許松(きょしょう)
嘉靖期の海商で、双嶼港の主となった許棟の兄弟。四人いる許兄弟の長男で「許一」と呼ばれる。もちろん徽州歙県出身。
許兄弟のうち許棟・許楠が先にマラッカなどへ南海貿易に出かけて成功し、それを頼って後から長男の許松・四男の許梓が加わったものと考えられる。嘉靖19年(1540)にはポルトガル人を誘って浙江の双嶼港に入り交易を行っている。
その後密貿易をめぐるトラブルから沿海の治安が悪化したため、嘉靖22年(1543)に張一厚率いる官軍の攻撃を受けたが、許松・許棟らはこれを撃退し、双嶼港における地位を固めた。しかしその後まもなく官軍に捕らわれたらしく、海上から姿を消している。
主な資料
鄭舜功「日本一鑑」
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