前回、DASACON賞にノミネートされず密かに悔しい思いをしたあなた。ふと気がついたら変格書評の締切りが終っていて参加しそこなったあなた。日夜レビューを書いているのに反応が無いとお嘆きのあなた。お任せください。そのやり場の無い思いをぶつけるための勝負の場を御用意いたしました。この架空書評勝負にぜひともご参加ください。
書評作品募集・投票は終了しました。ありがとうございました。
目次
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さて、「耳慣れない言葉を説明するときには、そもそものはじめから語り始めよ」とアイザック・アシモフも言っていたような気がしますから、そもそものはじめから話をはじめましょう。(無駄に長いので、気の短いかたは
ショートカットをご利用ください。)
1970年、スタニスワフ・レムは書評集『完全なる真空』を発表しました。架空の本の書評というアイデア自体はラブレーに、いやそれ以前にすら遡るアイデアなのですが、実在しない本の書評のみを集めて1冊の本を作ってしまうという大胆不敵さがうけ(もちろん充実した内容が伴っているからこそですが)、この本は大変な話題となりました。現在でも架空の本の書評といえば真っ先に『完全なる真空』の名が挙がるほどです。
1978年8月、ビル・プロンジーニの家でウォッカを飲んでいたプロンジーニとバリー・N・マルツバーグは、とある作品に対する着想を得ました。「作家がプロのスポーツ選手みたいに競争したら?」この単純な着想は「プローズ・ボウル」という短篇に結実し、後に『決戦!プローズ・ボウル』として長篇化されるにまで至りました。
1990年、京都SFフェスティヴァルの合宿において、第2回<プローズ・ボウル>という企画が行われました。これは、参加者が架空の書籍の設定から、一晩で書評を書き上げ、その出来を競い合うという物でした。企画としては、前年の、与えられたペーパーバックの書評を一晩で書き上げるという企画のリファインなわけですが、架空の書物が対象であるという点に新しさが見られます。そう、これは「プローズ・ボウル」を舞台に闘われる『完全なる真空』だったのです。
架空の書籍の設定を使ったゲームは、その後、DASACONスタッフの一人でもある森太郎の手により
<ヴァーチャル読書会>として定着し、京都SFフェスティヴァルの合宿企画の定番となりました。この企画は毎年多くの参加者を集め京フェス以外でも開催されるようになっています。架空の書物で遊ぶというアイデアは、見事一般化したわけです。
しかし、世の中には読書会という形式が苦手な人間もいます。そう、誰もが即興の虚構を作り上げる才能に恵まれているわけではないのです。「即興性に欠ける人間でも架空の書籍で遊べる場を作りたい」そういった思いが、「前回
DASACON賞で、いまひとつ日の当たらなかった書評系Webサイトのみなさんに活躍の場が作れれば」という思いに繋がって生まれたのが、この
架空書評勝負です。
#なげーよ。
架空書評勝負は、みなさんに架空の書籍を題材とした書評/レビュー/読書感想文を書いて頂き、その優劣を競うという企画です。
こちらで用意した題材から一つを選び、その書評を投稿、あるいはご自身のサイト内に書評を置き、そのURLを投稿して下さい。ある日突然、複数の書評サイトにウソ書評が発生することが担当者の夢なので、後者の方法を選んで頂けると幸いです。書評本文を投稿された場合は、当DASACONサイト内に書評ページを設け、そこに掲載いたします。書評の優劣は、作品が出そろった時点で、原則投票により(T.B.D.)決定いたします。さあ、栄えある第1回
架空書評勝負の優勝を目指して、みなさま奮ってご参加ください。
というわけで、以下の規定に基づいて、書評を募集いたします。(募集は終了しました。ありがとうございました。)
- リンク先の5作品から選択した1作品に関する書評を募集する。
- 書評を書くに当っては、こちらで用意した題材と決定的に矛盾した内容(作者名を変更する、など)でない限り、特に制限を設けない。用意した題材の情報をどこまで利用するかについては書評者の自由である。
- 書評作品の投稿に当っては、1)本文の投稿、2)URLの投稿の2種類の方法がある。
- 1)本文の投稿の場合
- 投稿された書評は当サイト内に公開する。
- スタイルシートなどによる複雑な指定は反映されない可能性があるので、改行と強調と斜体くらいしか使えないと覚悟することが望ましい。
- 2)URLの投稿の場合
- 自身のサイト内に書評文を置き、その場所のURLを投稿する形となる。
- その際、普段の書評と出来るだけ区別がつかないようにして頂くと喜ばしい。日記の中に紛れ込ませることなども歓迎する。
- 書評文がファイルの先頭から始まらない場合、書評文が始まる場所には<a name>タグによるマーカーを用意すること。投稿するURLはマーカーまで含めたものとする。
- 書評文のどこかにDASACONトップ、あるいは当ページへのリンクがあることが望ましいが、自然に埋め込むのが難しい場合もあるので強制はしない。
- 投稿は1)2)両者とも電子メールで受け付ける。宛先はthayashi@mtc.biglobe.ne.jp。
- 投稿時には、できるかぎりSubject(題名)を[VBRC]から開始すること。
- 投稿本文には、ハンドル名(本名含む)、e-mailアドレス、選択した題材のタイトルを明記のこと。
- もちろん、1)なら書評本文、2)なら書評のURLを忘れずに。
- 締切りはリンク先の通り。
なお、
Q&Aも用意いたしました。疑問などがある場合、ご利用ください。では、みなさまの参加だけが頼りです。よろしくお願いします。
募集は終了しました。ありがとうございました。
投稿された作品の優劣は、基本的に読者の皆様による投票で決定します。
投票ページのフォームに従い、あなたがもっとも
素晴らしいと思った書評上位3作に投票してください。投票結果の上位作品は晴れて第2ステージに移り、DASACON会場においてその優劣を競うこととなります。
企画が真の勝利を収めるためには、この投票数が勝負です。ぜひ、
投票をよろしくお願いします。
投票は終了しました。ありがとうございました。
書評の投稿は締切りました。ありがとうございました。
投票締切りは1999年8月26日23時59分です。
御題として用意したのは以下の5作品です。このうちの1作を選び、書評/レビュー/読書感想文を書いて頂くことになります。なお、各作品については、書評のネタとしてタイトルだけよりはマシな情報を御用意しています。リンク先をご覧ください。
- 『無謬の町』上谷伸治・著 ケイセン文庫JA(文庫/国内SF・作品集)
- 『バンシーの夜』船井 香・著 あさぎ書房 Boys & Girls セレクション(単行本/国内ジュヴナイル・ファンタジー)
- 『時間流刑』クリストファー・J・J・チャーノック・著 由文社海外ノベルズ選書 (単行本/翻訳SF)
- 『電脳走査線ハイッバー・コップ』ジョーン・B・ニシカワ・著 アラカワSF文庫NEXT(文庫/翻訳SF・アクション)
- 『大宇宙の屍・完全復刻版』狂沢 瞬・著 書肆幻象(単行本・私家版/国内・空想科学探偵小説)
なお、当
架空書評勝負に関する御質問などありましたら、
担当者までe-mailでお問い合わせください。なお、
Q&Aページも御用意しております。