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2007年4月1日

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◆今週の記事

◆発掘!あるある大発見!

 ポルトガルやスペインを先頭にヨーロッパ人たちが全世界に乗り出して行った、いわゆる「大航海時代」の原動力は何だったのか。それは彼らが重宝していた香辛料を直接得る目的にあったというのが定説である。ところがこれを覆す重大な資料がこの4月1日に発見されたことが報じられた。
 もっともその重大な資料、別に新発見のものというわけではない。すでによく知られているマルコ=ポーロ『東方見聞録(世界の記述)』そのものなのだ。ただしこの『東方見聞録』には異本が多くあり(そのためマルコ=ポーロその人の実在を疑う説もある)、それぞれ内容が微妙に異なっている。今回発見されたのはその異本の一つで、そこに書かれた記述はこれまで信じられていたものを覆す重大なものだったのだ。

 問題の記述は中国の東の海の向こうにある「ジパング(チパング)」について述べた部分にあった。この箇所はとくに日本人には有名だからご存知の方も多いだろうが、要するにこの日本と思われる国「ジパング」には黄金が満ちあふれており、王の宮殿も全部黄金で出来ている、などと書かれている。ところがこのたび発見された異本は、この部分で以下のようなかなり異なる記述をしていたのである。

 ジパングは、東の海にある大きな島で、大陸から1500マイルの彼方にある。住民は色が白く、やせており、健康的である。映像崇拝をしており、映像で流れてくることを素直に信じており、どこの国にも属さずに独立している。大豆が無尽蔵にあるが、国王は輸出を禁じている。(中略)
 この島の支配者の食事について述べよう。ヨーロッパの人間が肉やパンを食べているように、この国の国王は毎日大豆を加工した「ナットウ」というものを食べている。しかも朝晩に二回食べることで、2週間で3.4キログラムも減量してしまうので太るということがない。このため宮殿のいたるところに大豆が植えられており、宮殿の屋根も道路も窓にいたるまで大豆ばかりで、床も全て指二本の厚さの大豆畑になっている。(中略)
 肥満に悩んでいた皇帝フビライはこの謎の食品「ナットウ」を手に入れるためジパングに兵を送ったが、暴風のために船団は失われてしまった。(後略)

 何とこの異本によれば、ジパングは「黄金の国」ではなく「大豆の国」「ナットウの国」として語られていたことになる。もちろんマルコ自身は日本に渡っていないので、貿易商人から聞いた噂をもとにこの記述をしたのだと考えられる。
 この『東方見聞録』異本の内容ははじめヨーロッパ人には全く信じられなかったが、やがて肉とパンばかり食べていた彼らの間で「食べながらヤセる」方法の模索が大流行となった。そして『東方見聞録』のこの記述が注目を集め、夢の食品「ナットウ」を求めて日本を発見するべく大航海時代が開始されることになった…ということになるのだ。
 その記憶のせいなのか、欧米諸国で作っている軍事同盟の名前は今でも「ナットー」と言ったりする。



◆それでもボクはやってない

 とうの昔に無くなったが、「歴史法廷」なんて歴史ミステリ専門誌が一時期存在したぐらいで、「歴史好き」のかなりの割合がミステリマニアでもあるらしい(僕自身もその傾向が強い)。歴史上には面白い謎ならいくらでもあって、それなりに材料もそろっているから誰でも「素人歴史探偵」になれる。しかし実際の事件捜査や推理小説と違う点は、歴史ミステリはまず「正解」が示されないという点。だいたい分からないことが多いから「謎」になっているわけで、しかも事件の関係者・証言者はたいていこの世にいない人なので、まず完璧な真相が判明することはない。
 そのため歴史ミステリはいつもいつも同じネタを繰り返し、堂々巡りを繰り広げることになってしまう。日本史では「邪馬台国はどこにあったか」「本能寺の変の黒幕は誰か」「坂本龍馬暗殺犯は誰か」あたりが人気ネタで、毎年のようにどこかの雑誌やTV番組が取り上げ、あーだこーだと推理ゲームをやっている。「真相は解けた!」と本を書いちゃう人も後を絶たない。まぁどうせ正解が示されないから、何を言っても勝手という面もある。

 そこまでの人気ネタではないが、それなりに知られた細かい謎の事件をとりあげたい。それは江戸時代はじめの1622年(元和8)に起こった「宇都宮城釣り天井事件」である。
 事件の中心人物は徳川家康の側近として父の正信とともに権勢を振るった本多正純である。家康のあつい信任を受けて力をもった正純だったが、1616年に家康、そして父の正信が相次いで死去すると、家康時代の本多父子をこころよく思っていなかった幕府の重臣達、さらには父親の重しがやっととれた二代将軍・徳川秀忠から一気にうとまれる存在となった。そんな中で事件は起こる。
 元和8年の家康の七回忌に、秀忠は家康を祭る日光東照宮を参拝した。このとき正純は宇都宮城主となっており、日光からの帰りに秀忠が宇都宮で一泊する予定となっていたため、正純は自身の城で将軍を手厚く迎えるべく大規模な補修工事をおこなった。ところがこのとき「宇都宮城には将軍を暗殺するための釣り天井(釣った天井を上から落として圧死させるカラクリ)がある」との密告が秀忠の耳に入り、秀忠は宇都宮に寄らず大急ぎで江戸へと帰った。間もなくこの嫌疑により正純は失脚、改易され秋田へ流罪となってしまうのである。

 この事件は「釣天井」というアイテムが面白いせいか、後世芝居や講談、映画の題材としてしばしばとりあげられ有名となったが、真相はほとんど藪の中。だいだい将軍暗殺未遂までして死罪にならないとは考えられず、嫌疑そのものが正純を失脚させるデッチ上げの陰謀であったとするのが大方の見方だ。正純はあくまで「それでもボクはやってない」と無罪を主張したが、取調べでは「『はい』しか答えるな」と言われ、家族の名前や手紙と称するものを書いた紙を足でふまされるなど、21世紀の日本では考えられないような拷問的取調べを受けて自供に追い込まれたといわれる。

 さて、この4月1日に江戸城内の公儀隠密団極秘文書のうち江戸時代初期のものがようやく閲覧解禁となり、この事件に関する隠密文書が公開された。その中にこの事件の真相を語る重大なものが含まれていたのである。
 その文書とは、秀忠の宿泊前に宇都宮城に潜入して事前調査を行った公儀隠密の忍者の一人が記した報告書である。そこには「本多上野介(正純)が城内で釣り天丼を用意している」と書かれていたのだ。ああ、やはり釣り天井の件は事実だったのか…と思うとそうではない。よく拡大して読んでいただきたい。

 「釣り天井」ではなく「釣り天丼」なのだ!

 すなわち、忍者は正純が宇都宮城内で「(魚を)釣り」、それを当時流行のテンプラにして「天丼を用意して」将軍を接待しようとしていたんである。当時は句読点なんか書かないし、忍者が髪の毛の中に隠しておくような小さな手紙では「井」と「丼」の区別などつかなかったのである。忍者自身は正確な報告をしたつもりだったのだが、秀忠はこの報告を暗殺計画と勘違いしてしまったのである。
 もっとも秀忠の父・家康は鯛のテンプラによる食中毒とも言われており、「天丼」でも暗殺計画だと秀忠がとった可能性も捨てきれない。



◆ダ・ヴィンチの暗号

 この4月1日現在、日本の国立博物館に遠くイタリアからレオナルド=ダ=ヴィンチの名画『受胎告知』がやって来て展示されている。ダ=ヴィンチの名画が日本まで出張してくるのは1974年の『モナ=リザ』以来だとのこと。そもそもダ=ヴィンチ本人の真作と断定されているもので今日に伝えられているものは17点しかないそうで、非常に貴重なものがやって来ているわけである。もっとも今度の日本への貸し出しにはイタリアの一部では反対運動もあったというが。

 さて、『受胎告知』とは新約聖書の中で出てくるエピソードの一つ。イエスの母マリアのもとに天使ガブリエルが現れ、結婚前の処女マリアの胎内に神の子イエスが授かったことを伝えに来たというお話で、古くから宗教画の重要なテーマの一つとして多くの絵が描かれてきている。ダ=ヴィンチ以外にも多くの有名な画家が手がけており、ズラリと並べて比較を楽しむことが出来るテーマでもある。ダ=ヴィンチ版『受胎告知』はダ=ヴィンチが20歳の若さで描いた実質的プロデビュー作品であったと言われ、若干の若さゆえの硬さもあるものの、その天才ぶりを早くも発揮した傑作であると評価されている。
 ダ=ヴィンチの作品では画面の左側に天使ガブリエルが描かれ、マリアを祝福するように2本の指を出して彼女に向けている。対するマリアはいきなり目の前に天使が現れた上に「おめでたです」と突然言われてビックリして片手を広げている(下図)。


 ところが、である。国立博物館が展示にあたってひそかにこの絵をX線で調査したところ、重ね塗りされた絵の具の下からまた違った絵が姿を現したのである。それが下の絵だ。


 間違い探しみたいになってしまったが、違いがお分かりだろうか?下の絵のガブリエルとマリアをアップにしてみよう。


 さあ、もうお分かりであろう。ガブリエルがチョキを出しているのに対し、マリアがグーで応じているのである!この発見により、実はダ=ヴィンチが描いたのは「受胎告知」ではなく、天使代表のガブリエルと人間代表のマリアの間で行われた「ジャンケン勝負」であったことが判明したのである。
 しかし人間代表が勝利してしまうこの絵に教会が難色を示すのは明らかであった。若きゆえの冒険をやってしまったダ=ヴィンチであったが、描いてからさすがに危険を感じ、マリアの手をグーからパーに描き変えて勝負を逆転させたのだろうと推測されている。さすが万能の天才というべきであろう。

 実はこのジャンケン勝負をダ=ヴィンチが絵のテーマに選んだ背景には、実はイエスの子孫がその後もずっと続いており、カトリック教会の秘密組織により密かに保護されているという事実をダ=ヴィンチが知ったからであるとも言われ、『ダ・ヴィンチ・コード』続編もこれをテーマとする『天使とジャンケン』になると発表されている。



◆金属ドロボー横行す

 昨年あたりから日本各地で金属ドロボーが横行して話題となっている。特に今年に入ってから僕も住む茨城県内で半鐘が次々と盗まれるという事件が起こり、にわかにマスコミを騒がせた(火の見櫓の半鐘なんて、このニュースで聞くまで意識すらしなかったが言われてみれば結構残っているものだ)。ドロボー業界も報道による煽りで後追いする連中が多いようで、半鐘だけでなく道路のポールやガードレール、測候のフタなど、ありとあらゆる金属製品が盗まれる事件が続発した。
 その背景には北京五輪を控えて建設ラッシュとなっている中国が「金属のブラックホール」となり、金属価格を高騰させていることがあると指摘されている(明末の中国が銀のブラックホールと化し世界経済に影響を与えた前例もある)。もっとも実際に逮捕されたドロボーさんたちは日本人ばかりで、中国への輸出のために金属の買い取り価格が高騰し、中には盗品でも買い取っちゃう業者がいる、ということである。今朝の新聞で読んだが、1970〜80年代には今より金属買取価格が高かったのに今ほど盗難事件は起こっておらず、「モラルの低下」を嘆く関係者の声が出ていた。

 そんな情勢の中で、「金属製品」の盗難はさらにエスカレートしている。
 本日4月1日、先ほど報じられていたところによると、神奈川県鎌倉市長谷(はせ)の高徳院の本尊で国宝の鎌倉大仏(銅造阿弥陀如来坐像)が、深夜のうちに何者かによって持ち去られていたことが判明した。大仏は全長11mの銅製で、一個の金属の塊としてみればかなりの値段で買い取られるのではないかと見られている。深夜この大仏を背負って歩いている不審な人物を近所の人が目撃しており、神奈川県警では大仏の似顔絵を作成してその行方を追っている。

 同日、東京都港区芝公園にある東京タワーがそっくり姿を消していることが判明し、警視庁ではやはり金属製品の密売を狙った盗難事件と見て捜査を進めている。これもタワーを屋根に載せて首都高速道を走っている不審な車を目撃した人が複数折おり、警視庁では各地で検問を行ってそのトラックの特定を急いでいる。
 最近東京タワーをタイトルにしたベストセラーの著者・リリー=フロンキーさんは「東京タワーは東京のシンボル。モスラやギャオスに壊されても立ち直ったのに、金目当ての泥棒に盗まれるとは情けない」と嘆く。一方で地上波テレビ放送の終了も近づき、新東京タワーの計画も具体化する中で「体のいい厄介払いが出来た」との声も一部にある。

 さらに同日、今度は奈良県奈良市雑司町の東大寺から、国宝の奈良の大仏(東大寺盧舎那仏像)までが盗難にあっていたことが判明した。相次ぐ大型金属製品の盗難に、東大寺も奈良県警も厳重な警戒態勢をしいていたが、東大寺の大仏は巨大な大仏殿の中にあるということもあり、持ち出しは不可能と考えていたのだが、完全に裏をかかれた形である。
 朝になったら忽然と大仏殿内から大仏が姿を消しており、「密室盗難」と関係者は首を傾げたが、間もなくその謎は解かれた。東大寺には日本はおろか世界中から一日だけでも相当な数の観光客が訪れるが、その中に紛れ込んだ大勢のドロボーたちが大仏を少しずつ分解してもち運んでしまったらしいのである。
 「大仏さんはこれまでも源平合戦のときと戦国時代に破壊され、そのたびに再建されてきました。また立て直しますよ」と住職は語る。21世紀にふさわしいハイテク大仏を計画しているとのことで、身長がちょうど同じ「ガンダム」を参考し、コクピットに警備員が乗り込んで侵入者を感知すると立ち上がって応戦する「モビルスーツ・ダイブツ」を検討しているとのことである。


2007/4/1の記事
(間違っても本気にしないように!)

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