過去の雑記 02年 6月上

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6月 1日
夕方から飲みに行く。適当に切り上げてユタに行こうと思っていたのだが、幻の酒とやらがでるまでと粘っているうちに完全に沈没してしまって果たせず。いや、10年ぶりというか生涯2回目というくらいに完全に潰れてました。面目ない。> 同行者

で。親切な方々に面倒見ていただいてなんとか電車には乗ったものの、結局どうにもならず、一晩泊めていただいたり。ほんとうにご迷惑をおかけしました。

泊めていただいた部屋は本当に機能的に出来ており感心した次第。こういう部屋に住みたいものである。

それはそれとして。そんなわけで、幻の酒とやらは飲み損ねた上にユタにも行き損ねた。虻蜂取らずとはこのことだ。まったく動かない体に閉じ込められたまま、人々が「これはうまい」というのをただ聞いているだけというのは拷問に近いものがある。とりあえず、二度と焼酎だけは飲むまいと天に誓いましたね。ええ。

そういえば。途中ネタ探しに寄った渋谷Book 1stで、ラファティの小特集があった。特集といってもハヤカワの3冊が面を向けて並んでいただけではあるのだが、ラファティの追悼特集(*)をやっている書店は初めて見たので大変に好印象。これから大きな書店に行くときはまずここに来よう。泣くほど遠いけど。
*追悼とはどこにも書いてなかったのでこちらの思い込みかも。しかし理由もなく面陳していたのだとすれば、それもまた偉い。

6月 2日
朝から二日酔いでろくに動けず。しかたがないのでこんなものを作ってみた。もちろん2chの各スレッドに触発された物。

奇想SF特集で鳴らした俺たちバカSF作家は、売れ行き低迷の責任を取らされ目録落ちにされた。単独著作を諦め雑誌掲載だけとなった。しかし、短篇だけでくすぶっているような俺たちじゃあない。筋なんてどうなろうがアイデア次第で何でもやってのける常識知らず、不可能を可能にし、長大なだけの小説を粉砕する、俺たち、バカSF作家Oチーム!

わたしはリーダー、R・A・ラファティ。通称「史上最高のSF作家」。秘密結社妄想とホラ話の名人。わたしのような天才作家でなければ奇想天外の常識外れどものリーダーは務まらん。

俺はバリントン・ベイリー、通称哲学屋。自慢の難解な論理に、似非インテリはみんなイチコロさ。ハッタリかまして、衣裳哲学から後退理論まで、何でも信じさせてみせるぜ。

よお、お待ちどう。俺様こそラッカー。通称クレイジーマスマティシャン。ラリった文章を書かせれば天下一品!ストーリー?人物描写?それは何。

イアン・ワトスン。通称日本通。難渋の天才だ。ポルノ小説でも読みにくく書いてみせらぁ。でもちゃんと話を落とすのだけはかんべんな。

俺たちは、道理の通るSFにあえて挑戦する、頼りになる神出鬼没の、バカSF作家Oチーム!

センス・オブ・ワンダーを感じたいときは、いつでも言ってくれ。
いまいちだな。

6月 3日
いしいひさいち『B型平次捕物控』(東京創元社)読了。定型からのずれだけで笑いを取る技術には感服。はさみこまれる寛永通宝ネタもいい感じ。お気に入りは「徒歩25分」「古河公方」あたりかな。

6月 4日
いつものように定時で職場を出ると、正門付近で渋滞が起きていた。……みんな観たかったんだね。

<異形コレクション>『恐怖症』(光文社文庫)読了。外れ。

6月 5日
山田正紀『ジャグラー』(徳間デュアル文庫)読了。ジャグラーの設定はかっこいいのに、世界がかっこよくあることを許してくれないのが惜しすぎる。設定がところどころ矛盾しているような気がするとか、レディ・シャーマンが何をしたいのかまったく不明とか、おちが例によってさっぱりとかは言ってもしかたがないことか。途中まではこんなにかっこいいのに。途中まではこんなに面白いのに。途中までは……。 < わかっていたことだろう

6月 6日
あずまきよひこ『あずまんが大王』4巻(電撃コミックスEX)読了。これにて大団円。終盤のしみじみ話連打も、神楽の実はいい奴話も悪くはないが、好きなのは「つい」のような、いかにも四コマらしいネタなのだった。絵の魅力、キャラ立ての上手さ、シュールと日常のバランスなど、さまざまな美点を持つ作品だったが、なにより「ありきたりの日常四コマとしての面白さ」という点で優れていたことは忘れてはならないような気がしなくもない。

と言ったそばから。キャラとして面白かったのは大阪。気にいっていたのはよみとにゃも。(存在の必要性は理解しつつも)鬱陶しかったのがともとゆかり。我ながら、律儀にハイテンションが嫌いだなあと感心。

6月 7日
職場で、先輩が嬉しそうに「ネットランナー」付録の「中華キャノン」を見せてくれた。買うこと自体は別に当然のことだと思いますが、二つ買うのはいかがなものかと。> 先輩

突然、「レゾンデトール」という言葉が頭に浮かんだ。存在意義。別にどうということもない日常的な単語である。だいたい一日に1回や2回は口にするような陳腐な言葉だ。しかし、なにかが気になった。本当に「レゾンデトール」だっけ?疑問を持ってしまったものはしかたがないのでgoogleで引いてみる。と。「レゾンデトール」ではなく「レゾン・デートル」だった。がーん。まあ、今からでも間違いが正せたのだから良しとしよう。ついでに「でーとるって何?」という疑問も解決したし。

90年代SF傑作選収録作考課表に、とりこさんの評を戴いた。集計はまた後日。

6月 8日
町山智浩&柳下毅一郎ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判』(洋泉社)を読み終える。読み終えていて良いのか。

僕がネタ元の映画を見ていないのが辛かった。元映画を離れてもそれなりに楽しめるようにはなっているが、やはりそれには限界が。パロディ、批評を楽しむためにももっと映画を見なければと思ったことである。< 本末転倒

6月 9日
本を読んだり、仕事をしたり、逃避をしたり、逃避をしたり、仕事をしたり、本を読んだり、寝たりしてたのだと思うがあまり自信がない。最後のはやってないかも。

6月10日
帰りがけに近所の書店に寄って、『樒/榁』を手にとり、ため息をついて元に戻す。仕事がちゃんと終わってから買おう。
↑珍しく自制心があるかのような行動
↑自制心があったらここまで追い込まれない

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