過去の雑記 02年 8月

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8月11日
今さらだが。Anima Solaris最新号にラファティ追悼ブックレビューが掲載。秀逸です。

仕事が遅れまくっていたのでコミケ見物は諦めたというのに、ついがまんできなくて京大SF研他参加のコミケ後の呑み会に途中参加。到着したとたんに閉会となったのでカラオケに向かう人々のなかから数人を拉致し、パセラ近くの飲み屋で2時間ほど。その後、カラオケ明けの人たちも交えさらに呑み。いいかげん酒が回っていたにしても、君がオーベルシュタインなら彼はミッターマイヤーという話題は大変頭が悪くて良かった。あいつ総受けとかもかなり。

8月12日
西川魯介『ラブ装填(コメ)★電動ファイター』(ワニマガジンコミックス)。今度は(も)ショタでロリでレズであまつさえ眼鏡だ。心の向かうところに忠実でありつづけるその作風。すばらしい。

ゆうきまさみ『パンゲアの娘 KUNIE』4巻(少年サンデーコミックス)。ついにあるいはやっとカラバオ篇。面白くなってきたのに。面白くなってきたところだったのに。

8月13日
「読売、連日の故障者にもかかわらず無敵状態」だの「阪神、怒涛の故障者攻勢で呆然」だのといったニュースを見るうちに、他はどうなのだろうとちょっとチェックをしてみる。結果……。読売だの阪神だの程度の故障者数は大変のうちにもはいらないって。

横浜は、川村丈、野村弘、谷口、中野渡、三浦、斎藤隆、木塚が故障した状態で、どうやって野球をしているのだろう。あ、できてないからあの順位なのか。

しかし、故障者の多いシーズンだ。下手すると故障者が一番少ないチームが広島なんだもんなあ。

おまけ。その調査の過程で見つけた燃えよドラゴンズ研究サイト。見事。

8月14日
ちょっとだけスーパージャンプを読む。平松伸二と車田正美が共に背景の数式でハッタリをかましていたのだが、そこに技術の差が歴然と。「運動エネルギー」の背景に「E=1/2mv2」と描くだけの平松背景の情けなさに比べ、車田背景の意味の無い迫力といったら。いや、どう見ても意味が無い式なんすけどね。

田中圭一『田中圭一最低漫画全集 神罰』(イースト・プレス CUEコミックス)。なにが彼を過酷なパロディの道に進ませるのか。なぜ、そうまでして下ネタに走らねばならないのか。手塚キャラが全身全霊をかけてギャルゲーをプレイする(だけ)の「神は天にいまし世はすべてこともないわきゃあない」が集中のベスト。

8月15日
一発ネタですが。簡易版日本地図(夏の甲子園仕様)。

           北
           南
           青
           秋岩
           形城
           新島
 福  根鳥兵京井石富群栃茨
長佐分口広岡阪奈滋岐長梨埼千
 熊宮 媛徳 和三愛静神西東
沖鹿  高香
東京湾と大阪湾の周辺以外は意外に再現率が高いと思うのだがどうだろう。高校野球を見ながら今どこが残っているかをざっと見るのに便利(そうか?)。こんな感じで。

           ×
           ×
           ×
           ×岩
           ××
           ××
 福  ××××井石××栃茨
××××広岡×奈×岐長×××
 ×× 媛徳 和××静神×東
××  高香
高校野球以外に使う場合は北(北北海道)と東(東東京)を全角空白にして、南を北(北海道)、西を東(東京)にして使用して欲しい。

8月16日
帰宅後、志村邸宴会に参加。志村さん、ありがとうございました。

宴会では近刊とか、恋愛体質の人とか、大学とか、ゲームとかの話を。こういう面子で恋愛話が出る日が来ようとは思ってなかったよ。

まあ、そんな心に痛い話は置いといて月末の記事で書き損ねたことを。

今年度圧倒的ベスト級のできばえを誇るエドガー・パングボーン『デイヴィー 荒野の旅』(扶桑社 幻の名作SF)。文明崩壊後の北東アメリカが舞台なのだが、なんせ崩壊しているので地名が生の形では出てこない。そこで地図を片手に、この国はこの辺、あの国はあの辺と想像を働かせることになる。こいつが楽しいのだ。初読時は物語の流れを疎外するかもしれないのでお薦めしないが、再読の際には是非北米の地図を眺めながら読んでみていただきたい。

8月17日
寝不足と二日酔いの頭を抱えて柏に戻り、ながらくうだうだした後、ユタへ。

参加者はSF人妻、大森望、尾之上俊彦、添野知生、高橋良平、林、宮崎恵彦、柳下毅一郎、山本和人(あいうえお順、敬称略)。ぼくが聞いた主な話題は、コミケの収獲、デイヴィー、宗教ミステリ、カートゥーンネットワーク、2ch SF、ハロ、東大OB御用達のブース(男性向け創作)、自分の評判を気にする人、グッチ裕三、クリプトノミコンの謎、フィリピン映画、ピンク映画、史上最低のミステリ作家など。10月に新宿でチェコアニメの新作上映というのは記憶に留めておかねば。

さらに月末の記事で書き損ねたこと。ハルペリン『誰も死なない世界』(角川文庫)はいろいろと価値判断が難しい小説だった。どうも溶け合わない「お気楽極楽未来予測」と「家族の葛藤」、暴走する欲望の全面肯定の是非などもそうなのだが、一番難しいのが、クライオニクス小説の部分。小説だけならさほど気にならなかったのだろうけど、著者あとがきと解説があまりにも無条件肯定なのが。

8月18日
話題の「あずまんが大王」先週分を見る。モラトリアムをテーマとしたオリジナル。途中もう一度フォローすれば、きれいに最終話につながりそう。「あずまんが」世界は「あ〜る」と同じ、「終わり(=卒業)の予告された楽園」だから、このテーマが出てくるのは必然だろう。ただそれはあくまで裏に隠し、表に見せるべきではないというのも一理ある。いずれにせよ、にゃもに「春日さん」ではなく「大阪」と言わせてしまった罪は万死に値するが。> 脚本

「終わり(=卒業)の予告された楽園」といえばみずしなの「サボキャン」もそうだったはずなのだよな。2,3巻の頃はこんな形で続いてしまうとは思わなかった。今の惨状を見ると、楽園は(キャラの耐用年数が過ぎた時点で)終わらねばならないのだと痛感する。

荒川弘『鋼の錬金術師』1,2巻(エニックス ガンガンコミックス)を読む。高いレベルでギャグとシリアスのバランスが取れた、隙の無い冒険ファンタジー。表紙の一発ネタまで安定して隙が無い。安心して読める面白さというのはこういうものをいうのだろう。テイストは『金色のガッシュ』と似ているが、こちらにはガッシュを読むときの「いつ壊れるのだろう」という不安感が皆無。その分、意外性に欠ける……、というのは贅沢の言いすぎだ。

8月19日
ふと思ったこと。レギュレーション変更がなければ、前例から言って『仮面ライダー SPIRITS』と『クロノアイズ』は来年の星雲賞コミック部門の受賞資格があるのだな。どちらも第一部が終わって、別タイトルで始まってるし。

逆に『仮面ライダーSPIRITS 仮面ライダーZX』や『クロノアイズ・グランサー』の終了時に『仮面ライダーSPIRITS』全体や『クロノアイズ』全体に投票することはできるのだろうか。できそうな気もするが。

公式発表が出たみたいなんで、コミケ後に細井君に聞いて一番驚いた話。今日フェスの本会企画現代日本において大衆的には正常とは見なされていない性的志向をテーマとするSFの世界(仮称)。「i-doroid」編集長を呼ぶなんて、企画がでた時点で勝利でしょう。京フェスは行くぞ。日程的には洒落にならないほどきついけど万難を排して参加するぞ。

そういえばDASACON 6にも参加申し込みしたのだった。参加予定者紹介にコメントが載るのは夢だったので、ちょっと嬉しい(微妙に本気)。今回は「知らない人と合計1時間以上話す」を目標にしよう。< おまいは小学生か

もうひとつそういえば。そろそろSFM考課表に登録してくださいよ。 > 一歩さん

8月20日
ひとの幸せが素直に喜べない荒んだ心の今日この頃。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

中高の友人達のように人生に達観するべきなのか。2年前まではそうしていたのだし。

って、そんな前フリとは何の関係もなしに。ふと気になったのだが「佳作」というのはどんな受け取られ方をする言葉なのだろう。あまり確認もせずに70点台のイメージの語として使っていたのだが、もっと低く見られる可能性もあるのか。多用している言葉なので、ちょいと確認しておきたくなった。

僕の感覚では、クズ < 駄作・愚作 < 凡作 < 標準作 < 良作 < 佳作 < 秀作 < 傑作になる。良作と佳作の関係は曖昧かも。中学交表記ならどちらも+1という感じ。何か見るべきところがあると良作、全体のまとまりが良いと佳作という感じかな。そんなわけで僕の文章に「佳作」が出てきたら、褒めすぎない程度に褒めてるんだと解釈していただけると幸い。

あ、枕に振るだけ振って忘れていた。荒んだ心は裏に隠して。おめでとう、水撒屋。

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