過去の雑記 01年 9月

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9月21日
なんとか寄ることが出来た新刊本屋で、唐沢なをき 『けだもの会社』3巻と伊藤明弘『ワイルダネス』1巻を購入。

唐沢なをき 『けだもの会社』3巻(SCオールマンスペシャル)読了。完結篇なので取ってつけたような落ちがついてはいるがだからどうということは無い。とりあえず「おつぼねさま(うつぼ)」の回がよかったかなあ(なげやり)。

9月22日
先輩の披露宴を見物するついでに帰省もかねて朝7時ののぞみで名古屋へ。昼前に出れば十分だろうになぜ早朝ののぞみに乗る必要などあるのかを語り始めるとチョンクオのように長くなるから秘密だ。

半年ちょいぶりに見た地元の町はまた一段とさびれていた。中川区の長期低落傾向には歯止めが利かないのか。あの店も、この店も軒並み携帯屋か駐車場か空き地。それが僕の生活に何か影響を与えるわけでは無いのだが、それでも一抹の寂しさはある。うむ。

帰宅後、しばし昼寝してから、5年前に部室にいれる約束をしたハヤカワHi!の一部を持って名大へ。名大SF研の部室に知っているやつが一人もいないという事実に軽い衝撃を覚える。卒業後5年も経つのだからあたりまえなのだが、いつ行ってもいたはずの野呂(17)と神崎(13)がいないというのは何かが間違っているような気がしてならない。

ちょうど20世紀SFの6を読み終わったあたりで浅井R(10)が来たので二人で飲みに行く。場所は例によってせら。店主が巨人ファンだってのははじめて知ったな。近況などについて地味に語り合った後、BOOK OFF、三洋堂と覗いたあたりで浅井Rと別れ、名駅に寄って帰宅。そうか。バスで5分の距離を徒歩10分と表現するのは問題があるのか。

『20世紀SF(6) 遺伝子戦争』(河出文庫)読了。最も思い入れの深い時代だけに楽しめた作品が多い。中でも新訳のイーガンが秀逸。なにもこうまで徹頭徹尾イーガンでなくても。

9月23日
昼過ぎに起きだして市内の新刊本屋をぐるぐると廻る。いまさら礼服用の靴を買うなどのトラブルシューティングをした後、矢場とん本店で味噌カツを食って帰宅。しかし、いつの間にエスカ店なんて出来てたんだ。そうと知っていれば、駅前のうどん屋の不味いきしめんなんて食わずに済んだのに。

実家に置きっぱなしのまんがをだらだらと読んで就寝。明日の準備はまた明日。< おい

9月24日
先輩の披露宴に出席するため、朝っぱらから熱田神宮へ。礼装をしていたので普段縁のないタクシーなぞ使ってしまったり。うーむ。最近のタクシーはカーナビを搭載しているのか。

早目について、神宮本殿の参詣だの神前式だのを見物したりする。神前式を見るのは二度目だが、やはりこの中途半端にキリスト教化した式のあり方には違和感があるな。面白いからいいけど。

なぜかSF大会スタッフな人が何人もいたので少し話を聞く。どうやら先輩とお相手の方はSF大会のスタッフとして出会ったらしい。絵に描いたようなSF婚にちょっと驚愕。先輩、あなたもそんなひとだったなんて、見損ないましたよ。< それはちょっと

細木さん(8)、松野さん(9)と合流し、披露宴会場へ。地元名家の長男の披露宴とあり、新郎側親戚筋が大勢参加。たとえSF同士とはいえ、これはちょっと厳粛な会かもと思って緊張しかけると、聞いたことがあるような曲が。ス、スティングレイ?しょせん、SFはSFなのであった。しかし、披露宴にダースベーダ―のテーマはどうかと思います。> 先輩

そんなこんなで厳粛な空気などはかけらも感じられない披露宴と相成ったわけだが、それでも苦手なものは苦手だ。というわけでぼろぼろになりながらどうにかSF研代表としてのスピーチをやり遂げる。すべての知人から悪し様に罵られるような出来ではあったが、まあしかたあんめい。でも、なにもそこまで言うことはないだろう。> 某嬢

とかなんとか言っているうちに披露宴も無事終了。カラオケに行くという案には心惹かれつつも理性を大体取り戻して帰る。

お幸せに。> 先輩

9月25日
昼夜の気温差がどんどん大きくなる今日この頃。昼はとてもじゃないがスーツの上なんて着てらんないほどの陽気だというのに、夜は薄手のスーツじゃ肌寒いという。そんな気候だというのに夕方過ぎに窓をすべて開けて走るのはどうかと思うのだが。> 関鉄バス

9月26日
ふとBS1にチャンネルを変えたら、北川が代打逆転サヨナラ満塁ホームランを打って大阪近鉄バファローズが優勝した。いいなあ。

しかし画になる優勝だ。終盤までの三つ巴の戦い、西武との天王山、ローズが55号を放った西武との死闘など、どのエピソードにも華がある。そして、きわめつけがこれ。九回表にわざわざ3点ビハインドにしての一打。ローズに打順が廻らない以上、これよりも劇的な幕切れはありえないという最高のラスト。エンターテインメントというものを本当によく理解している。どうもドラマティックという言葉とは縁の無い中日あたりには、よく勉強しておいて貰いたい。

ところで。北川がホームベースを踏み近鉄の優勝が確定したその画面に「近鉄優勝」の速報を入れたNHKは一体何が報せたかったのだろうか。見りゃわかるって。

9月27日
都会でなんだか大量にまんがを買い込む。

竹本泉『よみきり▽もの』1巻(ビームコミックス)。よみきり漫画の連載、ってそれはありか?変なシチュエーションの学園物系。双子の話が良かった。

平野耕太『ヘルシング』4巻(ヤングキングコミックス)。戦争おたくの少佐が全面に登場。セリフの素晴らしさには感動するほか無い。

三家本礼『ゾンビ屋れい子』1巻(ぶんか社コミックス)。死体をゾンビにするゾンビ屋を主人公とする始末屋物。6巻の評判がいいので試しに購入。第6話の展開にはいくらなんでも驚いた。続きも読もう。

王欣太『蒼天航路』23巻(モーニングKC)。赤壁篇のつづき。だからどうという巻ではない。

木崎ひろすけ『少女ネム』(ビームコミックス)。再読。この描線が。この描線が。ただただ、天を怨むのみ。

木崎ひろすけ『グランドゼロ』(カドカワコミックス)。こちらは初読。画だけでなく、物語の力も……。惜しむべきは、その過剰な繊細さか。しかし、それがあってこその作品なのか。ああ。

9月28日
長嶋が引退宣言。引退するのはどうでもいい。あの異常に頬のつやつやした爺の顔を見ずに済むのはありがたい。しかし。

何もシーズン途中、それも優勝の可能性が残された段階で発表しなくてもいいだろう。読売が連勝し、ヤクルトが2勝7敗というプレーオフ条件は確かにかなり厳しいが、絶対にありえないと断言できるほどでもない。せめてあと少し、ヤクルトの優勝が決まるまで待てないのか。もし最短シナリオで優勝が決まったら、ヤクルトは長嶋の引退試合の日に優勝決定という羽目になるのだぞ。そうまで人の優勝に水をさしたいのか。

ヤクルトだけじゃない。大阪近鉄だって、週刊ベースボールの優勝特集号という重要な特権を脅かされている。あれだけ自己宣伝に長けてるんだから自分の引退宣言がどれほどの効力をもつかくらいわかっているはずだ。自分に注目して欲しいからって、還暦過ぎた爺が大人気ない。

「世間は長嶋茂雄を甘やかしすぎだと思う」

先輩がWeb上で書いていた言葉だが本当にそう思うね。

9月29日
長嶋追記。あ?アテネ五輪の監督だあ?宣伝以外に能の無い爺はおとなしくプロ野球機構のコミッショナーにでもなって集客の算段だけ考えてろよ。

ふとテレビをつけたら「ののちゃん」をやっていた。おもいっきり既視感があるのだがなぜだろう。で、のぼる兄さんはどこ?

ファンタのオープニングチケットを人伝てに手に入れる。今年は人気で大変らしい。恐るべし香港映画。個人的には、今年はあまり気が乗っていない。気になるのはパトレイバーの新作と∀ガンダムくらいだが平日につくばから急行するほどの気合はないというか。クロージングも休日なら見にいくけどわざわざ休みを取る気にはなあ。うむ。

夕方、中野に出て古本屋を廻る。2フロアのはずが1フロアになっていたり、営業時間が終わっていたりで収穫ゼロ。ちょい失敗。しかし古書ワタナベの午後2時開店、7時閉店ってのはちとすごい気が。

早稲田に出てCoCo壱で夕食。ただのウズラの玉子カレーの4辛のはずなのに、これがむちゃくちゃ辛い。何度水を飲んでもどれだけ福神漬を食べても辛い。これほど舌が鈍っていたとは。特訓をせねば。

古本屋を何軒か冷やかしつつ芳林堂へ。『ゾンビ屋れい子』の2,3巻とエドワード・ゴーリー『不幸な子供』を購入。考えようによっては嫌な取り合わせかも。

早稲田界隈にきた最大の目的、高田馬場BOOK OFFに寄る。が、残念ながら収穫なし。探しているものの性格から言えば、むしろ西葛西のBOOK ISLANDあたりが正解だったか。しかたがないので元を取った気になるまで『BUGがでる』を読み帰ろ

……うとしたら山手線が止まっていた。僕が駅に入る数分前に線路に下りた奴がいたらしい。20分足らずでなんとか動き出したが、この20分が辛かった。久しぶりの辛いカレーが胃に痛打を与えたらしく、いきなり胸焼けがおそってくる。この状態でゾンビ同士が内臓をさらけ出しながら戦うまんがなんぞ読んでいたもんだから状況は悪化の一途を辿るばかり。柏に着いたときには吐き気とどう折り合いをつけるかが最大のテーマとなっていたり。カレーでこんな状態になる日が来るとは思ってもみなかった。

エドワード・ゴーリー『不幸な子供』(河出書房新社)読了。幸せな少女が不幸になるがやがて……という絵本。シャーロットかわいそう。

三家本礼『ゾンビ屋れい子』2,3巻(ぶんか社コミックス)読了。1巻のラストがいきなりな落ちだったのでどうなることかと思ったら、さらにいきなりな展開に。世界をゾンビ帝国にせんとする御前の企み……ってなあ。スタンドがわりにゾンビを呼び出すゾンビ使いとか出てくるし、もう何がなんだか。とりあえず、最新刊まで買おう。

ところで胸焼けがどうなったかというと。

実はまだ二階に吐き気がするのです。うう。気持ち悪い。

9月30日
昼過ぎに新宿に出て次号のSFオンラインの企画用インタビューを見物。そこにいる間ずっと、なぜ自分がここにいるのかという疑問に付きまとわれたが、「行くといったからだ」という冷厳たる事実でなんとかねじ伏せる。ねじ伏せたんだったら。

インタビュー終了後、「このご時世だから」と、すき焼き・しゃぶしゃぶ食い放題の店で早い夕食。SFの人はこれだから。

さらにその後の喫茶店まで3、4時間ほど、二日完徹だというのにSF論を話し始めると止まらない人はじめ、SFの偉い人の話を聞いて過ごす。SFの話は個人的資産なので公開しないものとして、その他の話題で一番印象に残ったのはある批評家の方の話。氏は生来温厚なので辛辣な批評などは書かないのだという。すかさず、時にとりつく島も無い批判を行うことで有名な某氏が、あれとかこれとかそれとかの痛烈かつ辛辣な批判はなんだとつっこんだところ、批評家氏曰く、「批判的な文章を書くときは某氏がのりうつってるんだよ」。じゃあ、しかたないよな。

カラオケに行きたいというそこはかとない希望は人々の忙しさの前に無残にも敗れたので、諦めて閉店間際の書店に寄り、SF紹介の偉い人に教えていただいた雑誌とか、宇宙開発漫画とか、ゾンビまんがとか、ゾンビまんがとかを買う。あとゾンビまんがとか。

そのまま近くの喫茶店に寄り購入分を消費。三家本礼『ゾンビ屋れい子』4-6巻(ぶんか社コミックス)読了。もう随所で書かれていることではあるが、本当に密度が濃い。ジャンプコミックスなら5巻分くらい書き伸ばせるネタを平気で1巻で消費している。もったいないとは思うが、このドライブ感あってこそという感もあり難しいところ。とりあえず、他人の召還するゾンビを奪い取るゾンビ使い、スターコレクターが良かった(過去形)。

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