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1月 1日




……あれ?寝てました?



目が覚めてから柴又帝釈天で初詣。こじんまりとした、ごく普通の寺社だった。ちょっといいかも。あまりの普通ぶりに、参拝後つい籤など引いてしまったり。ええと、20年ぶりくらいか?よくわからないが、改求雲外望 枯木遇春開らしいので精進していきたい。

帝釈天から、そのまま東京駅に出てひかりで名古屋へ。雪を浅く纏った霊峰富士を拝みながらいつのまにか眠り込んだというのに、乗り過ごさずに済んだのは、偏に「PHS26の秘密」の一つ、「タイマー」のおかげである。ありがとうPHS。自爆装置はまだ見つからないけど。

市中心部の活況をよそに、ますますさびれゆく故郷の街を眺めながら帰省。親族や近隣の人々の近況を耳8分の1で聞きながら、焼き肉をひたすら食う。正月だ。

風呂あがり、本棚を整理していたはずなのに、いつのまにか大槻ケンヂ「I STAND HERE FOR YOU」を聴きながら、山田卓司『吸血鬼にちがいない』を読んでいる自分に気づく。風邪っぴきの身の上で、湯冷めの危険まで犯して、いったい何を癒されたいというのだ。> おれ

いや、どちらも良い作品ですけどね。

1月 2日
案の定、風邪が悪化した。

朝から星が丘に集まって、中学・高校以来の友人、浅井R、中野と一日ゲーム。

メインは故AHのヒストリカル・マルチ、Successors。アレクサンダー大王死後のマケドニア帝国の覇権を争うゲームだ。将軍配置が絶妙に偏った結果、中東の覇者・浅井Rと、欧州の支配者・中野の両者に挟まれる配置となったのが不幸の始まり。叛乱のほとんどがうちの領内(しかも主力のエジプト……)で起こるは、使いようのないカードは引きまくるはとロクな展開にならなかった。もちろん、参加者で唯一ルールを把握していなかったという怠惰さと、それが故にターン2の全プレイが見当外れのものとなったという不注意さが無ければ、もう少し何とかなったはずなので言い訳は利かない。他に気を取られてゲーム勘が鈍っているのか。もう少し人生を犠牲にしなければ。< それもどうか

ゲームはターン4に追加ラウンドと象の大軍を手に入れ、中近東から小アジアを一気に席巻した浅井Rが圧倒的な勝利を収めた。敵陣深くに送り込んだ残存兵力が最後に功を奏した形だ。中野も一時はバルカンから小アジアを固め、かなり良いところまでいっていたが、トラキアの叛乱で躓いた。1カード、1ダイスが勝負を決める。やはりマルチは諸行無常である。
# 僕が全然駄目だったのは、運の問題ではなく戦略眼の欠如の問題。故人も言うとおり、「勝因のない勝利はあるが、敗因のない敗北はない」のだ。

プレイ終了時点でまだ午後6時だったので、中野の持ってきたRaをプレイ。最初に配られた資金を元手に、文明、記念碑、国王などのタイルを競り、合計点を競うドイツゲーム。勝手が分からないので、走ってペースを乱してみたら、2ラウンド目に自爆してしまい、トップと大差の2位に終わった。非常に軽い良いゲームだったので機会があったらまたやりたい。

ゲーム終了後は近所のファミレスで自分たちや友人知人の近況情報を交換。三人もいて、誰も自分たち以外の近況を正確に知らないというのはどうかと思う。
ファミレスを出た時点でまだ9時前だったので、もう1プレイという誘惑もあったが風邪がこれ以上悪化しないよう、おとなしく帰って寝る。

ありがとう、浅井R&中野。次はまた、夏か、来年の正月に。

1月 3日
本山周辺の大きな変化に愕然としつつ、名大SF研の部室に行く。ここで対戦をする約束をしていた田中(克)(11)や、備品であるところの小野(15?)、山川(15)はともかく、野呂(17)までいたのはあまりにもお約束。正月もまだ三が日だと言うのに、他に行くところはないのか、君たち。

まあ、それはそれとして。卒論を書く奴も、パソコンでゲームをする奴も、コンシュマー機でゲームをする奴も無視して田中(僕にとって「田中」といえば彼なので、以下ファーストネームの第1文字は省略する。晋一さん(3)や佐代子さん(5)、巌さん(7)が読んでいる可能性は無いとは思うが、その辺ご了承戴きたい。また、その他全国の田中さんにもお許し願いたい。呼び捨てで「田中」と認識しているのは彼だけなんです。)とMonster Collection(富士見/SNE)をプレイ。お互い、モンコレというゲームに見切りをつけたので、ゲームへの想いに心の中で決着をつけるための対戦ですね。< そうか?

1戦目は田中の先攻チャージデック対僕の重儀式デック。さすがにおざなりな儀式対策しかしていないまともなデックは敵じゃない。余裕で戦ううちに、絶好のチャンスがやってきたので、「プライド」で手札を捨てさせて「大砂蟲」を突っ込ませる。盤上の主導権を常に握る理想の展開から本陣を落として完勝。まずは幸先の良いスタートとなった。

2戦目は召喚術師「イブリーズ」使用の土中進軍デック対召喚術師「ロビン」使用の道・弓矢デック。本来、戦場に代理地形が敷き詰められる「イブリーズ」は代理地形を道として使える「ロビン」に取って相性の良い相手のはずなのだが、ゲーム序盤から本陣を攻められ続けては、その効果も半減以下。なんとか序盤の攻勢はしのぎきったものの、破壊力の不足から「アースドラゴン」2体の侵攻に耐えられず敗北を喫した。おお、田中とは6度対戦して、はじめての敗北だな。投入資金は下手すると1桁違うのに、こんな形で負けるとは。くそう、やはり人生は投げるべきなのか?< だから、それはちょっと

3戦目は、土中進軍デックを改造した空中進軍デック対重儀式デック。楽な戦いと油断していたら、最後カードが足りず、かなり焦った。「モラル」を使用したややトリッキーなプレイでかろうじて判定勝ちはしたものの、ほとんど勝利の実感はない。4戦目は、霧スペルデック(霧系のスペル/能力で相手をすかして、「殴る」か「変え」て「食う」)対射ち落としスペルデック(「浮かし」て、「射ち落とす」)というスペルデック同士のノーガードの殴り合い。スペルデック相手には無効なカードが入っていない分、こちらに有利な展開となり、これもどうにか判定がち。もっとばりばり勝って圧倒的な力の差を見せつけたかったんだが、やはり真面目な奴は成長が速いね。

ゲーム後、しばしうだうだしてから、やってきた浅井R(10)、堀川(12)、まだそこにいた野呂(17)、そして当然、田中と共に、飲みに行く。本山から地下鉄で行こうと歩きはじめたのだが、あまりの寒さに30秒で断念。車で行くことにした。やぁ、久々に伊吹颪に吹かれると堪えるね。

今池をしばらく歩き回った末、いろいろと諦めた気分で白木屋に入る。名大SF研のメンバーと、この手のチェーン居酒屋で飲むのは初めての体験だな。話題は、SF研内の近況とか、各自の近況とか。どうもこの三が日、毎日、近況を話しているか、近況を聞いているような気がする。他に話題は無いものなのか。

9時前まで飲んで解散。風邪を長引かせないためにも、とっとと帰って寝た。

1月 4日
目が覚めてすぐ少し悲しい情報に触れる。全く覚悟がなかったわけではないが、改めて知るとやはり動揺が。

それはそれとして。朝雑煮を食べた後、所用で、親戚の家を訪ねる。1時間半ほどで用件は済み、最寄りの地下鉄の駅を目指して言われたとおり(実家からは母の案内でタクシーに乗って行ったので位置がよくわかっていなかった)歩きはじめた時から悪夢は始まった。荒中に着くまでは順調だったのだが、その先がいけない。いくら歩いても目的の高畑に着かないのだ。極寒の中、いつしか雪も舞い始め、次第に集中が保てなくなってくる。ただただ機械的に足を前に出していると、荒子川を越えてしまったり。「いくらなんでもこれはおかしい、本屋にでも入って位置を確認すべきだ」と考えるだけの思考力が復活したのは、歩き始めてから30分弱、庄内川を渡り終えたときだった。しかし、そこは何せ、中川区の庄内川以西。ほとんど人跡未踏の地と言える地区である(←暴言です)。当然、本屋はおろか、コンビニだってそう簡単には見つからない。やっとの思いで見つかったバス停でバス路線を確認してみると概ね次のような意味の情報が書かれていた。

「正反対」


しばし呆然と立ちすくんだ後、30分そこに佇んでバスを待っていたら凍死しないまでも風邪が致命的なまでに悪化するという些細な事実に気づいたので、もと来た道を歩き始める。東海道沿いの人間には吹雪としか思えない量の雪が吹き付ける中、ひたすら歩き続け、なんとか道を間違えた場所を発見。15分弱で着くはずのところを1時間近くかけて、高畑に到着したまさにその時、吹雪は突然に止み、太陽が姿を現したのだった。

風邪気味の上に雪の中1時間歩いたというあたりでかなり精神的にまいっていたので、名古屋駅のJR高島屋ビルに行ってみる。とりあえず、三省堂と東急ハンズに寄ってみようと思っていたのだが、3分で断念。名古屋のどこにあんなに人がいたのだ。えーと、名鉄、セブン、メルサ、近鉄、松坂屋には、今、人がいないんじゃないかと思うんですが、どんなもんですか。> 名古屋の人

いろいろと打ちひしがれた思いで、14時13分発のこだまに乗り、柏に向かう。新富士に停車すると、富士山ってのは嫌ってほど見られるもんですね。なんか雪が少なくてみすぼらしかったけど。

雪の中歩いている間感じた頭痛は、こだまの車内で三時間座っているうちに治まったのだが、常磐線で30分荷物を抱えて立っていたら、こんどは吐き気がしてきた。目についたコンビニでとりあえずインスタントおかゆを買ってしまう弱気な僕である。

この文章を書いている24:15現在、風邪の症状は完全に治まっているが、今日の行動を振り返ってみると、かなり予断を許さない感じ。明日、この体調がどうなっているか。このページが更新されるかどうかでわかると思うので乞ご期待。< そんなたいそうなもんかい

1月 5日
風邪は怖れていたほど悪化せず、というかほぼ症状が治まった。これも日頃の健康管理の賜物だろう。

しかし、にもかかわらず一日何も手に付かず。Webを見にいくのはまだしも、自分の雑記をWeb上で読み返すというのは、あまりにも頭が悪くないか? > おれ

あまりに非生産的な一日に、これはいけないと書店に行ってみたが、探していた本は見つからなかった。どうにも気合いが乗らない日というものはあるらしい。とりあえず、会社関係の年賀状にだけ、コンビニの賀状に一筆書き加えた返信を書き投函。他から戴いたものはあまりに凝っていたので、コンビニ賀状を出す気にならないでいる。どうしよう。

SFMをほんの少しだけ読み進める。唐沢俊一のエッセイ中「日本人が味の素などに代表されるアミノ酸・イノシン酸などの旨み成分の中毒であるのも、もとを正せば日本人が鰹節を長い年月に渡って食べ続けたからであり」という記述が気になった。アミノ酸と、その一種であるイノシン酸をナカグロでつなぐというのも解せないが、味の素の主成分がイノシン酸であるかのように読めるのはいくらなんでもちょっとひどい。味の素の主成分はグルタミン酸ナトリウム、昆布の味の主成分のはず。ミスだとしたら不用意だし、わざとだとしたら質が悪い。

1月 6日
夕方、早稲田へ。久しぶりにCoCo壱で5辛のカレーを食い、文化的な生活のなんたるかを思い出す。そうだよ、味とか栄養とかいったどうでも良い事は度外視し、ただカレースタンドの辛いカレーを食うことこそ、文化というものなんだよ。

その後、ユタへ。今日の参加者は、SF人妻、小浜徹也、堺三保、添野知生、タカアキラ ウ、高橋良平、林、藤元直樹、三村美衣、宮崎恵彦、山本和人(あいうえお順、敬称略)。周囲での主な話題は、雪、70年代少女マンガ史、声優デビュー、映画の各種ベスト3、ノベル映画(ミステリ映画の定義として、原作が文庫NVで出る映画はノベル映画、HMで出る映画はミステリ映画という提案がなされた)、明治文壇とファンダムの類似性、スタッフはわかりませんと言うな、など。
「アンブレイカブル」が面白いという話題に関連して出てきた、「大森望、堺三保、添野知生、高橋良平、柳下毅一郎、渡辺麻紀の6人のうち、3人が褒めた映画は日本では当たらない」という話はかなり受けていた。6人全員は無理にしても、何人かを集めて、GW映画の講評をしてもらうという合宿企画はどうか。> SFセミナースタッフの皆様
# 褒める人が増えるごとにその映画の関係者が嘆くという

『時間衝突』の中身を忘れていたという話題のときの、「『時間衝突』ってあれでしょ?カタパルトみたいな」(確かにタイムマシンがカタパルトから打ち出される)「レトルトシティの話だろう」という会話も興味深い。なんでそう細部から思い出すかなあ。
# 「『宇宙消失』はサイコロを振る話、『順列都市』は数を数え上げる話」などと言っている奴が何を言うか。

個人的には、髪が伸びすぎていて、久しぶりに会う人には僕だとわかってもらえなかったというのが楽しかった。うーむ、もう少し伸ばしてみようか。< それは健全な会社員としてどうか

1月 7日
日がな一日、本を読んだり、雑誌を読んだり。

むちゃくちゃ久しぶりにSF(中略)漫画家生年表を更新。久しぶりに見返してみると、けっこう面白いかも、このリスト。

1月 8日
雪は夜更け過ぎ〜に 雨へと変わるだろ♪というわけで、柏の雪は夜中に雨へと変わり、結局積もらずに終わった。

来客あり。

晩飯を食いに近所のパスタ屋に寄る。あれですね。1皿が3人前相当の店で、カルボナーラを頼むもんじゃないですね。食い終わった後でサイドディッシュが来たときには死ぬかと思いましたよ。

何かをやろうという意志はあったが、意志はあった。うむ、意志はあった。

1月 9日
つくばを出るとき既に怪しげな空模様になってはいたのだが、柏に着いた途端、現実が直撃。雨だよ。雨。

とりあえず、帰り道のコンビニで雨宿りがてら晩飯を購入。傘も買おうかと思ったが、ビニール傘ばかり部屋に溜まっていくイメージがあまりにも寒々しく、果たせなかった。というわけで、500円が惜しくて濡れて帰ったわけではないのだ。絶対。

ローズの退団けってー。涙の引退会見を反故にした辺りで執着はなくなっていたとはいえ、やはり一抹の寂しさが、ある。しかしなあ。これで来期の読売は、9高橋由、6二岡、4ローズ、8松井、5江藤、7マルティネス、3清原、2村田善か(笑)。< 無理があります

1月10日
定時間退社日なので、とっとと帰る。

例によって寒風吹きすさぶ荒川沖。バスの遅れに歩を合わせるように遅れた常磐線は、絶妙のタイミングで目の前を去っていき、それではと確認した次の電車は20分後。なんとか10分ほど時間を潰し、さらに5分をむりやり潰す。あと5分ならホームで待ってもいいや、と下に降りて行ってから17分。なんのアナウンスも無く12分遅れた電車が静々と入ってきた。だから、荒川沖駅は寒いんだってばよう。

多少の遅れはあったが、近所の書店が開いてる時間にはなんとか間に合った。さて、お目当ての……って無いじゃん。というわけで殊能将之『黒い仏』(講談社ノベルス)を入手し損なう。柏にはまだ配本されてないのか、もう売り切れなのか。しかたがない、明日つくばで勝負だ。

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