過去の雑記 01年10月上

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10月 1日
出先の休業日なので無理やり有給休暇を取らされる。

まあいい。チャンスだから早稲田の古本市にでも行こう、などと思ったら、朝からの土砂降りで部屋を出る気にすらなれず。それなら、仕事用に本でも読んでと思ったら、マシントラブルの対策でそれどころじゃなかったり。呪われた一日。

ADSLまわりのトラブルシューティングに一日追われていたのだが、結局、ADSLモデムの故障という結論になった。今月は予定外の休みが多いのに、さらに有給休暇を取らねばならぬとは。だあ。

太田垣康男『MOONLIGHT MILE』2巻(小学館ビッグコミックス)読了。汗の臭いのする宇宙開発まんがの第2巻。前巻で鼻についたお約束のセックスシーンが減ったのは好印象。宇宙用ロボット開発中の事故とその裏の陰謀を描いた後半のエピソードが面白かったかな。

小説宝石10月号から菅浩江「箱の中の猫」読了。遠距離恋愛とシュレディンガーの猫がテーマ。小説宝石という舞台でここまで本気のSFをやっていいんだ、というのにはちょっと感動。ただガジェットのリアリティバランスと相性が悪かったので個人的評価はそこそこ。「宇宙ステーション」なんてものが出てくると過剰にリアリティレベルが高い状況を予想してしまうので、物語の中核ガジェットのリアリティの無さに引いてしまうのだった。舞台の惑星が地球じゃなきゃ気にならなかったんだろうけど。そこに引っかからなければテーマ選定の巧さで中の上クラスの作品じゃないかと。

10月 2日
北野勇作『クラゲの海に浮かぶ舟』(徳間デュアル文庫)いまさら読了。やたら親切なんでちょっと驚き。これなら細部はともかく大筋は誤解のしようが無いだろう。緊密な作りには感心するが、どちらかといえばもう少し余裕のあるほうが好み。

大阪近鉄優勝記念で週刊ベースボールを買おうと思い立つが、案の定、例の表紙だったので取りやめる。しかたがない。日本シリーズ優勝後に買おう。

ADSLがつながらないのでダイアルアップで接続しているんだが、これが。人間低きに流れ始めるととめどなく低きに流れるという事実を痛感。

10月 3日
最下位マジック1で足踏みをしている阪神が今日も勝利。最下位決定は明日以降に持ち越しとなった。

なんか目前胴上げを押し付けられそうな、嫌な展開である。なんとかしろよヤクルト。

10月 4日
ADSL復活。人がせっかく忙しい中、午後半休を取ったというのに交換機故障という落ちに。じゃあ、部屋にいる必要なんて無いじゃないか。NTTめ。

おかげで無闇に暇なんで野球を見たり見なかったり。泥沼ヤクルトは今日も拙攻続きでついに引き分け。目前胴上げという膨らみ続ける風船は横浜の手に渡された。優勝決定で呆けたヤクルトから勝ち星を稼いで3位確定という夢を見ていたのに、阪神も余計なことをしてくれる。

その阪神は今日の引き分けで最下位確定。終盤よく粘ったが、まあしかたがあるまい。明日は一日休んで、明後日からの広島戦、最後の意地を見せて欲しい。すべては横浜のために。

10月 5日
鼻炎の薬の副作用か一日中眠かったので、帰ってすぐに3時間ほど寝る。夜寝る前に寝ると夜眠れなくなるのが難点だ。< 何をいっているのか

仕事は簡単なスクリプト書き。文法を良く知らない、というか文法書を一度も見たことが無い言語で仕事用のスクリプトを書くのはなかなかスリリング。まあ、プロトタイプだし。

縁あって「ナジカ電撃作戦」を見る。第一話だけに、アクションシーンはそれなりに動いているようだ。この作品のメイン、パンツの方はさすが。何もそこまでというあざといアングルの連続でひたすらパンツを描き続ける様には感動すら覚えた。個人的にはこの手のあざとさは苦手なんで、もう見ないけど。

10月 6日
……ヤクルト・スワローズ優勝おめでとう。竹下のばかやろ〜〜。

眠い。なんぼ寝ても眠い。今日だって昨晩からざっと15時間は寝たはずなのにまだ眠い。結局、目が覚めたのは横浜・ヤクルト戦の始まった14時。そのまま野球をみながらうだうだしていたら液体ヘリウムの流れるように時は過ぎていってしまったのだった。そのあげくに↑この落ちではやさぐれたくなるのもしかたがないというか。

そのままやさぐれて一日が終わるのはあまりにも虚しいので夕方無理やり気力を奮い立たせてユタへ。今日の参加者は、SF人妻、大森望、志村弘之、添野知生、高橋良平、林、福井健太、柳下毅一郎、山本和人。主な話題はダブった食玩、当ったんだか外れたんだか、テロの余波(映画篇)、犬が人を噛んでもニュースにならないがHPがSunを買収するとニュースになる、それが2位、今年のベストって言われても、不作のファンタ、就職試験あれこれ、あの人が他人の愚痴を聞くなんて、リアルタイムとは何か、最初の(なんとかな)映画、批評家募集中(ジャンル:{ヤングアダルト小説,ティーンズノベル,ライトノベル}、アーケードゲーム)、パワプロ最新データなど。上川だの長嶋(清)だのが入る名選手データってのはちょっと楽しすぎる気が。作品は時代の空気と共に楽しむのでなければ、という添野理論はストイックに過ぎるのではと思ったが、遠くで話されていたので会話に参加しそこねたのだった。

帰り道は<異形コレクション>『玩具館』をだらだらと。そういえば食玩はでてこないな、これ。

10月 7日
近所のコンビニで見つけた「まんがタイムダッシュ!」を読む。おお、太田虎一郎の宇則世本じゃないまんがが!偉いぞダッシュ。しかし、まんがタイムグループっていまいくつあるんだ?

都内に出て素人狂言を見物した後、中野へ。特別休業に、閉店時間と連敗を喫していた古書ワタナベに勝負を挑んだのだが、なんと今日から明日(ひょっとしたら明後日)まで臨時休業という無情の張り紙に叩きのめされたのだった。そうか。そうまで俺のことを嫌うか。

気落ちしたままブロードウェイを少し歩く。コスプレ屋が増えていたり、まんだらけが増えていたり。あいかわらず現実の侵蝕が進んでいる。しかし、こう1,2か月に一度しか訪れないと、変化が目に見えてしまうのが難点だ。毎日通いながら、ある日「いつの間にこんなことに」と愕然とする、この衝撃こそがブロードウェイの醍醐味だったのだが。残念だ。

10月 8日
ふと目覚め、布団の中でやらねばならぬことを数え上げるうちに眠りに落ちる。そんなことを繰り返すうちにいつしか夕方。とりあえず気力を振り絞って近所の書店まで赴き、『ジオブリーダーズ』7巻と『トライガン・マキシマム』6巻を買ってくる。ああ、疲れた。< 疲れるな

伊藤明弘『ジオブリーダーズ』7巻(ヤングキングコミックス)読了。米軍を巻き込んでの市街戦。よく機能しているな、この名古屋綾金。アクション満載の本編は当然として成沢と田波の一時の休息、「傘寺クロス」が思いのほか良かった。

夜、今度は都会で本を買う。アレナス『夜になるまえに』の映画化新装版が出ていたのであわてて<文学の冒険>版を保護。ついでに白水社の再刊からクノー『はまむぎ』を購入。いつ読むのかなどと訊く人は知人とすら認めてやらない。

ちょっとだけ寄ったカラオケ屋でHyper JOYの新曲を見る。「1たす2たすサンバルカン」だの「デンジマンにまかせろ!」だのが入ったのは嬉しいんだか嬉しくないんだか。

帰りがけに<異形コレクション>『玩具館』(光文社文庫)読了。いまどきこんな古風な日本SFに出会うとはという小林泰三、ヴォルフガング・シューリッシャーはないだろう田中啓文なども気にはなったが、特筆すべきは今野敏「未完成の怨み」だろう。文章の巧緻はともかく、マニアの呪いを知る者だけが語りうる重みがある。

人間に何かの楽しみを提供しようと、この世に生まれてくるものがたくさんある。その恩恵は大きいが、それをないがしろにすると、しっぺ返しもまた大きいのかもしれない。
胸に響く人も多かろう。

10月 9日
ゲームキャラや装備を売って荒稼ぎという記事にちょっと驚く。レアアイテム一つが12万。月に3つ見つければ生活できるというのはちょっとすごい。これなら韓国のそれとはちょっと違った「プロのゲーマー」が成立するかも。

と考えたところではたと似たような記事を読んだことを思い出す。風野日記9月8日の韓国の記事だ。韓国はアメリカよりも1ヶ月先を進んでいたか。< 違う

10月10日
朝から土砂降りの雨。それはもうそこらじゅうに犬だの猫だのが落ちていて歩きにくいったらない。油断していると踏んづけるし、気をつけていてもぶつかってくるしもう少し何とかならないのか。

犬だの猫だの砂だのは冗談としても水だけは冗談になってくれない。おかげで横浜ベイスターズの今期最終戦は延期になってしまった。Aクラスまでマジック1だというのに、そんなことでは気になって仕事が手につかないじゃないか。困ったものだ。

雨に閉ざされた部屋にいるうちに油断して「ヤマトタケル」なる映画を見てしまう。高嶋兄が目から怪光線を出したかと思ったら、ロプロスがキングギドラと戦い始めるという実に忙しい映画だった。いまどきその透過光処理はどうか。

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