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#9200 
2012/09/10 06:04
民本主義者殿へ

いつだったか、そんなに遠くない過去、私がマカオに行った時に、あちらの映画館の前で件の作品のポスターを見かけました。従って、私は件の作品を見てはいませんが、一定の知識はあります。

>日本の軍人の軍装
よくあるんですよ。外国製映画の日本軍人。
河原さぶ氏扮する陸軍少将、赤い襟章(歩兵の兵科色)がついてるのは間違い。
襟章があるのは大佐以下で、少将以上はなくなります。

安藤政信氏の制服もずいぶん立派で、最初署長役かと思いました。
本土の巡査はもっと肩章も帽章もしょぼいから。
植民地だと威圧感を出す為に本土より重厚にしてたんだろうか?



#9199 
通りすがりの者 2012/09/08 21:30
縄文の東北であれば

漫画ですが
高室弓生 『縄文物語 わのきなとあぐね』『ニタイとキナナ』
という良い作品があります。




#9198 
黒駒 2012/09/07 23:41
東北ネタであれば

いっそ縄文時代のドラマって一度みてみたいんですよね。



#9197 
アジアのバカ大将 2012/09/07 19:01
香港映画の「燃える」題名

>>バラージさんへ

香港映画『女ドラゴンと怒りの未亡人軍団』は
あまり語呂がよくありませんね。
昔、「必殺ヤムチャガール、地獄の鉄観音」と
いうのがありました。これが最高に笑える題名
ですね。



#9196 
バラージ 2012/09/07 09:50
追記

 ちなみにアジアのバカ大将さんご紹介のマンガの正確なタイトルは『阿弖流為U世』というらしく、当然ながら『火怨』とは無関係の別な作品です(笑)。



#9195 
バラージ 2012/09/07 00:32
火怨

 『火怨』は大河化を希望する人もいたみたいですが、まあ無理だろうなと思ってたら、BS時代劇になったんですねえ。原作は読んでないんですが、阿弖流為(アテルイ)は史料にも2か所くらいしか出てきませんから、ほとんど創作でしょうね。岩手県民としてはアテルイが実写映像化されるのはうれしいんですが(あまり映像化されない時代なんで歴史ファンとしてもうれしい)、同じ高橋克彦原作の大河ドラマ『炎立つ』『北条時宗』があれだったんで、ちょっと不安が……。低予算のBS時代劇っていうのも不安要素。合戦ものには向かないと思うんですよね。歴史ものじゃなくて普通の時代劇でいいのに……。ちなみに『炎立つ』『火怨』と、戦国時代の九戸政実を描いた『天を衝く』が高橋克彦の東北三部作です。

 再来年の大河ドラマはひょっとしたらNHK内で打ち切り論が発生してるのでは? 過去にも、低視聴率だった『三姉妹』『竜馬がゆく』のときに打ち切り論が持ち上がったそうですし、今年最低平均視聴率を更新するのは確実なんで……。近現代史シリーズと半年〜9カ月シリーズのときも低視聴率でしたが、このときは元の路線に戻すことで視聴率も回復しましたが、ここ数年は変わった路線を取ってるわけではないんですよね。もともと大河のように「歴史上の人物限定」だといつかはネタ切れになるのは避けられないんで、終了もしくは休止の可能性はずっとあったとは思うんですが、低視聴率だと踏ん切りもつけやすいということも考えられます。『八重の桜』の変更前の企画も女性ものだと思うんですが(人気俳優のスケジュールを1年押さえるわけですから急な変更は無理かと)、2年連続で女性ものというのは考えにくい。そもそもその時点では題材と主演俳優しか決まってなかったでしょうし、題材のほうは「決めた」だけでしょうから没にしても問題はないわけですし。

 さて、以前紹介した香港映画『女ドラゴンと怒りの未亡人軍団』が早くもDVD化されました。DVD邦題は『楊家女将伝 女ドラゴンと怒りの未亡人軍団』となり、『女ドラゴン〜』は副題に落とされました。観た人の感想をネットで見てみると、言われるほどのバカ映画、トンデモ映画ではなく、普通のつまらない映画のようです。昔の香港映画のようなノリみたいです。



#9194 
アジアのバカ大将 2012/09/06 15:21
「アテルイ」は高橋克彦・原哲夫原作で

「トンデモマンガの世界」に「アテルイ」
(高橋克彦原作、原哲夫画)の漫画が紹介
されています。
アテルイは宇宙人で、坂上田村麻呂は
現代まで長生きし、石原都知事は、頓
珍漢なことを言ったあげく秒殺されま
す。ぜひ、これを基調にテレビ化して
欲しいものです。

NHKで、原作新解釈の時代劇ドラマは
過去にも、「鳴門秘帖」「武蔵」など
いくつかあるので、絶対に不可能とは
思いません





#9193 
徹夜城(ようやく多少のヒマができた管理人) 2012/09/04 23:24
東北支援シリーズ?

>ひでさん
 来年BSで「アテルイ」をやるという情報は前後して僕も知りました。確かにこれも「東北支援」の一環なんでしょうねぇ。
 アテルイの映像化は一応これが最初ではなく、僕は未見ですがアニメ映画にしたものがあるらしいです(東北の自治体の企画だったのかな)。また「炎立つ」では冒頭でアテルイと田村麻呂の対決が実写で描かれました。
 あと、大昔に東映の子供向け時代劇の一つで「紅顔の密使」というのがありまして…映画のところに感想も載せてますが、あれは名前こそ違うものの一応アテルイの時代の話なんですよね。時代考証ムチャクチャですけど(笑)。

 テレビ東京の正月恒例の大型時代劇も「白虎隊」だそうで、「大河便乗?」などと言われてますが、考えてみたらこれも東北支援企画で結果的にかぶっちゃったものだと言えそうです。さあ他の局もいま別の意味で大人気の伊達政宗やるとか他の東北ネタ時代劇を作りなさい(笑)。



#9192 
ひで 2012/09/02 17:15
大河はどうなる?

そういえば再来年の大河ドラマについては今のところ発表はないみたいですね…なんてことを思っていたら、今日になってNHK公式サイトでBS時代劇・大型時代劇ということでアテルイのドラマをやるという発表がありました。アテルイ役が大沢たかおであること、原作が高橋克彦であること、そのあたりがでています。

題材をこれにした理由は、東北復興支援・応援ということで、「八重の桜」と同じような感じですね。「炎立つ」のひとが原作ということですが、はたしてどうなるんでしょうかねえ。

>歴史物におけるフィクションの割合
年中行事とまではいかないまでも、色々なところでこれを巡る話は出てきますね。とくに昨今ツイッター等々で意見のやりとりがしやすくなったせいか、妙にこじれてるような感じのときもあるし。歴史屋と創作屋がお互いに相手の仕事に対しそれなりの敬意をもってやってほしい、としかいえません。

>人類と火星
月面着陸の次は、火星の探査、つぎは人類が火星に着陸するという具合に行くといいのですが、なかなかそういう方面に対してはお金も出し渋らざるをえない状況みたいですし、どうなりますか。火星に人が住んでいるというと、最近リメイクされた方じゃない旧い方の「トータル・リコール」を思い出しますが(今やってるリメイク版はどうも舞台が違うみたいです…)、ああいうふうになるまで、あと何百年くらいかかるんでしょう。

http://historia334.web.fc2.com/index.html


#9191 
徹夜城(ようやく夏期講習日程が終わった管理人) 2012/08/31 22:21
残暑お見舞い申し上げます

 お盆以来の書き込み(^^;)。なんだかんだで書き込む気力が…しかしようやく地獄の日程も終わりまして、「史点」も8月ギリギリでアップしましたし(捏造写真を一気に作る勢いまでありましたし(笑))、この伝言板にもようやく書き込みます。

 先日ちょこっと書きました、ポプラ社の「コミック版日本の歴史」の「室町人物伝」シリーズの第一弾「足利尊氏」を買いました。
 手に取ったら「あれ?」と思うほど薄い。実際中身も薄かったですねぇ。尊氏が幕府を開くとこまでで終わっちゃって、観応の擾乱はバッサリカットなんですもん。度量が大きく情け深い人でした、チャンチャン、って感じで終わっちゃう。
 児童向けだからなのか、尊氏の子供時代の方が印象的なんですねぇ。「いいところの坊っちゃん」的イメージで描かれてて、野生的な少年義貞にいじめられたりしてる(笑)。吉川英治&大河ドラマを参考にしたとしか思えない闘犬に襲われる場面もありましたが(あくまで事故になってたけど)、北条高時はかなり同情的に描かれてます。
 次は9月に「後醍醐天皇」が出ます。後醍醐天皇個人を主役にした漫画はさすがにこれが初めてのはず。その次は予想通り「楠木正成」だそうで。「新田義貞」はなさそうな気がする…(汗)。そのあと「足利義満」「一休さん」「足利義政」あたりじゃないでしょうか。

以下、皆様へのレスをテーマごとにまとめまして。

>大河ドラマ
 えー、ホントに発表がないですねぇ。再来年の大河ドラマ。これまで遅くても8月までには発表していたと思うのですが(一番遅かったのは「新選組!」だったかな)、間もなく9月です。「八重の桜」は昨年急きょ変更になったテーマですから、その変更前の企画はあるはずなんですよね。急にやめるともちょっと思えないので、何か新機軸を考えていて、それで発表が遅れてるのか…
 大河の企画を2年前に発表するようになったのって、2000年前後からじゃなかったかなぁ…「葵」あたりから早くなった気がします。「太平記」のときは前年の3月に「情報漏れ」で週刊誌にチラッと出て、それから4月ごろに正式発表だったと記憶してます。決定自体は2年前ぐらいにやってたらしいんですけどね。

 「太平記」のコメディ要素のことですが、序盤には結構あるんですよ。とくに第三回の高氏と右馬之介が京都観光してる場面なんて、ほとんどコント(笑)。あと、千早城の戦いで難波のロッキーが演じる楠木正季がボクシングを見せますね。楠木家の侍女たちもお笑い担当で、「中納言といえば…大納言の下、少納言の上」とか結構笑えるセリフがありました。


>南京映画と霧社映画
 まずは阿祥さん、ご紹介ありがとうございます。なかなかこの手の映画の情報は得られませんからねぇ…ただどうもテーマ的にも表現的にも「キツそう」なので、僕は少々敬遠気味で。
 「セデック・パレ」のタイトルは知りませんでしたが、「海角七号」の監督が次に霧社事件を撮る、という話は聞いていました。聞くところでは文化衝突の悲劇的事件をかなり冷静に客観的にまとめた、というところのようですね。霧社事件は日本ではやはり映画化はしてませんが、超大作「戦争と人間」のなかで高橋英樹の軍人が「これから霧社事件の調査に行く」と言って出掛ける場面だけはありました。これ、原作小説だと事件の経緯を史料付きで詳細に説明するんでけど、映画ではそこまで時間は割けない、ということのようでした(ロケ地の問題もあったでしょうね)。

 チャン=イーモウの「金陵十三釵」のほうは、ちょいと見た人の反応で一部芸能人が反日気分の書き込みをしたとか、クリスチャン=ベールがアメリカでプロパガンダ映画ではないかと聞かれて否定したりとか、まぁそういう報道は聞いてます。映画自体は見ていないので(テーマ的にキツいのはあまり気が進まない…)その描写がどうだということは言えませんが、チャン=イーモウの監督としての姿勢自体は確かに単純なプロパガンダ映画を撮る人ではないと思うんです。ただ最近の作品は一般向けというか娯楽性が強くなり、テーマのこともあって結果的に「大衆受け」して感情的に煽る内容になっちゃった、ということはあるかもしれません。



#9190 
アジアのバカ大将 2012/08/29 17:19
前カキコ訂正

前カキコの後半部分の字句に、
1ヵ所誤りがありましたので、
以下のように訂正します。

また映画など芸術は、「事実」を
そのまま再現するものではありま
せん。「真実」を描くものです。
例を挙げますと、日本のノンフィク
ションの傑作である「蘭学事始」(
杉田玄白)著)には、有名な「鼻を
形容するフルへヘンド」という単語
ひとつのため、半日を要するエピソ
ードがあります。実は、解体新書(
ターヘルアナトミア)に、この
単語は出てこないそうです。
しかし、この「フィクション」ほど、
ろくな辞書も文法書もなく、専門
書を訳した杉田グループの苦労とい
う「真実」を端的に示すエピソー
ドはありません。
有名な芸術家である「金陵十三釵」
の張監督が描きたかった真実は、
「日本軍の凶悪さ」など次元の低い
ものなかったと思います。



#9189 
アジアのバカ大将 2012/08/29 13:56
「金陵十三釵」は、史実に沿って戦争を描いてはいない?

>>阿祥さんへ
「金陵十三釵」は、史実に沿って戦争を
描いてはいない―と推定し、具体的には、
1)一部市街戦のシーンは希望を映像化
2)戦闘行動中の日本軍が、真昼間から、
  少女を追い掛け回せるような悠長な
  状況になかった
「〜と思う」とおっしゃられていますが、
そもそも、2つの「史実に沿っていない
ことの論拠」は矛盾していませんか?
1)は「中国軍の猛烈な抵抗=市街戦
はなかったはず」、一方2)は「いつ
中国軍に攻撃されるか分からなかった
(抵抗=市街戦が激しかった)」
さて、南京攻略前後の歴史書「南京
事件」(秦郁彦著)や、資料「外交
官の一生」(石射猪太郎著)などを
あたると次のような史実が明らかに
なります
A。中山門などでの攻防戦では、
  城壁に穴を開け突入したものの
  猛烈な反撃に遭い2日間、足踏み
  を余儀なくされた
中国軍の抵抗は猛烈だったのです。
この直後に、中国軍は撤退命令が出た
ため、敗走します。

B。日本軍が南京城内に突入してから
 3日後に城内にあった日本大使館に
 戻った大使館員から東京の本省に
 日本軍の非行の数々が連絡された。
 中でも悪質とされたのは、ある中尉
 が部下に命じて、女性を多数拉致し
 凌辱した例である
「戦闘中」に女性を追いかけまわして
いた現実があったのです。

つまり、「金陵十三釵」は完全に
史実に基づいているのです。

また映画など芸術は、「事実」を
そのまま再現するものではありま
せん。「真実」を描くものです。
例を挙げますと、日本のノンフィク
ションの傑作である「蘭学事始」(
杉田玄白)著)には、有名な「鼻を
形容するフルへヘンド」という単語
ひとつのため、半日を要するエピソ
ードがあります。実は、解体新書(
ターヘルアナトミア)に、この
単語は出てこないそうです。
しかし、この「フィクション」こそ、
ろくな辞書も文法書もなく、専門
書を訳す杉田グループの苦労とい
う「真実」を端的に示すエピソー
ドはありません。
有名な芸術家である「金陵十三釵」
の張監督が描きたかった真実は、
「日本軍の凶悪さ」など次元の低い
ものなかったと思います。






#9188 
十一郎 2012/08/27 23:45
ちょうどGYAO!で配信しています

『黒い太陽 南京』が無料配信中。おそらく無料配信が終わっても、GYAOストアで有料配信されると思います。
評価の高い『南京1937』と同年の1995年制作とのことですが、かなり技術や技法が古臭くて大雑把な作りなので、映画としてもドキュメンタリーとしても薦めにくい内容ですね。
スプラッターシーンが多いわりに血が流れ出なくて人形丸出しだったり、誰の視点で見ていけばいいのかわかりにくかったり。後半から情感あるシーンもあるのですが、全体としてモンド映画と見られるのはしかたない。
盧溝橋事件からシームレスに日本の意図で南京侵攻されたという冒頭の説明など、当時の歴史研究水準から考えても疑問点も多い。どちらかというと現地軍の暴走で南京侵攻が行われ、日本本土は事実上の追認をしたという順序。
ただ、制作者側の観念を見るという意味では、興味深く感じました。日本人に対しては同じ仏教徒だという感覚で接しており(天皇への言及は日本軍側の台詞一つくらい)、イスラム教徒は一種別次元の存在として描かれており、キリスト教徒的な受難感覚が映画の基調をなしている(結末を見ればわかります)。

ちなみにDVDが廃盤になっている1993年版『スターリングラード』もGYAO!で配信しています。フィクション性がより強い作品ですが、演出が良くて物語構成も端正。歴史を素材とした悲劇として、傑作という評価もうなずけます。

阿祥さんへ
自分は、あまり歴史を題材としたフィクションの全否定は避けるべきかと思います。もちろん批判はあってもいいでしょうが、フィクション性の混入で批判されるというなら日本の戦争映画も大半がダメになっちゃいますよ。
たとえば先日にリメイク版も放映された『私は貝になりたい』に対して、歴史学者などから批判がされています。個人的に、悲劇性あるドラマとして良い出来だと思いますが、都市伝説的に戦犯裁判への誤解を流布したところは、確かに罪深い作品だと思いました。
http://www32.ocn.ne.jp/~modernh/books08.htm



#9187 
民本主義者 2012/08/27 19:22
敵をある程度カッコ良く(略

阿祥さんご紹介のYOUTUBEで『セデック・バレ』を見ました。末端の兵士や警官にはしょうもないのもいましたが、日本の高位軍人や警察幹部がずいぶんカッコ良く描かれていて驚きます。
http://www.youtube.com/watch?v=AsFkxVu-_LA
開始から18分24秒、日本軍の探検隊が現地人の若い女性の案内人を丁重に遇する場面はかなり確実に映画版「八甲田山」の影響でしょうな。


開始から21分40秒、日本軍の司令官が「霧社を閉鎖しろ。漢族と霧社藩の一切の交易を禁じる」と命令し、戦死した部下の遺品(「血のように赤い」桜の花びらを含む)を眺めながら握りつぶそうとした虫を放つシーン、カッコ良すぎ!しかし台湾に派遣された当時の日本の軍人がこんな立派な軍装だったとは思えないなあ。






#9186 
バラージ 2012/08/24 21:22
霧社・南京・ホロコースト

 『セデック・バレ』については僕も聞いたことがあり、そのうち紹介しようかなと思ってました。観たことはないので、内容や評価についてはあまりどうこう言えないですが、霧社事件という日本の暗部を描いたテーマが日本公開のネックになってるんじゃないでしょうかねえ。南京大虐殺をテーマとした『金陵十三釵』や『南京!南京!』『John Rabe』が日本公開されないのと同じ理由なんじゃないでしょうか(そもそも内容をきちんと見たうえで日本公開を決定するんですかね?)。
 『金陵十三釵』も観てないんで、これまた何とも言えませんが、チャン・イーモウがプロパガンダ映画を作るとは僕には到底思えないんですけどねえ。少なくとも、「日本人俳優が多く出演していますが、心中穏やかではなかったにちがいありません」などと根拠もなく書くのは失礼なんじゃないかと。ちなみにイーモウは原作を大胆に改変することが多いため、この作品も原作とは変わっているところがある可能性は高いと思います。
 なお、『シンドラーのリスト』については、記録映画『ショアー』の監督クロード・ランズマンが「ホロコーストの神話化に手を貸すもの」として痛烈な批判を加えており、またシンドラーを善人化・美化しているという別の批判もあります。

 南京大虐殺をテーマにした映画については以前ここで書いたと思ったのですが、探してもないなあ……と思ったら、9001〜9100までの書き込みが過去ログに移ってないですね。
 以前も書いたことですが、南京大虐殺関連映画は、『ラスト・エンペラー』が日本公開の際には南京大虐殺の映像シーンがベルトルッチ監督に無断でカットされ、『南京1937』は劇場公開された際に右翼に上映が妨害されて打ち切り。『黒い太陽 南京』『チルドレン・オブ・ホアンシー 遥かなる希望の道』はDVD発売・レンタルのみで、『南京!南京!』は『セデック・バレ』同様に映画祭公開のみ。『John Rabe』『金陵十三釵』に至っては全くの未公開。これはもう内容云々以前に、単純に「南京大虐殺の映画だから」と考えざるを得ないでしょう。せめてDVD化してもらえませんかねえ。中国語が(他の外国語も)わからないので日本語字幕がないとつらいっす。



#9185 
阿祥 2012/08/24 18:20
映画についての補足説明

>>アジアのバカ大将さんへ

中途半端な文章と、日本で見れない映画の件なので、いろいろ不十分な紹介だったようですね。補足説明します。

1.「原住民側の感情に沿いつつも、日本の政治的立場も十分に考慮した」これは、日本の原住民蔑視と同化(先住民文化抹殺)を仕方がなかったと描いている、ということでしょうか?

究極的に言えば、仕方なかったと描いていると思います。
原住民文化を尊重する描写は少なからずあります。山の中での狩のシーン、民族の誇りのために首領のモーナが立ち上がる過程を丁寧に描いているところ。一方、原住民側で、日本の立場に立つ人々も多く描かれます。日本の警察官として働き、日本側の立場と原住民の家族との間に板ばさみになり、自殺してしまう花岡警部(実在の人物だそうです)。同民族であるにも関わらず、日本人とともにモーナを倒す側に立つティム。霧社の町に学校ができ、郵便が届き、文明の恩恵を受けている今の状態は、昔よりは良いじゃないかという感慨も、セデック族の立場から語られています。
監督の説明では、“虹”を信仰するセデック族と“太陽”を信仰する日本人の対立を、共に“空”を信仰するという風に止揚できないかと考えたといっています。監督自身は漢民族なので、セデック族にも日本側にもどちらにも感情移入できたのかもしれません。

2.「日本人から見るとことさらに日本軍を貶めるような構成になっており、リアリティに欠けるものでした」どのように貶めるような構成になっているのでしょうか?具体的にどのような点が、リアリティに欠けているのでしょうか?

「金陵十三釵」は、おそらく史実に沿って戦争を描いてはいません。一部市街戦のシーンがありますが、それは日本の戦車部隊に対して、中国軍の歩兵部隊が繰り広げる壮絶な肉弾戦、中国軍のスナイパーが、日本の部隊を徹底的にやっつける、中国側から見ると胸のすくようなシーン。これらは、事実の作戦や行動を根拠にしたものではなく、戦争のイメージ、“武器もなく体一つで日本軍と戦ったあわれな中国軍”、“そんな中でもきっと活躍した戦士もいたに違いないという希望”、それを映像化したものだと思います。
中国人がもっとも怒りを感じたというのは、日本軍が主人公の少女達を教会で襲うシーン、娼婦二人が日本軍に街中で追い回され強姦されるシーンのようです。しかし、戦闘行動中の軍隊が、真昼間から、何処から中国軍が襲ってくるか分からないのに、そんな悠長なことはしていられないだろうと思います。戦場にある軍隊としては非常にらしからぬ行動です。
事実としてこのように襲われた女性はいるかもしれませんが、この映画のような状況でではないでしょう。

「金陵十三釵」もyoutubeで鑑賞できます。見てみてください。
紹介版(http://www.youtube.com/watch?v=oxcMX3mOPNY)
分割版の第一部(http://www.youtube.com/watch?v=npIt2MOgRmk)
WIKIの紹介(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E9%99%B5%E5%8D%81%E4%B8%89%E9%87%B5)


3.「それと比べると、おそらく戦争の表現や残虐さでは、セデック・バレのほうが上回っていると感じられます」これは、「戦闘場面の迫力はセデック・バレの方があった。だから映画としての価値がより高い」という趣旨でしょうか?
ところで、両作品は戦闘場面の迫力が特徴の映画なのですか?

「セデック・バレ」は事実に基づいて、セデック族の襲撃、日本軍の作戦を描いています。その事実は悲惨なもので、それをことさらに忠実に再現しているので、映像としては衝撃的です。ベネチアの映画祭では、その残虐さが映画としての評価をかなり下げたと聞いています。やりすぎだと。しかし、いずれも記録に基づいた描写なので、真摯に受け止めなくてはなりません。

一方、「金陵十三釵」は先にも述べましたが、戦争を中心に描いた物語ではありません。シーンの80%ぐらいは教会の敷地の中で繰り広げられます。その中での少女と娼婦たち、アメリカ人牧師と中国人の少年が主となって話が進みます。テーマと感じられるのは、娼婦たちの気高さ。それを引き立てるための悪役としての日本人です。

「セデック・バレ」に見る価値があると思うのは、事実に沿ってドラマを作っている点です。「金陵十三釵」のような作品は、中国人にはうけるようですが、これは憎悪の拡大再生産にしかなりません。ドイツ人のユダヤ人に対する行為はこれも悲惨なものだと思いますが、「シンドラーズ・リスト」に感動するのは、やはりこれが事実を元に描いたドラマだからだと思います。記録にしたがい、事実を描かれればドイツ人もこれを真摯に受け止めざるをえません。しかし、「金陵十三釵」の日本人の行為をもって、日本人はひどいヤツだと言われても、それが事実に基づいていなければ、われわれの心には響いてきません。

4.「あくまでも事実に立脚しているという点で、作品のスタンスが180度違います「金陵十三釵」は、「事実に立脚していない」作品ということでしょうか?その根拠は?

「金陵十三釵」は厳歌苓という小説家のつくった同名小説を原作にしています。この小説家は戦争をテーマにした著作が多いようです。読んだことはありませんが、ノンフィクションノベルではないでしょう。フィクションです。

厳歌苓(http://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%9A%B4%E6%AD%8C%E8%8B%93)



#9184 
アジアのバカ大将 2012/08/24 15:51
2本の映画

>>阿祥さんへ

2本の映画についての貴方のカキコに
よく理解できない部分が、数カ所あり
ます。よろしければ、捕捉説明いただけ
ませんでしょうか?

1.「原住民側の感情に沿いつつも、
日本の政治的立場も十分に考慮した」
これは、日本の原住民蔑視と同化(
先住民文化抹殺)を仕方がなかったと
描いている、ということでしょうか?

2.「日本人から見るとことさらに
日本軍を貶めるような構成になっており、
リアリティに欠けるものでした」
どのように貶めるような構成になって
いるのでしょうか?
具体的にどのような点が、リアリティに
欠けているのでしょうか?

3.「それと比べると、おそらく戦争の
表現や残虐さでは、セデック・バレの
ほうが上回っていると感じられます」
これは、「戦闘場面の迫力はセデック・
バレの方があった。だから映画として
の価値がより高い」という趣旨でしょ
うか?
ところで、両作品は戦闘場面の迫力が
特徴の映画なのですか?

4.「あくまでも事実に立脚していると
いう点で、作品のスタンスが180度違
います」
金陵十三釵は、「事実に立脚してい
ない」作品ということでしょうか?
その根拠は?




#9183 
阿祥 2012/08/24 10:21
セデック・バレ(赛コ克巴莱)

去年、台湾で非常に話題になった映画があります。制作費、観客動員数ともに史上最高を記録。監督の魏コ聖は、2008年の映画「海角七号」の制作しており、これも大ヒットを記録しました。テーマは霧社事件、台湾の日本統治時代も中期以降、1930年に台湾山中の霧社の土地で、日本の統治に反乱を起こした少数民族セデック族の物語です。作品の概要はwikiに譲ります。
セデック・バレ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%87%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%AC)
また、霧社事件については(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9C%A7%E7%A4%BE%E4%BA%8B%E4%BB%B6)
僕は、この夏休みに台湾に行った際、メイキングフィルムのついたDVD版を買ってきて鑑賞しました。

ここで紹介するのは、この作品がほぼ日本のメディアで黙殺されているからです。前作の「海角七号」が日本への憧憬というような感情を表しているような作品だったのに対し、このセデック・バレは台湾原住民の日本人に対する残虐な行為、それに対応した日本殖民政府のこれまた原住民に対する非情な攻撃。こういった政治的に非常に敏感な問題を有しているために、日本では大阪の映画祭で去年上映されはしましたが、他の上映は行われず、一般には知られていません。しかし、この作品は魏コ聖監督が12年間構想を暖め、台湾最大の映画プロジェクトとして作った270分の大作です。史実に基づき、原住民側の感情に沿いつつも、日本の政治的立場も十分に考慮した非常に良心的な作品です。言語的にもセデック族の言葉と日本語を主に使っており、その分俳優には努力を強いるものです。(日本人にもセデック語を話す俳優さんがいました。)こんな素晴らしい映画を親日的な台湾が作っているのに、日本で黙殺されているのは悲しいと思い紹介することにしました。日本語版は史上には出ていませんが、270分の全てが簡体字の字幕バージョンでyoutubeにアップされています。興味があれば見てみてください。

紹介版(http://www.youtube.com/watch?v=OVDqI-STFRg)
第1部 太陽旗(http://www.youtube.com/watch?v=AsFkxVu-_LA)
第2部 彩虹橋A(http://www.youtube.com/watch?v=q04Zpmf51II)
第2部 彩虹橋B(http://www.youtube.com/watch?v=n0ZCsUoMuMY&feature=relmfu)
第2部 彩虹橋C((http://www.youtube.com/watch?v=eYOp82wCf7)

台湾に行く飛行機の中で、去年公開された「金陵十三釵」という張芸謀監督の作品も見ました。こちらは南京大虐殺を題材にした作品です。しかし、ほぼフィクションであり、日本人から見るとことさらに日本軍を貶めるような構成になっており、リアリティに欠けるものでした。この作品も日本では公開されていないようですが、これは納得できます。中国では去年大ヒットしたようですが、反日のためにだけつくられた、プロパガンダ的な作品です。それと比べると、おそらく戦争の表現や残虐さでは、セデック・バレのほうが上回っていると感じられます。しかし、あくまでも事実に立脚しているという点で、作品のスタンスが180度違います。そのため、多くの日本人の俳優やスタッフが、この作品に出演できたことを誇りに思っていると言っているほどです。「金陵十三釵」にも日本人俳優が多く出演していますが、心中穏やかではなかったにちがいありません。



#9182 
黒駒 2012/08/24 00:00
大河とコメディ

なんか、2014年大河の発表が遅れてますね。ひょっとして無いんじゃあ・・

「新選組!」の三谷幸喜ですが、「新選組!」は面白かったしツボを抑えた作品であったと思うのですが、ただ大河ドラマの中で三谷作品らしいドタバタのコメディをやって、その部分が硬派な大河視聴者には煙たがられた面はあったようですね。三谷氏は最近「清州会議」という小説を刊行されていて、これもいずれ映像作品になるだろうと思うので、楽しみです。

私は最初に見た大河が「八代将軍吉宗」でこれはジェームス三木脚本で「葵徳川三代」も同様にコメディ要素のあった作品でした。「龍馬伝」も香川照之や武田鉄矢がコメディパート担当で「笑い」の要素があったのですが、外の作品はコメディ要素が薄そうですね。やっぱり大河ドラマにコメディの要素を入れるのは難しいようです。

「太平記」はやはり、あまり笑いの要素は無さそうですね。



#9181 
民本主義者 2012/08/18 00:56
報告です

例の動画に関して、ウィキペディア日本語版に記事があった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%84
「ラッセル・ロバーツ(Russell Roberts, 1953年 - )は、ジョージ・メイソン大学の経済学教授で、ワシントン大学の体験学習センター元所長。NPRの番組、Morning Editionでビジネスと経済学のレギュラーコメンテーターを務めていて、ニューヨーク・タイムズとウォールストリート・ジャーナルにも寄稿している。経済学者でない人に経済学を伝えることに力を入れており、そのために、賞を獲得したPodcastのEconTalkの司会を務めていて、ドナルド・J・ブードローとともにCafe Hayekというブログも運営している。経済学の考えを物語形式で伝える小説「インビジブル・ハート」を出版した。2008年には、自発的秩序、価格のつり上げ、危機的状況での市場経済のような概念を扱う別の小説「The Price of Everything」(未邦訳)を出した。

彼の最新のプロジェクトはケインジアンとオーストリアンのビジネスサイクルへのアプローチの比較のラップ版である」



#9180 
バラージ 2012/08/17 23:57
実は……

 紹介した中国史テレビドラマのDVDも、近くのレンタル店(GEOやTSUTAYA)からは3分の1くらいは撤去されちゃってます。
 そういえば、この間中古屋で『曹操』というテレビドラマの十枚組DVDボックスを見つけました。そういうのもあったんですね。僕は三国志では曹操と周瑜が好きなんですが、さすがに買うのはちょっとなあ。面白いかどうかもわかんないし、3万円(!)もしたし。
 三国志で思い出したんですが、関羽が主人公の『三国志新武伝』というテレビドラマミニシリーズのDVDも以前レンタルされてました。
 あと、宋が舞台の歴史ドラマはなしとしましたが、北宋初期を舞台とした古典文学『楊家将演義』のテレビドラマが3作品ほどありました。厳密には歴史ドラマか微妙だとは思うんですが、水滸伝も入ってるし、封神演義も紹介したし、まあいいかと。ただ、ここら辺を入れてくると、西遊記はどうなんだとか線引きが難しいですね。



#9179 
民本主義者 2012/08/17 02:46
さらに言うと

例の動画ではケインズが「ロード・ケインズ(ケインズ卿)」および「ジョン・メイナード・ケインズ」と呼ばれているのに、ハイエクは「F・A・ハイエク」としか呼ばれていないので、いかにもケインズが貴族でハイエクが平民みたいです。ところが実は逆でして、ハイエクは生まれながらオーストリア・ハンガリー二重帝国の貴族だったのに対し、ケインズが爵位を授けられたのは死の4年前でした。ハイエクの本名なんて「フリードリッヒ・アウグスト・フォン・ハイエク」ですよ。「アウグスト(「尊厳者」!)」と「フォン(ドイツ語圏の貴族の名によくある接続詞)」を隠してる。
アメリカ人の同情や共感をハイエクに対して傾かせるために、動画ではあのような演出をしたのでしょう。ホントに手が込んでます。
でもハイエクが見たら怒るんじゃないかな?「俺は加藤茶じゃねえ!」とか。



#9178 
民本主義者 2012/08/17 02:30
あれ?

「2008年のあとにやはりケインズとハイエクが「この一世紀、俺たちの間を行ったり来たり」とやりあう動画だか漫画だかがあったとも聞いたんですが、これとは関係ないのかな?それともあれはマルクスとアダム=スミスだったか?」

いや、それこそこの動画に出てくる歌詞の冒頭なんですが。
http://eiji-mochida.blogspot.jp/2011_09_01_archive.html
「We’ve been going back and forth for a century
俺たちゃ100年の間行ったり来たり」

それとも、さらに元ネタがあるのかな?




#9177 
徹夜城(また明日から仕事の管理人) 2012/08/16 21:14
ごぶさたしちゃいました。

 管理人が掲示板を放置したみたいになっちゃってすいません。チェックだけはちゃんとしてたんですが、仕事でバテちゃった上に、その流れで盆休みも体調不良。更新作業もストップしてしまい、今日どうにか歴史映像名画座と映画徒然草だけどうにかアップ。もっとあれこれやるつもりだったのに(汗)。
 「史点」はネタをため込みすぎちゃいましたが、ここ数日騒々しい話題が多いので、ほどよく冷めてから話題にするべきかな、とも。こういう時に単純に大騒ぎする連中ってのはどこの国にもいるもんですが、それでその人のレベルが知れるな、とも思います。

では、ためこんだレスを簡単に。

>tomohiroさん
「風林火山」も視聴率はぱっとしませんでしたが、時代劇・歴史劇ファンには結構好評でしたよね。「新選組!」も一部酷評もあったけど歴史劇通好みの傾向がありました。
「平清盛」は僕の周囲では割と評判良くって「視聴率が低い方が作品はいいのかも?」的な意見も出る始末。ただちとあれもこれもと話を入れ過ぎたきらいが前半に多くて、慣れない時代だけに本筋が読みとりにくい人も多かったのかも。

>バラージさん
 列挙、恐れ入ります。僕の近所のTSUTAYAには「呉越燃ゆ」ぐらいしか入ってないんですが、探せばあるものですねぇ…やはりレンタル率の問題で棚の占拠が決まってしまうのでしょうね。韓国歴史ドラマなんてそれこそ中国史よりなじみのない話題のはずなのにしっかり借りられている(実際僕もいつも誰かと競合になる)のは不思議といえば不思議。
 しかしこうして列挙されてみると中国も重複テーマの作品をしょっちゅう作ってますねぇ。

 「三国志」は昔から英語では「Three kingdom」とするのがなぜか定番なんですよね。三分してるから一つ一つは「帝国」とは呼びがたい、という判断なんでしょうけど。中国人も「Kingdom」表現を使っていて特に疑問は上がってないみたい。
 そういえば今アニメでもやってる始皇帝マンガは「キングダム」ですねぇ(統一以前については確かにそうだけど)。

>民本主義者さん
 ご紹介の動画、見ました。こちとらこの方面は疎いので(「しりとり」でケインズ書いたのは弟なので…そっちの方がさすがに詳しい)ラップ動画の勢いではほとんど理解できない始末でした。ケインズがエリート大学者とされる一方でハイエクがギャグにされるほど悪い扱いを受けてるようで作り手は心情的にそっちにいってるのは明らかですよね。どっちにしても手の込んだものを作る人がいるもんだと(プロでしょうけどねぇ)。
 2008年のあとにやはりケインズとハイエクが「この一世紀、俺たちの間を行ったり来たり」とやりあう動画だか漫画だかがあったとも聞いたんですが、これとは関係ないのかな?それともあれはマルクスとアダム=スミスだったか?

>黒駒さん
 そのツイッターの話題、間接的に小耳にはさんでました(ツイッターはやってないんですけどね)。
 恐らく「太平記」映像化の最大のネックは、実は尊氏よりも後醍醐天皇の描き方にあったんじゃないかと思ってます。尊氏は素直にヒーローにしちゃえばいいけど、後醍醐は敵になるわけですしねぇ…
 片岡孝夫(現・仁左衛門)の後醍醐像は素晴らしかったのですが、あれでもまだ綺麗に描いた方じゃないかな、と。詳しくは「南北朝列伝」の後醍醐伝に書いてますけど、アクの強さでは日本史上屈指の人物で、さる学者なんかヒトラーに例えたりしたもんです(笑)。彼の非情な部分をもっと出せれば人間的にはもっと面白くなるともおもいますね。

 そーそー、いまポプラ社で日本史人物コミックのシリーズ出してますが、7月から室町時代の人物が続々と出てるんです。まだ読んでないんですがすでに「足利尊氏」は発売されてまして、間もなく「後醍醐天皇」も出ます。後醍醐を主役にした漫画はさすがにこれが初だと思います。「マンガで南北朝!」でいずれ取り上げたいですね。



#9176 
黒駒 2012/08/15 21:56
大河ドラマと天皇

最近一部ツイッターで話題になっていたのですが、やはり大河「太平記」は後醍醐天皇を主要人物として登場させ、キャラクターを与えたのが画期的であると評されるようですね。

「平清盛」は白河・鳥羽・崇徳そして後白河と「王家」の人物がそれぞれ強烈なキャラクターとして描かれていますが、考えても見れば「太平記」以前も以後も大河ドラマにおいて天皇・皇族のキャラクターは登場してはいるものの記号的で、強烈な個性を与えられた登場の仕方は「清盛」で久々という気がします。

南北朝ネタも次にやる際には、後醍醐天皇にもう少し強烈な個性を与えたほうが面白くなるでしょうね。



#9175 
民本主義者 2012/08/13 19:18
訂正および小ネタ

「公表を博しています」を「好評を博しています」に訂正。

http://www.youtube.com/watch?v=oWItkj0X_wo
こちらの1分半ほどの小品「Hayek's Gift(ハイエクの贈り物)」では「しりとり歴史人物館」でも触れられたケインズのシャンペン好きがネタになってます。
しかしラストに登場するグッズ販売の収益で、これだけの動画シリーズが作れるとは思えないなあ。



#9174 
民本主義者 2012/08/12 22:42
長文御免。でも内容の面白さは保証しますよ

「しりとり歴史人物館」で取り上げられたケインズと、F・A・ハイエクとの間で行われた「論争」をラップ仕立てにした動画がYOUTUBEに公開され、公表を博しています。
日本語字幕付きのものもあり、翻訳も上手です。

「ケインズvsハイエク 」
http://www.youtube.com/watch?v=H2OAxzmSzms&feature=related
「ケインズvsハイエク 第2ラウンド」
http://www.youtube.com/watch?v=-65T-ZqINwI&feature=related

どちらも面白く、かつ手が込んでいるので、何度も爆笑しながら見ましたが、しだいに気になってきたのは、ややハイエク寄りなところです。
「第2ラウンド」の結末なんて、本当の勝者はハイエクでそれを理解しているのはメディアや学者ではなくてアメリカ人の庶民だったという含意ですからね。
今年の大統領選挙のために、世論を保守化させるための共和党のプロパガンダビデオなんじゃないか?だとするとハイエクの主張する場面でバーナンキFRB議長がウォール街の経営者たちに金をばらまくシーンにも、政治的意味合いがありそうだ・・・。

http://meinesache.seesaa.net/article/139589233.html
こちらのサイトによるとラス・ロバーツという経済学者が制作に協力したらしい。

で、こんなサイトを発見(英語原文の動画付き)
http://mamechoja.blog22.fc2.com/blog-entry-815.html
「これを創造するうえで、ラスの貢献があります。 ※
冗談で、ラップソングにしようと。
彼は、ラップ野郎ではありませんけど。

私は、それは、すごいと。

ラスは、本当に、リバタリアンですから。
ね、銃所持の権利でしょ、麻薬を合法化しろでしょ。
これは、戦いなんだと。
我々の欲するもの、なにもかもだと。完璧。

(ゴールド!)

そうそう、金本位制を言う人は、誰でもラッパーね。」
(引用終了。これ以降、同じ人物によるケインズ主義批判が続きます)

まあ、私の想定は当たらずといえども遠からずって感じですか。
共和党の大統領候補者のロムニーさんが副大統領候補に選んだのはポール・ライアンですし。
彼はアイン・ランドの思想に影響を受けたリバータリアンでサプライサイダーだそうで、
私がアメリカ人のリベラルだったら「勘弁しろやー」と叫びたくなりますな。

ま、そんな政治的背景を考慮に入れつつ、先のラップビデオを見るとなお面白い。
この動画のケインズは自分の才能を過信し、名声を楽しんでいる嫌な奴ですが、同時にほとんど唯一ハイエクの才能を認め、対等のライバルとして遇している高潔な人物でもあります。
「敵をある程度カッコよく描く」という戦争映画のセオリーが生かされております。

歴史的事実とは違うらしいのですが。
ノーベル賞受賞者のケインズ派経済学者ポール・クルーグマンはエッセイで以下のように書いてます。
http://anomalocaris89.blog69.fc2.com/blog-date-20111226.html
「マクロ経済学の歴史に起こらなかったこと」
「最近では、1930年代にケインズとハイエクの間で名高い論戦が行われて、それは世代を超えて続いているかのような論説を頻繁に目にしているだろう。ウォルシュが言うように、そんなことは起こらなかった。ハイエクは大恐慌の初期に致命的な大失態を演じて、彼のアイデアは専門的な議論からは消えうせてしまった。」

なんだよ、それ〜。
まあ、動画の中のハイエクの主張を大恐慌期に行っても、大量失業の解消に一切役に立たないのですから、見向きもされなかったでしょうな。だから、現代のアメリカに二人がよみがえって論争するという体裁にしたのでしょう。いろいろと巧みに考えられています。

大恐慌期のハイエクの実際の姿は、こんな感じ。書き手はクルーグマンです。

http://cruel.org/krugman/ryoma/nopain.html
「最近、Barron's誌の「編集者へのe-メール」でやりとりしたことがあったので、『救世主としての経済学者』の以下の小話にはかなり笑わせてもらった:

1931 年、フリードリッヒ・ハイエクはケンブリッジ大学で講演を行い、大恐慌への彼なりの対策について説明した――「最も迅速なる対処法は、人々がもっと貯蓄をして投資が回復するようにすることである」(中略)ハイエクの提案を迎えたのは完全な沈黙だった。が、観客の中にいたリチャード・カーン(ケインズが独自のアイデアを展開するのを手伝った人々)は、自分がなんとか沈黙を破らなければと思ったのだった。そこでかれはハイエクに尋ねた。「つまりあなたの見方ですと、私が明日でかけて新しいコートを買ったら、それは失業を増やすことになるわけですか?」 「その通り」とハイエクは答え、三角形だらけの黒板のほうに向き直った。「でもそれを説明するにはとても長い数学的な議論が必要になります」」



#9173 
バラージ 2012/08/12 08:20
追記

 すいません。中国史テレビドラマ、1本書き漏らしました。

・春秋戦国
『孫子《兵法》大伝』……この手のドラマにやたらと出てるチャン・フォンイー主演。しかし孫子ものって孫武ばっかりですね。孫[月賓](ぴん)を描いたドラマってないのかな?

 なお、『恕の人 孔子伝』と『三国志 three kingdoms』は徹夜城さんが既に触れておられるので省略しております。しかし、よくよく考えたら三国はkingdom(王国)ではなくてエンパイア(帝国)ではないのか? まあ、どうでもいいっちゃあ、どうでもいいけど。



#9172 
バラージ 2012/08/11 22:03
中国史のテレビドラマ

 韓流歴史ドラマ花盛りですが、中国歴史ドラマも韓流ほどではないもののわりと多くレンタル店に並んでいます。以前、明が舞台のドラマを紹介させていただきましたが、それ以外の時代が舞台の中国歴史ドラマ(歴史映像名画座にはないもの)も紹介させていただこうかなと思います。

・殷周
『封神演義』……正確には歴史ドラマではありませんが、他に殷周ものがないので……。妲己役はファン・ビンビン。
・春秋戦国
『燃ゆる呉越』『復讐の春秋』『争覇』……臥薪嘗胆もの三連発。『争覇』は范蠡が主人公。
『三国争乱』……時代は上記3作品といっしょですが、楚・呉・越の三国に囲まれた淹(えん)という架空の小国のお話。
『大秦帝国』……戦国時代の商鞅の変法のころの秦のドラマ。
・秦漢
『始皇帝列伝』『始皇帝 勇壮なる戦い』……始皇帝もの二連発。『勇壮なる戦い』は直道建設がテーマのようで、蒙恬や匈奴の頭曼と冒頓の単于親子などがフィーチャーされてるようです。
『劉邦と項羽』『項羽と劉邦』……楚漢もの二連発。普通と逆の順番の前者が中国ドラマ、普通通りの順番の後者が香港ドラマ。
『劉邦の大風歌』……項羽を倒した後の劉邦を描いたドラマ。
『漢武大帝』……武帝が主人公。
『クイーンズ』……王政君が主人公。前漢末期が舞台の女性主人公ドラマ。
・魏晋南北朝
『北魏馮太后』……北魏の馮太后を主人公とした珍しい南北朝ドラマ。
・隋唐
『皇帝李世民』……唐の二代皇帝・李世民が主人公。
『楊貴妃』……ファン・ビンビン主演。
・五代〜宋元
なし(笑)。
・清
『大清風雲』……摂政王ドルゴンが主人公。ドルゴン役がチャン・フォンイー、二代皇帝ホンタイジ役がチアン・ウェンと、配役がやたら豪華。
『雍正王朝』『乾隆王朝』……『康熙王朝』の続編的ドラマ? それぞれ雍正帝・乾隆帝が主人公。
『紫禁城 華の嵐』……嘉慶帝の時代が舞台で、後宮に入った2人の架空の女性を主人公としたいわゆる大奥もの。
・近代
『末代皇妃』……満州国皇帝・溥儀の第2夫人・文繍が主人公。

 ちなみに、ここまで紹介しておいて何なんですが、僕は1つも観ておりません(笑)。この手の歴史大河ドラマは長すぎて、わざわざレンタルして観るのはちょっと……。



#9171 
黒駒 2012/08/08 20:45
清盛と「王家」

「平清盛」、第三部は清盛vs源頼朝が主要な構図になるようですけど、もうひとつ後白河vs清盛の構図があるのでしょうね。作中で印象深かったのが、藤原氏の長(名前忘れました)が摂関家の凋落を嘆く場面で、改めて平安末の院政期というのが「王家」が政治的実権を取り戻していた時代だと認識させられます。

平安末から鎌倉期は古代から中世への過渡期でもありますし、政治的実権を取り戻した「王家」と新興勢力の武家の折衝という構図は、南北朝もそうですし足利義満や織田信長といった中世期には一貫して見られるものですね。



#9170 
tomohiro 2012/08/07 17:04
「風林火山」について

大河「風林火山」ですが、
テレビドラマを含めた映画関係者、
あるいは、サブカル関係者に気に入られていますよね。
後年民放の「jin」を試聴したとき、
「風林火山」の出演者が数人でているのには驚きましたし、
(他に「新撰組!」の出演者数人)
vocaloidの「がくっぽいど」が出ていたのにも驚きました。
この大河ドラマですが、やたらサブカル・映画方面の人が
ネタにしたり、出演者にオファーを受けさせたりと
可成り通人にはファンが多い作品なのかなと思って居るのですが。
基本的に戰國時代が苦手なので、私には普通の戰國物のドラマや映画にしか
思えなかったのですが、見る人には魅せるものがあったんだと思って居ます。

http://blog.goo.ne.jp/misakimizugi


#9169 
徹夜城(二週間ぶりに休みを取ってる管理人) 2012/08/05 22:29
五輪ピックのさなかにも

 近代オリンピックというのは古代ギリシャにならってその間は戦争をやめようという平和運動という側面があるわけですが(と同時に戦争の代替ということでもあるか)、シリアではかなり派手にやりあっております。内戦だからいいってもんでもないでしょうが、これも展開次第では国際情勢に影響が大きい。ってな話題はいずれ「史点」で書こうかなと思ってるのですけど、なにぶん忙しいもので…
 夏期講習に入ってからかなり過酷なスケジュールをやってるもので、気が付いたらここに一カ月も書きこんでませんでした。

>大河ドラマ
 清盛、本日分から第三部突入。OP映像も「権力者」となった清盛像に変わってました。
 清盛が悪役扱いされ続けて…という話題がだいぶ前に出ましたが、「新・平家物語」ですでにイメージ変更はされてはいるんですよね。その後の大河「義経」での清盛像もそれにのっかったものですし、当時池宮彰一郎が小説「平家」で書いたイメージも流用されていると言われます。もっとも当時この「平家」の宣伝文句でも「清盛は悪役扱いされ続けた」ウンヌンとあり、「新平家は?」とツッコんでいたものです。
 ただ、歴史劇の洋の東西、すでに固定化されたイメージを打破するような作品はなかなか受け入れられにくいというのはあるんですよね。

>ひでさん
オリンピックの開会式、スケジュールの都合でほんのちょっとしか見てなくって…
ルパンファンの僕としてはイギリスというとジェームズ=ボンドよりシャーロック=ホームズなんですけど、彼が登場する演出なんかはなかったみたいですね。
小川剛生さんの「足利義満」の情報はひでさんの書き込みで初めて知りました。これは楽しみですね。小川さんの著書では「武士はなぜ歌を詠むか」で足利尊氏の和歌経歴が考察されていてとても面白かったです。

>黒駒さん
 田中健夫さんの「倭寇・海の歴史」が再刊されたせいもあってか、当サイトの海賊コーナーへの来客が若干増えました。今度の新刊のは見てないんですけど、内容的にはそう古びてはいませんね。まぁこの業界は「新資料」なんてまず出てこないということもあり…
 倭寇の史料面の話ですが、確かに襲撃された側、鎮圧する側である中国の地方志や朝廷での上奏文(政治論文)など、公的機関の刊行物が中心になってしまいますね。朝鮮側も国家編纂の「実録」くらいしかありませんし。日本国内ではなおさら史料がないというのが実態です。松浦氏で王直にちょこっと言及したものがあるといった程度かなぁ…大友氏なんかも関わりはあるんで何かないもんかとは思うのですけど。



#9168 
黒駒 2012/08/03 22:20
倭寇 海の歴史

最近、講談社学術文庫から復刊されていた田中健夫『倭寇 海の歴史』を読んでいます。

80年代初頭の刊行でやや古い本であるきらいもありますが、要領よく14・15世紀から16世紀までの倭寇史がまとめられていますね。解説は村井章介氏で田中氏の業績や倭寇の研究史を記されていて、近年の『倭寇図巻』の異本発見の話題にも触れられています。しかし参考文献を見ると明治末年から大正・昭和期の論文が目について、研究史が古いのだなぁと思いました。

疑問に思ったのが、倭寇はもっぱら記録資料のみに現れる存在なのでしょうか?むろん領主ではありませんから発給文書を残してはくれないのでしょうけど、倭寇の存在は古文書に現れないのかなと感じました。



#9167 
ひで 2012/07/26 23:46
オリンピックはじまりました

といっても、一部競技だけ先にやってるだけですが。
開会式に007が出るとか色々な話が飛び交っていますが、アテネオリンピックの時代祭状態のやつとかをやってみてほしいなあ。色々ネタはあるだろうし。

そういえば、来月の中公新書で小川剛生「足利義満」がでますね。著者は国文学の人ですが、どういう感じで書くのかがきになります。紹介文を見ると「室町の王権」などとはかなり毛色が違う物になりそうな感じはしますが、実物を読んでみないと分かりませんね。来月を楽しみに待つことにします。



http://historia334.web.fc2.com/index.html


#9166 
Eugenie 2012/07/17 22:17
最近の大河

どうもきつくなってしまって済みませんでした。最近の大河とは21世紀に入ってからの作品のことです。昔の作品が高評価で最近の作品が叩かれるのは、いわゆる「昔は良かった」的な感じですね。

「利家とまつ」「功名ヶ辻」「篤姫」は「内助の功で夫を支えた妻」、「滅亡の危機にさらされた家を守った女丈夫」といった視聴者が共感出来る要素のある主人公だから高視聴率だったのだと思います。「江」は脚本が悪かったのもあると思いますが、それ以前に「家光と忠長の世継ぎ争いの原因を作った悪女」のイメージがあり、視聴者が共感出来ない人物だったから低視聴率だったのだと思います。
(さらにドラマの江はわがままで共感出来ない人物でしたからなおさらかと。)

「平清盛」の低視聴率も同じような理由で「イメージの悪い人物をいい人に描いても違和感あろ」というのがあるのかもしれませんね。



#9165 
バラージ 2012/07/15 15:51
最近観た映画、最近の大河ドラマ

 つい最近、歴史関連の映画を立て続けに2本観ました。『道 白磁の人』と『ミッドナイト・イン・パリ』。
 『道 白磁の人』は、朝鮮植民地時代に植林と白磁収集に力を尽くした浅川巧という実在の人物の伝記映画。日本による植民地支配、三一独立運動、関東大震災における朝鮮人虐殺などもしっかり描く硬派な内容ながら、朝鮮人との民族を越えた友情が胸を打つ、とてもいい映画でした。
 『ミッドナイト・イン・パリ』は、憧れのパリにやってきた小説家を目指すハリウッドの脚本家が、真夜中になると1920年代のパリにタイムスリップ。フィッツジェラルド夫妻、ヘミングウェイ、ピカソ、ダリなどといった憧れの芸術家に出会う……というお話。ウッディ・アレンらしいノスタルジックで軽妙なコメディで、歴史上の芸術家たちが続々登場。憧れの1920年代パリに来てみると、その時代の人は19世紀末のベルエポックに憧れ、さらに19世紀末にタイムスリップしちゃうと、その時代の人はルネサンス期に憧れてる……といった具合で、お話の展開が秀逸でした。面白かったです。


 ここ10年くらいの大河ドラマで個人的に面白かったのは、『篤姫』『風林火山』、そして超久々に全話ペースで観てる(『独眼竜政宗』以来かも)今年の『平清盛』といったあたりですかね。
 一方、我が家の女性陣が熱心に観てたのは『利家とまつ』『功名が辻』『篤姫』『天地人』といったあたり。見事なまでに視聴率20%超えの作品全てです。やっぱり女性が好むドラマが強いんだなあ。女性主人公でも、20%を切ってしまった『江』は我が家の女性陣も途中で興味を失ってました。男性主人公の『天地人』を我が家の女性陣、特に母親が熱心に観てたのは、加藤清四郎君が出てたから。中高年の女性は可愛い子役(特に男の子)に弱いのです。清四郎君が出てこなくなったら徐々に興味を失い、清四郎君が再登場するとまた熱心に見始めるというわかりやすさでした。そういや大河史上最高平均視聴率の『独眼竜政宗』も、最初の子役の「梵天丸もかくありたい」が流行語になったしなあ。僕はその後のゴクミ愛姫にやられちゃったけど(笑)。
 僕は、『利家とまつ』は史実云々は別としてドラマとしてはわりと面白かったけど、『功名が辻』は二番煎じっぽくていまいち興味が湧かなかったし、『天地人』もあまり興味がありませんでした。

 近年の傾向から考えて、『平清盛』は20%を超えることはないだろうとは思ってましたが、さすがにここまで低視聴率というのはちょっと説明に困るところです。内容的には、近年の他の大河と比べてそこまで飛び抜けて低視聴率になる理由が見当たらないんですよね。推測としては、以前も書いたかと思いますが、去年の4月から完全地デジ化となって、地上波放送の前にBSプレミアムで放送が観れるようになった家庭が多くなったであろうこと(去年の『江』が4月頃から視聴率が下がっている。東日本大震災のためとよく言われるが、完全地デジ化のほうが大きいと思う)、裏番組が強力で視聴者がそちらに流れてしまったこと、などでしょうか。まあ、我が家の女性陣もあまり興味はなさそうなのは事実なんですが……。


>アジアのバカ大将さん 後白河と信頼(演じているのはドランクドラゴンの塚地武雅)の男色については描かれなくても、まあ仕方がないんじゃないかと。すでに頼長の男色が描かれてますし、日曜8時のドラマが男色だらけというのはさすがに具合が悪いと思います。頼長の男色にしても、さすがに描くのは無理かなあと思ってたので、よくやったなあと感心しますし、何度も男色描写が出てきたら逆にインパクトが弱くなってしまいます。なお、頼長は自らの日記に書いているので事実ですが(ただし相手の中に家盛はいなかったはず)、後白河と信頼については噂止まりなので、その差もあるでしょう。
 僕は今回の松田翔太の後白河は、その奇天烈っぷりがよく表れていて、好演だと思いますよ。いつも腹黒陰謀家に描かれる後白河ですが、あそこまで奇人に描かれたのは初めてでは? それに比べると『太平記』の後醍醐はわりと常識的な線でまとめられていましたよね(まあ原作もあるのでしょうが)。



#9164 
黒駒 2012/07/08 19:47
「太平記」再放送

チャンネル銀河で大河「太平記」の再放送が始まったようですね。



#9163 
T/O 2012/07/08 02:22
りくにす様へ 骨? の件で

 りくにす様へ、6/27日のご質問について。
 骨の成分について、当時、法医学に関わっていた教官に
警察から捜査上の質問があったのか?
 ですが、無かったと思います。
 彼は検査技師でないですから。(確認は本人にとっていません)
 別な機会に、鑑識の人と話をした時に、聞いたのだと思います。
 骨粉? が出てきて騒ぎになったのは、
 教官の話(なにぶん2年前の雑談なので、仔細は覚えていない
のですが)によると、
 犯罪の遺体処理法の一つに、液体窒素などで凍結して、粉々に
砕いて畑に混ぜた…という事例があるそうでして。
 そんなこんなで騒ぎになった…という話をしていた記憶があります。
 骨粉としても、1世紀以上、土中にあった場合、人骨か他生物のものか
まで突き止めることができるものなのかどうかは解りません。
 教官が警察絡みの仕事していた時期は、DNA鑑定もいい加減なものだった
でしょうし。
 骨粉は肥料に混ぜて使われるので、その可能性はあったでしょうね。
 何を理由に「鎌倉期の人骨」と判断したのかは、残念ながら本人に訊かないと
解らないです。
 女子高の名称については、私の記述間違いです。済みません。

 骨粉は




#9162 
バラージ 2012/07/08 01:41
陽だまりの一休さん

 ちょっと遅くなりましたが、『陽だまりの樹』が終わりましたね。まあ、最後はうまくまとめたってところでしょうか。原作とは違うエピローグでしたが、それなりに余韻のある終わり方だったと思います。ただ、上野戦争はやはり予算的にしょぼくなってしまいましたが……。やはり予算的にも話数的にも大河ドラマのほうが向いてた、というかBS時代劇には向いてない作品でしたね。
 あと、実写になると主演俳優が出ない回があってはまずいので、万二郎と良庵がいっしょにいる場面がやたらと多くなってしまいますね。原作ではどっちかが出ずっぱりで、もう片方が長く出てこなかったりするんですが、そこはどうしても変えざるを得ないんでしょう(そこはたとえ大河ドラマであったとしても同じだと思う)。いっそのこと話数の少なさ的にも、良庵を完全な脇役に落として万二郎単独主人公で行くという方法(逆は物語構造上無理)もあったかと思いますが、さすがにそこまで思いきるのは無理か。

 『一休さん』はさほど期待してなかったのですが、意外と面白かったです。原作であるアニメの一休さんは、もうちょっと歳上で優等生的な子だったと記憶してるのですが、福くんの一休さんはちょっといたずらっ子ぽくなってましたね。将軍様はアニメでは一休さんにトンチで挑んでは負けて悔しがってる子供っぽいイメージですが、今回のドラマではちょっと立派な人物になってました。続編が作られたら、「やんちゃ姫」や「どちて坊や」も出してほしいところです。



#9161 
徹夜城(南北朝列伝もはやいとこ追加したいと思う管理人) 2012/07/07 21:40
史上最大の兄弟ゲンカ

>修史さん
 はじめまして。「南北朝列伝」その他、お楽しみいただいてるようで幸いです。
 「南北朝列伝」もまだまだまだまだ未完成でしてねー、とりあえずまず大河「太平記」の登場人物を網羅、軽く言及された人物も網羅、ときて今やってるのが「室町太平記」に出てきた人・関係者の網羅です。これを一通りやれば南北朝の有名人は網羅できるはずなのです。現在は他の作業で後回しになっちゃってますが、それらを片付けたら追加作業をしておきたいと思ってます。載せてない面白人物はまだまだおりますしね。

 その能力から政務全般を任されていた直義に実子が生まれてしまった、というのはやっぱり大きかったと思うのですね。直義本人の意図はともかく、尊氏や登子は確実に不安を覚えたはず。とくに北条氏の血統を伝える執念に燃えていたとしか思えない登子の意向はかなりあったんじゃないかと思ってます。
 また「列伝」を各氏族について見渡すとよくわかるのですが、この時代、兄弟ゲンカ、本流と庶流の総領権争いというのはどこの一族でも見られ、それがそれぞれの思惑で南朝北朝それぞれについたりするから長期かつ混乱した乱世が続いた原因です。そもそも天皇家じたいがそれをやっちゃってた(持明院統・大覚寺統それぞれでも分裂がある)のが大本の原因ですし、まとまりのよかったはずの足利家内部でも「直義の系統」が生まれてしまうとほぼ必然的にそうなってしまう宿命であったとも言えそうです。実際尊氏の子孫である京都将軍家と鎌倉公方家は延々対抗し続けますし、「庶流」とされる側も常に隙あらば本家をしのごうと動くのが当たり前の時代だった、ということです。

 米倉・黒田両氏の「直義説」に徹底的に抵抗してる美術史の人に宮島新一氏がおられますが、この方は例の「ザンバラ髪騎馬武者像」についても「やっぱり尊氏像」という見解らしいです。高師直かその息子かという説が有力視はされてるけど決定打がないのも確かなようです。ただ父親の肖像画の上に義詮がでっかく花押をおくのはやっぱり不自然だと思うんですけどね。



#9160 
修史 2012/07/06 07:11
はじめまして

管理人様、はじめまして。
いつも楽しく拝見しております。

南北朝時代についてはあまり詳しくないので、管理人様の「南北朝列伝」の詳細な人物辞典を興味深く楽しんでおります。

あの源頼朝像は、実は足利直義の像ではないのか…という説は最初新聞か何かで読んだ時かなりびっくりしたのを憶えています。
足利尊氏像とされている、刀をかついだざんばら髪の騎馬武者像についても、あれが高師直だといわれると腑に落ちます。
個人的には、高嶋政伸さんのイメージがまだまだ強いです。他に映像作品が作られない限り、これは不動ですね…。

直義といえば、二人三脚で天下を取った尊氏・直義兄弟がかなり晩年になってから対立した理由がいまひとつわからなかったのですが、「南北朝列伝」の直義の項を読んで、直義に待望の男子が誕生したことを知りました。
それは確かに、尊氏にとってはなんとも…な心境だったかもしれませんね。もし自分が直義より先に死んだら、義詮はどうなるのか…懐の深い尊氏といえども、不安を抱いてもおかしくなかったのではないかと。基氏も一時的に直義の養子となっていたとすると、実父より伯父派だったと考えられますね…。
「兄弟は他人の始まり」と言うとおり、古今東西の権力争いにおいて、血縁関係って絆であると同時に仇になりえますね。

観応の擾乱は知名度は高くないですが日本史上最大の兄弟喧嘩(同母兄弟による)だったといえるのではないでしょうか。

長文失礼いたしました。




#9159 
徹夜城(時節柄また忙しくなってきた管理人) 2012/07/05 23:08
「歴史映像名画座」更新。

 今日の午後に「歴史映像名画座」、更新しました。あれこれと6本ほど。こちらの伝言板に書き込みのあった「一休さん」もしっかりチェックしておりまして、割と素早く追加してあります。
 その「一休さん」ですが、基本的に昔のアニメの実写ドラマ化なんですよね。そのアニメの方はちっとも見たことがないので比較もほとんどできないのですけど、東山紀之さんが演じたせいか義満がかなり「名君」な印象になってました。勘合貿易の件に伝染病の特効薬をからめるところなんかはあからさまにフィクションですが、君臣関係を結んだ「朝貢貿易」という点にも軽く触れてはおりました。
 一休が後小松天皇の子、というのはかなり確実視されてる話ではあるのですが、当サイト「室町太平記」をお読みになればお分かりのように、その後小松には「実は義満の子」説があったりします(海音寺潮五郎なんて断言してたな)。だとするとあれはおじいちゃんと孫のやりとりということになり、なかなか深い話なのでありますよ(笑)。ま、ドラマの方はむしろ「父と子」の雰囲気でしたが。

 ところで黒田日出男さんの新著「国宝神護寺三像とは何か」(角川選書)が刊行されてました。かねて予告されていた、教科書で長らくおなじみのいわゆる「源頼朝像」が実は「足利直義像」であることを論証した本です。予告よりちいっと遅れましたが、発売になって嬉しい。しかし当初予告されていた「足利直義像」というタイトルはやめたんですね(出版元の要請じゃないかなぁ)。
 この説自体はもう20年ぐらい言われている説で、その広がりもあってか最近では教科書類でもあの絵を「頼朝」とは断言しなくなってきてます(「伝」をつけたりする)。今度の本では絵そのものの素材も断定材料に加え、観応の擾乱の直義についての考察もあって南北朝ファンには読み応えあり。とくに僕も「南北朝列伝」で書いていた、直義の妻が四十過ぎてから実子を生んでしまったことが観応の擾乱の大きな要因の一つ、とする記述があってウンウンとうなずいたところです。

>Eugenieさん
 う〜ん、「最近の大河」とひとくくりにされましても。僕は「風林火山」や「平清盛」なんかは評価してる方ですが、「江」やら「天地人」なんかは批判的、というように作品ごとに意見は異なります。まぁそういう僕がやってるサイトですから傾向として似たような意見の方が書き込むかな、という気はしますけど、「アンチ最近の大河」というのはひとからげにしすぎでしょう。
 まぁネット上見まわしていると、何かというと古い大河やドラマを高評価して最近のものをけなす傾向が目に付くのは確かです。ただそれって書き込む年齢層の問題のようで、結局自分が感受性の強い時期に見たものをやたらに美化してしまうということもあると思うのですね。僕自身は昔の大河でも何でもいいとは思ってませんし、僕が一番見た時期のものだって当時はトレンディ大河だの学芸会だの言われていたものです。
 視聴者うんぬんのことですが、これは一つには「時代劇・歴史劇の基礎知識」が昔に比べて視聴者側に少ないということはあると思うんです。だから見せる側も工夫が必要になるのですけど、残念ながら最近では作り手でも知ってる人からすると「非常識」なことをやっちゃってるのは目につくのです。戦国ものや幕末ものだと一定の知識があるんでなんとかなるけどそうでない時代になるとかなり厳しいのは昔も今も一緒ですが…。「清盛」なんかはその中で頑張ってると僕は思うのですけど、世間の風が冷たいのは事実なので、そこは寂しいな、と思うわけです。
 あと「文句があるなら自分で作れ」は、プロでない人相手には禁句だと思います。作れるなら僕だっていくらでも作りたいです(笑)。ま、「ムロタイ」でそういうことをしちゃったわけですが、それこそ企画が通らないよなぁ。



#9158 
黒駒 2012/07/03 14:21
最近の大河について

>Eugenieさん
私は別に「アンチ最近の大河」でもありません。Eugenieさんのおっしゃられるように大河の変化も時代の変化で、大河ドラマの変遷そのものが「歴史」であるなぁと思っています。ただ、昔の大河は冒頭のアヴァンタイトル部分を歴史解説に当てたり、狂言回し役を登場させて歴史解説をさせていたりと、昔の大河はNHK的な見て楽しむだけではなくためになる、一種の「教養」であったように思えます。最近はアヴァンタイトル部分をドラマやドラマそのものの解説に当てていて、教養からエンターティメントに変遷しているなぁと、常々感じています。



#9157 
アジアのバカ大将 2012/07/03 12:57
平清盛、今回はBLなし

吉川・平家物語では、はっきり書いてある
後白河上皇と藤原信頼のBL関係が、今回も
NHK大河ドラマでは、スルーされたようです
ね。
そもそも平治の乱当時、上皇32歳、
信頼27歳なのに、俳優は忘れましたが
信頼役はおっさんですね。まったく
色っぽくありません。
せっかく、保元の乱の前に、藤原頼長と
清盛の弟とのBLが描かれていて、
「ああ、ちゃんと男色関係も出てくる
んだ」と、感心していたのですが、
やはり、やんごとなき方の変態ぶりは
まずいようですね。
信西の諫言(信頼を楊貴妃にみたてた)
で、性的なものをにおわせては
いましたが、歴史にくわしくない視聴、
者には分からないでしょう。



#9156 
Eugenie 2012/07/03 04:34
今の視聴者と製作者に対して失礼ではないでしょうか?

何かここの掲示板は「アンチ最近の大河」の人が多いようですね。時代が変わると視聴者の好みも変わるので平易になってしまっているのも仕方がないのでは?今の視聴者だってちゃんと話を理解しようと努力して歴史に興味を持つ人もいますよ。それに、話を理解しようとしない人=馬鹿ではないと思うので、勝手な思い込みです。
文句があるのなら自分で自分の好み、要望にあったドラマを作ればいいじゃないですか!
そもそも製作者やこういう物を好む視聴者より叩いている視聴者の方が責められるべきでは?自己中心的で大人げなさすぎです。



#9155 
ひで 2012/07/01 00:17
難しいものですね…

>平清盛
個人的にはそれ程難しい、と言う風には思っていませんが、結構前に張った伏線が今になってからつながっているところもあるので、前から見ていないと難しい部分はあるかもしれません。これからどうなるかが楽しみだったりしますが。

>史点
聖人の遺骨については、まあよくわかりませんからねえ。どこの馬の骨としれぬものを聖人の遺骨としてあつかっていることも十分あり得そうですし。聖人の遺骨がらみだと、昨年読んだ本のなかで、ヴェネツィアに持って行かれた聖マルコの遺体がひょっとしたらアレクサンドロス大王のミイラじゃね?という説があるというのを見たことはありますが、まあどうなんでしょうねえ。多分違うとは思いますが…。

http://historia334.web.fc2.com/index.html


#9154 
黒駒 2012/06/30 20:59
平清盛

視聴率低迷ですが、確かに一般的に馴染みの時代ではあるのでしょうけど、物語の構造自体はオーソドックスな大河ドラマのように思えるのですよね。ながらで見ていても話がわからなくなることはないような。どうも、言ってしまえば、最近の視聴者は話を理解するための努力をしたくないのではと思ってしまいます。大河ドラマって、歴史を学ぶほどわかる部分が出てくるものであったと思うのですが、どうも最近は平易に平易になってしまっていますね。



#9153 
nakaikiiti - omoinokakera 2012/06/30 17:53
平清盛VS源義朝

大河ドラマ平清盛がいよいよ平治の乱になります。視聴率が低迷しても面白いです。



#9152 
nakaikiiti - omoinokakera 2012/06/30 17:52
平清盛VS源義朝

大河ドラマ平清盛がいよいよ平治の乱になります。視聴率が低迷しても面白いです。



#9151 
ましろ色シンフォニー男子 2012/06/30 17:33
一休さん

鈴木福くん主演の「一休さん」今夜放送されます。徹夜城さん、このドラマをぜひ歴史映像名画座に。



#9150 
Eugenie 2012/06/30 16:33
エルミタージュ美術館展

フランス革命200年目にルイ16世の再審が行われたのですか。当初は民衆も国王を処刑するつもりでなかったので無罪になるのも当然の流れな感じがします。

国王になったタイミングが悪かったからあのような結果になったのだと思います。

ただ、ヴァレンヌ事件がなければフランスは立憲王政に移行していたでしょうね。

あるいは逃亡が成功していれば王政廃止→国王夫妻は処刑を免れるが謀反人として帰国出来ない、という流れになっていたかと。

もし上記の事が起こっていたらベルばらやシュテファン・ツヴァイクの『マリー・アントワネット』は生まれなかった?

話は変わりますが、先日現在六本木の国立新美術館で開催中の「大エルミタージュ美術館展」に行って来ました。16世紀から20世紀までのヨーロッパの絵画が勢ぞろいで、とても良かったです。よくもまあ、これだけ多くの品を集めたものです。
エカテリーナ2世恐るべし!彼女の肖像画の音声ガイド(ナレーションは渡辺謙の娘の杏)で「彼女なしにロシアにこれだけの美術品は集まらなかったでしょう。」と言っていました。東京での開催は7月16日か19日までだったと思うのでご興味があれば是非。



#9149 
りくにす 2012/06/27 20:08
続・鎌倉の「骨?」のこと。

遅くなりましたが、T/Oさまレスありがとうございます。
本当に骨の成分で、警察から問い合わせがあったのですか?
考えてみれば骨の形がなくなったとしても成分まで消滅するわけではないのですよね。
場所柄埋められた人骨と考えたくなりそうですが、魚粉や牛骨粉などの肥料だったということはないのでしょうか。いちゃもんつけてるみたいですね。すみません。
他の古戦場跡などでも同様のことがあるのでしょうか。
…私は北鎌倉周辺しかよく知らないので鎌倉女学園と鎌倉女学院の両方があることを知りませんでした。管理人様のおっしゃる簡易裁判所の人骨は刀傷や死後ついたと思われる犬の歯形が残っていたそうですが、雨ざらしになっていた骨もあるんでしょうね。



#9148 
徹夜城(科学博物館を久々に全部まわった管理人) 2012/06/21 23:05
インカ帝国展を見てきました。

 気が付いたら東京での開催は6月24日までということで、今日上野の科学博物館へスパッと行って見てきました。
 最近どうもこの手の展覧会の混み方が尋常じゃないような…終盤に近い平日に行ってこれかい、という混み具合でした。もっとも入場待ち時間がなかっただけマシだったらしいですが。
 インカ、マチュピチュという素材が興味を呼ぶのだろうとは思いますが、団塊世代のリタイアがかなり影響してるんじゃなかろうか…なんてことも考えてしまいました。展示内容はまぁこんなものかな、というものでそれほど盛りだくさんというわけでもなく(地味にいいものがある感じかな)、一番の見せ場がマチュピチュの3D映像(ナレーションは現在の大河の源義朝)という感想でした。
 ついでに科学博物館の常設展示もまんべんなく見て回り、2時間ばかりの散歩になりました。子供の時から恐竜博があると足を運んでいたところなんですが、新館ができてからえらい様変わりで。最近は今回みたいに古代文明ものの展示が多い気がしますね。


>黒駒さん
情報有難うございます。忘れがちですが、足利氏は栃木県出身なんですよねぇ。尊氏当人は来たことがあるかすら怪しいとみられてますけど。それにしても栃木県立博物館というのが少々行きにくそうなところで。

>バラージさん
 中国ドラマは原音のみではさすがに理解度40%台ぐらいで見ることになっちゃいますね。ただありがたいことに中国って方言の差が激しいためテレビドラマでは中国語字幕をつけることが多いのです。そこは漢字の偉大さ、簡体字さえ分かっていれば中国語字幕は割と簡単に読んで意味を理解することができます。youtubeなんかにも中国の歴史ドラマ映画がよくアップされちゃってますが、おかげでだいたい話が分かります。

>さちこぷたーさん
 「ケマル・アタチュルク」のページを読んでいただきありがとうございます。あれで興味を持っていただければ書いたかいがあったというものです。
 他にも同じように感想をいただいたケースが何度かあるのですが、ケマルのことを扱ってるサイトはそう多くないようで、検索かけるとかなり上位にひっかかるようですね。日本ではトルコ関係の書籍自体が少ないんですが、ケマルの本格評伝も僕が参考にした「ケマル・パシャ伝」ぐらいしかないような気がします。
 「しりとり」の新作をただいま執筆中。長年止まってたこのコーナーですけど、せめて月イチ連載ぐらいにはしたいな、と考えております。

>Eugenieさん
 池田理代子さんもあの時代を描いたもともとの動機が「マリー・アントワネット」の伝記を読んだことにあったそうですからね。同情的に描くのも無理のないところでしょう。
 フランス革命200年のときに「ルイ16世裁判」の「再審」が行われ、無罪判決が出ていた覚えがあります。まぁこの手の企画は最初から結論が見えてるようなところがありますし。それにしてもその年の終盤になってヨーロッパの一国の「君主」が処刑される場面をテレビで見ることになろうとは思いませんでした。



#9147 
Eugenie 2012/06/20 01:57
ベルサイユのばら

この漫画の影響でヴェルサイユ宮殿に観光客が殺到したり、池田理代子先生がフランス文化の振興に貢献したということで賞をもらったらしいのでそれなりに需要はあるかと思います。ただ、マリー・アントワネットを美化し過ぎと批判もあると聞きます。向こうでは外国人で反革命派だったことから評価が低いようなので。でも、最近はルイ16世とともに再評価されつつあります。

彼女とフランス革命、ハプスブルク家に関しては色々と書籍を読んでいるのでかなり詳しいです。

アンリ・トロワイヤの『大帝ピョートル』は私も読んだことがあります。
『エカテリーナ』は原作版は未読ですが、そちらの方も読んでみたいと思います。



#9146 
さちこぷたー 2012/06/19 16:38
ケマル・アタチュルク

ケマル・アタチュルクについて調べていたら、こちらにたどりつきました。
来週からトルコ旅行に行くので、下調べの一環です。
一応、高校のときに世界史を選択したはずなのに、
アタチュルクさんのことは初耳でした。
連れて行ってくれる叔母にも道中話してあげたいと思い、ノートに全て
書き写しました!とても勉強になりました、ありがとうございます。

http://ameblo.jp/doronkohappy/


#9145 
バラージ 2012/06/17 14:23
明のドラマ

 『大明王朝 嘉靖帝と海瑞』、中国のオリジナル版を持ってらしたんですか! 中国語もおわかりになられるんでしょうか? 御見それいたしました。『大明帝国 朱元璋』も『大明王朝』も確かにレンタル店ではもう見かけません。連続テレビドラマはスペースを取るので、回転率の悪いものはすぐ撤去されちゃうようですね。
 『永楽英雄伝』は最近のもののようでまだレンタル店で見かけます。ただ前にも書いたように、主人公は蛮公主という架空のお姫様で、歴史ドラマではなく武侠ドラマのようです。



#9144 
黒駒 2012/06/17 13:00
尊氏の企画展

やや先の話ですが、この秋に栃木県立博物館で「足利尊氏」展が開催される模様です。

http://www.shimotsuke.co.jp/town/region/central/utsunomiya/news/20120614/805271



#9143 
徹夜城(明日は映画館でも行こうと企む管理人) 2012/06/14 00:04
ベルばら

>Eugenieさん
 いまルパンの新作の原書から読んでるもので、改めてフランス語を基礎からやり直そうか…と思いつつ図書館のフランス語コーナーを見たらその「ベルばらで学ぶフランス語」が目についちゃったんですよね。「ベルばら」全編を仏語化しているわけではなく、漫画の中の簡単な会話を仏語訳して基本文法を学ぶ、という内容になってます。基本からかなり忘れていた僕なんかにはちょうどいいかな、と思ったところで。ただ確かに「ベルばら」を素材には使ってますが、とくに「ベルばら」でなくてもよさそうな内容というのも事実です。

 「ベルサイユのばら」はかなり最近(というか、実は昨年)になって読んだという僕なんですが、かなり面白く読んだのは確かです。やはり歴史ものですからねぇ。主人公の設定自体に疑問を感じなくはないのですけど、それを言っちゃあ、というものですし。池田理代子さんの他の歴史物はそのうち手を出そうとは思ってます。「エカテリーナ」はアンリ・トロワイヤのほうでピョートル大帝と続けて読んだことがあります。
 このマンガ、舞台となるフランスでの需要はどうなのかなぁ…と以前から思ってまして。アニメ版は世界中でやっててかなり知られてるらしいんですがね。日本での社会現象的ブームを受けて本国フランスで実写映画化もされちゃってるのですけど、評判はかなり悪く、興味は持ちつつもDVD買ってまで見ようとはしていない現状です。



#9142 
アジアのバカ大将 2012/06/12 14:29
「ベルバラ」は男の子が読んでもおもしろい?

少なくとも、発表当時は男の子でも
おもしろかったと思います。
長編で歴史もので、ストーリーが
劇的で、絵もまずまず、登場人物
に個性もあったからです。
年下の従妹が、掲載誌を毎週購読し
ていました。たまに遊びに行って
読みだすと、とまらなくなった記憶
があります。



#9141 
Eugenie 2012/06/11 19:30
薔薇は美しく散る

『ベルサイユのばらで学ぶフランス語』なんて本があるのですか。日本製の海外舞台の作品で現地語を学ぶのって面白い発想ですね。
原文にはシトワイヤン(市民)レーヌ(王妃)などの単語が出て来ましたね。

あの作品は男性が読んでも面白いのでしょうか?(この掲示板の利用者のほとんどが男性だと思われるので)同じ原作者の『栄光のナポレオン−エロイカ』『女帝エカテリーナ』(アンリ・トロワイヤのエカテリーナ2世の伝記が原作)『天の涯まで−ポーランド秘史』(ポーランド分割を描く)などは男性が読んでも面白いと思いますが。







#9140 
徹夜城(やっぱり理系の話は弱い管理人) 2012/06/10 16:51
修正しました。

>天武さん
ご指摘どうもありがとうございます。「300km」ってのをどこかで聞きかじってて、なんとなく時速と思い込んでいたんですね。なんか遅すぎるような気はしたんですが、宇宙のスケールの前にどうでもよくなっちゃったみたいで、チェックし忘れました。先ほど直してあります。例えを何か他のものに変えようかな、と思ったんですが、身近なもので秒速300kmってのが思いつかなかったです。

>バラージさん
 BS時代劇、いつのまにか「次」が「薄桜記」と発表されていたんですね。気がつきませんでした。このタイトル、確かに以前にも映像化されているようですが、歴史劇って感じではないですねぇ。
 明代のドラマの話ですが、「朱元璋」は以前近所のTSUTAYAにおいてあったものの、数話見ただけで撤去されてしまい、続きを見損ねてます。「永楽帝」のほうは存在自体知らなかった…その調子なら鄭和なんかも作ってそうですね。
 「大明王朝・嘉靖帝と海端」は実はオリジナル版を所有しておりまして…当然全部中国語のやつ。これもずいぶん前に中国行った方に買っていただいたんですが、どうしても先へ進めず、途中までしか見てません。倭寇関係者も結構出てくるんで興味はあるのですけど、内容がかなり地味なんですよねぇ…日本で言うと江戸後期、寛政の改革あたりの政治ドラマと思っていただくと近いかも。日本版も出てたんですね。

 そうそう、先週からNHK衛星で「キングダム」のアニメが始まってますね。これは第一回からチェックを入れております。アニメの歴史物というと「へうげもの」なんかもありますが、これはついつい最初に手を出さなかったもので、まだごく一部しか見てません。



#9139 
天武 2012/06/10 13:45
アンドロメダ銀河の接近速度

はじめまして。数年前から史点を愛読させて頂いています。

ちょっと気になる点がありましたので初書き込みさせていただきます。
今回の史点でアンドロメダ銀河の接近速度が時速300kmと新幹線並みの・・・
となっていますが恐らく秒速300kmの間違いではないかと思います。

アンドロメダ銀河の接近速度は研究者によって物凄く差が激しいみたいですが
大体公表されているものは時速10万km〜100万kmの範囲に収まるようです。

相対速度が時速300kmでは天文学的には完全停止していると言っていいほどの超極低速で、
230万光年という距離を考えるとまっすぐ直進しても「衝突」するのに8兆年以上の時間を必要としてしまいます。

そんな遠距離にあるものが肉眼で見えるというのが驚きですが東京では無理な話・・・



#9138 
バラージ 2012/06/09 12:53
次のBS時代劇は

 山本耕史主演の『薄桜記』らしいですよ。『猿飛三世』はその次みたいです。『薄桜記』というと昔に市川雷蔵が主演した映画というくらいにしか知らなかったのですが、基本フィクションではあるものの、ちょい忠臣蔵と関係してる話みたいですね。山本耕史は『陽炎の辻』や『平清盛』でも好演でしたが、『薄桜記』は個人的には女優陣が魅力薄だし、忠臣蔵にもあまり興味がないんで微妙。

 『陽だまりの樹』は原作通りのラストでしょう。綾をカットしたら後半がお話にならなくなっちゃいますから、出てきて当然。個人的には、あのマンガにおける主人公2人に次ぐ重要人物は5人のヒロインだと思うんで。なのでお紺がカットされたのは何とも残念なんですが、それこそラストのお紺どうするんだろ? おせきか綾かおつねにするんだろうか?

 倭寇といえば明の時代。というわけで明の時代を舞台とした中国のテレビドラマをいくつかご紹介。といっても前にも言った通り、長いので僕は観てません。しかし韓国ばかりでなく中国の歴史ドラマもレンタル店に増えてきましたねえ。
 まず『大明帝国 朱元璋』。タイトル通り初代皇帝朱元璋の一代記。倭寇は出てこないみたいです。次に『永楽英雄伝』。タイトルを見ると永楽帝が主人公みたいに思えますが、永楽帝の娘の蛮公主というお姫様(多分架空の人物)が主人公。コメディタッチの時代劇のようで、パッケージ裏に「おてんば娘に永楽帝もお手上げ!」みたいなキャッチコピーが書いてありました(笑)。これも多分倭寇は出てきません。最後に『大明王朝 嘉靖帝と海瑞』。これは倭寇が出てくる可能性あり。戚継光という人も出てくるようです。



#9137 
徹夜城(「ベルサイユのばらで学ぶフランス語」なんて本を借りて読んでる管理人) 2012/06/08 14:44
倭寇映像がまたひとつ?

 「史点」ネタだなぁ、と思ったのですが、タイミングが悪く今回のには入れませんでした。次回も入れるかどうか微妙なので、ここに書いておきます。
 日本でも一部の中国ネタ報道で出たようですが、中国で6月1日の「児童節」に「戚継光英雄伝」なるアニメ映画が公開され、そのあまりの出来の悪さに非難ゴーゴーだという話題が。あの「人民日報」が報じたというんでさっきウェブ版を覗いてみましたら、なるほど、結構記事が出ておりました。
 戚継光とは何者か知らない方に説明しておきますと、明代の16世紀中ごろに活躍した武将で、倭寇やモンゴルとの戦いで知られる「民族英雄」です。このサイトの「俺たちゃ海賊!」コーナーの「海上史列伝」にも簡単な伝記を載せてます。その誰でも知る英雄を主人公に子供向けアニメを作ったということなんですが、予告編公開の時点で「なんだこりゃ!」と大騒ぎになったそうで。論より証拠、youtubeに転載されていた映像はこちら。

http://www.youtube.com/watch?v=VEvPQSmwz40

 倭寇の描かれ方が「純日本人」そのまんまのイメージなのはまぁ昔からそうなのでしょうがないかな、と。戦国日本人の描写としてはまだマシなほうかと思いましたしね。ただこんな戦国武者そのまんまの恰好で後期倭寇やってたとはとても思えません。その編のイメージ打破のためにも全然続きを書いてない小説「鳳」とかなんとかしなきゃいけないんですけど(汗)。
 ま、それは別にして、確かにこりゃひどい。「FLASHかよ」というツッコミが中国ネット上で広まっているそうで。これを劇場公開してカネとるのか、というレベルですね。さらに問題なのはこのアニメ映画、通常のアニメに比べて何倍もの予算がかかっていて「いったい何に使ったんだ?」という点で。
 最近日本でも放送していた三国志のアニメなんかは(日本側の予算・技術関与もあるとはいえ)結構出来が良かっただけに、こういうことしていてはいけませんねぇ。


>平清盛
 この関連レスはひとまとめに。
 僕自身は結構面白く見ているんですが、保元の乱の展開が個人レベルの争いばかりに焦点がいってみんな一騎打ち状態で戦ってるのがちょっと…。確かにまだ一騎打ち時代の話ではありますし、日本の時代劇では今に始まったことではないのですけど、今回のは逆の意味で分かりやす過ぎるというか…。
 叔父の忠正の描き方は、これまでのほとんどの大河と同じで、「結局は戦うけれど実は理解しあってるんだよ」的な描写になってますねぇ。「太平記」だと尊氏と義貞の描写に近いというか。忠正についてはいささか引っ張りすぎという気もしましたけど、存在感は確かにありました。これで「ふっきれる」ことになるのかどうか…もっとも清盛って平治の乱でもかなり甘めでしたけどね。

>BS時代劇
 「陽だまりの樹」、他の脇役キャラを削りながら綾だけ出てくるということは、もしかしてハッピーエンド化を狙ってるんじゃなかろうか…原作漫画もやや唐突な終わり方なんですけどね。
 そうそう、次のBS時代劇が発表になりました。今回は原作なしのオリジナルで、「猿飛三世」だそうです(金子成人作)。「ルパン三世」から思いついたとしか思えませんが(笑)、あの猿飛佐助の孫が服部半蔵の孫とやりあうといった内容らしい。金子成人さんといえば「真田太平記」脚本もやってて微妙につながりがありますが…
 バラージさんもご指摘でしたが、BS時代劇の位置づけは「大河ドラマ」と「娯楽時代劇」の中間あたりを狙っているのではないかと。もっとも「猿飛三世」とくると、その線からも外れてきたかな。

>T/Oさん
 列挙なさった映画・ドラマのお話、よく言われる話ですしまったく異論がないのですけど…「反証」というのは?僕が読み返した限り、「細かいディティールを大事にした作品は売れない」なんてことを主張した方は誰もいないと思うのですが。そこまでの話はあくまで歴史劇・時代劇における時代考証・再現の難しさと(あなたが「間違ってる」と思ったものが実は正しいというケースもあるわけで)、実際のところガチガチに「正確」に描いたところで売れるかどうかは無関係、というぐらいの主張だったと思います。
 列挙なさった映画・ドラマに関していえば、確かにディテールの「正確さ」は売れる一つの要素にはなると思いますが(それは明らかに評価を高めます)、絶対十分条件ではないと思います。結局は映画・ドラマとして「よくできていたかどうか」が重要でしょう。
 たとえば、このところ僕が「仁義なき戦い」シリーズを見返していたのでヤクザ映画を例にとりますが(笑)、「仁義なき戦い」は初めての実録に基づいてリアルなヤクザ社会を描いて大ヒットになった作品ですけど、それ以前の実態とはまるでかけ離れた任侠ヤクザ映画が大ウケしていたこともまた事実なのです。「仁義なき戦い」なんてのはヤクザ映画全体からみればかなり異端の存在で、だからこそ大ヒットし、また名作として評価されてますけど、じゃあリアルであるだけで当たったかというとそうでもない。実際そのあとまた揺れ戻しでリアルからはかけ離れたものがヒットしていくことになりました。

 「七人の侍」についてですが、確かに現在の歴史学の観点ではあの村の百姓たちは自力で軍事組織化して野武士たちと戦ってしまうはず、ということなんですね。映画のなかでは武士と百姓がはっきりと峻別され(あい交わることは結局ないし)、武士たちが哀れな百姓たちを守ってやる、という姿勢(予告編でハッキリ言ってる)が黒澤の思い描く「理想の武士」だったみたいなんですが…
 ただあの映画、もともとは「徹底的にリアルな武士を描く」ことを意図して企画が始まってるだけに相当に正確なのは事実。最初は江戸時代の武士の一日を描く予定が戦国時代の武者修行に変わり、そのうち旅の武士たちが実際に村の用心棒をしてその日の飯にありついていたという事実が見つかって「これだ!」と映画にしちゃったもので、全くの絵空事というわけでもない。侍集めの部分でも江戸時代のものとはいえ武芸者列伝からエピソードをいただいちゃってますし。日本刀が実はそう何人も斬れるものではなく、取り換え取り換え戦うというのもこの映画の見せどころになってますが、これも実際に残るエピソードの拝借ですよね。
 百姓たちの描写にしても、実は武器もちゃんと隠し持ってるし、しっかり落ち武者狩りでひと稼ぎもしている。自力で組織化できなかっただけのことで実は結構戦闘的な百姓たちだと思います。このあたりも相当に調べて作ってるんじゃないかと。同時期の歴史学でもここまでやっていたかどうか(ともすれば農民を理想化しがちだったかと)。その意味でも恐るべき作品だと思ってます。
 黒澤のリアリティ追及は「用心棒」なんかでも発揮されてますが、結構遊ぶところは遊んでるんで、これは説得力のあるディティール設定がストーリーテリングのうまさとかみ合ったということでしょう。ただ一方で、こういう「リアル系」な時代劇が出てきたことがそれまでの「時代劇全盛期」を終わらせてしまった、というのもまた事実だったりします。
 最近誰かの時代劇本で読んだ話で、黒澤明は「用心棒」でそれまでの舞踏のようなチャンバラはおかしいとして「必殺の一撃」+「念のため二度目のとどめ」の形にしたんですが、ある研究者によると実際のチャンバラは案外舞踏的だった、という話もあるそうで。まぁ達人レベルなら一太刀、二太刀でケリをつけたのかもしれませんけど、ちょうといま「風雲児たち」でやってる桜田門外の変の描写なんか読んでると、実際の斬りあいはかなりカオスなものみたいです。



#9136 
ひで 2012/06/06 00:35
気がつけばもう6月、半分がすぎたか。

>叔父を斬る
これまでの流れからすると、甘さを捨て去る通過儀礼のような感じになるんじゃないかなと思っています。ここまでに到る流れを、よく言えば丁寧に描いてきた(もうちょっと甘いところは早く脱却して欲しかったなあと思う所もあるんですが…)、その辺の一つの区切りが叔父の処刑ということになるのかな。

今年の大河ドラマは、忠正おじさん含め、清盛の周りにいる脇役も可能な限り丁寧に描くというところはいいなとおもいますが、時々歴史の流れとか全体像が分からなくなるときがあるのはちょっとどうかなと(保元の乱もその気配があったし)。ま、ここ数年あまりに酷いのが多かったから、それと比べたら数段良いです。

今年の大河、戦国/幕末と比べてなじみが薄い時代で、なんだか似たような格好した人達がいっぱい出てきてよく分からないということが低視聴率の一因になっているのは確かですね。その他、画面がちょっと見にくいとか汚いなんていうのも言われてましたが、画面が少々見づらいのは、コーンスターチのまきすぎでしょう。いっそ、クレジットのトップにでも持ってきますか、と言いたくなる回もありました。主役より存在感をはなっているときがおおかったですからねえ…。

http://historia334.web.fc2.com/index.html


#9135 
バラージ 2012/06/05 15:20
BS時代劇

 書き忘れましたが、『陽だまりの樹』は大塚千弘ちゃん演じる綾が登場。彼女はわりと好きな女優の一人なんで今後も楽しみです。期待通り好演でしたし、今回はわりとお話もまとまっていたかなあ。

 しかしBS時代劇って、地上波時代劇の時と比べて歴史色が強すぎないですかね? 『新選組血風録』『塚原卜伝』はもろに歴史ものですし、『テンペスト』『陽だまりの樹』も歴史テイストが強い作品です。もうちょっと純粋に時代劇でもいいんじゃないかな? 歴史色を強くすると、予算的に厳しいような気がします。



#9133 
バラージ 2012/06/05 15:12
大河ドラマ

 大河で足利義満主人公というのは、一応いつかはやることを考えてはいるんでしょうけどねえ。室町舞台の『花の乱』が最低視聴率だったのが痛かったですかね。あれ、『北条時宗』をはるかに上回る無茶なストーリーだったからなあ。歴史ドラマっていうより伝奇ドラマのテイストでした。あくまで「伝奇ドラマ」という枠で見れば、それなりにいい作品ではあるんでしょうけど、歴史ドラマとしてはトンデモとしか言いようがない作品でした。一般的に大河ではマイナーな時代になるほどトンデモストーリーになっちゃう傾向があるような。『炎立つ』の義経北行説なんかもなんだかなあでした。

 『平清盛』は、僕はこの時代がマニアックに好きなので、「おお、この人も出てきた」「あ、この人はこの役者さんが演じるんだ」とかマニアックに喜んでおりますが、同時に「あまり知らない人にはわかりにくいだろうな〜」と感じておりました。登場人物が多いし、人物関係も複雑だし、状況も複雑ですし。個々の役者さんは皆素晴らしいんだけどな〜。あとは裏番組の強さとかも厳しいですかね。僕も去年は『イッテQ』とか『アカン警察』とか見てたし。そういや大河の裏番組では、昔『元気が出るテレビ』も見てたなあ。

 『八重の桜』は、僕も朝ドラテイストになりそうな気がしますね。会津戦争は朝ドラで描かれる太平洋戦争みたいな感じになりそうな。震災応援企画ですから、「困難を乗り越えていく女性」という側面が強調されそうな気がします。綾瀬はるかさんの時代劇というと『JIN 仁』の好演が記憶に新しいですが、時期的に大河主演抜擢に影響を与えたかは微妙かな? 今度映画にもなる『ホタルノヒカリ』の影響のほうが大きいですかね? そういえば『篤姫』が発表されたときには、フジで当たった『大奥』(菅野美穂演じる天障院が主人公)の便乗企画かよっ!とツッコミを入れたのですが、『大奥』にハマった人が『篤姫』に流れたという側面もあるかもしれませんね。無論宮崎あおい主演の朝ドラ『純情きらり』から流れた人も多いでしょうが。



#9132 
T/O 2012/06/05 01:13


 ドラマのリアリティについて。
 「歴史」に関係ない話ですが、いきがかり上、例をいくつかあげて反証したいと思います。
 歴史の監修が全てでないのはわかります。
 昔、黒澤明の「七人の侍」に感心いたしましたが、「雑兵たちの戦場」なる歴史家の
本を読んだ後では、あそこに描かれる「百姓」がぜんぜんリアルでないのが解ります。
通説は変わるものでしょうし、その時点での正論は後世で通らないことも多いでしょう。ヒストリーチャンネルじゃないんでしょうし。
 しかし、細かい(一般人に解らないディテーテール)部分を大事にした作品が、
「売れない」というのはいかがなものでしょう?

「鋼の錬金術師」ってマンガは若い方ならご存知でしょう。
 あれ、「鋼の魔術師」だったら、間違いなく「売れなかった」と版元も言っています。ちら…とですが、東洋の「煉丹術」が出てきて、西洋の錬金術と戦う時に、
以下のような要素が出ていたと思います。
 西欧が原子論(原子…それ以上、分割できない要素)を元に術が組み立てられ、
対する東洋が「五行論…全ての物質が陰陽と、木火土金水の要素に還元される。
しかし、これらは流転する性質を持ち、特定的ではない。陰→陽→陰のように変わる」ということを、さらっとですが描いていた記憶があります。
 ようするに大人が読んでも破綻してない。
 子供たちは、「子供だましでないファンタジー」と知って熱中したのでないでしょうか?

 ドラマなら「踊る大捜査線」など。
 黒澤の「野良犬」いらいの刑事ドラマの定番を全てひっくり返した作品ですが、
あえて視聴者に「解りにくい」ディティールを多用していました。
 ○刑事警察と公安警察の捜査の違い。
 ○ローラーをかける…70年安保に学生運動した人でもなければ、解る言葉と思えま  せん。
 ○所轄と本庁。
 ○ 容疑者・犯人を「マル被」と呼び、逮捕を「確保」と呼ぶこと。
 ○管理官制度と警察庁と警視庁の関係。
  他にも山ほどありますが、
 「犯人逮捕!」といわず「マル被確保!」と20時代のドラマで言わせる
ことじたい、マニアックですよね。
 しかし、この作品は大ヒットしました。(全編のシナリオを担当した方は
トレンディドラマのライターでした)
 実際、小学生からお年寄りまでヒットした(ロードショーに孫連れのお年寄りが
沢山いましたよ)作品です。
 でも、これ最初に口コミで流行らせたのは、「マル被確保!」に受けたような、
軍事だの警察だの大好き系のマニアな中年男性たちだったのですよ。
(脚本家が著書でちゃんと書いています。スパ誌のインタビューにも)

 映画なら、「ワイルドスピード」の最初のやつ。
 ストリートでゼロ4レースを繰り返すヴィン・ビーゼル率いる高速道路の強盗団に、
レース好きの刑事が潜入捜査するお話でした。
 いかにも「ハードボイルドなピカレスク・ヒーロー」のビーゼルが、主役の潜入刑事
と合流するエピソードで、刑事が運転する車に乗って追跡してくるパトカーを振り切る
シーンがあります。
 この時、硬派な悪のヒーローで、無敵の非合法レーサーのビーゼルが、怯えるように、後部座席から前のシートを掴んで身を硬くする描写があります。
 常識から観れば、これから売り出そうとする悪のヒーローの「恐れ」を、それも彼の
得意技で示すのは、一般客に対してマイナスになります。
 にも関わらず描かれた。
 何故でしょう?
 それは彼のドライブテクニックが高速走行で直線を奔るもの(本業のハイウェイ強盗も重たいトラックを高速車で追うものです)だからで、
 それは犯人追跡に車を使う警官(潜入刑事)のテクとは異なるものだからです。
 車を知らない人ならピンとこない。
 事実、ペーパードライバーの私には、「走り屋」の若い知人に説明されるまで
理解できませんでした。
 でも、そういう細かい部分を大事に描いていたから、ストリートレースという
カルチャーをする若い世代に受け、結果として大ヒットしたのでしょう。

 趣味や嗜好が多様化した現代では、コア層にフックするというのは、単なる
「マニア受け」でない副産物を産みます。
 
 或いは「ダイハード」はいかがです?
 あれの最初の映画は、たまたま武装した犯罪者に占拠されたビルにまぎれこんだ中年の刑事が、外部のパトロール警官と「無線だけ」の支援を受けながら、戦う話です。
 観て、変なもの感じませんでした?
 主役の刑事をサポートする、しがない中年警官が、警察署長とぶつかってまで、ヒーローをかばうじゃないですか。日本社会ならありえない。
 あれも実はファンタジーじゃないんです。
 アメリカの警察制度と、有事の際の指揮権について、かなり詳しい洞察をしています。結論から言うと、アメリカでは、民間人であろうと、下っ端であろうと、有事に際しては、「第一発見者が指揮権を持つ」という西部開拓以来の伝統があります。
 そして、警察・消防・軍隊などの公的機関が登場したからも、第一発見者は、オブザーバーとして、その指揮官と同列に「意見が言える」って法的制度があるんです。
 だから、あの警官は上司の所長に真っ向から反対できるのです。
 むろん普通のアメリカ人は、そんなこと知りませんでしょうけど。
 後半、FBIの登場以後、彼が姿を消すのは、連邦警察(国家警察)という上部機関が登場したことで、自治体レベルの(署長も警官も)関与ができなくなった為です。
 そういう事情を作品の中で説明していませんが、それでも「一般の人たち」に大ヒットしましたよね?
 細かいことにこだわる作品は売れないというのは、それは「巨人・大鵬・玉子焼き」
のように、大多数の人が同じ欲望と夢と希望を持った時代(高度成長期など)の話であって、私は現代には逆に通用しないと思います。








果たしてそうでしょうか?


#9131 
奥野 2012/06/04 22:15
久々の大河

こちらではご無沙汰しております。しばらくぶりに書き込ませていただきます。
前も同じようなことを書いたと思うのですが、古式床しい歴史系サイトの掲示板が今も存続していて、しかも賑わい続けているところは、よそではもう少ないんじゃないでしょうか。ネットの世界も変動に次ぐ変動ですからねえ。僕なんかには、こういう掲示板は何とも懐かしいというか、落ち着きを感じます。

同じくらい久し振りに大河も視聴しています。といってもここ数回だけですが。「やたらに人気がない」「実は非常に面白い」という両極端な声が聞こえてきたので、どんなものだか見てみようという気になったのです。

結論から先に言いますと、なかなか面白いと思いました。とはいえ保元の乱という山場の一つですから、タイミングがよかっただけなのかもしれませんが。
主人公はきれいごとを言いすぎ。まあ、主人公だから仕方ないのかな。ただ、一族だの家族だのの「絆」を過剰に押しつけてくるようで辟易します。来週の叔父を処刑する場面はどう処理するのでしょうか。多少、自縄自縛になっている感あり。そう考えると、直義の毒殺をきっちり真正面から描き切った「太平記」は凄かったと思います。
戦闘シーンのリアリティについて云々するつもりはありませんが(そもそも実際の戦闘を見たことがないので)、ただ騎射があまり表現されていなかったのは残念です。勿論、技術的に難しいのは百も承知なのですが。戦国時代の大合戦などよりはるかに再現困難な戦闘方式かもしれません。これが精密に再現できれば、平安・鎌倉もののドラマを作る上で大きな呼び物になるでしょうにね。しかし現代人に騎射を習得させる手間を考えると…CGしかないのか?

様々な氏族で展開される骨肉の争いも、ドラマの素材として巧みに脚本の中へ取り入れられていると思いました。ただ、如何せん同時多発的に色んなことが起きすぎる。「分かりにくい」と批判されるのも不思議はないと思います。でも、それは脚本のせいでも何でもないのだけれど…
しかし、これだけ多くの「お家騒動」が重なるというのも、考えてみれば大変なことだと思います。応仁の乱の時と似たような状況でしょうか。そんな偶然がきっかけで戦乱は起きるし、大河の視聴率にも響いてくるわけだから、不条理としか言いようのない話ではあります。

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/6218/


#9130 
徹夜城(そろそろ倭寇コーナーもなんとかしなきゃとは思っている管理人) 2012/06/04 13:47
北山の義満がヒガシとは…

 「一休さん」の義満、東山紀之だそうで…アニメのノリでやるらしかったのに、これにはちょっとビックリ。かつて光源氏も演じた東山さんだけに、華やかな女性関係をもった室町版光源氏だった義満(実際当時そう言われてます…天皇が実は息子、とささやかれることも含めて)を演じるというのはどこかしら縁を感じてしまいます。
 義満で大河、って話ぐらいはあると思うんですよね。ただハードルがいくつかあり…清盛で低視聴率とあれこれ叩かれる状況だとなおさら手を出さない気がします。


>T/Oさん
 すでに何人かの方がお書きになってますが、映像作品というのはまず映画・ドラマとして作ることが優先であって、「時代考証」はかなり二の次なのが実態です。そいうかガチガチに時代考証した作品で傑作とされるものはそう多くはありません。そして大河ドラマの時代考証担当というのも発言力はかなり低く、引き受けた人も迷惑がってるケースが多い気がします(とくにあまり取り扱われない時代が描かれる場合)。近年ますます時代考証の発言力が低くなってる、という噂もあります。
 時代考証といいましても、じゃあセリフを当時のままに再現できるかというと、それは絶対にないんですね。現代人にはわかんなくなっちゃいますから(戦国ごろでも日本語は結構変わってます)。学者の方がタッチするのは主に「史実」との乖離が極端にないかチェックする程度でしょう(それでも最近無茶が多い)。衣装や背景など美術方面の考証はまた別の人がやりますし、こちらはそこそこ正確を期してはいるようです。ただ「太平記」の時は専門家も資料が少ないので想像で埋めた、という話はしてました。

 戦闘の考証はなおさら難しいんですよね。前も書いたことですが、洋の東西の時代劇で定番の騎馬戦なんてほとんど大ウソですから。だいたい世界中サラブレッドだらけになっちゃってるから馬自体まるで違いますし。といってどうしようもないけど。
 「北条時宗」の元寇の合戦場面のことですが…ボウガン描写については僕もあまり記憶にないので何とも言えませんが、日本軍がわが水際で不利な戦い方をしている、というのは一応史実を背景にしてるような。二度目の襲来時にはちゃんと防塁作って一歩引いたところに高い防御線を張ったわけで、それはドラマでも再現していたはず。

 毒矢の件は僕も面白いと思ってます。アイヌ人は中世でも戦闘で毒矢を使ってますし、鎌倉武士たちも存在自体は知ってました。元寇のモンゴル軍も使ってましたし、日本でも…ということがありそうなのですが、どうも実例を聞いたことがない。何でもありのゲリラ戦を展開した楠木正成とか悪党連中でも毒矢の例は聞かないです。それは「禁じ手」という意識があったのか、それとも毒自体の入手が難しかったのか(どうもこっちのような気も…)は分かりません。

 日本将棋の「持ち駒」の特殊ルールはよく話題にのぼりますね。やはり同民族同士の戦いだから…なんて意見もあるんですけど、それもどうかと。「駒が敵味方で同じ作りだから」という説もあるそうですが、中国将棋もそうだったような。持ち駒ルールがいつ発生したのかは諸説あって確定できないですが、室町以後はほぼ間違いなくあったんじゃないかという話です。


>Eugenieさん
 「北条時宗」は創作部分でおもいっきり無茶やりましたからねぇ…。北条時輔が実は生きてて逃亡してる、って話じたいは本当にあったそうですが、ありゃもう自由自在でしたし(笑)。もっとも日蓮が博多に駆け付けて嵐を巻き起こし元軍を覆滅してしまう昔の映画よりはずっとおとなしいですけど(笑)。
 「八重の桜」は前半は日テレ「白虎隊」でやったような会津戦争、後半は「春の波濤」のような女性史もの、という形になるんじゃないかなぁ。西田敏行が西郷頼母だそうですが、「白虎隊」では同役を里見浩太郎が演じていて、西郷隆盛に続いて役がかぶってしまいました。西田さん、「白虎隊」では別の役で出てましたけどね。「薩長の行く末を見守ってやる!」とか言いながら切腹するという。
 ンクルマをご覧いただきありがとうございます。ネット検索でもあのページが上位に来ちゃってるところを見ると取り上げてるところはやっぱり少ないようですねぇ。ケマル=アタチュルクとかジョルダーノ=ブルーノでも同様で、まぁそういうマイナーどころを狙うのが僕の好みでもあります。もっとも次回は知名度ならかなり高めですね。しかし生涯はあまり知られてない、ってところかと。


>kinkarasuさん
ご指摘ありがとうございます!まず「海上史」のコーナーをご覧になっていただけただけで感謝感激。
そうですか、ということは「明史日本伝」なんですね。それはかえって灯台もと暗しといいますか…あれも自分の関心部分だけ目を通して最初からちゃんと読んでなかったもんですから…
「海上史事件簿」もずいぶんほったらかしてますし、そろそろなんとかします(書きかけのはあるんです)。あと「史料室」も他にいろいろネタはありますので、追加はしたいと思ってます。




#9129 
kinkarasu 2012/06/04 10:52
「寿安鎮国の山」について

海上史史料室の鄭舜功『日本一鑑』窮河話海・流逋の条(その1)にある

>(注3)義満が永楽2年に使者を派遣したことは事実だが、ここにある永楽帝が日本の山に命名を行い石碑まで建てさせたという話は、今のところ筆者は他史料では確認していない。

これではないですか?


>翌年(一四〇六年)正月、成祖は重ねて侍郎の兪士吉を日本に遣わし、日本国王に国書を
>届け、今回の事件についての日本側の処置をほめ、手厚い贈り物を賜わった。そして、日本
>国のある山を封じて「寿安鎮国の山」と命名し、成祖みずから碑文をつくって石碑をその山
>頂に立てさせた。

倭国伝 中国正史に描かれた日本 全訳注 藤堂明保・竹田晃・影山輝國(講談社学術文庫)p403



#9128 
Eugenie 2012/06/03 18:28
訂正

訂正 後半の明治編→後半と思われる明治編



#9127 
Eugenie 2012/06/03 11:15
ドラマと時代考証

確かにバラージさんのおっしゃる通り、大河ドラマに限らず、ドラマや映画は作品として面白いか、絵になるかどうかが優先されていると思います。だから、時代考証とか史実に忠実であるとかそういうのは重要でないのでしょうね。T/Oさん、鎌倉の元寇が出てくる大河って「北条時宗」のことですよね?あれは私が初めて見た大河でしたが、合戦シーンは迫力がありましたが、ドラマの出来は...という印象でした。

来年の「八重の桜」は朝ドラテイストの明るい雰囲気の作品になりそうな気がします。
お姫様主人公じゃないので地味な感じがしますが、後半の明治編では洋装が楽しめそうですし、会津藩から見た戊辰戦争もみっちりやりそうな気がします。

話変わってしりとり人物館ですが、ンクルマは初めて知りました。次の「ま」で始まる人物といえばマルコ・ポーロ、マキャベリ、マルクス、マッカーサー、マリア・テレジア、マリー・アントワネット、前田利家、松平定信、間宮林蔵などいっぱいいますね。



#9126 
T/O 2012/06/02 23:51
為朝って、平家物語の時代の人なんですね。

 バラージさま、大河ドラマに登場していると知りませんでした。
 私、テレビはニュースとドキュメンタリーしか観ないのもですから。済みません。
実はその時代の人だって、今、貴兄の書き込みで知ったのです。
 実は明治維新以前の日本史は、ほとんど解らないのです。勉強になりました。



#9125 
2012/06/02 23:42
将棋の違い

 バラージさま、制作上の都合が優先されるであろう旨は最初に書いてありますが。
 私も大手出版社のマンガ原作賞を受賞したことがあり、製作現場に関わったこと
があります。故に読者、視聴者の目線に合わせる…ことは送り手側の問題として知っているつもりです。
 ただそれだけなら「原作屋」などいらないわけで(マンガ家さんオンリーで連載できる方が、版権、管理の問題上、都合が良いのです)、少なくとも最低限のリアリズムを失わないために「監修」や「原作屋」が存在します。
 石弓と弓矢の弾道は細か過ぎだったと思います。
 ただ集団で戦う時に、わざわざ「低い位置」で集まる…は、軍事的というよりも、
子供のケンカレベルで考えても、不利な戦い方です。プロの監修があるにしては、
随分とずさんな考察だと思わざる得ませんでした。
 その程度のことなら、マンガ業界なら編集者につっこまれると思いますが。
 改行についてはなるべく気をつけるよういたします。
 ストロークが長くなる時は改行を頻繁にする癖がついてしまっているので。
 ただ、携帯でのメールが当たり前になった現代では、ワンストロークで一気
に読めるよりも、改行を頻繁にした方が読みやすいとする人もおります。
 無神経にやっていたわけでないのはご承知おきください。


○将棋に詳しい方がおられましたら、御意見をいただければ幸いです。

 病院勤務していた時代、中国人の看護学生に、シャンチー(中国将棋)を習いました。日本の将棋と似て異なるボードゲームです。

 先ず駒が我・敵で二週類あります。
 駒に書かれた字の色が違う。
 さらに駒の役割(動き)は同じですが、我・敵
で字が違う。
 
ex) 卒←→兵 、象←→相、 士←→仕、 師←→将 …など。

 盤上には河が流れていて(笑)、 楚河、漢界 と書かれています。
 渡河できる駒と、できない駒がある。
 駒の升目でなく、線の交点に駒を置く。
 王宮エリアがあり、そこから出られないコマがある。
 …など細かい差異は沢山あるのですが、最大の差はコマが「取り捨て」なことだと
思われます。
 その点で(コマの動きといい)チェスにそっくりだと思いました。

 日本将棋は、捕獲した駒を再使用できるのがルールであります。
 シャンチーを教わった彼が言うには、チェスだけでなく、インドのチャトランガなど、多くの「将棋型ボードゲーム」が「捕獲=殺」のルールだそうです。
 日本に将棋が伝わって、いつの間にか「再使用型」になったと思うのですが、
それがいつ頃で、何故なのか解る方はおられますか?
 ちなみに、私が沖縄で働いていた時、当地で観た沖縄式のゲーム(沖縄将棋?)
は、シャンチーと似たルールでありました。



#9124 
バラージ 2012/06/02 23:15
源為朝

 ちょうど先週の『平清盛』でそこが描かれてたんですがご覧にならなかったのでしょうか? 為朝と戦う側の兄義朝が火攻めをしてましたよね。もっとも為朝の武勇は『保元物語』に描かれているもので、軍記物語特有の誇張があると考えられますが。

 毒矢は確かに武器としては使われていませんね(アイヌやマタギが狩猟で使ったりはしたようですが)。僕もあまりその辺は詳しくありませんが、wikipediaでもちょっとだけ触れられているようです。



#9123 
バラージ 2012/06/02 23:01
そもさん! せっぱ!

 『一休さん』のキャストが一部追加発表されたみたいですね。蜷川新右衛門が成宮寛貴、足利義満が東山紀之、一休の母・伊予の局が安田成美とのこと。東山紀之はこないだの映画『源氏物語 千年の謎』では藤原道長をやってたなあ。見てないけど。

 NHKの番組は見てないんですが、未解決事件といえば三億円事件にとどめを刺すんじゃないでしょうか。なんというか謎だらけの事件ですよね。人々の興味をそそるからか、映画やドラマにも結構なってますが、ほとんどが想像で埋めなきゃならないんで、作品によって全然違うお話になってるのが面白いところ。

 女性or夫婦大河で高い平均視聴率を取ったのは基本的に橋田壽賀子脚本作品ばかりなんですよね(『おんな太閤記』31.8%、『いのち』29.3%、『春日局』32.4%)。他は26.3%の『草燃える』を除くと、『三姉妹』19.1%、『春の波涛』18.2%、『花の乱』14.1%(ワースト記録)といずれも低視聴率。僕が『利家とまつ』を見たときに思ったのは、橋田壽賀子アゲインだなということでした。だから『利家とまつ』『功名が辻』が近年では高い視聴率を取ったのは別に不思議ではありません。『篤姫』は橋田テイストとちょっと違うような気がしますが、視聴率が取れないと言われた幕末もので、近年最高の視聴率ですから、やはり時代や題材はあまり関係ないのだと思います。橋田さんだって『渡鬼』は好き嫌いが分かれる作品だと思いますが、最後まで高視聴率でしたし、そういうのが好きな人が高視聴率に貢献したんだと思います。例えとしては変かもしれませんが、本格サスペンス好きが2時間サスペンスの荒唐無稽ぶりやお約束の展開に文句を言ってもが高い人気を誇るのと同じようなもんなんではないかと。
 橋田さんといえば『おしん』が映画化って話が出てましたね。なぜ今さら?という気もしますが。

>T/Oさん
 時代考証がすべてを決定するわけではないでしょう。大河ドラマに限らず、映画やドラマはまず映画・ドラマとして面白いか、絵になるかなどが優先されるのであって、時代考証の意見のほうが退けられることもありますし、逆に時代考証が意見を求められることだってあるので、必要ではあるでしょう。
 それと申し訳ないのですが、あなたの言ってるような軍事的なことが分かる視聴者、気になる、こだわる視聴者はほとんどいないように思います。僕も全く知りませんでしたし、感覚的にもおかしいと感じなかったので、さほど気にもなりません。なので製作者側(時代考証ではなく)もあまり厳密に考える必要がないのだと思います。
 あと、あなたの文章は改行が頻繁すぎてちょっと読みづらいです。改行はほどほどにお願いします。



#9122 
T/O 2012/06/02 22:37
追記です

 弓矢のこと書いていて思うたのですが、
 日本の戦争の話で、毒矢ってあまり使われた
話をききませんね。
 鎧を少しでも貫けば、効果は絶大に思えますが。
 中国の講談を読むと(三国史とか水滸伝とか)
あんがい使っている気がいたしますが。
 やはり武士の美学に反するのでしょうか?

 源(平だったかもしれませんが)為朝とか言う
弓矢の達人が、寺だか屋敷の門で弓を構えると、
100発100中で、一発で相手を絶命させる
威力があるので、敵は落とせなかった…とか聞いた
ことがあります。
 なんで後ろにまわって、火を建物につけるとか、
後方から切り込まないのだろう?
 不思議に思ったことがあります。
 中世の武士とか、やはり現代人とはまるで違う
価値観で戦争をしていたのでしょうか?



#9121 
T/O 2012/06/02 22:18
時代考証について

 歴史に弱い人間が言うのも何なのですが…
 大河ドラマとかの「時代考証」って、そんな
に大したものなのでしょうか?
 予算や製作現場の事情に左右されるでしょう
し、時間とお金をかけて再現しても、それが
視聴者を混乱させる原因にもなりかねません。

 私があまりプロの時代考証を信用しなくな
ったのは大河ドラマでした。
 数年前に鎌倉の元寇が出てくる大河をちら
観しました。
 元の艦隊が九州の海に敵前上陸してくる
シーンだったのですが。
 母船から小船(?)に移乗して、海岸線
に並ぶ日本兵に向ってくるのですが、
 小船からボウガンを撃ってくるのです。
 射的してみれば解りますが、
 小銃型のボウガンは弓の部分が横向きで、
矢を銃型の本体に乗せるので、上下動で狙い
が崩れやすいのです。(水平軸に発射装置がある)
 構造的に似ているスリングショット(パチンコ)
も、狩猟に使う時は、実はY字型の本体を横にして、
弦の部分を縦に開いて放ちます。
 一方の弓矢は発射する部位が縦軸ですから、
上下動に比較的に強い。
 小船で湾に突入すれば、波の上下動を受けるの
は必至ですから、こういう状況で石弓で、弓矢に
対峙するとは思えません。
 
 一方の迎え撃つ鎌倉武士軍も、なぜか浜の波打
ち際に陣を引いて迎討とうとします。
 上陸してくる相手を矢で討つなら、砂浜の
盛り上がった砂丘の上で陣を構えるのが戦の
常道でしょう。
 矢の飛距離は短くなりますが。

 西欧のアーチェリーが弓の左側から矢を放つの
に対して(弾道が直線的で近場をまっすぐ狙うの
に有利)、和弓やアジアの弓は右側から射るので、
放物線を描いて遠距離を飛ばすのに有利です。
(33間堂の通し矢を見れば解ります)
 わざわざ波打ち際に出て、直線的に狙う必要
はないと思われます。

 硫黄島でも、ノルマンディーでも、敵前上陸
してくる敵には、海岸線から一歩ひいて、相手を
見下ろせる場所から射撃するのが常道でした。
 いくら弓で中世だからといえ、
 わざわざ砂浜を降りて、低い位置で迎え撃つ
のは、時代考証の方が、そもそも戦というものを
理解してないのでないかと疑った所存です。

 その当時の人の衣服や言葉や習慣はただしいのか
もしれません。
 しかし、戦争を描いていて、どう考えても、
両軍が「わざわざ不利な戦い方」をする演出を見て
いて、時代考証とか、それほど真面目にやっていな
いのでは? と疑いを持ちました。



#9120 
徹夜城(フランス語解読に没頭する管理人) 2012/05/30 21:10
英語のスペルまでフランス語読みしてしまう

 えー、なんでタイトルのような事態になってるかといえば、一部NHK海外ニュースで報道されたように、アルセーヌ=ルパンの新作がフランスで発売になり、その原書を現在必死に読んでいるため。他作家のパスティシュ(模作)ではありません、モーリス=ルブラン本人が生前に書いたものの未発表になっていたものが、死後70年にして世に送り出されたのであります。
 日本でいつ翻訳が出るかわからないので(フランス以外では日本で一番出そうではありますね)、ルパンサイトやってる以上先に読まねば…とフランス・アマゾンで原書を注文、ただいま辞書とネット自動翻訳を頼りに必死に読んでるわけです(^^;)。
 いきなり序章でルパンのご先祖の将軍とナポレオン1世の対話が!訳してて歴史好きの立場でゾクゾクしましたね、これには。読み進まないとなんともいえないのですが、どうも英仏両国の歴史に関わる秘密がある本に書かれていて、それをめぐってルパンとイギリス諜報部(007?)が対決すると、そういう話らしいのです。

 さてそんなわけで忙しい日々を送っているのですが(笑)、その合間をぬって映画の「テルマエ・ロマエ」を見てきました。近日中に「歴史映像名画座」に入れておこうと。もちろん「タイムスリップ」の部門で(笑)。ハドリアヌス帝とかアントニヌス・ピウスとか実在人物も出てきますもんね。古代ローマ人を全部日本人が演じるわけですが、ハリウッドのローマ帝国ものだって結構無茶してますから。阿部寛はじめ「日本人離れした濃い顔」の男優さんを集めておりますねぇ(笑)。阿部寛は「坂の上の雲」で秋山好古役でしたが、この人も西洋人に見間違えられたという風貌だったとかで、キャスティングを聞いたときはバッチリと思ったもんです(笑)。

 歴史映像の話といえば、先日のNHKの「未公開事件」の第二弾「オウム真理教事件」のドラマ部分にはやはり見入ってしまいました…こういうの、気合入れて作らせるとNHKってのはやっぱり凄いな、と。ただ時間の都合もあり前回の「グリコ・森永」に比べると描き足りない部分も多かった気がします。本当に「未解決」の村井幹部刺殺とか警察庁長官狙撃なんかにはほとんど触れませんでしたし。
 さて、第三弾はあるのか。そしてあるとして何が取り上げられるのか。単に「世間を騒がせた」ならいくつか思い当たるのがありますが「未解決」がテーマですし…

さて、留守にしてる間に物凄い勢いで多岐にわたる話題が出てますが…とりあえず簡単にレスさせていただきます。


>鎌倉の骨
 これについて詳しくは知らないんですが、大量に骨が出たことはあって鎌倉陥落時のものではないか、という話はあったはず。確認がとれるものかは分かりませんが…日本の土壌では骨が溶けちゃう、というのはよく聞く話ではありますが、条件によって中世の骨はそこそこ出るようですし、弥生・縄文の出土例もありますので(僕の近所の貝塚で100体も出ちゃいましたし)、完全になくなるにはもっと時間がかかるのでは?ちょうど最近旧石器捏造問題の書籍をいろいろ読んでるんですが、これも骨そのものが日本では残らないのが発覚しなかった原因の一つではあるんですよね。

>Eugenieさん
女主人公大河、といえば来年の「八重の桜」も主要キャストが今日一斉に出ましたね。素材が素材だけに視聴率的に苦戦が予想されますが、人気どころを集めれば…ということなのかな。
大河ドラマの歴史を振り返れば初期の「三姉妹」とか、70年代の「草燃える」「おんな太閤記」とか、「春日局」「花の乱」など、女性主人公も初期からそこそこあったんですよね。このところの少々無理を感じる女主人公の傾向は「利家とまつ」から目立つと思うのですが、来年のはもともと自立した女性像ということもあってまた違った傾向になるかもしれません。

>カプランさん
 その大河ドラマ考証の本、噂だけはネット上で見ていて、まだ手に取ってません。面白そうなのでそのうち読むと思いますが。
 大河ドラマの時代考証を担当された方がその舞台裏をちょこっと書いてくれた例として、実はその「太平記」の永原慶二先生の例もあるのです。一般向けの中世史の本のなかでちらっとだけなんですけどね。「太平記」の場合、吉川英治の小説があり、さらに脚本家の創作が加わるので、口の出し方がちと難しかったようなことは書かれてました。あくまでドラマの創作部分には口を出さず、脚本を読んで時代的に「明らかにおかしい」ところは修正させる、という作業だったといいます。それでも第一回に出てきた悪党描写が「ただの山賊」みたいになってることには苦言を呈していたような。
 あと、「炎立つ」の時代考証を担当した入間田宣夫さんの本もありました。劇中「竹トンボ」が出てきたので「あれって江戸時代じゃなかったっけ?」と思い、スタッフ一同必死に調べた結果鎌倉時代の鎌倉にあった例があるらしいとつきとめ、それならOKということになった、という話を書いてました。あと原作者の意向で義経が逃亡に成功することになっていたのに断固反対し、ドラマとしてはうやむやにしたという話も。

>石弓
日本では石弓(弩)の話はとんと聞かないですねぇ…南北朝時代の戦闘でもあくまで長弓ばかりのようですし。以前南北朝関係の本で弓の威力の検証をしたものがありましたが、そこでは水の入ったバケツをブチ抜いたり、板を数枚貫通させたりといった写真が掲載されてました。



#9119 
バラージ 2012/05/30 12:58


 日本における弩・クロスボウ(石弓は別の物のようです)については、wikipediaの「弩」の記事や、「弓 (武器)」の記事の「日本における弩・クロスボウ」の項目にわかりやすくまとめてあるので、そちらを参照されるのがよろしいでしょう。



#9118 
T/O 2012/05/30 00:34
楠正成とか石弓使わなかったんですか?

 正成(でいいのかな漢字)が
 千早城とかに篭って、大軍と
戦う…に興奮した思い出があります。
 大軍相手なのでしょうから、遠距離から
飛道具を使うか、
 ベトナム戦争時のゲリラみたいにトラップ
を使ったと思います。
 しかし、絵を見ると、
 石弓や投石器を使った形跡が観られません。
 ボウガンは装填に手間がかかりますが、
威力は大したものであります。
 一度、実験いたしましたら、車のサイドドア
を貫通し、反対のドアに突き刺さりました。
 紀元前に発明されているものですから、
日本の武士にも伝わっていると思うのですが、
南北朝では使われなかったのでしょうか?
 戦国なら鉄砲が出てくるので仕方ないですが、
あの時代に陣地から敵を狙うには最適な気がする
んですけど。



#9117 
T/O 2012/05/30 00:08
りくにす様へ2

 骨粉? の件で。
 骨…我々が思い浮かべる、死んだ後の石みたい
に硬い骨は、カルシウム塩(リン酸カルシウム)
ですね。生きている骨は色々ありますが、
 死後に土中に何年も埋まっていた骨は、その
無機質分しか残らないはずでした。
 すると粉末になろうと、年月を経ようと、
セピア色に染まるものなのでしょうか?
 化学の知識に欠けるので、どんなものかと
思いました。
 私が画家の随筆で読んだり、教官と話した
(なにぶん2年以上前の雑談ですので)粒子
と、私が観た粒子は「別物」かもしれません。




#9116 
T/O 2012/05/29 20:44
りくにす様へ

 骨粉? についてのお話です。
 季節…春に見受けられるというのは、
 グランドの整備や、周辺での道路工事が
その季節に多かった…という記憶からの
曖昧な情報です。(3年ほど現地に住んだ
ことがあるので)
 たしか日本画家の方の随筆にも、同じ話
があるのを読んだ記憶がありますが、書名
が現時点では解りません。
 セピア色をした、チョーク片を粉々にし
たような(時々、粟の実大の小さな粒がま
じる)ものだったと記憶しています。
 大学で考古学を専攻したことのある同級
生は、貴兄と同様、日本の土壌は骨が残り
にくい性質があることから、やはり疑問視
していました。
 教官は法医学を専攻されてきた解剖医で
した。現在は系列の他校で教鞭を取ってお
られる為、お会いする機会がありませんが、
秋に学会でお目にかかると思うので、
 その時にまた話を聞いてみます。
 なにぶん、入学時の話であり、私が卒業
と国家試験を控えた3年なので、きちんと
覚えていないのです。済みません。
 たしか警察の鑑識の話がご一緒した際に
出まして、何かの捜査で土壌を分析した時
に、「何だこれは?」と騒ぎになって、
 骨なのだろう? と結論されたとか…
いう内容でした。
 教官は検査技師でないので、その分析に
関わった可能性は低いと思います。
 つまり又聞きの域は出ていないことになります。

 物理的、化学的な処理を行わない限り、大量の骨
が自然でそこまで風化するには100年単位の時間
経過が必要と思われます。
 日本人が食肉を大量消費するようになったのは近
年のことなので、それが家畜の骨である可能性は低い
と思い、なんとなく「人骨」の話に納得していたので
すが…
 また何らかの情報が入りましたら、続報いたします。
ただ、調べる時間的な余裕が今はなく、くだんの教官
に再会できる機会も、秋の学会か、来年の卒業時の謝
恩会に限られます。
 時間的な猶予をいただけたら…と思います。



#9115 
りくにす 2012/05/29 19:55
鎌倉大虐殺?「人骨」かもしれない粒子について

武術の話が盛り上がっているところ今さらですが、T/O様の22日の書き込みについてです。
私は国分寺で遺跡のアルバイトをしたことがありますが、人骨や木材は大抵溶けてなくなってしまう現場でした。関東ローム層の赤い土壌です。
もし万単位の人骨が埋まっていたとしても、毎年春先に出てくるようであればすでに土と同化してしまっているような気がします。解剖学の教官は成分を分析なさったりしたのでしょうか。
鎌倉には柔らかい凝灰岩を掘って作ったトンネルや洞窟が多く、貯蔵庫や防空壕として使われています。鎌倉女学院の周辺はよく知らないのですが、凝灰岩でしょうか。
人骨にしても凝灰岩にしても、春先にだけ現れるというのは不思議な気がします。
歴史的なことは存じませんので、詳しい方がおいでになると嬉しいのですが。



#9114 
バラージ 2012/05/29 00:05
時代考証なら……

 ちょろっと立ち読みしただけですが、大河ドラマ『平清盛』の時代考証を担当している本郷和人の『謎とき平清盛』(大河の本ではなく歴史の本です)の中で、今回の大河での時代考証について述べられている部分があり、なかなか面白かったです。そこに書かれていた本郷氏の時代考証に対するスタンスは基本的にまっとうなものだし、それが今回の大河にも表れてると感じました。
 大河関係の本では、鈴木嘉一『大河ドラマの50年』というのも面白かったですね。大河制作の裏話的なものですが、興味深かったです。



#9113 
カプラン 2012/05/27 21:56
大河BBSでも書きましたが

今晩は:ここに書き込みをするのは久しぶりです。
 『大河ドラマ 平清盛』は苦戦してますが、その間に(って、話のツマかよ^^)、面白い著書が出たので書いておきたいと思います。

・大石学・時代考証学会編『大河ドラマをつくるということ:時代考証学の提唱』(名著出版 '12年)

 まだパラ読み状態ですが、なかなか面白い内容かと思います。
 『大河ドラマ 龍馬伝』制作のエピソードを中心として叙述されていますが、実際にはそれ以外の大河ドラマにも色々と触れています。
 ただ、内容は一部学術色が強くなっておりますけれどもね…。(また、面白いというか変というか、この著書の叙述において、熱心に語っているのは学術研究者の方で、現場制作者の方はあんまりそうではないという印象が感じられる点(爆)。)

 まあ、『大河ドラマ 平清盛』の時代考証者と制作サイドの折り合いの悪さはネットの一部でもチョコチョコ語られているのですが(笑)、こういう状況下でこういう著書が出るというのも、何だか妙な感じがしないでもないです^^; (にしても、大河ドラマ『太平記』の時代考証って永原慶二氏だったんですよねえ…。凄いなあ…。)

あ、何だかだらだらと書きましたが、お邪魔しました<(_ _)>



#9112 
Eugenie 2012/05/26 17:43
女性主人公が増えた理由

>スペシャルドラマ「一休さん」
某テレビ雑誌で放映情報を知りました。成功すればシリーズ化か連ドラ化されるかもしれませんね。有名な屏風の虎のエピソードもやるのでしょうか?

決してこのサイトはアンチ戦国、三国志というわけではないのですね。済みませんでした。この2つに関するネタがほとんど出ないのでそう感じました。

大河ドラマですが、ほとんど21世紀になってからの作品しか見たことがなくて20世紀の作品は「独眼流政宗」と「武田信玄」をNHKの再放送でちょこっと見た位で余り詳しくありませんが、女性主人公が増えたのは今の時代、主にテレビの視聴率を支えているのが女性だからでしょうね。
今回の大河も時子主人公で「おんな平家物語」とかにしても良かったかもしれませんね。ただ最期が悲惨なので後半視聴率が下がりそうですが。



#9111 
T/O 2012/05/26 12:59
紀元前とは…

 アジアのバカ大将さま。
 紀元前ですか…さすがにそれは懐疑的に
なりますね。仰るように3〜4世紀としても。
 中国は分裂した動乱期ですから。
 動乱期に発展するのは武術の前に武器でしょう
 貴兄の言われるファンタジーの可能性が高いと
思われます。
 ただ、書かれるには全て嘘とも思えず、
貴兄の言われるように、相撲が殴る蹴るの打撃武
技だったのは事実なんだろうと思います。
 総合はギリシャやローマの時代にあった
と聞きますが、それが3世紀の日本に伝わった
とは思えないですし。
(伝播させたとしたら、アレクサンダーの東征
でしょうが、あれもインド停まりですし)
 何らかの創作と捉えるのが妥当と思います。
 色々と面白い話題ありがとうございました。

 






#9110 
アジアのバカ大将 2012/05/25 16:34
幻の武術があった?

T/O 様、

日本の剣術が整理、体系化されたのは
戦国時代。中国で太極拳が普及する
のが清朝初期です。これらの例から
いって、洗練された武術の誕生は、
だいたい近代だったとみられます。
野見宿禰は、日本書紀によると紀元前の
人です。日本書紀を別な読み方(天皇
の年齢を半分とする)でみても、3〜
4世紀の人です。千数百年も早く、より
洗練された技術があったとは思えません。
小生は、日本書紀執筆者のファンタジー
と疑っています。

ただ、人間が徒手空拳で行う技術です。
蒸気機関車をつくったり飛行船
を発明するよりは、編み出す可能性が
大いにあります。
華陀の麻酔のように、幻となって伝わ
っ技術があったのかもしれませんね。



#9109 
T/O 2012/05/24 21:39
確かに…

 アジアのバカ大将さま。
 仰るとおりでした。確かに現代の軍隊は
鎧を装備しません。
 根本条件が違いますね。
 なまじっか好きなので、つい見落としま
した。
 すると日本書紀の古代相撲の洗練は、
 ありのままに書かかれていない…か、
 洗練度の高い武術が存在したか…の
いずれかだと思います。
 ファンタジーであったというには、
どうもリアルな感じがいたします。
 脊椎を踏み折る描写などにですが。
 しかし、当時の中国にすら、それだ
け洗練された武術の記載がないのなら、
それは何処から来たのでしょう?

 鎧を着て戦う時代に、徒手空拳でそ
れだけの洗練された技を持つ…には、
洗練された技術体系が存在したはずですから。
 結局、中国しかないのでしょうか?
 中世までは中国は薬学・医学の世界の最先端
でした。3世紀に全身麻酔による開腹手術の記録
が残っていますし。(三国史)
 儒教ゆえにやらなかったと言われる解剖もかな
りしています。

 洗練された体術の確立と、人体に対する理解は
無関係でないと思われます。
 すると当時の医学・薬学の世界水準から見て、
中国から来た武術だった…と考えるのが妥当な
気がいたします。



#9108 
アジアのバカ大将 2012/05/24 15:14
鎧の問題

T/O様

ポイントは鎧着用の有無だと思います。

鎧を着ていなければ、刀や槍など
携帯武器に対抗することは
大変困難です。
打撃や組技をかけようとしても、
アウトレンジから切られたり、
突かれて致命傷を受けます。
流れ矢だって飛んできます。
一方、鎧を付けていれば、ジャスト
ミートされないかぎり、致命傷に
はなりません。いわゆる「肉(鎧)
を切らして、骨を切る」ことも可能
です。

現代の軍隊格闘技は、お互いが鎧を
着用していないことが前提ですから
技術的に別物でしょう。




#9107 
T/O 2012/05/23 22:19
そもそも打撃と当身に差がないのでは?

 アジアのバカ大将さま。
 面白い話題を書かせていただいて感謝いたします。
 私は貴兄のように有段者ではないですが、やはり
武術はかじった者です。
 自衛隊で銃剣格闘と徒手格闘を習い、
 除隊後に日本拳法を3年ならいました。
 最終階級は茶帯(1級)で、試合成績は
初段以下(8割は色帯)の部のトーナメントで
3回戦までいった程度です。
 本式に武道をやった方に正面から物を言える
立場でないのは承知ですが、同好の志と思い、
疑問点を提示させていただけないでしょうか?

 日拳は自衛隊格闘技のベースになった武道
ですが、防具とグローブを装着しての、ポイ
ント制フルコンタクトです。
 空手の系譜とは違い、柔術の当身を追求す
るために生まれた武術で、当身を捨て、投げ
に徹した柔道の逆を行ったといえます。
(グローブとヘッドギアの装着のため、
締めや關節や投げの多くを捨てざる得なかった)
 特徴として、四足状態の相手に対する膝蹴り、
押さえ込んでの突き蹴り、踏みつけが認められて
います。
(現実には空撃で…などの制約はあります。
ただ試合では当てていました。
 また胴部へのグランドでの膝、踏みつけ、パンチ
はルール内でした)
 1980年代までは、グランドでの打撃が有効と
いう点で、最も現代の総合に近い武技だったと思います。
(顔面突き、金的蹴りを認めた大道塾ですら、グランド
での打撃は禁じていました)
 これを元にした自衛隊格闘術では、
 相手の服を掴んでのパンチや蹴りを認めていました。
本式に「打撃」を学んだ方は、掴んで殴る…を嫌います
が、あれグランドでのパウンドと似ていて、
 相手の体がロックされるので、手打ちの突きでも効果
が大きいのですね。
 回し蹴りへの対応も習いましたが、
 これは遠心力で威力が最大になる前に、両手前腕で
ブロックして前に出て、受けた手で相手の片足を吊り上げ
る技でした。
 相手の片足をキャッチしたまま前進し、軸足に足を絡め
て大外刈りの要領で後方へ投げるのですが、
 その際に引き手(蹴り足をキャッチした手)と反対の
手で、掌底で相手の顎または咽を突きます。
 その勢いで倒すわけですが、(効かない時は顎をつかん
むか、咽輪で頭を押してバランスを崩す)
 いかがでしょう?
 こうなると「当身」だか「投げ」だか解らない技にな
っていないでしょうか?
 そもそも格闘技が当身や投げや關節や締めに分化したの
は最近の産物で、本来は一緒だったのでないでしょうか?

 銃格はなおさらで、柔剣道と違って、突くだけでなく、
銃床をつかって(肘打の要領で)殴りつけます。
 その際に足絡みをかけたり、相手の脛をストレートに
蹴ります。(銃を持つとミドルやハイは出せません)
 銃身を相手に絡めて、逆を取るとか、崩しに使うこと
すらあります。
 また、ストレートキックは空手のように中足を背屈した
要領で蹴るのでなく、45度に外転した形で、踵で蹴ります。
(ブーツを履くと中足を返せません)
 脛を直線で蹴ると完全に視界の外なので、受けようがなく、
大腿部を蹴ると(前の軸足ならば)膝関節が過伸展して、
膝蓋靭帯と外側側副靭帯と半月板に損傷を与えます。
 相手の軸足側の腰骨を蹴れば、体勢を崩して後方へ倒す
こともできました。
 これらは、蹴り(打撃)によるサブミッションや、
投げ(崩し)技といえないでしょうか?

 つまり、技は運用の仕方で、打撃にも逆にも投げ
にもなるのでないかと思う所以です。
 本来の闘技には、「打撃格闘」「組技格闘」など
の境目はなかったのでないでしょうか?
 ルールの制定によって、制限が与えられることで、
それぞれの技が専門化して、分化していったと考え
られませんでしょうか?
 色帯が有段者に問うのも僭越かもしれませんが、
最初に、軍隊(自衛隊は法律上は軍でないですが)
で格闘を習った者としては、かように思うのであります。
 いかがなものでしょうか?



#9106 
T/O 2012/05/23 21:34
追記

 渡来系の一団の人たちが、大陸もしくは
半島経由の「特殊武術を世襲した…」
 なんか出来損ないのマンガみたいですが…
 そもそも今の総合格闘技の隆盛の基盤にな
った「グレイシー柔術」にしてすら、
 講道館を飛び出し、海外で異種格闘戦を
繰り返した前田光代の武技を、
 グレイシー一族という血縁集団が、代々
に受けついで来たものでないでしょうか?
 インドにはタグと言われる、宗教的な理由
で旅人を絞殺する殺人集団が、19世紀に英国
の植民地軍に壊滅されるまで、400年にわたり
200万人を殺害したと言われています。
 彼らも宗教的理由から、刀槍での殺傷ができず、
コインを布に巻いた武器で絞殺する技を世襲で
受け継いでいたと言います。
 亡命者の一団が、そのような武技を自分たちの
間で伝承してもおかしくは無いと思うのですが。
 いかがでしょう?




#9105 
T/O 2012/05/23 21:20


 アジアのバカ大将さま。
 蹴速が蹴技を用いたのが理解できました。
 その時代、日本書紀に書かれた年代が何世紀か
存じませんが、「日本」の国号と「天皇」の名称
が確立したのは8世紀か9世紀ごろと習った記憶
がありますので、それ以後と想定できます。
 8〜9世紀頃にすでに中国拳法の体系があった
のか(たぶん唐の時代あたりですね?)は存じませんが、
あったのならば、二人とも帰化人だったと想定しては
いかがでしょう?
 半島あるいは大陸からの渡来人であれば、当時、
武術においても先進国から来ている人のはずであり、
日本列島の人間より洗練された技術を持っていた
可能性は高いのでないでしょうか?
 その時代、戦場の武器としては、相撲がいか
に優れた格闘技でも、弓矢や槍や馬などのメイン
ウェポンの補完的な武器であったと想定いたします。
 しかし、「帝国」を名乗るほどの(1000万人
単位の人口規模という意味です)国であれば、
 官僚集団と皇室を持っていたと考えられます。
 皇帝の前では(あるいは宮中で)帯刀が許され
ないケースもあり得るでしょう。
 将軍クラスで帯刀が許されなければ、護衛武官
準じた可能性は高い。
 このような状況下でも暗殺者は暗器を持ち込みます。
史記列伝の「刺客列伝」にあるように。
 すれば皇帝を守る武官には、徒手空拳で刺客と戦う
技を有した者がおり、彼らは石から産まれたわけでない
ので、そのような技術を伝達する集団(流派?)が存在
してもおかしくはないと思います。
 そのような一団に所属していた者が、政変その他の
理由により日本に渡ってきていたとすれば、渡来人の間
で伝承されていても不可解でないと考えます。
 つまり、二人の対決は「先進的な武術を学んだ渡来人
同志の戦い」と考えたらいかがでしょう?
 すべて私の妄想ではありますが、これなら技の「洗練度」
に解決が就きませんでしょうか?

 時代はまるで違いますが、合気道はそもそもは、どこかの
藩の藩主を守る護衛者の技だったと聞きます。
 空手は薩摩藩の支配を受け、武装を禁じられた琉球人が、
抵抗運動の武器として開発した…と言われます。
 私は(沖縄の方には悪いですが)、これは一種の地域
ナショナリズムから来た伝承で、空手の原型は、
 首里城で琉球王を守る護衛官の技なのでないかと疑って
います。
 その根拠は、空手の元になったティー(手)は、那覇手
であれ、首里手であれ、伝承者が高位の琉球武士の家柄ば
かりだかりだったからです。
 琉球王への謁見権を有する高級士族ばかり。
 これは民族抵抗運動の武器であったとするよりも、
宮中の護衛官が、職務上、一族で相伝した技術であったと
考える方が理があると思われます。
 いかがでしょうか? 

ともに帰化人だったのでないでしょうか?


#9104 
アジアのバカ大将 2012/05/23 13:00
相撲は打撃系格闘技だった

「南北朝の実戦格闘技は相撲」に続き、
相撲について、好き勝手な話をさせて
いただきます。
小生は、古代の相撲は、中国拳法系
の打撃格闘技だったと推理して
います(この件、前にカキコした
気がします)

その証拠に、かの野見宿禰と當麻蹶速
との対戦を考察してみましょう。
日本書紀によりますと、次の通りです。
「二人は向かいあって立ち、双方足を
上げて攻撃し合った。野見宿禰は、
當麻蹶速の肋骨を蹴り折り、ついに
腰を踏み曲げて殺した」
柔道、空手、柔術でそれぞれ2段以上
の小生が現代風に「翻訳」しますと、
この場面は、次のようにしか思えません。

「野見宿禰と當麻蹶速の試合は、
ハイキック(上段まわしげり)の
応酬ではじまった。(当然、双方
のガードは、首から上に集中する)。
そこへ、宿禰のミドルキック
(中段まわし蹴り)が、ノーガード
の蹶速の肋骨を蹴り折った。蹶速は
骨折部を防御しようとする(次の
攻撃で肋骨が肺につき刺されば
絶命するからです)。だが、宿禰の
攻撃は、肋骨ではなく、ガードが
空いた蹶速の首を狙った上段蹴り
だった。頚動脈にまわし蹴りを
受けた蹶速は、一瞬気を失い
ダウンする。宿禰は四つんばい
になり、立ち上がろうとする
蹶速の背後に回りる。相手から
自分が完全に見えない、絶好の
位置を取ったのです。宿禰は
かかとを高々と振り上げると、
蹶速の背骨と腰骨の接続部分へ
ものすごい勢いで落とし、両
骨を粉砕したのでした。蹶速は
即死したでしょう。
蹶速は、名前の通り、蹴り技が
得意だったと思われます。それ
に対し蹴りから、試合を開始し、
「いい蹴りだ。だが、俺の
方が上だ」と思わせ、ガードを
上げてのハイキック合戦に誘った
宿禰の作戦勝ちでもあったとみら
れます。

以上、非常に分かりやすいのですが、
重大な問題点があります。
宿禰の技が洗練されすぎているのです。
中国の記録でもこれほどの水準の技の
記録はありません。
日本書紀は、本当に実際の技を
伝えたのでしょうか?




#9103 
T/O 2012/05/22 00:02
確かに仮説…だろうと思います

 徹夜城さま、アイスマンの鍼灸治療の件、
 鍼灸師会のホームページで仔細を確認いたしました。
 確かに膝関節痛や腰痛の治療穴をポイントしています。
 遺体発見時の肢位(ポーズ)を略図したものなので、
解り難いですが、私が実習で用いた穴だと思います。
 ただ数が少な過ぎて、「仮説」の域を出ないというの
は確かでした。

 人体で思い出したのですが、新田義貞が鎌倉攻めた時って、
(済みません、歴史弱いので。滅ぼしたの新田義貞ですよね?)
 何人ぐらい死んだのか記録あるのでしょうか?
 昔、鎌倉女学院の校庭付近で、春先になると、セピア色の細かい
粒子が地面の上で散らばるのを見かけました。
 春先にグランド整備すると出てくるらしいのですが。
 1年の時の解剖学の教官(元法医学で検屍解剖やっていた人です)
が、「あれは鎌倉が滅ぼされた時に、埋められた人の人骨なのだ」
と言っておりました。
 ずっと地中にあって、もう細かい粒子や欠片になった骨が、
関東大震災のせいで、地表付近に出てきたもの…と言っておりました。
 日本は酸性土壌ですから骨は残らない気もするのですが。
 大量の人骨をまとめて埋めたのであれば、ありうるかも…とも
思います。
 ただ、そうなると万単位の遺体を埋めたことになります。
 鎌倉滅亡の戦争って、そんなに大規模だったのでしょうか?



#9102 
バラージ 2012/05/21 00:21
慌てない慌てない。一休み一休み。

 福くんの『一休さん』、発表されてましたね。これまでにも3回ほど実写化されているようですが、僕が見たのは元祖の連続アニメだけ(全部じゃなくてところどころですが)。未だに一休さんや新右衛門さん、将軍様の声が印象に残っております。このアニメ、途中でネタが尽きたのか一休さんとは関係ないトンチもネタにされてました(三方一両損とか、先に手を離したほうが本物の母親とか)。

 大河ドラマは、戦国とかの時代云々はあんまり関係ないような気がします。近年で高視聴率だったのはほとんど女性か夫婦が主人公の作品ですから、男性主人公の作品は今後も押し並べて苦しいんじゃないかなあ。

 『生きる』は見てるんですが、全然思い浮かびませんでした……。実はこの映画、細かいところはあんまり印象に残ってなくて。世間的には歴史的名作なんでしょうが、個人的にはそれほどでもないんです。



#9101 
ひで 2012/05/20 00:00
ん、ではじまるひと

確かに、アフリカ系の人には、今回のンクルマみたいに「ん」で始まる人っているみたいですね。とはいえ、実在の人物だとセネガルの歌手ユッスー・ンドゥール、非実在もいれるとゲブ神のスタンド使いくらいしかすぐには思いつきませんでしたが。

自分のサイトで、ちょこっと逆引きしりとりみたいな感じでやってみたことがありますが、「メ」が鬼門だったなあ…。「メ」で終わる人ってなかなかいなくて。間違ってメリメなんかえらんだら、無限ループですし。あとはギリシア、ローマの人だと大抵が「ス」で終わるので、なかなか出しにくかったりしますし。

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