過去の雑記 01年 9月上

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9月 1日
昼飯にうまいオムライスを食おうと思い、近所のイタリア料理屋に出かけたがいつのまにかメニューが替わっていて食い損ねた。ちっ。

むちゃくちゃ久しぶりに高田馬場に出て芳林堂へ。いつのまにか別の店かと見まごうばかりに改装されていて驚いた。まだ慣れてないというのが大きいとは思うが、いまのところ使いにくくなったという印象が強い。特にコミックフロアは一気に役立たずになったという感じ。まあ、わざわざ馬場店を使わなきゃいけない理由は10ヶ月前に無くなったからいいんだけどさ。

それはそれとして買うものは買う。永福一成『ライトニング・ブリゲイド』(河出書房新社九龍コミックス)購入。十年近く前、ヤングマガジン海賊版に連載されていた作品の再刊。仮想世界のRPGが現実を侵食するという物語はありきたりだが、永福のためらいのない描線がありきたりな物語に力を与えている。懐かしさだけではなく、今読んでも十分楽しめた。

1ヵ月半ぶりに夕方からユタ。参加者は大森望、小浜徹也、堺三保、志村弘之、添野知生、高橋良平、林、三村美衣、宮崎恵彦、柳下毅一郎(あいうえお順敬称略)。主な話題は、ゲストたちのSF大会、歌舞伎町火災、戦前のロシア映画とアメリカ文化の影響、指輪物語(というかロード・オブ・リング)、FFと「天国の扉」のレビューにおける覚悟の差、録画地獄、Sircum、googleを使った新しい遊び、イギリス対オランダの可能性、藤田君のサイト、中学校の文集の恐怖など。
「googleを使った新しい遊び」はgoogleを使って人間関係の評価の仕方に新たな方法を付け加えるもの。詳細は作者が有償原稿のネタにする可能性があるのでここでは省く。
個人的にもっとも興味深かったのはロシア映画「宇宙飛行」の話題。ストップモーションを駆使したシーンがあるそうで是非とも見てみたいのだが最後の上映チャンスには抜けられない用があり名古屋にいるのだった。無念。

9月 2日
例によって例のごとく中野武蔵野ホールでモーニング・ショー「イジー・バルタの世界」Aプログラムを観る。上映作は「ディスクジョッキー」「緑の森のバラード」「笛吹き男」

「ディスクジョッキー」は円のイメージで紡ぐディスクジョッキーの一日。アイデアが見えてからの展開が変化に乏しく退屈。もう少し派手に破れ目を見せてくれれば。

「緑の森のバラード」は薪の踊りが見せる自然の美。薪の演技にバルタの持ち味が出ていたようだが寝てしまったので評価不能。

「笛吹き男」は題名のとおりハーメルンの笛吹き男の物語。人形の鋭角的なデザインがハーメルンを覆う退廃的な雰囲気と良くマッチしていてる。よく知っている物語であり特に新規なエピソードがつけられているわけでもないのに53分間退屈させない映像の出来は、いくら賞賛しても過ぎるということはないだろう。終盤、笛吹きの呼び声に引かれて市民達が引きずり出されていくシーンの昏い美しさは、少なく見積もって三見の価値がある。

帰りがけに武蔵野ホールでもらったチラシを眺める。気になったのはロボフェスタ神奈川2001の川崎会場企画、ロボット映画祭。「鉄腕アトム」、「ドラえもん」、「アイアン・ジャイアント」はいいとして「宇宙鉄人キョーダイン」に「サイボーグ009」、果ては「ゴジラ対メガロ」までやってしまうというのはちょっとどうか。
途中、西早稲田のCoCo壱でカレーを食べたり、新宿書店高田馬場支店に寄ったりしながら昼過ぎに帰宅。

先日買った伊藤明弘+今掛勇『ジオブリーダーズAA』(ヤングキングコミックス)を読む。静かな物語展開は悪くないが、ジオブリーダーズという器に合っているかどうかは微妙。入江の演技がいまいちなので個人的な評価は低い。

9月 3日
添野さんに送っていただいた情報より、8月第1週のユタの参加者リストを追加。参加もしていない例会の出席者リストが載っている日記ってなんだよ、と自分でも突っ込みかけたが、日記じゃなくて雑記だから良いのか。

今更ながらヒューゴー賞。<ハリー・ポッター>に注目が集まっているが「グリーンデスティニー」の方が色々とアレだと思う今日この頃だ。しかしこれに比べれば星雲賞なんてまだまだだと思うのだが、どうか。

9月 4日
会社帰りに立ち寄った書店で突然、今、いわゆる美少女漫画誌が何誌あるのかが気になった。その書店はかなりその手の雑誌に強い店だったので、手始めにそこにある雑誌を数えてみることにする。結果は42誌。店頭に無いものや数え落としなどもあるだろうから、総数は50〜60くらいとみれば良いだろうか。専門の人はどうやって取捨選択をしているんだろう。

しゃある通信経由で△▽たれフォント計画▽△へ。ためしにインストールしてみたが、こりは。例えばうちのトップページがこんな感じになるという。まさに脱力以外の何物でもない。……ブラウザのデフォルトフォントにしておこう。

9月 5日
なにをかいまさらシリーズ、デイヴィッド・ブリン『スタータイド・ライジング』読了。もうこれ以上ないというくらいに徹頭徹尾通俗SF。これほどわかりやすい面白さとは。なるほど人気の程も理解できる。終盤の展開がややがちゃがちゃしていたがさほど気にならない程度。好きにはならなかったが面白かった。

9月 6日
『20世紀SF6 遺伝子戦争』を購入し目次を眺める。さすがにリアルタイムで(邦訳を)読んできた時代だけに未読も忘れた作品もほとんどない。あ、クレスの「進化」は忘れてたけど。

バリエーションが大きく広がった八〇年代の後だけに、作品のカラーはまちまちのはずなのだが、目次を眺めてみると妙に統一感がある。僕が「自分がリアルタイムで読んだ」という事実を統一感と見間違えているだけなんだろうか。

9月 7日
『知性化戦争』はまだ半分。とりあえずティンブリーミーがいれば後はどうでもいいや。

9月 8日
あずまきよひこ『あずまんが大王』3巻(電撃コミックスEX)読了。レギュラーメンバーがついに3年生になってしまった。別に後輩が登場しているわけでもないし来年はどうするんだろう?

9月 9日
朝から降るんだか降らないんだかまったくはっきりしない雨にとざされて身動きが取れず。近所のパソコンショップによったくらいか。

ANIMAXで「ジオニックフロント」のCMを見る。ガングロのジェットストリームアタック……。すげえ。

9月10日
なんとなく気になったので井上雅彦の異形系アンソロジーのリストを作ってみる。

●異形コレクション(廣済堂文庫/光文社文庫)
 『ラヴ・フリーク』『侵略!』『変身』『悪魔の発明』『水妖』
 『屍者の行進』『チャイルド』『月の物語』『グランドホテル』『時間怪談』
 『トロピカル』『GOD』『俳優』『世紀末サーカス』『宇宙生物ゾーン』
 『帰還』『ロボットの夜』『幽霊船』『夢魔』『玩具館』
●異形コレクション綺賓館(光文社カッパ・ノベルス)
 『十月のカーニヴァル』『雪女のキス』『桜憑き』『人魚の血』
●異形アンソロジー−タロット・ボックス(角川ホラー文庫)
 『塔の物語』『魔術師』『吊された男』
●異形ミュージアム(徳間文庫)
 『妖魔ヶ刻』『物語の魔の物語』
(おまけ)異形招待席(*書き下ろし長編:廣済堂文庫)
 『死の影』(倉阪鬼一郎)『リアルヘヴンへようこそ』(牧野修)『廃流』(斎藤肇)

これで全部かな?異形コレクションはだいぶ今に置いていかれていることが判明。がんばって読まないと。

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