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5月 1日
スラデックの追悼文だのインタビューだのを読む。アイオワ生まれのミネソタ育ち、ロンドン帰り、テクニカルライターを経験などなど、略歴のことごとくが、『遊星よりの昆虫軍X』の主人公の設定と微妙に対応するのには驚いた。パズルと言葉遊びを多用する理知的な作家という思い込みがあったので、自分をそんなにさらけ出すとは思っていなかったのだな。よく考えてみれば、「アイオワ州ミルグローヴの詩人たち」なんて出身地に対するコンプレックスが見事に浮き出た作品もあるし、自伝的作品くらいあったってなんの不思議も無いのか。
作品を読む際に作家の「顔」を想像する読み方は嫌いなんだが、ことスラデックに関してはそうやって読んだ方がよくわかるのかもしれない。

5月 2日
昨日はほとんど何もせずに一日を過ごしたが、今日はさすがに何もしなかった。だからこんなことではいけないんだってば。

仕方が無いので野球を見る。全カードがナイト・ゲームなのには驚いた……って、今日は平日なのか。斎藤隆が好投し、野口が復活を感じさせ、ハッカミーが打者を翻弄したおかげで、今日はセントラルの全カードが理想の勝敗。首位と最下位のゲーム差も4.5となり混戦模様はますますはっきりしてきた。実に良いことである。
しかし、広島はすごい状態だ。1試合14四死球って、野球にならんだろ、それじゃ。それを相手に4点しか取れないヤクルトもヤクルトだが。

夜半過ぎ、堺さんがやってきて、明日のセミナーに向けて昔のファンダムの話をいろいろとレクチャーしてくれた。恐い話も興味深かったが、それ以上に面白かったのは、大阪ファンダムと京都・神戸ファンダムの違いの話。僕が肌で知っているのは90年代以降のSFセミナー/京フェス系文化圏だけなので、堺さんから伺うゼネプロ系文化圏の話は、大変楽しい。

楽しいのは良いが、やはり準備が進まないという事実はいかんともし難い。堺さんと別れた午前2時過ぎ、最低限これだけは、と、スラデック「使徒たち -経営の冒険」(『新しいSF』(サンリオ文庫)所載)を読む。オフィスを舞台にした、言葉遊び満載のドタバタ。「義足をつけた象」(『スラデック言語遊戯短編集』所載)に似た構造の話だが、長さの分(ひょっとしたら、加えて翻訳の分)有利なのか、より楽しめた。

5月 3日
結局、その後も無駄に時間を浪費したため、一睡もせずにSFセミナー会場に向かうことにする。ここまで無茶なことをするのは93年(7年前……)の初参加のとき以来だ。20歳のときにはなんとかなった二晩完徹だが、30も間近の今体力は持つのか興味は尽きない。

などと、他人事のように思いながら出かける間際、郵便受けを覗くとゼロコンのプログレスが届いていた。とりあえず星雲賞ノミネート作だけざっと見わたしてみたが、さほど不満を感じないラインナップとなっている。喜ばしいことである。

御茶ノ水駅で細木さん(8)と合流し会場へ。着いてみると、受付けも始まっていないというのに人で溢れていた。古本市というのは、かくも人をあさましく見せるものかと、一瞬だけ他人事のように考える。もちろん、数秒後には自分もその中に混じっていたわけだが。

受付け開始とともに一度追い出されたので、受付け終了後古本を再度チェック。持ってないものも数あったがNW-SF2冊を買うに留めることにする。さすがに積読が500を越えると、新しいものを入手しようという意欲も衰えてくるね。

会場内には顔を知っている人/知っているような気がする人が数多くいたが、そのうちのごく限られた層にのみ挨拶。セミナーは昼企画を聞きに来ているので、その程度でも許されるだろう。< 誰に?

で、その昼企画だがやはり白眉は、「角川春樹的日本SF出版史」だろう。「希望的観測は外れるが、第一直感直観は必ず当る」に代表される名言の数々も然る事ながら、語られる内容が実に興味深い。特に、70年代初頭、作家を開拓する際に、福島正実の協力を得たというエピソードには驚かされた。そんなにいい人だったのか、福島正実。さすが日本SFの父(の一人)。また、自身かなりのSF好きでありながら、ファンタジーやホラーを売るためには、SFをスパッと切り落とすという冷静な判断にも感心させられた。これが商売というものなのだろう。
後半は、2004年にはミリオンセラーも登場するというSF時代へ向けての、角川春樹事務所の戦略がテーマとなったのだが、こちらも凄かった。小松左京賞と『虚無回廊』続篇を主軸とする大攻勢は、きっと人々の度肝を抜くことだろう。そう、成功・失敗に関わらず。
とにかく、もうこれを見た後の感想は一つしかない。「ハルキすげえ」。

2番目の「ブックハンターの冒険」は、直前企画の凄さの前に霞んでしまった感がある。傾向の似た語り手が並んでしまったことにも問題がある気がするので、同趣向の企画をやるなら、語り手をいじるタイプの聞き手を希望。あ、でもそうすると、最初の企画とトーンがかぶるのか。難しいなあ。

3番目、「日本SF論争史」はまあそんな感じ。知識が少ないと完全に置いてきぼり、多いと聞いた話の繰り返し、ってなテーマだけに手綱を取るのは難しかっただろう。その条件下ではかなり健闘した方だと思う。ただ、森太郎の司会は、若干入れ込み過ぎたか、ツッコミの頻度が過剰という印象を受けた。もう少し流す場所を増やしてもよかったのでは。

4番目、「新世紀の日本SFに向けて」はそれなり。三雲岳斗が非常に戦略的/確信犯的に作品を書いている事がわかったのが最大の収穫。「ミステリが受けている」+「キャラ小説が受けている」→「両者を加えてSF設定」→「M.G.H.」という方法論で、賞を受賞するほどの作品を書く才は評価されてしかるべきだ。また、「海外進出を目指している」→「とりあえず台湾」という強気なんだか弱気なんだかよくわからない目標も、自分の射程を見据えた上での発言と考えることが出来、好感が持てる。ここで話された内容だけだと作品を読んでみようという意欲まではわかなかったけど、成功を祈りたいという気にはなった。

5番目「妖しのセンス・オブ・ワンダーへようこそ」は企画関係者には失礼ながらあまりきちんと聴いていない。聞いた範囲ではよくまとまっているという印象を受けたが、テーマに興味が無かった。アニメ/特撮ネイティヴの人には興味深かったのではないかと思う。

本会終了後、山田(博)(8)、細木(8)、松野(9)、堀川(12)、田村(17)の名大勢と夕食。博史さんとの今日のテーマは論争の3要素、「○○の定義を言ってみろ」「その発言は不真面目だ」「こんな論争は不毛だ」に決定したので、早速このネタを繰り返す。「お前のSFの定義を言ってみろ」「お前のファンダムの定義を言ってみろ」「お前のコンベンションの定義を言ってみろ」「お前のスラデックの定義を言ってみろ」。なんにでも使える良いフレーズだ。「お前のフレーズの定義を言ってみろ」
てなことをして遊んだ後、店を出ると見たことがあるような集団が入店する所だった。いくらでも食い物屋はあろうに、なんで同じ店に入るか。> 京大

旅館に到着後、資料のコピーをしたり、資料のコピーをしたり、資料のコピーをしたりしていると、オープニングが始まったりする。今年は(も)特にオープニング企画はなく、1時間たっぷりと使ってのゆったりとした企画紹介&有名人紹介が行われた。今年は昨年より大広間に余裕があるように見えたので、クイズなどが無かったのは残念、……などと書くと「じゃあお前がやれ」と言われそうなので書かない。
「合宿企画に出演しない/企画紹介時に紹介されなかった」有名人紹介は、前回京フェスに引き続き(引き続きってのもなんだが)Webサイト主催者も含めて行われた。できる限りの参加者を知らしめようとする姿勢は評価できるが、結局網羅的にはなり得ないあたりが辛いところ。全部やっていたらきりがないし、一部だけ紹介するには選択基準が難しい。僕は全くやらなくても良いと思っているのだが、どんなものだろう。

とにもかくにもオープニングが終わって合宿企画。「1齣目は「進化SF総解説」に行くか、「巽孝之の部屋」に行くか。2齣目は「なぜなにファンジン」を見て、3齣目は「ライブスキャナー」に行くと見せかけて「ほんとひみつ」……」などと悩むことは許されない。今年はなぜか2駒の行き先が決められていたのだ。世の中というものは本当に油断できない。

てなわけで1齣目はなぜか出演者の末席に加えられている「浅暮三文改造講座」。参加要請が来たときから何故自分がってのが不明だったのだが、参加してみてもやはり不明だった。「浅暮三文を売れる作家にするにはどうしたらいいか」というテーマの基に「売れるとはどれほど売れることを言うのか」「売り上げに対するパッケージングの影響」「売れる本の特徴」「浅暮作品の孕む問題点」などさまざまな話題が展開されたが、結局一言も発言できず、ただ居ただけに終わった。企画自体はあるべき程度に受けていたので、さほど目立ってないが全く役立たずだったのは事実。要反省。

2齣目は唯一の自由時間だったので、お気楽に「なぜなにファンジン」を見物する。小浜家秘蔵のファンジンが大登場と聞いていたので、もう少しこじんまりとした場所で、個々のファンジンを取り上げながら、その縁起譚を語るのかと思っていたら、高橋良平、牧眞司、小浜徹也の各氏がそれぞれの時代のファンダム史を語る企画になっていた。企画部屋内に撒かれていたファンジンの数々の扱いが軽かったのはちょっと勿体無かったかも。企画自体は、高橋良平が語る60年代ファンダムの話が絶妙で、楽しめた。

3齣目は「ほんとひみつ」「ライブスキャナー」に未練を感じつつ、僕が司会役になってしまった、「スラデック追悼企画:蒸気駆動の作家」の部屋に行く。スラデックを知らない人が居てくれたので、そこを取っ掛かりに人物紹介の情報量を増やしていき、福井健太の「ミステリ作家スラデック」と柳下毅一郎の「スラデック=アシモフ類似説」で参加者を幻惑するという展開に持って行ければ理想的だったのだが、司会の僕が流れを御しきれず、企画単体としては失敗。浅暮三文さんの酔っ払い芸に完全に負けてしまったのが反省点だ。一応、作品リストを作ったり、インタビュー記事の類を読み込んでいったりそれなりの準備はしたんだが。自分が司会という覚悟が足りず、企画の流れがイメージできていなかったのが、流れを御しきれなかった最大の理由だと思うので、次の機会にはこの反省を活かせるようにしよう。別に次の機会なんて欲しくないけど。
参加者(及び他の出演者)の方には悪いことをしてしまったわけだが、酷いことに個人的には楽しめた。オカルト批判本、推理パズル本、カサンドラ・ナイ名義のゴシック小説、ジェイムズ・ヴォー名義のオカルト本など柳下毅一郎秘蔵のスラデック本の数々を拝見できただけでも嬉しかったのに、「スラデック=アシモフ類似説」を堪能できたんだから司会者と言う立場さえ忘れれば不満など全く無い。ああ、でも本来の使命は、感じた面白さを人と共有することにあるんだよな。反省しよう……。

企画終了後は大広間に戻り、京大・東洋大を中心とした若者の輪を見物して過ごす。大挙して来ているはずの名大は細木さんと野呂くらいしか見当たらない。と思ったら寝部屋でいたストをやっていたらしい。君たち……。
交わされた会話ついてはすでにほとんど記憶に無い(5/23現在)。覚えているのは、田中香織さんに「『九百人のお祖母さん』は何処が面白いのか」と詰問されたことくらいか。答に詰まったので、大森望氏、柳下毅一郎氏、水鏡子氏といった大御所に振ってみたが、皆さん返答に苦労されていた様子。田中さんはあの回答で満足したんだろうか。

てなことするうちにいつしか時も過ぎる。水鏡子・三村対決が見られないセミナーの朝は寂しいなあ、などと思いつつ山田さん、細木さんと「スタッフの法則」について語り合っているうちに、エンディングとなった。

エンディング終了後、色々あって、名大SF研勢を含め全てと合流しそこなったので一人寂しく帰宅。まあ、体調を考えると妥当な行動だったのかも(若干、狐葡萄な記述)。しかし、あれですね。25過ぎての48時間完徹はするもんじゃないですね。お約束のように地下鉄を乗り過ごしちまいましたよ。

5月 4日
一度は見てみようと思って録っておいた「ラブひな」第3話を見る。作品冒頭の、古いサイレント映画風の画面作りなど発想は買えるが、いかんせん僕には大本の設定自体が耐えられないのであった。相性が悪かったとしか言えない。

ついでに大昔に録ったっきりで忘れていた、「宇宙海賊ミトの大冒険2 2人の王女様」を見る。大団円を要求される作品での大団円であり、その点での文句はない。ただなんかこう積極的に持ち上げる気にもなれない落ちでもあった。っつーか、精神世界での戦闘ってのはやっぱりいただけないよな。

5月 5日
縁あって、「メダロット」を見る。今回の出来が普段に比べてどうなのかは不明だが、平均程度であるとすれば一部で人気があるのも納得できる。ギャグのノリとテンポは小野敏洋のマンガに似てる、というと褒めすぎか。録画してまで見る気にはならなかったが、ふとやっていることに気づいたら見てしまうことだろう。
ところで、敵側の女性戦士チームの国籍がスウェーデンなのは、アレンビーに敬意を表しているのだろうか。

ふと思い立ったので、星雲賞の投票をする。
日本長編部門は藤崎慎吾『クリスタルサイレンス』。粗さを考えるとどうかとも思うが、本当にただのSFだったというインパクトと、将来性を考え合わせると、読んだ中ではこれがベスト。
日本短編部門は野尻抱介「太陽の簒奪者」。クライマックスのあざとい泣かせと、続篇が書かれてしまった点は気に入らないが、昨年の日本SF短篇で、この選択肢となると、やはりこれにならざるをえない。文章力において圧倒的に卓越している田中哲弥「猿駅」は、残念ながら候補ではないので投票対象から外した。
海外長編部門はイーガン『宇宙消失』。延々サイコロを振り続けるシーンだけでもSF史に残る価値のある傑作、投票しなければ嘘ってもんだ。すでにマガジンベストを受賞してはいるのだが、玄人受けよりはマニア受けするべき作品だと思うので、ぜひとも星雲賞を取って欲しいところ。不利な条件の多さからすると、3位がせいぜいだろうという現実も承知してはいるけどね。
海外短編部門はガードナー「人間の血液に蠢く蛇」。やや軽すぎる気もするが、この手の歴史を概観する話は大好きなので仕方が無い。死票になる可能性は非常に高いが、1票くらいは良いだろう。
他の部門はまあ適当に。一応、どの部門も候補作の半数は読んだ/観た上で投票した。今回の候補リストはかなり質が高いと思うので、結果が楽しみである。
# あ、でも『カムナビ』が無いのはどうかな。< ノミネートすると訴えられるからだったり

なんとなく勢いで、録り溜めていた「きらめきマン」を3話から5話まで一気に見る。さすがに「こっちが」慣れてきたのか、楽しく見ることができた。やはりタイムボカンシリーズを見るにはこの境地が必要ですね。

5月 6日
一週遅れで、録画しておいた「六番目の小夜子」第4話を観る。思いっきりストーリーラインが書き換わっているので無くなるかと思っていた、「野犬の場」が消化された。前回のポルターガイストの種明かしで、超常現象を理知で落とすミステリよりの作品に仕上げるのだろうと思い込んでいたのだが、そうでもないらしい。潮田玲と津村沙世子の間でテレパシーが働いたかのような描写はあるし。この辺、原作『小夜子』のよくない点だと思っているので、あまり嬉しくはないな。
今回、関根秋と津村沙世子のどっちが怪しいか、という謎が再度提示されたのだが、山田孝之と栗山千明の演技力の差がありすぎて、対等に見えないのだった。演技力の差を見こしてのミスディレクションだったりすると凄いな。

夕方からユタ。参加者は、大森望、小浜徹也、堺三保、志村弘之、添野知生、高橋良平、林、福井健太、藤元直樹、三村美衣(あいうえお順、敬称略)。周囲の主な話題は、SFセミナーと2005年ワールドコン。しょせん、すべての問題は古い問題の再話に過ぎないというのが私的な結論だ。なんでそんなに同じ問題が起きているかな。

5月 7日
ファンジンだのペーパーバックだのを頂くため柳下毅一郎さんのお宅を訪問する。ふと油断した隙に約束の時間になってしまったので急いでいたら、地下鉄の中で手土産も持たずにいることに気づいた。人のうちを訪問して、あまつさえ物を貰って帰るというのに何も持たずに行くというのも非常識な話である。が、そうはいってもいまさら仕方が無い。既に、浦安でソーセージマヨネーズタイヤキを買う訳にもいかないのだ。とりあえず非常識であることを認識しただけで良しとする。

午後2時過ぎに柳下邸に到着。信じられないほどすっきりした部屋なので愕然としてしまった。プロの翻訳者/ライターの部屋を拝見するのはこれで3度目だが。過去の2度とは比べ物にならないくらいすっきりしている。SFファンでもこんなにスタイリッシュに生活できるんだ。

カサンドラ・ナイのゴシック小説や、カラーイラスト入りのラファティ"Half a Sky"のハードカバー、"The Fall of Rome"など、割と珍しい本や、かなり珍しい本、極めて珍しい本などを見せていただく。宝の山ってのはこのことだ。

しばらくの後に森太郎さんと田中香織さんが到着。彼らはちゃんと手土産を持っていた。如才ない人というのはちゃんと如才ないものなのだなあ。
しばらくSFセミナーの話などした後、今日の目的である所の戴ける品の物色を始める。SFイズムの揃いから1冊を引き抜いて人に押し付けるなど悪逆非道を重ねた末に、雑誌3冊、ペーパーバック4冊、ハードカバー1冊、ファンジン10冊を戴くことにした。たくさん持っていくことを期待されてそこにいたことを思えば不十分だったかもしれない。しかし、代わりに同行者(あえて名は伏す)が山のように抱えていったので、最低限の使命は果たしたといえるだろう。いやしかしまったくもって柳下さん、どうもありがとうございました。

部屋に帰ってから、一緒にお借りしてきた「すん」を始め、さまざまに眺めていると、SFイズム10号にスラデックのこんな言葉を見つけた。
ニューヨークにはたちまちうんざりしたよ……危険な地区のゴキブリだらけの建物に頼む子守りが月600ドルもするんだからね。
「『遊星よりの昆虫軍X』自伝」説の信憑性が、自分の中で日増しに高まってゆく今日この頃である。

5月 8日
二日遅れで、録画しておいた「六番目の小夜子」第5話を観る。前回でホラー方向に傾いたためか、今回は謎解き中心の展開。関根秋のキャラが大分卑小になっている感があるのは気になる所。四番目の小夜子の登場など、原作に無いキャラを多数登場させるのは良いが、その反動で、原作の主要キャラがないがしろにされている印象がある。由起夫はともかく、秋と溝口はもう少し大事に使ってやって欲しいな。

5月 9日
前回再放送は見逃した「ぼうけん!メカラッパ号」第2話を観る。第1話を観たときからちゃんとSFな雰囲気のあるデザインに感心していたのだが、オープニングでいきなり謎が解けてしまった。そうですか、デザインは横山宏ですか。そら、SFなのも当然ですね。
今回の見所は、何と言ってもテラノダケのデザインだろう。テラテラ星を覆い尽くした凶悪な菌類の正体が、すべてのエネルギーを吸収して増え続ける歩くキノコだったとは。いやもう、あまりにも「らしい」デザインなんで感動の余り声も出なかったよ。もちろん造形だけでなく他の部分も見事なもの。メカラッパ号発進のシーケンスも程よくカッコ良く、実に安心できる出来。この調子なら向こう一年期待できそうだ。

5月10日
「怪盗きらめきマン」を観る。
観た。

なぜかいまさら「六番目の小夜子」第1、2話を観る。第3話以降に比べて、全般に演技が拙いような気がするのは気のせいか。気のせいだよな、多分。
全体の作りはホラー調。第3、5話が謎解き型の話だったことからすると、ホラー調とミステリ調の話を交互に繰り返していくのかもしれない。津村沙世子は十分に怖いので、3話以降のテンションを保って行けば最後まで楽しむことが出来そうだ。
でも、やはり原作のキャラ達はかわいそうだよなあ。

なんとなくSRW4をプレイ。MAPは29面のクェス・パラヤが出てくる方。序盤から効率的に展開し、ゲスト部隊も速攻で崩壊させ、あとは残敵の掃討のみというところで、クワサン・オリビーを説得するためにダバ・マイロードが必要だったことに気づく。いまさら、そう言われても既にガウ・ハ・レッシイが出撃しているという事実はいかんともし難い。泣く泣く、リセットし、いつかやり直すことにする。だーっ。

SFセミナーの公式見解に従い、角川春樹の「第一ちょっかん」の表記を「第一直感」から「第一直観」に改めた。なるほど。

いくつかのWebサイトを廻るうち塩沢兼人の訃報を知る。享年四十六歳。ルードビッヒの声を再び聞くことは、最早無い。R.I.P.

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