過去の雑記 01年 1月

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1月11日
夕方休みに近所の書店で殊能将之『黒い仏』(講談社ノベルス)を買う。いつ読むかなんて些細なことは気にしない。

タイトルを最初に聞いたときにはスラデック『黒いアリス』なのかと思っていたが、ブリッシュに捧げられている所を見ると『黒い復活祭』の方らしい。うーむ、邦訳が無い作品だと、パロディかどうかの判別が付かないなあ。

晩飯を食いに入った松屋で微妙に時間があったので、冒頭だけ読む。あいかわらずリズムは良い。じゃあ、もうそれだけでいいや。

いや、もちろん、<日本のスラデック>殊能先生のことだから、あっと驚く仕掛けもあると信じているが。

<日本のスラデック>って褒め言葉か?

1月12日
太った。

体重計の針が60kgを肥え越えたのを見たのは1年ぶりくらいか。

少しは体を動かそうかと思ったことです。まる。

1月13日
『黒い仏』の参考・引用文献を読んでしまう。

この情報と、ブリッシュ『黒い復活祭』のラスト、帯の惹句「名探偵が世界を変える!」を考え合わせると落ちが見えてきてしまうような。読み終わってないので、断言は出来ないが。

とりあえず、未読の人は、本文じゃないからと油断して巻末を見たりしないように、注意して読みはじめるよう、お勧めしてみる。いや、読んだわけじゃないから関係ないかも知らんけど。

1月14日
なにやら色んなイベントをクリアしてしまっている割には仕事は思いのほか進まず。何とかなると信じてはいるが、どのように何とかなるのかは予想もつかない。

上野駅を見てまわる。なるほどスミソニアン博物館の出店(やや事実誤認)というのはこいつか。地球儀だの、宇宙ゴマだの、昆虫標本だの、骨格標本だのが並んでいるのは楽しいが狭いのは大きな難点。ああ、でも柏から只で行けるのは魅力だよなあ。< それは犯罪です

1月15日
とある人から、どこを向いて文章を書いているのかと聞かれてちょっと戸惑う。この雑記は、直接の知人20人程度だけを見て書いているのだが、あれはどうだろう。なんか書くだけで手いっぱいでその辺考えてなかったかも。でも、とりあえず考える前に書かないと。
# こういう具体性の無い文章は悪文の典型ですね。

1月16日
朝のつくば市内。携帯MDプレイヤーに耳を傾けながらバスに揺られていると、なんとなく会社の最寄りのバス停に着いたような雰囲気があった。慌ててバスを飛び降り、心を落ち着けてから周囲を見渡してみると、そこは2つ前の停留所だった。朝の貴重な時間を20分無駄にして会社まで寒空のもと歩くのは得難い体験であったことである。
# 疲れてるなあ。

1月17日
夜更けに藤澤さん(7)と電話。『黒い仏』の結末予想は事実の重要でない半分でしかなかったらしい。よかったよかった。

どうやって予想したかなどについて少し話をしたが、よんどころない事情があって話題の途中で電話を切る。藤澤さん、その節はどうも失礼しました。

1月18日
駒田が引退を決意したらしい。まだ「来週、オファーがあったら受けますよ」などと寝言を言ってはいるが、実質引退決定だろう。同じ昨年の2000本安打達成者でも、秋山とはえらい違いである。

名一塁手として、数々のピンチを救ってくれた名選手であるとともに、併殺王として数々のチャンスを潰してくれた疫病神でもある。抱く感情は愛憎半ばするが、辞めるとなれば恨みは捨てよう。ただ素直に駒田の前途に幸多からんことを祈る。

1月19日
日がな一日デバッグ。取っても取っても浮かび上がるバグを見るにつけ、6000行からのコードを、1度も実行せずに書いてはいけないとの思いを新たにする今日この頃。

ブルース・スターリング『タクラマカン』(ハヤカワ文庫SF)を購入。あ、また既読率が高い。えーと、面白さは割とお墨付きなので、SFM読破率の低い人は無条件購入で良いんじゃ。

1月20日
なぜか突然見覚えのないビデオテープが手元にあることに気づく。脈絡はないが、ありがとう堀川(12)。あるものは仕方がないので、とある「トライゼノン」などを見る。うーむ、なんだかふだんと声が全然違うなあ。< 理解できない人は完全に置いてきぼりな記述

雪の降る街をとぼとぼ歩き夕方からユタ。参加者は、藤元直樹、久世信、林、志村弘之、宮崎恵彦、柳下毅一郎、三村美衣、小浜徹也、高橋良平、さいとうよしこ、大森望、堺三保、添野知生(登場順>アイウエオ順、敬称略)。
主な話題は『貼雑年賦』とか、雪とか、賞の権威を高める商売とか、「アンブレイカブル」とか、雪とか、オーストラリアSFとか、印刷屋の部屋とか、取次の部屋とか、田舎といえばインドネシアとか、品切れ新刊は田舎が狙い目とか、雪とか、雪とか、生命の神秘とか、ギブスンとか、雪とか。世の中で二番目にパチモンが無さそうなブランドのパチモンに関しては当事者が書くにちがいない。

『黒い仏』を読みながら帰宅。人前であるにもかかわらず吹き出しそうになって困ったよ。

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