過去の雑記 00年 4月

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4月21日
SFマガジン00年4月号を久しぶりに読み進む。サセックス「黒猫トビーを探せ!」、マクマレン「閉ざされた楽園」を読了。あらすじレベルでは普通の話なのに、読んでみると違和感があるのはなんなのだろう。この違和感は結構心地よいので、年一程度のペースでオーストラリアSFの紹介が進んでくれることを期待したい。

封印したはずの魔物が世に満ちる。ああ。

4月22日
気が付くと、12時間ほど経っていた。呆然。あまりといえばあまりに恥ずかしい話なので、何があったかを細かく記す気はない。昨日ダバ・マイロードが登場したはずなのに、気が付くとショウ・ザマが仲間になっていたことのみ書いておく。だからやることがあるって言ってるのに。

縁あって「サクラ大戦」を見る。最悪の想像よりはかなり良い。光武の重量感の無さは気になるが、他はこんなものじゃなかろうか。

その勢いで「六番目の小夜子」も見る。第3話をいきなり見てしまったので設定の詳細は不明だが、かなり変わっているようだ。特に、視点人物(兼謎解き役)が関根秋からオリジナルの少女に変わったのは大きい。秋は同化して見るにはやや敷居の高いキャラだったので、これは妥当な変更なのかも。なんにせよ、原作の物語ではなく空気を伝えようとしている点は好感が持てる。この調子で、文化祭をちゃんと描いてくれればなんの文句も無い。
……いや、文句はあるんだが。小学校高学年/中学生向けの時間枠を使っているんだし、ジュヴナイルとして原作を捉えてるんだし、仕方が無いことだと分かっちゃいるが、それでも中学2年の物語になってしまっているのは納得がいかない。「進学校の受験生」を見事に描いたことこそ、「小夜子」の真の価値なのに。

阪神、広島が好調を維持する中、横浜は泥沼中日に完敗。とりあえず左を投げさせときゃ大丈夫の伝説にも終止符が打たれた格好だ。あれですね。連敗を止めさせたら横浜の右に出るチームはありませんね。

4月23日
SFマガジン00年4月号、5月号を読了。気に入った/気になった作品は以下。

ダウリング「その名に隠された、たった一羽の鳥」は遠未来の幻想的なオーストラリアを舞台に狩りと愛とファーストコンタクトを描いた佳品。メインアイデアはさほどでもないが、背景世界と、その筆致が魅力的。《トム・ライノセロス》シリーズとのことなので、次は(あるかどうかは知らないが)主人公があからさまに活躍する話を読んでみたい。
深掘骨「愛の陥穽」は生まれ変わろうとも変わらぬ愛にまつわる悲喜劇。会話を駆動力としたテンポの良い語り口が小気味良い。
イーガン「闇の中へ」は「なるほど『宇宙消失』の作者だ」と納得できる「ハード」SF。突然ワームホールが出現するようになる理由付けはよくわからなかったが、異常な状況を設定するための言い訳だと割り切れば気にならない。「中心以外の方向に進めない領域」という設定を存分に活かし切っているあたりはさすが。1月号掲載の「祈りの海」には重厚さで劣るが、好きなのはこっちの方かも。
連載では清水義範「銀河がこのようにあるために」が更に語り口の古めかしさを増しており驚く。描かれている内容もまとめ方さえよければ楽しめるものになりそうなのだが、近未来の文化風俗を逐一説明する古代のスタイルの方が気になってしまっている。このスタイル、今となってはいっそ新しいかも。
また、恩田陸「ロミオとロミオは永遠に」がいよいよ25日売の号で最終回。この状況からあと1回でどうやって終わらせるかにはかなり興味がある。普通にやったら2、3回はかかりそうなんだが。
小説外では5月号の座談会「この文庫SFを読んでほしい!」に感心した。高橋良平、中村融の作品紹介が素晴らしいのは当然として、目を惹いたのは川口晃太郎の高い役割認識。「いくらなんでもそれは知っているだろう」という作家/作品についてさも初耳であるかのようにご意見を拝聴するというのは、自分の役割を認識していなければなかなか出来ることではない。お見事。でも、『地球は空き地でいっぱい』がお薦め10冊に入るのはどうかと思うな。

読み進むついでに未入力だった1月号から5月号の作品データをデータベースに入力。4月号では久々に初出情報の書かれていない作品(サセックス「黒猫トビーを探せ!」)に出会って驚いた。いや、WebのLocusインデックスを引いてすぐわかったんですが。

4月24日
そろそろ月末なのでカードの請求書が届く。普段からカードは極力使わないようにしている僕にとって、この支払いはほとんどプロバイダ料金の支払いだけなので恐くもなんともな……、げ。
Amazon.comの支払いがあったか。

4月25日
溜まっているSFMが無くなったことに気をよくして早速SFM6月号を購入。そのままの勢いで後半を読み終える。

小説ではやはり『ロミオとロミオは永遠に』の終了が最大のトピックか。どう考えても収束させるには尺が足りない状況で、どうするのかと思ったらどうもしなかった。「ちょっとまてそれはどうやって動いている」だの、「だからあいつは何だったんだ言ってみろ」だの、「それは良いとしても幾らなんでもそれは無茶だろ」だの言いたいことは幾つもあるが、そんな話ではなくなってしまっている気がするんでどうでもいいや。一発ネタの数々をリアルタイムで楽しむ作品としては十分だった。単行本化の際にはもう少しまとまることを期待したいが。
北野勇作「曖昧な旅」は、古風な掌編小説として全般に楽しめたが、中でも「緑の石」の落ち着きのある文章と、「鉄道模型」の地下一帯に広がるジオラマというイメージが気に入った。ただ、文章レベルに波があるように感じられるのが難点か。それが安定すればより楽しめるようになるのだろう。
小説外では、瀬名秀明の『ダーウィンの使者』評が良かった。プロの作家であり、生物学者であるという利点を生かしきった見事な評。さすが。

4月26日
昨日の続きで、SFM6月号の前半ディック特集を読む。
新訳短篇の2本は、ここまで翻訳されなかったのもむべなるかなというべき代物。権力とマスメディアの戦いを描くメインプロットと、エイリアンの侵攻という道具立てがまったく噛み合っておらず実にバランスが悪い。大統領待機員などのアイデアは悪くないし、独特のユーモアは楽しめるので、そこから視点を外さず、ストーリーのことは忘れるのが幸せになる道だろう。
評論では菊池誠の「今どきディックを読むということ」が良かった。大袈裟なテーマをぶちあげず、ちょっと良い読み方を提案している。いまさらディック論なんて読まされるんなら、何とかへの影響だの、偽者というテーマがどうこうだのじゃなくて、こういったあまり見ない論調の方が嬉しい。
小川隆「唯一の現実はポップ・カルチャー?」は、証拠が少なすぎて、今一つ信用できないが、見方の提示としては面白かった。いや、カートゥーンとは気づきませんでしたね。

SRW4は16面と17面。この辺でシルキー・マウが出てきたはずという記憶が正しかったのは自慢して良いんだか悪いんだか。サーバイン登場で、ショウ・ザマがますます無敵になっていく今日このごろである。今回はヘビー・メタルメインで行くつもりだったはずなんだが。
# 登場の瞬間、ザンボット3の究極改造を始めた奴の台詞ではないな。

などということをやっていたら「ラブひな」を見忘れた。一度見ておこうと思ってはいるんだが、なかなかうまく行かない。見なくても良いという天の御告げなんだろうか。

4月27日
昼休みに例によって例のごとく近所の書店に寄る。文庫で数冊、ハードカバーで数冊、マンガで数冊欲しいものがあるのだが、何がどうあろうと欲しいという意欲が湧いてこなかったので、買わずに帰ることにした。今月(5月)は書籍代が3万を越えているので、できればこれ以上増やしたくないのだ。僕の場合月3万、本を買うとかなり家計が厳しくなる。年間書籍購入費が7桁に乗る人種はどうやって書籍代を賄っているのか気になるところだ。……もっと収入があれば良いのか。

SRW4は18面「イントルーダー」。待ちに待った破嵐万丈の登場マップだ。SRW3以来の対面となる万丈先生は相変らずの理不尽な強さを見せてくれた。「世のため人のため」の口上も鮮やかに決まり、SRWが万丈先生のゲームであることを再確認させてくれる。SRW3に比べた際のバランスの悪さと戦闘アニメの長さから、必ずしも気に入っていないSRW4だが、万丈先生絡みのイベントの多さを考えると捨て難い。つくづく万丈先生は偉大なキャラだと思う。
でもやっぱり、登場シナリオの無改造状態で、かなり改造したダイモスを遥かに上回る強さを見せるというのはどうかと思うな。

4月28日
とある店の店頭にこんなハリガミを見つけた。
  「18歳未満 高校生 カップル立入禁止」
貼ってあったのが古エロ本屋だけに、18歳未満と高校生は分かるのだが、カップルってのは何なのだろう。

SRW4は19面、20面をクリア。モビルスーツパイロットはあまってるって言うのに、ついサラ・ザビアロフを仲間にしてしまったりする今日この頃である。

4月29日
昼過ぎから、セミナーのとある合宿企画の打ち合わせのため浅暮三文さんのお宅にお邪魔する。他の参加者が卓越して優秀な方ばかりだったので、ほとんど打ち合わせには貢献できなかった。この調子では当日もどうなることか。しかたがないから、見つからないように隅で小さくなっていよう。
ちなみにどれくらい貢献できなかったかというと、打ち合わせの合間に交わされる雑談にも入り込めなかったほど。三村VS福井・高橋ジョの「ミステリ・ファンのジャンル意識論」や、三村VS福井の「キャラ萌え論」には圧倒されるばかりでしたね。みんな前日は寝てないという人ばかりなのになぜこんなに元気なのか。プロでライターをやる人は違うなあ。

帰りはやや遅くなったと思っていたら本当に遅くなっていた。西船橋行きの最終には間に合わず、東陽町行きに乗ることに。2年ぶりくらいで東陽町から部屋まで歩いてしまった。0:19東陽町駅ホーム発で、途中コンビニで夜食を買いながら、1:05に西葛西の自室(東陽町駅からざっと5.5km)に着いたのは自慢になりませんかそうですか。

4月30日
困ったことにSRW4が進んでしまっている。あれの準備とかあれの整理とかあれの原稿書きとかやらねばならぬことはいくらでもあるのに。
てなわけで、なんだかんだで25面終了。エルガイムmkIIが手に入ってしまったよ。

横浜は滅多に無い駒田の活躍で5連敗を免れ5割復帰。嫌な流れになりかけていただけにまずはめでたい。ああでも僕が見たいのはこんな面白くない展開じゃなくて、終盤4点差をひっくり返す大逆転劇なんだよう。
なお、阪神はまた負けた。9連勝と絶好調の状態で、最下位中日とぶつかって3連敗してしまうというのは、まだ本物の強さじゃないということか。とはいえ、強くなりつつあるという感触は日々感じる所。来年、再来年あたりは優勝も伺えるチームになりかねない。不運な負けが続く間に短絡的な首脳陣批判が巻き起こって、監督コーチ総入替えという展開を期待したい(←おい)。
今カードは横浜・広島を除いて下位の3連勝なので、全体のゲーム差はかなり縮まっている。この調子でオールスター明けまでだんごで行ってくれれば、夢が長く見られてありがたいんだが。

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