寺についての文章の中で、「妙吉問題」について詳しい説明があり、「現在では大同妙テツと妙吉が同一人物であるとする見解はほとんど支持されていない」と紹介しています。僕自身は日本中世史は素人の横好きでやってるにすぎないので学界動向などはわからないのですが、このサイトの方はちゃんと調べたうえで書いているようで、十分信用できると判断しました。


>近況
 BS民放は韓国ドラマなら一定の視聴率が見込めると見てるのか、最近やたらに時代劇を流しますねぇ。もうHDDレコーダーの容量不足との戦いの日々ですよ(笑)。
 「大王世宗」に「淵蓋蘇文」を毎日放送して大変なことになってるところへ、先日まで「風の国」を放送していたBSフジが今度は「善徳女王」を放送開始。こちらは週1ペースだから助かりましたが…。それにしても韓国はちかごろ古代三国から李朝時代までまんべんなくやたらに作ってますねぇ。



#8599 
坂東太郎 2009/10/31 01:01
久しぶりに書き込みします・・・

ご無沙汰しています。今年の正月ごろ、明徳記について教えていただいた坂東太郎です(^_^;)
実はまた少し助けていただきたいことがありまして・・
南北朝時代の禅僧・妙吉について調べています。
http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000039893
↑こちらに妙吉と妙浮ェ同一人物だという説が述べられていまして、二人の経歴がまるで一致しないので、本当かな?と思っていたら、貴サイトの南北朝列伝にたどり着きました。
学術書を多数めくっても載っていなかったのに、貴サイトの妙吉伝にはきちんと疑義が根拠を付して載せてあって、すばらしいのですが、それ以前に(失礼かもしれませんが)本当に驚きでした。
お伺いしたいのは、妙吉=妙浮ェ虚説であるという根拠としては、述べておられるように「園太暦」が「妙吉」と記載しているということが一番だと思うのですが、参考までに「否定的にみる意見の方が強い」と書いておられますが、その否定的な意見を述べている文献をご教示いただけないでしょうか。
(かなり渉猟しても探せなかったもので・・)
困ったときだけ訪問して、恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

http://mixi.jp/show_profile.pl?id=19638025


#8598 
徹夜城(本職は後期倭寇研究者のつもりの管理人) 2009/10/25 23:57
NHK教育で「倭寇」特集

 昨日、マイミクの方に教えていただくまで不覚にも気づかず、こちらに事前に告知ができなかったことが悔やまれます。
 先ほど放送が終わったのですが、NHK教育の「プロジェクトJAPAN日本と朝鮮半島2000年」シリーズの一本として「倭寇」をテーマに取り上げていました。倭寇だけで1時間半もある番組なんて初めてじゃないかなぁ。
 あくまで「日本と朝鮮半島」がテーマなので、倭寇といっても14世紀のいわゆる「前期倭寇」の話だけです。「後期倭寇」をメインにしている僕としてはそっちまで話を持っていけば面白いなぁと思っていたのですが、さすがにそこまでは…ただ世界観的には「前期」も「後期」もつながるものだと思ってます。

 まず前座として鎌倉後期の東シナ海貿易の隆盛ぶりを紹介。日本人も案外知らないのですが、元寇以後も交易や文化交流自体は盛んにやってまして、鎌倉から南北朝にかけても日本国内における「国際色」は実は想像以上に濃かったんですよね。
 その前座から、「倭寇」の問題に入っていく、という構成でした。倭寇の発生は1350年代から盛んになり、その原因には南北朝動乱、おそらくは「観応の擾乱」の発生があるのだろうとは以前から言われてまして、番組でもその線で。たださすがに村井章介先生、それ以上明確なことは不明、というスタンスで話をされてました。
 村井先生が出演する以上、話はボーダーレス、マージナルな民族雑多状態(もう少し正確を期せば現在とはまったく異なる帰属意識)の倭寇の性格を強調した内容になってました。前期倭寇の「アキバツ」についても済州島のモンゴル系の人々が倭寇と結びついたという説を紹介、さらに内陸深くまで騎馬隊で活動する倭寇の実態は現地の人間がかかわってなければ理解できない、と解説されてました。
 ただこれも予想できたことなんですが、一緒に出演されていた韓国側の先生は「地元民がいたとしても捕らえられ強制されたもの」「九州の豪族など組織的勢力が主体と考えればこの活動も説明できる」と話し、一応「両論併記」でまとめてました。これはもう二十年ぐらい平行線な話題なんですよね。まだまだ韓国では「自国民が倭寇に協力するはずがない」という前提で語る傾向が強いようで。同様のことは後期倭寇における中国の一般イメージ(学術的にはまた別)にも言える問題です。
 番組では村井先生がちらっと対馬と済州島の結びつきに言及しましたが、済州島民が「倭語」(日本語とは限りません)を習い、その習俗を学んでいたとか、高麗側の証言で現地の被差別民が倭寇に合流しているといったものがあることも紹介してほしかった気はします。被差別…といえば、だいぶ時代は違いますが新羅時代の大海商チャン=ボゴの件に触れて、彼が被差別民出身であった可能性が高いという指摘が出てきたところは興味深いものがありました(韓国で作ったドラマでも奴隷だったもんな)。

 ドラマといえば、いまBS日テレでやってる「大王世宗」の映像がちらっと。世宗時代の対馬攻撃のシーンが一足先に見られてしまいました。もっともあれは太宗のほうが強行したみたいなんですけどね。
 さらにドラマといえば、南北朝争乱に触れたところで当然のように「太平記」の映像が大量に使われました(真田広之の顔はボカしたけど)。元寇・倭寇の映像では「北条時宗」「琉球の風」も使われてました。

 14世紀の末に明の勃興、朝鮮王朝の成立、南北朝統一といった国際情勢の変化・再編のなかで倭寇は下火になっていく…という形でまとめられてました。この辺は、当サイトの仮想大河「室町太平記」のテーマそのものでもあります、と宣伝(笑)。
 ただそれからおよそ150年が過ぎたとき、日本が戦国時代の混乱に入って「後期倭寇」が起こってくる。そのとき朝鮮半島への侵攻も起こり、対馬・五島・博多の人間たちの複雑な動きが出てくるわけです。その「再燃」についても触れてくれれば…というのは欲張りすぎでしょうか。
 まぁ総じて要領よくまとめてあったと思います。僕には知ってる話ばかりなんですが、「倭寇」ワールド初心者という方にはなかなかいい内容だったかと。

 …「俺たちゃ海賊!」コーナーもいいかげんなんとかせんと(汗)。フランスの盗賊の話ばっかやってる昨今の自分を反省。



#8597 
徹夜城(新型インフル感染を恐れる管理人) 2009/10/23 00:28
広がってますねぇ。

>mozawaさん
 まず新型インフルの話から。いやぁ、実際こちらの方面でも感染が拡大しておりまして、塾業界にもある程度影響が出ています。感染した当人はもちろんのこと、学級閉鎖になるとそのクラスの生徒も実質外出禁止になっちましますから。学年閉鎖の事態になったら塾としても仮休業せざるをえないところでしょう。
 僕は千葉方面にも勤め先がありまして、その周辺でかなり感染が拡大してます。実際教えてる生徒でも何人かかかりましたから。まだ塾のスケジュール自体は変更に追い込まれてはいないのですけどね。
 僕自身は基礎疾患があるので、正直感染は怖いです…まぁ季節性のインフルエンザだって怖いことには変わりはないのですが。それにしても実際身近に広がってくるとその感染の強さには驚かされます。四月ごろ「日本上陸第一号」で大騒ぎしていたのが今になってみるとバカみたいではありますが、ほんの半年前のことなんですよね。

 「新・三銃士」はたぶん過去のNHK人形劇を相当に意識して製作してると思いますよ。とくに「三国志」以前のものでしょう。僕は直接見てはいませんが、「新・八犬伝」あたりにノリが近いらしい、という話も聞きます。
 原作とキャラは同じでも話や設定はだいぶ変えているので原作ファンには抵抗があるかも。ただパリの天にも届かんばかりの大王宮を見るともうこれは別物の、なかばファンタジーとして作ってます、という気もしてくるんですよね。
 人形は過去の人形劇と比べてもより「人形くさい」。木目をわざわざ見せてますし、体型もかなり人間離れしてるものが見られます。その一方で背景の美術が素晴らしくリアルで、独特の映像世界を作ってます。
 僕は録画して数日遅れで観ているのですが…かえって驚かされたのが、ダルタニアンの憧れるヒロイン・コンスタンスが原作どおりに「人妻」設定であること。それもなんでこんなやつと結婚したんだ?と思うばかりの組み合わせの夫婦というところも原作通り。いやぁ、子供向け三銃士だとたいていここは設定変えちゃうんですよね。アニメ三銃士では夫婦じゃなくて父娘にしてたはず。
 そこをしっかり原作どおりにしちゃうというところに三谷流のひねくれを感じてしまうわけですが(笑)。NHKもよく通したな。まさか裏設定があって、実は…なんてことになるんじゃあるまいな。




#8596 
mozawa 2009/10/21 13:18
三銃士 見たくなりました

お久しぶりです。ご無沙汰しています。
NHKの三銃士、三谷さん脚本だったんですね。舞台「彦馬が行く」などでの三谷さんの歴史パロディは大好きなので、管理人様のお話を伺ったら見たくなりますねえ。あとは時事ネタも面白そう。
過去のNHK人形劇へのオマージュも感じたりして。。。先日プリンプリン物語をwikiったところ、ピノチェト独裁、ダイアナ妃婚礼、李承晩暗殺などをパロった回があったそうなので、時事ネタを挟むあたりにそれを感じました。ギャグが入るのは、三国志にもありましたよね。紳助竜介の影響を受けて関西弁になってしまう張飛、というシーンを覚えてます。

オリンピックの招致とオバマ平和賞
本当にぴったりのタイミングでしたね。といっても、そう思ってるのは日本側だけでしょうけど。確かに、東京よりははるかに意義があるし、市民の賛同は得られそう。朝日新聞に、北九州(小倉)市が賛同したい、って載ってました。で、福岡も巻き込めば、ありじゃない?って私は思ってしまうのですが・・。ぴったりのタイミングといえば、「沈まぬ太陽」公開と日航再建話のリンクも気になる今日この頃です。

話は変わりますが、管理人様の職場でインフルエンザの影響はいかがですか?私の市は県内一の流行規模となっており、学年閉鎖が相次いで塾にも影響が出ています。。東京で満員電車に乗るより、地元で中学生と接する方が感染リスク高いんじゃないか、と思ってます。(うちは個別指導なので)




#8595 
徹夜城(ここしばらくルパン関係に集中の管理人) 2009/10/18 22:12
三谷版「三銃士」

 NHK久々の人形劇シリーズ「新・三銃士」が先週始まりました。すっかり見逃していたのですが、昨日の土曜日昼に5回分一挙再放送がありまして、まとめて観ることができました。

 う〜む、ずいぶん原作を変えましたねぇ。ダルタニアンの父がロシュフォールと決闘して殺される、銃士隊はいったん解散させられててダルタニアンが浪人化していた「三銃士」を集めて再結成する(この辺は「仮面の男」に近いな)といった改変が見られます。それでもバッキンガム公の伏線も出てきたし、ストーリーの基本線は守っていくんでしょうね。
 細かいところでギャグがしょっちゅう入るのは、児童向けということもありますが、やはり「三谷節」というやつでしょう。ダルタニアンの父が死ぬ間際に「歯を磨けよ…風邪をひくなよ…」ときて、「風邪の予防には手を洗うのが一番。最低三十秒…」などといきなり時事ネタをふってきたのにはビックリ(笑)。深刻な場面なのにギャグを入れるのは手塚マンガみたい。
 時代劇の「お約束」をパロったシーンも目立ちますね。ダルタニアンが「この老人が元銃士隊長に違いない」と見て(実際そうなんですが)、とぼける相手の正体を現してやろうといきなり後ろから棒で殴りかかる。当然見事に反撃するか…と思いきや(塚原卜伝なら鍋のふたですな)そのまんまボコッと殴られてしまう。意識を取り戻して一言、「そういう時は覚悟〜!とか声をかけるものだ!」(爆笑)

 ナレーションでも過去の三銃士ものについて触れるくだりがありましたが、確かに「三銃士」ってのも東アジアの三国志なみにいじられ続けている素材でありますね。今回原作を変えてる変えてる言ったって、アラミスが女になっちゃった「アニメ三銃士」や、ルイ13世がリシュリューをセーヌ川に突き落とすディズニー実写映画を見た者からいわせれば、まだまだです(爆)。
 イギリスで作った映画「三銃士」が原作をうまく改変したドタバタ喜劇でありながら原作のエッセンスをもっともよく出した例だと思います。けっこうマメに映画をチェックしてる三谷さんですから、このノリで行こうと思ったんじゃないかなぁ…
 本国フランスではまだ一回も映像化したことがない、という話をだいぶ前に聞きましたが、今もそうなのかな?



#8594 
tomohiro 2009/10/16 21:16
台湾の方が好きになれないなあ。

最近、ネット上で亞細亞の人とつきあいがあるのですが、
どちらかといえば韓国の人の方が日本に順応しようと
頑張っている感じがします。
右の人たちが心酔している台湾ですが、
彼らは日本で受け入れられない事を
日本人の閉鎖性のせいにすることが多いです。
仮にも親日国のはずなのに、
受けいれられない、なじめないということばかり口にする
人々を有る程度大目に見たりは出来るのでしょうか?
反日といわれる韓国ですが、
其れとは逆に日本に受け入れて貰おうと努力する顔もあるから
不思議です。現在人気の東方神起だってそれなりの地位を得て
紅白に出場しているじゃないですか。
臺灣の人たちは日本のことはそれほど深くは考えていないのでは。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8593 
徹夜城(偉大なる先達の逝去を悼む管理人) 2009/10/15 00:23
倭寇研究の大先達が…

 もう日付も変わってしまいましたが、今朝の朝刊(14日付)のおくやみ欄に「田中健夫」先生のお名前が。12日早朝に亡くなられたそうです。86歳。
 田中先生は日本中世史・対外交渉史の専門家で、倭寇研究をやってる僕はその論文や書籍にかなりお世話になってました。一般向けに書かれた倭寇通史である名著「倭寇」(教育社)でも知られます。とくに前期倭寇に関してその民族雑多ぶりを最初に具体的に指摘されたことはその後の倭寇研究史に大きな影響を与えたと思います。つつしんで、ご冥福をお祈りいたします。


>久々にTUTAYAに出かけ。
 7月に更新が切れてから行ってなかったんですが、そろそろ「太祖王権」の続きでも見るかと出かけてみたところ、韓国歴史ドラマの棚の充実ぶりに唖然。こんなに作ってるのかよ、韓国!またそれがいずれも輸入され販売・レンタルされているところに韓国時代劇の勢いを感じますね。あんまり多いんでいわゆる「韓流ドラマ」(現代劇)とは別の棚にされていました。
 また、この手の時代劇は数十話は当たり前、100話を越すものもザラにあるという恐ろしい業界なので(太祖王権なんて200話)、スペースをやたらにとるんですな。こんなのまとめ買いできる人はそうそういないでしょうから(金と置場の問題が)、レンタルチェーンにとっては美味しい商品なのでありますね。
 古代三国から新羅・渤海・高麗・朝鮮とまんべんなくありますねぇ。また「高麗の二代目」とか結構細かい素材が多い。朝鮮王朝時代なんて全部の王をドラマ化するんじゃないかって勢いですね。
 見られる機会が身近にあるというのはうれしいんですけど、「歴史映像名画座」製作者としてはとても見きれない、という恐ろしい状況。

 韓国時代劇だけじゃありません。その隣の棚には「大明帝国・朱元璋」が!あ〜よかった、これ見たかったんですよ。というわけで、それと「大祚栄」の第1巻をそれぞれ借りてきました。肝心の「太祖王権」は誰かがごっそり借りてて続きが見られなかったもので。



#8592 
徹夜城(久々に栄耀映画伝言板に怒涛の書き込みをした管理人) 2009/10/11 21:03
サプライズ効果、ってやつでしょうか

>オバマさんに平和賞
 ま、ノーベル平和賞はこれまでも何かと物議をかもし続けてますから。ただ僕なんかは割と素直に「おお、その手があったか」と思っちゃいましたね。
 なんといっても核兵器の話ですからそう簡単にはいかないだろうし、その完成を見てからあげるんじゃいつになるかわからない。今年のプラハ演説と国連決議だけでも歴史的には違いないのであげるなら今年しかない、という判断もあったでしょうね。
 直前まで有力候補なしという下馬評でしたが、あれもブラフだったのかな。オバマさんには候補者になってることすら伝えてなかったそうですし、サプライズ効果をかなり狙った演出だったと思ってます。
 別にそれと連動したわけではないんですが、タイミング的に連動になってしまったのが広島・長崎の五輪招致。まぁ東京よりはアピールになりそうな、とは思います。

>南北朝本
 週刊朝日カルチャーシリーズで「名将の決断」というのが出てますが、先週発売された第30号が「足利尊氏・河合継之介」でした。このシリーズ、勝者と敗者を一人ずつとりあげてセットにする趣向なのですが、この両者を組み合わせた意味は別にないようですね。内容は…ページ数のせいもありますが、僕にはイマイチ。勝ったところまでの話しか基本的にしないですしね。
 見逃してましたが第20号で楠木正成が、今後発売の45号で足利義満、47号で新田義貞がとりあげられることになってます。見れば南北朝人物はみんな「勝者」の枠に入ってます。

 朝日の週刊シリーズといえば、マンガ日本史でしたっけ、児童向けのそんなシリーズも始まりましたね。足利尊氏と足利義満が出ることは決まってまして、そのうち「マンガで南北朝!」コーナーでとりあげられそう。尊氏はどっかでイラストが出てましたが、まだ「尊氏=ザンバラ髪」というイメージは濃厚にあるんですねぇ。

 ミネルヴァ人物評伝選の新刊で「北畠親房」が出てたんで、即買いしました。このシリーズはタイトルにその人物が言った、あるいは書いた言葉をつけることになってますが、やっぱり親房は「大日本は神国なり」でした(笑)。
 途中まで読みましたが、森茂暁さんが「皇子たちの南北朝」で主張していた、親房と護良親王の関係は薄かった?説にはここでは疑問が呈されてますね。
 ぼちぼち「南北朝列伝」の更新をしようか、その第一号はやはり親房かな、と思っていたところへ見事なまでのグッドタイミング(笑)。ルパンコーナーでも「緑の目の令嬢」の更新をようやく終えましたし、こちらも動こうというわけで。



#8591 
ひで 2009/10/09 23:04
ウィットフォーゲルは水の理論。アントニオ猪木は風車の理論

タイトルと投稿内容は全く関係ないのはさておき。

日本人の受賞がちょこちょこあったり、春樹タンが候補に挙がったりしてなにやら騒がしかった昨年と比べて、今年はやけに静かなノーベル賞の話題ですが、オバマさんが平和賞取っちゃいましたね。そりゃ、核廃絶に向けて動き出したと言うことを評価したのかもしれないけれど、それに関して具体的に何かを成し遂げたというわけじゃないし、他のことも特に何か変わったわけでもないし、ちょっとフィーバーしすぎなんじゃないかという気がしますが…。



http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#8590 
tomohiro 2009/10/09 19:40
小覇王氏の話題にちなんで。

先日の小覇王氏の話題に因んで常々
考えている事があるのですが、
先日の韓国映画の話題ですが、
こういった映画を叩く人のことを
批判する人がいますけれども、
彼らも度を超している感じがします。
こういうInternetの書き込みなどを見て
「日本は保守化・右傾化が進んでいて
そう言った連中にミスリードされ、
なおかつ極端に右傾化している。
ジョン・ラーベという映画が放映されないのは
こういった連中が暗躍しているからだ。」
と主張しているのです、
またそのなかの反米的な思想をする人間は
「これはアメリカが操っているからだ。」
という意見もありました。
批判は御尤もです。でも、全てが極右のせいなのでしょうか。
私も極右には批判的ですが、
あまりにもオウム事件の後遺症で
過激なことを言うことにナーバスになっているのは分かりますが
こういうこんきょのない過大評価的な批判はいかがだと・・・。
最近右傾化の危なっかしい時代は過ぎたのに
1の恐怖を5にとってあおり立てている感じです。
その極右も冷静に考えるとたいしたことがないという
言葉をハッスル人々の事は無視するのかもしれません。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8589 
徹夜城(久々にほぼ一週間で史点更新した管理人) 2009/10/08 23:54
このところよく映画を観てます。

 …その割には栄耀映画のコーナーをすっかりほったらかしにしてますが(汗)。イカンなぁ、なんとかしないとと思いつつ… 
 先日の「グッド・バッド・ウィアード」のあとに「カムイ外伝」も見に行きましたし、HDDレコーダーに録ったまんまになっていた韓国映画「大統領の理髪師」、黒澤明の「一番美しく」「わが青春に悔いなし」など、次々とまとめて観ました。種種雑多という感もありますが、広義でどれも「歴史がらみ」になってますね。黒澤映画の2本も戦中を描いた今となっては歴史ものといった感もあります。

>小覇王さん
 レスが一週間ほど遅れましたが。
 オバマをジョーカーにしたTシャツは僕は「ティーパーティーエクスプレス」のオンラインショップコーナーで写真を見ていたんですが、その後見に行ったら「準備中」になってましたね。
 史点には書きませんでしたが、おっしゃる通り、銃所持の権利ってやつもあの方面では基本事項なんですよね。「イギリスに対抗するため」というのはジョークで言ってる人もいるのかもしれませんけど、数年前にTVで右翼ミリシアのリーダーを取材してるのを見ていたら、最後にそのリーダー、キレちゃいまして、「おまえはイギリス人だな!イギリス人だろう!」と取材スタッフを追い返す一幕がありまして、どうも結構本気にしてる人もいるのではなかろうかと思っちゃったんですね。アメリカの極右では「連邦政府の陰謀」はまだましなほうで、「イギリス貴族が世界を動かしている」と陰謀論を主張する向きもいるとの話です。


 「グッド・バッド・ウィアード」の、小覇王さんご指摘の部分、僕も「ほう」と思ったんですよ。「私は独立運動をやってる」とのたまう男が「渤海は朝鮮人の国だから満州は…」とやりだしたときには「またそれか」と思ったんですが、この男、見るからに怪しげですし(でたらめ中国語を話すタモリにちょっと似てる(笑))、結局は日本の手先になってる詐欺師という設定。こちらに伝わっている印象より渤海ウンヌンの話にうさんくささを感じてる人ってあちらでも多いのかもしれません。
 いまBS日テレの毎日午前中に韓国ドラマ「大祚栄(テジョヨン)」をやってまして…渤海建国者の大河ドラマで、「太祖王権」の王権、「海神」の張保皐と英雄役が板についちゃってるチェ=スジョンが主役テジョヨンを演じてます。やってることに気づくのが遅れて100回過ぎたあたりからチラチラと見てるんですが、まぁ基本的に「渤海は高句麗の後継国家」という趣旨ですね。もっとも思ったほど「民族」を強調してるわけでもなく韓国歴史ドラマお約束の愛憎入り乱れるホームドラマっぽいお話になってるみたいですが。契丹も突厥も韓国語で出てくるので「まさかみんな朝鮮系ってつもりじゃあるまいな」と思って見てましたが(「太王四王記」とかそのケがあった)、唐の人たち、あの則天武后までが韓国語で話してるので別にそういう意図ではないようです。
 しかし「太祖王権」も200話以上あるし、韓国の歴史ドラマは異様に回数が多いのがあってチェックが大変。「風の国」は36話と短いのでそろそろ終わりそうですが、「世宗大王」はまだ第一回しかチェックしてないのにレコーダーには26話も入ってます(汗)。NHKの「イ・サン」もしっかり毎週見ちゃってるし。



#8588 
小覇王 2009/10/02 14:35
治水を制するものが政治を制す?

>史点
>オバマ大統領の写真を加工して「バットマン」のジョーカーの顔にしたり
と聞いて、アメコミ好きの自分がやってきました。残念ながらその画像を発見はできませんでしたが、ジョーカーはどちらかというと混沌の象徴なので秩序→大きな政府を表すのとしては合わないような気もしますが。まあ、単純に悪いものということと昨年の「ダークナイト」の大ヒットで知名度があるからでしょうね。
 アメリカの「大きな政府」アレルギーは根強いようで、銃規制反対、というのも根は一緒。政府が圧政をしたときに武器を持って立ち上がる権利、と聞いています。イギリスが植民地を取り戻すためにいつ侵略してくるか分からないから、という説も聞いたことはありますが、多分これはジョークでしょうね。
 
>韓国製西部劇「グッド・バッド・ウィアード」
 徹夜城さんが指摘されたシーンのほかに、アヘン商人が「満州は昔、朝鮮族の渤海だったから朝鮮のものだ」とか言ってたのを主人公が鼻で笑うシーンもありました。思ったより反日といえる描写はありませんでしたね。それでも叩く人はいるわけですが。
 韓国には旧満州を舞台にした無国籍アクションとでも言うジャンルがあるそうで、あの映画はその集大成的なところもあるそうです。

 
 三皇五帝や禹の昔から、最近の八ツ場ダムまで、いつの世も治水事業は大変ですね。八ツ場の場合はもはや治水とは関係無くなってるような気もしますが。

http://burebure.blog.ocn.ne.jp/burebureblog/


#8587 
徹夜城(ここに書きこむのは実に三週間ぶりの管理人) 2009/10/01 00:30
管理人がしばらくぶりで

 どうも。気が付いたら三週間ぶりに書き込んでおります。
 書き込みは拝読しておりましたが、忙しかったのと体調を崩す場面もあったりして、レスするタイミングを失ったといいますか…(^^;)
 一方でこの間、久々にアシモフのほうで書き込みをしてたりしてたんですけどね。

>阿祥さん
 ずいぶん遅れてしまいましたが、情報ありがとうございます。この方面は僕も興味がおおいにあるところなので(先日読んだ山本兼一「ジパング島発見記」にも重なりますね)、その本もぜひ探してみようと思います。

>南北朝ばなし
 本といえば、この間に安部龍太郎「道誉と正成」を読み終えてます。
 う〜〜〜〜ん…南北朝ものを何度か手がけた方らしいのですが、どうも僕の波長とは合わなかったような…つまらなくはないんですけどね、なんか道誉と正成とを組み合わせた意味があまりない気がします。結局のところお便利キャラとして自由自在に使われてるわけでして。正成の死に方も何やらあっけないし。
 それと正成が後醍醐ではなく護良親王にシンパシーを持っているのはいいとして…ネタばれになっちゃいますけど、この小説、「護良は死ななかった説」を採用してるんですね。あの淵辺義博が逃がしたというアレです。だいぶ前からそう主張している人がいるようで、佐藤進一氏も昭和30年代に書いた「南北朝の動乱」で言及してます(もちろん否定的に)。あの護良が無事に生きていてその後の歴史に姿を現さないはずがないんだけどなぁ…
 それでいて以前も書いたようにこの小説では「護良は土牢に入った」というイメージをそのまんま持ってますし、結果的に殺してないのに足利直義がものすごく悪者に描かれてます(道誉にもかなり憎まれる)。こういう描き方にも僕としては波長が合わなかったです。
 未読ですが、安部龍太郎さんはその初期に「師直の恋」という作品も書いてるんだそうですね。


>それは「歴史」映画か?
 これは開店休業状態の映画コーナーの掲示板に書くべきかもしれませんが、ついついこっちに。
 先日韓国製西部劇「グッド・バッド・ウィアード」を見てきたんですよ。1930年代の満州国を舞台に、朝鮮人悪党三人組(一人は賞金稼ぎなので悪党でもないんだけど)が財宝の地図をめぐって大争奪戦を繰り広げる、痛快無比の快作です。くやしいけど今の日本映画界はこういうのを作れるパワーがない。
 満州国が舞台で、主人公は朝鮮人で、日本人はもちろん中国人やモンゴル人・満州人まで入り乱れながら、冒頭の大列車強盗からクライマックスの壮絶大チェイス、そしてラストの三つ巴決闘まで、「韓国製」でありながらしっかり「西部劇」しちゃってます。西部劇ファンが見ても「オマージュ」として素直に楽しめます。時代考証につっこむのはヤボというものでしょうが、当時の満州に「賞金稼ぎ」がいたかどうかは気になります(笑)。
 歴史ものとして見たとき、印象的なセリフがありました。主人公のうち二人が寝る前の語りあいの中で、「故郷に帰って土地を買いたい」「でも故郷はどうせ日本に奪われている」というやりとりをするんですね。するとその土地を買いたいといった男が「貴族が持ってようが日本人が持ってようが俺にとっちゃ同じことさ」という趣旨のことを口にします。字幕では「貴族」と訳してましたが、これ耳で聞いてると「両班(ヤンバン)」なんですよね。「貴族」と訳しちゃうのは東洋史専攻者としては「いいのか?」という気もしちゃうのですが、字数も限られている映画字幕ではこうでもするしかないかなぁ…と。日本語で言うとぴったりくるのがないんですよね、実際。中国史だと「士大夫」とか「郷紳」とかがややイメージに近いんですけど。

>史点更新。
 今回の史点は3つまではとっくに書いていたんですが(だからちょっと話題が古い)、残り一つがなかなか決まらなくて。そしたら先日「ラスト・オスマン」が亡くなって葬儀が行われたというニュースが入り、速攻でネタにさせていただいたわけです。



#8586 
阿祥 2009/09/21 10:19
「通辞ロドリゲス」

半分自己レスで、面白い本の紹介です。

戦国末期から江戸初期に、イエズス会の通訳として活躍したロドリゲスという人物がいます。このロドリゲスの伝記がしばらく積読になっていたのを読んでみたら、イエズス会とフランシスコ会の軋轢に関して詳細に述べられていました。マイケル・クーパー著、原書房刊の「通辞ロドリゲス」という本です。著者は上智大学で仕事をしているイエズス会士のようです。
このロドリゲスという人物は、秀吉から家康に時代が変わる時期に、イエズス会の折衝係として直接政府との交渉にあたっているので、キリスト教が次第に迫害されていく過程に身を持って関わっています。スペイン系托鉢修道会との軋轢が具体的に描かれていて勉強になりました。

まず、日本における布教方針を“現地の文化に適応させること”として、大きく方向転換を図ったヴァリニャーノですが、彼はこの方針が他の修道会には受け入れられないであろうことを予測し、日本にスペイン系の修道会が入ってくることを禁止するよう決断しました。イエズス会内部では、宣教師の数が絶対的に少ないことから他の修道会の日本への進出を歓迎しようという意見もあったようなのですが、会のトップであるヴァリニャーノの反対により実現はしなかったということです。
秀吉、家康共にマニラとの交易は望んでおり、それに従って彼の地の宣教師達も続々とやってくるのですが、それがイエズス会には歓迎されていないことを知り、感情的なもつれが起こってきます。そもそもローマ教皇により、トルデシリャス条約で定められたスペイン/ポルトガルの勢力範囲の仕分けによると、日本はポルトガルの部分に入りスペイン人の来航を拒否する理論的根拠もあります。
一方アジアにおける貿易のドル箱路線は、日本の銀と中国の生糸や陶磁器との取引なので、商売の面からもマニラ政府は日本との往来をより進めていきたいところなので、勢い宣教師の活動も活発になってきます。

また、ポルトガル系と言われるイエズス会ですが、実のところ宣教師達はヨーロッパ各国から来ており、当事の日本で有力な立場にあったのは、イタリア人とスペイン人が多く、その立場の違いで、マニラの動きに対する考え方も大きく異なっていたようです。

もっとも大きく具体的になった問題は、当事の日本が秀吉により公にはキリスト教布教を禁止されていた状態であったのを、マニラから来た宣教師たちが知らなかったのか、あるいは知っていても過小評価していたことです。
1587年に宣教師は日本を離れるようにという秀吉の命令が出てから以降、イエズス会士達は戦々恐々としており、ポルトガルとの交易が必要であるなら、キリスト教司祭も日本に来る必要があるという理由で、秀吉による日本滞在の黙認を得ていました。ロドリゲスなどは直接秀吉から、貿易顧問として残るように言われているほどです。しかし、その状況が非常に不安定で為政者の一声で覆ってしまうことを、身をもって知っていたイエズス会士達は、おおっぴらな布教活動は行わず、既に信者となっている人々に対して隠れるようにキリスト教の教えを伝え続けたというような状態だったようです。
フランシスコ会やドミニコ会の宣教師達が来た際に、イエズス会士達はそのことを彼らに注意し、政府の目に付くところでキリスト教の布教を行っては危ないということを伝えたのですが、その忠告は無視されてします。それが、次第に秀吉の目に付いてくることになります。

有名なサンフェリペ号事件についても、両者の意見の相違はわだかまりを深めていきます。
この事件が起こった当時、イエズス会と秀吉は良好な関係を持っており、ロドリゲスは秀吉の通商顧問として長崎と大阪を往復する日々であったし、マルチンス司教が正式な使節として秀吉を訪問したりしています。そのため、イエズス会士たちが他の修道会の日本進出を阻むために為政者達に悪い噂を伝えたのだという風にマニラから来た人々は考えてしまいます。
この事件はマニラとマカオで裁判によって裁かれるというような事にもなりますが、この二つの地での裁判結果も互いに相手に責任をなすり付けるようなもので、さらに感情を悪化させていきます。(著者は事実として、サンフェリペ号の座礁から秀吉による宣教師追放の命令が出る短い期間に、ロドリゲスもマルチンスも秀吉の身辺にはいなかったとして、イエズス会による密告説を否定しています。)

これらのイエズス会、フランシスコ会とドミニコ会間での日本における衝突の詳細が、その当事者ロドリゲスの視点から詳細に述べられています。参考書籍には実に200冊ほどの欧州各国のものが挙げられており、それらの史実から得られた見解は非常に説得力のあるまた興味深いものでした。

またロドリゲスは、「日本教会史」という著作をものしており、日本文化をヨーロッパに紹介したという点でも評価すべきだということをこの著者は言っています。時の為政者の身辺に長い間おり、当時の政治の移り変わりを直接体験した人物としても非常に面白いと思いました。



#8585 
ミッキー 2009/09/14 16:38
日本がナンバー1?

それって70年代から80年代には普通に語られていたような。米国のハーマンカーンという未来学者が「ジャパン、アズ、ナンバー1」という本を書いて日本でもベストセラーになった記憶があります。日本人は外国人に誉められると有頂天になるから。また「21世紀は日本の世紀」とかも言われてたから。日本人でもマジ信じた連中も多くいたような。ただ懐疑的な人達も少なからずいました。まぁ左翼的な人達に多くいたかな。私も同じ懐疑的でしたよ。今の日本賛美論者の多くは焦りみたいなもんかな。中国とかブラジルなどの台頭が。欧米でも21世紀は中国とか、また、ブラジルも大国になるとの見方がほとんどなんですが。日本はほとんど話題にならなくなったてか?
最後に左翼の人が反米は当然と思いますがね。左翼は社会主義だし米国は資本主義の権化でナンバー1の大国だから。右翼が親米国なのは反社会主義及び反共だから利害で一致するわけです。なにせオバマ大統領の全国民健康保険加入の制度改革も左翼的、社会主義的全体主義と反対が強いのは米国は資本主義のシンボルと言っても言い過ぎではないような感じですなー。



#8584 
尾鳩 2009/09/14 00:05
懐かしい路地裏

急に、そんな気分に陥ったかのように、徹夜城の暖簾をまたくぐり続けているような気分です。

>Tomohiroさん

どうもです。

>やたらと日本が一番だと言い張る人間も増えてきています。
私は仕事柄、また立場柄、おそらく人以上に「日本人」という意識を持ち、「国際人」や「地球人」といったアイデンティティー(観念じゃないですよ)の持ち様を危ぶむ人間なんですが(管理人さんは、よくおわかりだと思います)、一部の方達のこじつけにも近い日本NO.1論には、危うさしか感じないもので。


>しかし、そう言った人間を批判する人間も、ああいう日本が一番だと言い張る連中が出てきているから日本は保守化右傾化が進んでいると決めつけて、悪いことはそういった連中が全て起こしているという人間すらゐます。

いますね、そういう人たち。まあ、そういう人達は、相手にもしていないですし、たまに相手にするしかない場面もありますが、正直、簡単にいなせるもんで・・・上から目線で言えば相手にすらならないんですよ^^;。

>こういった右翼を否定的に過大評価するのは、反米論者みたいな人間に多いようにも思います。

面白いところつきますね。かつて、あるジャーナリストの方と話していたときに聞かれた質問なんですが、「なんで日本の左翼って「反米論者」が多くて、右翼って「親米論者」が多いんですか」と。

この辺に日本の左翼とか右翼とかの本質を解く鍵があるんでしょうね。

ま、正直なことを言うと、右翼とか左翼とかそういう会話は懐かしく感じるくらいに、遠い話題になっている自分です。



#8583 
景虎 2009/09/13 10:49
政党制

選挙は民主の大勝でしたねえ。
まあ、政権交代できる方システムの方がいいのでしょうが、システムとして考えてみると、結局は同じとも言えそうですね。
システムの細部を変更しても、『現代日本システム』とでも呼ぶべき、システムの根本が変わらない限りは、何政権であろうが基本的な方向性は同じなのでしょう。

システムと言えば、前に鳩山さんが『二大政党制は外国では当たり前』と言っていましたが、世界の多数派は多党制であって、二大政党制はアングロサクソン系の国家に観られる特徴です。明治以後の歴史では、日本人はアングロサクソンの長所を取り入れる事に長けているようなので、日本には二大政党制が適しているのかもしれませんが。

そういえば、日本人は『右大臣、左大臣』、『北町奉行所、南町奉行所』、『公家と武家』、『旗本、御家人』等と二大制?とでも言うものに拘りますね。日本列島そのものが『東国、西国』に分けられるという事が影響しているのでしょうか。
考えてみると、日本列島は与那国島〜北海道までの距離が、ヨーロッパの東西よりも長いですから(冷戦時代のソ連〜大西洋までより長く、現在のロシア〜大西洋よりは短い)、こうなるのが自然なのかもしれませんね。

中国にも陰陽とかありますが、日本人は庶民的にも政治的にも、こういうものを好む傾向が高いような気がします。



#8582 
tomohiro 2009/09/12 17:39
日本人とベトナム人

>尾鳩さん
 たしかに、日本とベトナムは似てきていますね。
そして、やたらと日本が一番だと言い張る人間も
増えてきています。
しかし、そう言った人間を批判する人間も、
ああいう日本が一番だと言い張る連中が出てきているから
日本は保守化右傾化が進んでいると決めつけて、
悪いことはそういった連中が全て起こしているという人間すらゐます。
悲しいことですね。
こういった右翼を否定的に過大評価するのは、反米論者みたいな
人間に多いようにも思います。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8581 
尾鳩 2009/09/12 00:16
さらにかぶせてご無沙汰!

こりゃ、どうもです。

働き盛りの年齢ということもあってか、忙しいのはお互い様ですね。
先日はベトナムに出張してきましたが、一日に3回飛行機に乗るはめになるとは思いませんでした。ハノイは、結構落ち着いた雰囲気があり、政治都市の余裕のようなものを感じさせましたが、個人的にはホーチミンの雑然とした雰囲気のほうが好きですね。たった6時間の滞在でしたが、次は是非じっくりとホーチミンに「遊びに」行きたいです。

ちょっと気づいたことなんですが、ベトナムの紙幣って、もしかして全部ホーチミンを肖像として使っているんですかね。個人的には、想像でもいいので、微姉妹や陳興道あたりを載せてほしいところ。まさかとは思いますけど、中国に遠慮でもしているんでしょうか。

でも、ベトナム人、いい人たちですねえ。スリランカも結構そう感じたんですが、日本人的には一番メンタル的な要素で合っているかも。おとなしくて控えめで、それでいて根性があり・・・。「わてらが一番やで」ってな感じがないところがいいですね。日本人もそういう奥ゆかしさが長所の一つだと思っているんですが、最近やたら「日本が一番!」ってに言う人たちが目立ってきましたね。「いや、日本もそれほど悪くは無いよ。誇れる国ですよ」ってなのでやめとけよ、と言いたくなることがたまにある。

永田町よりも新橋や有楽町界隈で、そう感じることが多くなってきた今日この頃です。



#8580 
徹夜城(過労状態からようやく脱出した管理人) 2009/09/10 12:58
ご無沙汰にご無沙汰!

 しばらくお留守にして、どうもすいません。夏期講習の多忙から抜けた直後、ちと気の抜けたところへ日曜に連続して仕事が入ったせいでダウンしてしました。当初日曜日にも更新する予定だった「史点」最新号は本日公開しております(だからちと古いネタあり)。
 ついでに「史点」過去記事も4月分まで、「史劇的伝言板」過去ログも最近のものまでアップしておきました。


>尾鳩さん
 と、いうような事情でして、書き込みは読んでたんだけどレスする気力が起きなくて放置状態にしてしまいました、すいません。
 永田町にオフィスがあるとは…あそこは僕は国会図書館通いで時々行くんですけどね。そのうちそっちにも顔を出しましょうか(笑)。
 ただ僕が永田町行くとよく政変がおこるってジンクスがありましてねぇ(笑)。もっとも松岡農相の自殺と安部首相の辞任の二例だけですが。

 国会図書館のすぐわきが民主党本部。国会図書館を挟んだところに社民党本部。自民党本部もすぐ近くにありますし、ほんとに「永田町村」という感じですね。今度の選挙で民主党本部が手狭になる一方で自民党のほうは資金不足で派閥事務所すら借りられなくなりそうだとか。政権交代したら本部ごと交換するってのはどうだろう、などと考えてしまいましたが(笑)。

 人類発生史には僕も時々はまりますね。「史点」でも何か発見ニュースがあるとだいたいネタにしてます。
 もっとも今回は人類史どころか生命発生史の話題をとりあげちまいましたが。



#8579 
尾鳩 2009/09/04 00:07
ご無沙汰!

どうもご無沙汰です。

今実は永田町にオフィスを置いてまして、あの界隈に身を置く立場として話できればと。

今回の自民党の敗退は、もう誰しもが予想していたことだと思うんですが、さすがにこれだけの敗退とは・・・。ただ、自民党ってのは、愛想をつかされて完全敗北に直面した例は無かったわけではない。しかし、かつては、政策よりも政局に関しては、やはりさすがに自民党と思わせる役者がいたんですが、今は・・ねぇ。

政局よりも政策、と言われて久しいですが、政局って言うのも政治では重要なファクターであることは否めないと思います。しかし、かつて政局の達人と言われた方たちは、俺が悪役になってやる!といった迫力と度胸を兼ね備えていましたけど、最近はなんなんでしょうか、友達?ですか、まあ仲良くやりましょうや・・・という乗りが多いような。これは政治に限った場面でなく、経済や経営、そしてメディアのフィールドでも同じなような気がします。「皆、小粒になった」という言葉は、そういう意味で私は使うようにしています。

それは民主党も同じですね。所詮は何でもいいから集まってよ!という乗りでつくっている団体ですし、そういう団体は、まとまるべきキーファクターであるはずの議題はえてして避けて通るもの・・・「それは今回は置いておきましょうよ。まずは、仲良くまとまりましょうよ」・・棚上げ理論ですね。

民主のキーファクターであり、解体の要素ともいえるべき課題は、安全保障、外交、ここでしょうね。当面の課題が経済であるうちは、まとまっているようにもみえますが、要は民主を選んだのではなく、自民はもうあかんで・・というのが皆さんの本音のような気もします。

政治には幻滅して長い私ですが、ますますその気持ちは高まってますね。今の時代、「それでも俺は政治家になって世の中を変えるのだ!」という思いで政治家を志す若者も増えているようですし、周りにもそんな方たちはたくさんいるような気がしますが、気の毒でしようがない。

蒼天航路で曹操が「乱世とは天の理が崩れ、武という形が生じ、利を扱うファクターが移り行く状態になる」ってなことを言っていた場面があったと思うのですが、特に現在の日本をかんがみるに、まさにあてはまっているのでは・・・なんて思う気がします。
そういう意味で、私は当分、利というファクターの中に自身を置いていようかなあと思います。

>人類
歴史を語るという意味で、この掲示板の意向にはてはまるかどうか、微妙ですが、個人的に今一番はまっているテーマが人類進化、いわゆる人類の歴史。今はもう700万年前までさかのぼっているんですか、これにはまっています。

われわれ、つまりホモサピエンスとネアンデルタール人の関係ですとか、アウストラロピテクスに遡るサヘラントロプスやオロリンツゲネンシスからホモサピエンスにいたる系統図ですとか・・・。
バージェス動物群とか恐竜といった数億年や関が原や明治維新といった数百年といった歴史よりも数百万年とか数万年とかいう時間に異常に興味を持っています。

特に2万年前とか1万年前とか、まさに文明が誕生する手前のストーリー。
BBCが、「Walking with Caveman」とかいうシリーズを作成してますが、あれ面白いですね。あそこから、どうやって人類が文明を築いていったのか。最近の学説では、ほんの1万8千年前まで、ホモサピエンスとネアンデルタール人が共存していたことが、ほぼ明らかになっているわけですし、それからほんの1万年ほどで、エジプトやメソポタミアでは文明が誕生するというドラマ。この空白部分に異常に興味があります。

永田町のドラマ・・・やっぱりしょぼいなあ。30年前まではヤクザもののノンフィクションと同じくらいの危険さと面白さが同居していたんですが、最近は中学生や高校生程度の好き嫌い劇場をみているようで、やっぱりしょぼい・・・これに尽きるかな。メディアの報道もその調子ですしね。付き合わされるほうは、たまったもんじゃないんですが、案外皆それを楽しんでいたり。しようもない・・。



#8578 
小覇王 2009/09/03 00:45
名実共には難しい

 選挙も無事終わり、民主党の勝ちすぎのような気もしますが、政権が交代したことそれ自体は大いに結構ですね。自民党は大幅に減らしたものの濃いエッセンスみたいな人たちは残ってしまったようです。次の4年後に復活できるか。2大政党制がいいとしてもその片一方が自民党である必要は必ずしもないわけで。

>史点
>ハンコ
 実は印鑑を売ることを業務の一つとしている仕事をしてまして、個人的には印鑑なんて要らんよなあ、と思いつつなくなったりすると困ってしまいます。印鑑にもサインにもそれぞれの利点、欠点があるとは思いますが、印鑑がサインより優勢になってしまうのは疑問ですね、日本の社会。
 
 とある雑誌で「日本の外交英雄」みたいな特集をやっていたのですが、その雑誌の特性上、外国と対等に渡り合ったか、日本を上にしたか、と言う人がほとんどでした。まあ、そういうのも重要ですが、足利義満とか対馬の宗氏のような名を捨てて実を取るような人は軽視される傾向があるみたいですね。これはその雑誌に限りませんが。

http://burebure.blog.ocn.ne.jp/burebureblog/


#8577 
NF 2009/08/31 22:52
南北朝漫画について考えてみる

多分、普通の漫画では客は呼べなさそうですね。長谷川ナポレオンとか蒼天航路みたいに誇張の度が過ぎた、奇人変人というより変態キ○ガイ勢ぞろいといった具合の世界観でないと人が呼べないかも。岡村先生は絵柄は文句なかったですが、キャラがその意味では常識の範囲内に収まってしまっていたかも。そういや、岡本先生は近代麻雀で「マボウ」という「麻雀で人の道を説く修験者」が主人公の大概ぶっ飛んだ読み切りを掲載されてましたが、レギュラー連載陣が「ムダヅモ無き改革」やら「アカギ」やら「ワシズ」やら常識はずれな世界観の作品ばっかりなんで今ひとつプッシュが弱かったような。今のところその辺の運が弱いかもしれません、岡村先生は。
因みに「ムダヅモ」を読んで思うに、小泉さんや麻生さんは少なくともキャラは立っていたなあ、と。民主党は政権にある間にそれだけのキャラクター性がある人を輩出できるか、見ものではあります。小沢さんは強キャラっぽくはあるけど、大和田作品より福本作品で「ざわ… ざわ…」とやってる方が似合う気が(現に「銀と金」で小沢さんがモデルの政治家が登場してました)。

…頭が煮詰まってるのか、イメージだけで語ってますね、僕は。分量食う割に中身のない文章ばっかりですみません(汗)。

http://www.geocities.jp/trushbasket/


#8576 
NF 2009/08/31 22:34
ローゼンからI'sへ

予測された結果とは言え、前回もそうでしたけど大差がつきますね今の制度は。独身世帯なもんで増税になるのをびくついたり外交に不安を抱いたり(個人的には振り回されるのを防ぐため大陸とは一定の距離を取った方が良いと思ってるもので)しながら新政権を見守る事になりそう。まあ、自民党も大分煮詰まってた感があったので納得といえば納得の結果。公明党と組んでいたのが長期的には支持を失う結果に繋がったかも。

結果から判断すると、麻生さんが南朝だったのかな?ネット住民やアキバ系などからは最後までまずまず支持されていた感があった「異形の王権」といえなくもないですし。
最後辺りは麻生さんが漫画を好む(ローゼン云々の真偽はともかく、若い頃の写真で本棚にゴルゴ13や時代物劇画が沢山並んでいるのを見た事があるのでよく読むのは事実なんでしょう)事すらも批判の対象にされてましたが、鳩山さんだってかつて桂正和「I's」が好きだとカミングアウトした勇者だという事を僕は忘れてません。ここで、「To loveるの連載終了は残念だ」とか言ってくれたら僕の中で株が一気に上がるんですが、まあ流石にそれは無理でしょうな。

>政治家が歴史用語を使いたがる
そういえば、昔の大阪府知事選で羽柴秀吉氏が兜を被ったポスター写真を採用したのはともかくとして「決戦!大阪冬の陣」とか言ってたのは思わず突っ込んでしまいました。歴史になぞらえる際にうっかり縁起が悪い例を使ってしまう事は案外多いのかも。

http://www.geocities.jp/trushbasket/


#8575 
徹夜城(とりあえず自民党の真の下野を見届けられた管理人) 2009/08/31 01:17
孫から孫への政権交代

 結局事前の予想どおり、拍子ぬけしちゃうほどの結果ですな。僕個人としては以前から「政権交代が可能なシステムにしておく」ことが最優先と考えておりましたので、この結果にはまずまず良しとみてます。ただ極端に勝ちすぎって気はしますな。
 NFさんも書かれてますけど(次の史点でもそういう観点を入れる気ですが)、自民VS民主って「南朝VS北朝」みたいなもんなんですよね、実際。どっちがどっちかは知りませんが(笑)。麻生さんと鳩山さんのそれぞれの祖父の抗争が戦後の保守政党政治の原点を作ってるわけですから、「自民党」の本家争いと見ることも可能かもしれません。

 さて南北朝といいますれば、「戦国武将列伝」連載の岡村賢二「劇画私本太平記」が最終回でした。う〜ん、まだまだ南北朝に食いついてくれませんな、歴史ファンも。なんとか尊氏の死まで描いて完結させてもらっただけよかったというべきかもしれません。意欲作だったとは思うのですが、南北朝に対しては戦国ものとはまた違うアプローチをしたほうがいいのではないかなぁ、という感想でした。
 岡村さんの創作なんですが、直義の毒殺を尊氏に迫るのが道誉になってますね。しばらく出てなかったから登場させようと思ったのかもしれませんが、このとき道誉は畿内にいたのではなかったかな。

 安部龍太郎の「道誉と正成」もだいぶ読み進めました。この小説、正成は後醍醐には幻滅しつつ護良親王に心酔してる設定なので、直義がかなりの悪者(汗)。この小説も「土牢説」を採ってますねぇ。
 先日「正成御家人説」をとってると書きましたが、よく読んだら北条氏の執事である長崎氏の被官という説を採ってるんですね(それも十分考えられることではある)。長崎高資の家臣として正成が鎌倉にもしょっちゅう出入りしていた設定にもなっており、道誉ともそのときに顔を合わせてることになってました。


>韓国時代劇
 困ったことに、BS日テレで先週から「世宗大王」の放送が始まってしまいました(汗)。俺を殺す気か!というぐらい次から次へとよく放送されることで。まぁ嬉しい悲鳴というやつです。
 世宗とは李朝初期にハングルを制定した「名君」としていまや民族英雄扱いでイージス艦の名前にまでなってるお方ですが、第1回見ただけでも結構面白いです。まだ世宗は子供で父・太宗の治世ですが、「上王」である太祖・李世桂も存命で、まだ高麗を支持してる人が策動していたり、太宗の兄弟間の争い「王子の乱」も回想で出てきて(室町太平記でもちょっと触れた話)いろいろと面白く見ちゃいました。



#8574 
NF 2009/08/29 01:08
遅まきながら夏休み

忙しいわけではないんですが、まとまって休むとなると都合がつかないもんで。あれやこれやで、ご無沙汰しております。気がつけば「史点」も二つ更新されてました。

麻雀が分からない癖して「ムダヅモ無き改革」にはまってしまったこのごろ。小泉さんが主人公なんで人を選びそうですが、あそこまでバカや熱血に徹されるとありだと個人的には思います。政権交代したらどうするのかな?とかアニメ化するらしいが大丈夫か?とか妙な関心が尽きません。小泉さんもタイゾーさんも晴れて(?)ナチス第四帝国(誤字に非ず)との戦いに専念できる身分になってしまいましたな。

という訳で「史点」感想を。
>ハンコ大国
そういえば、近所のハンコ屋もゴルゴ13らしき人物が「日本人はサインではなくハンコを使う…」「メールでは困る」と言っている宣伝漫画を店頭に貼ってました。日本特有の習慣という自覚はあるんでしょうね、売っている側も。
>全国に支配を拡大する巨大組織が発達
してみると雁屋哲「野望の王国」で花岡組が全国に勢力を伸ばしてたりするのは、当時としてはリアルな話だったわけですな。現在はこの作品、冒頭のやり取りがネタとして楽しまれている訳ですがそう思うと隔日の感が。あの人もバイオレンスな作品が多いのを考えると「美味しんぼ」辺りで大分丸くなったのか。雄山も途中から素直じゃないだけの子煩悩親父になっちゃったし。
>「忠魂碑」
仲間内での「戦争」犠牲者を慰霊って辺りで男塾を連想する辺り、年齢がばれそうな。因みに敵味方を問わず慰霊するほうが寧ろ日本の伝統に忠実らしいですね。正成の「寄手塚」「御方塚」とか。近代でも乃木さんが旅順攻防戦の敵味方双方を慰霊する碑か何かを建てたという話を読んだ気がしますし。恩讐を越えるという美談だけじゃなく怨霊化を避けるという切実な問題もあったとか。
>南北朝
僕も、「鳩山さん、負ける気まんまんやないか」と突っ込んだものです(笑)。どっちかといえば自民・民主の争いの方が南北朝っぽいですね、確かに。鳩山(弟)は南北朝にたとえるなら大覚寺統の後二条系統でしょうか?確か京に留まって北朝方になってたはずですし。
>北の国
国内向けには強気でも、実際には強国に囲まれている事を熟知しているんでしょうな。北朝鮮に限らず、そういった独裁者の国は案外内弁慶で適当な強国に尻尾を振って援助を引き出す外交が巧みなところが少なくない印象があります。「似ていたどっかの体制」の国は、曲がりなりにも周辺では一番強い独立勢力だったのが逆に災いした感がありますね。ソ連が周辺国では唯一強国でしたが、ソ連傘下という選択肢は指導者層にとって論外でしたし。

相変わらず、思ったままに書き散らすんで文章がグダグダな気もしますが、御容赦を。

http://www.geocities.jp/trushbasket/


#8573 
徹夜城(白土三平が9年ぶりの新作と聞いてひっくり返った管理人) 2009/08/25 22:59
しばらくほったらかしですいません

 夏期講習のハードスケジュールに追われたせいか、掲示板に書き込む気力が失せてしまってました(^^;)。「史点」はこっそり先週更新しておりましたが。
 次回更新は総選挙直後ということに予定しております。

 さて、何やら最近「正成」関連の作品発表が多いのはなんなんでしょう?
 小説で金重明「悪党の戦」、嶋津義忠「楠木正成と足利尊氏」、コミックで内野正宏「ナギ戦記」と続いたわけですが。
 今度は安部龍太郎の小説「道誉と正成」が発売されました。さっそく買って来まして、第一章まで読んだところ。道誉と正成という組み合わせが意外に新鮮です。
 第一章まで読んだ限りでは、正成=元御家人説を採用してますね。名字の地も駿河の楠という説を採ってます(新井高重さんの悪党の本を読んだかな?)。
 目次を見る限り湊川で話は終わる模様。正成が主役の一方ですから当然といえば当然ですが、道誉には正成よりもその子・正儀との心温まる(?)交流があるのですけどねぇ。

 それにしてもここまでささやかなりとはいえ「正成現象」が続いたのはなんなんだろう。
 深読みなんですが、NHKが大河の候補の一つでもしたんじゃなかろうか…という予想もしてるんですけどね。それが漏れ聞こえて出版業界が動いていた…なんてことはなかろうか、と。


以下、すごく遅れたレスを。

>凡人さん
 「太平記」は戦国から江戸時代にかけてやたらに愛読されましたので、自然と「続編」を書く動きが出ちゃったようなんですね。
 その一方で「前作」も勝手に作られ、「前太平記」「前々太平記」なんてものまで存在します。たしか「前々」は壬申の乱なんかもあるんじゃなかったっけ。

>いつでもドアさん
 児島高徳と呉越の戦いの引用は一応文学的表現としてのメタファーがありまして、あれは明らかに敗北したかにみえる後醍醐が間もなく復活することを読者に予感させる「伏線」のはたらきをしているのですね。
 おそらく最初の「太平記」(登場人物である足利直義が読んだとされるもの)は鎌倉幕府の滅亡までか、あるいは後醍醐の死までが語られていたと推測され、かなり物語としてよくまとまったものだったと思うのです。そのなかであのエピソードが「物語的意図」を強くこめて印象的に挿入されたのでしょう。太平記の第一部が文学作品としてよくまとまっているのも確かで、ここまでは編集者の意図がきっちり貫徹していたように感じるのです。
 ですが建武政権崩壊と南北朝動乱の大混乱をリアルタイムで書き継いでいったために、その後は文学的構想がかなり破綻をしてしまい、長々とした故事引用も完全に脱線にしか見えなくなっちゃうんですよね。
 ただ「太平記」マニア、南北朝マニアとしては、あの混沌とした第二部、第三部の部分がこの上なく面白かったりするのです。


>このところ見ているもの
 NHK衛星で始まった韓国歴史ドラマ「イ・サン」、3回まで見ました。
 「朱蒙」「風の国」「太王四神記」など古代高句麗ものと比べると安心してみてられるなぁ…というのが第一印象。だって高句麗ものは時代考証もへったくれもありませんから。どうせ史実もよく分からないので盛大にフィクションばかり、そのかわり次々とトラブルが発生する連載漫画の王道みたいな展開で確かに飽きさせません。だけど「歴史ドラマ」を期待する向きにはどうなんだ、というのが多い。
 「イ・サン」だって創作部分は多いのでしょうが、日本でいえば江戸時代半ばの話であり、時代考証も見た目にはしっかりしてます。また資料も多い時代ですからあまり無茶な創作はできないでしょう。ただ主人公の正祖はドラマの主役としては地味すぎる気もしますねぇ…
 と書いて気がつきましたが、正祖は以前「永遠なる帝国」という映画で名優アン=ソンギに演じられて主役をはっておりました。
 「イ・サン」第3回で帝王教育を受けるシーンで論語の「兵・食・信のどれを捨てるか」の問答が出てきたのにはついついニヤリ。大河「徳川家康」でも家康が大原雪斎の教育をうけるくだりで出てきたんだよな、これ。「家康」はあちらでも原作がブームになったことがあるんで、もしかしたらその影響かもしれない(もちろん論語のそのくだりは非常に有名なものですが)。

 NHKのドラマ「気骨の判決」も面白く見ました。戦中の翼賛選挙で唯一「選挙無効」の判決を出した判事のお話で、選挙妨害に協力する校長先生(国村隼)の存在感がなかなか見事でした。そういう心理もあったろうなぁ、という感想で。
 NHK終戦企画では「海軍」の反省会の録音テープの番組も凄かったですね。戦後ながいこと陸軍ばかりが悪者にされ海軍は善玉扱いされる傾向が強かったのですが、当人たちが「海軍は知能犯」と言ってたあたりには…



#8572 
つね 2009/08/15 01:12
ホラー映画

歴史映画とは違いますが、(いろんな意味で)時節柄、涼しくなれる映画を紹介。

「風が吹くとき」

存在自体は昔から知ってましたが、初めて見て寒気がしました。
「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」以上です。

ドアとクッションで核シェルターを造るというのは日本人の感覚からは信じられませんが。



#8571 
いつでもドア 2009/08/10 19:57


「児島高徳が木に詩を書き、そこから「呉越の戦い」の故事が語られるところでしょう」

この話は島流しにされた後醍醐天皇のために忠臣が動くというニュアンスのようにも一見、見えるのですが、太平記が実は南朝びいきではないという論を信じると、何だか皮肉のようなものにも感じてしまうのです。
昔、「呉越燃ゆ」という漫画も読んだことがあるのですが、勾践が呉に勝利した後、范蠡は主君の元を去ってしまうんですよね。
ちょっと強引なこじつけと思われるかもしれませんが、鎌倉幕府と戦って勝った後に、後醍醐天皇の元を去ることになる万里小路藤房と妙に重なるかなと思ったりもするのです。
まさかとは思いますが、この結末を太平記を書いた人が知っていて、それを皮肉っていたのかななんて無知で未熟な私は思ってしまうのですが、そのへんはやっぱり私の勝手な妄想でしょうか?



#8568 
凡人 2009/08/05 11:23
太平記の続編

太平記は最近読み始めたのですが、あまりの面白さに圧倒しています。そして知ったのですが、後太平記という書物があるようです。太平記以後の時代を描くもので、あまり信頼度は低いらしくてあまり有名じゃない様な気がするんですが、面白いエピソードもあるとかで、すこし気になりました。続太平記なんていうのもあるらしいですが、ご存じでしょうか。



#8567 
こだま 2009/08/04 07:08
こんにちは

>徹夜城さん
丁寧な解説をありがとうございました
後醍醐帝が隠岐配流される途中の「呉越の戦い」の故事を引用する話は
物語のエピソードとしては大変面白いですね。
実際にそんな武士がいたのかどうかはともかくとして・・・。
当時の知識層は中国故事を一般教養として学んでいて
書く時にそこから引用してきたのなら数々の脱線(?)も頷ける話であります。


>いつでもドアさん
一度、読んでみようと思います。
紹介して下さりありがとうございました。



#8566 
tomohiro 2009/08/03 18:24
海外製大河を見て日本製大河はどうあるか考えた。

例の韓国製大河ドラマ「イ・サン」の
第一回を視聴しました。
良くもなく悪くもなくという所でしょうか。
まあさい先の良いスタートを切ったかなと思っています。
少なくとも天地人よりは、自分の愛した
日本製大河ドラマに香りが似ていて好感が持てます。
でも、このようなアジア映画を
べた褒めしたがる人間と違って
私自身日本のドラマや映画も好きな人間なので
そこまで褒めませんけれども。
是が好きな理由としてもわたしもやはり大河ドラマに嵌った時期があり
それに似たものを支持したいというのはウソがつけません。
現在の日本製大河ドラマは地上波だから
莫迦でも分かりやすい物
を志向しているようですが、本当に其れでいいのか
と考えるときがあります。
今放映されている、イ・サンが本国では地上波で
放映されているということが凄く悔しいです。
そして、イ・サンが放映されている前後の時代
類似している企画が何本も製作されているようですね。
些か悔しいです。
この情報を韓国の映画やドラマのムックで読みました。
ならば、日本の大河ドラマも存続するのであれば
まじめな歴史劇に立ち返るべきじゃないでしょうか。
韓国と違って数少ない歴史ドラマ枠ですし,
今回の天地人のように莫迦でも分かりやすいもの
を嗜好した結果
外部マスコミや大河ドラマファンは
お粗末な出来のコスプレ月9ドラマとブーイング
を発生している始末じゃないですか.
私が所属している某サイトの天地人アンチスレでも
骨太な大河に立ち返って莫迦でも分かりやすい
路線を改めて欲しいという発言がありました。
2011年の其れも天地人のように
お粗末なコスプレ月9ドラマと言われる恐れが
出てきました。
そして、海外勢に
いい加減な日本を舞台にした史劇が作られるのではと
思うと、なんだか怖くなります。
基本的に大河廃止論者ですが、
最近は存続もありカナとふと考えています。
アメリカとかイギリスとか韓国の大河を見て
参考にするときは参考にして反面教師にするときは反面教師に
日本製大河もして欲しいですね。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8565 
徹夜城(夏期講習真っ盛りで疲労困憊しつつ書き込みする管理人) 2009/07/31 23:30
「太平記」における故事引用

>こだまさん
 どうも、はじめまして。こうしてこのHPがきっかけで南北朝に興味を持つ方が増えていくというのは、大変うれしいことです。

 さて「太平記」における中国の影響…の話ですが。
 「太平記」にはしばしば暴走気味に中国古典故事を延々と引用する変な癖がみられます。有名なもので後醍醐天皇が隠岐に流される途中で児島高徳が木に詩を書き、そこから「呉越の戦い」の故事が語られるところでしょう。ほかにも「漢楚の戦い」「三国志」の話も本文から脱線したように延々と語られています。
 ただ「三国志」の故事の引用はどうみても正史「三国志」のそれではありません。ちと正確が期せないのですが、確か漢のあと魏・呉・蜀の三国に分かれたところからいきなり話が始まり、蜀の主である劉備が「三顧の礼」で諸葛孔明を配下に迎え入れ、それからいきなり魏軍との五丈原の戦いになり、「死せる孔明、生ける仲達を走らす」の話になりますが、そのまま魏軍が蜀を征服、なんと曹操が天下統一というシミュレーションゲームみたいな結末になります(笑)。
 あまりにも堂々と書いているので、恐らくはコピペ元となったそういう内容の「三国志ばなし」の本が存在していたのだと思われます。

 「太平記」の作者は複数ではあったでしょうが、中心にいたのは比叡山系のかなりの知識僧だったと推測されていて、現在進行の動乱期を叙述するにあたって彼らが教養として持っていた中国史で「あてはめ」を行っていたのだと思われます。故事のまるまる引用だけでなく何かというと「まるで○○のような〜」といった中国ばなしに例える表現がやたらにあり、この当時の知識人の常識的な表現だったかもしれません。吉田定房の後醍醐天皇諫奏文というやつも驚くほどに中国故事を羅列しています。確か当時の板碑でも鎌倉陥落の表現に南宋の滅亡イメージを重ねた文があったはずです。

 「太平記」での「故事まるまる引用」は中国史にとどまりません。仏教説話と思われるインドの話もありますし、日本の故事が長々と語られるところもあります(空海の超能力合戦ばなしなんかはかなり面白い)。ですから「太平記」の作者は中国に限らず、「日本・天竺・震丹」の「三国」という仏教的な世界観に基づいて故事引用をしているとみるべきでしょう。中国史がらみは「一般教養」みたいなものだったということで。

>マルクスの恋人さん
 だいぶレスが遅れましたが、大受けしました(笑)。
 僕もよそで「悪石島のたたりじゃ…」というネタをタイトルだけふってましたが(笑)。
 2012年の金環食は地元でも見られるはずなので、今度こそ晴れてほしいものです。


>小覇王さん
 岩戸景気といえば…ちょっと前まで「いざなぎ景気超え」とやらで、どう命名するか一部の方が頭を悩ませていらっしゃいました(笑)。「神武景気」「岩戸景気」「いざなぎ景気」とやってしまったので、次は「高天原景気」ぐらいしかないんですよね。「神武」の次のを「岩戸」にしてしまったのが失敗だった、と。

>tomohiroさん
「イ・サン」、正祖のドラマでしたよね。やはり見ておかねばなりませんが…
韓国歴史ドラマがこうしてホイホイとみられるのは喜ばしいことなのですが、現時点でも「太祖王建」「風の国」、ついでに中国の「大漢風」を同時進行でチビチビ鑑賞している僕としては、これにさらに一作加わるのはしんどいです…(^^;)



#8564 
いつでもドア 2009/07/31 23:20
こだま様、こういう本が出ております

「三国志と日本人」という本が出ておりまして、その中に『太平記』の中の『三国志』の引用について触れたところがございます。お役に立てば幸いです。
太平記は湊川合戦を最近、映画にもなった赤壁の戦いになぞらえたりするなど色々とやっているようです。



#8563 
こだま 2009/07/31 09:06
初めまして

こちらへは初めて書き込みさせて頂きます。
こだまと申します。

徹夜城様のNHK大河ドラマ「太平記」大全でこちらのHPを知り
「南北朝列伝」と合わせて楽しく拝見させて頂いております。
ドラマでなんとなくとしか太平記と足利高氏を知らなかった私も
今では南北朝関連の書籍を買い求めるようになってしまいました。

ところで太平記ですが多分に中国の影響を受けていると書かれていたと思います。
太平記大全においても、いつのお話だったか失念してしまったのですが
「三国志」からの引用もあると書かれていたように覚えています。
書いた人間とされる児島法師は相当な中国通だったという事なのでしょうか。



#8562 
tomohiro 2009/07/28 09:39
惡石島に関する話題

惡石島ですが、
実を言うと子供の頃見たアニメ「対馬丸」において
この船が沈んだ資料を見て、惡石島という島に
興味を持ちました。
民俗学マニアとしては
ボゼという来訪神の祭があることでも知られています。
http://www.minc.ne.jp/~hotei/fasta12bozetokara.html

http://www.aruzou.com/tokara/boze.htm
に詳細が書いてあります。
後、韓国製歴史劇「イ・サン」楽しみにしています。
是を見た後、日本の大河ドラマは如何あるべきか
論じたいですね。
基本的に、大河ドラマ廃止論者ですが、
もし存続するのであれば、「イ・サン」から
抽出できることが有るのではないかと最近考えています。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8561 
小覇王 2009/07/25 23:29
岩戸景気こい!

>マルクスの恋人さん
 悪石島は実に横溝的な名称ですよね。今回の日食騒動で有名になりましたが、何か猟奇的な名前の由来とかあるんでしょうかね。
 皆既日食というと天照大神の天岩戸と火の鳥黎明編のエピソードを思い出す私。そして次に思い出すのがやっぱり世紀王!
>南光太郎=倉田てつを
 映画に先駆けてテレビでも次週登場しますね。僕は「仮面ライダーBlack」「同RX」がリアルタイムなので楽しみです。それ以降はどうしても大人な見方をしてしまうので純粋に子供の立場で観た唯一の仮面ライダーかもしれません。

http://burebure.blog.ocn.ne.jp/burebureblog/


#8560 
マルクスの恋人 2009/07/25 15:21
悪石島の惨劇

(♪テーマ曲が小さくなる)

南シナ海に浮かぶ弧状列島。そのほぼ中央部に、その島はあった……
(じゃん♪)全景。(じゃん♪)船着場。(じゃん♪)役場。(じゃん♪)村人。(じゃん♪)
断崖に砕ける怒涛。

「教えて下さい。平成21年に、この島で、いったい何が起こったんですか?」
「雨じゃ」
「雨?」
「あんな雨さえ、降らなければのうーーーーッ!」

晴れた昼間。港に入る連絡船。
妙に荷物の多い観光客たち。最後に降りていく、警官隊と、白衣の医療団。
灯台を見上げる少年の傍らを、ワゴン車の隊列が走り抜ける。

「なんだって!? そんな大金がかかっているのか!!」
「こりゃあ、もしものときにはえらいことになりかねん」

(じゃん♪)大雨に逃げ惑う人々。(じゃん♪)雷鳴。(じゃん♪)飛ばされるテント。
(じゃん♪)体育館へ逃げ込んだ少女の、ふと振り向いた驚愕の表情。
懐中時計を見つめる中年男性の、叫びを押し殺すような声。
「ああ。もう時間だァーーーッ」
(♪テーマ曲が大きくなっていく)
みるみる暗くなる闇空! ほとばしる稲妻の閃光!!

日本中を騒然とさせた超大作、ついに次週登場!
「悪石島の惨劇」ご期待下さい!

ついでに想像しちゃいました。観てみたいよー、誰か創ってくれー。



#8559 
マルクスの恋人 2009/07/23 19:57
世紀王の誕生?

皆既日食の暗闇に落ちた上海の中継映像を見ていると、仮面ライダーBLACKが思い出されて仕方がありませんでしたよ。最大6分、上海は4分台だったか? あの暗闇の中で生を受けた子供って、いたんでしょうかねえ。皆既月食の夜に生を受けた子供なら、かなりいるだろうけど。

そういえば、今夏の仮面ライダー劇場版で南光太郎が、それも倉田てつを氏の演技で復活するんだそうで。脇役(そりゃそうだろ)らしいけど。2035年の皆既時には俺、生きてるかなあ。2012年の金環食の天気がほんと気になる。



#8558 
徹夜城(明日から過酷な夏期講習の管理人) 2009/07/22 23:38
なんとか上がった

 明日から夏期講習に突入して猛烈に忙しくなります。なんとか「史点」を間に合わせました。
 毎年恒例のもあるから、なんとか近日中にやらなきゃ…と思っているうちにズルズルと。最後のネタに困った挙句(候補が多すぎたんです)、結局今日の話題にしてしまいました(笑)。


>アジアのバカ大将さん
 いつもいつも、非常に興味深くいろいろ考えさせられる文章を読ませていただいております。僕自身もいくらか思い当るところはあるかも。今回僕はもっぱら歴史話でウイグルの件をまとめましたが(「史点」ってそもそもそういうことなんですけどね)、実は民族というよりも宗教、って面が大きいというところは確かにあるんです。
 もうだいぶ経ちますが、中国の即席めんを食う機会があったとき、ラベルに「イスラム教徒も食べられる」という証明があったことに軽くカルチャーショックを受けたことがあります。そもそも豚肉タブーというだけで中華料理とは相いれないところが多いよなぁ。


>小覇王さん
 かなりレスが遅れましたが、列伝をお読みいただきありがとうございます。ただいま多忙につきストップしておりますが、いずれ後醍醐や道誉や廉子などをぼつぼつと。
 尊氏に兄がいたことは以前から分かっていて、吉川英治も「私本太平記」でチラッと触れていた(早世したということだけ)と思いますが、実は元服もして家督を継いでもいたということは後から知られたようです。大河「太平記」では登場こそしなかったものの、その母親である金沢貞顕の妹は1シーンだけ登場しておりました。
 昨年刊行された「足利尊氏のすべて」の中にある論文で、尊氏は実は家督をギリギリまで譲られておらず、かなりあとまで「影の薄い側室の子」の扱いだった可能性が指摘されているのを読んで、僕もかなり驚きました。登子との結婚以前に加古六郎の娘に竹若を産ませてたり、例の越前局に一夜の関係で直冬をつくっちゃったり、といった彼の青年期のあれこれもそう考えると分かってくるものがあるんですね。あと、あの時折みせる「遁世願望」にもそういう出自が背景にあるんじゃないかとも思えてきます。
 あと、あれを作る過程で知って驚いたことですが、尊氏・直義の生母・上杉清子は貞氏の側室になったのがいつかは不明ですが、かなり遅くこの兄弟を生んでるんですよね。



#8557 
アジアのバカ大将 2009/07/20 18:12
ウィルグル問題はイスラム問題

「豊かにしてくれたのは、そりゃあ感謝しているよ」
「だけど、“迷信を信じてる”みたいな目で見られるのはいやだな」
愛読する旅行漫画家・小田空「小姐」が、名作「続・中国はいかがですか」で
紹介している20世紀末の新疆のウイグル族の街の声です。今回の騒乱事件を聞いた時、
「あの不満が爆発したんだな」とすぐ思いました。
問題は民族ではなく、宗教なのです。さらにいえば、中国共産党とイスラム教
の問題に他なりません。漢民族にもイスラム教徒は多数いますから。
経済的な豊さは物理的な安定はもたらしますが、心の安定とイコールではあり
ません。むしろ経済的に安定したからこそ、心の豊かさのため、宗教を求める
ことは、かの大富豪の御曹司オサマ・ビン・ラーディンがよい例です。
それを「強い国家、安全でよりよい生活を実現しているのに、何が問題なの」
と中国政府は主張しています。
中国共産党とウイグル族との、このすれ違いが悲劇の原因です。
チベット問題も同根であることが、最近読んだ青海省チベット自治区の
潜入リポートでも深く感じました。
中国政府が宗教に寛容になれるかが、問題解決のカギだと思います。

なぜ寛容になれないか、中国は大きな宗教反乱の歴史を多く持つからです。
かの太平道(黄巾)の乱にはじまり、近くは太平天国もあります。
イスラム過激派は90年代半ばから、新疆でテロ事件を起こしました。
例の法輪功が、知らないうちに万単位の人間で中南海をとり囲んだ事件は
中国政府に、いよいよ「宗教は油断ならない」との認識を強くさせたこと
は疑いありません。
という経緯があるので、中国政府の不寛容を一方的に非難できないのです。
ただ、冒頭で述べたような宗教に対する馬鹿にした態度は、絶対に改める
べきでしょう。マルクスのものはマルクスに、アラーのものはアラーで
で分担できるはずです。それぞれ現世と来世なのですから。

私は、小学生時代、今考えるとまったく馬鹿げたことをしたことがあります。
60代の祖母らが数カ月に1回ぐらい、持ち回りで、おばあちゃんたち十数人で集まり
懇談した後、お経を上げる集まりをもっていました。思い出すと、つつましく
穏やかな集まりにすぎません。祖母は檀家になっているお寺以外、特定の宗教団体
に属していませんでしたし、皆もそうだったはずです。ところが、生意気盛りの
馬鹿餓鬼だった私は、「こんな迷信の集まり、やがて廃れる」と大きな声で言って
しまったのです。小生を一度もしかったことのなかった祖母は、この時
も、静かに「信心深い人が増えれば、そうでもないよ」と諭してくれましたが、
くそ餓鬼は納得しません。一言二言反論した気がします。
伝統宗教をちょっと媒介にした老人の集まりに、小ざかしい批判はいくらも言える
でしょう。でも、それは善良な彼女たちの心を傷つけるだけだということに思い
いたりませんでした。






#8556 
小覇王 2009/07/17 17:13
時代劇キャスト

 「南北朝列伝」読ませていただきました。それで、改めて知ったことが一つ。尊氏って長男ではなかったんですね。次男でしかも母親が正室ではない。以外でした。
 頼朝や信長など長男ではないが(母親が正室のため)嫡男である、と言う例はありますが。最初の嫡男がどうにかならなければ歴史の表舞台に出てきたかどうかも分からないわけで不思議ですね。
 
 伊達政宗が登場すると聞いて久しぶりに「天地人」を見ました。今回の政宗は「独眼龍政宗」を意識した感じのようです。正室の愛姫役に渡辺謙の娘を起用してることからも間違いないでしょうね。今回は敵役なのですがどうしても地元(と言うには遠いですが)びいきで兼続よりも政宗よりで見てしまいます。米沢の人とかはどういう目で見てるんでしょうね。
 後は真田幸村役にハーフの城田 優を起用したのもやはりハーフっぽい面立ちの草刈正雄が幸村を演じた「真田太平記」を意識したものではないかと邪推します。


http://burebure.blog.ocn.ne.jp/burebureblog/


#8555 
徹夜城(やっとヱヴァンゲリヲン破を見てきた管理人) 2009/07/16 23:21
汎トルコ主義

>ミッキーさん
 「史点」執筆もズルズル遅れてまして(笑)、そっちで書くつもりだったことをこちらでも補足として書いておきましょう。
 
 トルコがウイグルに強烈な同朋意識を抱く背景には、そもそも現在のトルコ共和国の人たちの一部には少なくとも一世紀以上前から「汎トルコ主義」といういささか熱烈な「拡大的民族意識」があるのですね。
 そもそも「トルコ人」というのは中央アジア草原地帯にいた遊牧民族でして、中国史でもおなじみの「突厥」が「チュルク=トルコ」の音だといわれているぐらい根が古い。ウイグルのその中の部族の末裔ということじゃなかったかと。ウイグルのあたりを「東トルキスタン」と呼ぶのはまさにこの地方が「トルコ人の国」だからなんですね。中央アジアのトルクメニスタンも同じことです。
 そして、現在のトルコ共和国のルーツはこのトルコ人の一派が西遷し、セルジューク・トルコだのオスマン・トルコだのを建国した歴史を背景に持ってます。多民族帝国だったオスマン帝国が解体していく過程で「トルコ民族」という意識が強烈になっていくなかで「もともとの故郷の中央アジアにいるトルコ人同朋との連帯」をとなえる「汎トルコ主義」が台頭してきます。青年トルコ革命を主導したエンヴェル・パシャはこれにハマっておりまして、最後には中央アジアへ出かけてソ連相手に転戦、戦死してしまってます。
 ただこの「汎トルコ主義」というのもたぶんにトルコ人の一方的な思い入れというところが大きくて、エンヴェルと対比されるケマル・アタチュルクなんかは現実的に現在の領土での「西欧風トルコ民族国家」を建国するという路線を選んだわけです。もっともこの路線もまた、「俺はヨーロッパなんだ〜!」とEU入りを「国家的宿願」とするいささか一方的な思い入れをこめた感情につながっておりまして、どうもトルコの皆さんというのは「孤独な民族」という意識にさいなまれているんじゃなかろうか、と思ってしまうところもあります。



#8554 
ミッキー 2009/07/16 18:02
ありがとうです

良くわかりました。どうもです。意外だったのは歴代中国王朝は純粋漢民族?だと思ってました。唐王朝をトルコ系と見なす研究者もいるんですね。島国日本と同じ常識観念では間違いですかね。大陸国家は支配関係も複雑なんですね。トルコが反発してるのもそういうことですか。



#8553 
徹夜城(久々に書く史点は煮詰まり気味の管理人) 2009/07/15 23:32
岡村太平記の湊川

 「戦国武将列伝」の最新号を買いました。岡村賢二「私本太平記」は今回が湊川の戦い。「列伝」誌に移行したのでサブタイトルに今回も「楠木正成」が入ってます。
 下手すると湊川描いたら終わっちゃうんじゃないかな〜と思ってたんです。今回のラストは建武式目が発表され、「室町幕府」が発足するところまででしたので、これでいきなり終わり、という手もあるな、と。しかし次回予告に「私本太平記・足利尊氏」が明記されてますので、とりあえず次号には載るようです。しかし同じ号に同じ岡村賢二氏の「伊達政宗」がデカデカと予告されており、こりゃあどうみても次号で最終回かと。どーも最後まで影が薄かったなぁ…グスン(泣)。
 今回の「湊川」ですが、原作が同じだからとはいえ大河ドラマ「太平記」の影響が濃厚に見られました。スタッフが参考に見ていることは第1回から明白でしたが。今回ではとくに義貞が足利船団にひきずられて東へ移動、そのすきに尊氏が上陸するカットが完全に大河ドラマそのまんま。


>ミッキーさん
 ウイグルについてはいま執筆中の「史点」で書きます。なかなか参考文献とかないんですけどね、ちょこっとこの辺に首を突っ込んだことはあるので。面白いことに日本中世史研究者で「室町の王権」などで知られる今谷明氏が「アマチュアのシルクロード史愛好者」の立場で書いた新疆ウイグル史概観本というのがありまして、これを片手にいま書いております。
 そこでも書くことになると思うのですが、昨年のチベットに比べると欧米は明らかに反応が鈍い(日本での報道はそこそこかな、と思ってます)。以前からそうだったので予想はされてましたが…世界ウイグル人団体もその件で欧米を批判してますね。むしろイスラム圏での反響があり、とくにトルコで盛り上がっているというのが「史点」的に面白い。ただアルカイダが「中国への報復」を言い出したことにはウイグル人団体は困っちゃってるようですが。

 で、ご質問の件については一応ここで。
 ウイグルが唐朝の支配下にあったというのはある程度事実。ただ昔の中国は、そもそも中華の皇帝一人が周囲の諸王の上に立つという考え(建前)ですから、近代以降の支配・被支配の関係とは同列に論じられないことに注意。唐とウイグルの関係はとくに単純ではなかったみたいです。とりあえず安史の乱のときにウイグル兵が唐の要請を受けて援軍に駆けつけたりはしてます。唐のことを「トルコ系王朝」とまで言っちゃう人もいてそれは極端としても、北朝や唐に北方民族の血がある程度入っているのは事実ですし安禄山もソグド系といわれておりますから、この時代かなりゴチャゴチャの多民族帝国ってやつだったんですな。
 ウイグルもチベットも「中国」の支配下にはいるのは清朝時代のことですが、これも間接統治に近いですし、モンゴルも含めた多民族帝国・清の性格もからんでまして…ただ清代からウイグル方面の独立運動、あるいは漢族との殺し合いは何度となく繰り返されてるんですよね。また漢族のイスラム教徒(回族)というのもいるわけで、事情はけっこう複雑かと。前述の今谷明さんはウイグルよりも回族のほうが危険なんじゃないかという見方をしておられますね。



#8552 
ミッキー 2009/07/15 09:21
ウイグル

昨年のチベット問題と違ってウイグルの争乱はあまり関心がないと思うのは私だけかな?特に今度は中国政府と民族の争いという図式ではなく中国系とウイグル系の民族同士の争いだから右派の方々も行動しにくいのかな。またはイスラムだから。ところである方のブログを見たらウイグルは唐王朝時代から中国の支配下にあったと書いてありましたが本当でしょうかね。ただ、昔はシルクロードを行き来する商人だけで移住する中国人がいなかったためウイグル族住民と争いはなかったとか。このあたりの歴史はあまり詳しくないので。たしかチベットも清朝時代には支配下にあったとも。その時代にはやはり独立運動ははげしかったんですか。田舎なんで本屋で詳しくわかる本があまりないので苦労してますよ。でも欧米諸国もあからさまに独立運動を支持できないでしょうね。せいぜい人権や人名尊重とか民主化ぐらいか。中国に配慮するより昨年の南オセチアの独立問題があるからねー。アッチの独立を認めない以上はコッチの独立を支持するというカタチは無理でしょうね。まぁ、ウイグル問題は中国もうまく納めてほしいですよ。



#8551 
徹夜城(今年の贋作サミットの構想を練る管理人) 2009/07/09 13:34
歴史映像名画座に追加

 先ほど予告通り「歴史映像名画座」に追加を行いました。一本は先日も書いた「剣と十字架」、残りの3本は「皇室と戦争とわが民族」「天皇・皇后と日清戦争」「日本敗れず」の新東宝映画三本立てです(笑)。
 「皇室と〜」はどこに入れたもんだかかなり迷ったんですよね。内容的にはほとんどが戦中・戦後で占められているのですが、他の新東宝映画の再利用と記録フィルムの編集ですし、映画の話題は明らかに史上初の「神武東征映像化」の部分にあるので、あえて古代部分に入れておきました。あのコーナーは内容の年代順に並べるのを原則としてますが、「ヤマトタケル」より後に入れたのは「日本誕生」とどっちが内容的に「年代が古いか」で困ってしまったためです(「日本誕生」もヤマトタケルの話だけど国生み神話も描かれるので)。
 ところで調べたところ、「天皇役者」となってしまった嵐寛寿郎は仁徳天皇まで演じたことがあるそうで。

 今回追加した「日本敗れず」についても少し。
 先日「皇室と戦争と〜」の宮城事件(8月15日深夜に起きた占拠事件)の部分はこの「日本敗れず」の映像の再利用かとか書きましたが、実際に鑑賞してみたらこちらは1954年公開の白黒・スタンダード映画なので明らかに別の映画でした。カラーでもう一回おなじテーマを映画化してるみたいですね(どっちにも青年将校役で宇津井健がいるのでややこしい)。
 「日本敗れず」は日本人初の国際スター・早川雪洲を主役に迎えて製作された「終戦ドラマ」でありまして、名作「日本のいちばん長い日」とまるっきりおなじテーマを扱ってます。もとの話が同じですから、当然のように同じシーン、同じセリフがバンバン出てくる。しかし製作費も安いのか、監督が下手なのか、脚本もメリハリがなく映画としてはかなり残念なレベルで、「日本のいちばん長い日」の傑作ぶりがさらに際立ってしまいます。
 ただ、公開年が1954年、つまり終戦9年目という近さでこのテーマを映画化していたのにはかえって驚かされます。そりゃまぁ今でも911テロを描く映画があったりしますから、実際の事件から間もない映画化自体は珍しくないのでしょうけど、テーマがテーマだけに…この映画では「阿南陸相→川浪陸相」「東郷外相→南郷外相」「森師団長→林師団長」といった調子で実在人物がすべて「もじり」の仮名にされています。
 録音盤奪取の決起を起こす青年将校に若き日の丹波哲郎・宇津井健らの姿が…そして川浪(つまみ阿南)役の早川雪洲はさすがの貫禄(この直後に「戦場にかける橋」でしたかね)。ただ雪洲さん、海外暮らしが長すぎたのか、日本語の発声がどこかヘンです(笑)。切腹シーンはさすがに「日本のいちばん長い日」みたいに盛大に血を見せたりはしませんでしたが、かなりの迫力なのは確かです。

 映画の冒頭には東京大空襲が記録フィルムに加えてミニチュア特撮で挿入されていたのも意外な驚きでした。そういえばこの年は「ゴジラ」の公開年でもあり、「ゴジラ」の中で「また疎開か」というセリフがありましたっけ。描写がリアルなわけです。
 映画のラスト、玉音放送が流れる中でバラックで赤ん坊が生まれます。そしてそれから一気に映画公開年の1954年になってそのとき生まれた子供たちが小学校の校庭で楽しく遊ぶ姿が映り、戦後の希望を彼らに託す、というなかなか綺麗な終わり方になります。これも戦後まだ10年経ってない段階だからこその描写でしょう。 



#8550 
tomohiro 2009/07/09 05:46
右傾化という怪物に日本は踊らされているか

或サイトに、
「ジョン・ラーベ」なる映画が
日本が極端に右傾化していて日本公開の予定も立たないのは残念です。
なぜだか知らないけれども、右翼が存在して恐怖の国のように
外部では思われているようです。
外部では右翼が沢山いる危険な国のように思われている
感じがします。
くだんの「japanデビュー」をあおった極右にしろ
みなさん地球上で一番危険なのは日本の右翼のように思えるようですね。
態々日本が極端に右傾化していると言うような考えに
そこまで酷くないと、諫める人もないし、
それに賛同する人ばかりが多いように思えます。
反対派が一番右翼を宣伝して大きく取っているような・・。



http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8549 
徹夜城(風邪は治ったがのどがまだ痛い管理人) 2009/07/07 23:08
久々に専門分野を刺激され

このところ病気の上に多忙でして、「史点」も書けやしません。恒例の「贋作サミット」あたりから再開を期したいと思います。「歴史映像名画座」には近々いくつか追加できそう。

ところで、こんな小説が出ていたので、書店で衝動買いしてしまいました。

山本兼一「ジパング島発見記」(集英社)
 
 月刊誌掲載時には全然知りませんでした。「鉄砲を伝えた男」から始まって、ザビエル、カブラル、ルイス・フロイス、オルガンティーノ、ヴァリニャーノといったポルトガルやイエズス会関係者の日本探訪史を列伝短編連作形式でつづったものです。
 「鉄砲を伝えた男」だけでも即買いでしたが、なんといっても第二章が「ほら吹きピント」であることに大喜び(笑)。メンデス=ピントを小説に登場させた例は確か杉本苑子さんに前例があるのですが、このいろんな意味で面白い人物に着目してくれたのは嬉しい。
 そして、第1章と第2章にはおなじみ王直も登場します。「倭寇」の件にはあまり触れてない印象もありましたが、大海賊の指導者として描かれる王直像は面白かったです(僕自身は彼についてはまた違ったイメージを持ってますけどね)。
 作者本人も巻末で断ってますけど、史実にはそれほどこだわらず、作者自身のフィクション部分の多い小説です。それがまたなかなかに面白いのですけど。日本人の手による「日本人以外からの視線」にたった日本人論という側面もありますね。

 こういうのを読むと、「後期倭寇」を専門とする僕としては大いに刺激されますねぇ。ホント、「俺たちゃ海賊!」コーナーぐらいなんとか形にしないと(^^;)。僕のもともとの専門分野は「倭寇世界」なんですから。
 …ネット上のどこぞで「南北朝史専攻」扱いで僕のサイトが紹介されてたのを目撃してますが、僕は南北朝で卒論なんて書いたことないので、誤解のなきよう。東洋史ばたけの倭寇世界が僕の専門であって、日本中世史、南北朝史はまったくの「趣味」なのであります(笑)。日本中世史の今谷明さんがいま話題の新疆ウイグル史に首を突っ込んでる例もありますからね。


>他にも小説
 電車の中で読もうと借り出していた司馬遼太郎「空海の風景」も読み終えました。
 この小説だと、空海の性格が悪い(爆)。これまで読んだものや映画などでは「秀才タイプで人間的深みのない最澄に対して人間的魅力のある空海」といったイメージで描くのが多い気がしていたのですが(最澄の弟子・泰範が空海に鞍替えする事件があるため)、司馬の解釈だと最澄が秀才タイプで空海は天才タイプということはそのままですが、最澄がすごくまじめでおくゆかしい人間であるのに対して空海がかなり「誤解」こみで最澄に嫉妬し憎悪をつのらせていくようにも読めまして。そう簡単なことではないのですが、司馬作品にときどき見られる笑いを含んだ悪意も感じなくはなかったです。
 空海の密教の説明の部分で、後年その一部を拡大解釈したのが後醍醐も傾倒した文観の真言立川流だ、ってな記述もありますね。司馬作品で南北朝がらみの話題が出てくることじたいがちょっと新鮮な気もしました。



#8548 
tomohiro 2009/07/03 08:10
大河は作らねばいけない。理由の一つ

私はドラマや映画のファンで、書店に行くとき、ついつい映画関連の棚に
足が運ばれていることがあります。
そのなかで目立つのはアジア映画関連のmook です。
かつて、洋画の主流を占めていた欧米映画の書籍は心なしか少なくなったような
気がします。
その中で、韓国の映画やドラマのmook を手に取ってみたのですが、
この本を信じるならば、可成りの時代劇が韓國で制作されているということが
解ります。私は現在の陳腐な脚本で衣装も使い回しの企画しか立てられないnhk 大河を
廃止すべきだと強く主張していますが、うかうか廃止できない環境に
アジアの周辺の國の状況を考えると出来ないなと思っています。
何故かと、自分たちのプライドやこだわりには強く固執する日本人としては
nhk のプライドとして作らねばならないと感じるときがあります。
私が感じるように大河においそれと廃止は出来ないのかなとも思っています。


http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8547 
徹夜城(熱は下がったが気分が依然として悪い管理人) 2009/07/02 23:01
偽使倭人伝

>黒駒さん
 ご紹介のWikipediaの「偽使」の項目、読んで来ました。力作なんですけど、百科事典に載せるにはちと違和感が…というか、これは「論文」のレベルになってしまっているのではあるまいか、と。まさか誰かの論文のコピペじゃあるまいな、などと…引用される論文がかなり最近のものを含んでいるので、そうした現役研究者の誰かが直々に書いたのか、院生レベルで作ってみたのか、いろいろと考えてしまいました。とにかく「アマチュア」がちょっと調べて作れるレベルではないことは確かです。
 僕も調べごとでWikipediaはよく使いますが、あそこまで内容が濃いのは歴史系では珍しいんじゃないかと。誰か一人が単独で執筆してまとめたのでしょうが、あれにいろいろ附属させたり修正していくのは難しそうな…そもそも「偽使」、それも日朝交渉史だけで項目を建てるというだけでも普通は思いつきません(笑)。
 一部で触れてますが、日中交渉史における偽使問題をとりあげて総合的なものにすべきだったんじゃないかなぁ、と。ああいう論文調というのは「百科事典」スタンスとはあまりなじまないような気もしました。

 「偽使問題」というと僕などは15世紀朝鮮に突然やってきて昆布などを献上して大蔵経を求めた「夷千島王假叉」の件が気になるのですけどね。ざっと見た限りこの話は乗ってませんでしたよね?
 この「夷千島王」の正体については「実際にアイヌ族長、音の類似からコシャマイン」とする説から、「東北・北海道に影響力を持った安東氏」とする説、そして「対馬が大蔵経ほしさに捏造した架空国の偽使」と大きく三説あるんです。前者二つはロマンあふれる「魅力的」な説ではあるのですけど、まぁ「対馬の偽使」と考えるのが妥当だろうと僕も思ってます。この「夷千島王」の「国書」のなかで「我が国は貴国の北方のオランカイ(女真)と接する」なんて表現があるんで、中世日本の国際認識の研究でも話題にされることがあります。

 あと、あの項目は室町期で話が終わってますが(だから論文くさいんだよなぁ)、対馬藩のお家芸「偽使・国書偽造外交」ってしぶとく江戸期まで続くんですよね。そのへんにも触れておいてほしかった。


>阿祥さん
 貴重なご意見どうもです。
 まぁあのシリーズじたいが「世界にデビューして150年の日本の歩みを批判的に検証する」という狙いなので、取材素材についてもそういう方向でまとめたことは間違いないでしょう。ドキュメンタリーというのはどうしても「そういうもの」なので。
 ネット上で間接的に知った話ですが、あの番組で「自分への取材で日本に批判的なところばかり使われた」と発言したという台湾の方も、統治時代の日本については「五分五分」との意識だそうで、日本から右翼メディアが喜び勇んでインタビューに来たら、相手が右翼と察知すると統治時代に日本にひどい目にあった話を延々としちゃったそうですから(爆)、ことはホントに単純じゃないんですよね。台湾の場合、日本統治後に来た国民党がもっとひどかったということもありますし、日本の右翼勢力はそっちと仲良かった歴史があるのでこういう人にとっちゃそういう対応をするのも無理からぬところでしょう。
 「海角七号」の馬総統の発言もなかなか面白いですね。「中国当局」ってのも単純な歴史観で映画を語ろうとしますからなぁ。


>半日だか新日だか
 ↑もちろん、わざとです(笑)。
 その「JAPANデビュー」の先日の「同盟関係」の回でも思ったんですけど、日本の外交感覚(庶民から首脳まで)って「自分に損か得かを見るだけで相手の立場にたって想像する能力に欠ける」ところがどうも昔も今も濃厚にあるような気がします。だから自身も見境なくケロッと立場を変えたりしますし、一方で国際関係のまったくの予想外の展開にアタフタしたりしちゃうということを繰り返してる気がします。だから何かというと親日か反日の二分法で決めつけちゃって柔軟な発想ができなくなると。


>ところで話題を一転して。
 先ほどルパンの掲示板にも書いていたことなんですが…ちょっと調べてて悩んでることがあるんですよ。
 ルパンの「緑の目の令嬢」(「カリオストロの城」のラストの元ネタってことで有名)の「ネタばれ雑談」を今度書くんですけど、そもそもフランス、もしくはヨーロッパにおいて「緑の目」というのはどのくらいの割合でいるもんなんだろう?と。ネットでいろいろ調べてるんですが、具体的なパーセンテージをあげてるところが見つからないんです。ヨーロッパでも決して多いほうではなく、北の方、もしくはケルト系の人に多いらしい?という話は見かけたんですけど。どなたか、参考になる情報をお持ちでしたらご教示ください。
 なお、日本ではこの作品は長いこと「青い目の女」「青い目の少女」の邦題で紹介されてきた歴史がありまして、これも信号機よろしく「みどり」を「あお」と表現してるだけなのか、それとも「緑の目」というのが想像できなかったための訳なのか…といろいろ考えておりまして。
 ぜんぜん読んでないんですが、ハリー・ポッターも緑の目なんですって?



#8546 
tomohiro 2009/07/02 16:41
反米も行き過ぎていると思う。

私は思うのですが、最近mixiなどでも見かける反米主義者も
まるで反韓・反中主義者みたいなアメリカの悪口を言うことで
カタルシスを得る人間も可成り増えていると思います。
確かに、アメリカも韓国も中国も日本に理不尽なことを
したり、押しつけたりしているのかもしれません。
しかし、それらの国の悪口を言うことが正義というのは
私は正義だとは言えません。どういう風にこれらの国と付き合うのか
少し考えています。


http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8545 
ミッキー 2009/07/02 16:16
何でも

近頃、自分の主張や考えと違う報道、記事に対して偏向だと決めつける風潮には、ウンザリ何とかならんかな。NHKだって単純な動機で取材、報道しただけだろね。親日、反日などになる人には理由があるわけで。タイワンは親日が多いけど中には反日の人々もいたから取材報道したわけで。だいたい2千万人の人口があるわけで全員が親日なわけもあるまいに。また、ある国や民族を好き嫌いになるのも思想、信条より個人体験の方が多いのでは。イジメラレタとか。私の甥は反イタリアだけど。旅行でローマでちびっ子ギャングの集団に襲われてヒドイ目にあってイタリアもイタリア人も嫌悪感を持ってしまったわけ。以上に外国嫌いになって新婚旅行も国内にしましたよ。親日、反日の問題も政治や思想や歴史になんでも結びつけて論じる必要はないんではないか。



#8544 
黒駒 2009/07/02 00:40
偽使

ウィキペディアの「新着記事」に挙げられていた最近の新規立項項目。脚注・出典もしっかりしていて主張的部分もなさそうなので良記事であると思うのですが、なかなか興味深いですね。海上史文献はなかなか参照しにくく勉強が追いつかないので、こういうところでまとめてくれるとありがたいです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%BD%E4%BD%BF



#8543 
阿祥 2009/07/01 22:11
「ジャパン・デビュー、アジアの一等国」

この番組はたまたま我家でも見ました。台湾のことがテーマになる特集など滅多にないものでしたから、すぐにチェックしました。うちの家内は台湾人ですし、僕も台湾史のことはそれなりに勉強していたので、比較的客観的にこの番組のことは見れたと思います。二人の共通の感想は、“こういう切り口もあるよね。日本の植民地時代の記憶はよいものばかりではない”というものでした。

その同じ時期に“海角七号”という台湾のヒット映画を見たのですが、そこで日本時代は、懐かしく好ましいものとして描かれており、日本人としてはこそばゆいぐらいのものでした。
この二つの見方はどちらもありだと思います。正しいものと間違ったものではなく、立場と切り口でどういう風にも日本の台湾時代は評価できます。

ただし、気になったのは、その“海角七号”が大陸中国で上映される際、中国当局に日本の歴史を誤って伝えているものとして糾弾され、非難されていたことです。そのことに対し、馬英九総統が「そういう偏見は持たずに、ありのままの台湾の物語として楽しんでください」と、珍しくも映画に関する積極的コメントを発したような事件でした。中国政府の公式な歴史観にとって、台湾人の日本時代を懐かしむような言動は、許すべからざることなのだと思います。

そこから類推するに、中国べったりのNHKは、中国に受け入れられる歴史観でしか台湾のことを描けないのではないでしょうか。日本人は中国でやったのと同じように、台湾でもひどいことをやったと、そういうメッセージしか発せないしがらみがこの放送局にはあるように思えてなりません。
NHKのことだから、ドキュメンタリーとして十分な取材は行ったに違いありません。しかし、そこから編集してまとめる際に視点を偏向させざるをえなかったのでしょう。とはいえ、決してやらせをしているわけでも、嘘をついているわけでもなく、あくまで事実に沿った見方を示していた、面白い番組だったと思っています。



#8542 
徹夜城(夏風邪ひいて寝込んだ管理人) 2009/07/01 17:50
所有映画を整理してたら

 職場で同僚から夏風邪をうつされまして(笑)。まさか新型インフルエンザじゃないんでしょうが。とりあえず発熱は一日で収まったけど、のどが痛い…
 そんなわけで昨日今日は珍しく暇になったけどものを書く気も失せたので大量所有の映画DVDのデータベースでも作るか、とやり始めたらハマってしまいました。録画テープやHDDレコーダーから自作したDVDだけでも300本はありました(^^;)。歴史ものが多いのは当然ですが、もちろん他のジャンルのものもかなりあるので。
 これに市販品で購入したやつを加えると、たぶん400は越すんだろうなぁ…そしてまだテープに残っててデジタル化してないやつを加えたらえらいことに…
 思い立ったきっかけが、最近衛星放送などで放送する映画について「これ、録ってたっけ?」と自信がなくなってきたからなんですよ(笑)。


>歴史映画
 そこへまた、性懲りもなく映画DVDを買ってきちゃうわけです。話の種に(笑)。
 先日の「皇室と戦争とわが民族」に続いて新東宝映画「天皇・皇后と日清戦争」(1958)です。おそらく日清戦争を映画化した例は戦後ではこれしかないんじゃないかと。
 新東宝は「明治天皇と日露大戦争」で空前のヒットを飛ばしてしまい、「二匹目のどじょう」を狙って作ったのがこの「日清戦争」です。オープニングとエンディングは伊勢神宮、しょっちゅうはさまれる明治天皇(もちろんアラカン)と昭憲皇后(高倉みゆき)の御製の歌、日清戦争ネタの浪曲・講談ネタはしっかり挿入、陸戦・海戦はもちろんのこと、下関会談の展開、丁汝昌の自決、李鴻章の遭難、三国干渉などなど、意外と史実関係もしっかり追いかけていくてんこもりな内容です。よくまぁこれで二時間でまとまったもんだと感心するぐらい。

 公開当時でも「時代錯誤」な感じはあったと思うんですよね。そもそも前作「日露大戦争」からして意図的にそれを狙った「キワモノ」だったという点は否めません。新東宝といえばこういう戦前ばりの懐古趣味な戦争映画を作る一方で「女体渦巻島」ですとか「憲兵とバラバラ殺人」ですとか、いわゆる「エログロ路線」を突っ走っていた映画会社ですから。だいたい天皇を俳優に演じさせること自体が当時ではかなりヤバい行為でした。

 もちろん明治天皇と皇后は神格化イメージそのまんまですし(嵐寛寿郎も肖像画のほうの明治天皇に似せてる)、明らかに清側を悪く描き、日本軍は「忠勇無双」な連中ばかり(笑。そのぶん面白みに欠ける)。ま、それでいて丁汝昌の描き方など「敵ながらあっぱれ」な描写もありますし、李鴻章を狙撃した犯人については「バカ者が!」と天皇以下みんなで怒りますし(実際はどうあれ、この映画の日本首脳はみんな「平和主義者」の設定なので)、思ったほど単純ではないのも確か。知識のある立場で見てる分にはあれこれと結構楽しめました。
 若かりし日の高島忠夫が一兵卒の役で出てるんですが、この兵士が戦場であっさりと死んでしまう展開には、「日本の戦争映画は戦意高揚映画でも反戦映画に見える」とアメリカ人に評されたことを連想したりして。

 でも、たぶんこれ、しょせん二番煎じということであまりヒットしなかったんじゃないかと。新東宝戦争映画は以後は低予算に転じますので。


>凡人さん
 う〜ん、僕は「鬱陶しい動きだなぁ」とは思いますけど、それほど重大な事態とは思ってませんので、「史点」にも取り上げる気はありません。勢力はこれっぽっちも拡大してませんし(自民党のセンセイたちだって支持母体だから対応してるだけなんで)、やることがないから過激化してるって面もあります。
 まぁ彼らとしてはNHKが無視するので騒ぎを大きくして注目を集めるのが目的でしょうから、横目にしつつ無視するのが適切かと(北朝鮮のミサイルみたいなもんだと)。裁判だって常識的にはまず勝てません。



#8541 
凡人 2009/07/01 17:11
ちょっと訂正

一昨日のnhkスペシャルについて提訴した人数、確認しなおしたら8400人でした。訂正します。                                                                         相当抗議が熱を帯びてるようで、土曜日に上野で抗議デモがあったんですね。番組自体はみてなかったんですが、今後の動きがきになります。駄文失礼しました。



#8540 
つね 2009/06/29 23:49
アンサイクロペディア

回答ありがとうございます。

>万里小路藤房を関与させてるのは創作
私は分かりませんでした(聞いたこと無いぞ、とは思いましたが)。
うまく事実(と思しき事柄)を脚色しているようですが、
こうも創作と事実をうまく織り交ぜられると危険ですねえ。
まあアンサイクロペディアなので許されることでしょうが。



#8539 
tomohiro 2009/06/29 22:39
nhkSpecialの問題にたいする私の考え

nhkSpecialの問題ですが、
あれは、講義する右よりの団体に大して保守の方からも
"ああいう、行動をするからますます反対する人間に
番組の内容がおかしければ根拠をあげてきちんと反論すればいいだけの話であって、ただ「自虐だ」などと騒ぐだけでは「日本では横暴な右翼排外主義が平和を求める声をつぶそうとしている」などという口実を与えるだけではないか。"
という言葉を投げかける人がいました。
私はもしかしたら、現在反対している人間は右寄りでも跳ねっ返りの人間
たちじゃないかなと思ってもいます。
こういう人間たちが暴れるから、ある人は若い人の保守・右傾化は
眉をひそめると、短絡的に考える人も出てくるのかもしれないと・・・。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8538 
凡人 2009/06/29 20:45
南北朝列伝、公開ですか

またご無沙汰してしまいましたが、南北朝列伝、すごい分量になっていますね。ざっと中をみていたのですが、初心者でもよくわかる書き方ですね。暇な時間にじっくりみていきたいとおもいます。                                                                   何度も同じ話題を引っ張りだしてしつこいかもしれませんが、例のnhkスペシャルの問題、9000人の人が提訴(歴史研究家など)したようです。先日ニュースで知りました。あの団体に限らず政治家からも質問状が出されるようで、抗議の波はさらに広がってるようにも思ってしまいます。サイトの更新に口を出すものじゃないんですが、史点でもこの話題を扱ったらいいんじゃないかと。もしかしたら既にきまってるかもわかりませんが。 



#8537 
徹夜城(コピペで列伝作ってミスした管理人) 2009/06/29 15:15
大チョンボ(笑)

>景虎さん
 ご指摘どうも!今までまるっきり気づきませんでした(汗)。赤松氏の上にある「赤橋」のお二人の部分を改造して作ったのがまるわかりですね(^^;)。
 赤松氏もよくわかんないことは多いんですよね…ミネルヴァ日本評伝選で「宗峰妙超」が出ていることに先日気付いて立ち読みしましたが、ここでも「宗峰は円心の姉妹の子」という説が紹介されてました。
 楠木家との血縁があった、という話はちらほらと聞く説なんですが、確定要素が少なくて…確か北方謙三さんもその設定を使っていた気がします。血縁ではありませんが、正成とともに籠城し、赤坂城の守将として投降したら処刑されてしまった平野将監なる人物は尼崎方面で悪党活動をしていた形跡があり、円心とつながってくるのでは?という話は読んだことがあります。
 名和氏も赤松と似ていて、得宗被官だったんじゃないかという説もあります。それは正成にもあるんですけどね。この三家はいろんな意味で似ていると思います。

>つねさん
 「アンサイクロペディア」の「太平記」記事ですが、もちろん万里小路藤房を関与させてるのは創作です。彼が出奔しちゃうから「リレー小説」がとんでもないことになっちゃった、という話に持っていくためでしょう。
 ただ「リレー小説」自体は確実視されてますし、あの記事の中で冗談半分で触れられてる児島高徳がリレーの中に自分を過大に書きこんだ、という話もないわけではありません。直義がチェックを入れたのも本当ですし、細川頼之が「リレーを中止させた」というのもある程度推測されていることです。
 あの記事に追加するなら、「巻22」が初期から欠けてる理由をジョークで書いてみたいですねぇ。以前から「なにかマズイことが書かれていたので頼之が焼き捨てた」とささやかれておりますし。

 「太平記」の故事引用の長大さは読んでてあきれ返ることが多いですね。児島高徳のくだりで出てくる呉越の戦いはまだつながりがありますけど、三国志ばなしが延々と語られる「諸葛孔明が事」の部分は本筋とほとんど無関係。一応孔明の死が義貞の戦死を予告する役割をもっていること、足利・新田・南朝で「天下三分」のつもりらしいことといったつながりはあるんですけど、どう読んでも著者が脱線して「こんな面白い話があるよ」と紹介してるだけなんですよね。しかもこの「諸葛孔明が事」のくだりは史実にまったくもとった内容で、「コピペ元」が何なのか気になる。
 他にも楚と漢の話とか、インドの仏教説話とか、日本の弘法大師の話とか、脱線引用の例はいっぱい。でもたぶん当時の読者(とくに武士たち)はこれを読むことで知識が増え教養になったんだと思うんですね。



#8536 
景虎 2009/06/29 14:55
赤松氏

南北朝列伝に書かれている、

赤松円心 あかはし・えんしん
赤松則祐 あかはし・そくゆう(のりすけ?)

は『あかまつ』ですよね?
私が知らないだけで、『あかはし』が正しいのだとしたら、お許しください。

赤松氏については、こちら
http://homepage2.nifty.com/OTIBO_PAGE/rekishi/akamatu/akamatuzenshi.htm
のサイトが詳しいようですね。
このサイトには、赤松氏の先祖が北条の縁者だという説が書かれていますが、本当だとしたら面白い話です。

考えてみると、『低い身分から一代で成り上がった』という人達の大部分が、実は違っていたという話はよく聞きますので、あり得る事かもしれませんね。



#8535 
つね 2009/06/28 22:59
太平記

アンサイクロペディアの記述を読みましたが、
表現はとにかくとして、書いていることは通説or一説なのでしょうか?
ウィキペディアのほうはあまり成立経緯には踏み込んでいませんが、
これは「分からないことは書かない」という方針のためだろうと思いますが。

>中国古典のコピペ
これは全くそのとおり。どの箇所か忘れましたが、長々と三国志の故事を
引いてきた挙句、「話の流れと関係ないじゃん」と思わせたこともありました。



#8534 
tomohiro 2009/06/28 18:03
大河製作に後戻りが出来なくなったのでは

昔ほど、その考えがつよくなくなったのですが、
未だ、大河ドラマは廃止しない方針や
あるいは日本の歴史に固執する方針には
現時点では大反対を貫いている人間なのですが、
最近は大河製作は
日本人の面子のためにはやめられない背景が存在しているのではと
思っています。
諸外国をみれば、インドが世界一の映画生産国
だと聞いているのですが、
大量に映画を作れば、粗亂製造になって
映画製作を縮小したいとか、
今作っているのとは違う側面の映画を作った方が良いという
現場の声がありそうだと思うのですが、しかし
インドが抱える世間の空気からして、そう言う物を
変えられない廃止できない空気が存在しているのではと
思ってもいます。
だから、映画やテレビドラマを作ってそれが成功して
軌道に乗ってしまうと、後戻りが出来なくなってしまうと
いう所もあるのではと考えてもいます。
そういう映画やテレビドラマを製作できるのと
うらやましいという国があって、
その人々がインターネット越しで、
映画やテレビドラマが大量に生産できるインドや日本が
うらやましいという声がありました。
大河ドラマ廃止、人気映画シリーズ廃止という考えは
些か贅沢なのかもしれませんね。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8533 
徹夜城(足利家のみなさんの伝記をひとまず書き終えた管理人) 2009/06/28 00:25
尊氏の息子二人の列伝をアップ

 なんだかんだで一週間かかっちゃいました。先ほど南北朝列伝に「足利基氏」「足利義詮」の列伝を追加しました。これで大河ドラマ「太平記」に登場した足利ファミリーの皆さんは全部書いたことになります。
 もちろん、いずれは義満伝も書きます。今はとりあえずの基準として「大河ドラマに出てきた人」の列伝を書くことにしておりまして…もっとも義満は最終回でまだ母の胎内にいる状態で尊氏に名前をつけてもらうという形で「名前だけ出演」はしてるんですよね。
 大河ドラマでの「名前だけ出演」といえば、北条時行や懐良親王といった大物もおりました。「出てきた人」を一通り書き終えたら、その次は「名前だけ出てきた人」をやってみようかと思ってます。

 ところで、「太平記」関連で調べてましたら、こんなところが。ジョーク百科事典の「アンサイクロペディア」に「太平記」の項目があったんですよ。
http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E5%A4%AA%E5%B9%B3%E8%A8%98

 いやぁ、この記述は「うまい!」と思うところが多かった。とくに「中国の故事などをそのままコピペして記述するような輩もいた」のくだりに爆笑。


>つねさん
 ゲームの能力値はこちらも「お遊び」として入れたものなんですが、注目していただけると嬉しい(^^)。確かに南朝系の人物はデータが高めに設定される傾向はあるかもしれません。PCエンジンのCD版なんて、南朝方(義貞)でプレイするとあまりに「正確」を期したデータだとかなり苦戦が予想されるので、甘めにつけてるかな、という気もしちゃうんですね。メガドライブ版にもその傾向があるかもしれません。
 あのゲームデータでまだ入れてないのが、PCエンジン「斬」の太平記シナリオと、ボードゲーム「太平記」のデータでして…これはプレイも十分にやってないせいもあって後日つけようってことにしたんです。


>阿祥さん
 僕は今度の映画見るまで「フランチェスコ会」については名前だけ知ってた、というレベルでした。なるほど、イエズス会との絡みではそういうところまで話がつながってくるわけですね。
 中国におけるイエズス会の布教のやり方、はっきり言っちゃえば中国文明と巧みに折り合いをつけた布教方法は世界史の教科書でも出てきて有名なんですけどね。



#8532 
阿祥 2009/06/27 17:49
イエズス会、フランチェスコ会とドミニコ会

アッシジのフランチェスコのことは、塩野七生さんがルネサンスについての概説書でルネサンス精神を最も早い時期に体現した人物として評価していましたね。

僕はこの修道会についても興味を持っているのですが、戦国時代末期にキリスト教の宣教師たちが相次いで日本にやってくる際に、ポルトガル経由できたイエズス会と、スペイン経由できたフランチェスコ会とドミニコ会との関係が非常にうまくいってないことから、後に鎖国につながるキリスト教の排斥が始まったという経緯があるからです。
イエズス会についての著作は結構多く日本でもいろいろ見ることができるのですが(上智大学がありますものね)、このフランチェスコ会というのはあまり一般的な書物は紹介されていません。イエズス会が16世紀に反宗教改革の意識の元に成立したのに対し、ルネサンスに先立って成立した会であること、イエズス会が布教方針として、トップダウン、各地の指導者層に働きかけることで効率的に信者を増やそうとしたのに対し、草の根的活動、貧者に対して福音を伝えることを主としていたことなど、いくつかの思想的バックボーンの違いから、同じキリスト教の宣教師であっても水と油のような関係であったようなのです。これは同時にポルトガル対スペインという背景となっている国同士の争いといった面もあるようです。
日本でキリスト教の禁止が進められていく過程では、常にマニラ経由で日本に来た人たちが問題を起こしています。イエズス会は既得権益の擁護という立場から、スペイン系の宣教師の入国を快く思っていません。一方フランチェスコ会或いはドミニコ会の宣教師は背景に持つスペインの力を過大に評価し、日本の指導者たちの神経を逆撫でしていきます。

結局、日本では17世紀のキリスト教宣教活動は大きく挫折してしまいますが、中国でも康熙帝の時期に、イエズス会とフランチェスコ/ドミニコ会の争いは、内戦のようになってしまい、結局清朝皇帝からキリスト教布教の禁止を命じられるようになってしまいます。これは日本よりさらに教会内部の問題が理由になります。イエズス会の中国社会に順応的な布教方針に対し、あくまでヨーロッパでの正当な布教方法を遵守しようというフランチェスコ/ドミニコ会が、ローマ教会に対しイエズス会の方法が非正統的であると訴え、結局それが認められたため、中国の社会と衝突を繰り返すことになっていまい、皇帝の怒りをかってしまうという事態に立ち至るわけです。

などなど、イエズス会、フランチェスコ会ドミニコ会の関係というものに対しいろいろ知りたいと思っているのですが、なかなかよい資料がありませんね。日本語の資料ではさすがにこのテーマは限界があるようです。



#8531 
つね 2009/06/27 00:24


管理人さん、遅くなりましたがレスありがとうございます。

>楽しい苦行
言われてみれば分かるような気もします。
読者として大いに楽しませていただこうと思います。
それにしても右馬介が(一応)実在の人物で、左近が架空の人物とは。
足利直冬はドラマでは戦巧者みたいに見えたけど、思い違いかなあ。
とにかく知らないこと満載です。
調べている人物に感情移入するというのは、「太平記」そのものを好きなんだと
あらかじめ感じました。私は、贔屓というほどは意識してませんが、今回の列伝でも
ゲームの能力値でも真っ先に気になるのが楠木正成です。基本的に南朝の忠臣びいき
(武家に限る)なのは判官びいきからだと思います。ただし北朝に負けるからでは
なく、分からず屋の貴族に虐げられる姿に同情しています。

>大河ドラマ
基本的にまだやったことのない人物なり時代なりを見てみたいというのが
ありますから・・・
くじ将軍とか。大河マジックで彼をどう「いい人」に仕立てるかに興味があります。



#8530 
徹夜城(またルパンの館の整備をするかと思う管理人) 2009/06/26 00:27
歴史映画2題

 このところDVDで鑑賞したものを。

☆「皇室と戦争と我が民族」(1960、新東宝)
 これねぇ、話の種になるとずっと前から見たいと思ってたんですよ(笑)。かの「新東宝」が「明治天皇と日露大戦争」でなまじ当たっちゃったあと惰性で作り続けた「一見ウヨクな戦争映画」の一本です。以前ビデオ化されていたのですが入手困難になってしまい、新東宝の一連の映画もみんなDVD化されるなかでなぜかこれだけソフト化されず、なかなか見られない幻の一本になっていたんです。タイトルがタイトルだけにヤバいと思ったのかなぁ…?
 と、思っていたら、先日とある大型書店の激安DVD棚をなにげなく見ておりましたら、新東宝戦争映画のなかにひょっこりこれが混じってたんですよ。あらら、いつの間にDVDになったんだろ、と驚きました。新東宝を資本的に引き継いでいる国際放映からの発売となってました。

 なんでこれを話のために見たかったかと言いますと、これ、恐らく唯一の「神武天皇映画」だからなんです(笑)。神武天皇を演じたのは、「明治天皇と日露大戦争」で史上初の天皇役者となったアラカンこと嵐寛寿郎。
 で、実際に見てみたわけですが、神武東征と建国の部分は最初の10分ちょっとだけでかなり拍子ぬけ(笑)。セリフも全然ありませんしねぇ。長腿彦との戦いはちょっとしたスペクタクルになってますが、「金のトビ」が小学生の工作みたいで、敵兵がみんな腰砕けになっちゃってましたよ(爆)。

 で、橿原で即位して「建国」したと思ったら、次のシーンはいきなり太平洋戦争前夜(うわぁ)。アラカンは今度は東条英機になって登場します。もっともこの部分は新撮りではなく、新東宝がこれ以前に製作した「大東亜戦争と国際裁判」(これをはるか後に焼きなおしたのが、かの「プライド」ってことになります)のフィルムの使い回しなんですね。そして終戦間際のドタバタが描かれますが、こちらも新東宝「日本破れず」(内容的には東宝「日本のいちばん長い日」とほぼ同じ)の再利用です。
 「主役」であるはずの昭和天皇はいっさい画面には出てきません。「ベン・ハー」のキリストというよりは「ザ・メッセージ」のムハンマドで、姿も全く見えないし、セリフは全部ナレーションが代わりにしゃべってます。マッカーサーとの会見だけが新撮りのようです。
 戦後はずっと記録フィルムだけで編集し、全国行幸、皇太子結婚、浩宮誕生までが描かれていきます。映画全体としては「天皇が平和国家日本を築き、お守りくださってる」的なスタンスで万歳三唱、ってな映画ですが(だから見終えてみるとタカ派色は実は薄い)、平和国家建設ウンヌンといってる神武がやってることは侵略行為にしか見えなかったりするわけですが(笑)。
 新東宝もこのころにはジリ貧でして(翌年に倒産)、再利用ばかりの安い製作費でヤバげなタイトルつけてバーンと目を引いて観客を呼び込んじゃおうともくろんだのがよくわかります。似たようなので「日露大戦争」と「天皇・皇后と日清戦争」を編集した「明治天皇御一代記」なんてのもあったような。
 ま、少なくとも話の種にはなりました(正直拍子ぬけしたけど)。むしろ「日本破れず」をちゃんと見て「日本のいちばん長い日」と比較論をやったほうが面白いかなぁ、とも。


☆「剣と十字架」(1961)
 たまたま先日アキバのDVD売り場でみかけて安かったんで買っちゃったやつ。これで「歴史映像名画座」のイタリア史の枠が一つ入る、と思いまして。
 全然知らんかったんですけど、13世紀に修道会「フランチェスコ会」を創設した聖人・アッシジのフランチェスコを主人公とした映画です(原題はそのまま「アッシジのフランチェスコ」です)。鑑賞後に調べて知りましたが、3回ほど映画化されてる有名人で、一度なぞは最近また日の目を見ているミッキー=ロークが演じたこともあったそうで。
 こちらは想像以上に地味な映画で…まぁ宗教家映画なんてそんなもんですが。冒頭、イタリア国内での大掛かりな合戦シーンがあったりしますが、そこで「私の家を直せ」という「神の声」を聞いちゃったフランチェスコが教会の手作り建設を始め、周囲の人々が次々と慕ってきて(恋人も含まれますが)、教皇インノケンチウス3世にも認められ、順風満帆ながらいたって地味かつ清貧に話が進んでいくので、中盤までかなり退屈。
 終盤にさしかってから急に盛り上がってきます(笑)。フランチェスコは十字軍に出かけて「イスラム教徒に平和を説く」などと言って東方へ旅立っちゃうのでイスラム教徒激怒の展開かと思ったら、これが案外そうでもないんですな。イスラム教徒の君主のほうが物分かりがよく、むしろ十字軍の現地での蛮行がばっちり描かれます(61年の映画としてはかなり「進歩的」姿勢なんじゃないかな…?)。絶望するフランチェスコが帰国してみると修道会は彼が留守の間に清貧な運営方針が改正され、彼の理想も粉々にされてしまう。フランチェスコは目も不自由になって苦悩のうちに死んでしまう(まぁ最後には一応の「救い」がありますが)。退屈な聖人伝の中盤までは予想もしない後半の展開にむしろ驚きました。



#8529 
tomohiro 2009/06/23 07:46
放映は良いけれども毎年放映は少し考えてみては

大河ドラマですが、おそらく日本の歴史に固執していくことだと
思うのですが、もう、打ち切りとは言いませんが、
有る程度休止させればいいのではないでしょうか。
其れか放送形式を変更したりしたりすればいいじゃないですか。
現在木曜日の20:00から放映されているnhkドラマ8が
往年のnhk少年ドラマシリーズの後継者のような色彩が強い
ドラマだと思うので、曾ての流れを現在に復活
させた格好になったのを考えると
大河もそうあるべきです。
最近朝ドラもnhk内部で打ち切りをほのめかす人間
が出てきましたが、大河もそれを真剣に考えてみては
日本の歴史にこだわるならばそれでいいのですが、
毎年放映することは少し考えた方が良いです。


http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8528 
徹夜城(次回史点ネタは情勢待ちが多い管理人) 2009/06/22 14:46
ご贔屓は誰?

また一足遅れたレス総まとめです。

>mozawaさん
 「浅井三姉妹」ネタでは昨年の正月に東映が公開した「茶々」がありました。あれは東映時代劇の伝統から言うと微妙に正統派で微妙にハチャメチャ(「柳生一族の陰謀」系)であるところが中途半端なきらいがありまして…あれをキチッと作ったら結構いい大河ドラマになった気がするんですよね。
 浅井三姉妹ということは滋賀県が「ご当地」になるわけで、南北朝ネタでは滋賀県ご当地の「佐々木道誉」はこれで当分遠のいたことになります(^^;)。

>tomohiroさん
 僕は大河に関してはあくまで自国史で作ってほしいですね。海外ドラマなんていくらでも放送する枠があるわけですから。もっとも海外の本格歴史劇は案外民放BSでも多くは放送してくれてません。
 先日、秋葉原のDVD売り場を久々に覗いて、海外ドラマのコーナーもチェックしましたが、行くたびに韓国・中国の歴史大河の完全版BOXが増えていまして、歴史映像名画座管理人としてはかなり悩ましい思いをしています(笑)。こんなに次々と歴史ものがつくられても、こっちは追いつかん…そこいくと逆に日本の大河時代劇は決して多いとは言えないんですよね。
 先日見かけたもので気になったのは中国ドラマ「朱元璋」でして…DVD−BOXで三巻セットとなるとさすがに予算が…三国志か史記ネタでもないと民放BSでやってくれそうにないからなぁ。ちなみに朱元璋の胡軍(フー・ジュン)は、「大漢風」で項羽、「レッドクリフ」で趙雲を演じ、最近すっかり「歴史劇の顔」になっているようです。

>黒駒さん
 僕も「江」の発表を聞いたときに「葵」を思い出しました。あれは関ヶ原から後しかありませんでしたが、浅井三姉妹も重要な要素になってましたし、その意味ではリメイクに近くなるような…という気もします。

>NFさん
 確かに道誉って、南北朝小説の「狂言回し」的役回りが多いですね。彼の生涯をやると北条高時、後醍醐天皇、足利尊氏、楠木正儀、足利義満…と要所要所でたいていの重要人物と深いかかわりを持ってますから。戦国ものにたとえると伊達政宗に似た位置づけができるこの人ですが、活躍期間の長さと顔の広さからいうとスケールはもっと上回ってる気もします(文化育成者としての側面も無視できませんしね)。
 最近になって吉川英治の「随筆・私本太平記」を読んだんですが、「私本」の連載当時は「佐々木道誉って実在したんですか」という読者の問い合わせもあったそうで、かなり知名度の低い人物だったそうです(今だって一般レベルでは大差はないかも)。「私本」は佐々木道誉が尊氏とタメをはる主要人物として序盤から登場しており、彼に目をつけた吉川英治の眼力はさすがという気もします。
 大半を書いた段階で吉川英治は有名な道誉肖像画と対面しますが、「まさに想像通り」と思ったそうです。絵の中の道誉が「吉川君、君は小説のなかで僕をずいぶんいろいろ使ったねぇ」と声をかけてきた気もしたそうで(笑)。当然道誉は寛大にそれを許してくれるだろう、とも書いてます。
 そのとき吉川英治を案内した毎日新聞記者が、のちに作家となる徳永真一郎で、彼も「婆沙羅大名」という小説(エッセイに近い気もする)を書いてます。それによると道誉の子孫の京極家の人と会ったら、その道誉肖像画と瓜二つの顔でビックリしたんだとか。

>つねさん
 「楽しい苦行」というのもございます(笑)。楽しいことは楽しいんですけどね、あっちゃこっちゃ資料を引っ張り出して確認し続けての作業なんで苦労なのも事実なんですよ。大物になると一人の簡単な伝記を書くだけで大変なエネルギーを費やします。
 ですが、「列伝」作業にハマっていて一番面白く感じたのは、いままで特に気をつけてなかったような人でも、その人一人に絞ってその生涯を追いかけていくと、それぞれの立場の苦労や悲哀や喜劇が浮かび上がってくることでした。特にドラマ「太平記」で名前だけ出てくるような人が、調べていくと「おや、おや…」というぐらい次々と逸話が出てくる。つくづく「つまらない人生なんてありません」ということを思い知らされました。
 また、ある人物に絞って調べたり執筆していると、どうしてもその人に感情移入してくるんですよ。その人について書いてる間は確実にその人の「ひいき」になってますね(笑)。先日も「足利直義伝」を書き終えてアップしましたが、自分でもかなり入れ込んでしまいまして…これまではそんなに好きじゃなかったんですけどねぇ。まだアップしてませんが、足利基氏伝もすでに執筆を終えており、これまたかなり感情移入してしまいました(笑)。現在は義詮伝を書いてますが、凡庸・暗君扱いされやすい彼だってその生涯を追っていくと…という感じになってます。
 後醍醐はおそらく文量が大変なことになるので、一番最後の「トメ」として書くことになるかもしれません。この人については、いろいろボロクソなことを書く気でいますが(笑)、たぶんその生涯を追ってるうちに感情移入してますよ、きっと。いろいろ言われる人だけど、当時かなりの人がそのカリスマに魅入られてるという人でもありますから。

>刑事一代
 珍しく録画ではなくリアルタイムで見てました。最近のテレ朝の歴史もの大型ドラマはなかなか見ごたえがあります。渡辺謙さんにはやっぱり圧倒されますね。
 ただ、「帝銀事件」に関してはかなりひっかかりもあります。ドラマとしてはあくまで刑事の執念捜査に焦点を絞って冤罪かどうかの議論には深入りしないようにしてた気がしますが…近頃冤罪問題が話題になってますし、昔も今も「強引な取り調べによる自供」というのがかなりあるんじゃないのかという思いもありまして。
 あとは「三億円事件」で一時容疑者とされた人物を八兵衛氏が取り調べたことに触れてなかったこと。昨年フジテレビで製作した三億円事件再現ドラマでは中村梅雀が八兵衛役で、あまり気が進まない様子で「厳しい取り調べ」をしたことが触れられ、その後その調べられた人が人生を狂わされ、昨年になって自殺しているという事実にも触れていたので、その辺を避けていたのも少々気になりました。
 どっちのドラマでも山本耕史さんが八兵衛の部下(後輩)役なのが、見ていてちょっとややこしい(笑)。山本さんも梅雀さんと謙さんが同じ人、というのはやりにくいんじゃなかろうか、などと(笑)。



#8527 
つね 2009/06/22 00:10
南北朝列伝

とても苦行と感じてるとは思えません。
楽しんでるとしか思えないのですが。羨ましい・・・と言ったら間違いですか?

出来る限り客観的に見ようとしていらっしゃるようでしょうか。
本当のところ贔屓なのはどなたでしょうか?
これまでの発言を読み返してみたら分かるのかもしれませんが。

「刑事一代」を飲みながら見ていたので失礼します。
声を挙げて泣いたのは久しぶりでした。




#8526 
NF 2009/06/19 00:36


>道誉
ちょうど、「大博奕」の一言半句に拘って彼に関するおふざけな一文をブログに書き込んだ後で拝見したもので、内容がそれなりに通じなくもないせいか何だか縁を感じてしまった訳ですが…。彼が狂言回しを勤める形で南北朝群像を描くのが道誉小説の通例居なっているように思いますが、確かにこの形なら欲張りな展開ができそうなものです。

>南北朝人物列伝
…凄いボリュームですね。しかも一人一人に関する情報量が多い。確かにこれは大作業です。こちらも、負けずにというのは無理ですが、少しずつでも南北朝もののコンテンツを書いていきたいものです。では、後醍醐等の項目を楽しみにお待ち申し上げます。



#8525 
黒駒 2009/06/18 00:20


南北朝列伝、すごい分量ですね。「大全」で南北朝に目覚めて、最近はちょっと遠ざかってましたが、列伝で再び熱が喚起されるかもしれません。「尊氏と直義」もそうですし、最近だと足利義持や世阿弥の評伝が出ていたりと、けっこう周辺の出版物は出ていますよね。

再来年大河はお江与さんですかぁ。「坂の上」がメイキングを見る限りでは、NHKが久々に本腰入れて「歴史映像」を作ろうとしている希薄を感じましたので、まぁ許せなくも無いですけど、「葵」が大好きなんで余計な作品をとは思ってしまいます。お江与は確か家光が将軍宣下のため上洛している最中に江戸で死んでいますから、何だかはじめから終わりまでが見えてしまいます。しかし、「天地人」もそうなんですけど、戦国というよりはもう「近世」の話であるような気がしてしまいます。戦国的な大名領国制とか、そういうものを否定していく織豊時代から近世初期の三傑時代が「戦国」として認識されているのも、何だか不思議です。



#8524 
tomohiro 2009/06/17 23:53
天地人よりはましですが。

天地人よりはましな内容ですが、
台湾みたいに海外の物を取り寄せるのも考えてみては如何でしょう。
nhkに限らず日本人の悪い癖なのかもしれませんが、
是が非でも、日本独自の何かを作らなければと言う呪縛が
へんてこな戰國時代ドラマばかりを作る結果になるのではと
思っています。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8523 
mozawa 2009/06/17 22:52
浅井三姉妹

とうとうって感じですね。大河に浅井三姉妹。
私は、以前から永井路子さん原作のお市と浅井三姉妹ものをやってほしい・・・と思っていたのでちょっと驚いているところです。

「篤姫」田淵さんの再登板にはもっと驚きつつ、NHKは余程確実な「泥鰌」が欲しいんだなあと。 



#8522 
徹夜城(さっき知った情報を書き込む管理人) 2009/06/17 18:08
再来年の大河発表

 秀忠の妻にして家光の母、「お江」が主人公で「姫たちの戦国」だそうな。要するに「浅井三姉妹」大河になるということで、個人的には正直なところ新鮮味はゼロ。女性視聴者確保は当然でしょうが、「三傑」も出てこなきゃダメ、となんか決まっちゃってるみたいですな。
 脚本も「篤姫」の人なんで、篤姫の夢よもう一度、ということなんでしょう。
 しかしまぁ…大河に関してはもう素材の新鮮味を期待するのは無理なんだと悟りの境地に入りつつあるなぁ。NHKですらこれなんだから…。
 さてさて、また来年の今頃をかすかに楽しみにすることにしますか(爆)

>訂正
 下の書き込みで「生物画」は「静物画」ですね。



#8521 
徹夜城(また南北朝で新コーナーを作っちまった管理人) 2009/06/17 17:34
書き込みのペースがいきなり

 ちょっと前まで二週間近く反応ゼロだったんですけどねぇ(笑)。一気に書き込みが来てますね。さささっとレスを。

>NFさん
 毎度どうもです。「マンガで南北朝」のさらなる情報もありがとうございます。う〜む、気がつくと女流漫画家で多いですねぇ。
 佐々木道誉なんて、それこそ大河ドラマの主人公にうってつけなんですけどねぇ。生涯ほとんど坊主頭じゃダメでしょうか(笑)。近ごろの「戦国BASARA」などのブームを見てると便乗して「元祖婆沙羅」を見せてやりゃいいのに、なんて思ってます。山田風太郎の小説を無理やり原作にすればずばり「婆沙羅」のタイトルでドラマ化できます。

>小覇王さん
 これはまた興味深いネタをどうもです。「史点」に実際なるかどうかは分かりませんが(毎回熾烈なネタ競争なんですぜ、あれは)。
 下で「よし」さんがお書きになってますが、確かに時期的には大黒屋光太夫のときのことに思えるんですけどね?日本の漂流民うんぬんの話がどこまで確かな話なんだろう…

>mozawaさん
 「天安門事件」はまだまだ表には見えてこない部分がいろいろあるんだろうな、と僕は思ってます。そして「史点」でも書きましたが、どうもTVなどでの取材を見る限り、というかなり狭い体験で言うのもナンですが、今の中国の若者には「知ってること」ではありつつも(なんだかんだ言って情報統制なんて無理)、日本の一昔前の大学紛争レベルにとらえられているような気がします。
 どっかのTVで天安門事件で息子を失った遺族に取材してましたが、その遺族が「現在の自由と繁栄の陰にはこういう歴史があったのだと知ってほしい」というような発言をしていて、うむ?だとすると今の中国は少なくともあの当時よりはずっと自由なんじゃないか?という感(少なくともその人はそう思ってる)もあったのです。

>アジアのバカ大将さん
 いやぁ…これはまた非常に面白く、興味深いものをご紹介いただきました。このパロディなら「すめらみことは戦いに…」のくだりはどうするんだろう、と考えちゃいましたが。
 邱永漢さんのその発言は知らなかったです。しかし、結果から言えば完璧に的中してたわけですね。「台湾ではあの10倍以上…」というくだりには身にしみた体験としての実感がありますね。台湾や韓国でのつい最近の歴史も知らない日本人も多いですからなぁ…

>つねさん
 そういえば僕もヒトラーの絵と言うと生物画と風景画しか見たことがありません。
 まぁ確かに同時代にもてはやされた前衛画家にはいま見ても理解不能な変なのがあったもんです。以前大学の授業で「ロシア・アヴァンギャルド」の講義を受けたことがありますが、マレーヴィチの「黒い正方形」「黒い正方形と赤い正方形」なんかがスライドでずらずらと紹介された時には頭が痛くなってきた覚えが…(^^;)


>南北朝列伝
 まだ完成度85%ぐらいなんですが、一ヶ月半続いた苦行に疲れたんで、ひとまず仮公開とさせていただきました。
 当面の基準として「大河ドラマ太平記の登場人物」を網羅してみることにしました。それだけでも膨大な数がいましたけどね。ただ、比較的楽な人から書いたせいもあり、まだ足利直義、北畠親房、後醍醐天皇、佐々木道誉といった超大物たちの列伝をまだ書いていません。これからボチボチと追加していくことにします。
 今後、この調子で大河に出てこなかった重要人物たち、そう重要でもないけど名前が「太平記」等に出てくる人たち、さらには各種フィクションキャラクターたち、といった具合に網羅していこうと思っています。
 とりあえずの公開で「こんな感じで行きます」をお見せしようと思ったわけで。ご意見、ご感想をお待ちしております。

 そうそう。
 今日神保町の本屋に行きましたらPHP文庫で「楠木正成と足利尊氏」(嶋津義忠・著)という新刊が出てました。中身は小説ですが、歴史ものの多いPHPでも南北朝ネタはかなり珍しいです。
 どうも最近南北朝、ことに尊氏・正成ネタが多い気がするのはなんかの予兆なんでしょうか。



#8520 
よし 2009/06/16 02:14
ラット島のネズミ

この人が犯人?

大黒屋光太夫(だいこくやこうだゆう、宝暦元年(1751年) - 文政11年4月15日(1828年5月28日))は江戸時代後期の伊勢国白子(現三重県鈴鹿市)の港を拠点とした回船(運輸船)の船頭。

天明2年(1782年)、嵐のため江戸へ向かう回船が漂流し、アリューシャン列島のアムチトカ島に漂着。 首都ペテルブルグで皇帝エカチェリーナ2世に謁見して帰国を願い出、漂流から約9年半後の寛政4年(1792年)に根室港入りして帰国。



#8519 
つね 2009/06/15 23:35
ヒトラーの絵

1テンポ遅れましたが。

ヒトラーが政権掌握後、画家の連中が、ピアニストに向かって
「総統が音楽家を目指さなくて良かったですね」と
やっかんだという話を聞いたことがあります。

別にヒトラーの絵は下手だとは思いませんが、やや個性に欠けるきらいはありますね。
あと人物画が苦手だったとか。
石原莞爾の論法を使えば、
ヒトラーを芸術大学に合格させなかった試験官が第二次世界大戦の戦犯ということに
なりますが。無事だったんでしょうか。



#8518 
アジアのバカ大将 2009/06/15 19:39
天安門事件と週刊ポスト 訂正

訂正します。
パロディ詩の冒頭を書き間違えました。
「ああ中国よ」です。



#8517 
アジアのバカ大将 2009/06/15 19:37
天安門事件と週刊ポスト

1989年の天安門事件でいつも思い出すのは、事件の2日後ぐらいに発売された
週刊ポストのコラムと文化欄(?)での論じ方です。かたや情と文才、かたや
歴史を踏まえた理詰めさで圧巻でした。

まず、世界のトピックスのようなページの片隅に載っていた
パロディ詩が、恐ろしく傑作でした。
今でも覚えていますので、以下紹介させて
いただきます。

あお中国よ、君を泣く
君、死にたもうことなかれ
銃火に生まれし国なれば
軍の力はまさるとて

毛氏は兵に銃把を握らせて
民を殺せと教えしや
民を殺して生きよとて
解放軍を育てしや

四千年の大国の
民主を誇る国なれば
党中央は滅ぶとも滅びずとても何事ぞ
君は知らなじ、孫文の民主の教えになかりけり

過ぎにし時を文革に、疲れたまいし母君は
涙のうちに、きょうはまた、息子を召され骨を抱く
清しといえるこの朝に、母の白毛は勝りけり

友の遺がいに伏して泣く
あえかに若き学生を
君、見ずや、忘るるや
無念もいわで倒れたる
熱き命を思いみよ

もちろん与謝野晶子の「君、死にたもうことなかれ」のパロディですが、
これを書いた人の中国近現代史に対する理解が半端ではないことは
お分かりいただけるでしょう。同時に、中国と中国人に対する愛情も。
蛇足かも知れませんが、「銃火に〜」は毛沢東の「政権は銃口から生まれ
る」であること、かれが称賛した最高の兵士である雷峰は、敵を多く殲滅
したのではなく、厳寒の河でおぼれる子供を助け、みずからは溺死した
人物であることを踏まえて「民を殺せと教えしや」と、当時の党中央を
糾弾しています。

次に、これと同じ号だったと思うのですが、邱永漢は中国が天安門事件を
克服して、経済発展し、やがて民主化もすると断言していたのが
同じ程度に衝撃的でした。その理由を邱氏は、
「今回の事件は、たいしたものではない」
と一刀両断したのには、まず驚きました。続けて、
「台湾では歴史上、あれの10倍以上の規模の事件が少なくとも3
回あった(ニ・ニ八事件など)。それでも高度成長をなしとげて、
民主化も実現した」
つまり、同じ中国人がやったことだから、歴史は繰り返すと分析
したのです。
中国共産党の政策についても、
「経済開放を継続し、さらに拡大する。それしか生き残る道は
ないのだから」
と断言していました。この見方はその後、的中し続けます。
「あの」週刊ポストが、一瞬みせた奇跡的な輝きでした。



#8516 
mozawa 2009/06/14 22:06
天安門事件

あれから20年なんですねえ・・・・。何度か繰り返してますが、本当に1989年はいろんなことがあった年なんですよね。昭和が終わって、天安門事件があって、東欧革命があって・・。 私の中では、1989年は変化の年(改元と東欧革命)であって、その合間に天安門があった、という感覚です。管理人様がお書きのとおり、結局中国は変わらなかった訳ですから(むしろ保守化したし)
高校生になったばかりの私は中国近現代史もわからず、天安門事件の歴史的な意味は全く思いは至らなかったわけですが。
あ、中国政府の方針に怒りまくってた教師が居ましたね。なぜか数学でしたけど。 地歴の教師は余り触れなかったですね。。。今思えば。

中国では「天安門事件」でネット検索もできないくらい情報統制されているようですが、留学生の人たちはいくらでも情報を目にできるわけで、それについてどう考えているのでしょうね。6月4日前後はかなりニュースで流れていたし。。。



#8515 
NF 2009/06/14 01:31
誤字訂正

「覆え山花伝」じゃなかった、「大江山花伝」です。

>小覇王様
アリューシャン列島で文字通りネズミが駆除されましたか。駆逐する側の気分としては、スリランカで「虎退治」するのもネズミ駆除も意外に変わらんのかもなあ、と不穏な想像をしてしまいます。

そうそう、アリューシャン列島と日本といえば、パット・マガー「被害者を捜せ!」という推理小説があります。第二次大戦中にアリューシャン列島守備隊として配属された海兵隊兵士たちが暇を持て余し、慰問品を包んでいた古新聞の記事に一人の兵士の勤務先で社長が役員を殺害したとあった事から、兵役前の職場に関する記憶を手がかりに誰が殺されたのかを推理するという話です。推理小説としても犯人探しが通例だった世界に発想の転換をもたらした良作でしたし、大戦当時のアメリカを知る上でも「国家総動員体制・戦争協力体制が採られてはいるが、虚業家が最新鋭家電を賞品として客を釣るなど余裕綽々」とか「ルーズベルト『炉辺談話』がリアルタイムで、リンカーン演説と並んで名演説の典型と見なされてた」とかが分かり興味深いです。



#8514 
小覇王 2009/06/14 01:11
江戸時代の海外移民?

>史点感想
>日本共産党、志井書簡
どうも、ファンレターに対する返事、以上の域を出ないようですね。

>天安門事件
歴史になるのはまだ少し早いような気もしますが・・・僕は学生指導者が悪いと思っていたのですが、どうなんでしょう、少なくとも中国政府のほうから何か明らかにすることはなさそうですね。
前にも書いた記憶がありますが中国はここ百年のうちで今が一番安定してると言っていいではないでしょうか。

これだけだとなんなので史点の候補になりそうなネタを。
>日本のネズミ、229年ぶり駆除=江戸時代の難破船から移住−米アラスカ州
>【ロサンゼルス12日時事】米アラスカ州アリューシャン列島にある「ラット(ネズミの意味)島」で、江戸時代中期の1780年に座礁した日本船から移り住み、島の生態系を乱してきた「ドブネズミ」が229年ぶりに駆除された。ロイター通信が12日、伝えた。
 
だそうです。
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-090613X239.html


http://burebure.blog.ocn.ne.jp/burebureblog/


#8513 
NF 2009/06/14 00:21
色々感想をば。

御無沙汰してる間に、「史点」が二つに「マンガ南北朝」まで。
まず「史点」を新しい方から。
>核廃絶
小国も含め核を容易に打てる状況となると、小紛争においてまで人類滅亡が現実のものとなりかねなくなるわけで、確かにしゃれになりません。核拡散は周辺諸国の不安から更なる拡散を呼ぶでしょうし。実際、北の国があの通りなのを受けて「核武装論」が一部で叫ばれるのも不安ゆえの「抑止力」要求からでしょうから(少なくとも「無条件のタブーとはしない」だけでもカードになりうるんじゃないか、という考えは僕にしても説得力を感じてしまう事も)。そんな中、「みんなで廃絶しよう」というのはまだ説得力はあるでしょうね。戦間期の海軍軍縮みたいなものか、と考えると「新興核開発国」は余計に反発しそうな気もしないでもないなあ…。あと、大国間に限って言えば「核抑止力論」も一定の説得力があるように思うので、大国間戦争の敷居が逆に下がる危険を考えて実際の「全廃」にはならないんじゃないかという気も。
ところで、
>「純粋に装飾品であろうと自宅内に『像』を置くことは反イスラム的である」
ってことは、オタクな人間にとってはイスラムは馴染みにくいなあ、フィギュアが置けない(笑)。

>天安門事件
結局なんだったのか、まだ分からないところはありますね。本当に「歴史」になるには、やっぱり一世代分すなわち五十年かかるんでしょうかね…。

>スリランカ
虎退治、と聞いて真っ先に一休さんが思い浮かんだのはなぜだろう。「ゲリラ」側もかなり強力な「正規軍」を持つ存在でありずっと内戦をやってる、と聞いていたので、急に決着がついたのが「絵から虎を追い出した」かのように思えたからなんでしょうか。

>「基地外」
ネットスラングで、まさにこの字が使われていますね。「もえたん」でも「so-called 'out of base'」といった感じの訳がされていて笑った覚えがあります。
ところで、ヒトラーの絵は彼に画家としての名声こそもたらしませんでしたが、流しの画家としてはそこそこ売れており彼の懐を温かくするには十二分に役立ったそうですね。

>マンガ南北朝
>「阿野廉子」
…個人的には南北朝と源氏物語って、「混ぜたら危険」というイメージがあったんですが、やっぱり危険みたいですな。後醍醐・護良・正成の三人に惚れられている設定のあたり、「史上の英雄達から惚れられるヒロイン」に自己投影して楽しむ仕掛なんでしょうね。やっぱり、男も女もこういう時にやる事は変わらんな、と実感。
>「天人羽衣」
さすが導誉、伊達に「大博奕」と呼ばれてませんね。「閑吟集」に
何せうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ
なんていいますけど、彼自身もこの歌のように生死の境を危険をも楽しむように乱世を渡っていろいろなものを見てきたのだろうなあ、と妄想してしまいます。

ところで、他に南北朝ものマンガといえば、木原敏江先生の「夢幻花伝」が挙げられそうです。世阿弥を主人公に幼馴染である南朝皇女との悲恋を、義満や南朝皇子と絡めて描いており南北朝末期を扱った作品です。日本史伝奇ものである「夢の碑」シリーズの一つで、文庫版「覆え山花伝」に収録されています。なお、シリーズには、後南朝ものである「雪紅皇子」もあります。

…すみません、寝ぼけてるのかおかしな事書いてるかも(苦笑)。

http://www.geocities.jp/trushbasket/


#8512 
徹夜城(久々にいろいろ更新した管理人) 2009/05/29 14:57
史点とマンガで南北朝と

 やれやれ、ようやく更新できました。このところHP関係である大作業を展開しておりまして、それのために史点が遅れました。
 
 それと、「マンガで南北朝!」コーナーをきっちり一年ぶりに更新しています。本当はもっといろいと追加する予定だったのですが、ちと手間取りまして。とりあえず
 かみやそのこ「阿野廉子」
 長岡良子「天人羽衣」
 の2作のみの公開となりました。
 どちらもいろんな意味で南北朝ファンは必見であります(笑)。

 近日公開と言いつつなかなか公開しない「南北朝列伝」につきましてはもうちょっとお待ちください。
 結構大変なんです、これが(^^;)。いや、自分でも面白すぎて(爆)。ただピッチは上げておりますので、近日公開をお待ちくださいませ。とくに大河「太平記」ファンにはかなり喜んでいただけるものと自負しております。



#8511 
tomohiro 2009/05/26 07:25
アジア全域という言葉のうさんくささ。

能く、臺灣・香港・中國大陸出身の歌手の人気のバロメーターを
はかる言葉として、
「アジア全域で人気のある歌手」
あるいは
「Asia no.1 の歌手」
というフレーズで日本において紹介されたりします。
しかし、こういった紹介は佳くないのではないかとふと考えています。
私はネット上で韓國などのAsia の人と能く知り合ったりしたのですが、
あるインディーズで音楽をやっている韓国人男性に
「貴殿の唄は、韓國だけはなくて華人圏や日本といった他の東アジア
の人間に通用する。」
と彼のweb 上で言っているSpace で発言したことがあったのですが、
「えっ、華人圏って何ですか.」
と言われたことがあるのです。
韓國においては、華人圏というニュアンスは其れ程存在しえない
ようで、彼らにとって海外といえば西洋諸国か日本といった存在が
濃厚で、他のアジア圏については、少し鈍感なのかもしれないと
考えたことがあります。
逆に、臺灣や香港の人たちは
「日本では韓国の歌手は結構成功している。」
と発言したら
「韓國で何がはやっているか知らない。」
とか、
「韓國は解りません。」
と発言した台湾や香港の方々は多かったのです。
そういう空気の中でアジア全域で人気のある歌手というのは
いるのか解らないなと思いました。
そして、皮肉にも、日本の流行品が
taiwan も香港も韓国も知っているという始末、
アニメや漫画Game は言うに及ばず、
j-pop の歌手は今上げた地域の人で共通してファンで
ある歌手が多かったです。
日本のワン・リーホンやジェイ・チョウファンは少し
ひねくれているから、
あんなにかっこいい歌手が日本ではやらないのは可笑しい。
日本人は西洋しかみえないから、アジア全域で人気
と言わなければ目が覚めないという感覺で支配されている
感じがしました。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8510 
黒駒 2009/05/25 01:11


峰岸さんの『義貞』は、けっこう地方史文献的な印象もありましたね。東国地方史みたいな。尊氏や直義も東国地方史的な視点で考えてみると面白いのかもしれませんね。わたしは山梨と多摩の二地域にゆかりがあるもので歴史的関心も両地域が中心になっているのですが、峰岸さんの『義貞』も鎌倉攻めの部分を中心に興味深く読んだ覚えがあります。といいつつも専門文献ですから、書架で眠ってますが。

しかし、南北朝時代史というのは『太平記』の史料批判に行き着くのかなぁと思いました。全国ニュースになっていないので史点候補にはなっていないかもしれませんが、最近群馬で「市河文書」以来となる「山本菅助」文書が発見されました。相変わらず「山本勘助」と関係するかどうかは未確定な状態なのですが、「勘助」の実在論争のように、武田関係の戦国時代史も、けっきょくのところ『軍鑑』の史料批判が大きなネックになってくるのですよね。信玄肖像にも神護寺三像と同じく論争がありますし、何だか類似したものだなぁと思ってしまいました。



#8509 
徹夜城(久々に南北朝本新刊を買った管理人) 2009/05/25 00:11
尊氏と直義

 突然ぶったぎった話を持ち込んでしまいますが(^^;)。
 南北朝マニアとしては注目せねばならない新刊が出ました。早速今日入手しまして。

峰岸純夫「足利尊氏と直義・京の夢、鎌倉の夢」(吉川弘文館、歴史文化ライブラリー272)

 帯の文句は「尊氏VS直義 兄弟間の対立が、新たな歴史を創った!」
 う〜ん、この帯のアオリが内容とマッチしてるかどうかはともかくとして。
 足利尊氏本だって実に珍しいのに(昨年末の「足利尊氏のすべて」が出たばかりとはいえ)、弟の直義もセットというのが驚きです。実は僕も長らく「なぜ『足利直義』だけで一冊書く人が出ないのだろう?」と思ってはいたのですよ。それだけ実は重要な人物だと改めて再評価しなきゃいけないと思ってまして(もちろん佐藤進一先生みたいに早くから「直義ファン」を公言してる方はいたわけですが)。
 まぁそりゃ、「直義伝」はそのまま「尊氏伝」に吸収されやすいということはあるんですけどね。この本もその例に漏れないとは思いますが、少なくとも本のタイトルに「直義」が明記されたことは「南北朝史上」の事件でしょう(笑)。

 さささっと電車の中で流し読みした限りでは事前の予想よりは堅い専門的な本だなぁという印象です。尊氏・直義の人物比較論なんかはそれほど目新しい話はないような気もしますが、それは南北朝マニアの目から見た話でしょうし。
 この著者の峰岸氏は先ごろ人物叢書で「新田義貞」を書かれた方ですね。卒論テーマも新田荘とか聞いていたので、それが「足利兄弟」とは、とちと意外な気もしますが、注目すべき点はいくつかあります。とくに尊氏と直義の対決を「京・鎌倉」の東西二国論から論じようとする観点は目新しいかもしれません(もっともそれが瓦解した、という観点のようですけど)。

 それと本書の大きな特徴といえると思うのですが、通説(俗説?)の「尊氏が直義を毒殺した」という見方に大批判を向けています。確かに毒殺との噂がたったと書いているのは実質「太平記」だけで(洞院公賢あたりが日記でそれとなく怪しいと書いてた気がするけど)、「犯行の証拠」はまるっきりないわけです。そのため「毒殺」に疑問を呈する人がこれまでもいなかったわけではないのですが、峰岸氏も指摘する通り、ほとんどの歴史本で「直義毒殺」は完全に史実として語られています。
 峰岸氏は「公式発表」どおりに「黄疸で病死」という見解なんですね。高師直の一周忌に死んだのも「単なる偶然」ということのようで。また尊氏の行動原理として「降参してきたものは寛大にあっさり許す」ので清水寺願文に見られるようにあれほど愛した直義を毒殺するはずがない、とまぁまとめるとこういう主張であるわけです。
 ただそれも単なる推測だし、それこそ証拠はないに等しい。またなんといってもあの時点での直義は「敵の総大将」といっていいので降参人と同列に論じていいのか?という気もしてきます。

 ただ「直義毒殺」という「太平記」の記述は文学的虚構の可能性大、というのもかねて指摘はされていたことです。「太平記」で直義の仕業とされる成良親王毒殺が虚構と断じられていまして、その「因果応報」で直義が毒殺されるというのも素直に史実ととるべきではない、というのもおおむねうなずけるところなんです。
 そこで僕が最近読んでかなり「ありうる」と思ったのが、田辺久子「関東公方足利氏四代」でチラリとにおわせた「直義は尊氏らと了解の上で自決した」という見解なんですね。直義にとっては甥であり養子でもある基氏の元服がまさにその時に行われていて、それを見届けてから直義は死を選んだ可能性がある、というのは僕には直義の性格から言ってストンと落ちるものを感じたんですね。まぁこれだって推測の域を出ませんけど、基氏がのちのちまで直義を慕ってやまなかったという事実とどこか呼応しそうで。

 例の「騎馬武者像」や「神護寺三画像」についても一章を割いてました。ながらく「尊氏像」とされた「騎馬武者像」については峰岸さんは高師直説にかたむいてました。もっともどうもその業界では師直じゃなくても高師詮じゃないかという話にまとまってるらしい。
 「神護寺三像」についてはこの方も「尊氏・直義・義詮」説を強く支持してますね。つまり例の「源頼朝像」とされてたやつが実は直義像だというあの説です。この説はおおむね歴史学者の間で強く支持されてるようですが、美術史方面からはまだ根強い批判があるようです。
 最近どなたかが、ずばり「足利直義像」と題する本を書くとかおっしゃっていたような…まさに「頼朝像」を直義像と断定しちゃう内容になるそうなんですが、それはともかくこれが出ると「直義」がタイトルに入る本がもう一冊増えることに(笑)。

 いま仕上げ作業中なんですが、ぼちぼち「南北朝人物事典」仮公開ができると思います。こうご期待。

 そーそー、「史点」のほうですが、隣国の前大統領自殺というハプニングのために記事素材が一つ差し替えになって遅れます(汗)。



#8508 
tomohiro 2009/05/24 19:43
日台友好の絡繰り

その、小林よしのりで思い出したのですが、
台湾のことです。
私自身、この國に興味を持ったのは、その小林氏が執筆した
台湾論です。臺灣論自体は、色々あるけれどもこんな物かと思いました。
(余談ですが、この台湾論の批判本は批判している本との真逆のイデオロギーの
悪口本なので、それほど批判になっていないと思いました。)
其れを契機に台湾と言うことをInternet で調べ始めて、台湾のポータルサイトまで
足を運び始めました。
そんな中、韓国ドラマ・映画ブームの流れで台湾ドラマも紹介され初めて、
その台湾ドラマも興味を持ち始めました。
台湾ドラマの資料を調べたり、台湾ドラマそのものを試聴し始めたとき、
台湾ドラマを見ていて、不安を感じました。
Asia つながりで、韓国のドラマや映画を見たときは、クールな感情で
海外の映画やドラマってこんな物だよなという感情で見ていたけれども、
台湾ドラマは、あまりにも少女漫画ばかりを原作にしすぎで、視聴者の多くの
NEEDS をつかんではいないと、感じて、もう少し台湾ドラマはドラマの
ジャンルを増やして日本や韓国のそれに対抗したら如何かということを
某SITE に連載をしていたことがありました。
私はそれだけ台湾ドラマひいては臺灣サブカルチャーが不安になったのです。
そして、私の考えている不安は的中しました。
知り合った、Msn やInternet の台湾人が管理しているSITE で
情報をやりとりしているウチに、
台湾人の自国サブカルチャーの批判をさんざん聞きました。
特に、或る台湾人の
「如何あがいても台のサブカルチャーは日本のパクリにしか成らない。」
とか、「日本やアメリカといった大きな國が無ければ臺灣は風前の灯・・・。」
とか、「自主制作音楽が思うように作られない環境・・。」
などと、自虐台詞のオンパレードでした。
こうして、色々台湾の資料を調べるために台湾人だけではなくて、hong kong 人や韓国人
とも知り合ったのですが、
「此處は俺たちのかっこいいところ。」
とか、
「これが俺たちのやり方だ。」
という言葉を多用するhong kong 人や韓国人は色々醜い物があっても
其れをCover できる感情が彼らにはあるように感じたけれども、
台湾人は不安感のカタマリ見たく感じました。
「日本人よ、胸を張りなさい。」
という言葉があるけれども
本当ならば
「台湾人よ、胸を張りなさい。」
が正しいのかもしれない。
そして、台湾人が何故日本に近づいたかも分かったようにも
思うのです。
だからこそ
イデオロギーも近くて、昔植民地で馴染みもあるから
欧米に次ぐ、海外のソフト先進国として近づきたかったのかもしれません。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8507 
阿祥 2009/05/23 16:32
中国語と英語の類似点

欧米人による、漢民族と印欧語族の同根説というのは聞いたことがありましたが、そこまで牽強付会をした説というのは始めて聞きました。いろんなことを考える人がいるものですね。

ところで、中国語と英語の類似点というのは、日本人から見ると文法だけではないような気がしています。例文が多くなくて申し訳ないのですが、“驚いた”という言い方が、英語になると“I’m very surprised.”と受身の形になる点が、中国語ではよく似ているのです。“驚天動地”という言い方がありますが、これは “天を驚かし、地を動かす”という意味ですから、“驚”の意味は、主体が“驚く”のではなく、何かが人を“驚かせる”という使役の意味になります。ですから“驚いた”の普通の中国語の言い方は“被嚇倒”とやはり受身の言い方になるのです。

同じような受身と主体の転倒というボキャブラリーの対応が、中国語と英語にはいくつか見られたように思います。
これは、かなり言語の構造的な類似点になるのじゃないかと思っています。



#8506 
小覇王 2009/05/22 20:55
皆様ありがとうございます

こちらの掲示板からきていただいた量が半端じゃなく、お礼申し上げます。
>徹夜城さん
コメントしてくださったんですか。ありがとうございます。承認制ではないのでアップされなかったんでしょうね(僕もあまり詳しくはないのでスイマセン)。残念です。・・・で、内容に特に間違いはなかったでしょうか。
>岡崎勝世「聖書VS世界史・キリスト教的歴史観とは何か」
たしかに中国みたいに国家事業として歴史書の編纂をするというのは当時では衝撃的でしょうね。日本でも最初はデウスを大日と訳して布教し、仏教の一派と勘違いされたと言う話を思い出しました。

>影虎さん、tomohiroさん
読んでいただいてありがとうございます。
小林よしのりもおぼっちゃまくんのころや、初期のゴーマニズム宣言の頃は結構好きだったんですけどね。漫画媒体の持つ力は侮れません。

http://burebure.blog.ocn.ne.jp/burebureblog/


#8505 
景虎 2009/05/22 15:47
教科書ですか

>小覇王さん
ブログ拝見しました。

>聖徳太子を厩戸皇子と言い換え
聖徳太子という名前を完全に消去するのであればともかく、(聖徳太子)として残すのであれば、問題ないと思います。

>1192年の鎌倉幕府誕生を1185年に変更
1192年よりも1185年の方がいいような気がします。
実は、刀剣学では鎌倉時代の開始を1184年とする場合が多いようです。社会全体の変化を考える為には、刀剣学と近い方が都合がよいのではないでしょうか。勿論、政治史的に妥当かどうかが一番の問題ではありますが。
ただ、現代と違って刀剣が現役の時代は、政治史と刀剣史はそれほどズレていないので、近くなるのは自然なんでしょうね。

それと、天皇権威についてですが、刀剣学では天皇権威を尊重します。まあ、これは刀剣学に限らず、伝統文化が伝統権威を尊重するのは良くある事ですから、驚くような事ではありません。
ただ、天皇権威を尊重する文化(学問)が、昔から1192年説を採用していなのに、1192
年説が不採用になった事をもって天皇権威の否定とするのは、説得力にかけますね。

小林よしのりさんのような、割といい加減な人が文化的、政治的に影響力を持ってしまう事が多いというのは、何ともならないのでしょうねえ。小林さんの影響力が衰えても、他分野で似たような人は、いつの時代も存在するのでしょう。



#8504 
景虎 2009/05/22 15:18
勘違いしていませんか?

>サーフェイスさん
私の説明が悪かったのかもしれませんが、何か勘違いされているのではありませんか?

>十手の話で〜は絶対にないと言い切るのはどうなんでしょうか
と書かれていますが、私は

『史料が手元にないのでうろ覚えですが、十手で殴るような事は殆どなかったらしいですよ。十手を使わない事が粋とされていたようで、十手を使うと『やぼな十手を使いやがる』等という事になるとか。
そんな話が、江戸町方十手の継承者であり、江戸時代の捕り物研究家でもある名和弓雄氏の本に書いてありました。』

と書いただけです。絶対にないとは、どこにも書いてありませんよね?

>生物学的、医療的にみると、そんなに打たれ強いか疑問です
打たれ強さというか、強さ全般が比較対象なしには成立しません。
犬の強さを例として挙げましょう。
猫を比較対象とした場合、犬は強いです。しかし、虎を比較対象とした場合、犬は弱いですね。私が打たれ強いと書いたのは、
>打撃系のダメージは斬られるより致死性が高い
という意見に対してです。つまり、ここでの比較対象は刃物によるダメージ(刃物ダメージ)です。

比較対象をxとすると、私はx=刃物ダメージとして話を進めています。
つまり
x>打撃ダメージ
という主張です。
xを刃物耐性(刃物に対する耐性)とすると
x<打撃耐性となりますね。
ところが、サーフェイスさんの文章を読んでいると、何を比較対象としているのか分からないんですよ。警棒、百叩き、インカやマヤ等、比較対象(x)と関係ない事を書かれましても、意味が通りません。どんな話を出されても、xに何を代入するかで答えは変わります。

>人間は打たれ強いからとヒトを沢山たたくとエライことになると思いますよ
何故そういう話になるのでしょうか?
ヒトを沢山たたけとは書いていませんよね?

>刃物が武器に、ならなかった世界は、かつて、ありました
何事にも例外はあります。
例外を挙げたところで、この場合は無意味でしょう。勿論、例外を含めて議論するような問題であれば別ですが、この話とは関係ありませんよね?

>棍棒や石棒、石斧で
石斧は刃物の一種ですね。



#8503 
徹夜城(ぼちぼち史点を書くかもしれない管理人) 2009/05/19 23:10
ある有名人の訃報

 先ほど知ったのですが、知る人ぞ知る、評論家・太田龍氏が先ごろお亡くなりになっていたそうです。
 どーいう人か知らない人に説明するのがすっごく難しい人でして…(^^;)。共産党員の極左系からスタートしてどんどん過激化して離党、やがてエコロジー論に走り、ネズミやゴキブリとの連帯なんてものまで唱え始め、やがて90年代には陰謀史観にすっかりハマってしまい、「天皇をいただく神聖な日本を外国の陰謀組織が破壊しようとしている」とスタート地点からいえば信じられないほどの議論を展開、縄文文明論みたいなのも言ってた気がしますし、最近では「爬虫類人間による地球支配」などという凄いことまで本に書いておりました。
 ま、この人は極端な例としても、例の「つくる会」の現在は分派組のリーダーはやっぱり元共産党員だったりしますし、どーも「物事を考えすぎ、仕切りたがるタイプ」という方は実は極左と極右の垣根をあっさりと飛び越えちゃったりするのですね。で、例の会の分裂騒動にもその影がどこかあるなと思って見ているわけです。

>小覇王さん、tomohiroさん
 それぞれリンク先も含めて文章は拝読しました。小覇王さんとこには実はコメントをつけたつもりだったのですが、もしかしてきちんと投稿してなかったのかな?アップできてませんでしたね。
 tomohiroさんのお話にからめてですが、僕の知る限り歴史学者で2,3人ほどなんですが、「日本が右寄りの危なっかしい時期は90年代にもう終わった」と発言した方がおりまして、僕もおおむねそうだと思ってます。あとはくすぶった余波なんだよな、と僕も思ってまして。ネットや雑誌でそういう意見ばっかり見てると2000年代以降強くなったように感じるとは思うのですが、本当の意味でもしかしたら世の中を動かすパワーがあったかも知れなかったのは僕の印象でも98〜99年あたりでピークを過ぎたんじゃないかと見ています。


>近頃読んだ本
 図書館から主に歴史関係であれこれ借り出して長い電車の通勤時間内で乱読してまして。最近読んだのでは、

岡崎勝世「聖書VS世界史・キリスト教的歴史観とは何か」(講談社現代新書1996)

 がなかなか面白かったです。
 つまり聖書を絶対視し、それが「史実」でありこれからの予言書でもあると考えるヨーロッパのキリスト教的歴史観が、どのように現代まで変遷していったのかを読みやすくまとめた本です。「歴史とは何か」と葛藤し続けた西洋知識人たちの歴史といってもいいでしょう。
 聖書を絶対視するったって、天地創造がいつなのか、ノアの洪水がいつなのか、キリスト誕生がいつなのか、はたまたどういう風に年数を数えるのか(この本読むとわかりますが、キリスト紀元、すなわり西暦というやつも案外最近になって確定したもんなんですな)、もうあれやこれやといろんな議論があったわけです。これだけでも面白いんですが、ヘロドトスやローマ時代の歴史書によるとエジプトの歴史が途方もなく長く、ノアの洪水より古いことになっちゃって聖書と矛盾してくるのをどう解決するかとあの手この手考えたあたりはほとんど笑っちゃうほどです。

 さらに16世紀以降、それまでヨーロッパ人にはほとんど未知の世界だった中国を知り、その歴史が膨大な史書として編纂され続けていたことがこちらの想像以上にヨーロッパ人に衝撃を与えたことも大きく触れられています。自分たちが信じていた聖書的歴史観からまるっきり外れた長大な歴史に圧倒されてしまったイエズス会士たちやヨーロッパ知識人などは素直に「聖書の方が間違ってた」と考える一方で、中には無理やり整合性を図ろうとするウルトラCも出てくるんですね。
 つまり中国史に出てくる伝説の帝王「三皇五帝」は実は聖書の人物なんだという説でして(笑)。17世紀のオランダの史家・ゲオルク=ホルンなる人物は「伏羲=アダム」「神農=カイン」「黄帝=エノク」「尭=ノア」と「同一人物説」で説明しちゃうんですね。
 この説を受けてイギリス人ウェッブは「尭はノアであり、ノアとその息子たちは中国にいて、箱舟を作ったのも中国。バベルの塔以前の世界も中国にあり、それ以前の人類言語は中国語だった」とまで主張。ドミニコ派のナヴァレッティは「伏羲=ハム=ゾロアスター」という三者同一人物説を主張し、その後も18世紀にかけて「黄帝=ノア説」「盤古=ノア説」「神農=ノア説」とまぁ、これでもかこれでもかといろんな説が唱えられたのだそうで。ここまで来ると笑っちゃうしかありませんが、それだけ中国史との遭遇は「聖書史観」(この本では「普遍史」という訳語を使います)にとって重大な死活問題であったというわけです。
 この本には出てこない話ですけど、20世紀の中国の方でもこれと呼応するよう発想は出てくるんですよね。やはり洪水伝説が出てくることから伏羲=ノア=箱舟説でミャオ族の古代神話だとする見解とか、中国語と英語(印欧語?)は実は根っこがいっしょだとする説とか(まぁ確かに文法的にはねぇ)。



#8502 
tomohiro 2009/05/19 19:09
小覇王様、貴殿のサイトの文面読みました。

2009年。
早い物で、2000年代も今年で終わりですね。
私が考える2000年代は若者の右傾化と保守化
で揺れた時代だったのではないかと
思っています。
しかし、これが恐怖だったのでしょうか。
私の母はここまで右翼を騒ぎ立てると
連中の思うつぼだという事を繰り返し言っていました。
その右翼を批判する集団もその右翼たちを
巨大に取りすぎるきらいがありました。
昨今、オウム事件以来過激な思想をする人間を
過大に恐れる空気があるので、
そのためだと私は考えています。
小覇王様、貴殿の文章を読みました。
なんとも、苦い物がありますよ。
最近は例の右翼集団も力を失っているような
気がします。
私が彼らの行動が滑稽に感じたのは
臺灣の神聖視でしたね。
かの国は神聖視するほど、重要かと思えないからです。
有る面では、韓国や香港に負けているなと最近考えています。
もうすこしぴりっとしたところがあったかと思ったのですが
見損ないましたよ。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8501 
小覇王 2009/05/15 13:35
教科書今昔物語

 私事で恐縮ですが、自分のブログで現在発売中の「SAPIO」小林よしのりの「ゴーマニズム宣言 天皇論」について反証する記事を書きました。
 
 冒頭2ページ分の現在の歴史教科書の
仁徳天皇陵を大仙古墳と言い換え
聖徳太子を厩戸皇子と言い換え
1192年の鎌倉幕府誕生を1185年に変更
 
について述べた部分です。一応最低限調べて書きましたがなにぶん、僕も勢いで書いた物なので、間違いがあるかもしれません。もし、こちらの詳しい方々に更なる検証をしていただけると助かります。勿論、当方に間違いがあれば、すぐに訂正しますのでよろしくお願いします。

もしこの書き込みがルール違反になるようでしたら、削除していただいて構いません。では。


http://burebure.blog.ocn.ne.jp/burebureblog/2009/05/post_93bb.html


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