2.クロソイド曲線



1.クロソイド曲線
 直線を単曲線でつなぐことによって、ずいぶんと走りやすい道路ができました。しかし、単曲線ではB.C.でそのカーブの曲率まで一気にハンドルを切り、カーブ中でハンドルの切り角を一定に保ち、E.C.で直進位置までハンドルを一気に戻さなくてはなりません。また、B.C.付近でヨーの変化が一気にくるため、クルマの姿勢が不安定になったり同乗者に不快な思いをさせることにもなります。
 ところが実際はB.C.付近で切り始めたハンドルがそのカーブの曲率(R)に合うまでの間に若干の時間がかかり、その間にもクルマは進行しています(しかも、直線中でハンドルを切り始める人はあまりなく、ほとんどがカーブに入ってからハンドルを切り始めるので、見かけ上アンダーステアが出たような錯覚を起こす)。すなわち、連続して曲率の変わる曲線を描きながらカーブを徐々に内側に向かって走っていることになります。このとき、クルマの速度が一定でハンドルを切る速度(角速度)も一定とした場合、クルマの描く軌跡はRL=A^2(R=半径、L=曲線長、A=定数)という式で表すことができます。この曲線をクロソイド曲線と呼びます。(下図参照:クロソイドは螺旋の一種で、形は一つしかありませんが、道路の線形として用いる場合はクロソイドの始めの方の一部分しか使いませんから、螺旋としての形がわからないことが多いです。)
 したがって、そのカーブのRに対して最初からこのクロソイド曲線を入れてやれば、直線からRまでの間のハンドル操作が非常にスムーズにいくことになります。
クロソイド曲線のイメージ:Lが大きくなるほどRが小さくなる。
クロソイド諸元 クロソイド曲線の諸要素

KA:クロソイド始点
KE:クロソイド終点
 R:KEにおける曲率半径
 L:クロソイド曲線長
Lc:円曲線長
 D:接線長

 定数のAをパラメーターと呼びます。
 RとLを決定すると、自動的にAの値も決定されるわけですが、R/3≦A≦Rであることが望ましいとされています。
 したがって、道路の中心線(IA)とR、L、Aのうち一つの要素が決まれば、残りの要素については、さほど選択の余地がないことになります。
単曲線でのステアリング単曲線のカーブの始まりでは、曲率がいっきに変わるため、ステアリングも曲率に合わせて一気に切らなくてはなりません。
クロソイドでのステアリングクロソイド曲線中は、そのカーブの最大曲率に至るまでに徐々に(等速で)ステアリングを切って行けばよいので、スムーズかつ安全に走行できます。

2.クロソイドにおける緩和区間
 単曲線のところで述べましたとおり拡幅や片勾配をすりつけるための区間を緩和区間と呼びますが、単曲線においての緩和区間はカーブの外の直線中に設けます。しかも拡幅を直線的に入れるため、どうしても路肩の形が不自然になり、見た目もあまりスマートではありません。Rが小さいほど路肩の形がいびつ(前方後円墳のよう)になってしまいます。
 クロソイドにおいては、この緩和区間をクロソイド曲線中にとることができます(ハンドルを徐々に切り足すため、姿勢が安定するKEまでにすりつければよい)ので、見た目にも実際にも違和感なく走行することができます。
クロソイドの拡幅  実際にはクルマの幅は車線の幅より相当狭く、車線中のどこでも走ることができるわけですから、あまり現実味を持たない話ですが、建設時の合理性を考えるとやはりクロソイドはあらゆる意味でとても優れています。特に高速化してきた交通の流れの中では安全性の面からみても重要になります。建設現場の施工管理はたいへんですが。
 さて、このクロソイドにおける拡幅のすりつけ方ですが、別のクロソイドを入れる方法や、高次の放物線を使う方法などがあります。このうち別のクロソイドを入れるのは、都市部の高速道路などで用いられる方法です。一般的には高次の放物線を入れます。
 この放物線における拡幅量は
 Wn=(4a^3−3a^4)W 
  a=Li/L
  Wn:任意の点の拡幅量
  W:KE点における最大拡幅量
  Li:KA点より任意の点までの曲線長
  L:クロソイド全区間の曲線長
で表されます。







次(デグナーについての考察)戻る(カーブってなに?)目次