インターフェイス改善計画(その1)・・・ステアリング交換日記
(作業日:2003年6月22日からしばらくの間/レポート日:2003年7月15日/追記:2003年7月21日)



 さて、前回足回り交換レポート時に「ステアリングを交換したい」と書きましたが、その夢が実現することになりました。

 娘が「はい、これ。」と言って私に手渡したものは、国語辞典と漢和辞典の注文書。授業で使うんだそうです。小学校3年生で漢和辞典〜?と思いつつも、「(注文書にある)そんなヤツ(失礼)じゃなくて、違うのを買ってやる。」
 そんなわけで、辞典を買うために富山県は高岡市まで家族ツーリングついでに行くことに。国道41号を富山に向けて北上中に高岡在住のロードスター乗り大越君に連絡します。

 あれ?本屋じゃなくて?
 そうなんです。辞書買いにわざわざ高岡まで行きませんて。富山市のオートバックスは買い物ついでとかに結構寄るんですけど、高岡のは行ったことがなかったので、ちょっと行ってみたくなったのでした。ちなみに我が家から高岡市までは一般道で約1時間半強。

 さて、どんなステアリングにしましょうか。とりあえずの条件としては、

まあ、ステアリングに求められる普通の条件ですね。
 条件に該当しそうなのをいくつか握って腕をくるくる回してみて思ったんですけど、モモ製ってグリップが太くて小径で重いのが多いです。どちらかというとコンペとかそれ系の走り向きかも。スパルコは完全コンペ向け。んで、最後まで候補に残ったのがナルディだったのでした。ナルディといえば、マツダも純正採用またはオプション設定している例も多いし。
 財布の中身とも相談しつつ、選んだモデルは「チャレンジ」とかいうもの。そこへ別行動で店内をうろついていた嫁が来たので「フレンディ用にこれ買っちゃうよ」。ちょっと怒られるかと思ったら、「いいよ」。ひょっとすると嫁もフレンディのステアリングに不満を持っていたのかも。「ついでにこれも買いたいなぁ」と指差す先には「レカロスタート」。さすがにこちらは即座に「ダメ」。・・・ちぇっ。

 昼飯は大越君の案内で二上山(結構すごいワインディングです:CARAで走れば楽しそう)頂上付近の蕎麦屋。

 というわけで、大越君と別れてイオンまで。無事本日のメインの買い物を済ませたのでした。

 帰宅後、早速ステアリング交換作業に入ります。

今回の主役たち。
ナルディチャレンジ
ホーンボタンはリングで押さえて固定するみたいです。
10時10分の位置に親指のアシストグリップがあります。
なかなかこの位置ばかり握っているわけではないんですけどね。
8時20分の外側にも小さな突起があります。
リラックスした運転姿勢ならこの位置の突起も役に立つのでしょうが、
私のドラポジでは、まずここを常用することはありません。
ナルディは穴の位置が六角形の辺が頂点(?)となる配置です。
モモは穴が頂点にきます。
同時購入のボス。
WJRのユニバーサルボスアダプター、マツダ車用。
ナルディタイプとモモタイプのどちらも使えるように穴が開いています。
左下のリングはモモ用ホーンボタン固定リング。
なので今回は使用しません。


 まずはフレンディのノーマルステアリングを外します。

ノーマルステアリング。
新車時から6万km以上走行していますので、
表面は結構ツルツルのテカテカ。
弾力もなくなってきています。
しかもグリップが少し細くて私の手には合いません。
ちょっとわかりにくいですが、ステアリングのセンターが
オフセットされているので、回したときにトップの位置が
変わってしまいます。
まずはセンターのパッドを外します。
このネジを外して、ガバっと引き剥がすだけ。
真中のナットを「ゆるめて」ステアリングを抜きます。
スプラインが結構固い場合があるので、ナットを外してしまって
作業をすると、ステアリングを抜いた拍子に勢い余って顔にぶつかる
のを防ぐためです。
ナットを緩めるときは、キーを抜いてステアリングをロックさせた
状態で行うと作業しやすいです。
が、どこがトップの位置か、どこかに印をするなりしておかないと
後で面倒なことに・・・


 外したステアリングを比較してみましょう。

裏からみたところ。
ノーマルは裏がボコボコしています。
まあ、ノーマルステアリングの形状は大概こんな感じですけどね。
直径が一回り小さくなります。
重量も結構違います。当然ナルディの方が軽い。
追記:ホントはこの段階でボスを仮組みしてクリアランスのチェックをしておくべき
だったんですよね。


 取り付けはいたって簡単。

まずはボスを取り付けます。
この手のマツダ車はリターンピン(ウィンカーレバーを戻すための
ピン)を打ち込む必要がありません。なんでかなー、と思っていたら、
ステアリングコラム側からその役目をするパーツが出ているのでした。
ボスの裏側金属面にグリスを塗ってから取り付けます。
このボスはトップの位置に「▽」の刻印があります。
それを先ほど覚えておいたトップの位置に合わせます。
ナットは必要以上のトルクで締め付けないように。
必ず取扱説明書の規定値で締めてください。
でないと、最悪ボスが割れます。クロスレンチでギューっとやると、
多分締めすぎです。キュっくらいにしておかないと。
このモデルの場合、ステアリング→ホーンボタン→リングの順に
取り付けます。
取り付けネジは六角穴なので、付属のレンチでやはり必要以上に
トルクをかけないで締め付けていきます。あまりきつく締めると
六角穴をなめてしまいます。
なめてしまうと・・・。私はやってしまいました。


 ここまで作業したところで試乗に出ます。
 握り心地は、まあよしとしましょう。私の手にはまだ少し細い気もしますが、普段は嫁が使うのでこんなものでしょう。
 ここで問題発生。トップの位置が合っていません。スプライン一山分。普通問題にならないところなんですが、上で述べたとおり六角穴なめちゃってるんですよ。ステアリング外せないんです、このままじゃ。なにしろホーンボタンがリングで留まっていますから。
 さらに、リムのオフセット量がノーマルと全然違って、ウィンカーレバーが指に触れるほどクリアランスが無くなっています。ボススペーサーも必要です。でもステアリング外せません。
 困りました。でも本日の作業はここまで。

 翌日、嫁に使い勝手を聞いてみたところ、「私にはちょうどいい」。ウィンカーレバー当たらん?「このくらいでいいよ」。とりあえずはよかった。

 このままでは非常に具合が悪いので何とかしようと思い、たまたま古川町まで行く用事があったので、バイク屋へ寄ってみました。

 インパクトドライバーか。早速帰りにホームセンターで購入しました。トルクスのビットは持っていますから(なにしろ私はCARA乗り:外装パーツはトルクスネジで留まっているのでした)。
 まず、CARAで実験。実はCARAのステアリング交換時にも六角穴ひとつなめていたのでした(学習能力ないなぁ・・・)。
 インパクトドライバーにプラスのビットをセットして、ハンマーでドンっとたたいたら、あら、すんなり回りました。これは使えるぞ。気を良くしてフレンディに向かいます。が、何故かフレンディのネジ、回りません。そうこうしているうちに、ますます傷口が広がってついにドライバーが穴にかからなくなってしまいました。こうなるとトルクスも使えません。どうしましょう。

 そうこうしているうちに週末がやってきて、私はそのバイク屋がエントリーしている「FUN&RUN!2-Wheels」のサポートでフレンディを出すことにしていまして、問題を抱えたままのステアリングで鈴鹿へ向かったのでした。
 早速長距離テストができたのは良いことだったのですが、またまた問題発見。小径化されたことによって、思った以上にステアリングが重くなっています。しかもナットの締めすぎらしく、キコキコ音が出るのと、微小舵角時のレスポンスが非常に悪くなっています。気分的に疲れましたが、ステアリングそのものは疲れを誘発することはありませんでした。

 鈴鹿から帰ってきて、しばらく解決策について無い知恵を絞りながら考えてみました。

 今度は電動ドライバードリルと金属用のビットセットを買ってきました。そして鈴木君の出番です。
 まずはドリルで穴を開けて、インパクトドライバーでたたきます。・・だめでした。次にもう少し深い穴を開けてトルクスビットを叩き込み、ラチェットハンドルでじわじわと回したら・・・
ようやく回りました。ホっ。
 トップの位置を合わせるために一度ホーンボタンを外してからステアリングを仮付けして、ボスを抜こうとしますが、今度はボスが抜けません。プラスチックハンマーでたたいてみても、ガコガコゆすってみてもびくともしません。鈴木君曰く「スプラインって、テーパーが付いとるでナット締めればそれだけ食い込んで抜けんようになる」んだそうです。一難去ってまた一難。私はいったいどうしたらいいんでしょうか。

 さらに翌週、鈴木君が「ギヤプーラー買ったで使ってよ。」と、ありがたいお言葉。早速借りて外そうとしましたが、またまた難題が。プーラーのボルトが短くて、ステアリングのセンターにあるボルトまで届きません。途方に暮れて、ダメ元でステアリングをゆすったら、あっけなく外れてしまいました。何で?前回あれだけやっても外れなかったのに。まあ、外れたわけですから、スプラインを一山分ずらして仮止めして、今度はちゃんとトップが合っていることを確認してからボススペーサーを付けようとボスに目をやったその時・・・「あ。ボスが割れとる。」
 先日ガコガコとあこぎなことをしたのが原因なのか、ナットの締めすぎが原因なのか、もうどっちでもいいです。

 多分、今回の失敗は二度と繰り返さないでしょう。

これがギヤプーラー。
無理せず道具を使いましょう。
結局安くつくことになります。
ボルトが届かないのは、裏ワザで解決できます。
(今回裏ワザ使うこともなかったわけですが)


(2003年7月21日追記)
 さて、その割れたボスをいつまでも使用するわけにいかないので、交換しました。

ボルト穴から一直線に亀裂が入っています。
裏側はもっとすごいことになっていました。
スプラインからリターンピン穴まで割れています。


 ついでにステアリングとレバー類のクリアランスが少なかった問題も解決しました。

ボスに直接ステアリングを取り付けた状態。
ステアリングを握るとウィンカーレバーには当たらないものの、
回している時には干渉します。
WJR専用ボススペーサー付属のボルト類。
スペーサーの分だけステアリングとボスの距離が増えますので、
長いボルトで留める必要があります。
左が10mm用、右が20mm用。
10mmのスペーサーを使った状態。
じか付けよりはましですが、まだ干渉します。
20mmのスペーサーを使った状態。
ようやくどこにも干渉せずにステアリングを回せるように
なりました。


 今回はボス裏側に塗るグリスの量も少し増やし、本体側から出ている接点にも塗ってやりました。さらに、ボスを締め付けるナットにかけるトルクも少し遠慮がちにしておきました。(当然がたつきのないことはちゃんと確かめています)
 スプライン穴がずれていないか確認走行に出た時にキコキコ音が出なかったのと、スムーズに回ったことから、ちゃんと付いたものとしておきます。
 ステアリングのリムのオフセットとボスの深さの組み合わせで、ずいぶんクリアランスが変わってくるものなのだと勉強させてもらいました(高い授業料でしたが)。CARAは一切加工なしで付きましたから、ちょっと簡単に考えすぎでした。ちなみにCARAのボスは違うメーカーのものです。
 今度の日曜日には、また鈴鹿サーキット(南コース)です。再び長距離テストです。







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