過去の雑記 01年 3月

雑記のトップへ

前回へ
3月11日
昨日、マウスを買いに行ったときこけそうに(*:膝元にあるチェーンに正面から引っかかった)なったのがまずかったか、朝から足が痛い。動かずにいるときにはなんともないが、歩くとてきめんに響く。チェーンで擦りむいて真っ赤になっていた左太ももはともかく、特にダメージを負った記憶のない右足首が痛いのは解せないんだが、やはりひねったかなんかしたのか。ま、原因は良いとして、ここ2,3日で僕が不機嫌な顔をしていたら足が痛いんだとでも思っていただければ幸い。いや、事実はどうあれ。

所用で新宿に出たついでに桐のWindows版を探して回る。売っていそうな雰囲気のかけらもない、というかそもそもデータベースという棚がない店がほとんどで、根本的に収穫なし。あっても定価58,000円のソフトをさくっと買えるかという問題はあるんだが。

そんなわけで、桐は買い損ねたのだがなぜか荷物は増えている。「SF Japan」02号や、「活字倶楽部」2001年冬号はいいとして、なんで「Game Journal」62号とか買ってるかな。

人からとある漫画を借りる。あまりに思うところが多すぎて、なんの含みがあるのかと疑問に思うことしきり。新手の嫌がらせかなんかだろうか。そら、面白かったけどさぁ。

やっと受け取ることのできた『船を建てる』5巻と、この日のために取っておいた6巻を読む。良い。
アシカたちそれぞれの個人の物語として始まった本作だが、巻を重ねるごとにメタフィクション性を強め、物語が大きくなり、5巻でついにひとつの極限に達する。今までに語られてきたさまざまなエピソードが溶け合い、壮大で悲劇的なラストを迎えることを予感させるのだ。予感は、「劇中劇である」という言及により、一旦日常の中に回収される。しかし、一度あふれでた破滅の幻影は、完全に消え去ることはない。悲劇は、作品を支配し、アシカたちの退屈で幸福な日常はすべて暗い陰を帯びる。そして、その陰が色を濃くする中、迎える最終エピソード。それは「悲劇の予感」の物語。
楽しむためには若干努力を強いるところもあるが、その努力に十分見合った感慨が得られる良作だった。

でも、これ。連載でとびとびに読んでた時、意図がわからなかった理由がわかったよ。

3月12日
通勤に片道1.5時間かかるというのに、不覚にも活字を持っていき損なって1回休み。しかたがないので妄想とか妄想とか妄想とかしてました。

3月13日
昨日の失敗は繰り返すまいと資料を持っていったがあまり役に立たず。困ったものだ。

朝の電車は理由はわからないが15分遅れ。とある理由で電車が4分遅れると出社が30分遅れるので途中まで気が気でなかったが、5分以上の遅れが確定してからは平静な気分でいられた。遅れるならこれくらいどんと遅れないとね。

で。

帰りの電車に乗ろうと改札のほうに向かうと、なにやら人だかりが。不安になって覗き込むと「昼間の脱線(朝の遅れとは無関係らしい)でダイヤがみだれちゃってさー。あはははは」と書いてある。ふざけんなJR東日本!やり場が目の前にあるけどやっても仕方がない怒りに駆られながら、憮然として待ち続けていると、本来のダイヤより8分早く上野行きがやってきた。

うむ。こういう遅れなら大歓迎である。よきにはからえ。

ところで。新規導入のThink Pad、基本的には満足しているものの、どうにも不満な点がある。このマシン、先代に比べクロックベースで5倍以上になっているというのに、ちっとも速くないのである。エディタの画面スクロールくらいもっとちゃっちゃとこなさんかい。

3月14日
とある理由で『あな魂』と『帝王の殻』を読み返す。数ヶ月前に、同じような理由で読み返したばかりだというのに、ディティールどころかメインの大仕掛けも忘れていたというのはいかがなものか。年とかどうとか云う以前の問題だと思うのだが。

とある理由の方では完全に見落としていた点に気づいてしまった。なにをどう見落としていたかについては別の時間、別の場所で。どうせ、さも最初から気づいていたかのように書きますが。

3月15日
とある理由の目処がそれなりに立ったので、カラオケに行ったり行かなかったりする。Yapoosも入ってないような貧しい機種なのに、Sex Machinegunsだけは大量に入っていたりなかなか不思議。思わず「High Speed SAMURAI」など歌ってみたが、世の中、無理なことと、出来ないことと、不可能なことがあるという冷厳たる事実を突きつけられるだけに終わった。

帰宅後、目処が幻想かもしれないという感触に怯えながら、ちょこちょこと仕事。なんとかはなるらしい。というわけで若干遅れますが、前回よりは早いです。> 心当たりの方

3月16日
もういいかげん飽きられているとは思うが、常磐線に5秒差で乗り損ねたので、一旦改札を出て、週刊アスキーと、週刊ベースボールを買う。だから資料は?

「電脳なをさん」の花柄i-Macネタは、現物のインパクトに完全に負けていると思うのだがどうか。

3月17日
朝っぱらから「ポールのミラクル大作戦」なぞ見てしまい感慨にふける。えーと、ざっと24年ぶりに見るのか。気に入っていたという記憶はあるけど、本当に面白いとは思わなかったな。

夕方、書店を回った後、ユタへ。参加者は、柏崎玲央奈、久世信、堺三保、鈴木力、タカアキラ ウ、高橋良平、茅原友貴、林、柳下毅一郎。記憶に残っている主な話題は、SFセミナー、SF大会、締切りは守ろう、規則も守ろう、SFファンの経済状況、再度世界構築、昔のアニメ、あれを褒める奴は信用しない、SW4部作のイントロによる識別、その差異に拘るのはおまえだけだ、など。とんでもなく嬉しい情報もあったが、若干不確定のようなので、多分まだ書くわけにはいかない。

その後、西葛西の大森邸にお邪魔して本棚を作り、本を移動する作業を微力ながらお手伝い。いや、本当に力ないんで、微力と言わざるを得ないというか。貴重なファンジンを拝んだ上に、おみやげにHi!5号、「世界の終わりと物語の始まり」、大量のSSシリーズなんてのを貰ってきたんで、労働力に見合った対価は頂いた。頂いたような気はするが。25過ぎると、午前1時から午前5時までの力仕事というのは若干堪えることだなあ。

東西線、銀座線、常磐線と乗り継いで、午前6時30分帰宅。朝の常磐線ボックスシートは、大貧民に興じる学生グループなどいて大変に微笑ましかった。

というわけで大変に眠い。

3月18日
昨日、ユタで気づいたのだが(←既に日付の意味が失われてないか?)、神林長平『帝王の殻』(ハヤカワ文庫JA)は現在目録落ちをしているらしい。うーむ。「膚の下」読者には一度読んでおくことを薦めたいんだが。

昨日手に入れた早川の文庫目録を眺める。三〇周年記念復刊フェアの本が入ってないんで、存在意義がかなり薄れてるように思うのだがどうか。SF分類の文庫落ちは、ローダンの定期分を除くと本当に数冊程度。前回の復刊分プラス新規追加で、おそらく10冊前後のタイトル数増となったと思われる。
本当なら、思われるじゃなくてきちんとした数字を書きたいところだがデータベースソフトの入ったマシンが不調なのでちゃんとしたチェックをする気にならないのだな。まあ、目録落ちが少ない回はチェックしても楽しくないし。< おい

3月19日
そうだ、伊豆に行こう。

というわけで、なけなしの有給休暇をつぎ込んで作った四連休。最後の二日は伊豆の温泉へ一泊旅行だ。いや、ほら箱根の温泉には行き損ねたし。

柏駅から、一人常磐線に飛び乗り、山手、東海道と乗り継いで、最後の伊豆急が着いた先は、ここは地の果て南伊豆。それもPHSの電波すら届かない、人里がかろうじてある山奥だ。ただ温泉に入りにきただけとはいえ、ここまで何もないとは。それはもう、いっそ清々しいくらい。とりあえず散歩と歩き始めてから、あまりの何もなさにしばらく途方に暮れてしまったよ。

そんなわけで町唯一のコンビニから戻った後は、ただひたすら風呂に入る。それはもう、風呂に入ってない時間は寝てるか食ってるかだけという。こうまで純粋に温泉を楽しむ機会もそうはないに違いない。

極少ないそのほかの時間には、この手の宿には珍しい施設で楽しんだのだが詳細は略す。ほら、詳細に書いて混むようになるともったいないし。< 嫌な奴

深夜の風呂で泳いだり、悪の限りを尽くした後、当初の予想を遙かに越えて満足しながら就寝。以下、次号だ。

3月20日
朝風呂だの朝露天風呂だのにまで入って、さっぱりした気分でチェックアウト、……したはいいが次の踊り子号の出発時刻まで二時間ある。なにせ、温泉以外に何もない山の中である。あまりのすることのなさに、危うく外湯につかりにいきかけたが、考え直し下田に向かうことにする。のんびり見送ったバスが、30分以内に下田に向かう唯一の公共交通機関だったりなど、細かなトラブルはあったが、なんだかんだで無事下田到着。これで時間も無事つぶせると、安心しきったところに思いも寄らない衝撃がおそってきた。で、何をしよう。

一応観光地なのだが、どうも心をそそられるものがない。とりあえず台湾の観光団に混じって寝姿山に向かうロープウェーに乗ってみたりする。だめすぎ。

ところが。これが意外な拾いもの。桜の季節にはまだ早かったが、山腹から望む下田港はなかなかの眺望だった。投資金額に見合うかどうかはともかくとして、時間を無駄にした気にはならなかったんでまあ良しだ。

市中心部に戻った後、町中をしばし散策し、土産物を物色し、帰途につく。おお、本当に観光客のようだ。帰りの踊り子号の中では眠り続けだったあたりも含めお約束。清く正しい観光旅行だな。

そんなこんなで二日間の旅は終了。疲れが取れたんだか、より疲れたんだかよくわからないあたり、われながら頭が悪いとしか思えない今日この頃。温泉に行って疲れて帰るのはどうよ。

次回へ

このページのトップへ