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#8800 
徹夜城(「倭寇映画」コレクションというのもやってみてる管理人) 2010/10/25 13:30
これはまた貴重な

>ひでさん
 おお、まさに。1975年のキン・フー監督の古典的名作「忠烈図」そのものですね。情報有難うございます。ついさっき確認してみたら、いまこの時間に上映中でした(笑)。28日にもやってるそうですが、ちとスケジュール的には難しそう。
 それにしてもなんで今頃この映画を映画祭で上映するんでしょうね。「倭寇」がテーマということで何やら深読みをする向きもありそうですが(笑)。時代考証等にかなり難があるのは事実ですけど、アクション映画として見ると古典的名作には違いないんですよね。サモ=ハン=キンポーやユンピョウが倭寇の頭目をやってるというのも話題になるところで。
 なお、王直は出てきません。当サイト「俺たちゃ海賊!」コーナー内「海上史事件簿」ですと「双嶼港の滅亡」あたりのお話ですので。以前出ていたLDでは「双嶼」を字幕で「双子島」と訳していましたっけ。
 上映もいいんだけど、DVDなりBDなりでソフト化してくれないかな…



#8799 
ひで(ここ1年半まともに映画を見ていない…) 2010/10/23 22:13
忠烈図

東京国際映画祭にて「忠烈図」が上映されるらしいです。
この掲示板で度々その名が登場する物と同じ作品なのかどうかまでは確認できていませんが、そういう物がある、と言うことで。

もっとも上映時間を見ると平日昼間という、仕事していたらまず見られない時間設定になっていますが。こういうのを見ると、いったい世の中の映画好きな人達はどうやってあんなに沢山映画を見ているんだろうかと不思議でなりません。

http://historia.web.infoseek.co.jp/


#8798 
徹夜城(またしばらく忙しくなりそうな管理人) 2010/10/18 13:10
今夜は「天平の甍」

 しばらく書き込みもストップしておりましたが、とりあえず「史点」は一カ月近くぶりに更新しております(まぁ執筆は実質昨日丸一日ですが)。ややネタをタメ気味でしたので、今回は記事5本体制。九州新幹線ばなしとスパイばなしとどっちを斬ろうかと悩んだ挙句、鉄道ファンおよびスパイファン(?)のどちらの自分も裏切れず、両方が残ってしまいました(笑)。

 今週のNHK衛星映画劇場は「平城遷都1300年特集」だそうで、今夜は熊井啓監督「天平の甍」(80)を持ってきました。録画予約セット済みで待ち受けております(笑)。もう十数年は見てないはずですねぇ。井上靖の同名小説の映画化で実は戦後で中国本土ロケをした最初の日本映画だったりします。この流れがその後の「敦煌」にもつながっていくわけで。
 しかし「平城遷都特集」のくせにその次に放送されるのが「陰陽師」「陰陽師II」。奈良時代ものが他になかったから平安もセットにしたってことなんでしょうが…せめて「空海」あたりにできなかったか。

 相変わらず韓国歴史ドラマも同時並行で見てるんですが、現在「太祖王建」がようやく157話に達して最終コーナーにさしかかりつつあります。新羅の首都が陥落するシーンになりまして、新羅勃興期を描いた「善徳女王」(BSフジ放送版を鑑賞中)と重ね合わせて時代の移ろいを感じてしまいます。そしてやはり同時並行でみている「千秋太后」(BS朝日で放送中)では「太祖王建」の孫世代の歴史が描かれ、「王建」では若者で出ていた人物が老人で登場したり、王建当人が亡霊や回想で「出演」したりと、歴史ドラママニアにはちょっと嬉しい部分があったりします。
 今週からBSフジでは「鉄の王キム・スロ」なんてドラマも放送開始。加羅の伝説的な王「首露王」の話らしいんですが(神武天皇みたいなもんですな)、こんなもんまで作るのか、と思いつつついついチェックしてしまう(汗)。かくしてますます自分を追い詰める結果に。

 中国史ものでもいろいろ見てまして、唐の太宗・李世民を描いた「創世の竜」(開創盛世)もそろそろ見終えます。はっきり言ってつまんなかったですが。予算がなかったのかな…
 一方でやっぱり三国志ものはのちのち売れるという計算もあって予算が潤沢なんでしょうか、今年中国で放送されている大河ドラマ「三国」はCGも使いつつセットも群衆シーンも豪華なものです。まだ日本上陸前ですが、実はネット上では全話見られちゃったりしまして…中国語字幕が読める人はほぼ問題なく見られると思います。基本的に「三国演義」を原作にしつつかなり現代的な新解釈を挿入していて、ずいぶん荘重重厚な歴史ドラマに仕立ててますね(そのぶん「演義」の明るいノリが消えてる気もする)。こちらは全94話、どこまで描くのかと最終回をチェックしてみたら、司馬懿の死で終わってました。時代考証的にはこれまでのものよりは「その時代っぽい」気がしますが、リアル志向を目指しすぎて全体的に地味になっちゃった気もします。


>黒駒さん
 「龍馬伝」はろくに見ていないので(さすがに日本大河まで追いかける余裕がないんです)「いろは丸」のくだりも見逃しましたが、偶然ながら面白いシンクロではありますね。
 「桜田門外の変」は僕も今週中には見に行く予定です。水戸が地域おこしに作った映画でもあるんですけどねぇ。これがコケたりしたら、次は「天狗党」(同じ吉村昭で原作がある)でもやる気なんじゃなかろうか、などと。
 実は先週は鹿児島人・榎木孝明が中村半次郎=桐野利秋を演じた映画「半次郎」を見てきましてね。これもある意味地域おこし型の歴史映画といえましょう。ただ榎木さん自身が企画・奔走・主演して作った映画ではあるんですが、思い入れが過ぎちゃって実際の半次郎のムチャクチャさが控えめになりいまいち面白くない映画になってたという感想でした。もっとピカレスクな半次郎のほうが面白かった気がします。
 今回の「史点」でも書いたように、今の中国には実は明治ごろの日本が重なるという声はそこかしこで聞くんですよね。その一方で高度成長期の日本とも確かに似ていて、そのころの日本の大学生の大規模デモだって外から見れば「反米デモ」なんだよな、ということも思うんです。



#8797 
黒駒 2010/10/18 04:15
尖閣問題といろは丸事件

多くの人が連想していることだと思いますが、NHKが意図していたのか偶然なのかわかりませんけど、尖閣問題と龍馬伝の「いろは丸事件」の回が、妙にシンクロニシティしてしまう出来事ではありましたね。

尖閣問題に限らず、中国というのは本来的には中華皇帝の威風により東洋世界の外交を司ってきた過去があるだけに、国際法などというものはしょせん欧米世界のルールにすぎないのではないかと。幕末と同時期のアヘン戦争における屈辱の過去もあり、今日ますます力をつけている自身もあって、実力でそういうものに抵抗していきたい意志を感じているのですが、どうでしょうか。

これも意図しているのかわかりませんが、奇しくも桜田門外の変が映画化されていますね。井伊大老が開国路線をやって、欧米人の息のかかった坂本龍馬はいろは丸事件において万国公法という国際法を楯に談判し、大政奉還を推進して国家転覆をやってのけた。僕らはついつい現代人の価値観で国際法に準じることを良しとしてしまい、いろは丸事件でも竜馬の行動を是としてしまいがちであると思いますが、明治維新後には不平等条約の改正が明治政府の重い課題となるわけですし、国際法などというものは毛唐のルールにすぎないであろうという当時の価値観からしてみれば、竜馬は国賊とか売国奴と今日の言葉で評せてしまうような人物でもあるのだな、と思いました。

尖閣問題といろは丸事件が単に船舶同時の海難事故という共通点だけでなく、その延長線上には中華世界の伝統的国際秩序と、欧米の国際法的秩序の間に立たされる日本の変わらぬ立場があるのだなぁと思いました。

しかし、歴史というものは現代とシンクロしてきちゃうものだなぁと思いますね。坂の上の雲を年末にやりますけど、一年経って気付くことは、いま明治日本に相当するのは実は中国のほうで、日本は清国とか朝鮮半島になってしまうのではないかと考えます。体制への不満と外交的問題がリンクしている尖閣問題におけるデモも条約改正が背景にある自由民権運動のようにも見えますし、中国もいずれ真の大国となるため戦争を欲するであろうし、中国版日清・日露戦争があるのではないか、それは対日・対米戦争なのではないかと、一年経ったら坂の上の雲はそういう比喩にも見えてきました。



#8796 
徹夜城(歴史映像収集もなかなか大変だと思う管理人) 2010/09/30 22:40
歴史映像名画座更新。

 本日日中にこっそりと更新しております。
今回追加されたのは「大王世宗」「ロビンとマリアン」「クイーンビクトリア至上の恋」「新・三銃士」「プリンセス・シシー」の5本(「シシー」は三部作で一本扱いです。「ゴッドファーザー」同様)。

 いま同時並行で5、6本は見ている韓国大河ドラマですが、ようやく「大王世宗」全86話を見終えたので今回追加しました。いや〜これも長かった。BS日テレで放映し終わったのは今年の元日のことで、それからまるまる9カ月がかりで見た計算になります。
 結論から言うと、現時点で僕が見た韓国歴史ドラマではドラマの出来としてこれが最高峰かと。乱世ものではないのですが、政治的暗闘の緊張感、倭寇、女真、明(これが最大の「敵」みたいなもの。昔から大国ってのは…)などとの紛争、そしてこの手のドラマでお約束のロイヤルファミリードラマとがうまいバランスでかみ合っていたと思います。
 序盤から奴婢出身の「チャン・ヨンシル」という技術者キャラがサブ主役のようにずっと出てくるんですが、ついつい架空キャラかと思っていたらさにあらず、ドラマ鑑賞後に史実を確認したらちゃんと実在した有名人なんですな(ウィキペディアに項目があった)。良くわからない人生をかなりフィクションでふくらましたのは間違いないですが、一部劇的な展開に意外に史実の元ネタがあることがわかり、ちょっと驚きました。
 世宗といえばハングル「訓民正音」ですが、ラスト10回がその製作苦労話。見ていて思いましたが、日ごろ普通にしゃべってる言葉でもいざ文字化しようとすると難しいものなんですな。音声の分析・分類、はては解剖までやって調べて文字を作っていく展開になってました。
 また、これは僕も事前に知っていたことですが、当時の重臣たち(世宗の腹心たちも含む)は「そんなものを作ったら野蛮人になり下がる!」と猛反発する展開も興味深い。なお朝鮮語で「野蛮人」は「オランケ」と発音することをこれで知りました。加藤清正が入り込んだ女真方面が「オランカイ」と書かれているのはこのせいなんですな。
 総じて大変よくできたドラマだと思いましたが、諸般の都合なのか序盤のほうで印象的に登場しあとで重要キャラになるのかと思ってた人がふっつりでなくなったり、という長期ドラマにたまに見られる現象もありました(「太平記」の柳葉敏郎みたいに)。あと、日本がらみをもっと出す予定がやめたんじゃないかと思えるところもいくつかありましたね(「アシカガヨシモチ」の名前が口にされたのに出てこなかったとか)。

 日本と言えば、先日「申叔舟」がこのドラマ終盤に出てきたことを書きましたが、「宋希景」と勘違いしていたようで。申叔舟が来日したのは義持よりあとのことでよかったようです。ドラマ中でも「日本に行ってくる」という場面はありましたが、映像化はされてませんでした。


>貧乏神さん
 レスがずいぶん遅れてしまいましたが、ご紹介の記事は非常に興味深く読みました。
 ペイリンはあれでも「保守派の星」らしいんですよね。まぁブッシュ息子もそうでしたが、あの国では「おバカ」というのは愛嬌の一種ととらえられて受けがいいのかもしれません。



#8795 
貧乏神 2010/09/24 00:40
追加イスラムネタ

なんかものすごく久しぶりの書き込みになってしまいました。ごぶさたしております。

さて、「史点」のイスラムネタに関連したところで、モスク建設反対運動が起きていた頃にちょっと話題になっていたニューズウィークの記事があります。

「モスク建設反対論の薄っぺらな本音」
http://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2010/08/post-1547.php

という記事なのですが、この記事の2ページ目のはじめのあたりで、保守系政治家たちが、モスク建設反対を正当化する理屈をいろいろこねている、という話がでています。
そこでさりげなく書かれているのが、「ペイリンを別にすれば、彼らはバカではない」の一言。
ペイリンはおバカ、というのは、もはや既定の事実なのですね。いや、確かに何ら間違ってはいないと思いますが、ニューズウィークの誌面にはっきりそう書かれてしまうというのは、ちょっとすごいですね。

そういえば、片山さつき氏のことを「日本のサラ・ペイリン」と書いているのをどこかで見た気がするのですが、あれは誰が言い出したんだろう。こうしてみると、かなり大胆な比喩だと思うのですが。



#8794 
ひで 2010/09/22 00:46
こんな急展開になるとは

あちゃ…。なんかニックネームを入れてリターンを押したら2連続で投稿してしまっていた…。ごめんなさい。

それはさておき、こうも素早く逮捕に向かって動いているところを見ると、なんとなくとかげの尻尾切りのような感じがしてしまいます。あの人個人の問題として終わらせると、結局何も解決しないまま問題先送りで終わるんじゃないかと…。

*URL変えました。リンクの変更お願いします。

http://historia.web.infoseek.co.jp


#8791 
徹夜城(今日は一日家にいたので史点追記ができた管理人) 2010/09/21 22:07
史点ファイルの更新時刻は改ざんではありません(笑)

 えー、昨日「史点」でネタにしたからってわけでは当然ありませんが、郵便不正事件の捜査に当たった主任検事が証拠改竄で、ついさっき逮捕されました。本日二度「史点」該当記事に追記しています。
 しかしまぁ…実のところありうることとは思っていたんですが、ここまで露骨に出てくるとやっぱり驚きますね。証拠品を検事自ら捏造するってのは、考古学者が旧石器捏造をやるようなもんです。今までももしかしてその調子だったのか、ということになると、これまでこの人がかかわったすべての事件を再検証しないといけないかもしれない。
 一気に即日逮捕となったのは最高検察庁が危機感を持ったからではありましょうが、それがどういう面での「危機感」なのか気になる(村木元局長も先ほどそうとれるコメントを出してましたね)。
 どうも僕にはここまでの経緯からすると大急ぎで口封じにかかったようにも見えちゃうんですがねぇ…この手の話でよくあるパターンが容疑者の自殺でそっから上にはいかないってやつでしてね。



#8790 
ひで 2010/09/20 15:50
史点よみました。

チャウシェスク以外の他国の指導者も実際の所やってきたことは似たり寄ったりではありますが、チャウシェスクの場合は最後に至るまでの過程が「劇的」だったぶん、印象も強かったからでしょう。また、ルーマニアのやつはテレビでも繰り返し放送されていましたし、イメージとして定着しやすかったからだろうと思います。一方、東ドイツ、ハンガリー、ブルガリア等々だと、東欧革命の時期の国家元首、指導者の交代というと辞任とか引退とかそのくらいですんでいたようなイメージしか残ってないですから…。

死んだ人の威光を利用するというと、ディアドコイ戦争中の後継諸将がアレクサンドロスの意向を利用した(その結果、アレクサンドロスの名声が後世にまで伝わることになった)と言うこと等々、歴史上よく見られることですが、チャベスとボリバルじゃ随分違うような気が。いまになってボリバルを持ち出すことの効果が果たしてどれくらいあるのか、日本にいると分かりませんが、現地の方ではどんな風に感じてるんでしょうね。またチャベスがなんかやっていると生暖かい目で見守っているのか、本当にそう思っているのか…?

村上隆、個人的にはどこがどういいんだかよく分からないのですが、ああいったものが高く評価されるに至る、価値創造のプロセスを誰か教えて欲しいものです。

http://historia.web.infoseek.co.jp/


#8789 
徹夜城(仕事が暇になると趣味で多忙になる管理人) 2010/09/20 13:24
史点更新。

 結局週明けになっちゃいましたが、前回から6日で更新ってのは快挙のうちなんです(笑)。ためこんだネタも放出したし、またしばらく空くかもしれません。いい加減ほかのコーナーも書きたいし(特に南北朝列伝)。

>民本主義者さん
 ああ、これはご指摘どうも。「マクドナルド」と書いておいて、どうだったっけ、あとで調べるかというつもりでいてほったらかしたようです(なんせもともと7月半ばに書いてた文章で…)。
 ご紹介の「ハルヒ」のエリーザベト、一部まで見てみました。まぁこういうのを作っちゃう人もいるんだなぁ…と感心しつつ読みまして、南北朝ネタでこういうの誰かやらないかなぁ、と思ったりもして。実は僕は「ハルヒ」のほうにむしろなじみがないもので、その方向での面白さはいまいち分からないんです。だから南北朝ネタについては誰かやれる人がやってくれ、と。


>韓国大河視聴近況

 全200回の超大作「太祖王建」、第120回まで来て前半の実質的主人公・弓裔(クンイエ)がようやくお亡くなりに。どういう人なのかということは、ウィキペディアででも見てくださいな。とにかく僕は以前から「後三国時代」が朝鮮韓国史で最も面白いと感じているわけですが、その最大の理由はこの弓裔という英雄の人生があまりにも劇的だからなんですね。その弓裔が死ぬ回を昨日見届けまして、ただいま感慨にふけっているのであります。
 史書で伝えられるところでは弓裔は王建に反乱を起こされて逃亡する途中、農民に捕まって殺されたとされます。彼は赤ん坊の時に片目を失った隻眼であったために正体が隠せなかった、なんて話もあります。だからこのドラマでも演じたキム=ヨンチョル(最近では李朝の太宗役も演じた)はずっと眼帯つけて演技してました。ですが、ドラマでは「歴史は勝者が残すもので、彼がそんな情けない死に方をしたとは思えない」というナレーションとともに思いっきりオリジナルな展開に変更してまして、覚悟を決めて王建と酒を酌み交わし、部下に自らを斬らせるという最期になってました。なんだか明智光秀から西郷隆盛への変化みたいです(笑)。まぁキャラ的には信長な人ですけどね。
 弓裔の死により、ようやく本当の意味で王建が主役になるんですが、まだ80回もあるのか…

 録画だめしたやつをチビチビ見ていた「大王世宗」もあと残すところ10回。終盤はハングル作成をめぐる展開になるんですな。
 そこまで来たところで、いきなり日本人たちと日本語でしゃべってる新キャラが出てきたと思ったら、これが申叔舟だったから驚きました。あれぇ、彼は対馬攻撃の直後の外交交渉で日本に行ったんじゃなかったっけ。まさかこれから足利義持に会いに行くんじゃないだろうな(この時点ではとっくに死んでるはずなんだが)。



#8788 
民本主義者 2010/09/18 03:59
史点復活!毎週必ず(以下略

オバマとメドベージェフが会食したのはマクドナルドではないような…
http://news020.blog13.fc2.com/blog-entry-638.html
ま、ハンバーガー屋ではあるんですが。

エリザベート妃に関してはこんなサイトがある。
http://f32.aaa.livedoor.jp/~hoimi/00-REKISI/00-Sissi/Sissi-0.htm
その名も「SOS団によるエリザベート妃の憂鬱」!
「涼宮ハルヒ」シリーズの登場人物が演じるという設定なんですが、
どのキャスティングもぴったりで感心します。当て書きなんじゃないかと思うくらい。
後半は意外にマジな展開になってびっくりしますよ。



#8787 
tomohiro 2010/09/17 13:34
まあ、つれづれと

>揚州義臣様
 私の文章ですが、単なる変換ミスでして、以前参考のためにatokやimeに旧字体を
沢山入れておりまして、それが変換されて出ただけでしょう。
私はドイツがリベラルで日本は右翼的な生物が存在して云云という事は
ただ、その論客の意見をただ述べただけで私見では実に短絡的だと思っています。
取り巻きもかなり偏った人たちが多かったので最近では袂を分かつべきだと
思うときがあります。
>大河・歴史ドラマについて
今の大河ドラマについてはやはり、批判的な意見しか出てきません。
nhk大河に追随して、民放やゲーム会社などがnhk大河に類似した企画を
発表が相次いだ事への危惧を感じたからです。
だから戦国幕末を行ったり着たりするのは自分は正しくないと思うのです。



http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8786 
景虎 2010/09/17 00:25
おお、反応が

>揚州義臣さん
初めまして。最近伝言板を読んでいなかったので、今まで気がつきませんでした。

正直に書くと、私は#8752で書いた事を信じているわけではありません。
というよりは、文系の学問それ自体を本質的には信じていません。
自分でも信じていない事なので、はげしい時には昨日と今日で違う事を言ったりします。
『金星の平均温度は464℃』とか、『両端を固定したレンガ1枚を割るには瞬間2tfの力が必要』とかそういう話を書く時は信じて書いているので、昨日と今日で意見が変わる事はありませんが(単純ミスは別です)、それ以外の話はあまり本気にしないでください。私の話は『こういう意見もありますよ』、程度の事ですから。その証拠に↓の徹夜城さんへの返信でももう意見の一部が変わっています。

>徹夜城さん
>もしかするとずっと昔から、それも日本に限ったことではないんじゃないか
そう言われてみると、そうかもしれませんね。
今日は眠いので、史点は後で読ませていただきます。



#8785 
揚州義臣 2010/09/15 12:12
re:#8784 ご更新お疲れ様です

徹夜城さんへ
生徒さん達共々、快い坂東の秋風を聴いておいででしょうか。
待望の『ニュースな視点』最新版はゆっくり拝見させて頂くべく、先ずはおねぎらいをば。
民主党ももっと遅く党代表選を開催してくれれば、ご更新を急ぐ城主さんのお心を煩わさずに済んだでしょう……(小沢氏の新イラストを、怖いもの見たさで拝見したかったですが)。

>いやぁ、韓国のドラマ制作者はNHKの大河なんて特に対抗意識は燃やしてないと思いますよ。

私も韓国や中国の歴史ドラマや、ヨーロッパやアメリカの一族物ドラマ等を殊更大河ドラマと対比させる視点は好きになれません。
増してや、「その点大河ドラマは」的批判の拠り所にする論点であれば尚更です。
大河ドラマの名称なり、様式美なりに愛着を抱いている視聴者は制作者として無視出来ないでしょう。
とは言え、NHK系放送分だけでも日本史ドラマのほんの一種に過ぎない以上、国内で特異扱いするのみならず世界に比較しうる存在の如く位置付けしたくありません。
海外作品を「?×の大河ドラマ」的に売り出す場合、生暖かい目で見守ってはいますが。

>時代の幅が広く、素材が多いというのも確かですが、それもここ十年ぐらいのことなんじゃないかなと思います。国外へ売れるとわかってきて、日本で言うNHK以外の民放もこぞって製作しているという背景もあるでしょうね。

何故そうなったかは興味深いです。
日本の民放も、正月時代劇等一頃大河系ドラマを多作しており今でも『時代劇専門チャンネル』等を賑わせていますが、韓国では制作局の増加のみならず海外市場に配慮して時代幅と素材を広くしたと考えると、短絡的に過ぎるでしょう……

>NHKの大河ドラマが戦国幕末忠臣蔵源平を行ったり来たりなのは、日本の歴史ファンの嗜好を反映してる部分もかなりあると思います。

大河ドラマのみならず、歴史ドラマ全体が一部の英傑やその時代に捕らわれて「歴史の推移を俯瞰する中で、その一点を凝視する観点」が欠けているから、歴史物映像作品が成熟していないのでしょうか。
もっとも歴史バラエティに関して言えば、そういう観点を持ち合わせた視聴者が主流になったとして、「俯瞰し一点を凝視していると自ずから目に付く子ネタ」を散りばめれば面白くなるかは分かりません。
昨今の歴史ギャク漫画では、ありがちにせよ。
海外との対比で言えば、「歴史は民族が入り乱れ国家が興亡する物」という認識の元に、(理解はさて置き)自国や自民族の様々な時代におけるそういった状况に目を向けられる視聴者が主流であってこそ、様々な時代に満遍なく興味を持てる訳でしょうか……



#8784 
徹夜城(とりあえず新首相のネタは書かずに済んだ管理人) 2010/09/15 00:03
古いネタばかりで

 とりあえず「史点」更新しました。7月中に書いていたやつをちょこちょこいじったもので、ネタがかなり古い。当初7月14日付の予定で書いてたもので、きっちり2か月遅れてしまいました。その他8月中のネタについては次回、できれば今週中に。
 ところで民主党の代表選は大筋の予想通り菅首相の続投となり、史点史上9人目の首相はとりあえずおあずけになりました。しかし小沢さんのイラストはもう何度か書いてるんだよなぁ。史点の十年ちょっとを振り返っただけでもなんだかんだでよく登場しているお方です。


>tomohiroさん
 いやぁ、韓国のドラマ制作者はNHKの大河なんて特に対抗意識は燃やしてないと思いますよ。「大河ドラマ」という名称だけは韓国でもそのまんま使ってるみたいですけどね(ハングルで「テハ(大河)ドラマ」と表記されてるのがいくつかあります)。
 時代の幅が広く、素材が多いというのも確かですが、それもここ十年ぐらいのことなんじゃないかなと思います。国外へ売れるとわかってきて、日本で言うNHK以外の民放もこぞって製作しているという背景もあるでしょうね。
 いくつも見てるとわかってくるのですが、ノリはピンキリなんですよ。NHKが買ってくるのはやっぱりNHK的にマジメで、フジテレビが買ってくる奴は史実そっちのけでエンターテイメントに徹してる、とか。
 NHKの大河ドラマが戦国幕末忠臣蔵源平を行ったり来たりなのは、日本の歴史ファンの嗜好を反映してる部分もかなりあると思います。冒険して視聴率的にコケると責任問題になりますから、プロデューサーも嫌がるし。またテレビドラマだけでなく、長い日本映画の歴史を見ても「歴史映画」ってのは多いようで案外多くないんです。


>阿祥さん
 ご紹介ありがとうございます!実に久々に観ました!
 「忠烈図」はだいぶ前に朝日新聞日曜版の「世界名画の旅」という映画連載記事の中でとりあげられていたことで存在を知り、その後大学の図書館にLDが所蔵されていたので見ることができたんですね。ソフト化はその際にしていたわけですが、なぜか日本ではDVDにされた様子がありません。リメイクされたぐらいですから、「名作」という定評はできてるようなんですけどね。
 かなり久々に見たのでほとんど忘れてる状態でしたが、冒頭で倭寇の頭目を紹介する部分で浮世絵が出てくるとは…。サモ=ハン=キンポーの「博多津」の恰好も幕末浪人みたいですもんね。
 そういえばこの動画、中国語字幕が右から左の横文字になっていることには驚きました。そういう字幕もあったんですね。


>ひでさん
 「将軍権力の発見」はまだ買ってません。ちょっと立ち読みしたことがあったかな?と思ったのですが、別の本かも。



#8783 
ひで 2010/09/13 21:42
ホーフブルク宮殿に行くとシシィの吊り輪があります。

スタイル維持のため、かなりハードに運動をしていた模様。ただ、自己流の妙な食事はどう考えても健康に悪そうだと思いますが。

エリーザベトはモーツァルトなどと並んで、現在オーストリアの観光資源の一つとしてフル活用されているような感じがします。実際の彼女がどうなのかはさておき、人気ありますからねえ。

本屋にて「将軍権力の発見」(本郷恵子)という本を見かけました。ぱらぱらと見ただけですが、こちらのサイトの仮想大河にでてくる細川頼之について「細川頼之の統治構想」という章がわざわざ設けられていました。内容的に、既にチェックされなおかつ購入されているのではないかという気がしますが、一応。

http://historia.web.infoseek.co.jp/


#8782 
阿祥 2010/09/13 19:25
「忠烈図」のオリジナルバージョン(らしきもの)を発見

徹夜城さんへ

友人に紹介してもらった中国のネットビデオHPで「忠烈図」のオリジナルらしきものを発見しました。画質はひどく悪いですが、参考に。

http://www.tudou.com/programs/view/CG45FvWZI4U/



#8781 
tomohiro 2010/09/13 17:08
韓國怒濤の歴史ドラマから考えること

現在の韓国で怒濤の歴史ドラマが展開されているが、
私はあの企画群は、nhk大河ドラマへの対抗ではないかと
考えておるます。
私もあのドラマ群に関する報道資料をネットや書店で拝見
するけれども、韓国史限定ながら多岐に渡った時代を
扱っていて実にうらやましい。
ならば、日本が対抗するならば、どうするべきでしょうか?
nhk大河ドラマという枠という大切で一つしかないならば
其れを使って様々な時代に渡った大河をするべきだと
思っています。戦国と幕末を行ったり来たりしている
現在の大河ドラマは、多かれ少なかれ
戦国時代嫌い幕末嫌いを増やしただけなのでは。
大河が廃止できないならば、存続させるために
多くの人には考えたら面白い物が出来るかもしれません。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8780 
徹夜城(文章ってしばらく書かないとえらく難しいと思う管理人) 2010/09/12 23:48
シシー三部作鑑賞

 …すいません、更新いろいろと遅れております。「史点」も書いてるんですけどねぇ、うまくキーボードが運ばないといいますか。とりあえず7月中に書いてたものを再編集中。8月中のネタはそのすぐ次にでも。


>シシー三部作
 先週、NHK衛星映画劇場の昼間のほうで放送されていたのがロミー=シュナイダー主演の「シシー三部作」(1956〜57)。有名なオーストリア帝国皇妃エリーザベトの若き日を描いた、日本では公開すらめずらしいオーストリア純製の歴史映画です。僕も今回初めて見ましたし、どうも調べたところ日本では第一作しか公開・ソフト化されてなかったようなんですね。かなり貴重なものを見てしまったようです。
 三部作もあるんだから彼女の生涯を全部やるのかな、と思っていたら、本当に若いころの話だけで300分が終わってしまいます。お姫様なんだけど自由奔放なおてんば娘が、当初は姉の結婚相手のはずだった皇帝に見染められて皇后になってしまうところまでが第一作。続く二作目では堅苦しい皇后生活や姑との軋轢に耐えかねて実家に帰っちゃったりしながら、ハンガリー貴族たちと和解してハンガリー王妃になるところまで。第三作では結核(?)を病んで地中海各地を旅して無事健康を取り戻し、夫と共に反オーストリア空気の漂う北イタリアを訪問するところまででいきなり終わりです。
 三部作と言っても、さらに続きを作る気満々だったようにも感じますが…ただ主役のロミー=シュナイダーは若き日だからこそのキャスティングでしょうね。この三部作は今でも本国では大人気の定番作品だそうで、なんとアニメ版まであるとか。

 お姫様のシンデレラストーリーのせいか、なんだか全体的に歴史物というよりは少女漫画チックな軽いノリの映画ですね。結構細かいギャグもありますし楽しい。一方で当時のオーストリア帝国が抱えていたハンガリー統治問題、当時統一が進んでいたイタリアとの軋轢(この件はヴィスコンティの「夏の嵐」でもやってたな)などそれなりに重い話題も出てきます。主人公のその後の悲劇的運命については第三作で出てくるロマ(ジプシー)の女占い師が「気の毒な人生だわ」とフッと口にすることで暗示するにとどめていました。
 僕が以前見たヴィスコンティの「ルードヴィヒ」でも同じロミー=シュナイダーがエリーザベト役で、バイエルン国王ルードヴィヒがひそかに恋してる設定になってました。その女優さんがそれ以前にこの作品で「当たり役」にしていたことは今頃になって知りましたけどね。
 とりあえずこれで歴史映像名画座「ドイツ・オーストリア史」の項目に一つ追加できるぞ。


>右投げ右打ちさん
 どうも、はじめまして。
 その毎日の記事はご紹介を受けて初めて読みましたが、中国で「沖縄領有主張」があること自体は知ってます。しかし歴史学者まで唱えだすとちと物騒ではあります。
 ただ日本も台湾出兵や琉球処分のあたりで大久保利通なんかが清に乗り込んで交渉したりしてますし、清の意向を完全無視はできなかった、というのも事実なんですよね。まぁその時の交渉がどれだけ正当性をもつかという問題はありましょうけど。琉球王国の独立ならともかく清の領土にするという発想は本来の朝貢体制からは出てきにくいはず。ただ話をややこしくしますと李鴻章なんかは朝鮮に関しても朝貢国に近代的な意味での中国主権を主張しようとしたフシがあるんですよね。
 確か終戦前後にも蒋介石が琉球領有を主張したことがあったような。



#8779 
右投げ右打ち 2010/09/11 19:32
中国で「沖縄返せ」の声?

海をゆく巨龍:転換期の安保2010 中国で「沖縄返せ」の声(その1)
http://mainichi.jp/select/world/news/20100818ddm001030020000c.html
海をゆく巨龍:転換期の安保2010 中国で「沖縄返せ」の声(その2止)
http://mainichi.jp/select/seiji/anpo2010/news/20100818ddm002030039000c.html

はじめまして。時々拝見しています。
少し前ですが、毎日新聞で上記のような記事がありました。
朝貢貿易の史実などから、
「明治政府による琉球併合(1879年)も、
戦後の沖縄返還(1972年)も国際法上の根拠はない」
という主張が中国の歴史学者からだされているとの話です。

ベトナムなども朝貢していたことを考えると根拠が弱いように感じましたが、
その2にあった孔子廟の話や関係年表は、知らなかった話が多くて
興味深かったです。





#8778 
ひで 2010/09/09 20:19
公開されると良いのですが。

種子島の鉄砲伝来を題材にした映画ですか。
記事を読むと、一寸堂なんだろうなという感じがしないでもないのと、制作費概要に安いのが一寸気になりましたが、公開されるのであれば見てみたいところです。しかし、昨今単館系はかなり状況が厳しいらしいので、映画としてできあがったとしても、はたして日本で公開されるのかなあ。DVDでのリリースでも良い方かもしれない…。

*URL変えました。

http://historia.web.infoseek.co.jp/


#8777 
徹夜城(やっと暇が出来て執筆リハビリ中の管理人) 2010/09/08 23:29
種子島と正成と

 変なタイトルですが、近頃目に付いた話題を。

 朝日新聞の記事で知ったのですが、ポルトガルで種子島の鉄砲伝来をネタにドキュメンタリータッチ(?)の映画が製作されるようです。
http://www.asahi.com/showbiz/movie/SEB201008310015.html

 「あの」フェルナン=メンデス=ピントが主役と知って、「へぇ」と驚いてしまいました。知ってる人は少ないかもしれませんが、僕の専門の「後期倭寇ワールド」ではいろいろな意味で名物男でして…詳しくは「俺たちゃ海賊!」の人物列伝を参照のこと。
 16世紀半ばの東アジアにやってきた冒険商人で、東洋文庫で翻訳も出ている「東洋遍歴記」という冒険譚を帰国後に書いた人物です。彼はその中で種子島に鉄砲を伝えたのは自分だ(伝えた三人のうちの一人)としているのですね。ただあまりにも内容が波乱万丈で面白すぎる「東洋遍歴記」にホラが多いというのは常識でありまして、ピンと本人が鉄砲を伝えたとはまず信じがたい、というのが正直なところです。日本側の「鉄砲記」でも名前は出てきませんしね。
 それとこの映画の素材になった「ねじの秘密を知るために送り込まれた鍛冶屋の娘」というのも出所不明の伝説なんですよねぇ…一部で良く知られてるようで、ネタにした小説等もあるのですが、少なくとも「鉄砲記」にはない話(ネジの話自体はあったような)。この伝説とピントが結びつくというのが何とも…個人的には「そりゃねえだろう」と思いつつ、まぁ話としては面白いよね、というところです。

 ま、ピント君(僕はついついこう呼んじゃいます)については彼もホラを吹いてる上に実はもっと凄い史実を隠蔽してる可能性も高く、僕はかつて後期倭寇ネタの小説(長いこと中断中)でピント君を王直らと絡めて思いっきり大活躍させちゃったこともありまして(笑)。いやぁ、実際二人が会ってないのが不思議なぐらい、行動範囲がほとんどおんなじなんですよね。当時の実在人物が結構絡んでくる「東洋遍歴記」に王直とおぼしき人が出てこないのがかえって不自然だ、と思ってもおりまして。


 もう一個の正成のほうの話題ですが、こんなのが出てるとアマゾンで知って取り寄せてみました。

 飴あられ「君がために〜楠木正成絵巻〜」(講談社)

 はっきり言いまして、良くも悪くも少女マンガです。「漫画で南北朝!」なんてコーナーやってて知りましたが、歴史ものは案外こちらのほうが手を出しやすい空気があるんでしょうかねぇ。それにしてもここ2年ばかり「正成」ネタが漫画・小説で続いたのはなんだったんでしょうか(もしかして大河の企画でもあったんじゃないかと疑ってるんですが…)。
 で、この「君がために」ですが、主人公はあくまで女の子。それで正成と湯浅宗藤(孫六)との三角関係ストーリーです、まとめちゃうと。いわば「パイロット版」な内容でして、正成が赤坂城の戦いののち、湯浅孫六から赤坂城を奪還するまでが描かれてました。文観や護良親王まで登場しますぜ。
 好評であれば続きも…ということのようで。「ナギ戦記」の無念を晴らせるか否か。



#8776 
ドロップ 2010/08/28 00:26
追悼・川本喜八郎

「平家物語」以来、川本喜八郎ファンだった者です。
川本さんは「項羽と劉邦」の映像化を長年目指されていて、
始皇帝、項羽、劉邦、虞姫、范増の人形が既に作られていたのですが、実現に至りませんでした。
昔、たまたまお見かけした時に見通しを尋ねた時は
「NHKに投書してくださいよ」と笑っておられました。
なので去年「新・三銃士」をやっていた時は、これはこれでいいけど、
先に川本さんの方をやってくれ〜、と思っていたのですが…。
ご高齢ではあったものの、創作意欲の衰えぬ内の死にショックを受けています。



#8775 
徹夜城(人形劇三国志が中国史入りの原因だった管理人) 2010/08/27 22:45
川本喜八郎氏、逝去。

 思い返せば毎年そうなんでしょうけど、どうも驚かされる有名人の訃報が続いてるような気がしてしまいます。今度は人形デザイン・人形アニメの川本喜八郎氏死去のニュースに接しました。
 結構お年なのは知っていて、5年前の人形アニメ「死者の書」(知らない方は「歴史映像名画座」奈良時代部分を参照のこと)もよくぞ完成させたと言われたものです。次回作の噂もあれこれあったのですが…合掌。
 個人的にはアニメではないですが「人形劇三国志」がやっぱり強烈で…同じようなスタッフでやった「平家物語」はあんまり見てなかったんですけどね。


>輩行字といえば
 ちょうど今電車の中で読んでいた本郷和人「天皇の思想」(北畠親房に至る鎌倉時代朝幕関係史概説というところでしょうか)を読んでおりましたところ、「大覚寺統の皇族の名前は輩行のようになっている」との指摘があり、「あっ」と今頃気がついたんですね。
 大覚寺統といいましても後宇多のあとの世代からの話。後宇多の皇子たちは「邦治(=後二条天皇)」「尊治(=後醍醐天皇)」というように「治」字が入ってます。そして後醍醐の皇子たちは「尊良」「護良」「宗良」「懐良」「義良(=後村上)」とみんな「良」字つきです。そしてその後村上の皇子二人は「寛成(=長慶)」「熙成(=後亀山)」と「成」字つきになるわけです。
 後宇多自身は「世仁」で、その先祖はほとんど「仁」字つき。北朝もすべてそうで、21世紀の現代にまでいたっているわけです(現時点では「悠仁」さんまで)。ではこの後宇多の皇子以降の「輩行」は後宇多自身の意向なのか?後醍醐に中国趣味が濃厚という説はあるんですが、もしかするとそれは父親譲りだったかも、という話もあった気がするんですね。この辺、考えていくといろいろと面白い。



#8774 
揚州義臣 2010/08/26 00:20
#8773のHNが抜けました……





#8773 
2010/08/26 00:18
re: 8769・8770・8771 無敵の龍がいた。最強の虎がいた。

すしさんへ
>本気でおっしゃってるんですか?
そもそも僅かな事例が上げられている中からのネタでしたので、軽率かなと思いつつつい記してしまいました。
すしさんは辛辣な語感程には深刻に受け止めてお書きではないでしょうが、私も同様だった訳です。
ともあれ、黒駒さんからの助け舟に身を乗り上げる事も出来ましたので、今後はもう少し慎重にしたい物です。
諱に関しても、初歩的な誤解がありました……

黒駒さんへ
>中世段階において「虎」とか「龍」ははどういうイメージであったのだろうかと気になるところです。こういう、宿題ばかりなのですが。
信玄対謙信に限って言えば、「龍虎相搏つ」といった対立概念が、知識人たる戦国武将に受容されていたかも問題です。
四神の青龍と白虎が起源にせよ、何故2神だけが対立関係として抜粋され日本への伝播に至ったかが問われます。
中世期には龍及び虎が遍く受容されていたにせよ、「(知識人の?)具体的イメージ」となると途方もありません。
黒駒さんのご努力を応援させて頂きます。

徹夜城さんへ

>名将の采配
バトルマスター&解説を勤めておいでの来村多加史教授が、しばしば畑違いの時代及び地域を取り扱う点が引っ掛かりました。
以前何話放送を拝見した限り、ご解説に違和感はありませんでしたが、やはり構成が馴染みませんでした。
来村教授に関しては、劇場版『墨攻』パンフレットP.22『戦闘シーンに満載された技へのこだわり−攻城・守城技術について』での生真面目なご解説が印象深いです。

>(前略)むしろ、熱気球案は城内への侵入がいかに困難であったかを逆説的に受け止める効果であったと受け止めたい。(中略)
片方で要求されるリアリティーが突飛な発想と拮抗して虚実のバランスが絶妙に保たれている(後略)(右段18行〜25行より引用)。

片や番組を「リアリティー溢れる解説がゲスト達の突飛なネタと拮抗して虚実のバランスを保つ」と評するには、来村教授も奥の手ポーズを決めたりしてノリノリの様ですが(苦笑)。

>なんだか中国の「輩行字」みたいなノリになってしまうわけです。
折角朝鮮でも行列字として受容されたのに、日本で止まってしまい気になります。
ともあれ、縦の法則性と横(身分差を加味すれば縦横?)の法則性の様で好対照に思えます。

いよいよの『ニュースな視点』ご更新に期待申し上げつつ、正念場を生徒さん共々乗り切れる様、ささやかにお祈りします……



#8772 
ひで 2010/08/24 23:53
NHKも色々試行錯誤している模様。

自分が見ていなかった頃にサラミスの海戦とかガウガメラの戦いとかをやっていたらしいということは知っていましたが、またやっていたんですね。知っている人からするとなんだと思うことでも、そうではない人からすると実際の所どんな風に戦ったのか何て知らないので、妙なことになることもありますが。願わくばもうちょっときちんとした説明をどっかで入れて欲しいところ(???と思うところもあったりするし)。

個人的には、NHKの歴史物としては、こちらよりも「タイムスクープハンター」のほうが面白かったけれど。有名な出来事を扱ったりするのでなく、かなり地味な題材や日常生活の一場面を扱ったバラエティですが、たまたま見た闘茶ネタがなんか熱かったです。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#8771 
徹夜城(夏期講習最後のクライマックス突入の管理人) 2010/08/24 12:33
名将の采配

 昨日放送に気がついて見てのですけど、NHKの「名将の采配」で楠木正成の湊川の戦いが取り上げられていました。この手の番組でも南北朝関連が出てくるのは珍しい。
 ただ番組の作りがマニアックと素人向けのどちらの方向を目指してるのか中途半端だなぁ、という印象でした。戦史マニア向けな作りにしようとしてるんでしょうけど、出演タレントに「戦略」を立てさせたり審判(?)がいたりとバラエティな工夫をしていても結果がわかってる立場からみるとどうもしらじらしいんですよねぇ。
 お約束のように大河「太平記」の映像が一部使われていましたが、赤坂・千早合戦と鎌倉攻めの映像を織り交ぜていたようです。

>字の拝領
 南北朝列伝なんか作ってると実感しますが、南北朝時代に活躍した各家の当主クラスの諱はそれを見ただけで「世代」がわかってしまいます。北条貞時の同世代は「貞」、北条高時の同世代は「高」がみんなついてますもんね。尊氏と道誉がおなじ「高氏」同士であることが吉川英治の原作ではちょっと生かされているのですが、大河ではその辺まるで無視してまして、一つには諱で呼び合うことがまずなかったこと、二つにはそんなことを言い出したら同じ諱の者が当たり前にいたから、ということを考慮したかな、と感じますね。
 その後の室町時代〜江戸時代でも同じことが言えて、その時の将軍の一字を諱につけることで世代がわかる。なんだか中国の「輩行字」みたいなノリになってしまうわけです。

 足利直義も当初は「高国」で、明らかに高時の一字を拝領してるのですが、古典「太平記」では最初から「直義」で登場してます。ついでに言えば新田義貞が「貞義」と誤記されてる文書が存在しますが、あれも「ああ、『貞』世代なんだろうな」と思いこんだ人が間違えて書いちゃったんじゃなかろうか、なんてことを考えたことがあります。



#8770 
いまごろの「寅」話 2010/08/23 23:31
黒駒

武田譜代家臣においては確かに信虎期からの人物は「虎」字を一字授与されています。ただ、信虎自身も甲斐統一までの実名は「信直」で、甲斐統一の暁として改名をして虎朱印を創始したり、富士山に登って神事のようなことをしたり、政治的デモンストレーションの一貫ではあるようですね。信玄は家督継承後に虎朱印を廃止して龍朱印を創始しています。

ちょっと不思議なのが、近世以降に信玄は謙信と比較され、「甲斐の龍」「越後の虎」として定着してしまうこと。信玄が虎・謙信が龍のイメージであることはわからなくもないのですが、信玄が家印に龍朱印を用いていることとと、謙信は「長尾景虎→上杉政虎」で「虎」字が実名にあるのに、ちょっと納得しかねるものがありますね。

龍も虎も、ともに大陸から伝来した意匠であると思うのですが、龍のほうは古墳時代の道鏡なんかの意匠に用いられていたりして、古いですよね。虎のほうは調べてみるのを怠っているのですが、信虎はなぜ「虎」字の改名と虎朱印を用いたのか、中世段階において「虎」とか「龍」ははどういうイメージであったのだろうかと気になるところです。こういう、宿題ばかりなのですが。



#8769 
ずし 2010/08/22 16:57


>武田家は親方様や先代様のご趣味なのか虎流行りとお見受けしました……

本気でおっしゃってるんですか?虎の字は主である信虎から拝領したものにほか
なりません。家臣が趣味や流行で勝手に名乗ることはできません。信虎は虎の字
を、晴信は昌の字(曽祖父信昌から?)を与えたようです。

春日虎綱は甲陽軍鑑によれば晴信の取立てとなっていますが、名前を見る限り、
信虎時代に取り立てられた可能性があります。自分が否定すべき政敵の名を、晴
信が新たに与えるとは考えにくいからです。



#8768 
揚州義臣 2010/08/19 10:43
re:#8766・8767 木村五郎の謎を追え

黒駒さんへ

>「木村五郎」は、これは要するに「通称」というやつで、諱が用いられていない形なのですね。
中国からみれば、元服した子に諱を付けると「討ち死にして来い」と言わんばかりの筈ですね。
偏諱を拝領したり子が父親の一字を継承したり、日本なりのアレンジが面白いです。

>わたしの多少知っている甲斐武田氏の分野では近年文書集成が進み、これまで「甲陽軍鑑」に準拠していた家臣団連中の実名がかなり確定してきて、
織田家の一族や重臣では目に付く様になりましたが、武田家は親方様や先代様のご趣味なのか虎流行りとお見受けしました……

>あの時代では、文書から実名が確定している人物ってどれくらいいるのだろうかと、ちょっと気になります。
余り気に留めていませんでしたが、木村五郎○×に限らず文書で存在が確認されていない人物も結構いそうですね。

>南北朝時代人からすれば、現代人の人名のほうが奇妙に見えるでしょうね。
程なく、職務実態なき四等官をやたらと欲しがる者が続出する有様に目を丸くした事でしょう。
檀家制度や近代戸籍制度を経て成立した、現代の簡略化された命名制度と多彩な命名習慣を、感慨深く眺めているかも知れません……

>これ、昨年に「山本菅助」文書が発見されたのと、おそらく同家ですね。
そうでしたら凄いですね!
薬種問屋の旦那さんが、ご自分で研究しなかったのか気になります。
ともあれ、堅い生業に相応しい堅い道楽が太平洋戦争の戦渦を経て貴重な資料を後世に伝えてくれた様です。



#8767 
黒駒 2010/08/18 18:41
師直文書について

元記事を読みましたけど、発見されたのが安中市旧家ということ。安中市という点と、文書についてコメントしている安中市教委職員・学芸員の方のお名前に見覚えがあってあれっと思ったら、所蔵していた旧家というのが近世に薬種業を営んでいたとのこと。これ、昨年に「山本菅助」文書が発見されたのと、おそらく同家ですね。昨年、山梨県立博物館と安中市の方との共同調査で40年ぶりに「山本菅助」文書が発見されたのですが、おそらく追加調査で南北朝文書も出てきたのですね。所蔵している旧家というのは近世期の当主がなかなか好事家であったらしく、「菅助」文書もこのころの当主によって収集され陽の目を浴びたとのことでしたが、南北朝文書も集めていたということですね。



#8766 
黒駒 2010/08/18 17:35
「太平記」人名の実名

「木村五郎」は、これは要するに「通称」というやつで、諱が用いられていない形なのですね。「太平記」には比定される可能性のある人物がいるのでしょうか。太平記・南北朝時代史では、どのくらい人名の確定作業が進んでいるのでしょうか?わたしの多少知っている甲斐武田氏の分野では近年文書集成が進み、これまで「甲陽軍鑑」に準拠していた家臣団連中の実名がかなり確定してきて、秋山信友→秋山虎繁、高坂昌信→春日虎綱のように、「軍鑑」における名で一般知名度ある人物についても読み替えが行われていて、浸透には時間がかかりそうです。それでも相変わらず文書のひとつも確認されない人物はいるのですが、南北朝時代では残存文書もぐんと減りますし、かなり「太平記」に拠った人名にはなっているのでしょうね。あの時代では、文書から実名が確定している人物ってどれくらいいるのだろうかと、ちょっと気になります。

「木村五郎」は確かに現代的な人名表記ですけど、南北朝時代人からすれば、現代人の人名のほうが奇妙に見えるでしょうね。「五郎」のような通称っぽい名前のやつもいれば、諱っぽい名のやつもいたりして、両方もってるやつはいないと。



#8765 
揚州義臣 2010/08/18 12:48
re:#8764 「コンニチワ!木村五郎○×さん」『コンニチワ!玉井四郎△※さん』……

徹夜城さんへ

>仕事もありまして、「史点」遅れてます、すいません。
夏期講習ご指導、お疲れ様です。
ご教室への行き帰りで、生徒さん共々バテておいででないか心配です。

>尊氏側近・高師直の書状 群馬で原本発見(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010081790070942.html
尊氏の征夷大将軍就任を待たず、室町幕府開府翌年には新体制が機能していたかと思うと興味深いです。
顕氏が観応の擾乱に際し、二心なきを示すべく破棄しないでくれて良かったです。

 >内容的に面白いのは、この中で乱暴を働いているとされる「木村五郎」なる人物の存在。なんだか現代でもいそうな名前のお方で(笑)。
妙なアングルの写真画像なのが惜しまれますが、フルネームが「(?代目)木村五郎(○×)」だった訳ではないでしょうか。
所在が事細かに記載されているにせよ、木村五郎で話が通じる以上は大物だったかも知れません。
肝心の処置が気になりますが、不忠者兼乱暴者であれば武家政権要人による処断は本朝(どちらだか微妙な時期です)では、国外追放と決まっております。
曾て国外追放され、後に丹波国地頭職を与えられながら誘殺を目論む頼朝の謀略と見抜いて海民化を選んだ玉井四郎助重から?代目・押しも押されぬ倭寇となった玉井四郎△※と、新米倭寇の道を選んだ木村五郎○×が知己となった……
と妄想してみました。

>中国で最近製作された対倭寇映画「新忠烈図」に出てきた「中村一郎(チュンソンイーラン)」なる倭寇の頭目でした。
制作者が「中村一郎○×・略して……」と設定していれば、褒めて差し上げたい物です。
日中友好の為、「せめて太郎にして下さい」とは突っ込まない事にします。
言葉遣いがご丁寧なのは、かのポパイが若年読者の増加に伴いお行儀を改めた故事に倣っている訳でしょう(笑)。
真面目に考えれば、私も含む語学初心の日本人なら漢文と普通話文法との差違が具体的に思い浮かばない様な物でしょうか……



#8764 
徹夜城(夏期講習再開で激しく疲れる管理人) 2010/08/17 23:02
柄本明から森次晃嗣への手紙

 仕事もありまして、「史点」遅れてます、すいません。

 さて、タイトルの話ですが、なんのこっちゃ、というと「太平記」がらみの話なのでありますね。「史点」ネタにはちと弱い(というかマニアックすぎる)のでこちらで。

尊氏側近・高師直の書状 群馬で原本発見(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010081790070942.html

 高師直から細川顕氏に宛てた書状ということで、大河ドラマ内では柄本明から森次晃嗣へのお手紙となるわけです。ドラマ内では顕氏は直義の腹心として師直とは対立関係にありましたが、この手紙は建武4年(1337)の段階ですから、まだまだ幕府内の深刻な対立は起こってなかった段階ですね。それよりも各地の南朝勢がかなり健在だった段階で、そっちの対策に追われていたころでしょう。
 
 内容的に面白いのは、この中で乱暴を働いているとされる「木村五郎」なる人物の存在。なんだか現代でもいそうな名前のお方で(笑)。
 この名前でついつい思い出しちゃったのが、中国で最近製作された対倭寇映画「新忠烈図」に出てきた「中村一郎(チュンソンイーラン)」なる倭寇の頭目でした。「なんだ、その現代的な名前は」とツッコんだもんですが、「木村五郎」ぐらいならいるんですな(「一郎」じゃなくて「太郎」ならありえるんでしょうけどね)。
 その映画の中で、この「中村一郎」がいちいち日本人どうしで「コンニチワ!」と挨拶してるのが日本人の目から見るとえらく違和感がありまして…しかしどこがどう間違ってるのかを中国スタッフに説明するのが難しそう。たぶん日本人も中国もので似たような間違いをしてるんだろうなぁ、と思ったりもしましたけどね。



#8761 
揚州義臣 2010/08/15 14:27
お返事恐縮です

徹夜城さんへ

>お二人の書き込みを拝読して、それぞれに思うところがあるのですが、書き始めると長くなりそうですので。
これは緊張します。
いずれ片鱗なりともご披露頂けばと思います。

>ただどうも90年代初頭の自民党政治の解体以来、良くも悪くも政治のワイドショー的扱いは進行したようには思ってます。
「政治をワイドショーネタにした結果ワイドショー化に至り、国民の実益を損ねた」という単純な捉え方はしたくありません。
とは言え、特に昨今の産経新聞のネット配信政治記事を読むと「?」という思いに駆られます。
世界的潮流に関してはピンと来ませんが、言論の自由度とそれが向上してからの時間的経過と併せて考えてみたいです。

> えー、改めてはじめまして。「史点」をお読みいただいてるそうで、ありがとうございます。
いつ頃から拝見していたかは記憶にありませんが、もう楽しみでなりません。
強いて申し上げれば、17インチディスプレイ・IE文字サイズ大で拝見するとやや行間が狭目かと思う位です。
膨大なご集積の分余り書式を改変なさりたくないかとお察ししますが、サイトリニューアルの折りなどご検討下さい。

>8月13日がルパンがらみの日だったんでそっちを優先して「史点」が後回しになりました。
ショルメがあんな誤射をしなければ、ルパンの生死はさて置き終戦記念日を迎えられたのでしょうね(奇巌城は「子ども向けの訳本」で読みました。)

肝心のルパンコンテンツに関しては、
>まだ興味を覚えないけど、きっと覚えます。
という事で。



#8760 
揚州義臣 2010/08/15 13:51
#8759ですが

>尾張の国(愛知県一宮市木曽川町玉ノ井)。に、玉井四郎助重(註:成田氏系図によると成田助実が埼玉県熊谷市玉井に移住・改姓。玉井氏の本拠は玉井屋敷で、

「愛知県一宮市(旧木曽川町)玉ノ井」「玉井陣屋」が適切でした。
なかなか重要な資料に当たれないにせよ、電子辞書検索位は徹底すべきでした……



#8759 
揚州義臣 2010/08/15 12:49
どうも自分の意見が出ていない様です

「終戦」記念日絡みの『ニュースな視点』更新に併せて投稿する積もりでしたが、徹夜城さんも暫時ご作業中とお見受けしました。
昨今、本掲示板を賑わせた平泉澄教授及び自由主義史観系教科書への検定に関して、一くさりします。

昨今、平泉教授著・物語日本史(中)(講談社学術文庫刊)からの引用文がいわゆるコピペとして流布している様です。
私も恥ずかしながら、初見は孫引き曾孫引き……分で小引き分が特定出来ません(苦笑)。厚かましくも、注釈を加えた上で読み易く句点毎に改行し文中小引き部分の行間も空けて、「引用」してみます。
因みに、原典は吾妻鏡・元暦2年6月大の月16日(丁卯)
>(前略)尾張國に玉井四郎助重と云う者有り。(中略)早々と逐電可しと云々。
と思われます。

>四十五章 源頼朝(下)  頼朝出現の意義
>(前略)文治元年(註:1,185年。3/24に壇ノ浦の合戦で平家滅亡。11/28に鎌倉幕府同年成立説の論拠となる文治元年の勅許)の夏(註:8/13に文治へ改元)、尾張の国(愛知県一宮市木曽川町玉ノ井)。に、玉井四郎助重(註:成田氏系図によると成田助実が埼玉県熊谷市玉井に移住・改姓。玉井氏の本拠は玉井屋敷で、玉井四郎の墓は現存するが被葬者の本名は不明)という者があって、元々乱暴者であり人々を困らせていましたが、それが今度は、勅命に背いた廉で召喚せられたのに、出頭しないばかりか、却って朝廷に対して誹謗の言葉を吐きました。
その報告を詳しく聞いた頼朝、何と言ったと思いますか。

>綸命に違背するの上は、日域に住すべからず。関東を忽諸せしむるに依りて、鎌倉に参るべからず。早く逐電すべし。
(註:吾妻鏡当該箇所は、>違背 綸命之上者。不可住日域。依令忽緒關東。不可參鎌倉。早可逐電)

>綸命は勅命、日域は日本、忽諸はないがしろにすることです。
つまり、勅命に背く以上は、日本国に住むことは許されない、幕府の指示に従わない者は、鎌倉へ来て保護を受ける事は出来ない、早速日本国の外へ出て行くがよい、こう言って国外追放を宣告したのです。
何という鮮やかな、何という痛快な裁決でありましょうか。
それが口先だけの説教ではなく、天下兵馬の権を握る者の言葉でありますから、一言直ちに実行に移され、違背すればたちまち首が飛びます。
それ故にこれが人々に与えた影響は、実に重大であったに違い有りません。(後略)

吾妻鏡の編纂者及び平泉教授が定めた、日本の範囲が気になります。
後白河法皇のご宣旨も拝聴申し上げたい所です。
御家人であれば鎌倉(幕府?)との関係断絶で十分な気もしますが、用済みになりつつあった義経一党に拾われると一大事との配慮でしょうか。
因みに、【埼玉県熊谷市の城館(儀一の城館旅)】http://gi001.gokenin.com/tanbou/11_saitama/06_ohsato/001_kumagaya/kumagaya.html には
> 玉井氏は横山党横山資孝の子資遠が「玉井野七」を名乗った。野七の子四郎助重は平安末期、源義朝の配下として軍功を立て、後に丹波国の地頭職に任じられ、子孫は福知山にて住み続けているという。
とあります。
こちらでは小野氏系図にある横山(註:武蔵七党の一員たる小野横山家)資遠を祖とする説も挙げています。
吾妻鏡の元暦2年6月大の月14日(乙丑)に、「対馬守宗親光が平家の圧迫を逃れて高麗に渡り、虎退治の武勇で高麗国王に重用されていたが対馬に呼び戻した」旨記載されています。
助重も呼び戻す積もりで、予め丹波国地頭職を与えていいかも知れません(笑)。
とは言え、【検定意見書(文部科学省)】http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/kentei/opinion/12-34.htm は残酷な物で、
>指摘番号26・指摘箇所108頁13−21行(註:表の引用は読み易さに配慮した範囲内で項目を改変)
には
>頼朝は鎌倉に幕府を開いてからも、京都の朝廷をうやまい、・・と裁決したという。(註:この箇所は孫引き・詳細は修正文自体共々[【検定意見修正箇所(同上)】http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/kentei/opinion/12-34/12-34-26.htm〔PDF〕)
とあり、
>こののち玉井四郎助重はその後も御家人として扱われており、この事象を以て頼朝の姿勢を記述するのは不適切である。(註:検定基準[社会科(「地図」を除く。)]2−選択・扱い及び構成・排列の(4))
との容赦ない検定意見が与えられています。
検定基準2-4の詳細は【義務教育諸学校教科用図書検定基準(同上)】http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/1260042.htm
>(4) 著作物、史料などを引用する場合には、評価の定まったものや信頼度の高いものを用いており、その扱いは公正であること。(後略)
となっております。
扱いが公正でない理由は不明確ですが、「修正文の様に勤王家・頼朝を表現するにせよ、信頼に足る複数の文献等を論拠とし、特定かつ信頼性の乏しい文献部分が論拠として特定うる内容にすべきでない」という事でしょうか。
実は情けない事に当該教科書が断定出来ませんでしたが、【平成12年度に検定を経た教科用図書(小学校・中学校)について】http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/kentei/020102.htm で掉尾を飾る
>図書の名称−中学 社会 新しい歴史教科書・目的とする学校−中学校・同教科−社会 ・検定の年月日−平成13年3月30日・著作者名−西尾 幹二ほか
で相違ないと思います。

教科書検定制度その物の是非を問う声はこの際措くとして、文部科学省も故人の御霊を騒がす罰当たりな検定意見は慎んで頂きたい物です(苦笑)。

付記
平泉澄教授は戦後各所から追放を受けた様ですが、実は天下を謳歌していた筈の戦時中にも部分的にそうされています。

>(前略)海軍省(註:教育局)からの押売りの講演者に平泉澄教授がいた。時々出張して来て講演することになっていたが、私(註:井上成美海軍兵学校校長)は最初から直接生徒に講演する事はお断りし、その代わりに教官(註:一般科目を含む学術指導者たる武官の職名。訓育に任ずる監事も兼任)に講演して貰い、その講演は必ず私も一緒に聴き、自分の気の付いた具合の悪い点は、講演後教官に注意するようにした。
それでないと、あの人の講演には深みもあり、聴いて面白いけれども、その中に盛られた哲学に私の気に入らぬ所がある。
昔の武士道で武士が余りに自尊心が強すぎて、他国他藩を理由もなく見下げるような場合を面白おかしく話すが、これは、うっかりすると若い士官(註:卒業後は少尉として任官)に自尊心を助長させる危険ありと考えた。その他にも二、三あった。(後略・1次資料は『元海軍大将談話収録』井上成美談・小柳富次筆・水交会蔵 [海軍兵学校長]。小引き元は『井上成美』井上成美伝記刊行会編・資料四の1・P.270)

1,942年10月26日(海兵着任)から1,944年8月5日(同離任)まで海軍士官は日本以外で育成されていた様子ですので、日本海軍ひいては日本の完敗も止むを得なかったでしょう。
冗談はこれ位にして、310万人もの死亡者に慎んで頭を垂れつつ、思いを馳せる次第です……



#8758 
徹夜城(盆休みの更新はひとまずルパンから始めた管理人) 2010/08/15 00:20
山賊王?

 久々の書き込みでいきなりですが、数日前から当サイトの「漫画で南北朝!」の「山賊王」のページへのアクセスが急に増えてます。いや、ものすごく多いってわけじゃないんですが、いつもとは明らかに違う。大半がグーグル検索というのも特徴でして…すでに連載も終了している「山賊王」で何か動きがあったのか?今のところ原因不明で、首を傾げてます。まさかアニメ化とかゲーム化とかいうんじゃ…

 以下、ためこみレスをなるべく簡単に。

>何やらつくってる人たちの話。
 「つくる会」関連はしばらくウォッチしてませんでしたねぇ。あの内戦の時はベラボーに面白い展開で「史点」でも「仁義なき戦い」のパロディにして遊んだもんです。会自体が分裂してからはネット上で双方のつぶしあいをしてる感じですね。写真の裏焼き関連も、実は十一郎さんの書き込み以前につくる会分派組のほうの情報で見てました。
 実は「つくる会」と先の選挙で出ていた「日本創新党」はかなり深くかかわっていたようでしてねぇ(教科書採択自治体の元首長が二人いたでしょ)。選挙で大外れだったんで、ちょっと焦ってるのかもしれません。
 「つくる会」とは直接はからみませんけど、あれに関係した者どうしで最近は「女系論」で泥沼論争してるようですな。

>併合百年
 これはこれから書く史点に絡むと思うので重複を避けますが…
 宮内庁に朝鮮王朝儀軌なんてあんなもんがあったとは知らなかった。結構持ってきていたんですねぇ。「朝鮮王朝実録」の1セットを持ってきちゃって関東大震災で焼失させてしまったという事実は知っていたのですけど。僕も訪れた大英博物館もずいぶん突き上げをくらってますが、こういう話は日本にも結構あるわけで。
 まぁ「百年談話」はどの政権でも似たような形で出したんでしょうけどね。

>政治と民意とバラエティ化
 景虎さま、はじめましての揚州義臣さまのお二人の書き込みを拝読して、それぞれに思うところがあるのですが、書き始めると長くなりそうですので。
 ただどうも90年代初頭の自民党政治の解体以来、良くも悪くも政治のワイドショー的扱いは進行したようには思ってます。とくに21世紀に入ってから顕著のようにも思えるんですよね。TVのみならず新聞の政治記事なんかでも「?」と思わされるヘンな話を読む機会が多い気がしまして。ただ、もしかするとずっと昔から、それも日本に限ったことではないんじゃないか、という気もしなくはないのです。

>揚州義臣さん
 えー、改めてはじめまして。「史点」をお読みいただいてるそうで、ありがとうございます。
 ようやく盆休みに入ったんですが8月13日がルパンがらみの日だったんでそっちを優先して「史点」が後回しになりました。一カ月以上ためこんだネタをいつアップ出来るかわかりませんが、気長にお待ちくださいませ。



#8756 
揚州義臣 2010/08/14 14:01
初めての割には恐縮ですが

tomohiroさんへ
>物書きのはしくれ
と仰る割には、とかく改行が多く読み辛い文章で普段から余り関心しません。
旧字体や英語表記のご仕様と併せて何かこだわりがあれば、お聞きしたく思います。

>私は目から鱗が落ちる思いです。
聖パウロが嘆かれるお姿が、目に浮かぶ様です。

>其れを無視して、「ドイツはリベラル、日本は右翼主義にまみれた危険な国」
と言う文章を読んだばかりです。
それでは、「但し、ドイツは高度な階級社会というバックボーンが存在したからであり、階級社会でさえ拙劣だった日本民主主義の未成熟はやむを得ない」等と付け足せばご満足なさる積もりでしょうか。

常々拝見して、「中道こそ絶対」と仰りたげなばかりで中道なりのご視点やご主張を斟酌出来ません。
右翼も左翼もしばしば過激な叩きに走る旨お見受けにせよ、日本では社会主義革命の果てに破綻したという歴史的経緯は未だありません。
片や、日本国会に自他共に認める左翼政党が議席を保持し民主党がレッテル貼りとしてそう呼ばれるにせよ、右翼政党云々は国会絡みでは存在しません。
民主党政権や支持者への評価はさて置き、右翼的主義主張は保守強硬派議員や派閥、ひいては支持者に深く影響を及ぼしているでしょう。
そもそも、人権蹂躙じみた乱暴な表現なら未だしも容赦のない表現でかつ執拗に批判を繰り返すというだけでしたら、言論の自由の行使たる文化活動であり正当な労働行為に過ぎません。
「右翼的主義主張が目に余る」と思う事があるにせよ、この点は肝に銘じている積もりです。

余り代わり映えしない「右も左も過激な輩が存在するから駄目」的ご主張ばかりではなく、もう少し具体的な物を拝見できればと願って止みません。



#8755 
揚州義臣 2010/08/14 13:16
初めて書き込みさせて頂きます

普段『ニュースな視点』を中心に拝見しておりますが、「終戦」記念日に鑑みたご更新が待ちきれずに参加させて頂きました。
徹夜城さん及びご参加の皆さん、今後共宜しくお願い致します。

景虎さんへ
#8752のご投稿ですが、正直所々首を捻らざるを得ませんでした。

>どうも今の政治家は民意を受け流せなくなっているようですねえ
政治家=政権政党及び有力政党所属者という文脈とお見受けします。
小選挙区比例代表並立制の導入にせよ、昨今の国会議席定数削減論にせよ、少数政党に反映された民意を死票という形で受け流す意図が伺えますので当てはまらないでしょう。

>昔の政治家は民意がどうであろうと、やる事はやっていたようです。
昔や政治家の範囲が不明確ですが、戦後議会政治の政権担当者であれば、無党派内を含む支持層(及びアメリカ政府及び政権)の支持を失わないと判断した範囲内に過ぎません。
民意を意に介さない所か、厳しく弾圧しあるいは露骨に誘導していた時代に何を行ないどんな結果を招いたかは、国民全員が明日しみじみと思いを馳せる事になるでしょう。

>政治や社会問題のバラエティ化と関係があるのではないでしょうか
官制化や統制化に比べれば余程国民の利益になります。
少なくともネットが情報発信ツールとして普及するまでは、政権政党や有力政党も民意の受け流しひいてはなびかせに活用出来ていたのではないでしょうか。
そもそも、政治や経済のバラエティネタ化とバラエティその物化とでは、天地程の差があると思います。
1,946年の衆議院議員総選挙でタレント政治家が誕生したとの説がありますが、選挙制度の変遷に影響されこそすれ連綿と続くタレント候補の擁立にこそ、バラエティ云々の論拠を求めてはいかがでしょうか。

>私は欧米に詳しいわけではないので推測ですが、
欧米という表現は、文化比較にせよしばしば大雑把に映ります。
さて置き、東西ヨーロッパ及びアメリカ合衆国の民主主義が優れ日本のそれが劣る」というご趣旨でしたら、階級社会の残滓より国家運営や国民意識における多民族国家性を重視なさるべきでしょう。

>昔の日本で政治がバラエティ化しなかった理由を考えると、
冷戦との関連性が不明瞭ですが、アメリカの世界一極支配と覚しき状况が破綻した昨今にバラエティ化は終結しましたでしょうか。

>それでは平和日本に相応しいシステムとは何でしょうか?
平和日本の4文字を国語辞書的に解釈した場合、平安時代中期まで全国規模での内乱も発生しなかった律令国家で宜しいでしょう。
律令国家にせよ貴族及びう豪族領地の治外法権が存在したにせよ、政治組織内住民への国税徴税権・国税支給義務の有無を考えても、幕藩体制より遥かに現代日本の国家及び地方自治体制度に通じる物があります。

>異常なほどの地方分権に対する拘りや、事業仕分け、官僚叩き(江戸の官僚である武士は貧乏でしたから)も説明できます。そう言えばおたく文化も江戸庶民文化と似てますね。
一応真面目に突っ込ませて頂きますが、藩主一族は国替えに振り回されて愛着等持てなかったでしょうし、その為の国替えでもありました。
藩を尺度にした地方分権考察は、戦国大名家及び豊臣政権臣属大名との混同に過ぎません。
片や地方で幕府を意識出来たのは天領領民位でしたが、代官の横暴に憤ったにせよ隠居爺さんご一行のお忍び旅で容易くガス抜きされてしまう程度でしたでしょう(苦笑)。
事業仕分けは財政困難に陥った政府の常套手段に過ぎませんし、常備軍を仕分けした律令国家に優る物はないでしょう。
官僚武士の貧困は、大部分の直参(及び外様藩)に対する冷遇・遅々として進まなかった新田開発にせよ、江戸庶民の民意とは全く無縁です。
オタク文化も日本庶民文化ですから、江戸庶民文化との相似(影響?)は否定しません。
とは言え、元来住民の利害一つ取っても対立する理念である筈の地方分権と中央集権を江戸時代へのご偏愛に絡めて一絡げにお語りな様で、正直混乱しました。
事業仕分けは藩単位でも盛んに行われましたし、江戸の一極集中振りを中央集権国家の首都的に捉えるとずれて来そうですが……

今後は今少し、ご論旨を明確にして頂けますと何よりです。



#8753 
tomohiro 2010/08/13 07:53
ドイツはリベラル?!

>景虎さん
なるほどね。民主主義はヨーロッパの階級社会だから成り立つのか
私は目から鱗が落ちる思いです。
其れを無視して、「ドイツはリベラル、日本は右翼主義にまみれた危険な国」
と言う文責を読んだばかりです。
今現在ネットで色々な意見が飛び交っていますが、卑小的な意見を
大きく取るのが右でも左でも沢山いるのが悲しい。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8752 
景虎 2010/08/12 05:51
幕藩体制と昨今の政治

最近の政治を観ていて思うのですが、どうも今の政治家は民意を受け流せなくなっているようですねえ。昔の政治家は民意がどうであろうと、やる事はやっていたようです。
この違いは何だろう?と考えてみると、政治や社会問題のバラエティ化と関係があるのではないでしょうか。

私が子供のころ(80年代)のテレビ番組は、報道とその他が分離されていました。これがバブル崩壊の頃から変わってきて、今や政治も経済もバラエティのネタと化しています。バラエティ化の結果、政治に関心がなかった層(恐らく日本人の大部分)を視聴者として取り込んでしまいました。
日本人の多くが関心を持つので、政治家や一部の学者までがバラエティに出演します。こうなってくると、民意を受け流す事が昔より難しくなっているように思えますね。
バブル崩壊から現在までの日本の迷走は、この辺りに原因があるのかもしれません。

私は欧米に詳しいわけではないので推測ですが、欧米はもう少し民主主義がうまく機能しているように思えます。欧米と日本を比較してみると、あちらは日本以上の階級社会なんですよね。民主主義というものは、その建前とは裏腹に階級社会(極端ではなくゆるやかな階級社会)でこそ上手く機能するのでしょうか。

昔の日本で政治がバラエティ化しなかった理由を考えると、冷戦の影響があるのかもしれません。もしもそうだろすると、幕末のような外圧や冷戦程度の緊張感がないと、欧米型のシステムは日本では機能しないとも考えられます。

それでは平和日本に相応しいシステムとは何でしょうか?それは幕藩体制的システムのような気がします。そう考えてみると、異常なほどの地方分権に対する拘りや、事業仕分け、官僚叩き(江戸の官僚である武士は貧乏でしたから)も説明できます。そう言えばおたく文化も江戸庶民文化と似てますね。

どうも最近の日本は、近代文明を維持したまま江戸時代に戻りつつあるような気がしますが、明治からずっと無理をしていたと思えばこれで良いのかもしれません。



#8751 
tomohiro 2010/08/11 21:02
親世代と比較して

>黒駒さん
不幸な時代はぬぐえないと思いますよ。
でも、其れを乗り越えて行かねばと思っています。
私は海外のネットフレンドは、韓國や華人圏の人ばかりです。
私の両親はアメリカのホームドラマや佛蘭西のヌーベルバーグなどに
影響を受けた世代のせいか、西洋人が居ないことを不思議に
思う一方で、これが時代だと思っています。
韓流映画や華人圏の映画などよりも西洋という親世代とは喧嘩になりますなあ・・・。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8750 
黒駒 2010/08/11 13:46
併合百周年

あまり触れたくないような気もしますがこの話題。菅直人談話で思ったのは、村山談話といい、保守政権はうまいこと節目節目の謝罪を避けているなと。なんだかんだいって、政権交代した役割分担をちゃんとしています。

竜馬伝を楽しく見ている自分としては、僕らは明治維新史や近代史を歴史的資産としてもっていますが、韓国にとっては自国の近代化の過程という栄光の歴史になるはずであった歴史的資産を奪ったわけですから、その意味での罪過は感じますね。一方で、当時の国際情勢下では仕方がなかったとする正当防衛性もわかりますし、双方に「不幸」があるのだと思います。「映像の世紀」とか見て思うような、不幸に不幸、不幸続きの20世紀の諸相のひとつのように思えますね。日韓関係のみならず歴史諸問題の相互理解があるとすれば、「映像の世紀」なんかを見て、戦争は無くせなくても、こういう不幸な時代はもう二度と現出させてはいけないと、そのあたりではないかと思います。



#8749 
tomohiro 2010/08/10 07:11
右からの批判

>けんさん
最近ネットなどで活動している右翼系の論陣ですが、
右の人もついて行けないとか薄っぺらい連中だと言う人が
言う人がいますよね。そう言う人間は大きいのだろうか・・・。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8748 
けん 2010/08/09 22:25
自由社版中学校歴史教科書とは

自由社版教科書というのは、内紛によって扶桑社から絶縁された「新しい歴史教科書をつくる会」の新たな教科書ですが、その内容については右派からの批判もすさまじいものがありますね。
http://group1984.blog119.fc2.com/
 
それから、藤岡信勝氏は拓殖大学を退職して非常勤の客員教授なのに「拓殖大学教授」を名乗り続けています。醜悪です。
http://d.hatena.ne.jp/tsukurukaiwatch/20100727/p1



#8747 
tomohiro 2010/08/06 12:46
それにしても

>十一郎さん
このAERAの記事は私も読みました。
くだんの集団が勢いが有るときはAERAも執拗に記事として書いているのが
ありましたが、今はそうじゃないようですね。
でも、一部論客は未だにこういった右翼勢力を巨大な何かに取っている
のが悲しいですね。鯨や海豚が絡むと感情的になる論客と
右翼系列を執拗に攻撃する反対派論者も同じように思えます。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8746 
十一郎 2010/08/05 23:16
自己模倣教科書の劣化ぶり

どうも、伝言板の話題ではありませんが、例のつくる会教科書の問題を指摘する興味深いページがありましたので紹介させてもらいます。
これは実際に見てこそインパクトがあるので、まず何もいわず御覧なってください。
http://d.hatena.ne.jp/tsukurukaiwatch/20100630/p1
http://d.hatena.ne.jp/tsukurukaiwatch/20100728/p1
いやあ、よく教科書検定に通ったものだと、本当に心底から驚かされます。重箱の隅をつつく癖に大きな誤りは見逃す辺り、いかにもお役所仕事といったところですか。
http://d.hatena.ne.jp/tsukurukaiwatch/20100802/p1
『AERA』でも報じられたようです。藤岡氏の釈明がまたひどいこと。一定数採用された教科書の問題ですから、もっと新聞やTVからも批判されてしかるべきかと思いますが、さてどうなることやら……



#8745 
徹夜城(夏期講習でシッチャカメッチャカになってる管理人) 2010/08/05 21:06
「海賊大河」になるのかどうか(笑)

 海賊史専攻としてはその辺が気になるわけですが(笑)。
 しばし書き込み、レスをしてなくてすいません。「史点」もズルズルと遅れてしまい、そのうち「夏休み特集」でまとめて出すことにしたいと思ってます。

 大河「平清盛」ですが、「新平家」とはまた違った、斬新と言えば斬新、思いっきり遊ぶところは遊んでしまおうという狙いなんですかねぇ。平氏が海賊討伐をしており、それらを支配下においた「海の武士団」であったという観点を盛り込んで兵庫の港の貿易活動へと話をつなげようという気なんでしょうけどね。ひでさんも書かれているように、「ワンピース」便乗という可能性もなくはない(笑…いやいや、「バガボンド」に便乗した「武蔵」、「歴女」に便乗した「天地人」の例がありますからなぁ)

 この手のテーマなら、ちょうどいま再読してるもんで北方謙三「武王の門」(南北朝時代の懐良親王と倭寇活動をテーマにしたもの)なんかのほうが新鮮味はあると思うんですけど…。それこそ倭寇の評価問題が絡んでくるんで難しいんでしょうね。
 番組紹介をざっと読みましたが、清盛は白河法皇の落としだね、という線で行っちゃうようですね。その点は「新平家」とおんなじですが。


>黒駒さん
 だいぶレスが遅れてしまって申し訳ないのですが、龍馬の件。実は僕も龍馬が「ピュアなヒーロー」化した原因は、やはり彼が「明治まで生きていないから」だと思ってます。どの時代でもそうですが、動乱期、革命期に活躍する人物というのはたいてい天下をとってから泥沼の権力闘争に巻き込まれるか、ひたすら粛清をして生き残るというのが定番ですので。
 龍馬については前にも書きましたが岩崎弥太郎的ポジションに行った可能性が高いでしょうね。あるいは中江兆民(そういやこの人今年の大河に出るんですかね…接触時期はそろそろですが)の路線に行ったか。

 司馬遼太郎がらみでは、最近小島毅さんの「織田信長 最後の茶会・本能寺の変前日に何が起きたか」を読んでいたら、「国盗り物語」が受け入れられた時代背景とその小説内のイメージがその後の信長像に決定的影響を与えていることがそこかしこで触れられてました。
 僕は「国盗り物語」は未読なのですが、若き日の斎藤道三が「座」のルールによって商売から締め出され、それが後年の「楽市楽座」の発想につながっていくというような描写があるそうで。現在ではすでに楽市楽座じたいは信長・道三以前にも存在していたことが確認されてるようですが、どうも司馬遼太郎、あるいは読者はこのくだりに当時のアメリカに繊維貿易で圧迫を受ける日本の気分を重ねていたのではないか、という分析も書かれていました。司馬歴史文学が高度成長の時代背景と密接に結びついている、という分析は確かによく聞きますね。
 なお、この小島毅さんは中国思想史の観点から日本史に首を突っ込むという何やら僕と似たスタンスのある方なので、前作「足利義満・消された日本国王」も面白く読んだ覚えがあります。「これは俺が書いたんじゃないか」と思うほどの内容で…(笑)、まぁ僕は義満暗殺説には否定的なのですけど。
 「織田信長最後の茶会」もあくまで本人も「証拠のない妄想」と断ってますけど、「義満」と同じパターンで信長が保守派に抹殺されたとにおわす推理を提示してます。その是非はおいといて、信長が実に「中国的」な思想背景を持っているという指摘は僕も以前から感じていたところで、そのくだりには大いに納得して読んじゃいました。明の暦を導入する気だったんじゃないか、というのも推理としては面白い。
 ついでながら、昨年録画してチビチビ見ている韓国大河ドラマ「世宗大王」で、50回過ぎあたりから「朝鮮独自の暦」を世宗が作ろうとして、明との軋轢を恐れる保守系官僚たちの反発を買って騒動になるくだりが描かれてました。


 ところで南北朝がらみで面白そうな新刊が出たので、アマゾンでとりよせてみました。

内田啓一「後醍醐天皇と密教」(法蔵館・シリーズ権力者と仏教)

 名前からして仏教関連の書籍を出す出版社らしいのですが、これから読んでみます。



#8744 
ひで 2010/08/05 19:39
清盛はルフィか?

再来年の大河ドラマの題材が平清盛と言うことになりましたが、「海賊どもをひきいて颯爽と海を渡る若き暴れん坊」というイメージはちょっとどうなんだろうかと。さすがにそれはやりすぎなのではないかという気が…。若い頃の清盛に焦点を当てるような作りを目指しているみたいに感じられるのですが、それだけだと大河ドラマとして1年間引っ張るのは難しいんじゃないかなあ。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#8743 
黒駒 2010/08/05 05:13
新新平家、確定

清盛大河は「新新平家」と呼ぶことにします(笑)。決定したようですね。

ちょうど市川海老蔵結婚の和田があったので、平家ではなく源氏物語やったらどうだろうとか、思ったのですけど、清盛は後半で出家しますから、おそらく「風林火山」の市川亀治郎や内野聖陽さんのような坊主OKな役者さんが主演なのではないでしょうか。などと考えると、義満大河の布石であるかもしれません。清盛がありなら、義満もと。

つね様のご指摘されている点は、大河のみならず番組づくりにおいて考慮される点ではありますよね。特にNHKは視聴率を気にしなくてはいいと思いますが、でもそもそも見てもらえなければ公益性も何も無いですから、視聴率を確保しつつ価値のあるものをと、両立させないといけないハイレベルなものを求められてはいるのでしょうね。

ところで、史点候補になっているかもしれませんが、最近ビキニ環礁が世界遺産入りしたというニュースが気になりました。私は80年代生まれで大河でいえば吉宗から見始めたのえすが、ぎりぎり冷戦時代の空気っていうものを知っている世代なのではないかと思います。核戦争の現実的脅威とか、その不安感の上に成立したノストラダムスブームとか。

今の高校生くらいになると、もう冷戦時代の不安感は共有されていないでしょうね。ソ連の強大さもわからなければ、アメリカもブッシュ政権で迷走したり金融危機で衰えているイメージで、かつての超大国のイメージではない。8月ですし戦争回顧の季節ですが、戦争の記憶よりも冷戦の記憶のほうが早く風化しちゃうのではないかなと思ってしまいます。



#8742 
tomohiro 2010/08/04 22:38
悲しいですな

>つねさん
悲しいですね。そんな考えで義務感みたいに大河ドラマを
作られると廃止した方が良いのではと考えてしまいます。
なんでも、韓国の歴史ドラマは色々な時代に挑戦できるのか
うらやましいですね。
こういう事をして大河や歴史ドラマが嫌いになった人も多いのかもしれません

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8741 
つね 2010/08/01 21:08
大河ドラマ

どこで聞いたか忘れましたが、大河ドラマに求められているものの一つとして
「みんながあらすじを知っている」というのがあったような気がします。
長期なので1、2話、見落としても話についていける必要性があるということです。
ということで、戦国、幕末維新(少し前までは鬼門でしたが)、源平ということに
なってしまうのでしょう。

あと大河だと、便乗ものが多いのも特徴です。出版物とか観光業界とか。
もし便乗ものに配慮して現代劇を遠慮しているのであれば本末転倒ですが。



#8740 
黒駒 2010/07/27 06:08
新新平家物語

吉川英治の「新平家物語」は読んだことありませんが、この「新」はおそらく、日本の古典文学の代表たる平家物語を、戦後の新しい価値観で描いてみましたということなのでしょうね。以前、「風林火山」ですね。作中で諏訪が陥落し由布姫が武田方に捕縛されるくだりですが、老臣から自害を促された姫がそれを拒み、「いやだ、私は生きたい!一人の女子として!」と封建的価値観を否定してしまうような台詞をいいますけど、あとで気づいたのですがこれ原作にある台詞なんですよね。新田次郎の「武田信玄」も戦後的価値観で描く新しい武田軍記!のようなノリを感じますけど、歴史創作というのは同時代の空気すら含むものであるのだなと気付かされました。

年末の坂の上の雲から竜馬伝と続くとやはり司馬遼太郎のことを考えちゃいますが、そう考えると司馬遼太郎も、竜馬がゆくで同時代の安保闘争を仮託し、坂の上の雲では高度成長期を明治日本に仮託し、僕らの時代である21世紀が「暗黒昭和」にあたるかもしれない不安感をも入れた同時代を描いた作品のようにも思えてきました。「新新平家物語」が実現するとしたら、吉川英治の平家すら「新」がついていながらもう古いものになりつつあるのに、と妙な感慨を覚えるかもです。

などと考えると、大河のネタ不足も題材の枯渇ではなく、原作の枯渇かもしれないなと思いますね。当初は文芸路線でしたし。今でも優秀な歴史作家さんいると思いますけど、そういう人たちの力量が無いというよりは、なかなか同時代の空気を歴史的題材に仮託しにくいという時代的要素もあるのではないでしょうか。大河は純粋な娯楽にできず、今日的意義のようなものも求められてしまいますし。

>まったく違う話
最近、友人と竜馬の何が偉大であるのだろうと、そもそもな話をしました。わたしも幕末史好きなわけでもないのでさぁと思ったのですが、功績部分の検討ではなく、逆に否定的評価がどうしてあまりないのだろうと考えると、それは暗殺されているからであろうと思いました。現代の政治にしても、ありとあらゆる政治的事業にはマイナス面もふくまざるを得ないと考えていますし、それを成し遂げた指導者は歴史的評価という形で否定的評価も受けるべきと思っているのですが、竜馬は維新前に暗殺されているから、功績部分だけを背負うことができているのではないかと考えました。

維新のマイナス面とは、それは士族階級の失業という点ですよね。士族授産問題は初期明治政府の課題となりますが、この過程で士族反乱が起き西南戦争となりますが、西郷隆盛とかは、維新を成し遂げた責任として反乱軍の首領とならざるを得なかったのであろうなと思います。

よく竜馬も存命していたら明治後にどんな活躍をしていただろうとIFが語られると思いますが、わたしは龍馬にも当然、土佐の旧士族からのプレッシャーがかかると思いますから、民権運動のほうに巻き込まれていったと思いますし、もしかしたら士族反乱の首領にならざるを得なかったかもしれないと思います。存命していれば責任というのは背負わざるを得ないですから、果たして飛躍的な活動はできていただろうかと考えたのですが、いかがでしょうか。



#8739 
徹夜城(夏期講習が始まってしまった管理人) 2010/07/27 00:20
ま、未確認の段階ではありますが

 話題になっている再来年大河「清盛?」のことでありますが、日刊スポーツの記事が発信源のようですね。その記事を読んだのですが、ややトバシくさくもありますが時期的にも発表が近いはずですし、記事内容もいかにもありそうな話なので信用度高めかな、と見ています。
 まぁしかし思うところは…「戦国、幕末、ときどき源平」という線からは相変わらず離れないというわけで。あくまで実際にそうだったら、の話ですけど、「義経」が比較的最近あったばかりなので新鮮味はあまりない…と言っても信長・秀吉・家康の登場ペースを思えば世間的には新鮮なのかもしれません。

 tomohitoさんのお書きのような家族ドラマ的な大河はすでに「いのち」でやっちゃってますし、あの時期の「近代史大河」は結局うまくいかないということで当分敬遠だろうと思えますね。同様のことは黒駒さんが触れられている「琉球の風」を含めた実験的な「短い大河」にも言えます。
 「太平記」はそこそこ成功の部類でしょうけど、尊氏以外を主役にするのはいろいろと気が引けるというのが本音ではないでしょうかね。吉川英治みたいな大御所の原作つきというのは強みなのですが、もう一度使うわけにはいかず、そうなるとこれといった作品がないのも確か(北方謙三の南北朝ものなんか使えそうですけど)。

 アメリカの大河ドラマ的存在は「ミニシリーズ」という短期集中型のやつですが、アメリカ自体「歴史」が浅いせいもあってこちらがイメージする「歴史ドラマ」というのはあまりないでしょう。南北戦争ものもあるようですが、あちらは著名な歴史英雄の伝記ではなく一般人の「家族ドラマ」を中心にまとめるという傾向が強いようにも思います。「ルーツ」とか「わが町センテニアル」とか…

 こちらは相変わらず韓国時代劇をチェックしまくる毎日なのですが、先日からBS朝日で「千秋太后」の毎日放送が始まってしまい、とりあえず録画しています。全80話ということで、HDDをまだ占拠している「世宗大王」を追われるようにさっさと見ないといけなくなりました(汗)。
 これと同時にTUTAYAから毎回3〜4枚ずつ「太祖王建」を借りて見ているのでなかなか大変。こちらはようやく71話まで見ましたが、まだあと129話もあるんかい!
 太后といえば、Gyaoなどネット上の動画配信サイトで「北魏・馮太后」という中国ドラマが一部無料配信されてます。気になったので第一回を見てみましたが…うむっ、これは面白そうだ!困っちゃうなぁ(笑)。ドラマのよしあしってだいたい第一回でわかるものでして、僕は経験上これを外した覚えがありません。いまTUTAYAで借りてる李世民ドラマは第1回の感想通りつまらなかったですし(一応最後まで見る気ではありますが)。
 まぁ何にせよ、日本の大河よりは中国・韓国の歴史ドラマは素材がばらけている気はしますね。

 黒駒さんがお書きになっていたので気づきましたが、確かに「琉球の風」って動画はネット上でまず見かけませんね。やはり録画している人が少ない、総集編しか出てない、あまり関心をもたれない…というところがあるでしょうか。
 僕自身は専門分野にからむ素材でもあり、当時そこそこ期待して見たクチなのですが、日本ドラマでありながら国際的なスケールを持つ内容に興味をもちつつも、ドラマとしては薄味に過ぎた(基本的に架空キャラばかりなので)こともあり途中で挫折してしまいました。史実だからしょうがないけど、結局は事実上独立を失ってしまう展開でもありますしね…



#8738 
黒駒 2010/07/26 06:54
清盛大河は

公式ではないですし、まだ確定とは言えないような情報すね。

竜馬伝がいま長崎編ですが、西洋人や中国人がいる長崎世界が、近世後期段階とはいえ日本史における対外関係史を珍しく描いていて、いいですね。北条時宗以来じゃないかなぁ。清盛といえば日宋貿易で「義経」でもちらっと外交使節が描かれていたような気もするのですが。そういえば、動画サイトになかなか挙がらないのが「琉球の風」なんですよね。評判はいまひとつだと思うのですが、映像的にどうだったのか、「画」を見てみたいものです。



#8737 
tomohiro 2010/07/25 20:01
今の私であれば興味が持てない

2012年度大河「平清盛」に決定したようですね。
昔の私であれば飛びついた内容ですが、
現在の私であれば抵抗を感じます。
そういえば、昔見たドラマと今後の大河への提言
を考えみたいと思っています。
かつて、英米の某局で「ダイナスティ」という
アメリカだかイギリスの大河ドラマというふれこみの
ドラマが放映されたことがありました。
少し見てみたのですが
アメリカの独立戦争も、南北戦争も
ヴィクトリア朝の風景も出てこない内容に
当時は愕然としたものです。
これはnhkで放映されたのですが、
歴史に寄らない現代劇風大河ドラマのモデルケースにしたかったのではと考えて
いる所存であります。
ならば、1時nhkも大河ドラマで歴史を扱うことを
休んで、
ハゲタカや鉄の骨やチェイスといったドラマの
雰囲気を混ぜた物を一年間放映するか、
ゲゲゲの女房や芋蛸なんきんみたいな世界観を
有る一家の歴史という雰囲気で一年間
放映しても面白いかもしれません。
歴史ドラマが疲弊しているならば考えて欲しいです

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8736 
つね 2010/07/24 00:27
再来年の大河ドラマ

最近は暑いですね。
帰宅してから冷水シャワーを浴びても身体がほてる。
というわけで(?)、再来年の大河ドラマは清盛が主役みたいという
ニュースを目にしました。

最近、単発ドラマにしていた古代史やら、以前、ここで触れたくじ将軍のように
大河初というのを期待していたのですが。

とりあえず清盛役は渡辺謙を希望します。



#8735 
那連一郎 2010/07/23 23:12
鑑真伝 写本帳を作りました

『鑑真伝(唐大和上東征伝)』の写本帳を作りました。以前作った『三蔵法師伝写本帳』に続くものです。6回の遭難と妨害に遭いながらも12年目に来日。その苦難の道のりと伝教の偉業を一字一字書いてみませんか!! テキストの読み下し文(黒字)
と現代日本語訳(青字)を読んで、それから大きな紙の薄墨色の写本用紙(A3)の文字を約1万8千字なぞり書きするものです。

http://www1.vecceed.ne.jp/~cav/page003.html


#8734 
徹夜城(夏期講習前の暇なうちに映像を見まくる管理人) 2010/07/17 23:56
たまには倭寇の話を

>ひでさん
 ご紹介どうも…なのですが、実はとっくに買って読んでいたりしまして(^^;)。やはり南北朝時代を扱った内容が多かったこと、そして倭寇問題もとりあげていた点が気になりまして。
 「庚寅の倭寇」の構成員はともかくとして、その契機が日本の南北朝動乱における「観応の擾乱」であっただろう、というのは大筋でどの研究者も一致してると思うんですね。しかし九州の勢力が「兵糧確保」のためにわざわざ海を越えてあちらまで行く、というその原動力が何なのか、まだ僕にはもう一つ納得できないところなんですね。それ以前からもともと両者の間に人的交流があったと見たほうが自然なんじゃないかなぁ、という感覚でして。

 倭寇と言えば、先日来報告したもののそれっきり続きを見られないでいた韓国大河「大王世宗」の「応永の外寇=己亥東征」のくだりをすべて見終えました。全部で5回分ぐらいかかったのですが(同時進行で世宗の即位、太宗との確執、明との交渉なども描くので倭寇問題ばかりというわけでもない)、感想としては「ドラマとしてきれいにまとめちゃったな」というところですね。
 まず考証は「がんばった」と思うのです。少なくともずいぶん昔の「壬辰倭乱」に比べれば格段の進歩。対馬ロケはしてないと思うのですが、セットもそれほど日本人が見ていて違和感がありません。また衣装や鎧も「戦国時代」のものとみればかなり正確。ただ15世紀初頭として見るといささか無理があります。おそらく李舜臣ドラマが最近ありましたからそれの使いまわしなのではないかという気もします。鎧以外の衣装はそこそこ「室町風味」でしたし。

 日本人役はすべて韓国の俳優さんが演じていますが、全編日本語で通しているのには感心しました。さすがに訛りがありますが、話し言葉としては結構自然で、以前書いたように「日本人の監修がいるんじゃないか」と感じさせたのがその口調の自然さでした。ただ「時代劇言葉」としてみると少々現代語風でもありましたが。
 事件の経緯は僕の知る限りではそこそこ史実に沿ってるほうかと。朝鮮国内にいる日本人の抹殺と対馬占領も狙う上王・太宗に対し、あくまで平和主義者の世宗は父と衝突しない程度に迎合しつつ(ドラマでもしつこく描かれますが、太宗ってのがまた猜疑心の強い人でして)極力死者を出さずに外交的に事態の終息をはかる、という展開になってます。ひそかに九州探題に使者を送って対馬を支援しないよう裏工作したり、軍事的に勝利しつつも占領するほうが経済的負担が多いという理屈を使って占領はせずに引き上げ、貿易の利益をえさに対馬人を懐柔する(これはほぼ史実)という描かれ方でした。

 記録では宗氏側が「台風も来ますからいったんひきあげては」と提案したりするんですが、それには触れられません。また対馬人の一部から「いっそ朝鮮領にしてくれ」という申し出が出た件も意外にも(?)まったく触れられませんでした。さらにはこの事件は将軍・足利義持の強い疑念(明・朝鮮連合による二度目の蒙古襲来を疑った)を呼び、朝鮮側が京まで送った使者の弁明でようやく平和裏におさまったというかなり面白い外交史実にもまったく触れなかったのは残念なところです(それやると日本ロケの必要があると恐れたかな?)。「アシカガヨシモチ」の名がだいぶ前に出てきてたので、そこに期待してたんですが…とりあえずなさそうな感じですね。

 この事件の時、朝鮮に帰化して役人になっていた対馬人・平道全という人物がおりまして、このドラマでは彼にも大きくクローズアップして描いていました。平道全自身はすっかり朝鮮人になりきって世宗にも忠実ですが、彼の息子は朝鮮人には成りきれずに対馬に走ります。しかし対馬でもよそ者扱いされ、結局最後は父のもとに帰ってくるが乱戦の中戦死…という形になってました。ちょこっと史実を調べてみると平道全は対馬との密通を疑われて左遷の憂き目にあい、その息子は日本人居留地での戦闘で朝鮮軍に殺害されたらしいんですね。そこをドラマでは両国にまたがって不安定な存在となった彼ら父子の悲劇として「きれいに」まとめちゃってました。まぁドラマとしてはこれはこれでアリでしょう。まさに「マージナル・マン」そのもので、村井章介さんが見たら喜びそう(?)。



#8733 
ひで 2010/07/15 19:55
こんな本もありますよ。

南北朝がらみだと、東島誠「自由にしてケシカラン人々の世紀」という本もあります。色々なトピックをかなりおしこんでいるので、1章ずつの長さはかなり短いのですが、庚寅の倭寇と呼ばれる出来事(1350年)についてちょろっとあつかっています。李領説にそのままのっかった、というかその紹介みたいな内容ですが、いちおう。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#8732 
徹夜城(久々に専門分野の研究書を読んだ管理人) 2010/07/14 22:34
『倭寇と「日本国王」』(日本の対外関係4)

 アマゾンで頼んでいた、上記の本が本日届きました。
 お値段6000円(税別)と聞いた時点で予測はできますが、正直言って一般向けとは言い難い本です。内容も論文づくめで専門学術書のノリですね。初心者がお気軽に手を出すのは控えたほうがよろしいかと思います。

 …ざっと目を通しましたが、僕みたいにこの分野に首を突っ込んでますと、それほど目新しい話題はないんですよね。その分野の研究者が論文を持ち寄った形式の本ですからなおさらそうなるのですけど(一部他の本に載せた論文をちょっといじっただけとしか思えないのもあるしなぁ)。
 南北朝ネタとのリンクでは関周一さんの「「中華」の再建と南北朝動乱」という論文(というより歴史経緯の解説かな)が載ってます。南北朝動乱と倭寇の関係、明帝国・朝鮮王朝成立と倭寇・室町幕府対外政策などがまとめられています。このサイトでは「ムロタイ」でやったネタですな(笑)。ただいま「南北朝列伝」で「懐良親王伝」にとりかかっておりまして、ここでもこの問題に触れざるを得ないでしょう。
 ざっと眺めてみて、興味をひかれたのは須田牧子さんの「朝鮮使節・漂流民の日本・琉球観察」という論文で、とくにその後半で紹介されている15世紀に朝鮮人が八重山諸島まで漂流し、そこから琉球へ連れてゆかれ、日本人に託されて朝鮮へ帰国した史実がなかなか面白い。琉球政府が漂流民に「日本人は信用できないからいったん明に行って帰国してはどうか」と提案し、日本のほうが近いと知ってる漂流民たちが「日本に行かせてくれ」と頼み、結局新四郎なる日本商人に託される。琉球人から信用できないとされた日本商人でしたが幸いちゃんと送り届けてくれます。ただし彼らもそれを利用して「琉球使節」を偽装するという狙いがあったりして…ああ、こういう世界はやっぱり面白いなぁ。


>Kさん
 平泉澄に関する書籍の紹介、ありがとうございます。
 僕も先日日本中世史の上横手雅敬さんのエッセイ集「日本史の快楽」を読んでまして(週刊現代なんて歴史家の文章にしては珍しいところに連載されたもの)、そこでも平泉澄のことに触れていました。平泉は戦後は東大をまさに「石もて追われ」、以後その教え子も含めてほぼ黙殺状態になるのですが(一応一部支援者はいましたけどね)、同時期に京大で似たり寄ったりなことをしていた研究者は決してそういう扱いは受けず周囲から重んじられた。その差は何か?という話題があったんですね。そこでの一つの結論は実は東大の歴史学業界(特に日本史)というのが明治以来、朱子学・尊王思想的な一派と実証主義派との激しい対立が続いていたからだ、というのがありまして、南北朝時代の歴史論争では特に覚えのある話でした。

>黒駒さん
 まぁ大学関係に国が金を出し渋るのは今に始まったことではないんですが…、歴史学分野は費用自体はもともとそれほどデカくはないので大きく後退しようもないというところもあるかと(涙)。ただ戦時中みたいに真っ先に「不要の分野」とされ学徒出陣みたいなことにされてもかないません。
 そう書いてふと思いつきましたが、一年戦争末期のジオン公国の学徒兵はやっぱ文科系学生だったんでしょうか(笑)。



#8731 
tomohiro 2010/07/14 19:12
神聖な臺灣に辛口

私は右翼主義者たちが、反中、反韓なのは構わないのですが、
彼らが神聖視する臺灣についてです。
私も、親日國家ということで臺灣に興味を持ったのですが、
なんだか、同じ親日國家として知られるポーランドやトルコと比較するのですが
なんだか、日本に依存しすぎている感じがするのですよ。
彼らの考えでは、日本という有る意味大きな存在を
仰ぎ見て、其れを取り寄せるだけで大丈夫という考えがあるようです。
いわゆる華流が流行らなかったのも、日本という存在の物には
適わないという考えがある程度の台湾人にあるからなんですよ。
私の知り合いの台湾人は何かと日本やアメリカの物には適わない
という事を口にします。


http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8730 
K 2010/07/13 23:32
平泉澄

平泉澄については、小学館から出ている『昭和史学史ノート 歴史学の発想』と言う本の中で紹介されています。
文芸春秋から出ている立花隆『天皇と東大』にも平泉澄は出てきます。あまり多くはありませんが。
ご参考までに。



#8729 
黒駒 2010/07/13 19:07
参院選

増税を掲げた民主党の敗北。こうなると、増税をするためにはますます無駄の削減を徹底的にやらないといけなくなるのでしょうね。一方で蓮舫議員があれだけ大勝してしまうのは、仕分け路線(既得権益破壊)は国民から歓迎されているということでしょう。

こうなると、科学技術だけでなく文化・芸術方面も危なさそうですね。歴史学の研究もやりにくくなるでしょうし。なんてことを考えました。同時代の政治的動向の影響で史学研究が停滞することもまた、後世から見れば歴史的現象になるのかもしれませんが。



#8728 
徹夜城(昨日投票は済ませてきた管理人) 2010/07/08 00:22
どうもレスが滞りがち

 管理人がしばらく書き込んでおりませんで…このところ仕事その他で(携帯が故障したりとかもあり)忙しく、なんだか書き込む気力すら起こらないでおりました。

>黒駒さん
 だいぶ遅れてしまいましたが、夢窓の件、興味深く読ませていただきました。そういえば山梨県関係者ばっかりですもんね。そもそも春屋妙葩は夢窓の実の甥だったと記憶しています。
 当時盛大にもてはやされた夢窓ですが、古典「太平記」ではかなり辛辣に扱われてます(もっとも土岐頼遠の事件関係ていどの話ですが)。「太平記」作者の保守的スタンスはとくに宗教系に顕著な気がしまして、文観だってかなりの言われようですもんね。
 村井章介さんのその本についてはノーチェックでした、すぐに目を通しておかないと。

>アジアのバカ大将さん
 まぁ現代のサッカーに直結するかどうかはともかく、広いところでボールを蹴飛ばすゲーム自体は発生しやすい気はしますね。
 そういえば映画「レッドクリフ」で、赤壁の曹操陣営でモロにサッカーそのものの競技を兵士たちがやってる場面がありましたね。ゴールは網ではなく穴になってましたが、もしかしてあれもそういう「考証」を取り入れているのでしょうか?

>NFさん
 毎度丁寧な感想どうもです。
 サッカーW杯も気が付いたら一時言われた「南米優勢、西欧衰退」の説はどこへやら。「贋作サミット」でネタにした直後に状況はひっくりかえってしまいました(笑)。まぁドイツが好調なのだけはそのままですが。
 あそこではネタにしませんでしたが、フランス代表の不調が「移民」問題と絡められがちだったのに対し、ドイツの好調もまた「移民チームだから」と論じられているのが面白いところ(笑)。トルコ移民の選手の中には国家の代わりにコーランを歌うやつまでいるそうで、つまるところは移民そのものとチームの好調不調はあんまり関係ないのではないかと思えてきます。

 平泉澄についてはいろいろ言われてますが、確かに網野善彦なんかも彼の初期段階の研究については先駆的なものを認めてましたよね。寺社のアジール論なんかは彼自身が神社の神職の家の出身だったから、ということもあるようです。また戦後の「権門体制論」は平泉の皇国史観の焼き直しだ、なんて批判もあったりしますし。
 まだ深入りして調べてはいないのですが、平泉がなぜ「皇国史観」の旗振り役になったのか、昭和7,8年ごろから顕著になる「国体明徴」の動きと合わせてよく考えてみたいと思ってはいます。
 最近講談社選書メチエで「選書日本中世史」というシリーズが出てますが、くだんの平泉発言はその第一巻「武力による政治の誕生」(本郷和人著)で紹介されていて知ったものです。なんでも戦後だいぶ経ってからも旅行に来た史学科の学生をつかまえて学会動向を聞き、「あんなやつ、小物、小物」などと気を吐いていたという微笑ましい(?)エピソードも紹介されてました。



#8727 
黒駒 2010/07/05 21:26
肉食の歴史

吉川弘文館から「日本の対外関係」というシリーズがはじまって、村井章介氏編でずばり「倭寇と「日本国王」 」が刊行されてましたね。最新の中世日中朝外交史本ということで、読んでみたいです。近世編はいつでしょうか。

>肉食史
「豚に歴史が・・」の皇国史観は、それ自体がもう歴史的ですね。同じ「歴史」であっても、それが指し示すものは時代により人により異なる。正史のような史書は現代の実証主義史学のように事実を記録するものでは前提からしてなかったでしょうし、古代の王朝においてどのような政策をしたら成功したのか失敗して王朝が滅んだのか、現実の政治に活かせる実用的な用例集のようなものであったのでしょうか。

地元の博物感に動物考古学が専門の方がいらっしゃって研究を目にする機会が多いものですから、人と動物の関係史、動物考古や家畜利用史のような分野には関心をもっています。日本はよく肉食が無かったと言われますが主に狩猟に肉食の証左は文献上でもありますし、考古学的にも解体切痕をもつ獣骨の出土事例はたくさんありますね。私は日本には肉食文化がなかったは不正確な表現で、正確に言うならば食肉生産を目的とした家畜利用文化が無かった、と言えるのではないかと考えています。

これはおそらく日本列島の植生の豊かさと関係していて、ヨーロッパのような植生の貧弱な地域であれば、人体で消化吸収しにくい植物でもなんとか利用しなくてはならないので、家畜を利用して肉に転換する文化が発達した。それに比べて日本列島のような植物相が豊かで有用植物の種も多い環境では、それを導入する必要性が薄く、肉食は狩猟によって補助的に行う程度で住んでいたのではないだろうか、と考えています。

そこで思ったのですが、現代の捕鯨の問題も、欧米人は鯨類が知的動物であるから食用にすることに抵抗があるだけでなく、もしかしたら狩猟の延長線上にある漁業自体を卑しむ・・までいくのかわかりませんが、そういう意識があるのではないだろうかと思っています。家畜を利用して管理的に食肉生産をする技術こそが人類の英知であって、狩猟や漁業というのは原始的な食料獲得手段である・・と考えているのではないでしょうか。



#8726 
NF 2010/07/05 01:55
史点感想

 御久しぶりです。ワールドカップも終盤になりましたね。日本が予想以上に頑張ってくれました。マラドーナ監督がもう見られないのは少し残念。で、気が付けばいくつか「史点」が。

>「豚に歴史がありますか」
あのお方も若い頃はアジールやら実証主義的・民衆史的な視点があったはずなんですけどねえ。どうしてこうなった。因みに社会分野的に豚の歴史の可能性を追求して見ますと、「いつから人に飼われ始めたか」「いつごろにどのような品種改良がなされたか」「東西ではそれぞれどのように飼われていたか(中国では便所で飼われていた事例と呂后の例の逸話と絡めるのもあり)」「イスラーム地域と豚の関係の推移」「肉は食文化においてどの程度の等級と見られていたか」…。おお、豚にだってちゃんと歴史がありますよ、平泉先生。本質から外れた茶々ですが、ちょっと一言してみたくなったもので。
>そもそも繰り返し出されたこと自体が肉食の存在を示しているのかもしれない
恐らくその通りのようで、禁止令に言及されている牛・馬・羊・豚・鶏・犬がしばしば当時は食べられていたのではないかと推測されているとか。

>公式謝罪
 まあ、内部の反対派を抑えるのにも時間がかかるし、外交的に損失を招かないタイミングも測っているでしょうし遅くなるのはどうしようもないのかもしれません。

>ベルナドット
「ナポレオン獅子の時代」でもイタリア遠征編の終盤で少しだけ登場しました。一見優等生だが内心はナポレオンへの嫉妬や周辺への不満を抱えており小声でブツブツと言ってるキャラに(ただし、この漫画に登場する主要キャラは多かれ少なかれ変態にされているのでベルナドットの扱いが特に酷いわけではありません)。刺青については既に若気の至りと見なしているという設定になっており、「笑えるやつ」と自称していました。
>フランス王位まで狙う動き
フランス国内でナポレオン失脚を画策していたタレーランは、これについて「もうフランスに軍人の指導者は要らない。軍人でもよいというのなら、今のが世界一だから変える必要はない」と吐き捨てたとか。
>もしかして「格」なんだろうか
かもしれません。王室への支持率が国内で下がりがちなのも、ベルナドット以前の王室と血縁がないことも関係しているかも。
>「元王族」も含めて王族サロンみたいな付き合いがあるんだろうか
そのようです。Wikipediaで知ったのでどの程度正しい情報かは分かりませんが、ロシア帝室にも帝位継承資格者を名乗る人物が現在もおり彼女は(順位は大変低いながらも)イギリス王位継承権も一応はあるそうで。あと、ボナパルト家もまだ存続してるそうですね。考えてみれば、欧州の古い王族は血縁関係があるケースが多いですから王制そのものがなくなった国の王室も含めて交際があるのも不思議ではないのかもしれません。

http://www.geocities.jp/trushbasket/


#8725 
アジアのバカ大将 2010/06/30 17:02
サッカー中国起源説

またまた、突然お邪魔します。
ワールドカップを見ていて、「サッカー中国起源説」を
思い出しました。

確か数年前、FIFAの会長が認めたとかで
中国を中心にかなり流布しました。CATVの
ヒストリーチャンネルでも、宋代とかの試合を
再現したものを放送していました。
服装が日本の蹴鞠に似ているのは、日本のは間違い
なく中国伝来なので理屈は合っていますが、中国
にまったく残っていないので、日本のを参考に
逆輸入したようにも思えました。

なお、この説はネット論壇では非常に評判が悪いです。
私は、中国起源説は十分根拠があると思います。
証拠は司馬遷の史記です。
「衛将軍驃騎列伝」は匈奴を伐って
大戦功を挙げた衛青と、その甥で24歳で夭折した
霍去病の伝記ですが、霍去病は戦の天才でも
生まれながらの貴族(皇后の甥)だったせいで
下々への思いやりがなかったと司馬遷に批判
されています。その思いやりのなさの例の
ひとつがサッカーなのです。
史記によると、一般兵士が水や飲食にも事欠いて
いるのに、霍去病はサッカー場を作らせて、
側近たちと遊んでいたというのです。
日本の蹴鞠程度ではなく、現在のサッカーに近い
ものだったのでしょう。そうでなければ、司馬遷
もとやかく言わないはずです。
これを遠くから(大草原の住民は視力が6・0くらい
あります)みていた匈奴たちの間でも広まり、
彼らがフン族として欧州に攻め込んだ時、広めたのが
欧州サッカーの起源ではないでしょうか。



#8724 
黒駒 2010/06/28 13:25
夢窓疎石と甲斐

夢窓は甲斐の出身なんですよね。そして、恵林寺をはじめその生涯を通じてけっこう甲斐とゆかりが深いです。

鎌倉・南北朝期の禅宗は、あまり詳しくありませんが鎌倉中期以来の蘭渓道隆による禅と夢窓による密教色のある禅が並立していて、夢窓の禅が発展し主流になっていくと聞きますね。夢窓疎石は大河「太平記」に、蘭渓道隆は大河「北条時宗」にも出てましたよね。甲斐においては蘭渓道隆も配流されていたりして禅宗の二大巨頭どちらともゆかりがあったりします。夢窓が開創している恵林寺をはじめとする寺院は牧荘という荘園内にあって、荘主は二階堂道蘊であったりするのですよね。道蘊は大河「太平記」における新政におけるくだりで、鎌倉幕府遺臣として「ふん、我らがいなければ何もできないくせをして」とか言ってましたね。二階堂氏は甲斐守護である可能性も考えられていて、夢窓とは何かしらの血縁関係でもあるのではないかと言われていたはずです。夢窓の弟子の春屋妙葩も甲斐の生まれだったりしますね。

禅宗の高僧は語録がまとめられたり祖師像が作られたりとにかく尊敬されていますが、袈裟のような私物も遺存している例があるのでしょうね。甲斐には夢窓のほか臨済宗向嶽寺派の開祖である抜隊得勝や業海本浄など南北朝期の禅僧がいるのですが、このどちらかは忘れましたが、やはり袈裟が残されていたはずです。

禅僧は弟子によりしっかり年譜が作られていたりしますし、「太平記」等記録資料や文書からの断片的な記述で復元するしかない武将たちよりも、はるかに詳しく事績がわかっているのでしょうね。



#8723 
徹夜城(今回の参院選は初の期日前投票をすることになる管理人) 2010/06/24 23:42
南北朝ニュース

「ニュースな史点」でとりあげるほどのネタでもないように思ったので、こちらに…そもそも南北朝時代がらみのニュース自体が珍しいです。あ、といってから思いだしましたが、尊氏に締め切られた東寺の「開かずの門」が開いたという話題がつい最近ありましたね。あと尊氏像の手が盗まれたとか、義貞の銅像が消えたとか(笑)。

 さて、今回のニュースはこれ。

「夢窓疎石の袈裟発見」
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20100624-OYO1T00333.htm?from=main1

 まぁ南北朝に首を突っ込んでないと「夢窓?誰それ?」ってのが歴史好きも含めて大方の反応だと思うのですが、南北朝時代にあっては最大の坊さんといっても過言ではない。とくに時の権力者、北条高時、後醍醐天皇、足利尊氏・直義兄弟など各勢力分け隔てなく絶大な敬愛を受けた禅僧です。当時の有名な禅僧のなかで中国留学経験がないというのも珍しい気がします(でもたぶん中国語はできたでしょうな)。
 この人については「南北朝列伝」にも項目が立ててありますので、詳しくはそちらを。どういう人だったのかは想像するほかありませんが、その死後も延々ともてはやされ続けたのを見てもただものではなかったように思えます。その一方でえらく親しみやすい人だったのかもしれませんね。
 大河ドラマ「太平記」では1シーンだけ登場しており、出家・軟禁中の直義のもとへ直冬の手紙をこっそり持ってくるという形で出てきました。あんまり「高僧」なイメージの人ではなかった気がしますが。
 拙著「室町太平記」でも第一回だけ登場してます(^^)。これは細川頼之自身が夢窓の言葉に接したことがあると回想していることから創作した場面です。

 それにしても夢窓ほどの大物の「袈裟」がそれも天竜寺から「発見」されるというのもちとヘンな話のような…まぁ京都はときどき忘れられていた凄いものがポコッと出てくることがある町ではありますが。伝えられている夢窓の肖像画に描かれたものとそっくり、という話も、肖像画というものを描く上での興味深い実例になる気がします。
 …肖像画といえば、昨年来予告されている「足利直義像」って本、まだ出てませんよね?



#8722 
tomohiro 2010/06/19 18:29
右翼と聞いて十把一絡げに判断するのも問題

現在、私が歴史について考えたくなくなったのは
昨今勃興している右翼主義の魍魎跋扈が原因でした。
それも反対している人間が
「物書きとして右翼主義の魍魎跋扈によって何も書けない。」
と言っている人がいたからです。
それならばその時代の対策も有るのではないかと考えるときも
少しはあります。
右翼主義者を批判する人も、
十把一絡げでNet 右翼も大物右翼も一緒に考える人がいるような氣がします。
右寄りでも「サヨク・左翼はすべからく猛毒だ。」と十把一絡げで左翼を批判している
人間と余り変わらない感じがします。
今の時代は幸福かどうか解りません。
ただ、いい加減な考え、短絡的な考えをする人が右にも左にもいる
其れを感じます。
私は右翼内部にも左翼と同様でsect があると思うのですが、
それに対して何も考えないで
「右翼は有害。」
という考えがあるならば、私は彼らを尊敬しない方がいいかもしれないと思います。
そして、そう言った考えの人間がお互いつぶし合いをしている
私達は真ン中で生きていくのが正しいのかもしれない。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8721 
徹夜城(贋作サミットの構想を練り始める管理人) 2010/06/18 14:44
史点更新。

 つい先ほど「史点」更新しました。
 実は今回は3つのネタは早々に確定したものの、あと一つがなかなか…でして、決定してからもズルズル遅れていたのですが、締め切り間際に面白ネタがいくつかあったので、次回は少し早めに更新したいと思います。

 そうそう、「ザ・コーブ」をニコニコ動画で今日の夕方、視聴者限定ながら配信するそうですよ。



#8720 
tomohiro 2010/06/18 07:26
高文研の資料を読みながら考えたのですが

私が、資料を引用した著者ですが、
結構公平に物を見ている人として敬愛していたのですが、
最近になって右翼・保守勢力に対する
攻撃を執拗に続けるような発言が多くなったことです。
私も右寄りには与したくありませんが
やりすぎだし、実に神経質だと私は感じるようになりました。
一方ばかりをみて、冷静さを欠いている行動が引っかかるようにも成りました。
こういう左よりの人も意外といい加減で、イデオロギー優先の人は沢山いるんだなと思いました


http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8719 
徹夜城(できれば明日あたりに史点を更新したい管理人) 2010/06/17 23:15
ワールドカップにみる歴史的視点

 サッカーのワールドカップですが、楽勝と思っていたところが苦戦したり負けたりする一方、前評判がえらく悪かったのに勝利してしまうところがあるなど、結局いろいろですね。
 スペインの「無敵艦隊」の愛称はいつも思うことですがそもそも歴史的に思い返せば縁起がよくないはず。イングランドがアメリカと引き分けちゃったのは何やら独立戦争の過去を思い出しますし(あのGKの同姓同名さんがえらい迷惑をこうむってる、なんてニュースもありました)。
 日本代表に関しては今回何かと言うと「勝つと思ってなかった」という声があがるのがなんとも面白い。過去のワールドカップじゃ妙に勝てる勝てると盛り上げる風潮があったもんですが、今回はマスコミもふくめてシラけてました。で、勝ったとたんにフィーバーですから、次のオランダ戦で妙に期待を集めた結果どうなるか見ものです。
 先ほど韓国はアルゼンチンにボコボコにされてしまいましたが…思えばアジア代表はやたら極東地域に偏っておりますね、今回は。

>ひでさん
 ナレスワンの映画ですが、ビルマ滞在時に武術を覚えるくだりはあります。ただ特にムエタイという雰囲気ではなかったですが。
 ただビルマの人質から脱出するくだりは、ビルマ王ブレーンノーンが彼を見込んで知ってて逃がす、という感じに描かれました(ナレスワンの姉と交換、ということもありますが)。このブレーンノーンがなかなかカッコいいのですよ。アユタヤ攻略にアユタヤ貴族の内通者を使うんですが(このあたり、ちょっと三国演義の「苦肉の計」っぽくもある)、アユタヤ陥落後に「褒美をやろう」と財宝がぎっしりつまった箱をそいつの手に渡し、喜んでるところをその手を箱に「釘づけ」(文字通り!)にして、「裏切り者はいつかまた裏切る。宝はくれてやるからそのまま持ってあの世に行け」と川に投げ込むという凄いシーンがあります。彼のおかげで攻め落としといてそれはないだろ、と思いもしましたが、この映画中ではまさに一代の英雄。深読みすると隣国への配慮もあるのかもしれません。


>tomohiroさん
 僕もその「ザ・コーブ」の件は四月馬鹿ネタで批判しつつも上映そのものを封殺しようとする動きには警戒感を覚えます。大変だとは思いますが、劇場側、上映側も頑張ってほしいところです。「自粛」ってなってしまうのが一番イヤな事態ですし、またつぶそうとする側もそれを狙って会社側を攻撃するのは常套手段ではあります。ただこのところのこの手の動きはそれまでの「右翼を看板したヤクザ」とはまた違った、ネット発の「ネオ右翼」なところが多いようで、ヤクザみたいなものを想像して恐れないほうがいいようにも感じてます。
 ともかく議論抜きに「根っこから断つ」ような態度はイルカやクジラの話で感情的に動く連中や、「非実在青少年」とかやる連中となんら変わりはありませんし、こういう動きがあると「それみたことか」とあちらの連中に言われるのは避けられないでしょうね。まぁ「民主国家」のアメリカでも進化論がらみの映画はそもそも公開できない状態に追い込まれたりしてるんですが。
 とりあえず報道で大きくはないもののとりあげられてはいますし、一部ジャーナリスト・映画人や日本ペンクラブなどは懸念声明は出してますけどね…



#8718 
tomohiro 2010/06/17 16:31
みなさんはどう考えますか

いるかに関する映画「The cove」が、反日的という理由で、特定の政治団体からの圧力にさらされ、日本のあちこちの映画館で上映中止になっています。上映するとこれらの団体の街宣車が現われて、周囲に迷惑がかかるというのでしょう。

映画の内容を批判することは自由です。しかし、映画館が圧力を恐れて映画の上映をできなくなるというのは、全く別の問題であり、表現の自由の抑圧です。

まず多くの市民に映画を見てもらって、その上で議論をするべきではないでしょうか。それが民主社会というものです。

これでは将来、日本を批判的に扱った映画や本を日本では発表できなくなってしまいます。インターネット検閲をしている中国を批判できません。

ワールドカップ関連のニュースの大見出しに比べて、この上映中止に関する記事の小さいこと。大半の国民にとって、上映中止問題は日常生活に無関係の、些末な問題ということなのでしょう。

しかし物書きのはしくれとして、私はこうした社会風潮に強い危惧を抱きます。

この文章を書いて、また右翼に対する神経質な恐怖症が始まったかと
思っています・・。
そんなに、右翼が日本を支配できると思っているのでしょうか

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8717 
ひで 2010/06/15 23:04
ワールドカップはじまりました。

そんなに見ないだろうと思った物の、つい見てしまいます。
昨日はまさか日本が勝つとは思わなかったですね。このグループが面白くなるかな、これで。それはさておき、イングランド対アメリカ、旧宗主国と植民地の戦いだなあ…。ブラジル対ポルトガル、スペイン対チリなんかもそうですが。

>ナレースワン王
ムエタイの元となる武道で兵士達を鍛えたなんて逸話が残ってますね。また、ビルマにとらわれていたときに、戦って勝ったら自由にしてやるといわれ、実際に肘や蹴りを駆使して勝利し、無事帰国したという話もあったりします。ひょっとして、その映画にもそういう格闘シーンはあったりしたのでしょうか。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#8716 
徹夜城(歴史映像名画座の東南アジアに久々に追加した管理人) 2010/06/14 11:56
タイがドラマ

 最近何かと政治的に騒がしいタイでありますが…昨日になってようやくタイ・アユタヤ朝初代王の伝記映画「キング・ナレスワン」2部作を見終えたので、こっそり歴史映像名画座を更新しておきました。そのほかにも3本ほどちょこちょこと追加してあります。
 この「ナレスワン」のDVDは先日秋葉原の売り場でひょっこり見かけて存在を初めて知りまして…DVD邦題は「THE KING」とえらくひねりのないものになっております。こういう発見もあるからああいう大型DVD売り場って時々覗く必要があるんですよね。
 DVDのパッケージ宣伝文句に「ハリウッドを超えるケタ外れのド迫力アクションの大スペクタクル超大作!」と凄いフレーズがあるのですが、見終えてみるとあながちオーバーではありません。CGも相当使っていると思われますが、これでもかとばかりの人海戦術、鉄砲大砲爆薬炸裂しまくりの大アクション、東南アジアならではの象軍団まで登場し、ハデな合戦シーンを繰り広げてくれます。第2部はちとやりすぎとも思えましたが…

 ドラマ的には「ああ、戦国物語はどこの国も一緒だな」と思わされることしきり。ビルマに勃興した帝国にタイが支配された時期の話でして、主人公ナレスワンは少年時代を人質としてビルマ側ですごすあたりは「徳川家康」風味ですし、そして両親兄弟が敵味方(?)に分かれるなど複雑な事情になるあたりも日本戦国でもおなじみのパターン。そしてこの主人公を人質に取るビルマの王様(調べてみたらまさに一代の英雄、「国盗り物語」な人なんですな)が、最初悪役と思わせて実に魅力的。
 なぜか「山田長政」が登場しておりまして…ナレスワンを助ける日本人義勇軍を率いています(タイで活動している日本人俳優が演じてます)。しかし山田長政が実際にいたとされる時代とは半世紀近いずれがあるはずで、とってつけたような特別出演という気もします。どうせ長政の史実関係も怪しいから多少のずれは構うまい、というハリウッド映画的なノリも感じますね。
 「歴史映像名画座」はどうしても見られるものが限られるため、中国韓国欧米が中心になってしまうのですが、こういう日本ではなかなか見る機会がない国の歴史映画をもっと加えていきたいものであります。前にも書きましたが、youtubeなんかで探すと結構見つかるんですけどねぇ。

 それとこっそり更新したのが、「南北朝列伝」。今回は大河「太平記」前半部分に「言及された、ニアミスした、脚本には出てた」人をリストアップして伝記を掲載しました。とりあえず「北条時行伝」が書きたかった、という理由なので、中先代の乱あたりまでにしておきました。
 前半なので「北条貞時」「新田基氏」など鎌倉時代の人物もかなり含まれます。太平記関係では宇都宮公綱、児島高徳、斯波高経など大物もおります。ほかにも女性も含めていろいろ。
 これから後半戦にとりかかりますが、こちらでは「懐良親王」「山名時氏」あたりが大物ですかね(いずれも劇中セリフで名前は出てたんです)。そして最終回に生まれてもいないくせに祖父によって名前を付けられちゃった「足利義満」がおります(笑)。それが済んだら「室町太平記」キャラを加えてひとまずの南北朝全体カバーを目指しましょうか。

>トンデモ本関係
 え〜、聞くところによりますと、今年の「トンデモ本大賞」は、「ヘンテコ歴史本」でもとりあげている杉山徹宗氏の「平和宇宙戦艦」なるトンデモ軍事本だったそうであります(笑)。昨年、こちらへのアクセスが増えたことでその本の存在を知り、某所で僕が書いたことが間接的かつささやかに影響したらしい?のでありました(笑)。



#8715 
徹夜城(史跡ならぬ歯石を歯医者にとられた史学科出身の管理人) 2010/06/10 23:03
大難航

>十一郎さん
 だいぶレスが遅れてしまいましたが、くだんの記事、ご紹介ありがとうございます。
 あのコラムは前に誰の伝記だったか忘れましたがちらっと見ていて、要するに戦前の修身教科書ですか、というノリでしたね。正成もいつかはやるんだろうなと察しましたが…まぁ、凝り固まっちゃった人はもう救いようがない、という例ですな。
 ツッコミどころが多い文章ではありますが、最大の問題はあの文章だと正成が最初から「足利打倒」のために立ったとしか思えない点。もちろん書き手はそのぐらいはわかっててスペースの少なさからああなっちゃったんでしょうけどねぇ、わざわざ「高氏」と書くことも含めて湊川で散ったことばかりを強調したがった結果ですね。
 せめて鎌倉幕府に対するゲリラ戦の「勝利」を強調すればいいのに、最初から絶体絶命の、それも「太平記」をよく読めば「抗議の戦死」としか思えない戦いをとりあげるところが日本人の「悲壮好き」傾向の悪いところでもあります。読んでいて思い出したのが、水木しげるの「総員玉砕せよ!」で出てくる、「この地形が湊川に似ていると思わんか」と言って玉砕戦をやっちゃう指揮官のことでした。現実にはそんなきれいな散り方なんて出来ないわけで、ただただ無駄に悲惨に人を死なせる結果になります。正成はあれで結構河内まで逃げた兵士たちがいるのが確認されてますから(だから最期の模様は案外正確かもしれないんですが)。
 正成が「七生報国」と言ったわけではないことはあの文章の筆者も知ってはいたようです(発言者は弟の正季であり、実際には「太平記」でも「報国」とは一言も言ってない)。ただ「七たび人間に生まれ変わって〜」ということに関しては、「太平記」ではその後正成が本当に亡霊になって出てきてなんとも珍妙な騒動になる伏線へつながってる、ということを頭に入れなきゃいけないんですよね。
 なお、産経でよく記事書いてる某記者は中学時代から「七生報国」のハチマキしてた、って書いてたことがあって爆笑しちゃいましたよ。たぶん40代ぐらいの方ではないかと思ってるんですが…

>新政権
 この件はいずれ(ちと遅れてますが)「史点」でまとめて思うところなぞ書きますが、まぁなんというか、昨年と同じパターンになりつつあるのを見ていると、支持率を下げるほうも上げるほうも根がいい加減だなぁ、と思うばかりで。
 鳩山政権は僕は案外評価してる部分もありましてね。当人の言い草じゃありませんが、こういうのはその時は表面に見えてなくて、あとでじわじわわかってくるということがありまして。



#8714 
tomohiro 2010/06/10 18:09
私も思うのですが

>小覇王様
 そうですよね。
こういう時代錯誤的な論者が居るから、日本はドイツよりも野蛮な極端に右傾化した国
とか決めつける奴も騒ぐのではないかと思っています。私も右よりは苦手ですが
こういう右より批判論者も極端なことを言うなと思っています。
>ワールドカップ南ア大会
本当にオリンピックより大きいのかなと思っています。
この前のドイツ大会よりもアンチ記事も少ないからみんな大人になったのかな

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8713 
黒駒 2010/06/09 00:50
鳩山批判

首相交代で新内閣発足。次期で政界引退を表明した鳩山さんは、もう過去の人になるのが決定しているようですね。小沢一郎は相変わらず政治と金の問題があり、党内にも影響力があってまだまだ現役であるようですが。

あまり歴史性に触れない政治話はここにはそぐわないでしょうけど、個人的には一連の経緯で解せない点がありますね。内閣の一員であった菅直人が首相、本来なら石田三成であるとか、足利政権における高師直(笑)のように、政権の不満を引き受けて主君を守るべき立場にありながら、と。基地問題で辞任しておきながら、責任の一端を背負わなければならない外相や防衛省が留任ですし。

鳩山さん、個人的には関心も薄く、首相職としての失態や実母からの贈与等、非難されている点は当然かと思いますし、庶民感覚とはかけ離れた「資本家」の人であったと思うのですが、ただ鳩山家が民主党のスポンサーになっていたからこそ、政権交代が実現し、仕分けであるとか自民党次代にはできなかった政策が成されているのではないか、とも思うのですよね。鳩山批判は無理もないと思いつつも、あまりにそれが主流であると、鳩山家のポケットマネーで実現した政権交代の恩恵を受ける身でありながら、それはあんまりではないかと思ってしまいます。

歴史的には、再評価はないでしょうけど、好意的評価くらいは出てきてもいいのではないかと思ってます。



#8712 
小覇王 2010/06/08 23:04
今は何時代なのか確認

>十一郎さん
あの産経の記事は酷かったですね。とても21世紀になって書かれたものとは思えませんでした。現在の皇統は尊氏が擁立し、義満が統一したその北朝なんですがね。
尊氏の「尊」の字が後醍醐天皇から贈られたもの、という事を認めたくないのか一貫して「高氏」と表記してるのも政治的な意図を感じないわけにはいきません。
 とはいえ、このシリーズ、酷いのはこれだけではなくて大抵酷いんですが。とても全国新聞の記事とは思えません。
 
>管新総理
村山さん以来ですか?2世でも世襲でもない首相は。ある種本当の意味での政権交代はここからですかね。それでも参議院選挙の結果によってはまた短命政権になる可能性はありますが。手腕としてはまだ判断は出来ませんが、とりあえず他が酷すぎるので見守りたいですが。
 たまにここが本当に民主主義国家で今が21世紀なのか分からなくなる時があります。


http://d.hatena.ne.jp/susahadeth52623/


#8711 
十一郎 2010/06/08 04:35
天才楠木の元気が出る記事

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/100526/acd1005260739002-n1.htm
この時代錯誤ぶりはすがすがしいとすら思います(笑)。
まず、仮にも大手新聞が、見てきたような遺言を史実であるかのように記述しちゃ駄目でしょ。白虎隊と違って目撃者が生き残っていた逸話ではなく、生前のリアリストな戦術家としての言動にもそぐわない。
そもそも戦死した原因はむしろ天皇の周囲が領土確保と体面にこだわったためであり、今の日本に置きかえるなら産経が望むのとは逆の教訓すら引き出せるでしょう(爆笑)。
どうしても「尊」の字を使いたくないかのような記述、反乱の動機を私利私欲と断言、日本人という主語の迷いなき使用と、短い文章ながら他にもツッコミどころ満載です。

>史点
>だがフタを開けてみれば前評判に反して自民党は思いのほか票を伸ばせず

細川内閣以降の日本共産党を思い起こさせますね。現政権批判票を集めると報道されながら、基本的に横ばいが続くという。
最近も参院選を前にみんなの党が伸びると予想されていましたが、一気にゆりもどしが来ていて唖然とするほどです。結局は政党内の派閥が変わる擬似政権交代が現在でも有効ってことなんでしょうね。自民党時代と根本的には変わらないようです、政界も我々国民も。

>人類創世

見たことがありませんが、紹介からは『ブッシュマン』のようにファンタジーを異文明に置き換えた作品という感じがしますね。自分的には面白そうだと思いますが。



#8710 
徹夜城(次回史点は新首相決定後だなと思う管理人) 2010/06/02 23:30
今年の贋作サミットは

 四月馬鹿と並ぶ「史点」恒例行事の贋作サミット、ついに今年は「毎年顔が違う」どころか「一人間をおいて」ということになっちまいました。
 いずれにしても今の様子だとかなり久々に「元首相の孫や子でない、おまけに二世議員でもない」首相になりそうな雰囲気。


>歴史映像ネタ
 このところまたいろいろと見ておりまして…
 韓国ドラマでは「大王世宗」がようやくほぼ折り返し点の44回あたり。主人公が王になるまでで日本の大河一本ぶんかかってしまいました。そして世宗が王位についた直後、僕としては注目せざるを得ない倭寇問題、対馬遠征が実行されるわけです。
 対馬の領主たちは数回前から登場してましたが、演じてる俳優さんはみんな韓国の方ですね。しかし一生懸命日本語話してるのが見ていて健気にも感じてしまい…ちょっと慣れないと聞き取りにくい程度の「訛り」があるので日本語字幕がついてました。でも聞いてる限りかなり自然な日本語なので、もしかすると日本人が監修についてるのかもしれません。
 ハングル作った大王ということで近頃ではすっかり民族英雄扱いの世宗なので、対馬遠征も彼の「功績」にしたりせんかと不安もあったのですが、とりあえずその直前まで見た限りでは世宗は基本的に平和主義者で戦を避けようとしますが父の上王である太宗が軍事権を握っていて強行する、という筋書きになってるみたい。知ってる限りでは史実でもそうだったみたいですし。この戦後処理で足利義持が出てきたりすると面白いんですけど…
 それにしてもこれまで韓国ドラマの主人公って「完全無欠ヒーロー」タイプが目に付くなと思っていたのですが、世宗はどちらかといえば引っ込み思案で控えめで、コンプレックス抱きまくりという主人公としてはやや面白みに欠ける秀才タイプであるところが目新しくもあります。

 同時進行で観てるのがBSフジで放送中の「善徳女王」で…フジテレビが買ってくる韓国時代劇はエンターテイメント重視で史実そっちのけなのが多く、正直これまで見た「朱蒙」「風の国」はどうもノレず「義務」のように見終えたものですが、「善徳女王」は素直にドラマとして面白いと思ってます。ここまでやっちゃえばなかなかのもの。
 最近ネット上の広告で「中国にもいた善徳女王」みたいな宣伝をされてる北魏ドラマがありますが、今TUTAYAから借りて見ている唐建国ドラマも「『淵蓋蘇文』に登場した李世民が主役!」なんて宣伝されてるのを目にしまして、いや〜〜時代は変わったもんだ、などと(笑)。

 その李世民ドラマと一緒にチビチビ借りてきて見てるのが「太祖王建」。以前から僕自身何らかの形で作品化したいと野望を持っていた「朝鮮史版三国志」の「後三国時代」ドラマで全200話もありまして…よーやく現在29話。「後三国」の体制が固まるところまで来ました。先は長い…
 他にNHK衛星でやってる(こんど地上波でもやるそうで)朝鮮・正祖ドラマ「イ・サン」もすでに日本大河の一本分ぐらいかかってやっと主人公が王位につきそうという段階ですねぇ…NHKが買ってくるやつはやっぱ比較的マジメな作りのが目に付きますな。
 とまぁ、こんな調子なので録画はしている「蒼穹の昴」「新・三銃士」がなかなか見られない状態。ある意味「嬉しい悲鳴」なんですが、昨今の韓国・中国の歴史ドラマ大量輸入状態は「歴史映像名画座」なんてやってる人間にはこたえられません。しかしドラマだと映画と違って時間を食われすぎるのが難ですな。
 あー、そうだ、先日買ってきたタイ・アユタヤ王朝建国者の映画をいい加減見ないと…



#8709 
アジアのバカ大将 2010/06/02 18:37
「冗談新撰組」でした

すみません。先のカキコの訂正をします。
「仁義なき忠臣蔵」が収録されている
みなもと太郎の単行本は「冗談新撰組」でした。
表題作は70年代に少年マガジンに連載していた
「燃えよ剣」か「新撰組血風録」のパロディ漫画です。



#8708 
徹夜城(ただいま南北朝列伝作業中の管理人) 2010/06/01 00:14
オロナイン楠公

 ベタなタイトルですいません。

>景虎さん
 少々レスが遅れましたが、先ほどご紹介の「小楠公」聞いてみました。
 演歌と言うより都々逸とか浪花節とかいろんな言葉が浮かびました…三番構成で、それぞれ中盤にものすごい「うなり」がありますね。「桜井の駅」「父死後の母とのやりとり」「決死の出陣」と見事な泣かせの三段構成。悲劇ということでは父親より日本人好みの泣かせ要素のある人だな、と改めて思いましたね。
 「南北朝列伝」にも書いたことですが、戦前やたらに「銃後の母の鑑」ともてはやされた「父の首を見て自害しようとした正行を諭す母」の場面、直木三十五みたいに「自殺しようとする息子を止めるのは母親として当然の行為じゃないか」とツッコミを入れてた人もいたんですよねぇ。

>アジアのバカ大将さん
 面白い情報をありがとうございます。実は僕も戦前によく歌われた「青葉繁れる桜井の」の河内弁版というのがあったとどこかで読んだことがありまして、「父は兵庫に赴かん 彼方(かなた)の浦にて討ち死にせん」の後半部分が「あの辺の浜で死んだるわい」となっていたのを覚えています。あれは誰の、いつ作られたパロディだったのか…「死んだるわい」と正成が言うと、ますます「天皇や公家どもへのアテツケに死んでやる」というニュアンスが高まって聞こえてくるから不思議。
 河内弁版といえば、今東光の「東光太平記」は正成が全編河内弁でしゃべる小説でした。護良親王が失脚したところで作者が投げ出しちゃいましたけどね。

 赤穂浪士たちがどんな言葉をしゃべっていたかは僕もちと気にしてまして…あの浅野家は半世紀前まで常陸の笠間にいたため彼らのちょっと前の世代はあちらの育ちなんですよ。だから「赤穂弁」をちゃんと(?)話していたかは微妙じゃなかろうか、などと。



#8707 
アジアのバカ大将 2010/05/31 19:40
河内弁の楠公

歴史とは、やや離れた雑談で失礼します。
もしかしたら、既出かも。
戦前と戦後、一世を風靡した漫才コンビ、
エンタツ・アチャコに「お笑い桜井の別れ」
というネタがあったそうです。
楠正成と正行が、河内弁でしゃべるというもので
一部だけ、ラジオで紹介されたのを聞いたか、
誰かが引用していたのを記憶しています。
内容は確か、
「お父ちゃん、わても連れてっていな。
わてが、足利尊氏おガキをいてこましたる」
「こまいくせに、ない言うてけつかるねん。
早ううちに帰って、お母ちゃんに孝行せんかい」
----といった具合。
桜井の駅の別れは、戦前に日本人の常識でしたし
厳粛な場面を、この調子で演じられては
さぞ大爆笑だったでしょう。ただ東京では客が
引いてしまった可能性もあります。
漫才の方が、事実に近いのではありませんか。

そういえば、忠臣蔵で義士たちが赤穂弁をしゃべるのも
聞いたこともないですね。
みなもと太郎の漫画「仁義なき忠臣蔵」(単行本
「冗談忠臣蔵」収録)は、播州赤尾、言葉がきたないところで、
大石内蔵助以下が、赤穂弁でしゃべると、討ち入りが、
まさしく殴り込みになっていました。



#8706 
景虎 2010/05/27 17:35
小楠公

太平記といえば、ニコニコ動画に戦前の小楠公という歌のカバーがありました。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10782148

昭和12年に古賀久子が歌ったそうですが、こんな歌があった事を初めて知りましたよ。
現代的な歌になれた耳には、一周回って新しく感じられますね。



#8705 
徹夜城(10年以上ぶりに伝言板のアドレスを変えた管理人) 2010/05/26 22:29
時代劇はどこも同ネタ使いまわし?

 最近知ったことですが、リドリー=スコット監督・ラッセル=クロウ主演、つまり「グラディエーター」と同じコンビで「ロビン・フッド」を作ったそうで。新解釈のバイオレンス調らしいとは聞いてますが、何度目の映画化だろうと思ってしまうネタであります。つい先日ショーン=コネリーとオードリー=ヘップバーンの「ロビンとマリアン」を見たばかりで、今度の「ロビン・フッド」とリチャード獅子心王と一緒に十字軍から帰ってくるところから始まる点など共通部分が多かったので余計にそう思えてしまって。
 などと言っていたら、今度はオーランド=ブルームがバッキンガム公やって「三銃士」を作るそうですよ。これもまぁよく…そういえば途中までしか見えない三谷人形劇「新・三銃士」、次回で最終回だそうですね。

>黒駒さん
 江戸時代の絵画方面はかなり疎いのですが、江戸時代の「太平記」人気はかなり高かったのは確かなようですよ。今人気の戦国時代についてはその関係者の子孫が殿さまやってるせいで直接は扱いにくく、今日の戦国ものの気分で南北朝に親しんでいた、というところもあるようです。また戦国時代にも「実戦に使える」と一種の兵法書的に読んでいた武将も結構いたようですし、安土桃山から江戸時代まで「太平記読み」という職業が存在して後の講談につながっていったと言われています。忠臣蔵が「太平記」ワールドに仮託されているとか、平賀源内の芝居「神霊矢口渡」のように「太平記」を素材とした芝居類も結構あったようで、それだけ広く親しまれていたことがうかがえます。「太平記」だけにあきたらず「後太平記」「前太平記」「前々太平記」まで作られてますし(笑)。
 そういうこともあって絵画の素材としても結構使われていたんじゃないかなぁ…というのが僕の印象ですが(太平記関連本でそういう錦絵などの絵画資料が挿絵的に使われるため)、具体的な状況はわからないです。明治から戦前はそれこそずいぶんあったでしょうが「南朝忠臣」のものばっかりだったんじゃないかな、と。
 「太平記絵巻」についてですが、なんせ長大なお話ですので、注文に応じてある巻だけを絵巻化して楽しんでもらう、というケースも結構あったみたいですね。



#8704 
黒駒 2010/05/23 23:19
画題としての「太平記」

最近、歌川国芳の関連本を読んでいたら、ふと「四條畷合戦図」が目に入りました。四條畷合戦は「太平記」で描かれる南北朝期の合戦なわけですけど、江戸時代には浮世絵の画題に描かれるほど、「太平記」もメジャーだったのでしょうか。「太平記」関係のみならず国芳の歴史的画題は、今日から見てもけっこうマニアックで一般的知名度がどうだろうっていうものが多いように思えたのですが、当時の浮世絵を消費する庶民層は、現代の我々よりも歴史教養があったのでしょうし、「太平記」であるとか、今日からすればマイナー分野と思えるものでも、位相が異なっているのでしょうね。

さて、国芳の「四條畷合戦図」のみならず、太平記の画題は、どれくらい日本美術の分野で描かれているのでしょうかね。埼玉県立博物館所蔵の「太平記絵巻」あたりは有名ですが、ふと調べてみたくもなりました。合戦図のみならず、武将絵もありそうです、個々の武将がどういうイメージで描かれているのかは、重要そうですね。あと、「太平記」画題はやっぱり皇国史観の関係で、近代以降に多いのではないだろうかと思います。戦後はぱたっと無くなっているのかもしれません。



#8703 
徹夜城(史点執筆がズルズル遅れて時期外れになりかけてる管理人) 2010/05/22 11:56
史点ネタ続報

先日の史点ネタに続報がありました。

http://www.asahi.com/international/update/0521/TKY201005210122.html

おお、返したんだ!さすがは斧を手に「僕がやりました」といった初代大統領の関係団体であります(笑)。以後、これはアメリカにおける図書館の美談として語り継がれることになるのでありましょうか?

>歴史映画話
 まだ書きあげてはいないんですが、今回の史点ネタの関連「取材」として、ジャン=ジャック=アノーの映画「人類創世」のDVDを購入して鑑賞しました。
 知る人ぞ知るの映画なんですが、僕はこれが初見でして。8万年前の現生人類創世期を舞台に、ネアンデルタール人の襲撃を受けて「火」を失ってしまった人間の群れの若者3人が「火」を求めて壮大な冒険に旅立つ…というお話です。
 この映画、全編を創作された「原始語」とジェスチャーのみで展開するという異色きわまる映画でして、DVDパッケージ裏の言語表示にも「原始語」とはっきり明記されていました(笑)。こんなのこの一本だけではないかなぁ。

 ついでに見つけて買ってきたものに、タイ・アユタヤ王朝の建国者の映画なんてものも。youtubeで存在自体は知っていたのですが、日本語字幕版が出ていたとは気がつかず、貴重な東南アジアものの歴史映画作品としてさっそくこれから見てみます。
 さらについでに「グッド・バッド・ウィアード」のDVDも買ってきました。これはすでに「歴史映像名画座」入りさせてます(分類困難な種類に入れました)。昨年見た映画でDVD即買いする気になったのはとりあえずこれだけですね。



#8702 
tomohiro 2010/05/21 22:02
今回の口蹄疫

今回の口蹄疫ですが、
一部右翼が
「民主党は日本を外国に売りたがっている」
と、吹聴しているようです。
何かと昨今の右翼たちは反日な國家や法律にたいして
大騒ぎするけれども、
どうなんだろうな。
自分は地下で恐ろしいことが興りそうだなと思っています。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#8701 
徹夜城(アクセス解析していて思わぬことに気付いた管理人) 2010/05/19 12:23
ちょっと驚いた訃報

先日から、当サイト「ヘンテコ歴史本」の「出雲井神話」のページにアクセスが多くなり、いずれもネット検索でたどりついていることから「何かあったかな?」と思っていたら…ついさっき気がつきました。


日本の神話語り継ぐ 日本画家の出雲井晶さん死去http://sankei.jp.msn.com/obituary/100517/obt1005171208000-n1.htm

まぁどう「神話の語り継ぎ」をしていたかが問題なわけですが。さすがに関係者の産経、平沼議員が「日本人にとって偉大な方」などという追悼コメントもとってました。

この訃報にちょっと驚いた理由は、つい先日、この方さる神話イベントに元気に(?)登場していたからです。
↓このブログでとりあげられてました。
http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20100502

こちらのブログの方もあのページを紹介されてまして、それで気がつきました。いやぁ、相変わらず不気味なことをしてるなぁ、と思ったばかりだったんですね。
出雲井さん、以前も産経で「ID理論」(インテリジェント・デザイン)に好意的なコメントをしてたもんで、それを批判するブログなどでもあのページが紹介されてたことがあります。この人、なぜかスウェーデンボルグもお気に入りだったんだよなぁ。


>十一郎さん
 そのギリシャの犬の話、大変面白く読ませていただきました。
 その後毎日新聞などでもとりあげられてましたが、どうも数年前のものは「別犬」らしくすでに2年前に亡くなっているとか書かれてました。しかし野良犬と紹介されてるけど首輪はちゃんとしてますよねぇ。



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