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#9100 
徹夜城(フランスのアマゾンでルパン新作を注文した管理人) 2012/05/19 23:34
近々実写の義満が見られそうです

 6月にスペシャルドラマで「一休さん」をやるんだそうで。個人的には義満をだれがやるのかに注目しております。こういうネタでもないとめったに映像で出てこないからなぁ。
 歴史映像の話題では、ハリウッド映画「エンペラー」もありますね。トミー=リー=ジョーンズがマッカーサー、片岡孝太郎が昭和天皇だそうで。火野正平が東条英機というのも「おっ」と思わされます。

 さて、油断しているうちに大量に書き込まれてますねぇ。遅ればせながらまとめてレスを。

>T/Oさん
 話題が多岐にわたってますし、すでに答えられてる方もおられるので、僕が思ったところなどを簡単に。
 馬車や騎馬の歴史については川又正智さんという方が書かれた「ウマ駆ける古代アジア」(講談社選書メチエ)という本が参考になりますよ。改めて引っ張り出してみたら、「あぶみ」は意外にも中国の発明とみられるそうです。騎馬じたいはずいぶん前からあるんですけど、そう簡単に発明されるものでもなかったみたい。
 日本では確かに馬車は前近代ではとんと見かけませんねぇ。牛車は速さより雅さ、権威の象徴なんでしょうね。もっとも中国も明清ごろだとえらい人が馬車というイメージがないですし、朝鮮王朝でも時代劇ドラマ見てると「輿」ばっかりですね。
 日本の戦争における「盾」は飛んでくる矢を避けるために歩兵がもつものですね。南北朝時代に楠木正成がその盾をつないで並べてバリケードのようにしたという描写が「太平記」にあります。
 そうそう、「太平記」といえば、僕が先日行ってきた新田義貞挙兵の地の義貞像、5月8日の旗揚げの日に合わせて改めて作った像がお披露目になったそうです。台座だけの写真をとっておいたのは今になってみると貴重かと(笑)。
 アイスマンの鍼灸治療はあくまで仮説です。ただ入れ墨はしているようですし、偶然「つぼ」の効用を知っていた可能性はあるでしょうね。もっともその後のヨーロッパで鍼灸の伝統があった様子はなく、近代になってあったとしても中国のが入り込んできてるんだと思います。18世紀ごろだったか、ハリ治療が貴族で流行ったとかいう話をどっかで見たような…


>バラージさん
 元ネタは黒澤明の「生きる」です。見てないとすると意味するところがわからないかと(^^;)。


>Eugenieさん
 あ、もちろん「アンチ戦国三国志」ということはないんです。ただ「それだけじゃないぜ!」という看板をトップに掲げておりますもので、ときどきそうとられることがあるらしい、ということです。僕も一応三国志も戦国も守備範囲ではありますから。
 「清盛」というテーマの時点で難しかった、となると大河も先が暗くなりますねぇ。結局戦国ばっかかい、ってことになりかねませんし。ただ戦国ものでも「風林火山」は通受けしつつ一般受けが悪かった、という例もあります。
 再来年の大河、確かにそろそろ発表シーズンですね。早くて前々年の5月、遅くて8月ぐらいというのが最近の傾向です。むかしは前年の4月ぐらいにならないと発表しませんでしたけどね。もちろん決定自体は前々年にはしていて、「太平記」の時も公式発表前に週刊誌に漏れてました。

>つねさん
ンクルマ、お読みいただきどうもです。
あ、「現地新聞」といいましてもネット上で読めるものだけですよ。当初ンクルマの自伝だけを頼りに書いてたら当然失脚以後のことは分からず、特に自伝で印象が深いお母さんがどうしたのか気になってネット検索をかけまくったんです。そしたら母親の名前だけでなく奥さんやお子様たちの現在の状況まで芋づる式にひっかかりまして、おかげであれの最後の部分がまとめられたんです。
 次回の材料もただいま集めております。そう遅くならないと思いますので、お楽しみに。



#9099 
つね 2012/05/19 22:14
さて次は・・・

当たると嬉しいものですね。もっとも『「ん」が最後につく人の次は、もう一回同じ文字から始まる人を取り上げる』というのを失念していたので「怪我の功名」的なところはありますが。ンクルマも世界史用語集の索引の一番最後に載っていたのが印象に残っていただけ(笑)なので勉強になりました。それにしても現地新聞記事なんて凄いですね。国会図書館でもなさそうですが。
さて次も内定しているということなのでちょっと予想。「マ」の人はいろいろ思い浮かぶのですが、最近の映画の時代でもありますし、「マルクス・アウレリウス・アントニヌス」なんかを挙げておきます。個人的には「マウリッツ」なんかを期待しているのですが。



#9098 
Eugenie 2012/05/19 17:19
低視聴率の原因

>三国志
昔見たアニメ「横山光輝の三国志」では馬にあぶみを付けて太刀を振り回して戦っていたのですが、実際は違ったのですね。春秋戦国時代までは戦車に馬を引かせていたのですか。

ちなみにこの掲示板のアンチ・戦国&三国志についてですが、私は一応戦国ファンなので、そういうのはやめて頂きたいのですが。

>平清盛

今回の大河はなかなか出来がよくて面白いですが、放送開始からまもなく半年になるというのに視聴率がいまだ20%を超えていなくて深刻状態のようですね。ロンドン五輪開催時には放送休止も検討されているとか。

低視聴率の原因は

・一般的になじみのない時代

・構図や人間関係等が複雑

・映像が見づらい(目の悪い人にはキツイかも)

・視聴方法が多様化している

などが考えられます。

戦国・幕末に飽きている人や最近の現代ドラマ風のライトな大河が嫌な人にはいいのかもしれませんが、一般視聴者には受けなかったのかもしれませんね。

ドラマって基本歴史ファン向けには作られていないと思いますし、いかに視聴者の心をつかむか、ということが大事なのでしょう。

来年の大河はどうなることやら。そろそろ主演以外のキャストも発表されそうな気がしますし、再来年の題材も発表されそうです。

今回の書き込みは愚痴が入ってしまい、済みませんでした。






#9097 
T/O 2012/05/18 20:40
最古の鍼灸治療ですか…

 徹夜城さま、史点を見て、にわかに興奮いたしました。
 私が鍼灸学生ですので。
 鍼灸医術の始まりは、尖った石で体表を刺激したのが
始まりでないかと言われています。
 運動器系の障害は、筋と骨の際の所に硬結(しこり)が
出来やすく、内臓器疾患でも似た事がおきます。
 内臓に繋がる神経線維と、体表に繋がる神経線維が、
同じ脊髄に入るために、内臓病変が体表に影響するからです。
 皮膚面の病変エリアを刺激することで、中枢神経に「内臓を
刺激した」と「誤解」させるのが鍼灸の理論(仮説)です。
 このように考えると、有史以前の原始人が、原始的な針灸治療
を石で行っていたとしても可笑しくはないと思われます。
 鍼灸医術を生んだ中国の人としては、ヨーロッパの新石器時代
に、それらが行われていたという説は面白くないでしょうが。
 もしアイスマンの皮膚に、体表のツボを結ぶライン…
のタトゥなどが彫ってあれば、鍼灸=古代中国の医術…という前
提が崩れるかもしれません。
 ちなみに私は中国伝来の鍼灸が、鎖国時代にカスタマイズした
日本の鍼灸を習っているので、原点が中国でもヨーロッパでも
どっちでも構わないのですが。
 中国の方には大問題でしょうね。



#9096 
T/O 2012/05/18 20:14
飛道具の方が有利ですね

 バラージさま、確かに飛び道具の方が有利ですね。
 接近戦は遠距離で撃ちあうよりリスクが高そうですし。
 刀や剣が武器として使われたのは、人間が増えて、
密集した兵士の「数の圧力」で押す(戦う)ようになった
からだと思いますが、それならリーチの長い槍の方が、
さらに有利ですね。
 弓がメインウェポンと伺い、そういえば、家康だか
秀吉だかが「なんとか一の弓取り」と言われていたのを
思い出しました。 
 人間の体の構造を考えれば、遠くの目標に物体をぶつ
ける飛道具が向いているのかもしれません。

 霊長類は鳥類の梟を除けば、唯一、両眼が顔の正面
中央についている動物であります。
 顔の横についている四足動物より視野は狭いですが、
距離を測る深視力は発達しています。
 これは猿だった時代に、木から木へと飛び移る時に、
距離感を測るために発達した身機能ですが、
 同じ理由で360度まわせる肩關節(上腕骨が肩甲骨
につき、肩甲骨が鎖骨で胸骨に繋がる構造)を持ちます。
(四つ足動物は鎖骨を持ちません。故に上肢の稼働域は小さい)
 大脳の発達で、物を投擲する時、物体を手から放すタイミング
も自動計算ができます。
 遠間にある目標に物を投げるのに適した動物といえます。
 
 戦争を人が始めたのがいつかは解りませんが、歴史の積み重ね
と供に「飛道具」が主役になるのは腑に落ちます。
(ボクシングや空手も、人体の構造機能から考えれば、
 自重を乗せて放つ「射撃」と考えることが出来ます。
 接近戦等においても、槍先で、離れた相手を突く方が、
人の「機能」に似合っていると思われます。
 この点でバラージさまの「弓と馬」論は大いに納得が
いくものでありました。ありがとうございます。



#9095 
バラージ 2012/05/18 16:36
弓と刀

 武士が平安時代に発生した当初、戦の専門職である彼らにとって最も重要な技術は弓矢と馬でした。「弓馬の道」というやつですね。つまり主武器は弓矢で、刀は副次的武器だったのです。まあ、常識的に考えても飛び道具のほうが圧倒的に有利ですし(戦国時代には鉄砲も加わります)、源平合戦時代には弓矢の達人が模範的武士でした。ただ、そういう正当な戦い方は大規模戦争の源平合戦時代には早くも崩れだしたらしく、技術が未熟な武士たちは「組打ち」と呼ばれる格闘戦を行うようになり、それがアジアのバカ大将さんの言われる「相撲(「すまい」とも読む)」につながります。

 南北朝期にはそれにも変化が現れ始めるらしいのですが、接近戦の場合でも主武器はどちらかといえば槍であって刀ではなかったようです。足軽なんかは合戦のときには槍を使っていたような。集団戦では単純にリーチの長いほうが有利ですから。ただ、状況によっては刀のほうが有利な場合、刀を使わざるを得ない場合も発生します。極端な乱戦とか、矢が尽きたとか。
 盾を使わなかったのも、両手で使う弓矢や槍との併用が無理だったからではないでしょうか。ただ、足軽なんかは矢を防ぐために、機動隊が使うようなでっかい盾を使ってたと思います。そういうのはドラマや映画なんかにもよく出てきますよね。

>徹夜城さん
 元ネタはわかりませんねえ。何でしょうか?
 僕も『平清盛』は周辺人物たちにはいいキャラが多いと思いますし、ドラマそのものも面白いです。ただ、難を言えば肝心の主人公清盛がいまひとつキャラがはっきりしないというか、アクの強い周辺人物たちに埋没してしまっているような感じで、そこがちょっと残念な感じ。『新・平家物語』は総集編のDVDを見ましたが、合戦シーンが室内セットなので(舞台的表現を狙ったらしい)ちょっと学芸会っぽく見えてしまいます。



#9094 
T/O 2012/05/17 20:10
なるほど相撲ですか…納得です

 アジアのバカ大将さま、なるほどと感心いた
しました。先入観で「相撲」という古式格闘技
があるのを失念していました。
 たしかに実戦的な武道ですね。
 大学時代の体育実技が「相撲」でしたので
思いの外、実践的で荒っぽい格闘技なのは納得
できます。私の認識不足です。
 それに組技格闘技なのに、張り手という打撃
までありますね。
 大麻の蹴速との一戦は、学生時代に部活して
いた日本拳法の先輩に「古代相撲」として聞いた
記憶があります。
 相手が蹴速というくらいですから、蹴りまで
あったのでないでしょうか。
 まんま総合格闘技ですね。
 おおいに納得いたしました。



#9093 
アジアのバカ大将 2012/05/17 13:29
南北朝の実戦格闘技は相撲

南北朝までの武士の実戦格闘技は、
相撲だったと思います。
鎧を着ている同士では、一刀
の下に切り倒すことは困難です。
一方、投げられたり、押し倒され
たりすれば、立ち上がるのに
難渋し、すきだらけになり、
簡単にとどめを刺されます。
このように、相撲はきわめて
実戦的な格闘技でした。

相撲は、例の野見宿禰と当麻
蹶速の物語が日本書紀にもあり、
平安時代の宮中には相撲寮があっ
たので、下々である武士も、
上にならって練習したはず
です。
金太郎こと坂田公時は、
藤原道長の日記に「近衛兵第一の
相撲使」と書かれているいるそ
うです。熊を投げたくらいです
から、当然でしょう(?)

実戦武術としての相撲が江戸前半
まで続いたことについては、
三田村黛魚も詳しく書いています。
同時、柔術発祥についても興味深い
記述があります。
最古の柔術流派である関口流の開祖、
関口柔心は戦国時代末期に長崎で、
中国人から技をならい、同流を創始
したそうです。
柔心は、その後に紀州徳川家に
武術指南役として仕えます。
彼は徳川家康の義理の甥(
最初の夫人=築山殿の甥)でした。
代々の子孫は、紀州藩お抱え力士
にも柔術の技を伝授し、江戸の
相撲技術の向上にも貢献したそう
です。
江戸以後の相撲は、中国武術の
流れも引き継いでいることに
なります。






#9092 
T/O 2012/05/16 21:32
南北朝にも武道ってあったんですか?

 昔熱中したドラマの「太平記」(本物は知りません)
からすると、悪党とか武者とか、戦争を生業にする侍
みたいのが沢山でてきました。
 最近、みた「中世ヨーロッパの武術」という本で、
あっちの方でも、レスリングは鎧を来た兵士を倒して、
短剣で殺すための「抑え込み」で発達したとありました。
 私の知る武士像は、一種の「首狩り族」でして、
 戦闘での報酬を得るために、首を取っているイメージ
があります。
「空手」みたいな武術が明治まで見られないのも、
鎧を着た兵士から首を取るのに、打撃は意味ないものなあ
…と思います。
 総合格闘技に出場する柔術選手がグランドで戦うのを
観ても、「柔」が「首を取るための手段」として発達した
だろうことが伺えます。
 事実、「寝技」ってレスリングと柔道系列しか無いんですね。
 ロシアのサンボは、ロシア圏の民族レスリングと、日本の柔道
がミックスされた格闘技ですが、関節技は柔道由来です。
  ブラジリアン柔術は日本の古い柔道がシーラカンス化したも
のですし。トルコのオイルレスリングも、韓国のシルムも、モンゴル
相撲も「寝技」を持ちません。
 中国にはカンフー以外の組技格闘技が存在しますが、どれも寝技は
ありません。散打というカンフー系の総合格闘技も、投げはあっても
寝技は存在しません。
 さらに西欧のレスリングはフォールつまり「抑え込み」で勝敗を決め、
基本的に關節技や締め技を持ちません。
 そう考えると、「寝技」が「首を取るための技術」として日本の武士
でのみ発達した技術に思えてきます。
 だとすると、鎌倉時代や南北朝にも、押さえこんで、首を取るための
柔術があったはずですが、柔の起源って本を読んでも江戸時代とかばかり
なんです。
 やはり中世の武士とかって、腕力で刀を振り回すばかりで、
体系的な訓練とかしなかったのでしょうか?
 まさか剣術とかも、戦場で振り回しながら覚えていたのでしょうか?
 沢山の武士がいたのなら、刀でも柔でも、効率的な運用法を考える
技術者がいたと思うのですが。



#9091 
tomohiro 2012/05/16 21:07
もう生きられないのか。

…暗黒夜考〜崩壊しつつある日本を考えるというサイトが正論を
吐いていると一部では人気のようです。
最近はそう言う暗黒論者があまりにも多くて、生きるのがつらいと思うときがあります
一体全体、何が正しいのだろうかなといつも、考えています。
歴史も、誰かに操られている可能性が大きいかなと
今あげたサイトなどを見ていると思います。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#9090 
T/O 2012/05/16 21:06
納得いたしました

 皆さま、御意見をありがとうございました。
 関羽の騎乗で薙刀を振り回す姿は映画や
マンガや小説の中の話だったのか…
 戦車なら納得いきます(格好は良くない
ですけど)。ベンハーみたいな奴ですね。

 しかし、古代中国の技術水準とは、
かなり高かった気がいたします。
 サスペンションも無い時代と思われます
ので、馬車みたいなので全力疾走したら、
車軸にかかる摩擦係数と熱は半端ないもの
だった気がします。
 機械工だったことがあるので解るのですが、
車軸って凄い熱が溜まるものなのです。
 産業用の空調機のファンをまわす車輪軸な
ど基部は円筒で包み、円筒の中に、沢山の鉄球
とグリースを詰めて、熱と摩擦係数を分散さ
せて回します。
 サスが無く、ゴムタイヤも無い時代に、
 人を乗せた車が、原野を転倒せず、走りまわって
いたというのは、かなりな技術だと思いました。

 戦車で思いついたのですが、
 我が国もかなり変わった国な気がいたしました。
 日本って「馬車」が観られませんね。
 牛に引かせたり、人が担ぐ輿を使っていて、
馬車を時代劇でも、教科書の絵でも見た記憶があり
ません。効率から考えると馬の方がずっと運搬力が
あるのに。
 それと盾って戦争で使いませんね。
 両手で長刀を使うよりも、シールドを持って短い
剣を使う方が、攻撃の回転数があがるので、有利な
気がするんですが。
 両手で1本の刀を持ち、防御・攻撃を兼ねるのは、
操作に熟練がないと大変なはずです。
 素人のに兵士を訓練するならば、盾を持たせる方が
安上がりで、短期間に上達させられると思うのですが、
不思議なことです。
 なにか理由があるのでしょうが…
 歴史とは面白いものですね。



#9089 
徹夜城(近頃「なつかしの更新」が多い気がする管理人 2012/05/15 22:49
「しりとり」更新しました。

 なんと前回から十日後の更新。実は開設当初はこのぐらいのペースでやる気でいたんですけどねぇ。今回は前回とセットで準備してたようなものなので、これだけ早くできたということです。もっともホントは前回のアップ後すぐにやる予定でしたが、さすがにそうはいきませんでした…
 すでに気がつかれた方もおられましたが、今回のみちゃんと「ん」から始まる人になっております(笑)。他は有名人ではいそうにないしなぁ。
 なお、次回取り上げる人物も内定しております。更新はそう先でもないと思います。


>Eugenieさん
 その世界史サミット本、僕は未読ですがアマゾンの紹介でだいたいのところはつかめました。
 こういうのは作者が無茶と百も承知で、お遊びとしてやってるわけですから、厳密にはこういうのは「トンデモ本」とは呼ばないことになってます。「トンデモ本」の名付けをした「と学会」の定義では「作者の意図と違った読み方で楽しめるもの」といったところでして、作者が確信を持って頓珍漢なことを書いてるものを指すのが一般的です。
 最近また古本屋でいろいろ仕入れてしまいまして…まぁ、こういう本というのはいつまでも尽きないものです。オリジナリティが何かないと取り上げにくいですね。

>T/Oさん
 物語としての「三国志演義」の世界は当然実際の三国時代よりずっとあとに成立したものですので、関羽が青竜円月刀を赤兎馬の上で振り回す、という図は史実でもなんでもなく、物語上の産物なんですよね。ただ、もうそういうことになっちゃってる、という状態なのでドラマ・映画でもその辺は割り切ってしまってるようです。
 「あぶみ」は確かに4世紀以降の発明のようで、三国時代にはなかったわけです。中国では戦国時代まで馬にひかせる「戦車」による戦闘が基本で、漢代にかけて戦車がすたれ騎馬に移行したとみられています(発掘物や絵画による推測)。ただあぶみはありませんので大刀をふりまわすのではなく矛や槍で突いていたんじゃないか、という話を呼んだことがあります。騎射はないわけではないんでしょうが、騎馬民族連中はともかく中国ではそう多くはなかったみたいです。どっちにしても騎馬は相当な訓練がいったでしょうね。
 日本の戦国ドラマにも言えることですが、騎馬軍団が進むと絵になるもんだから洋の東西何かと馬ぞろえをしたがる歴史映画・ドラマが多いですけど、実態を反映してるというより「見た目」優先なのが大半だという気がします。

>つねさん
というわけで、大当たり(笑)。まぁ大変といえば大変でしたが、書いてて面白かったです。

>バラージさん
「平清盛」、視聴率苦戦で民放の某ドラマのように打ち切りか、なんて勝手なことを芸能に無知な某夕刊タブロイド紙が書いていたりもしましたが(視聴率最低記録「花の乱」が打ち切りだったと本気で書いてたもんな)、ふと、次回あたり唐突に「それから三十年後、この物語の主人公の一族は全滅した」とナレーションが入って話が飛ぶ、というのはどうかと変な妄想が頭に浮かびました(元ネタはお分かりでしょうか)。
 ともあれ、次回からいよいよ「保元の乱」の展開になってきますので、話は盛り上がってくるところではありますよね。ついついかつての「新・平家物語」と比較しちゃうのですが、今回の藤原頼長や信西もなかなかいいキャラだと思いますよ。



#9088 
バラージ 2012/05/14 23:15
雷怖い

 つねさんに先を越されてしまいました。僕は三国志迷と言いながら、実は演義も吉川英治も横山光輝もしっかりと読んだことがなく、部分部分をちょっとだけ知ってるくらいです。しかし正史は読んだことがある(あとは陳舜臣も読みました)という、ひょっとしたら珍しい人間かも。なので「英雄を論ず」は正史のエピソードのほうが印象的です。
 補足すると、正史注の『華陽国志』では、雷にかこつけて劉備がごまかした際の曹操の反応は記されていませんね。ちなみに正史では、曹操の劉備に対する入れ込みぶりはちょっと異常なほどで、自分の車に同乗させたりしていますが、こんな扱いを受けたのは他には晩年の夏侯惇くらいしかいません。

 『陽だまりの樹』は半分が過ぎましたが、全12回という制約でどこかをカットしなければならないと考えると、歴史上の人物たちのほうだろうなーと思います(勝海舟もカットされましたね)。やはりこの物語で大きな比重をもつのは、万二郎・良庵とその両親およびヒロインたち(おせき・お品・お紺・おつね・綾)だと思うし、むしろそっちをカットされちゃ困るというか、お話が成り立たない。ただその中でお紺が丸ごとカットされて、おせきがやたらとクローズアップされるっていうのがなあ。まあ、エンドロールの映像に万二郎・良庵と3人だけ出てくるところから、予想はしてましたが……。あとは予算的に厳しいところ(江戸城内部とか)もちらほら見受けられますよね。仕方のないことなんですが、もし原作に忠実にやるなら話数だけでなく予算的にもやっぱり大河じゃないと苦しい。
 それでもドラマ的には『塚原卜伝』よりはいいんじゃないかなあとは思います。『テンペスト』は地上波で第2話ぐらいまで見ましたが、これもそれほど悪くはなかった。やはり韓流時代劇の影響が強そうですね。ただすごく見たいというほどでもないので、結局そこでリタイアでした。『新選組血風録』はあまり感心がないので最初からパス。

 大河『平清盛』は低視聴率に苦しんで、テコ入れの噂もありますねえ。個人的には面白いのですが、さすがにあの視聴率ではテコ入れも仕方なしといったところか。



#9087 
つね 2012/05/14 03:06
論語

補足
『三国志』の註(華陽国志)では、この部分、「このときちょうど雷がとどろきわたったので、「聖人が、『突然の雷、激しい風に対しては必ず居ずまいを正す(論語、郷党編)』と言ってますが、もっともなことです。それにしても雷鳴のすごさがこれほどまでとは」と言ったとあります。実際に確認すると『迅雷風烈には必ず変ず(雷や暴風の時には、天意を恐れて必ず顔色をお変えになった)』とありますが、当時の教養とは言え、とっさのときによくこんなマイナーなところが出てくるものです。というか、実は孔子も雷が怖かったんじゃないかという気が。



#9086 
つね 2012/05/13 19:48


>三国志「英雄を論ず」
正史ではどうだったかな、と読み返すと、陳寿の本文では曹操に「英雄は、御身と私だけだな」と指摘されて箸を取り落としていて動揺がバレバレなのですが、註で雷が鳴ってますね。論語を持ち出して取り成しているところはさすがです。机の下にもぐっていたのは横山版では? 記憶に頼ってますが。

>しりとり人物観
そういえばネルソン提督もいましたね。ナポレオン時代はゲームの影響で(三国志も)、いささか詳しいですが、ウジェーヌ・ド・ボーアルネは好きな人物の一人です。
ところで「ん」で始まる人が世界史の中にいたことを思い出しました(やはり名前だけですが)。アフリカのあの人だと資料がほとんどなさそうで大変そうですが。

>三国志時代の馬具
「うまなみ三国志」という本にその話題が載っていますが、鐙と硬質の鞍が確認できるのは4世紀かららしいですね(三国時代は3世紀前半)。まあ正解は誰にも分からないのですが(朱然墓とかなんかヒントないんですかね)。



#9085 
T/O 2012/05/13 12:44
歴史ドラマの不思議です?

 徹夜城さま、他の読者の方、ご存知でしたら、
ご意見をいただければ幸いです。
 ずっと不思議だったのですが…
 三国志ネタが出ておりましたので、素朴な疑問
を持ちました。
 関羽とか槍に青龍刀をつけたような武器で、
馬上から振り回しておりますね。他の武将も
馬上で刀や槍を使っています。
 でも、あの時代(3世紀ぐらいですか?)
馬具に「鐙」がないと思うのです。
 鐙…ステップが無いのに、馬上から斬りつ
けたり、叩いたり、突いたりできるものなの
でしょうか?
 「あぶみ=ステップ」が無い時代であれば、
馬身を両足で締めつけることで、体の安定を
保っていたと思います。
 この状況で、馬上から槍で突いたり、薙刀
や刀をふるったりしたとします。
 運動には、作用点(敵の体に刺したり、
斬ったりする武器)と反作用が存在します。
 鐙が無ければ「ふんばり」が利かないで
すから、反作用をモロに受け、転げ落ちて
しまうのでないでしょうか?

 鐙が無い時代の騎兵は、「騎射」で戦っていた
と考えるのが妥当でないでしょうか?

 槍を使ったとしても、「投げ槍」だった気がす
るのです。刀や薙刀にいたっては、ステップに足
を乗せないで、バイクの上からウェスタンラリア
ートをくらわすようなものですから、落馬したと
思われます。
 騎兵は移動にだけ馬を用い、戦闘時には騎射い
がいは下馬して戦ったのでないかと思われます。
 でも、教科書の絵を見ても、馬上から白兵戦の
武具をふるっている絵が載っています。
 歴史家の方々も、その辺を指摘されないのですね。
 不思議でなりません。
 それとも、ロープで体を馬体に縛りつけるとか、
何かしていたのでしょうか?
 どなたかお答えを知る方がいれば、教えていただけ
ませんか?



#9084 
Eugenie 2012/05/12 10:41
とんでも歴史本

つくばの竜巻はかなり被害が大きくて中学生の男子が死亡しましたからね。徹夜城さんの所はそれ程でもなかったようで何より。

しりとり人物館は「ね」で始まる人物というとネルソン提督もいますね。そしたら次は「そ」になるのでしょうか(笑)調べてみたらネブカドザルは古代メソポタミアの国王の名前で1世から4世までいるようですね。

さて、最近『開催!世界史サミット』という同時代を生きた日本史、世界史の偉人達が集まってサミットを開催するというありえない内容のトンデモ歴史本を購入致しました。
このサイトのしりとり人物館で取り上げられているジョルダーノ・ブルーノも登場し、家康、エリザベス1世、アクバル大帝と無敵艦隊について話し合っています。
(しかも当時獄中にある身)



#9083 
徹夜城(先日の竜巻地域にちょっと近い管理人) 2012/05/10 23:39
竜巻と雷と箸に関する一考察

 今日も大気が不安定で、関東では落雷やら突風やらが起こっているようですが、日曜日に起こったつくばの竜巻の話題がこの一週間あちこちで続けられてますね。僕も茨城南部住民なんで、よそで人に会うたびに「そっちは大丈夫?」と言われ、親戚からは電話をかけられ…という状態でした。
 そんなところから、雑談めいた話を。「史点」でやるのもちょっと、というネタなんで。アンチ戦国&三国志のようにも見える(笑)このサイトでは珍しく三国志ネタ。まぁ先日の「史点」で孔融ネタを扱ったように、僕自身はもともと三国迷出身ですし。

 「三国演義」の名場面の一つに、「英雄を論ず」というのがあります。曹操と劉備が酒をくみかわしながら「今の時代の英雄は誰か」と論じ合い、劉備があれこれ名前を挙げるけど曹操が全部否定しちゃう。困った劉備に、曹操が「君と私だけだ」と断言する。「演義」ではここまで劉備っておよそ英雄っぽくないキャラなのに、どう見ても英雄の曹操から名指しされちゃうわけで、初めて読んだとき(小学生だな)ピンとこなかった覚えがあるんですが、これがあとから思えば実に美味しい場面であるのですね。ちゃんと元ネタになった逸話も正史に載ってますし、歴史小説としても大変よくできた場面です。

 さて「演義」を読みますと、この場面、まず竜巻が遠くに見えてるんですね。竜巻は龍が空に昇るものと考えられていて(水上竜巻なんかは確かにそう見える)、そこから「龍は人の世の英雄」と曹操が話をもっていくんです。
 そして英雄と名指しされた劉備はあっと驚いて手にしていた箸を落とす。その瞬間雷が鳴って、劉備はすばやく「私は雷が怖くて箸を落としてしまった」とごまかし、曹操は「なんだ、そんな小心者だったか」とまんまとあざむかれるわけですが、このところの竜巻報道を見ておりますと、竜巻が起こるときって確かに落雷も怒るんですよね。まさに大気が不安定、というやつで、改めてなかなかリアルな天気描写なんだと感心しちゃったりしたのです。作者は正史のネタをもとに竜巻→龍→英雄→雷→箸と見事なコンボを見せているんだ、と。

 さて話を広げまして、小説や映画、漫画やドラマなど、さまざまに展開されてる「三国」ワールドですが、この名場面はほぼ全てでとりあげられつつ、微妙に解釈や演出が異なってるんですね。
 どれだったか忘れましたが、劉備が雷を聞いてから箸を落とす、というのもあったはず。江戸時代の川柳でも「ごろごろというと玄徳箸を投げ」というのがあるそうですし(これはギャグとして言ってるわけですが)。これだと劉備が雷を聞いてからわざと箸を落とすことになり、策士ぶりが強調されます。そのためそういう演出になってるものがいくつかあるようです。
 原典にしたがってちゃんと思わず落とした箸を雷にかこつける、という演出になっているものの、劉備が机の下にもぐりこんで雷を怖がる、というオーバーなものも。あれは東映のアニメ版だったかな。

 中国のテレビドラマ「三国演義」では竜巻が表現できなかったか「龍のように見える細長い雲」ということにされちゃってましたが、あとはだいたい原典どおり。
 最新の中国製三国ドラマである「三国」(日本では「三国志」にされちゃいました)は「演義」にのっとりつつ現代的な新解釈が多い作品なんですが、このドラマの「英雄論」シーンを最近見ましたら、曹操に名指しされても劉備は平然としていて、しばらくして雷が鳴った時にわざと箸を落とす、という演出になっていました。このドラマは劉備がかなり何を考えてるかつかめない策謀家的な描かれ方になっているのが特徴で、その線にのっとってこの場面も「意図的」に描いたようです。そういえばこっちも風が吹いてくるだけで竜巻にはなっていませんでした。


>T/oさん
 レスが遅れてしまいましたが、大変興味深く読ませていただきました。日中戦争のことを「第二次アヘン戦争」と表現した研究者もいましたが、確かにずいぶん流通していたようですね。そういうのに関わって戦後日本政界・官界の重鎮になったような人もいるようですが。
 倭寇が中国に武芸を持ち込んだ件、僕はあとからこの掲示板で詳しい方に教わった体たらくなんですけど、実際に明軍が倭寇の船から柳生の剣術書を押収して資料に残しているなど、いくつか伝わった形跡はあるようです。日本刀自体が切れ味では相当なもんでしたしね。

>つねさん
 お読みいただきありがとうございます。「あみだくじ」の件はふと思いついたものですが、実際になんで「あみだ」なのかは書いたあとで調べて知りました。
 次回もとりかかっておりますが、まぁ今回だけ使える技、ということで、皆様だいたいの予想をしていてください。

>黒駒さん
あのコーナーを作ってる時に知りましたが、「法然上人絵伝」って岩波文庫で二冊にして出てるんですねぇ。製作時期が13世紀初頭ぐらいらしく、鎌倉末期から南北朝時代の風俗を調べるにはもってこいの内容です。



#9082 
黒駒 2012/05/10 21:29
法然上人絵伝

しばらく前に、地元の法然上人絵伝が重要文化財になりました。廃絶寺院から流出したものが地元の博物館に収蔵されたのですよね。法然上人絵伝は、漫画のように画面に法然の生涯の各画面が描かれている仏画で、信者に対して布教するための「絵解き」に用いられていたようです。



#9081 
つね 2012/05/07 00:20
次が楽しみ

しりとり人物歴史館、法然はほとんど知らないので感想が書けないのですが、あみだくじを調べてみたら、阿弥陀如来から来ていることや、英語wikiでも「Amidakuji」で説明されていたりと目から鱗でした。
http://en.wikipedia.org/wiki/Ghost_Leg

さて次は「ん」は無理なので、「ね」だとしたら、ぱっと思いつくのは「ネロ」か「ネー将軍」「ネルー」くらい。「ネブカドネザル」もいますが、名前だけしか知らないですね。「寧々」も入るかな。また「ね」になりますが。



#9080 
T/o 2012/05/05 23:22


 バラージさま、徹夜城さま、御回答ありがとうございます。
 諸葛孔明麻薬王説は妄想が過ぎましたようで。
 しかし、塩徒なるアウトロー集団が、王朝に反逆するほど
の反政府勢力としてずっとあったのは意外でした。
 そういう運搬業に関わるシンジケートがずっと
あったのならば、阿片があれだけ蔓延したのは、
それらが下地になったのかも知れませんね。
 私の祖父は戦時中に、阿片の運送を東北3省の地域で
管理したことがあるのですが。
 通貨価値が滅茶苦茶な状況なので、日本軍も国民党軍も、
紅軍まで「お金の代わり」に使用したそうです。
 たしかに麻薬なんですが、服用すると、ヒスタミンとか
発痛物質を抑えるらしく、「痛みに耐える体力」を、病から
の回復に向ける効果があるようで、現地の人は薬に使用して
いたそうです。
 痛覚を麻痺させて、その間に自然治癒力を傷や病に向けさ
せる…ということですが。

 言われてみれば、金三角の悪名って、蒋介石の軍が雲南に
逃げ込んでからのことですね。

 ミャンマー経由でインドから物産を運ぶ第4のシルクロード
があったという説(史記列伝に書いてあった気がします)があり、
高野秀行という作家さんが、雲南省からインドまで、無断出国、
無断入国で歩いてしまったという記録があります。
(講談社文庫「西南シルクロードは密林に消える」)
 ほとんど反政府ゲリラの解放区を島づたいしていくという、
信じられない旅行記ですが。
 でも、密林を突破したこの方も、「物品が人づたいに中国
まで渡ってきただけ」で、「西南シルクロードは無かった?」
と結論していました。
 古代にインドから中国まで、ビルマ伝いに「麻薬解放区」が
あったというのは妄想だったようです。

 ちなみに中国武術に、タオ(刀)でもチェン(剣)でもない
反身の片刃の長刀を振り回す流派があるのご存知でしょうか?
 日本の薩摩の示現流に似た構えから、袈裟切りを連続する型
を見せてもらったことがあります。
 日本軍の遺産なのかと思いきや、見せてくれた中国の方は、
「倭寇」の武芸を中国人が取り入れたもの…と話していました。
 海や地面が続いていると、いろんなものが伝わるのですね。



#9079 
徹夜城(よくウン年ぶりのコーナー更新をすることがある管理人) 2012/05/05 23:22
なんと「しりとり」が更新。

 えー、午後にアップしたのですでにお気づきの方もいるようですが、「しりとり人物館」が更新されております。
 気が付いたら実に7年ぶりの更新(汗)。その前も5年ぐらいほったらかしたような。そういうことが多いんです、このサイトは。その代わり「ある日突然更新」の可能性があるという油断がならないところもあります(笑)。このサイトを始めた当初(前世紀の話)は「しりとり」をメインにして週刊連載などとほざいていたこともあったなぁ(笑)。
 ただし、今回「しりとり」の記事を書いたのは弟の「K・E・N」の方です(以前「ケインズ」もやってもらってます)。人選も彼が決めたものですし、調査と記事内容に僕は一切タッチしておりませんので(マンガだけ書いたけど)質問イチャモン等は彼の方にお願いします。こっちは次にとりかかっておりますので。



#9078 
徹夜城(韓国中国の歴史ドラマを4つほど同時並行で見てる管理人) 2012/05/03 23:09
世紀のワイドショー

 先日こちらでご照会のありました「世紀のワイドショー!ザ・今夜はヒストリー」、昨日放送の「桜田門外の変」をチェックしてみました。こういうノリの番組は昔からあるんですけど、今風に徹底してやってるので結構面白がって見てしまいました。
 桜田門外の変の現場再現は、水戸に作った映画用の大セットをそのまま流用(残しておいてこんなところで役に立つとは!)。おかげで結構大掛かりな再現ができてました。雪はCGで降らせているのが丸わかりでしたが…
 ちょうどみなもと太郎「風雲児たち」が桜田門外の変直後を連載中なんですよね。それとあいまって面白く見られました。

>appleさん
 あ、これはご指摘どうも。僕も日中のことなんで気づきませんでした。だけど「テンペスト」はやはり特別扱いという感じがありますね。

>バラージさん
 まぁそうお紺ないで(笑)。
 「陽だまりの樹」、まだ4回ですが(そういえば今日4回までまとめて再放送してましたね)、どうやら良庵・万次郎・おせきの青春ドラマでまとめようというハラなんじゃないかと。どーも歴史のダイナミズムを感じるようなところまではいかない感じですねぇ。

>パパゲーノ川崎さん
 「海神」終了だそうで、お疲れ様でした。
 以前書きましたように、主演のチェ=スジョンは「海神」の前に「太祖王建」をやっていて、第一回から張保皐の話が何かと出てくるんですよ。王建の家は貿易商人だったと言われ(中国系の説もある)、ドラマでも張保皐の精神的後継者・子孫と扱われてます。深読みすると「海神」のラストのあの子が実は…なんて(笑)。チェ=スジョンといえば今度は現代劇「プレジデント」の主演で、大統領候補になる政治家を演じてます。
 「千秋太后」はチェ=シラ主演なので「海神」からのつながりにはなってますねぇ。僕の近所のTSUTAYAもそうですが、韓国歴史ドラマはあまりにも多いのでスペースの都合上回転の悪い作品はさっさと片付けられる傾向があります。僕もいくつか見ようとしたら片づけられ泣きを見た覚えが。今は取り寄せシステムもあるし、ネットで借りるサービスもあるから方法はあるんですけどね。
 もっともこちらは民放BSで放送しているものを処理するだけで手いっぱいという感じで…(^^;)



#9077 
パパゲーノ川崎 2012/05/03 18:44
ついに海神、終了です。

ついに、”海神”を観終りました。
1から2週間に1枚のペースでDVD借りて観ていたので1年くらい掛かりました。

あの最終回は賛否両論だったようですが、
歴史的事実を大切にしながら、想像力を膨らませて、
バランスの良い終わり方だったと思います。

それにしても、チャンポゴの子孫はどうなったのか。
まるでスターウォーズみたい、と思ったのは私だけでしょうか。

次は千秋太后を観ようと計画していたのですが、
近所のレンタル店に置かなくなってしまい、困ってます。
イ・サンとトンイのDVDが増えたと思ったら、店から
消えてしまったのです。



#9076 
バラージ 2012/05/02 21:19
♪五石散、よく効ぃ〜けよ

 appleさんのおっしゃる通り『新撰組血風録』は今お昼に地上波で放送されてますね。BS時代劇ではありませんが、BSの連続ドラマ『開拓者たち』もこれまた地上波で放送されてますし、『陽だまりの樹』や『塚原卜伝』もそのうち地上波で放送されるんではないでしょうか。

 そういえば前回忘れてましたが、ドラマ『陽だまりの樹』は、原作の万二郎が反射炉を見学に行って橋本佐内に会うシーンもカットでしたね。橋本はその後卒業した適塾にやってきて良庵にも会いますが、ドラマでは来週には良庵は江戸に帰ってきちゃうようです。原作ではあとは安政の大獄のところでしか登場しないわけですが、あるいは橋本もドラマには出てこないのかもしれません。村田蔵六(大村益次郎)も出ないかもなあ。ましてや大鳥圭介は原作でもチョイ役でしたから、出てこなくても仕方がないんじゃないでしょうか。大鳥を出すくらいならもっと出さなきゃならない人がいますからね。お紺とか、お紺とか、お紺とか(笑)。あ、あと平助も。う〜ん、なんとも残念です。まあ原作読んでない人には関係ないかもしれませんが……。

 五石散については、僕も三国志迷なんで多少知ってます。ただ散歩の話は初耳でした。蜀の謀略説も。五石散を最初に服用したのは何晏という人物で、曹操の甥ではなく、曹操の側室の連れ子で娘婿にもなりました。まあ最初に服用したってのも伝説っぽいですけど。魏晋南北朝時代に大流行した清談の元祖ともいうべき人物なんですが、そう考えると60〜70年代米国のカウンター・カルチャーとドラッグみたいな話ですね。何晏は『蒼天航路』にも出てきてまして、五石散を服用するシーンもちゃんとあったりします。



#9075 
apple 2012/05/01 11:27
新撰組血風録は

「新撰組血風録」は4月より地上波放送していますよ。
http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/shinsengumi/



#9074 
徹夜城(このGW中にしばらく放置中のコーナー更新を企む管理人) 2012/04/30 23:59
こういうのを書評っていうのか?

 今日の夕方に「史点」更新してます。GW中はあちこち更新作業を集中的にやる予定。
 ところで今回の「ヘンテコ歴史本」の関係で教えてもらったのですが、例の「俾弥呼」を絶賛する書評があるのですな。産経サイトにありました。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111008/bks11100807550005-n1.htm
 ええー!と驚くようなことばかり書いてありますが、よく見れば書いてるのは出版元の社長さん。あー、やっぱりこの社長さんが「信者」なんだな、と良くわかりました。この「書評」コーナーは全部出版元の関係者が事実上の宣伝文を書くところなんですね。しかしそれは「書評」とは言いませんよねぇ。


>T/o さん
 79万年前のイスラエルの遺跡の「火打石」の件はその後もよくわかりませんで…どこらへんからそう判断したのか知りたいところですが、発掘者の論文でも読まないとわかんないのかも。

 「五石散」の話は初耳でして、しかもそれが「散歩」の語源になっていたという事実も初めて知り、「へぇ」ボタン状態でした(笑)。ただ調べてみたところ「五石散」はその名の通り五つの鉱物を混ぜて作るもののようで、材料の出所は分かるようです。
 中国における塩の密売商人の話は僕も専門分野にややかぶるのでして…確かに漢代以来国家が専売とし、それに対抗して安値で売る塩密売商人たち(塩徒)がいて、彼らが反政府勢力の中心となることは多いんですね。明代でも長江河口域のあちこちにいまして、ともすれば倭寇と結びつき、ともすれば官軍に雇われて倭寇討伐に参加したりしてます。
 もっとも三国時代の蜀の事情からすると政府側が自分たちの収入源を減らす原因である塩密売商人たちと結びつくというのは難しいんじゃないかと。また「黄金の三角地帯」は近代以降の麻薬産地のようでして、あの時代にはまだ存在もしなかったんじゃないでしょうか。
 孔明が実は麻薬密売の元締めだった、って仮説はあくまでネタとしては面白いかと。僕が何かで読んだのでは「辛い四川料理から逃れるために北伐を繰り返した」というネタがありました(もちろん書き手もギャグで書いてます)。


>Eugenieさん
 民放でひところやたら多く、今もちょこちょこ余波が続いてる感じの歴史バラエティですが、僕はほとんど見てなくって。単に夜のお仕事なんで時間が合わない、ということですけど、以前チラッと見たものは面白おかしい誇張は多いけど面白いのは確かでした。フジテレビで何年前だかに日本通史バラエティをやりましたが、南北朝時代は高田信彦が尊氏を演じてプロレスで再現されるという凄いことをしてましたっけ(笑)。
 「テンペスト」を地上波放送してますが、その前にやってた「新撰組血風録」は地上波放送しなかったような…だから「陽だまりの樹」も分かんないですよ。「テンペスト」は3D映画化もされちゃうなど、NHKが妙に力を入れてたのは確かですが。

>バラージさん
「陽だまりの樹」は緒方洪庵と福沢諭吉も出てきたし、あとはもうどうでもよくなったような(爆)。劇中はっきりさせませんでしたが、手塚良庵が適塾に最初に入った場面で出てくる体を掻いてる男は大鳥圭介なんですよね。あそこは大村益次郎や橋本左内もいましたし、とんでもなく人材を輩出したところです。その中では良庵は「手塚治虫の曽祖父」ということでしか語られないわけですが…



#9073 
バラージ 2012/04/30 13:39
やっぱりお紺は出てこない……

 いやあ、『陽だまりの樹』、突っ走り始めましたね。3話までは順番の入れ替えはありつつもわりと原作のエピソードをきちんと拾ってましたが、4話は一気にダイジェスト。2巻を読み直したら、万二郎が奥医師をぶんなぐる、万次郎が陸軍歩兵隊の演習を見せられる、大坂でお品とお紺の登場、唐人お吉、猟師の平助登場、ざっとこれくらいのエピソードがカットに。次回予告も合わせて見ると、やはり予想通りお紺は登場しないようだし(まあ登場するなら公式サイトに載ってるはずですからねえ)、唐人お吉も平助も出てこないでしょう(これもまあキャラ的にゴールデンで表現するのは難しくはある。お吉はお色気エピソードだし)。陸軍歩兵隊はさすがに今後出てくるとは思いますが……。お品は江戸で初登場させて、大坂には行かずそのままってことでしょうかね。原作では大阪で初登場したときに江戸の話をして、2度目は江戸で登場なんですが、それだと江戸→大坂→江戸となってせわしないんでずっと江戸にいたことにしてしまうのもそれはそれでありかと思います。ただお紺が出ないのがなあ……。あと細かいところでは下田奉行の井上と通訳の森山のキャラが原作と逆になってましたね(まあこれは別にいいけど)。万二郎が地球儀を見せられて「日本はこんなに小さいのか!」というオリジナルエピソードはあまりにもベタすぎるよなあ。
 そういえば『陽だまりの樹』はアニメ版もあったけどあっちはどうなんだろう? あっちはお紺は出てきてますが見てないんで。

 『火の鳥』は僕は「乱世編」が好きなんですが、これがちょうど源平合戦の話なんですよね(源平好きだからってこともあります)。僕の清盛イメージはあのマンガの影響が最も強かったりします。重要人物の明雲はマンガの中はもちろん、史実でも清盛派の人物のはずなのですが、大河ではなぜか対立キャラになってます。

 『あっかんべぇ一休』はテレビドラマ向きの作品ではないと思いますが(描写に観念的で難解なところがありますし、お色気要素も多いですよね)、映画にはできそうですよね。坊さん映画は多いし、臨済宗でバックアップしてくれんもんだろうか?



#9072 
Eugenie 2012/04/29 14:53
歴史関連番組

>マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙

パンフレット売り切れ状態ということはかなり人気のようですね(笑)

そういえばNHK総合で毎週木曜22:00からBS時代劇の「テンペスト」(リアルタイム放送時は未見)の再放送が始まりましたが、王室に使える男装の女性が主人公ということで琉球版「ベルサイユのばら」のような感じだと思いました。
「陽だまりの樹」もその内地上波で再放送されるのでしょうかね?

後、ちょっと古い話になりますが、TBSで放送されている「世紀のワイドショー!ザ・今夜はヒストリー」という番組で「鎌倉幕府滅亡」が取り上げられていました。

http://www.tbs.co.jp/kon-his/onair/oa20110919.html

この番組は歴史ファンには不評のようですが、歴史の重大事件が起きた日にタイムスリップし、ワイドショー形式で伝えるという内容です。



#9071 
T/o 2012/04/29 10:54
徹夜城さまへ

 歴史は門外漢なので、ご意見たまわりたく書き込みいたします。
 私は鍼灸の専門学校に通う者で、東洋医学を学んでいます。
 五石散という漢方薬についてご存知でしょうか?
 三国志の魏の時代、曹操の甥が最初の中毒者となった抗精神薬
の一種で、孫文は、この時期から6朝時代にかけて、400年あ
まりに400万人が中毒にかかったと書いているそうです。
 いわゆる散歩とは、この興奮剤(? コカインとかに似ている
らしいです)の副作用である体熱を冷まし、クールダウンするた
めの療法だったと聞きました。
 中国は漢の時代から塩と鉄が専売制度を取られていたと聞きます。
そのためか、どの時代にも、塩を安く密売して巨利を得る、
塩の密売シンジケート(塩賊?)が活躍(笑)したと授業で習いま
した。(鍼灸は古代中国に始るので、教養科目に古代中国史があり
ます)
 水滸伝の山賊たちも、大河が合流する地点で塩を密売して資金源
にしていたというのが(北方水滸伝の)設定でした。
 動乱期に3国に分裂していた時、蜀の国の財源も「塩」だったと
聞きます。当然に、塩の密売組織と何らかの接点があったと思います。
 次いで、諸葛孔明は南方に何度も出兵して、南の物産を手に入れて
商売したともされています。
 この地域、タイ・ミャンマー・雲南省などの隣接する地区で、
アヘン→ヘロインを大量に生産していた「黄金の三角地帯」に重なり
ます。
 ようするに、南方の様々な薬品から「麻薬」を作り、
 それを魏の宮中を堕落させるために、塩のシンジケートを使って
蜀が(意図的に)密輸していた…というのは妄想が過ぎるでしょうか?
 諸葛孔明が麻薬マフィアのドンだったという説ですが、
 最初の中毒者が曹操の甥だったというのが、どうも気にかかります。
 ご意見いただければ幸いです。では。



#9070 
T/o 2012/04/29 10:32
どうも誤解を受けたようですので

 火打石と鉄の関係について。
 ぶつけて「スパークさせる」と書きました
ので、自動車のプラグや、コンセントにコード
を差し込んだ時に出る「それ」のような、
電気的・物理的エネルギーを連想させてしまった
のかもしれません。
 火打石と鉄のぶつけ合いによる火花とは、
鉄がより硬い石英質の石に当たることで、表面
が削れて飛んだものです。衝撃のエネルギーが
熱エネルギーに変わり、鉄片に就いて飛ぶもの
です。
 つまり石より「柔らかく」かつ熱を伝導しや
すい物質でないとスパークしません。
 上記の条件を満たすには、「メタル」質の
物質しか無いと思われるのです。
 これが石器時代には火打石での着火がムリ
だと考えた理由であります。
 失礼いたしました。



#9069 
徹夜城(次もながらく更新してないコーナーを更新する気の管理人) 2012/04/28 23:16
勢いとヒマのあるうちに

黄金週間に突入しました。僕の仕事もこの時期だけは他人さま同様に休めるのでして。このところ勢いがついてますから、何か大掛かりに更新してやれと準備中です。

そうそう、レンタルで3本ほど歴史物を借りてみたんですけどね。
一本は「バトル・キングダム」という適当につけたような邦題のロシア映画。原題は不明ですが、11世紀ロシア(キエフ・ルーシ)の話で、主人公はウラディミル1世の息子のヤロスラフ賢公。彼の王子時代のヴァリャーグやら熊を崇める部族やらが出てくる愛と戦いの物語(定番ですな)というやつで、そこそこ楽しめました。熊を崇める部族(アイヌにも似てますね)、北欧神話を信じるヴァリャーグたち、そしてキリスト教を広めようとする主人公たちという宗教交流(対立ではなく共存がテーマになってる)が一つの見ものでした。
二つ目はオリバー=ストーンが監督した「アレキサンダー」。ついつい敬遠していたんですが、とうとう見ました。う〜ん、「下り坂」になっちゃう後半が案外悪くないと思ったんですが、脚本と編集でドタバタしちゃったのがアリアリと分かりますね。
三つ目は韓国ドラマ「龍の涙」。ちょっと前のドラマで李氏朝鮮王朝の建国史(太祖〜太宗)がテーマで、なんと150回以上もある。第一回がいきなり威化島回軍、第三回まででもう「簒奪」に向けてのドロドロ模様です。この濃さで150回もやるのか。

>ひでさん
「ミネルヴァ日本評伝選」、僕は南北朝時代のものは楽しみにしてるんですが既刊は「北畠親房」「新田義貞」だけなんですよね。他にいちお「細川ガラシャ」を借りて読んだことがあります。
 ちなみに古田武彦氏は「雄略天皇」も担当することになってますが、「俾弥呼」のあの絶叫ラストを読んでしまうと、このうえさらに書けるのだろうか、という心配も。九州王朝の王ということで書いちゃうのは目に見えてますが。
 田中英道氏が誰を担当したのかな…とリストを見てみたら、「支倉常長」なんですね。もう出版されてるようです。ちょっとチェックしておこうかな。最近になって知りましたが、この方、「写楽=北斎」説をかねてから主張していて、最近写楽=斉藤十郎兵衛説で確定状態になりつつあることに大激怒、「写楽問題は終わっていない」というズバリの本も出してます。ご本人のHPでも同趣旨の文章が載ってますが、なんか「みんな私を無視して反論せず、写楽の展示会でも北斎説に一切触れようとしない、そのことこそが北斎説が正しいという証拠だ!」という(僕流のまとめですが)、なんだか古田氏とよく似た論旨が出てきてひっくり返ってしまいました。

>バラージさん
両者ともお読みいただきどうも。マンガ日本の古典シリーズは僕もいくつか読んでますが竹宮さんの「吾妻鏡」は未読です。個人的には矢口高雄さんの「奥の細道」が漫画的に読みどころが多かった気がしてます。
「あっかんべぇ一休」は僕も面白く読みました。室町テーマの作品自体が少ない中で、非常によく考証された傑作だと思います。あれをドラマなり映画なりにしようという企画は出てこないもんかなぁ。
加治将一さんの竜馬とフリーメーソンの本はだいぶ以前にここで話題に出たような。当時TV番組にもなったんですよね。その後この人の著作は暴走が過ぎるようであまり表だってメディアで取り上げられなくなった気もします。

>T/o さん
はじめまして。まずはご指摘ありがとうございます。僕自身そう火打石の事情は知ってるわけではありませんので、勉強になります。
最新の「史点」の記事のお話なんですが、いちおう今度のニュースネタである100万年前の火利用の痕跡のところでは火打石は出てきていません。これ以前の古い例として79万年前のイスラエルの遺跡の例のなかで、「火打石」があったという話が出てきます。これは僕自身ネット情報の受け売りなので正確なところは答えられないのですが、「火打石と焼けたものが出た」という報道は実際にあったようです(2008年らしい)。ただそれが具体的にどういうものなのかまでは僕も調べてません。鉄とぶつけるタイプではない、何か「火打石のようなもの」なのかもしれませんが…



#9068 
T/o 2012/04/28 21:42
火打石だけでは発火できぬと思います。

 お初に書き込ませていだたきます。
 私の誤解でなければ…ですが。
 過日、100万年前の石器時代の遺跡より
火打石が出土され、その遺跡で火の使用が認め
られたため、自然発火でない火の使用が考えら
れた旨を拝見いたしました。
 しかしながら、通常、火打石では打金つまり
生鉄に近い金属の使用が不可欠です。
 江戸時代まで火打石で発火が行われていまし
たが、それは石と鉄をぶつけることで出る火花
を、ほくちという燃焼剤に飛ばし、引火させる
ものでありました。
 私は過去に狩猟をしていたことがあり、その
際に色々な発火をサバイバル術の実験として行
いましたが、金属(鉄)を使用しないで、火打
石だけでのスパーク・発火は成功したことがあ
りません。
 石器時代に酸化鉄を含む土を、何らかの装飾
に用いていた記述は考古学の本で観た記憶があ
りますが、鉄器の製造にはいたってないと書か
れていたように思います。
 従って、火打石の使用が「人為的発火」と
考えるのはムリがあると思われます。
 火縄銃の次期型の火器であるフリント・ロック
式の銃も、フリント(火打石)と鉄をぶつける
火花を、受け皿の点火薬に飛ばし、薬室内の火薬
に誘爆させるものだったと思います。
 私の私見が間違いならば謝罪いたしますが、
火打石は鉄とセットでないと着火させるのはムリ
であると思います。



#9067 
バラージ 2012/04/27 00:19
「マンガで南北朝」そして「ヘンテコ歴史本」

 南北朝マンガは、石ノ森章太郎の『マンガ日本の歴史』と、さいとう・たかをの『太平記』は読みました。ただどっちもあんまり覚えてない……。『マンガ日本の歴史』は面白く読んだはずなのですが、全体が長すぎたからかあまり記憶に残ってません。『太平記』は絵柄がちょっと個人的に趣味に合わないし、なんかダイジェスト的で不満が残った記憶があります。
 「マンガ日本の古典」シリーズは他に横山光輝の『平家物語』と、竹宮恵子の『吾妻鏡』を読みました。『平家物語』は登場人物の顔がみんな似てて区別がつかず(この辺『三国志』といっしょ)、やはりダイジェスト的でこれまた欲求不満。竹宮氏の『吾妻鏡』が一番面白かったですね。あれはよかった。非常に完成度の高いマンガでした。源氏ファン(?)なら必読です。
 他では、南北朝の後の時代になってしまうのですが、坂口尚の『あっかんベェ一休』が非常に面白かったです。一休の生涯を描きつつ、世阿弥のエピソードがサブストーリーになっていて、義満・義持・義教などの歴代将軍もかなり登場するため、室町時代の歴史を描いている感もあり。これもお勧めです。

 古田武彦の『俾弥呼(ひみか)』はやはりトンデモだったんですね。僕もこの人の本は読んだことはないんですが、本のタイトルとか見ただけでもなんかなあと思ってたんです。僕はこの手のトンデモ本には深く関わる気はあまりなく、時々本屋で見かけたら背表紙だけ見て「バッカでえ!」と思ったりする程度なんですが、かなり昔に「坂本龍馬を暗殺したのはフリーメイソンだった」という本を見かけました。龍馬暗殺や信長殺しの黒幕といった説に荒唐無稽なものが多いことから、「そのうち黒幕はユダヤ人とか火星人とか出てくるんじゃねえの?」などと冗談半分に思ってたら、「フリーメイソン説」が出てきたので笑っちゃっいました。加治将一の『あやつられた龍馬―明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン』という本で、目次だけ見て中身は読んでませんが、龍馬暗殺の黒幕はグラバーで、彼がメイソンのメンバーだったという説みたいです。



#9066 
ひで 2012/04/26 22:47
「てこ歴」読みました。

ミネルヴァの評伝選、一人で何冊も書いていたり(小和田哲男先生が戦国関係で何冊か出しています)、日本史の人が書いているとは限らないモノもあるので(比較文学・西洋古典学者の沓掛良彦先生が書いている本や、西洋美術史の田中英道先生が書いている物があったりしました)、著者によって出来の善し悪しがでるなあというのは、何冊か読んでみて感じていましたが、ここまで凄いのがあるとは思わなかったです。

まあ、これにかぎらず、研究書や一般向け歴史書が「事実」を書いているとは限らないので、一冊だけ読んですますんじゃなくて、他にも数冊読み比べてみた方が良いんですけどね。でも時間が厳しいですね。

http://historia334.web.fc2.com/index.html


#9065 
徹夜城(久々に怒涛の長文を書いた気がする管理人) 2012/04/26 21:48
「てこ歴」、一年半近くでようやく追加更新!

 先ほど「ヘンテコ歴史本」コーナーに追加をしました。市立図書館から借りてる本だったんで、さっさと書かねばならず(笑)、あのコーナーの文章としては恐らく最短で仕上げてます。「栄耀映画」に追加した後から書きだしましたから、正味三日。しかしあれだけ長くなっちゃったのはネタにした本の厚さ(熱さ)のせいでもありますね。
 これまでのに比べると「知る人ぞ知る」の知名度の方の著作でして、もう読んだ、って方もいそうですが。あのコーナーもろくに更新しないで長いですが、一定の反響とアクセスが続いているコーナーでもあり、少しは内容充実させたいんですよね。一昨年でしたか、あのコーナーで最初にとりあげた本の著者がついに「トンデモ本大賞」を受賞してしまった時には感慨深いものがありましたっけ(笑)。


>アジアのバカ大将さん
 こちらの事故でしたのに、わざわざまたお書き込みいただきまして、ありがとうございます。
 映画『忍びの者』はもともと「赤旗」に連載されていた小説が原作で、微妙に白土三平とつながるんですよね。内容的にも似たところがありますし。ああいう「リアル系忍者」(といってもマネはまずできない)のルーツはそこからさらにさかのぼれるんだろうか、と以前から気になってます。

>バラージさん
 ドラマ「陽だまりの樹」、このペースでどうまとめる気なのか、なんだかそっちの方でハラハラして見てます(笑)。3回まで見た限りでは事前の予想より原作使ってるなぁ、という印象なんですが(藤田東湖の震災死はやはりやりました)、12回のうちにまとまるとはちょっと思えません。
 アニメ映画「火の鳥鳳凰編」は公開時に劇場で見てます。タイムスリップものの「時空の旅人」と同時上映でした…あの「鳳凰編」はもともとOVA企画だったのを劇場公開にしちゃったそうで、だからかなり小ぶりにまとめられてしまったのが残念。その流れでOVA化された「ヤマト編」「宇宙編」はもともと小ぶりなのでよくまとまってた印象でしたが。さらにずっとのちのTVアニメシリーズは…もう語りたくないなぁ、という感想でした(汗)。
 市川崑監督の実写映画「黎明編」は伝説的な不出来でいまだに封印状態ですが、話のタネに見てみたいもんだとは思います。



#9064 
tomohiro 2012/04/26 19:01
訂正しますが

訂正ですが、
左よりも、欧米の鯨や海豚で感情的になる人も
日本の右傾化・保守勢力と同じに見えると
言いたかったのです。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#9063 
tomohiro 2012/04/26 06:07
巨大で危険な者

先日獨逸の緑の党の支持者が
「日本は極端に右傾化している」
と述べている人がいました。
あるいは、欧米の環境保護団体の支持者も日本の右傾化・保守勢力
が巨大な敵であることが多いんですよね。
先日「ライラの冒険」が
アメリカの圧力団体に続編を作られることが出来なくなった
と、書き込みをしているのを見て
ふと思ったのです。
何が危険なのか。私は左よりも、欧米の鯨や海豚に感情的に
なる存在も、
日本の
右傾化・保守勢力と同じだと最近思って居ます。
もし、右傾化・保守勢力が危険で有害ならば
どのくらいの力があるのだろうか。
そして、日本を操っているものは何なのだろうかと思います。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#9062 
バラージ 2012/04/25 22:35
手塚マンガの映像作品

 『陽だまりの樹』は、第3話でようやく僕の持ってるハードカバー愛蔵版全7巻の第1巻が終わったくらいですね。このペースだとやはり最後まで行かないような……。やっぱり第1部って形にするのかなあ? そうなると綾は前倒しで登場してくるってことなのだろうか?(演じる大塚千弘さんの公式サイトによると第9話から出てくる模様) そういえば公式サイトの人物紹介でも、綾が意識不明になる原因が微妙に変わってるんですが……でもそこまで描くってことは最後まで行くってことだし……わからん。

 手塚マンガの歴史物の映像化っていうと、昔『火の鳥 鳳凰編』のアニメ映画をテレビで見ました。原作の持つ人間の業のようなものは薄められ、ただただ儚く美しい物語になっていた印象があります。



#9061 
アジアのバカ大将 2012/04/19 18:59
風のフジ丸と隠密剣士

事故で小生のカキコがとんでしまった
そうで、残念です。実は、つれずれな
るままにカキコしたもので、細かくは
記憶してません。
前の方で、「イランで格闘技『忍術』
が人気で、これに対し米国メディア
は『暗殺術訓練中』と報道。イラン
人は怒っている」という文があった
ので、「忍術は欧米で、日本の
伝統的格闘技のひとつという評価
が確立されていて、解説書も各種
出ています。ただし、本当の忍者
マスターは、ほとんど生存してい
ないため、同種書籍の大多数は、
伊賀流の一派である戸隠流宗家
初見良昭氏のものです。初見氏
は、東京オリンピック頃、アニメ
『風のフジ丸』で番組の最後に
3分間くらいの解説コーナーを
もっていました。初見氏は2012
年現在も健在です」という旨を
かきました。

『フジ丸』と同時期に、実写忍者映画
『隠密剣士』もすごい人気でした。
5〜6シリーズ制作されたと思います。
主演の大瀬康一は、日本のテレビ
ヒーロー第一号『月光仮面』を演じた
俳優です。

隠密剣士は従来、忍者=魔法使いだ
ったのを忍者=体技のエキスパート
のスパイとする斬新なものでした。
直前に映画界で、『忍びの者』
(市川雷蔵主演)が、戦国時代を背景
に同じように忍者を描き、評判を
呼んでいます。同作品に刺激されて、
制作されたものでしょう。
悪役忍者の頭領は、いつも天津敏
でした。彼は「赤影」でも同様の
役を演じています。

「隠密剣士」は、海外十数カ国へ
輸出され、特にフィリピンでは
人気があったと、当時の少年雑誌
で読んだ記憶があります。豪州
でもそんなに人気があったとは
初耳です。






#9060 
徹夜城(ここんとこ集中的に更新作業をしている管理人) 2012/04/19 17:43
マンガで南北朝!3年ぶりの更新(^^;)

 ふと思い立って、3年間ほったらかしだった「マンガで南北朝!」コーナーを、先ほど更新しました。
 「日本の歴史」シリーズや「足利尊氏」伝記、「太平記」漫画版のほか、一般漫画から「鬼国幻想」「ナギ戦記」をとりあげています。
それとすでにアップ済みのものでも一部画像差し替えや追加があります。そしてとっくに完結してるのにそのことが書いてなかった「山賊王」「劇画私本太平記」についても追記をしておきました。
 まだいくつか未収録のものがありますが、それは追々…


>Eugenieさん
 映画「プリンセス・シシー」3部作はよく言えば自由奔放、悪く言えばわがままなお姫様が大活躍、ってなノリの映画でして、それがむしろ魅力なんでしょうね。あれはずいぶん半端なところで終わりますが、悲劇的結末は暗示されていました。


 そーそー。映画「マーガレット・サッチャー鉄の女の涙」見てきましたよ。原題直訳の「鉄の女」じゃダメだったかなぁ。公開から結構経つのにアカデミー主演女優賞のせいか割と客の入りがよかったです。パンフレット売り切れだし(汗)。
 まだ生きてるけど恍惚状態になっている人の伝記映画、というのも異例ですが、その恍惚状態を使って彼女が幻覚を見ているようにその生涯を追いかける、という構成も異例です。僕も記憶にひっかかってくる「歴史」なんで、見ていてちょっと不思議な感じもしてくるんですよね。




#9059 
Eugenie 2012/04/18 18:46
またヨーロッパ王室

>フランスはブルボン王家もオルレアン家も革命で倒しちゃったし

ヴェルサイユ宮殿などの王政時代に作られた建造物は重要な歴史的遺産・国の観光財源となっていますし、ファッション・食・絵画などのフランスを代表する文化は王室が大きな影響を与えているんですけどね。現在では国王夫妻の処刑は不要だったという声もあるようです。

>現在のスペイン王室はブルボンでしたっけね。

はい、おっしゃる通りブルボンです。フランスの方はシャルル10世の孫のシャンボール伯アンリ・ダルトワの代で断絶しています。今更王政復活はないかもしれませんが、スペイン・ブルボン家とオルレアン家、ボナパルト家がフランスの王位継承権を持っているとか。

>プリンセス・シシー
どこかの歴史系サイトの掲示板でミュージカル「エリザベート」ファンの方がこの作品の話をしていたような気がします。歴史上の王妃・皇后の中ではダントツの人気があるエリーザベト皇后ですが、実際の彼女はかなりわがままで厄介な女性だったようですね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%99%E3%83%88_(%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E7%9A%87%E5%90%8E)

けど、こういう国を超えた人気者の皇后がいるのは良いことなのでしょうね。



#9058 
十一郎 2012/04/18 07:05
隠密剣士

おひさしぶりです。
以前に紹介した『タイムスクープハンター』のシーズン4も始まりました。今期はあまり戦闘的な話は映像化されませんが、30分番組とはいえ屁負比丘尼を主題とした映像作品なんてこのドキュメンタリードラマだけでしょうね。
いくつか文句や難点も感じましたが、『坂の上の雲』の第三部も日本において映画をふくめた実写戦争描写としてトップクラスの出来栄えでした。
NHKは本当に良い歴史映像を作ってくれます。

>鎖帷子(くさりかたびら)を網タイツのように身につけ、目だけ見せた黒装束に刀を背中に背負って、という忍者イメージ、白土作品でも定番になってますが、そのルーツはなんだろう、と思ってまして。白土作品以前に例があるような気がしてるんです。
>この忍者イメージがいつの間にやら海を渡ってまして、韓国や中国の時代劇でも「刺客」というとだいたいこんなかっこう(網タイツ的鎖帷子こそみないけど)になってて、ついつい苦笑してしまいます。

モノクロTVドラマに『隠密剣士』という作品があるそうで、先日の『世界まる見え!テレビ特捜部』で紹介されていました。
番組の紹介によると、忍者ブームの火付け役になった作品のひとつで、同じスタッフが後に『仮面の忍者赤影』を手がけたりもしたとか。この作品における忍者の刀の持ち方が、後のイメージの原型になった、といった解説も見られました。
ちなみに第1部がアイヌ問題を扱った内容で、けっこう重たい内容だったので人気が出ず、第2部で忍者が登場するようになってから人気に火がついたとか。続編やリメイクもある作品らしいですが、自分は知りませんでした。
ただし、『隠密剣士』は1962年の作品なので、白土三平が忍者漫画を手がけたよりも少し後の作品ですね。

面白いのは、他国のTV番組を紹介する『世界まる見え』に、どのような形で『隠密剣士』が取り上げられたかというところ。実は最近、オーストラリアで『隠密剣士』を懐古する番組が作られていたというのです。
『隠密剣士』は半世紀前に『ザ・サムライ』というタイトルでオーストラリアで放映され、社会問題になるほど大人気。終戦直後ということや子供達の加熱振りから批判も出たものの、まず話し合いを望む主人公の態度や、他の国のTVドラマと比べてしっかりした作りが評価され、擁護されるようになったとか。
実際、番組中でもドラマ映像が断片的に引用されていましたが、たしかにロケの雰囲気や殺陣はしっかりしていました。おそらく邦画黄金期の技術を持ったスタッフがTVドラマに流出した時期の作品なのでしょう。
やがて主演俳優が来豪した時は、空港にビートルズを超える数の人々が集まったとか。残念ながら現在のオーストラリアでは忘れられた作品だそうですが、現在の海外ニンジャ像がTVドラマや映画作品の輸出でつちかわれたことは確かだと思わされました。



#9057 
徹夜城(白土忍者劇画で育った管理人 2012/04/17 23:41
ログが飛んでしまいました…

原因不明なんですが(もしかすると僕と同時に投稿した方がいるのかも?前例がありまして)、つい先ほど、この伝言板のログが全部飛んでしまいました。不幸中の幸いで先週金曜日の保存があったので復活させましたが、残念ながら僕の前に書き込まれていたアジアのバカ大将さんの忍者ばなしの投稿が消えてしまいました…すいません。ご面倒でなかったらまた改めて同じ内容を書きこんでいただいてもいいのですが。それへの僕のレスだけは手元に残っていたので以下にアップしておきます。

>アジアのバカ大将さん
 どうも、最新の「史点」をお読みいただいたようで。
 その戸隠流の家元という方は知らなかったなぁ…しかも「風のフジ丸」で解説までしていたとは驚きで。
 僕自身は大の白土ファンでありますが(世代的にはちょっとブーム期をズレてるはずですが)、「風のフジ丸」はさすがに見たことがありません。原作となった漫画「忍者旋風」の方は読んでいますけど。

 先日ネット上のアンケートで「忍者といえば何を思い浮かべる?」というのがありまして、そのトップ10に「白土三平」がないことに個人的にはショックを受けたものです。今日に続く「忍者」イメージを形作った大物の一人に間違いないんですけどねぇ…。
 白土忍者劇画は忍法に一応の「科学的説明」をつけるのが特徴ですが、現実に考えると「絶対無理」というのが多い。「サスケ」でも「微塵がくれの術」を真似した子供が惨死する展開がありますが、あれも恐らく「気軽に真似しちゃだめ」と子供読者に言い聞かせる意味があったのだと思ってます。
 白土三平のライフワークといえば「カムイ伝」で、それを素材に江戸時代史本があるほどの内容ですが、忍術については結構遊んでる、というか基本的にエンターテイメントなんですよね、やっぱり。だいぶ間をおいて再開された「カムイ伝・第二部」で「九官鳥を使った録音」なんてものが大真面目に出てきたのを読んだ時には「変わらんなぁ」と嬉しくなった覚えもあります(笑)。最近「第二部」を読み返しましたが、結局第三部は書かれないんだろうなぁ…

 鎖帷子(くさりかたびら)を網タイツのように身につけ、目だけ見せた黒装束に刀を背中に背負って、という忍者イメージ、白土作品でも定番になってますが、そのルーツはなんだろう、と思ってまして。白土作品以前に例があるような気がしてるんです。
 この忍者イメージがいつの間にやら海を渡ってまして、韓国や中国の時代劇でも「刺客」というとだいたいこんなかっこう(網タイツ的鎖帷子こそみないけど)になってて、ついつい苦笑してしまいます。今回の忍者の史点記事でもその件に触れようかと思ったのですけど、さすがに脱線が大きいのでやめました。代わりにここに書いておきます。



#9054 
徹夜城(連日サイトのあちこちを更新している管理人) 2012/04/13 12:39
歴史映像名画座更新。

本日は「歴史映像名画座」の更新。洋の東西とりそろえまして6本追加しました。
日本の明治以後のところに「黒部の太陽」も入れちゃったんですが、さすがに量が多くなってきたなぁ…戦後だけ分割しようかとも考えているんですが、それだとまだ戦後編は少ないんですよね。

>パパゲーノ川崎さん
「海神」、あとひといきで鑑賞終了だそうで。お楽しみに…なんですが、終盤やや駆け足なんですよね、あれ。史実に絡んでくるのがあのあたりなんですが韓国歴史ドラマってそうなると急に面白みがなくなる傾向も否めません。
王直や後期倭寇を専門としている僕なので、「海神」はテーマ的にすごくかぶるものがあって楽しめたんですが、かえって「ここをこうすりゃいいのに」と思うところも多いのですよ。日本にも来てるんだからそのシーンがあってもよかったと思いますし。

急に日本語が出てくる海外映画・ドラマというと、倭寇ネタでは当然のように多いですね。北朝鮮の「ホンギルトン」では海賊たちが流暢に日本語しゃべってて「われわれ影の群団は…」とか言ってますし(笑)、韓国の大王世宗でも倭寇たちが妙になまった日本語を披露してます。韓国のかなり昔の映画の「将軍の息子」(実録ヤクザ映画に近い)でも植民地時代の日本ヤクザたちが異様に韓国語なまりの日本語を披露してます(笑)。
中国のだと「忠烈図」。倭寇の捕虜を尋問する際に「オマエ、ニッポンジンダロ!」って一度聞くと忘れられない発音で聞いてます。最近作られた「新・忠烈図」では倭寇の首領たちがいちいち「コンニチワ!」と挨拶してて苦笑させられますよ。首領の一人は「中村一郎」さんだし。

「海神」に話を戻しますと、主演のチェ=スジョンはそのドラマの前に「太祖王建」で高麗建国者・王建を演じてますが、その第一回で自分と同じ海商であるチャン=ボゴに言及してまして、両方見てるとなんだか「転生」みたいです(笑)。ついでながらチェ=スジョンがドラマで主演した王建、大祚栄、張保皐、みんな軍艦の名前になっているという共通点が(民族英雄役を彼が立て続けにやってるってことですけどね)。
 「海神」では悪役のジャミ夫人を演じたチェ=シラは「千秋太后」で王建の孫を演じていて、第一回で王建の亡霊と対面するシーンがあり、これまた微妙につながってます。日本の大河もそうですけど歴史ドラマってこういう「縁」を見つけるのも一つの楽しみです。



#9053 
tomohiro 2012/04/12 21:38
基層文化が政治的な浪漫に勝つことがあるんです

私は、台湾が華人社会という枠組みで動いて
ある分野で中国大陸やhong kongを日本より優先して
行動してしまうのを見ているのですが、
それは仕方がありませんよ。
スイスだって、言語を含めた基層文化を共有する
ドイツやフランスに接近しているじゃないですか。
スイス出身の映画人(演出家・脚本家・俳優)が
ドイツ・フランス映画界で活躍しているのを見ていると
政治的なしがらみよりも、基層文化で近いものに
接近していくことがあるじゃないですか。
だから、臺灣が華人社会優先の行動を取ることを
大目に見ているのです。
因みにジャッキー・チェンの嫁さんは台湾出身らしいです。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#9052 
パパゲーノ川崎 2012/04/12 19:23
海神もうすぐ視聴終りです

こつこつレンタルDVDで観てますが、ようやく23巻まで来ましたよ。
それにしても、ヨンムンはなんで焼き魚の網みたいなの被ってるのか、
かっこわるっ^^;せめてコレが丸ければ焼き魚の網には見えないのに。。。
チャンポゴが日本との交易を開始し、後に突然変な日本語が聞こえてびっくり。
”ワタシタチニフネノツクリカタヲオシエテクダサイ”
”フネノツクリカタヲオシエテアゲマス”
ぶはははっ、
日本のこの頃の造船技術はまだしょぼい物だったのですかねえ。
劇中の新羅の船もそんなに性能が良いようには見えないのですが。
(チャンポゴ開発の三角形の帆を持つ船はどうしたんですかね。
 逆風でも進める画期的な船だったのに、どうして戦で使わない?)

それにしても、宿敵であるはずのヨンムンがっ(ネタバレ禁止)
このあたり、徹夜城さまが、”後半のゴタゴタ”と書かれていること
なのでしょうか。

観てない人には全く分からない書き込みで済みません。^^;
でも海神面白いですよ。

韓国時代劇にしては珍しい海洋ものだし、男性にはアクション満載
女性にはジャミぷいん(夫人)のファッション(踊りまで披露!)が
楽しめます。

”日本に行ってきました”とセリフだけで済ましてしまうのはともかくっ、
機会があれば観て損はないですよ。



#9051 
徹夜城(そろそろ南北朝ネタに力を入れるかと考える管理人) 2012/04/12 11:45
「足利・新田の旅」をアップしました。

 唐突ではありますが、今日付けで「旅で南北朝!」コーナーに「足利新田の旅」を公開しました。実は先月の末にフッとヒマがあったので、急に思い立って日帰り強行軍で足利と新田の地を回ってきたんです。さすがに回れる場所に限りがありましたが…
 大河ドラマ「太平記」にからむ話もちょこっとありますので、ご興味のある方はご覧ください。


>ぽめらにさん
 はじめまして。「マンガで南北朝!」コーナーをご覧いただいたようですね。情報有難うございます。
 …と、いろいろと情報をいただきつつも更新放置のあのコーナー、いい加減更新しないと思っておりましてボツボツ動き出します。とっくに連載の終わったもの、新規に追加しなくちゃいけないものといろいろありまして。

>tomohiroさん
 まぁ革命までやらかして作った「共和国」のアメリカでもイギリス王室ネタが大好きとかケネディ家に妙に人気があるとかありますからね。ロイヤルファミリーってのはそれだけで人気を呼んでしまうものではあるのでしょう。
 ハプスブルグにしてもホーエンツォレルンにしても敗戦の結果の帝制廃止なので、復活なんて声はあまりないにしても一定の人気はあるのだと思われます。オーストリアでも映画「シシー」三部作は恒例でTV放映される人気だと聞きますしね。

>Eugenieさん
 フランスはブルボン王家もオルレアン家も革命で倒しちゃったし、ナポレオンは人気はあるものの作ると大変だし(笑)、ナポレオン三世はネタとして作りにくいし、と事情が複雑そうです。
 「陽だまりの樹」は手塚治虫の曽祖父が主人公なんですよ。適塾に通った蘭方医であったことは史実で、福沢諭吉の自伝にも名前がチラッと出てきます。ただ詳しいことは分からない人なので、漫画ではかなりフィクションを混ぜて(架空のもう一人の主人公も作って)話をふくらませています。なおみなもと太郎「風雲児たち」では適塾の場面で手塚良庵が手塚治虫の似顔絵そのままで登場し、ヒョウタンツギを書いてたりします(笑)。
 ハプスブルグの子孫の話は僕も読んだことがありましたが、スペイン、ベルギーやルクセンブルグの継承権も一応持ってるんですねぇ…現在のスペイン王室はブルボンでしたっけね。まぁいまさら継承戦争を起こしたりはしないでしょうが。

>バラージさん
 「陽だまりの樹」、緒方洪庵は緒形幹太さんが演じるらしいと聞いてます。「おがた」つながりのキャスティングでしょうか(笑)。「花神」だと宇野重吉だったな〜総集編だと1シーンしか出てこないけど。




#9050 
バラージ 2012/04/11 21:40
また陽だまりの樹

>徹夜城さん

 僕も原作を読み返しちゃいましたよ。ヒロインの1人の綾はかなり後半になってから出ると記憶してたんですが、読み返してみたらやはりそうですね。公式サイトのキャストに綾はすでに載っている(というか1月の制作発表の時点でもう発表されてた)ので、確実に最後までやりそうです。そう考えると未だキャスト発表のないお紺は登場せずにばっさりカットされちゃうんじゃないかな〜と危惧しております。原作の重要ヒロインの1人なんですが……。放送時間帯を考えても、良庵がらみの大人のシーンはかなりソフトにせざるを得ないでしょうね(まあ、これはしょうがないんだけど)。なのでそのあたりも大幅カットかなあと。

 韓国ドラマはほんと長いですよね。歴史ドラマじゃないんですが、ペ・ドゥナが主演してる『グロリア』を見てみようかと思ったら、50話ぐらいあるみたいなのであっさり断念しました(笑)。僕は日本の大河ドラマでもリアルタイムで見ないと、長すぎてDVDとかで見る気は起きないんで、その手の長編ドラマはパスです。



#9049 
Eugenie 2012/04/11 18:41
欧州王室物語

>フランスはあんまし自分のとこの歴史上の王室ものを作るのに興味がないような

フランスは余り自国の王室に愛着がないのでしょうかね?探せばあるかもしれませんか?

>陽だまりの樹
気になってはいますが、見る時間がなくて。手塚治虫の祖先に当たる実在の医者の話でしたっけ?

>エリザベート
以前東宝版を見に行きました。オーストリア皇后エリザベート(このミュージカルの影響で日本ではドイツ語表記のエリーザベトよりフランス語系のこちらの表記が定着しているような気が)と黄泉の国の帝王トートの禁断の愛を軸に崩壊直前のハプスブルク家を描いた作品です。

ちなみにハプスブルク家は現在も存続していて最後の皇帝カール1世の子孫がスペイン、ベルギー、ルクセンブルクの君主継承権を保持しているそうです。





#9048 
tomohiro 2012/04/11 17:24
あれっ。共和制なのに

自分たちの歴史上、存在した王家に愛着がある国と言えば
獨逸・オーストリアといった所でしょうね。
日本でも寶塚などで公開された「エリザベート」は
オーストリアの作曲家の作らしいです。
日本公開された企画から推し量っているけれども、
日本で公開されない企画でも、数多くの
王族に取材したテレビドラマや映画がありそうな感じがします。
ザクセンのゲッティン家
バイエルンのヴィッテルスバッハ家
オーストリアのハプスブルグ家が
有名ですが、
おらがテリトリーの王様や王妃様はドイツ・オーストリア国民の
愛される存在なんだなと、思って居ます。
両国とも、現在は共和制を取っているはずなのですが・・・。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#9047 
ぽめらに 2012/04/11 11:40
南北朝

はじめまして
誠文堂新光社
イラスト日本の歴史【全5巻】(服部夕紀著)の3巻目が
南北朝〜桃山時代まで扱ってて
可愛らしい漫画で南北朝のことが紹介されてました



#9046 
徹夜城(チェックする歴史ドラマが多くて大変な管理人) 2012/04/10 22:26
四月からドラマチェックがハード

>バラージさん
 僕も「陽だまりの樹」見ました。見てから改めて原作も読み返しましたが、原作の場面場面を使いつつも前後させたり登場人物を入れ変えたりといじって(千葉周作が死ななかったのはなんでだろ?)原作の序盤を1話にまとめた、って感じですね。次回予告を見ているとこれで12回でまとまるのか?って気もしましたが…どっからか大慌てになりそうな気もします。
 歴史ドラマとして見た場合、適塾の描写(福沢諭吉、大鳥圭介など含む)が注目点なんですけど、第一回の津川雅彦演じる藤田東湖も見どころでした。というか、タイトルの由来は彼の口から出るんですよね。

 それにしてもこの四月からこの「陽だまりの樹」が始まったうえに、BS民放で百済末期を描く「階伯(ケベク)」が始まり、さらに「三国志」(最近作った「三国」ってやつね)全話放送、ちょっと前から「恕の人・孔子伝」もやってますし、すでに全話みたとはいえ「太祖王建」も録画してるもんですから、HDDレコーダーが大変なことに(^^;)。

 とりあえず録画してチェックはだいぶあとから、というパターンが多い僕でして、昨年放送していた「鉄の王キム・スロ」(伽耶建国の首露王の話)もつい先日ようやく見終えました。全32話と韓国歴史ドラマとしては短いほうでしたが、元の資料があまりないせいか盛大にフィクションだらけ、それもかなり行き当たりばったりな展開で、MBS製作のものの中ではいちばんつまんなかった気もします。
 このドラマでは主人公スロは実は北方騎馬民族の首長の子、という設定で、僕は「騎馬民族説かよ」とツッコんでしまいましたが、最終回で国王に即位するところまで描いてから百五十何歳かで死去した、なんてサラッとナレーションで言ってしまい、こちらはそれこそ神武天皇かよ、という話で。王妃が天竺人、という設定は一応元ネタ伝説があるそうですがね。
 さて、これが観終わったからこれから「近肖古王」全60話にとりかからねば(^^;)。

>tomohiroさん
 東京で「下町」というと、寅さん等の影響か、浅草とか東京都東北方向を連想しますが、もともとはかなり大雑把に庶民住宅地を指す言葉なんでしょうね。
 「ブラタモリ」で浅草界隈をまわる回でやってましたが、戦後しばらくまでその地域の住民は自分は「東京」の住人じゃないという意識だったらしいですね。



#9045 
バラージ 2012/04/08 20:49
陽だまりの樹

 第1話を見ました。見る前は心配な部分もあったのですが、上手く要領よくまとめていたと思います。主演2人を始め役者さんたちも好演だったと思います。それでも大河でやっていればなあと思わなくもないところもあるんですが……。清河八郎や小野鉄太郎(山岡鉄舟)が見たこともない役者さんですし。
 あと、ヒロインキャラの1人である「お紺」のキャストがいまだ未発表というのもちょっと気になるところ。

 それから、中国映画『運命の子』(原題「趙氏孤児」)をこの間見ました。残念ながらいまいちでしたね。春秋時代の趙武という人物の史実を基にした「趙氏孤児」という古典作品に現代的な新解釈を加えて映画化したらしいんですが、どうにもお話に無理があり過ぎました。古典作品をそのまま映画化したんじゃ古臭くて見てられないのも事実なんですが、古典作品もそれなりのバランスの上に作られているんで、一部を変えちゃうとそれが崩れちゃうんでしょうね。難しいところです。

 『ブレイブハート』は昔見て面白かったんですが、後で歴史本を読んでみたら史実と映画がずいぶん違っているので驚きました。フランス製のフランス王室映画では、ジャンヌ・ダルクなら『裁かるるジャンヌ』(1928年、サイレント映画)、『ジャンヌ・ダルク裁判』(1962年)などが、三銃士なら『ソフィー・マルソーの三銃士』(1994年)ってのがありますね(いずれも未見です)。三銃士なのに何でソフィー・マルソーが主人公なんだと思ったら、ダルタニャンの娘役で映画の原題も「ダルタニャンの娘」。『三銃士』の数十年後の話でした。



#9044 
tomohiro 2012/04/04 06:03
少し訂正しますが

前の記事を少し訂正しますが、
深川・浅草・上野の周辺は東北にシンパシーを感じると言いたかったのですが
タイプミスになりました。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#9043 
tomohiro 2012/04/03 16:08
改めて問う。下町の定義って何ざんしょ。

ここで朝ドラの話題をするのは、話題違いかもしれませんが、
今度の春クールから始まった朝ドラ「梅ちゃん先生」の
舞台は蒲田らしいです。
この蒲田及び、是を取り囲む自治体である大田区は、
深川・浅草・上野の人間からしてみれば、下町ではない土地だと言われています。
今あげた地域の人間は、下町といった地域を東京都の東部に存在する
千葉県よりの地方を下町にしてしまって、
神奈川県よりの大田区を下町にしたくはないんですよね。
其れを知って、今回の朝ドラの誘致に蒲田・大田区が動いたのではと
個人的に考えています。
少し前ですが、深川・浅草・上野あたりで、東北関連のお祭りが
行われた時、大田区の公民館で大阪の町工場の催し物が並行して
行われていたのを見たことがあるのです。
比較的深川・浅草・上野に対して強いシンパシーがあるのに対して
大田区は、大井川より西の土地に寛容なイメージがあります。
そう言う意味で近畿圏アレルギーな深川・浅草・上野への
Demonstrationだったのかなと今思ってしまいます。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#9042 
徹夜城(恒例行事を済ませて一息つく管理人) 2012/04/01 16:59
「史点」恒例行事をアップしました

今年はギリギリまでネタ探しをしてました…(^^;)

>Eugenieさん
 だいぶレスするのが遅れてしまいましたが、確かにイギリス王室は映画ネタには事欠きませんよねー。日本に入ってくる映画の製作元がだいたいアメリカかイギリスだから、という事情もあるんですが、チャールズ皇太子とカミラさんなんかはもうしばらくしたら映画にされちゃってる気がします。

 カプール監督の「エリザベス」「エリザベス・ゴールデンエイジ」はいい意味で史実を面白くいじって映画にまとめた好例だと思います。その代わり、以前海外でアンケートした「歴史の先生を困らせる歴史映画」のリストにも挙げられちゃってましたが(笑)。日本の歴史映画だと「釈迦」とか「秦・始皇帝」とか「日蓮と蒙古大襲来」クラスでしょうか(笑)。あ、みんな大映だ。
 ハリウッド製だと「ブレイブハート」「仮面の男」がもっと凄まじい史実改変。こちらは日本だと「柳生一族の陰謀」「真田幸村の謀略」といった東映ハチャメチャテイストですね。

 ソフィア=コッポラ監督の「マリー・アントワネット」は、もともと現代的なノリを目指して作ったものでしたからねぇ。劇場で観た感想は「お菓子が美味しそう」というものばかりでしたが(笑)。

 単に輸入してないって可能性もあるんですが、フランスはあんまし自分のとこの歴史上の王室ものを作るのに興味がないような…フランス自国製だと僕も「王妃マルゴ」(聖バーソロニューの虐殺あたりの話)ぐらいしか見てません。三銃士だのジャンヌ・ダルクだのはなぜか欧米でばかり作ってます。



#9041 
Eugenie 2012/03/24 17:11
華麗なる王室物映画

>クイーン、英国王のスピーチ
両方とも見た事がないので是非とも見たいと思っています。(王室物大好きなので)
前者は現役の王族や首相を描いたという点で珍しいですよね。後者も新聞で公開情報を見てからずっと気になっています。

本当、イギリス王室はネタが豊富ですね。

チャールズ皇太子とカミラ夫人、ウィリアム王子とキャサリン妃もその内映画化になりそうですね。

王室物映画で個人的に良かったのは「エリザベス」と続編の「エリザベス・ゴールデンエイジ」です。(俳優・女優陣の演技や衣装が良かったです)
逆に余り良くなかったのはソフィア・コッポラ監督の「マリー・アントワネット」です。(映像は奇麗でしたが)



#9040 
徹夜城(恒例行事ネタで頭を絞っている管理人) 2012/03/24 00:34
そこを右へマーガレット

>バラージさん
 えー…僕は同ネタをずいぶん前の「史点」の贋作サミットでやっちゃっております(^^;)
 「サッチャー」も見たいとは思ってるんですが、伝記映画ではないとはいえイギリスがらみではすでに「クイーン」(ダイアナ妃事故死の時のエリザベス女王)なんかが作られてますからねぇ。そういえばアメリカでもオリバー=ストーンが「ブッシュ」を撮ってます。
 日本では主人公以外で存命者が多かったものとして「小説吉田学校」がありますね。あと登場人物はすべて仮名に変えられましたが「仁義なき戦い」は主人公を含めて登場人物の多くが存命どころか刑務所入り中に製作されてます(笑)。そのためビデオ化が遅れたという逸話が…あの映画で菅原文太が演じた主人公のモデルは一昨年に亡くなっていたそうですね。
 伝記映画、というくくりでは「山下少年物語」なんてのも…「進め力道山」なんてのもありましたし(出自はウソついてましたが)、スポーツマンは存命中に映画・ドラマになりやすいです。

 そうそう、以前「グリコ森永事件」をドキュメントドラマ化して「歴史映像名画座」に入れたもんかどうか僕を悩ませたNHK「未解決事件簿」ですが、第二弾の近日放送が発表されました。「オウム真理教事件」だそうです。
http://www.nhk.or.jp/mikaiketsu/list/list02.html

>黒駒さん
 ちょっと遅れたレスになってしまいますが、「史点」アップ後ということで。
 実は実際に採り上げることはなかったのですが、その「暴走族減少」のニュースは史点ネタ候補にはなってました。僕もそこに「歴史」を感じちゃったんですよ。
 ひとむかし(?)前まで暴走族と不良番長ものは少年漫画誌の定番で載ってるものでしたもんね。今から思うとあれって大人の映画世界のヤクザ映画と同じようなポジションだったと思うのです。



#9039 
バラージ 2012/03/22 01:27
サッチャーはね

 サチコっていうんだ、ほんとはね。……くだらないですね。すいません。

 サッチャーさんに限らず、まだ生きてるうちから伝記映画が作られるってどうなの?という気が僕はしちゃいます。そういえばティナ・ターナーの伝記映画『ティナ』では、ラストにティナ・ターナー本人が出てきちゃうとか。
 英国つながりでは、去年『英国王のスピーチ』を見ました。歴史映画というより伝記映画という感じでしたが、映画の出来云々よりも役者の演技力が目立っちゃうという映画で、面白くはあるものの絶賛されるほどのものとまでは思いませんでした。
 あとは去年見損ねた『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』がDVD化されたようなので、そのうち観たいなあと思っております。

>徹夜城さん
 そういえば米国でもファンタジー小説原作の映画『ライラの冒険』が、キリスト教原理主義者の圧力で続編制作中止になったらしいです。いずこの国も同じってことでしょうか。



#9038 
Eugenie 2012/03/21 18:30
見たいと思っている歴史関連映画

こんばんは☆皆さん、歴史関連映画関連の話題で盛り上がっていますね。

最近は大変忙しくて中々映画を見に行く暇がないのですが、アカデミー賞主演女優賞を獲得した「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」が気になっています。



#9037 
徹夜城(そろそろ恒例行事のアイデアを練り始めた管理人) 2012/03/21 14:35
「黒部の太陽」

>カプランさん
 実は、ついさっき見終えたんです、「黒部の太陽」。
 栄耀映画伝言板でもちょこっと話題が出たんですが、この三船&石原プロで製作した(版権は石原プロ)映画は長らく見ることができない「幻の映画」となっておりました。数年前に裕次郎の何回忌かの記念イベントで上映されたことがあるそうですが、それも今回TV放映されたものと同じ短縮バージョンで、熊井啓監督が著書で残念がっておりました。
 TV放映もソフト化もまったくなかったのは、カプランさんがお書きのように裕次郎の遺志のため。映画は本来映画館でみるもので…と言うのは正論ではあり、この映画製作にまさに命もかけた裕次郎としては思い入れも大きかったのでしょう。ただ近年TVも大型化し、DVDやBDなど再現度の高いメディアが出てきたこともあり、「もういいんじゃないの」という声はあったんですね。「死蔵」されてしまうほうが映画にとっても不幸だろうと。
 先ごろ裕次郎の未亡人に社長が交代したはずで、それで方針転換らしい、とは耳にしました。今回「栄光の5000キロ」「黒部の太陽」の2本がTV放映されたというのはまさに映画史的事件(笑)だったのです。この調子だとそのうち完全版をソフト化するかも…
 編集短縮バージョンだという今回の放映を見ましたが、映画的にはそれほど短縮が気にならない。それでも少しダラけた感じが途中にありましたから、このぐらいがいいんじゃないか、という気もしましたね。
 これじゃただの映画ばなしだけになっちゃいますが、内容自体は史実をベースにしており、高度成長期の日本を象徴する「歴史映画」としての性格もあります。あと、昨年来の「はやぶさ」映画三連発のような「プロジェクトX系映画」(笑)のルーツともいえるでしょうね。そんなわけで、「歴史映像名画座」入りを決めております。



#9036 
カプラン 2012/03/20 23:22
『黒部の太陽』のことなど

 今晩は、カプランです。

 つい先日、NHK-BSプレミアムにて『黒部の太陽 特別編』<映画編集版>がテレビ放映されました。30年近くへての放映とか…。
 まあ、詳しい方は沢山いるかとは存じますが、しかしいまだに裕次郎さんの遺言:映画は映画館で観るもの(主旨):が頑なに守られているんですねえ――。dvd化の企画も持ち上がっていますが、いまだ実現されず…。

 実際、どのあたりまで守る必要性があるのでしょうかねえ等々、色々と考えるところがありますが、一応議論提起として…。(他所では沢山議論が湧いているようですが)

 ではでは



#9035 
tomohiro 2012/03/19 17:16
建設的に日台友好の話題をしたい

先日、義捐金がらみで、台湾のことを言及したのですが、
私は台湾の人がvocaloidを作ったり臺灣アイドルを日本に売り出して欲しい
と思いました。
台湾の人が親日一辺倒じゃないのは確かですが、日本に対する信頼感が
植民地と宗主国という関係ではあると述べる論客もいました。
(その論客は臺灣神聖論者ではないようです)
臺灣の日本の流行文化が好きな人は
有る意味、日本で流行っているものに迎合する指向の人が多いようです。
でも、迎合しただけでは一方通行になっていると思って居ます。
台湾の面白いものや美意識を輸出するのも、日本人が益々臺灣人好きに
なるのではと思って居ます。
それも、最近多いイデオロギー的に臺灣を利用している人間じゃなくて
普通にアイドルが好きな人に臺灣アイドルを向ければ
こういった方面で臺灣が好きになる人が増えるのにと思って居ます。
そう言うことをしないから、有る意味「反日」の韓国、
「傲慢な」アメリカと評価が私の中では同じなのかもしれません

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#9034 
黒駒 2012/03/18 21:42
番長は実在したか?

大河ドラマの話、総じて最近の大河は平易になってしまったという印象が強いですね。私がはじめて通して見たのは「吉宗」でしたが、後半の享保改革の話になるほど難しかった覚えがありますし、大河ドラマは時代言葉の理解や登場人物の把握など、初見ですべて理解するのには難しかった印象がありました。自分の歴史的リテラシーがついたこともあるんでしょうけど、概して最近の作品は平易になってしまいましたね。

ところで史点候補になっているかわかりませんが、興味を引いたニュースに「暴走族の激減」がありました。不況でバイクの改造費が出せないことが原因のひとつにあげられましたが、70年代の番長、80年代の暴走族と、日本のヤンキー文化にも歴史ありですね(笑)。



#9033 
ひで 2012/03/18 14:17
なじみがないのはしかたない。

B.D.も、雑誌が衰退する流れの中で、従来とは判型やページ数がかわり、モノクロで小さい判型、それでページ数が多いというものもでているとか。そのあたりの新しい系統のB.D.を紹介するべく、一時期、国書刊行会からB.D.コレクションというのがでましたが、あまりぱっとしなかったのか、続巻がつづいていないですからねえ…。

まあ、国書のやつはかなり文学的なヤツをセレクトした結果、モノクロで分厚く、内容的にも結構難しい作品になっており、ぱらぱらとみた時に、コマ割り等々なんか違和感を感じるというか、すんなりと読めなかったです。

追記:サイト移転のため、URLはこうなっています。

http://historia334.web.fc2.com/index.html


#9032 
徹夜城(ようやく体調が万全になった管理人) 2012/03/17 19:12
B・D(バンデシネ)といえば

>tomohiroさん
 「ヨーコ・ツノ」は名前だけはずいぶん前から知ってるんですが、日本ではいまだにほとんど紹介されてませんね。ベルギーでは大変有名で通りの名前にまでなってるそうですが。
 まぁ僕自身もBDはろくに読んだことがなく、フランスで出たアルセーヌ・ルパンもののBDをいくつか(直輸入含む)読んだことがあるだけで…昨年「三十棺桶島」のBDが出たそうなので買おうかな、と思っているところ。そろそろルブラン未発表のルパン最終作も出版される(昨年でルブランの著作権が切れまして)ようですし…
 BDといえば、フランスのメビウスがつい先日亡くなったんですが、日本国内ではほとんどニュースになりませんでしたねぇ…そんなものかぁ、とも思いまして。大変な影響を残した人なんだがなぁ。

>バラージさん
 以前「史点」ネタにしてますが、アメリカでもダーウィンや進化論がらみのヨーロッパ映画が圧力で公開中止になったりしてます。あの国でもそういう人たちがどれだけ多数派なのか分かりませんが、声がデカい部分があるのは確かなようです。



#9031 
tomohiro 2012/03/17 18:03
日本の巨大な極右勢力

>バラージさん
ジョン・ラーベは、かつてマイミクだった人のスペースで
日本は極端に右傾化したから公開できないと述べていた人がいました。
たしかに、ネット上では右よりの論調が声が大きいデスよね。
それにしてもなんでも、日本右翼と聞くとみんな禍々しく、巨大で
災厄を巻き起こす怪物のように言う人が日本の反対派に多いと思うのですが、
何処まで力があるのか知りたいところです。
私は以前極右勢力が魍魎跋扈していて生きづらい日本にいると、真剣に考え
不眠症になったことがあります
余談ですが、私はベルギーのb.d.(バンドデシネ)
yoko_tsunoが日本で翻訳されないことの方が問題ですが。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#9030 
バラージ 2012/03/17 14:39
南京大虐殺の映画

 中国映画の巨匠チャン・イーモウ監督。僕はデビュー作『紅いコーリャン』を見て衝撃を受けて以来、彼のファンになったのですが、最新作の『金陵十三釵』は日本公開されないかもしれません。というのもこれは南京大虐殺を舞台とした映画だから。同じく南京大虐殺を描いた中国映画『南京!南京!』やドイツ映画『John Rabe(ジョン・ラーベ)』も日本未公開のままですし、巨匠チャン・イーモウの人気をもってしてもなのか……。
 『チルドレン・オブ・ホアンシー 遥かなる希望の道』は南京大虐殺のシーンは出てくるもののそれが主題の映画ではないのに劇場公開はされず、DVD発売された後に映画祭で限定上映。90年代の『南京1937』は劇場公開された際に右翼の抗議や妨害で上映打ち切り。『ラストエンペラー』でも配給元がベルトルッチ監督に無断で南京大虐殺のシーンをカット(監督の抗議で後に復活)。日本ではまともに公開するのはもう無理なんでしょうかねえ。
 この際、『金陵十三釵』『南京!南京!』『John Rabe』の3作は、劇場公開が無理ならDVDでいいから発売・レンタルしてもらえんもんか。見ることが出来なきゃ論評のしようもありません。

>tomohiroさん
 台湾は日本の植民地になった経緯がありますから、親日一辺倒というわけにはいかないのが当然だと思いますよ。中国や韓国に比べるとはるかに親日度は強いみたいですけどね。トルコは台湾と違って地理的に遠いため日本との利害関係が少ないので、反日的になる要素が少ないということもあるんじゃないでしょうか。
 トルコが親日的なのは20世紀初頭にロシアの圧迫を受けていたころ、日本が日露戦争でロシアを破ったことに勇気づけられたからだと聞いたことがあります。インドのネルーも同じだったのですが、その後すぐに日本が朝鮮を植民地化したため、帝国主義国家にアジアの国が1国加わっただけのことだった、と失望したというのは結構有名な話です。



#9029 
徹夜城(ようやく風邪がひいていった管理人) 2012/03/16 11:16
大河ドラマばなしの続き

そういえば、先日先送りにしていた、「大河ドラマをどれだけ見ていたか」の21世紀編を忘れていました。一挙書いてみます。

「北条時宗」…第一回から「本役」が登場するまで。あとは元寇の回のみ。
「利家とまつ」…第一回と本能寺だけ。
「武蔵」…第一回と巌流島、最終回だけ。
「新選組!」…第一回のあとしばらくサボり、中盤からは皆勤。これはあとから前半を見なかったことを反省しました。
「義経」…第一回と終盤だけだったかな。
「功名が辻」…第一回と本能寺くらいだったかな。
「風林火山」…序盤と終盤のところどころ。
「篤姫」…第一回と最終回ぐらい。
「天地人」…第一回と最終回。
「龍馬伝」…第一回とところどころと最終回。
「江」…第一回と最終回。
「平清盛」…今のところ皆勤。

 ざっとこんなもんです。「見てないんだなぁ」とお思いの方も多いでしょうが、よその国の歴史物をチェックするのが大変で日本まで手が回らない、ということでもあります。

 先日は風邪をひいて何もする気も起きないので、買ったっきり放置していた昔の映画「スパルタ総攻撃」なんてのを見てました。最近でもコミックを原作にした「300」ってのがありましたが、あれと同じ元ネタ。ペルシャ戦争のテルモピレーの戦いを描いてます。
 欧米人もけっこう玉砕戦美化が好き、というのがこの映画と「アラモ」でわかりますね(笑)。ギリシャロケを敢行しているそうで、映画の最後に「ギリシャ国王・王妃両陛下に感謝」なんてテロップが出ます。まだ王制時代だったんですねぇ。



#9028 
tomohiro 2012/03/16 11:01
台湾とトルコ

かの地震から一年が経ちました。
私がやはり印象的なのは、台湾が大量の義捐金を送ってくれたことです。
私はありがたいと思う一方で、米軍を差し向けたアメリカと同じくらいの
ありがたさしかないのです。
理由としては「親日」という顔を持つ一報で
ある分野においては
「日本に厳しく、その他の華人社会に甘い。」
という顔を持っているからです。
「是は日本人向け、是は華人社会向け」
と線引きできないものを無理に線引きするような態度を
ネットで知り合った臺灣人からよく耳にしました。
昔から「一方を聞いて、一方を沙汰するな。」
といいますが、反日国も親日国も両方当てはまると思って居ます。
トルコも親日国ですが、私はそちらに甘い態度をどちらかと取ってしまうのは
親日として態度が一貫している部分があるからかもしれません。
皆さんは、台湾に対してどう考えているのでしょうか。
一部の人が熱を入れているほど、興味のない人も日本には多いかもしれません。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#9027 
徹夜城(今頃になってついに風邪をひいた管理人) 2012/03/15 23:45
古本のはなし

 今年はインフルエンザどころか風邪もひかずに受験期を乗り越えたな〜と思っていたのですが、県立校の発表直後に軽く風邪をひきました。仕事に穴開けないのは我ながらさすがと思いましたが(不思議と休みのときに風邪をひく)、ちょっと悔しいような。

 実は他所でも書いた話題なんですが、歴史ばなしなのでいささか遅れてこちらにも。
 先日、都内に出かけまして、古本屋で岡村道雄「縄文の生活誌」の初版本が800円で売られていました。実はその一カ月ほど前にもその店の棚にあるのを見かけていて「買うか買うまいか」と迷った末に放置したんですね。そしたらまだそのまんまあったので、「天の声だ。買おう!」と買っちまいました。
 発行は2000年10月24日。ご存じの方も多いでしょうが、その発行直後に毎日新聞が「旧石器捏造」をスクープします。おかげでこの本、間もなく回収になってしまい改訂版が出されることになりました。なぜなら捏造旧石器を本物と信じたうえでの記述があっただけでなく(ここまでなら不可抗力ともいえます)、「石器発見の名人」こと藤村新一氏を称賛する文章があったためです。

 僕が買ったものには事件発覚後に講談社があわてて書店に配布してはさませた「読者の皆さまへ」と題する紙片がはさまっていました。そこに著者の岡村氏のおわび文も載ってます。ただこの時点では藤村氏は現場をおさえられた二遺跡のみの捏造しか認めておらず、「まだ他はだいじょうぶ」とすがるような思いでいたのが読みとれます。即回収にならなかったのは本文で大きくとりあげているのがその二遺跡ではなかったからでしょう。

 事件発覚直後にこの本を僕は書店で立ち読みしていて、あとから「買っておけばよかった」と後悔したものでして(笑)。事件発覚後のこととはいえ、「彼には視覚障害があるから常人には見えない地層の違いが見えるのかも」という文章に、文献史学の人間が抱く「考古学は科学的」という先入観がガラガラと崩れた覚えがあります。
 で、今回久々に再会して本文をあたってみると、また改めて興味深い文章が味わえました。以下、引用。

 
 先ほどから黙々と土を掘っていた石器発見の名人、藤村新一氏が突然、「ここだけ土が円く軟らかい。小さな穴があるんじゃないか」といいはじめた。彼が慎重に竹串を刺して土の下を探っていくと、てごたえがあった。少しずつ掘り進むと、石器が顔をのぞかせた。(12頁)

 私たちが発掘調査区を設定して掘り進め、地質学者の所見も踏まえて地層の古さの見通しが立ち、ようやく目当ての石器が出土しそうな層位に達しても、なかなか石器は発見されない。疲労がたまった頃、待ちに待った休日を迎えた彼が、やおら現れて黙々と掘り始める。すると発掘現場に緊張感が走り、やがて発見の勝ち鬨が上がってあたりが途端に活気づく。(24頁)


 著者を始め「だまされていた」方々にはちょいと酷かもしれませんが、今から読むと笑えてしまう部分。「縄文の生活誌」は現在講談社学術文庫入りしていて、事件についての検証・反省の一章が追加されているのですが、正直なところ藤村氏だけがやたらと高確率で石器を発見してしまうという現象自体に疑問を抱かなかったのか、と思ってしまいます。まぁ疑問を抱いていた人がいなかったわけではないそうですが…
 笑ってしまったといえば、本書の最初の章の冒頭の見出しが、

「石器はなぜ埋められたのか」

 だったこと(笑)。もちろん「原人」がなぜ石器を埋めたんだろう、という意味なのですが、その石器ももちろん例の人が埋めていたわけで、何やら無意識のうちに予見を書いてしまったようにも見えます。


>サヤ・オリノさん
 「太平記」では貴人たちが「扇子の骨の隙間からのぞく」という細かいジェスチャーを見せています(第三回で高氏が後醍醐に初対面する場面)。見た当時は気付かなかったのですが、あとで網野善彦氏の本でそのジェスチャーについて「異界と境目を作ってその間から覗く」といった説明があり、「ああ、そうか!」と思い当たったものです。細かいところまで考えて作ってるんだなぁ、と。

>バラージさん
 その韓国映画、予告編で興味はわいたんですけどね、明らかにフィクションだよなぁ、とは思ってました。とりあげてる戦場の幅広さについてはえらく欲張りな映画だな、とも。
 「運命の人」は山崎豊子作品の中でもとりわけ事件と人物のモデルが特定できてしまうものなので、「フィクション」と言いつつ作りが実録めいてますね。だから当事者(意外にカッコよく描かれたナベツネふくむ)から文句が出たりもしてますが。まー実録ヤクザ映画「仁義なき戦い」みたいな位置づけかな、と(笑)。
 ソ連版「戦争と平和」は二度DVDになってます。僕はその最初のバージョンを購入してまして、それはスタンダードサイズ画面、レターボックス表示のものなんですね(当時はまだ横長サイズのTVが少なかったからかと)。その後ちゃんと横長TVに合わせて特典映像も入れたバージョンが出ていたはずです。
 なお、僕にしては珍しく「戦争と平和」は原作を読んでから映画を観ました。それも8時間弱を一挙上映というスタイルで(笑)。原作を先に読んでるとどこで休めばいいかわかるので助かりました(笑)。

>阿祥さん
 「草莽英雄」、詳しいお話をありがとうございます。つまるところ、徐海と王翠翹の悲恋物語なんですね。ということは、ベトナムの有名古典と同じ、ということになってしまいますが。
 僕自身も面白いと思ってるのですが、この徐海と王翠翹の話は事件直後から説話化されていて、よほど同時代人の興味をひいたようですね。確かに僕も資料を読んでいて徐海という男には強く惹かれるものがありました。といっても自己破滅型のキャラなので評価するというのとは違うのですが…(どうも僕は細川清氏とか、この手のタイプに惹かれる賞分のようです)。
 映像化もされてるということは、結構人気はあるんでしょうねぇ。今度探してみます。


 そうそう、中国の歴史ドラマと言えばBS日テレで「恕の人・孔子伝」が始まってます。二回まで録画しましたがまだ見てません。予告編を見たら、顔回役が「いしだ壱成」なんですね、これ。なんでまた、と思わなくもないですが、映像を見る限りは普通に孔子の弟子たちの中に溶け込んでました。



#9026 
阿祥 2012/03/11 14:21
「草莽英雄」

以前に紹介した「草莽英雄」ですが、積読10年、ようやく最近読了しました。
物語は、当初予想していた展開とは大幅に違っていました。描写の多くは、徐海と王翠翹、胡宗憲と趙文華の関係するシーンで、倭寇側にたった描写はほとんどありませんでした。一部辛五郎とやり取りするシーンがありましたが、これは倭寇のアジトに入って交渉するというものでした。全体として、倭寇退治にテーマを絞った官軍側の話でもなく、もちろん倭寇側にたった物語でもありません。いったいこれは何を語ろうとした小説なのだろうと、最後までわかりませんでした。
最終的には、王翠翹が身を捨てて趙文華の妾になり、徐海はそれを知らずに王直を探しに日本に行くという場面で結末を迎えます。それで、やっと分かりました、このお話は徐海と王翠翹の悲恋を描いたものだったのです。小説の中では、趙文華に王翠翹が見初められ、それを断ると仲間に難が及ぶのを考えて、王翠翹が自己を犠牲にして、妾になることを決断していました。どうもここが、この小説のポイントのようです。

しかし、倭寇の実態はどうかとか、倭寇の運命はどうなったのか、と言う観点からはほとんど何も新しい知見はなかったです。官軍側での描写は、胡宗憲と趙文華を中心に、北京中央との関係なども描かれており、そちらのほうは重厚な感じでした。もっとも中国人にとっては手元にある資料が、公開されている中国語のものなのでそちらからのアプローチになるのは仕方ありません。
逆に言うと、徹夜城さんのように倭寇側に視点を定めるという事は、中国人はしそうにありません。それだけ、日本人あるいは倭寇側の視点で描くこの時代の物語と言うのは、オリジナリティがあるという事だと思います。

“草莽英雄”を検索すると、映像データも出てきます。少し前の時代にこの小説はドラマ化されたようです。なかに和尚さん姿の人物が出てきているのを見ましたが、これがきっと徐海でしょう。(http://www.youku.com/playlist_show/id_2494569.html)



#9025 
バラージ 2012/03/10 23:58
マイウェイ 12,000キロの真実

 先日、韓国映画『マイウェイ 12,000キロの真実』を見てきました。
 あまり予備知識のないままに見に行ったら、冒頭に日本語で「実話を基にした映画」と出てきたのでそういう映画だと思って見ていたところ、冒頭からどうも実話とは思えないエピソードの連発。かなり序盤で、どうやらこれはフィクションの娯楽映画(エンターテイメント映画)だとわかってしまいました。よくよく考えたら『シュリ』『ブラザーフッド』のカン・ジェギュ監督ですからね。
 実話として見たら勘違い日本描写が多いし、主人公2人がイケメンすぎるし(笑)、ストーリーにもかなり無理があってしかもベタ、だと思うのですが、娯楽映画としてみればそれほど気になりません。『ラスト・サムライ』みたいなもんですね。ノモンハン・独ソ戦・ノルマンディーの戦闘シーンは『ブラザーフッド』をさらにスケールアップしたようなド迫力です。ノモンハン事件の映像化は『戦争と人間』以来でしょうか。

 そういえば『運命の人』は見てないですねえ。御当人が出てきたのがつい最近なのにちょっとなあ……と。どこまでほんとのことかわかんないし。モデル小説(映画)って事実との違いを指摘されたら、あくまでフィクションとする「逃げ」の姿勢があるようで、どうも好きになれません。最近のことならドキュメントやニュースで本物を見たほうがいいよなあと思っちゃいます。

 ソ連版『戦争と平和』も見ませんでした。DVDになってないんだよなあとも思いましたが、原作を読んでないんですよね。昔からいつか読みたいとは思ってるんですが……。そして原作を読んでから映画は見たい(ハリウッド版も未見)のでパスしました。



#9024 
サヤ・オリノ 2012/03/10 15:55
「平清盛」を観て

つい先程「平清盛」の再放送を観て「『王家』どころの話じゃなーいっ!」と叫んでいるサヤ・オリノです。今回は別のことを書き込むつもりでしたが、予定を変更して「平清盛」の感想を箇条書きに書き込ませていただきます。では。

まず、一つめ。親王だったころの後白河天皇がお忍びで市場に遊びに出かけられ側近の人たちが後白河天皇を連れ戻す場面で、側近の方々が後白河天皇に着物のようなもの(なんていうのでしょう、あれ)を被せ後白河天皇の顔の前に扇子か扇のようなものをかざしていました。あれを観てつくづく、昔の天皇家の方々は「貴人」「雲上人」だったのだなあ、と思いました。なんか、後白河天皇の姿を市場の人々から隠すためというより、汚い下賤な「下々の者ども」が発する「汚れ」から「貴人(あてびと)」を守るため、というのがありありと判るんですよね。まあ、あれが「あの時代」の常識だということは如何に「歴史無知」の私でも知っておりますが、先日天皇陛下が退院なさったときのニュース映像と比べてみると「う〜〜〜ん」と思ってしまいます。「何がどう『う〜ん』なんだよ」とツッコまれそうですが、そうですね、「時代は変わる」「永遠のものなど、どこにもない」というのが一番近いでしょうか。何しろ、そのニュース映像の中では、ガラス戸ごしとはいえ、「普通の人々」が別に最敬礼とかせずに「普通に」天皇陛下をお見送りしてましたからね。で、誰もそれを咎めないの、「現代」では当たり前ですけど。でも、後白河天皇や平清盛の時代にこれをやったら、それこそその場で殺されても文句言えないような重犯罪だったのでしょうね。それを思うと「ずっとこのままであって欲しいなあ」としみじみ思います。
何だか、感傷的な気分になりましたので、二つめ以降は又、今度。失礼します。



#9023 
徹夜城(なんと一ヶ月もここに書き込まなかった管理人) 2012/03/05 13:49
全部見た大河というと…

どうも、管理人自ら長らくお留守になってしまいました。受験シーズンということもあって精神的余裕がなかったか、なんとなく書き込むタイミングを逸しておりました…と言いつつその間にハドソン追悼(2月いっぱいで消滅)に合わせるためPCエンジンコーナーの更新を急きょやったりしておりましたが。

>全部見た大河
 なんかこの話で盛り上がっているようですので、僕も思いだしつつ書いてみます。
 歴史映像マニアを自称はしておりますが、実は日本の歴史ドラマはそう積極的にチェックしてるわけでもないんです。NHKの大河は一応チェックはしますが、たいていは第一回と最終回とか、見せ場のチェックのみでして。「今年ちゃんと付き合うかどうか」は初回から3回ぐらい見た時点の気分で決まりますかね。
 で、思いだしつつ全大河&準大河水曜時代劇の個人的視聴状況を挙げてみますと。

「徳川家康」…全話。
「宮本武蔵」…全話。
「真田太平記」…最終回だけ用事で見逃した(かなり後日再放送で見ましたが)。
「武蔵坊弁慶」…3話ほどサボったような。
「独眼竜政宗」…全話。
「武田信玄」…半分以下。
「春日局」…第一回と最終回。
「翔ぶが如く」…ほぼ全話。
「太平記」…当然全話(笑)。当時全部録画保存しましたからね。
「信長」…第一回と最終回。
「琉球の風」…半分程度。
「炎立つ」…第一部はほぼ全部。第二部はのちにDVD鑑賞。第三部はちょこっと。
「花の乱」…第一回のみだったような…
「八代将軍吉宗」…久々に全話。
「秀吉」…ほんの数話。
「毛利元就」…終盤しかちゃんと見てない。
「徳川慶喜」…初回と最終回。
「元禄繚乱」…松の廊下までは全部見てた。あとは討ち入りだけ。
「葵徳川三代」…結構まめに見てて、中盤の数話のみ見てません。

長くなるので、21世紀作品については後日。
こういう調子で全話見ることはめったにない僕ですが、近頃多い韓国・中国の大河歴史ドラマはBSでの放送の録画、レンタルDVDという形で見るせいもあって全話見ていることが多いです。韓国歴史ドラマは回数がやたらに多いのが多く、かなり大変なんですが…「太祖王建」の200話制覇は自慢ですが、いまBS朝日で180話バージョンを放送してますね。どこカットしたのか気になるんで一応チェックしてます。


>平清盛
昨日の回で出てきましたねぇ、イケメン後白河(笑)。
法皇になってからの「大天狗」イメージが強く、過去にはアクの強いオッサン系俳優が演じていますが、考えてみりゃ彼にも若いころはあったわけで、しかもOPに使ってる「遊びをせんとや…」などの今様(流行歌)を今日に伝えるという割と遊び人な人なんで、今回の描かれ方はそう無茶でもない。これが清盛と今後どう絡んでいくのかが見どころでしょう。

 清盛のスタイルの「汚し」が凄いのは考証的に正しいか否かということを飛び越して「キャラを立たせる」ことを優先してるんでしょうね。すでに指摘してる人もいますが少年漫画的(ジャンプ的(笑))方法論で作ってるな、と見えちゃうところが少なからずありまして。海賊描写だってワンピースだのパイレーツオブカリビアンだの元ネタ明白ですし。
 ドラマ中でも平家が裕福であることは明白なので序盤の一家総出で薄汚いのはどうなんだ、とは思ってましたが、最近清盛以外は「景気の良さ」がうかがえるようになってると思います。「貧乏平家」の描写は「新・平家」でもありましたから、じつのところ目新しいもんじゃありません。

 視聴率についてはまぁ…昔と同列に扱えないことは確かですけど、数字だけであれこれ言いたてる連中については気にしなくていいんじゃないかと。数字だけを気にすると毎年信長・秀吉・家康出してりゃいい、ってことにホントになっちゃうんですから。


>蒼穹の昴
 この話題、ここで出なかったのはひとつには僕自身のチェックが遅れたからでして…全部見終えたの、昨年暮れのことなんですよ。
 原作も読んではいるんですが、あまり覚えてなくって。ただそのつたない記憶のうちでもドラマはずいぶん変えてたように思います(やはり中国ドラマになった、という感じで)。田中裕子の西太后はセリフ吹き替えとはいえ貫録で演じちゃってましたね。実質主役の宦官・春児の役者さんも雰囲気はよく出ていたと思います。

 セリフ吹き替えと言えば。
 先日「ダントン」をようやく見終えまして。ジェラール=ドパルデューがダントンを演じたフランス革命史ものですが、監督がポーランドの名匠アンジェイ=ワイダというところが異色。内容は映画的派手さはまるでなく、ダントンとロベスピエールの確執が議論ばっかりで描かれて、最後に断頭がダントン台に(逆だ、逆)上がってオシマイ、という、ダントン一代記を期待すると肩透かしな内容です。どっちかというと「革命の正義」を信奉するあまりどんどん狂気の独裁者になってしまうロベスピエールに焦点があたっている気がします。
 で、そのロベスピエール役の俳優さん、名前から察するにポーランド人らしいのですが、どう見ても口とセリフがズレていて、明らかにポーランド語で演じてフランス語吹き替えになってるんです。ただその存在感はまさにロベスピエール、って感じで、これまた貫禄で押しちゃってます。
 デムーランを演じていたパトリス=シャローって名前に覚えがあるなぁ、と思ったら「王妃マルゴ」の監督でした。



#9022 
Eugenie(ウジェニーと読みます) 2012/03/03 10:53
返事が遅れて済みません

>バラージさん
返事がだいぶ遅れてしまって済みません。女性主役大河は昔は必ずしも高視聴率ではなかったのですね。これまでの主役はいずれも正室ばかりのようですが、側室主役はだめなのでしょうか?後、最期が自殺や他殺の人物も。

さて、「平清盛」ですが、確かに源平合戦前の時代ということでベテラン俳優が演じることの多い人物を若い役者が演じると新鮮ですよね。加藤あいの高階基章の娘や田中麗奈の由良御前、山本耕史の藤原頼長などのマイナーな人物も新鮮味があります。

視聴率が低い原因は「時代がマイナーだから」「画面が薄暗くて汚いから」「前作の「江」が不評で視聴者が離れてしまったから」とか色々な意見があるようですが、
最大の原因はBS、録画、NHK総合での本放送、土曜昼の再放送と視聴方法が多様化しているからでしょうね。

>つねさん
BS・CS・ケーブルテレビも視聴率が測られているのですね。そちらや録画率・土曜昼の再放送も含めると実はかなりの視聴者がいるかもしれませんね。

>サヤ・オリノさん
確か何かの本に平安時代の武士は袖が小さい質素な服装をしていたと書いてあったような気がします。当時まだ政治的権力を持っていなかったこともあり、実際にあのような汚い格好をしていた可能性はあると思います。






#9021 
バラージ 2012/03/01 16:36
また大河

>つねさん
 BS・CS・CATVも視聴率が測られてたんですね。知りませんでした。
 僕は、他に全話は見てないものの、『峠の群像』『武田信玄』『太平記』『琉球の風』『炎立つ』『花の乱』『毛利元就』『徳川慶喜』『北条時宗』『風林火山』『篤姫』などは、わりと見てた記憶があります。あと、『新・平家物語』と『草燃える』の総集編はDVDで見ました。

>サヤ・オリノさん
 僕も歴史に造詣が深いわけではないのですが、歴史上の装束や風俗って特に古い時代になればなるほどよくわからない部分が多く、大河ドラマの考証でも一番苦労するみたいです。上皇・天皇や関白の前に出たり朝廷に出仕するときは小奇麗な格好をしてなきゃいけなかったでしょうが、普段はあんなもんなんじゃないですかねえ。



#9020 
サヤ・オリノ 2012/02/29 19:30
花は桜木人は武士…じゃなかったの?

今晩は。「坂の上の雲」の最終回ラストのナレーションにがっかりしているサヤ・オリノです。
「平清盛」が話題になっていますが、歴史に造詣の深い皆様に「歴史無知」の私から一つ質問をさせていただいてよろしいでしょうか。
昔の武士って、あんなに汚い格好をしていたのでしょうか?
どこぞの県知事様が「画面が汚くて暗い」と仰って物議を醸しましたが、私が一番びっくりしたのは、清盛をはじめとする「武士」たちの服装の粗末さでした。
そりゃ、平清盛が大岡越前と同じ格好をしている筈がないのですが、清盛の一族はまがりなりにも天皇家の末裔の桓武平氏なのですから、もう少し綺麗な、というか貴族っぽいなりをしてもおかしくないのではないかと思うのですが…。ましてや、清盛の父親(ドラマでは実は……という設定ですけど)はお金持ちですからね。
それとも、私の認識の方が間違いで、ドラマの方が「本当」なのでしょうか。確かに「源氏物語」では、後に「武士」と私達が呼ぶ身分の人々についてボロクソ同然の描写がされてますけどね。あ、そういう風に「武士」を「人の姿をした犬」同然に見下す貴族たちを武力込みで叩きつぶして政治権力を貴族から奪ったのが平清盛、そして源頼朝だということは知っております、さすがに。

それにしても、どこぞの地方公共団体の首長の発言でまたぞろ「歴史教育がどーたら」とわめく輩がおりますが、私のような「この時代の武士はこういう服装で、それが時代が下ったらこういう風に装束が変わる」ということについて正確な知識を普及させることの方がよほど「歴史教育」において重んぜられるべき事柄ではないかな、と思います。
何故って……、だめだ、後が続かないや。では、この続きは又今度。



#9019 
つね 2012/02/29 00:43
視聴率

ビデオリサーチのサイト
http://www.videor.co.jp/rating/wh/01.htm
によると地上波だけではないようです。
でも衛星放送もしていれば地上波の視聴率は下がりますよね。

私が大河ドラマをほぼ全話見たのは
「武田信玄」「翔ぶが如く」「太平記」「信長」「琉球の風」「花の乱」「元禄繚乱」「北条時宗」です。
「平清盛」も興味はあるけど、なかなか時間が。




#9018 
バラージ 2012/02/28 14:16
大河

 視聴率計測は地上波だけじゃありませんでしたっけ? BSはやってなかったんじゃ?
 それで思ったんですけど、今は大河ドラマはBSプレミアムで日曜午後6時からやってるんですよね。なので地上波が実質再放送になっちゃってる。『平清盛』の低視聴率にはその辺も一因なんじゃないかと。前は午後10時からじゃなかったっけ?と思ったら、それはBS2で、BSプレミアムはBS−hi(ハイビジョン)の後裔なんですね。BS2はなくなったようなんですが、いつからかと思ったら(地デジ化に合わせて)去年の4月からのようです。そのころはちょうど震災でそれどころじゃなかったからなあ。東北は完全地デジ化も延期されたこともあって、そのあたりを全く意識してませんでした。

 で、『平清盛』なんですが、個人的にはかなり面白い。あまり映像化されない源平合戦のちょっと前の時代ということもあって、ベテラン俳優が演じることの多い人物が若い役者さんで演じられるというのは新鮮です。平時子が深キョンですし、加藤あいや田中麗奈など女優さんが出てくるとやっぱりワクワクします(笑)。山本耕史の藤原頼長も期待にたがわぬ存在感。来週はいよいよイケメン後白河が登場。いつも腹黒じじいにしか描かれないんで、これも非常に新鮮です。

 実は僕は大河をほぼ全話見たのって『おんな太閤記』『徳川家康』『独眼竜政宗』ぐらいなんですよね。あとは『葵 徳川三代』もかなり見たかなあ。全話までではなかったかもしれないけど。



#9017 
パパゲーノ川崎 2012/02/24 10:12
女性が主役の時代劇といえば。。。

NHKBSでやっていた、”蒼穹の昴”の視聴率はどうだったのでしょうか。

不思議とこの掲示板では話題になりませんでしたが、
なかなか面白い内容だったと思います。
原作の良さによるところが大きいと思いますが、
美しい映像、”普段は親しみやすいおばさん”というキャラの西太后、
美形の宦官、美しい発音の中国語、そして日中合作であったことなど
非常に画期的であったと思います。
 惜しむらくは、中途半端な終わり方をしてしまったことで、
続編の製作をぜひお願いしたいところです。
 



#9016 
バラージ 2012/02/13 01:33
Eugenieさんへ

>「女性主役物恐るべし」ですね(笑)

 女性主役物が高視聴率なのは近年(『利家とまつ』以後)の傾向で、昔は必ずしも高視聴率ではありません。橋田脚本の3作品(『おんな太閤記』『いのち』『春日局』)はいずれも平均30%前後、夫婦主役の『草燃える』も25%越えの高視聴率ですが、『三姉妹』『春の波涛』『花の乱』はいずれも20%未満の低視聴率でした(『花の乱』に至ってはワースト記録)。



#9015 
Eugenie 2012/02/06 16:55
訂正

訂正 東海道の文化が根付いている→甲州街道・東海道の文化を強調している



#9014 
Eugenie 2012/02/05 11:30
大河ドラマ

>バラージさん

>春日局、花神
私もこの2作品は前者は物心付く前の作品、後者は自分が生まれる前の作品なので見ていませんが、「春日局」は初回は元日放送だったこともあり低視聴率でも、平均視聴率は高かったのですね。まさに「橋田壽賀子恐るべし」、「女性主役物恐るべし」ですね(笑)
「花神」は大河は幕末物は当たらない、というジンクスがあるらしく、その通りだったのでしょうね。(「篤姫」は女性主役ということもあって高視聴率でしたが)

>tomohiroさん
私も神奈川県民です。確かにこの県は東海道の文化が根付いていますよね。



#9013 
バラージ 2012/02/05 00:34
大河ドラマ

 『春日局』の初回視聴率がワーストなのは、初回が1月1日放送だったからという特殊事情によるもののようで、平均視聴率は32.4%、歴代第3位です(橋田壽賀子恐るべし)。『花神』は平均視聴率も20%を切っているので、やはり人気はなかったんでしょう。僕はどっちも見てないんで、内容については云々できませんが(『花神』は物心つく前だし)。



#9012 
Eugenie 2012/02/04 05:17
ウジェニーと平清盛

管理人の徹夜城さん、南北朝時代も中々面白い時代ですよね(笑)リストに追加しておきます。

>ナポレオン3世の皇后

ナポレオン3世皇后ウジェニー(ウージェニーの表記もあり)についてはこちら

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B8%E3%83%A7

波乱万丈の人生を送っていて魅力的な女性なのに、同時代のシシィことエリーザベトと比べると日本ではマイナーなんですよね。彼女の生涯を漫画や小説、舞台にしてくれないでしょうか?ちなみに彼女に関する日本で唯一の伝記、『皇妃ウージェニー 第二帝政の栄光と没落』窪田般彌著 が白水社から出ています。

>大河ドラマ「平清盛」

大河ドラマは「北条時宗」から見始めた(全話視聴したのは一昨年の「龍馬伝」のみ)のですが、近年は戦国と幕末の繰り返しで、それ以外の時代を扱うのは久しぶりだそうですね。平家が権力を握る前は余り知られていないので新鮮味がありますね。

あの映像は確かに汚く、薄暗くて見づらいですが、気に入っています。脚本もしっかりしていて良いと思います。清盛と崇徳天皇の実父が白河法皇説を採用しているのもツボですね。




#9011 
tomohiro 2012/01/31 09:07
先日の続きですが

先日の続きですが、私の住む神奈川県が山梨、鉄道などの道すがら到達する信州、
あるいは、海端を移動すると到着する駿河や伊豆に馴染みがあるのは
街道の文化があるのではと思って居ます。
今日の神奈川県は、現在の相模湖町あたりを甲州街道をかすめ、
そして、東海道の街道を駿河や伊豆と共有している環境だったので
その影響で、駿河や伊豆、山梨・信州とのつながりがあるのではと思って居ます。
 反面北関東は、中山道・日光街道・奥州街道の文化だったので
そこで、今日に至ったのではと思って居ます。
今日の神奈川県の資料館でも甲州街道・東海道といった街道の文化を
強調しているケースが良く見受けられます。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#9010 
徹夜城(受験産業は追い込みシーズンの管理人) 2012/01/30 12:54
寒い寒い

 シーズンがシーズンなので、ここんとこ多忙です。おまけにとてつもなく寒い。夜が中心の職業だけにこれはキツいと思うこのごろです。教える方も教えられる方も風邪なんかひいちゃたまりませんし。

>Eugenieさん
はじめまして☆管理人の徹夜城でございます。
ナポレオン3世の皇后についてはルパンシリーズ経由でしか知らない程度ですいません(ルパンの専門サイトもやってるもので)。西欧王侯、平安、戦国、幕末とまぁ幅広いご興味がおありのようですが、ぜひ南北朝もお加えくださるようお願いします(笑)。
「平清盛」、いろいろ言われてますが視聴率は過去のものと比べるのはもはや無意味なんですよね。テレビ以外にもいろいろ見るものはあるし、テレビ自体もBSや再放送分、さらには録画があるので視聴率も簡単に比較はできません。そして「初回視聴率が視聴率がワースト3位」と言われてますが、そのワースト2つが何かというと「春日局」「花神」。「春日局」はともかくとして「花神」が大河史上の名作であることはほぼ動かないところですもんね。第一回に関しては単純に主人公の知名度が影響する、ということのようです。「太平記」みたいに初回視聴率が一番よかったというケースもありますが、これは「どんなのをやるんだ」という好奇心が大きかったんでしょうね。
 清盛、第四回まで来て僕もようやくノッてきました(笑)。コンセプトが見えてきた、というのかな。次回以降は僕の専門分野の海賊も絡んできますし。

 こちらは日本の大河以外に中国と韓国のもチェックしなきゃならなくて大変でありまして…いま見てるのだと中国で製作した「孫子の兵法(原題「兵聖」)」がなかなか面白いです。

>バラージさん
 「孔子」、そういえば見てなかった、と思いだしたところです(^^;)
 チェン・カイコーの新作も興味はあるんですが、なかなか見に行けなくて…
 「1911」の孫文役が実は3、4作も孫文役をやっていた、というのはあとで「歴史映像名画座」を書くために調べて知ったのですが、中国系映画では「似てる」といううことが重視されるため(とくに近代史)ほとんどその役専門になっちゃう俳優がいる、という話は聞きます。毛沢東とか蒋介石のソックリさん役者もいるそうで。まだ全編は見てないんだけど最近作られた「建国大業」では過去に諸葛亮や雍正帝を演じた唐国強がメイクばりばりで毛沢東になりすましてましたが(笑)。
 ソックリさんを使う傾向は社会主義リアリズム、ということなのか社会主義国にみられるようですね。ソ連の戦争映画のヒトラーとかスターリンなんて「本人」にしか見えませんし(笑)。

 ああ、そうだ。今夜からNHKのBSシネマでソ連製「戦争と平和」が放送されますよ〜〜未見の方は絶対に見ること。ありゃもう人類史上空前の映画事業だ、というのがわかりますから。もはやあんなの見られないでしょうね(全部CGで再現できますもん)。

>tomohiroさん
関八州、ってのは当然関所がおかれて区別がついてからあとに設定されたものではあるんでしょうが、広い意味での「東国」という枠組みでは伊豆や甲斐なんかは昔から関東扱いだったみたいですよ。最近関幸彦さんの『その後の関東武士団』という本が出たんで読んだんですが(「南北朝列伝」に非常に有用でした)、そこでも伊豆・甲斐が関東枠で扱われてました。
 今でも山梨県は高校野球等で「関東大会」の枠に入れられますし、近畿の三重県が東海地区に入るなどしてますけどね。



#9009 
Eugenie 2012/01/29 11:32
初めまして☆

初めまして☆Eugenie(ウジェニー)と申します。
ハンドルネームは私が好きなナポレオン3世の皇后から取りました。歴史全般は大好きで、特に西洋の王侯貴族史、日本の平安時代、戦国時代、幕末に興味があります。

どうやら現在この掲示板では大河ドラマ「平清盛」の話題で盛り上がっているようですね。昨年の「江」よりは評判が良いらしいですが、兵庫県知事から「画面が汚い。」とクレームが来たり、視聴率が低迷しているらしいですね。



#9008 
tomohiro 2012/01/26 20:08
誤記と關八州

些かふざけて書きました。
伝統的に近畿圏は五畿、関東には関八州という分け方がありますが、
神奈川県民として言いますが、関八州にある北関東よりも
関八州の外である山梨県や静岡県の駿河・伊豆の方が馴染みを感じます。
一体誰が、関八州の集りが正しいと考え、そして、関八州は如何ほころんで
言ったのか興味がありますね。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#9007 
バラージ 2012/01/24 23:02
孔子様の映画

 先日、映画『孔子の教え』(原題『孔子』)を見てきました。東京では去年公開されたようですね。孔子についてはあまり知らず、説教くさくて退屈そうだな〜とも思ったのですが、好きな女優のジョウ・シュンが出てるので見てみようかなと思いまして。
 前半は『レッドクリフ』ばりのスペクタクル映画で、『インモータル 神々の戦い』並みにCGを使いまくってました。なかなか面白かったです。後半、失脚して放浪の旅に出た孔子が最初に立ち寄った国でジョウ・シュン登場。客寄せ的ゲスト出演(キャスト順は2番目)といった感じではあるものの、彼女の存在感と演技力はさすがでした。しかしその後はかなり退屈かつ暗い話に。後半の失速ぶりが残念でした。

 そういえば同じく春秋時代を舞台としたチェン・カイコー監督の『運命の子』という歴史映画も公開されたらしいですね。僕の住んでる地方には来てませんが。


 『塚原卜伝』に出てきた足利義尹は大河ドラマ『花の乱』『毛利元就』にも出てますよ。『花の乱』では足利義材、『毛利元就』では足利義稙で出ています。義材→義尹→義稙と改名してるんですが、室町後期の足利将軍はやたらと改名しててややこしいんですよね。

 『1911』で孫文を演じたウィンストン・チャオは、『宋家の三姉妹』で孫文を演じて以来やたらと孫文役をやってるらしく、日本公開作では『孫文 100年先を見た男』という作品でも主演してます。



#9006 
徹夜城(そろそろ史点でも書くかと思う管理人) 2012/01/21 23:05
王家牧場の決闘

いえ、別に深い意味はございません(笑)。

>マルクスの恋人さん
以前、王貞治さんの奥さまの遺骨が盗まれるという事件がありましたが、確か「王家の墓」と書いてあったような…不謹慎ながらついついニヤッとしてしまいまして。いや、他にどうとも書きようがないんでしょうけどね。

>バラージさん
「陽だまりの樹」、実は大河候補だった、という噂もあるんですよ。結局こういう形で製作することになったわけですが、ちょっと回数が足りない気もしちゃいますねぇ。
大河ドラマとは別の時代劇、歴史劇を作る枠というのはやっぱり必要なんだよな、と思う昨今。

>黒猫さん
そうですか、南北朝のシナリオを…それは楽しみです。こちらにあるものは何でも使っちゃって結構です。「ゲームで南北朝!」のところのデータは別に僕が作ったものじゃありませんけど参考にはなるでしょう。メガドライブ版のデータは中国サイトで見つけたもので保有してはいるんですけど(「南北朝列伝」で活用されてます)、メガドラ版「太平記」のページがまだできてないもので未公開です。

 そうそう、こちらに告知しませんでしたけど、「南北朝列伝」に「う」で始まる人物を15名追加しています。全部上杉さんです(笑)。当初室町太平記に出てきた人だけのつもりでやってたら、ついつい南北朝にからむ上杉さんを全員網羅してしまいました。結構人生いろいろだな、と面白かったです。

 そして今日付けで「歴史映像名画座」も更新してます。



#9005 
マルクスの恋人 2012/01/21 03:30
王家は貞治でたくさんだ。

王様はペレでたくさんだ。
皇帝はペンギンでたくさんだ。

一度言ってみたかったんですが、この機会に便乗させていただきます。



#9004 
黒猫 2012/01/21 02:54
太平記のゲーム、ではないのですが…

はじめまして。太平記大全を始め、諸コーナーをいつも楽しく拝見させて頂いております。

目下、源平合戦のシナリオを「戦国」というゲームを元に作っていまして、
時間があれば南北朝シナリオも作ってみたいと思っております。
その際にはこのサイトのデータベース他の情報を利用させていただきたく思います。

http://starlit.daynight.jp/sengoku/?MOD%2FMonumenta%20Iaponiae%20Historica


#9003 
バラージ 2012/01/18 23:51
平清盛&陽だまりの樹

 『平清盛』の初回は録画したものを翌日午前中に見ましたが、室内など暗い場面は確かに若干暗過ぎて見にくかったですね。普通に夜見たらそうでもないのかもしれませんが。汚いというのは、芥川の『羅生門』っぽいな、と思ったぐらいで別に気になりませんでしたが。
 お話は面白かったです。源平合戦時代が好きなので、源平合戦以前の珍しい時代の映像化というのもうれしい。

 それから、BS時代劇の次回作が、なんと手塚治虫原作の『陽だまりの樹』になるらしいですね。僕は『陽だまりの樹』が大河ドラマにならないかなあと思ったりしてたんですがBS時代劇になりますか。でもあれかなり長いし、BS時代劇じゃ途中までにしかならないんでは?と思ったんですが、NHKのサイトにある配役とか見るとどうも全12回で最後まで行く気配。だいじょぶかな? 楽しみではありますが。放送は4月からとのこと。
 しかしBS時代劇って確か○曜時代劇の後継番組だったはずなのに、○曜時代劇に比べて歴史ものが多くなってますね。いわゆる「時代劇」って感じがしなくて、それはそれでなんか微妙。歴史ものは大河ドラマがあるんだし、○曜時代劇みたいな正当な時代劇をやってもいいんではないかという気もします。



#9002 
徹夜城(国立博物館が混んでるんでよそに出かけた管理人) 2012/01/18 23:25
長時間待ちは敬遠

 今日、国立博物館で開催中の「北京故宮博物院200点」を見に行こうと思ったんですよ。目玉の「清明上河図」(北宋)も1月24日までだって言うし。ところが上野駅に来たところで、駅構内のチケット売り場に行列が出来てる上に「待ち時間70分」、そして「清明上河図」に関しては「240分待ち」なんて掲示されてる。この時点であきらめて神保町の古本屋めぐりをしておりました。
 しかしまぁ、貴重なものだとは分かるんだけど(僕もひかれて行っちゃったわけですが)平日にそんなに見に来るとは正直驚き。夏の空海展でも30分待ち程度で入れたんだけど…それだってかなりの大混雑でしたけどね。みなさん、そんなに「お宝」見物が好きなのか。
 それと好対照だったのが10年ぐらい前にやった東大史料編纂所の蔵出し、「時を超えて語るもの」でした。入口に例の「後醍醐天皇像」、途中には「倭寇図巻」の本物やら武田信玄の「男だらけの三角関係」の証拠品が展示されているというかなりのお宝だらけだったのですが、客は今一つで、僕は倭寇図巻全編をじっくり見られて感激したこともあったもんです。


>小覇王さん
 「平清盛」、まだいろいろ余波が続いてるようですが…ま、知事さんの発言もトーンダウンはしたようです。「王家」の件はネット右翼の一部が騒いでるだけですし。
 小覇王さんもご指摘の点、僕も見ていてひっかかったんですよ。あんなに「血のケガレ」を忌避してるくせに院の御所の庭先で殺人を命じるってどういうつもりよ、と(笑)。どーも映像的に分かりやすい表現を目指すのが鼻に着くところはあります。「馬小屋で生まれる」「大剣を引き抜く」といった描写がサブリミナル的表現だという指摘はありますね。
 武士がまだ「王家の犬」だった時代を強調して描き、清盛が初めて武士の政権を作る、という意義をより視覚的にわかりやすく見せようという意図は分かるんですけどね。ただ正直なところ、それって吉川英治の「新・平家物語」ですでにやってることであって、その映画版なんかは特にそれが分かりやすく映像化されていて、今度のドラマの表現にも参考にしたフシを感じるほどで、新鮮味には正直なところ欠けてます。同じ主人公を二度目に取り上げる大河としては別のアプローチもあったんじゃないかな、と思うところも。ま、これから「海の男」を強調するようなので、その辺が見ものでしょう。すくなくとも視聴率をいくら稼ごうと「信長・秀吉・家康が出りゃいいんでしょ」という安易な作りのものよりは今年はマシになりそうとは思ってます。

 それとは別に、TBS系日曜劇場枠で山崎豊子原作の「運命の人」が始まりました。山崎豊子はその作品の大半が映像化されてるわけですが、彼女自身最後の長編と言ってるこの作品がこうも早く映像化されるとはちと意外でした。テーマがテーマですし。
 前から思ってるんですが、山崎豊子作品って実在モデルに史実を下敷きにしたものが多いので、「歴史映像名画座」の対象にしたくなるものもあるんですよね。「不毛地帯」は瀬島龍三をモデルにしてますし、「沈まぬ太陽」も実在モデルがいるし中曽根康弘や瀬島龍三としか思えないキャラも出てくる。そして「運命の人」の第1回を見てたら佐藤栄作、大平正芳、田中角栄と一発で分かる人たちが…名前は変えてあるし、主人公も含めてあくまで「モデルにしたフィクション」ということなんですけどね。ドラマじゃ外見まで似せてました。
 戦後史ものに扱えそうなものとしては山本薩夫監督の映画「金環蝕」なんかも実在モデルだらけでした。



#9001 
小覇王 2012/01/15 01:00
名前の惑わされすぎ?

大河ドラマ「平清盛」良くも悪くも色々と盛り上がってますが、「王家」呼称問題はどちらかと言うと政治的な意味合いのほうが強い感じでこれが視聴率に影響を及ぼすことはないような気がします。僕自身は全然ドラマとしても王家で違和感は感じませんが。
 そちらに比べると余り問題になってませんが、むしろこっちのほうが重要だと思うのは白河院が自分の屋敷(あるいは愛人である祇園女御の屋敷)で逃げた白拍子である舞子を殺害してしまったシーンです。保元の乱以前では表向き死刑は行われて来なかったわけで、穢れを何よりも嫌う平安時代の王族/公家が自宅で処刑を命じるなどありえないだろう、と。こちらは純粋に歴史考証の問題と言えます。
 ただ、時折平安時代という名称と死刑が行われなかった、ということを持って平安時代が平和そのものな時代だったと(特に産経新聞で)勘違いされることがありますね。平安京に都があったから平安時代であって平安だったからではないのに。大体、承平・天慶の乱も前九年・後三年合戦も平安時代の出来事であって、朝廷は地方の混乱から目を背けていたという言い方が正しいように思います。
 ところで今回のドラマでは清盛、崇徳院両方共白河院の落し胤説を採用してますが以外にそれに対しては文句は少ないんですね。どれだけ彼ら(王家に文句を言っている人たち)が表面上しか見ていないかわかります。院政から平氏政権を経て治承・寿永の内乱の時期って朝廷の権力が著しく低下する時期ですが、一方で白河、鳥羽、崇徳、後白河、後鳥羽、と強烈なキャラクターの天皇を輩出する時期でもあります。よく考えると崇徳院と後白河院なんて兄弟で大天狗と呼ばれてるんだから凄いですね。

http://d.hatena.ne.jp/susahadeth52623/


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