過去の雑記 02年 2月

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2月21日
仕事中、突然ディスプレイがRGBの縞模様に。硬直しながら再起動しようとするが、そもそも電源が切れない。泣く泣くプラグを引っこ抜き、恐る恐る再度電源を入れると最初のメモリアクセスで止まるように。数少ない手がかりを調べていくとどうやらメモリに原因があるらしい。やや安心して正常なマシンからメモリをかっぱらって起動してみると、……状況は何も変わっていなかった。あまつさえ、こちらのメモリを正常なマシンに刺すと何の問題も無く起動する。……マザーか。サポートが来るまでマシンの封印決定。というわけで一日仕事になりませんでしたとさ。

あんまりイライラしたんで一日中、「人形の国のアリス」のフィギュアについてくるおまけの飴をなめてたよ。

2月22日
故障した職場のマシンの代わりに自宅で使っているノートを持っていく。ただでさえ重いし面倒だっているのに、こんな日に限って歩き回る用が増えたり。とかく世の中ままならぬ。

というわけで辛い現実には目をそむけて、クラフト・エヴィング商會『じつは、わたくしこういうものです』(平凡社)の話。今回のテーマは人、というわけで「月光密売人」「時間管理人」「選択士」などさまざまな職業の人物が仕事と自分との関係を語っている。このところのクラフト・エヴィング商會ものは文字の力が強すぎて、変に浮世離れしていたのだが、今回はそれぞれの人の写真が碇となって作品に現実感を与えている。どの職業も、どの写真もそれぞれの味わいがあって実に良い。

2月23日
調べたけどSF-Onlineの連載には使わなかった話。テッド・チャンの「七十二文字」のメインガジェットはゴーレムを操る七十二文字のヘブル(ヘブライ)文字。実はこれ、伝統的なゴーレムの操作法とは微妙に違うらしい。伝統的な名辞は、七十二のヘブル文字三文字で書かれた神の名、すなわち二一六文字のヘブル文字なのだとか(参考:ゴーレム製造術)。となると、なぜチャンは七十二文字としたのかが気になるのだが。22^216じゃ組合わせの数が多すぎると思ったのだろうか。

夕方から名大SF研OB関東組有志で飲み会。カラオケの待ち時間に入ったゲーセンで犬の散歩シミュレイター、「犬のおさんぽ」を見つけたので早速先輩と後輩にやってみてもらう。一見ルームランナー以外のものには見えないのだが、プレイした感覚もルームランナーであるらしい。運動不足の解消にちょうど良かったり、……しないか。

その後、朝までカラオケ。1/3くらいは寝てました。
付記:カラオケまでの時間つぶしに寄ったルノアールのバイトのおねいちゃんは実に良い感じのめがねさんでした。> 藤澤さん(7)。

2月24日
唐沢なをき『八戒の大冒険 2002REMIX』(エンターブレイン・ビームコミックス)を読む。徳間から出ていた『八戒の大冒険』の一部に、ここ数年の4コマ、ショートギャグを追加したもの。「まえがきくん」「なかがきくん」「あとがきくん」があるためわりと『八戒の大冒険』っぽいが、半数以上が新規追加とあっては別の作品集と考えたほうが自然だろう。新規追加の作品は割と高値で安定している。ここ1,2年の単行本では最良といっても良さそうだ。集中の白眉はdricas.comで連載された「うずまきくん」。シュールは良いよね、シュールは。

久々に009を見る。駄目だろう、これは。ミュートスサイボーグの登場予告もなんだかいまいちだし。とりあえず次回「クビクロ」篇に期待して今回のことは忘れよう。

長谷川裕一『クロノアイズ』5巻(講談社ZKC)を読む。ハデスの正体も明らかになり物語はいよいよ佳境。まったくもって問答無用に面白い。これこそがSF活劇の王道というもの。おそらく後数巻。気持ちよく感動的に終わってくれるものと信じている。そして、今度こそ星雲賞を。星雲賞のためにも。

2月25日
諸事情により有給休暇を取る必要があったので一日休み。トリノの演出のすばらしさの前に、アメリカの田舎臭ささが浮き彫りになってしまった哀しい閉会式を眺めた後起きだして映画を観に行ったりする。優雅だ。

というわけで「ハリー・ポッターと賢者の石」を観る。なるほど。こうまで世評どおりだと思わなかった。確かに、ロンドンの魔法横丁の猥雑さ、クイディッチのシーンのスピード感、ハーマイオニーの「はい!先生!はい!」のシーンなどはすばらしいし、ストーリーのつながりは悪いし、ハリー崇拝は違和感があるし、クイディッチのルールは納得いかないし、ハリーの笑顔は邪悪だし、ハーマイオニーは絶対的にかわいい。あまりに聞いていた通りなんで、誰が見ても同じ感想に到る映画なんじゃないかと思ったことである。人と意見が違った点って、「映画の主眼はハリーのかわいさか、ハーマイオニーのかわいさか」だけだぞ。

もちろんハーマイオニーである。ハーマイオニーは全面的に無批判で絶対的に完全無欠に問答無用でかわいい。

突然、森下ベストに投票し忘れていたことに気づく。締切を過ぎている以上、意味は無いのだが無効票は承知でメールを送る。選んだのはこんな感じ。
  • 津原泰水『ペニス』(双葉社)
  • 小林泰三『ΑΩ』(角川書店)
  • 中村融&山岸真編『20世紀SF(6) 遺伝子戦争』(河出書房新社)
  • ニール・ゲイマン『ネヴァーウェア』(インターブックス)
  • エリック・ガルシア『さらば、愛しき鉤爪』(ソニーマガジンズ)
順不同、各1点。幻想小説まではありという広めのセンスでトップ5を選んでみた。もう一作、読み終えていたら確実に入るだろう作品はあるのだが、恥ずかしながら読み終えることが出来なかったので入れていない。さらにもう一作入れたい作品はあるのだが、投票すること自体がネタバラシなので入れていない。ベスト投票も難しいものであることだなあ。< って、そんなこと気にする前に締切を守れ

2月26日
漆原友紀『蟲師』2巻(講談社アフタヌーンKC)読了。快調。月並みではあるが、「筆の海」が良かった。

SFM考課表について。各考課者自身の考課結果を集計前に発表するのは自由です。他者の結果に言及するのも同様。ただ、できれば集計だけはやめていただきたいところ。僕がやること無くなるんで。

2月27日
スワヴォーミル・ムロージェク『鰐の涙』(未知谷)読了。かなり良い。『所長』よりも一段、現実味を失っているあたりが大きな魅力。とぼけたナンセンスが好きな人にお薦め。

MTV系の番組に堂島孝平が出ていた。特にこれといった感慨も無く見ていたのだが、突然、「葛飾ラプソディー」を歌っていたのは堂本光一ではなく堂島孝平であったことに気づく。なぜ、こんなに似ていないものを同じだと思っていたんだろうと、しばし呆然。

それはそれとして。堂島孝平の歌は気に入ったから少し探してみようと思ったことである。

2月28日
J-Sky対応Wizardry登場という衝撃のニュースが!!それは、あれか。僕にH"を捨て、J-Phoneを使えと脅迫しているのか。脅迫しているんだな。そうか、そっちがその気ならこちらにも考えがあるぞ。むう。J-Phoneか。ショートメールが有料になるんだっけ? < 検討を始めるし

三浦冬『おつきさまのかえりみち』(ワニマガジン社)を読む。この時期の<快楽天>はほとんど読んでないので未読ばかり。手数を惜しまない絵柄は好きだが、話が<快楽天>らし過ぎるというかセンシティヴに過ぎるのがちょっと。表題はじめ、「ヨトギノクニ」「とおくしづかなうみのいろ」といったタイトルのセンスは大いに気に入った。

20世紀SF考課表の参加者が増えたので20世紀SF考課表・暫定版を作る。まだまだ参加者募集中。です。> 思い当たる人

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