- 11月21日
-
火浦功『俺に撃たせろ!』(徳間デュアル文庫)を買うなり読む。読む前にやらねばならぬことがいくらでもあることは重々承知だが、これを読まねばきっと効率ががた落ちになるのでしかたが無いのだ。しかたが無いのだったら。
最近もの忘れの激しいタフガイ、アルツ・ハマーが活躍する典型的火浦コメディ。前半、今ひとつノリが悪いが、キャラが立ち始めてからは一気呵成。火浦節を存分に楽しむことができる。
火浦功の「間」芸の味を知る人には絶対的にお薦め。
- 11月22日
-
とある漫画がツボに入ってしまったので泣く泣く「YK Ours LITE」を購入。何がツボだったかは恥ずかしいから言わない。
伊藤明弘『ブルーゲイル』(大都社Daito Comics)読了。ザブングル後日譚の表題作ほか、版権物を中心に集めた作品集。表紙のキャラをラグと言い切るのはいくらなんでも傲慢ではないか。話はそれなりだったがザブングルのかっこ悪さにはちょっとまいった。ほかのウォーカーマシンは悪くないんだがなあ。
佐野タカシ『ヴァニラ・ビーンズ』(大都社Daito Comics)読了。佐野タカシの読切りエロ作品集。って、ほとんど他社単行本に収録されてるじゃん。初見は頭2本のみというのはちょっと効率が悪すぎ。ああ、カバーの女の子は一人も本編に登場しないように見えるのは気のせいですか。
- 11月23日
-
「世の中で最もつまらないのは他人の夢の話である」という唐沢俊一の言葉もあるが、敢えて夢の話。ココリコの田中に追いかけられる夢を見た。追いかけられてみると、ココリコの田中ってのはかなり怖いね。
色々考えたが、SFマガジン読者賞の投票を止めることにする。投票葉書を切り取り記入までしたのだが、ふいに「プロのSFマガジン読者」(笑)が投票するのはいかがなものかという気になったのである。だが、しかし。せっかく考えた投票内容を使わないのはもったいない。というわけでここにメモをする次第。
海外はデイヴィッド・マルセク「ウェディング・アルバム」(3月号)。徹頭徹尾嫌な話というあたりに感心した。チャンの描いたエイリアンの異質さ、レナルズの話の壮大さなども魅力的ではあるが、本作の棘には及ばない。
国内は田中啓文「黄泉津鳥舟」(2月号)。深堀骨「飛び小母さん」、藤田雅矢「ぬへこ」と比べて卓越しているわけではないが、あのグロテスクな情景描写であれほどさわやかなロマンスを描いた奇矯さは評価してしかるべきだろう。
イラストはロバーツ特集の表紙がすばらしかった菊池健。この人のファンタジー物のイラストは実に穏やかな味がある。
予想は、チャン「あなたの人生の物語」と牧野修「傀儡后」。かつきさんとまったく同じというのはちょっとあれだが、他に思いつかないものはしかたあるまい。あ、星新一「鍵」という落ちだとちょっといいかも。
キャサリン・アサロ『制覇せよ、光輝の海を!』読了。『飛翔せよ』の直接の続編で、『稲妻よ』で間接的に語られた大戦争を描いている。あいかわらず個人の愛憎などという(僕には)どうでもいいことに大分のページを割いているが、まあそれはそれとして大きな話の派手さはそれなり。コブラ艦だの雀蜂艦だのという泣きたくなるほどのネーミングセンスに目を瞑れば楽しめたといえないことも無い。ただ、こう設定に耽溺するのと、キャラに注ぐ愛情が過剰なのはちょっと。いいんだよ、SFの登場人物なんてアイデアを語るためのコマに過ぎないんだから、どうでも。< 暴言
- 11月24日
-
一日部屋に閉じこもってディスプレイに向かう。ディスプレイに向かって何をしたかというのはまた別の話だが。
縁あって「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」の終わりがけを見る。面白い。演劇の方法論で描かれたアニメ。現実的な論理の連鎖よりはテーマを浮き彫りにするためのイメージの連鎖に重きをおくあたりすばらしい。ピンクを基調とする画面も美しく中途半端な見方をしてしまったことを激しく後悔させる出来だった。近いうちにビデオを借りてこよう。
- 11月25日
-
夜から都会に出て買い逃していた本を買う。メディアファクトリー版『SFバカ本』4冊と野尻抱介『ふわふわの泉』(ファミ通文庫)を購入。この辺を遅れて本屋で買おうとするとかなり大変っすね。
とんかつ茶漬けを食べてから自室に戻り『ふわふわの泉』読了。確かに詰め込み過ぎかも。『楽園の泉』のオマージュで、現代科学で、ライトという部分は完璧だが、250ページという箱ではちょっと忙しい。ゆったりと紙面を使えばクラークに匹敵する叙情を紡ぎだせる作家であることを考えると、もったいない気がしてならない。
- 11月26日
-
起きたらあまりにだるかったので休暇を取って寝て過ごす。試しに測ってみたら、ご丁寧に微熱までありやがんの。ひ弱だ。
しかたがないのでだらだらと『ファウンデーションの危機』を読む。やっと1/3を越えたところ。苦痛。もともと3Bでもっとも相性の悪いベンフォードだけに覚悟していたとはいえ、これほどとは。っつーか、<ファウンデーション>読んだこと無いだろう、ベンフォード。
ユーゴのキャラ設定の変わり方と、模造人格の陽気な設定には頭がくらくらしたことだよ。
- 11月27日
-
気合が足りないのでヒマネタ。
某魂で紹介された直後に行方不明になっていた名作アニメを人様の掲示板で再発見。秀作です。
- 11月28日
-
逃避だかなんだか、チャイナ・ミーヴィル『キング・ラット』(アーティストハウス)読了。ロンドンの影に広がるもう一つのロンドンを舞台にしたダーク・ファンタジー、というわけで思いっ切り『ネヴァーウェア』とかぶっていたり。『ネヴァーウェア』がキャラとエピソードを大量にぶち込んだ猥雑さで勝負しているのに対して、こちらは真っ向直球勝負。文体と物語だけで勝負している。舞台と雰囲気は似ていても勝負どころが違うので優劣を論じても意味は無いが、好悪で言うなら『ネヴァーウェア』のがちゃがちゃした感じの方が好きだな。
- 11月29日
-
右目の奥に鈍痛を感じたので大事を取って早めに寝る。この痛みはきっと、このところの仕事量の増大と、ナベツネの球界支配に対する憤りが生んだ心痛によるものに違いない。誰か、ナベツネの口を封じてくれないものか。
今回の横浜買収劇に関して言えば、「フジ・サンケイが2球団に対して影響力を持つのは野球協約違反」という意見が正しいとは思うが、あの口調であいつが言うから腹が立つのだな。無理とは思うが、毎日系列がニッポン放送分の株を取得し、フジと連合を組む展開を希望する。
- 11月30日
-
体調は大いに不良ではあるが仕事はこなさねばならない。久しぶりに終バス一歩前まで残業する傍ら、本を読み終える。読み終えた本については仕事が一段落してからということで。