過去の雑記 02年10月

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10月21日
サッカーファンのほうのnalさんのページから2ch 国内サッカー板 南予オレンジスレッドにたどり着き熟読。そのあまりの熱さに当てられて、つい能田達規『オレンジ』1〜5巻(少年チャンピオンコミックス)をまとめ買い。雑誌で読んでいたときは普通に面白い程度にしか思ってなかったはずなのに、まとめて読むとこんなにのめり込むことになるとは。南予サッカー三五年の歴史の結晶、片岡のエピソードは涙無くしては語れまい。良いです。

10月22日
サイトの本分を思い出し、突貫工事で『地球礁』感想リンク集を作成。とりあえず、フレッシュアイとgoogleの検索結果から。デザインや細部の詰めは後日の予定。情報絶賛募集中。

DASACON関連。

いろんな方と話し損ねわけだが、特にS-Fマガジン考課表に参加していただいている方と考課表の話が出来なかったのは、いまさらながらもったいなかった。「SFM読者賞にあわせて年度で傾向だしたいんだけど、1月号に遡って考課をつける気あります?」とか確認しておけばよかった(註:僕が面倒なので本当にやるかどうかは未定)。HirayanさんNALさんとお会いする機会なんてそう無いのに。

でもまあ悔やんでばかりいてもしかたがない。収獲も多々あった。もう一つの課題、「今年のJコレクション以外の国内SFベストを聞いて回る」はそれなりに達成したし。

それに、のむのむさんの地口も聞けたしな。

「アイオーン、アイオーン♪仕事が好き」って……。

10月23日
『地球礁』感想リンク集更新中。90年代SF傑作選収録作考課表も追加の評を戴いてますが、反映はもう少しお待ちください。

久しぶりに週ベを購入。やはり今年の西武と読売は一方的に強いことであるなあ。来期はせめて戦いと言える戦いができる状態にまで持っていって欲しい。> 山下
なお、一番気になった記事はGBA版ベストプレープロ野球の広告。本体とセットで買うべきかどうか大変悩み中。買ったらペナント付き合う気のある人います?

王欣太『蒼天航路』26巻(講談社モーニングKC)読む。江南篇後半と華佗篇前半。曹操と荀ケ(イク)の対立を、法と儒の争いに見立てるのはまあまあ。華佗を絡めるあたりもうまい。しかし、それだと最初期の巻の荀ケ(イク)像と微妙にずれる気も。まあ、いまがおもしろけりゃ良し。

岡村杜巳『ハートはここに』(蒼竜社プラザコミックス)も。いや、ほんとにただのエロマンガなんで、流していただきたく。

昨日の帰り、ふと思い立って職場から最寄り駅まで歩いてみたのだが、これが。昨年に比べ所要時間1割増のうえ帰りの電車で本を読む気力も無いほどの疲労まで背負ってしまった。運動不足は七代祟るというのは真実であることを痛感。こらからはまめに歩こうと思わず天に誓ってしまったのだった。で。

今日は筋肉痛で足が動きませんでした。どっとはらい。

10月24日
bbsの湯川さんからの突っ込みを受け、『そらトびタマシイ』の題名を修正。絶賛とか言っておきながら、題名間違えてちゃ世話ないっすね。申し訳ない。

今週も「電脳なをさん」(週刊アスキー)は凄かった。すでに大概のネタでは驚かないぞと思っていたが、まさかプラモのモ子ちゃんで来るとは。あまりに不意をつかれたんで、笑っちまいましたよ。

ふと思い立ってSF作家の生年を調べ始める。まずは『海外SF翻訳作品集成』の情報から。まったくもって作りかけなれど、アガサ・クリスティとE・E<ドック>スミスとカレル・チャペックは同い年(1890)とか、E・R・バローズはダンセイニ卿より年上とか、バクスター(1957-)、ソウヤー(1960-)、イーガン(1961-)の英連邦御三家は、日本の62年組より少し上だけどほぼ同世代とか、いまさらのことに気づいて楽しい。ブラウンってハインラインより年上だったのか。

筒井康隆『自選短篇集3 パロディ篇 日本以外全部沈没』(徳間文庫)読了。心の底から今さらながら「読者罵倒」のすばらしさにしびれる。「本を読むこと」を趣味とする者はすべて、月に一度は読み返すべし。罵倒の内容もさることながら、頭韻を駆使しリズムを自在に操る文章もまた快楽のもと。と、これで腹を立てることができないあたり、自分もまた「自分の枠を超えたものは理解できず、しようともせずに面白くないと詰る、想像力も創造力も無い低能」なのだよなぁ。

そんなこんなはともかくとして。無事ビッグオーを見られたので、満足です。

10月25日
思いっきり風邪引いたので休みを取ってだらだら。むー。今年度は有給休暇の消費が早すぎるなあ。

というわけで、病を押して倉阪鬼一郎『内宇宙への旅』(徳間デュアル文庫)読了。すげー。何をどうしたら、こんなものを書く気になるのか。すっかりと抜け落ちた小学生時代の記憶。その記憶を追ううちに作家のはまり込んだ陥穽とは。って、そんなあらすじ書いてもなあ。今年度の国内ベストに推すべきかどうか思案中。

脳裏に浮かんだ「自分への誕生日プレゼント」という言葉に負けてゲームボーイアドバンス付きで「ベストプレープロ野球」を買ってしまう。とりあえずデフォルト状態のまま、ペナントを争わせてみたところ、スタートダッシュに成功した横浜があれよあれよという間に敗北を積み重ね、見事最下位でゴールイン。優勝がぶっちぎりで読売というあたりも含め、あまりのリアリティに泣きたくなってしまった。なお、パシフィックは優勝が福岡ダイエーで僅差の2位に西武、最下位がオリックス。これもまたそれらしい結果である。さて、大局的なデータはよさげとわかった上で、どう遊ぶか。

10月26日
長らく空き部屋となっていた隣から物音が。どうやら留守の間に引越しが行われたらしい。残念ながら妙齢の女性ではなく、中国人の家族が入居してきた模様。とりあえず夜中は物音を立てないようにしよう。< その前に寝れ

GBA版ベスプレの設定を多少変更。谷繁が横浜に残留していたらという設定の仮想ペナントを行ってみる。結果は(読売ぶっちぎりの1位はどうでもいいとして)2位。前回3位の中日は5位に沈んだ。シゲの存在がここまで影響するなんて。あまりに事実くさくていや過ぎる。なお、今度のパシフィックは首位西武の最下位オリックス。ダイエーは割と終盤まで粘っていた。ふむ。

夕方からユタ。いや、飲み会の待ち合わせに。これが最後と寄ってみたユタは、思いのほかの大盛況。とても来月にはなくなっているようには見えなかった。

その後、池袋に移動して飲み会。30歳祝賀として飲み代を持っていただいた上、「アリスのティーパーティー」ノーマルコンプリートセットという喜びどころが微妙なセットまでもらってしまった。みなさん、ありがとうございました。

祝賀はあくまで口実なので、話題は『グラン・ヴァカンス』とかソウヤーとか派閥の難しさとか。なかでは日本のシリーズハードボイルド探偵はススキノの一人を除いて東京在住という話が興味深かった。あとは「シアトルSFには何があるか」とか。

夜は無謀な人々でカラオケ。名古屋TV 土曜5:30枠マラソンは思いのほか大変だったことである。

10月27日
SFM11月号読了。
飛 浩隆「蜘蛛(ちちゅう)の王」
『グラン・ヴァカンス』の前日譚。区界の設定はこちらの方が興味深い。シリーズの前二作に比べ、より物語的だったのも好印象。これが出来るなら、ラストに期待を持つこともできる。
草上 仁「壁の向こうの友」
壁の向こうから聞こえてくる謎の音。情感を交えたラストではあるが、弱い。
飛 浩隆・藤原ヨウコウ「『グラン・ヴァカンス』より」
企画の方向性としてありなのか。文のレベルではさほど美しいものではないのだから、断片だけ抜き出されてもなあ。
神林長平「膚(はだえ)の下」(第19回)
前回を思い出すのに苦労した。慧慈の思考に同調できないのが最大のネック。
谷 甲州「パンドラ」(第22回)
今回も引きで終わり。
リーダーズストーリーは実に星新一的なアイデアとプロットを持つ作品。あと一つ何かあれば。

探しても探しても見つからない本を手に入れるため都会へ。ついでに白水社の自由価格本をチェックするため切り札・ジュンク堂に行く。持っているような気もするが千円以下ならかまうまいとカレン・テイ・ヤマシタ『熱帯雨林の彼方へ』、キャシー・アッカー『ドン・キホーテ』を買ったのを皮切りに親の敵のように本を買い込む。買ったのは以下。

一條裕子『必ずお読み下さい。』(マガジンハウス MAGコミックス)、篠房六郎『篠房六郎短編集 〜こども生物兵器〜』(講談社アフタヌーンKC)、吉野朔実『記憶の技法』(小学館フラワーズコミックス)、竹本泉『はたらきもの』(朝日ソノラマ Izumi Takemoto Dashinaoshi)、福島聡『少年少女』1巻(エンターブレイン ビームコミックス)、小坂俊史『せんせいになれません』2巻(竹書房 バンブーコミックス)、三家本礼『ゾンビ屋れい子』8巻(ぶんか社コミックス)、森博嗣・佐久間真人『猫の建築家』(光文社)、火浦功『トリガーマン! 1 2/5』(ソノラマ文庫)、フォルカー・ブルミッヒ『テッド・ギャラリー くまの世界美術史』(中公文庫)、ニコラエ・ストイチェスク『ドラキュラ伯爵』(中公文庫)、山形浩生『コンピュータのきもち』(アスキー)、マーレル・デイ『神の子羊』(DHC)、レイ・ブラッドベリ『塵よりよみがえり』(河出書房新社)、山口雅也『奇偶』(講談社)、川端裕人『竜とわれらの時代』(徳間書店)、ピエール・マッコルラン『アリスの人生学校』(学研)。これでも見つからなかった本が数冊あるのだよなあ。『どんとこい超常現象』はどこに置いてあるのだろう。

『必ずお読み下さい。』。取説の定型文をタイトルとした短篇連作。全体におもしろうてやがてかなしき風情が漂うのはいつもの通り。木村しづさんの取扱説明書の「風情」は実にすばらしい。

『せんせいになれません』2巻。いつものとおり。

『ゾンビ屋れい子』8巻。イーヒン篇決着。次巻への引きが無かったのには驚いた。

『はたらきもの』。再刊。前の版も持っているのについ買ってしまったが、次からはどうしよう。

縁起物なのでやってみましたライトノベルファン度調査。結果は以下。

 既読は300作品中 33作品です(平均は 50.09作品)
 711 人中 433 位でした。

  • ロードス島戦記 (水野良 スニーカー)
  • 未来放浪ガルディーン (火浦功 スニーカー)
  • 小娘オーバードライブ (笹本祐一 スニーカー)
  • 聖エルザクルセイダーズ (松枝蔵人 スニーカー)
  • ブギーポップは笑わない (上遠野浩平 電撃)
  • 猫の地球儀 (秋山瑞人 電撃)
  • やみなべの陰謀 (田中哲弥 電撃)
  • ふわふわの泉 (野尻抱介 ファミ通)
  • 図書館戦隊ビブリオン (小松由加子 コバルト)
  • スレイヤーズ (神坂一 富士見ファンタジア)
  • 風の大陸 (竹河聖 富士見ファンタジア)
  • 食前絶後!! (ろくごまるに 富士見ファンタジア)
  • 無責任艦長タイラー (吉岡平 富士見ファンタジア)
  • ロケットガール (野尻抱介 富士見ファンタジア)
  • かめくん (北野勇作 デュアル)
  • 僕らは虚空に夜を視る (上遠野浩平 デュアル)
  • おもいでエマノン (梶尾真治 デュアル)
  • サムライ・レンズマン (古橋秀之 デュアル)
  • エリアル (笹本祐一 ソノラマ)
  • ペリペティアの福音 (秋山完 ソノラマ)
  • 聖刻1092 (千葉暁 ソノラマ)
  • 天夢航海 (谷山由紀 ソノラマ)
  • ソルジャー・クイーンシリーズ (嵩峰龍二 ソノラマ)
  • ピニェルの振り子 銀河博物誌 (野尻抱介 ソノラマ)
  • 高天原なリアル (霜越かほる スーパーダッシュ、スーパーファンタジー)
  • アルスラーン戦記 (田中芳樹 角川文庫)
  • 星界の紋章 (森岡浩之 ハヤカワ文庫JA)
  • グイン・サーガ (栗本薫 ハヤカワ文庫JA)
  • みのりちゃんシリーズ (火浦功 ハヤカワ文庫JA)
  • 六番目の小夜子 (恩田陸 新潮ファンタジーノベルス)
  • 創竜伝 (田中芳樹 講談社ノベルス)
  • 銀河英雄伝説 (田中芳樹 徳間書店)
  • アップフェルラント物語 (田中芳樹 徳間書店)
事前の予想通り、少ない上に古い。ロートルなりに頑張ったほうだと自分を納得させておこう。

10月28日
てなわけで30になりました。なってみたところによると、なったところでどうというものでもないらしい。とりあえず、これからは大人の魅力で迫っていきたいと思う。さて、ひとりの誕生日の淋しさを紛らわすために、コンビニにケーキ買いに行こうっと。< 大人か?

火浦功『トリガーマン! 1 2/5』(ソノラマ文庫)読了。10年前の1巻に未収録1本、書き下ろし1本を加えたほぼ上位互換の増補版。上位互換だというのに、カバー折り返しの「火浦 功 作品」欄には『トリガーマン!I』『トリガーマン! 1 2/5』が列記してあるというのは謎過ぎる。沖一のイラストに思い入れがある人は旧巻を買えということか。確かに「不死鳥は舞い降りた」の挿絵は、沖一の「素っ裸で弥七の頭にしがみつくミリアム」(多分)の方が良いなあ。書き下ろしの1本は良くも悪くも最近の火浦功。見事なまでにすっかり枯れている。この枯れ方が味になる作品もあるが、『トリガーマン!』だとちょいと合ってない様な。楽しく読んだけどな。
なお、旧巻を覚えている人は、実物を見て驚くと思う。なぜ、ページ数が3割増えて厚さが半分になるんだ?

GBA・BPPBで横浜・谷繁の仮想ペナントをもう一度。今度は3位。2位はヤクルト。首位はぶっちぎりの読売。パは首位・福岡ダイエーの最下位オリックス。全般に広島は史実より強め、阪神は史実より弱め。近鉄は不安定。ロッテは史実よりかなり強めという傾向があるようだ。だからどうというのはもう少し遊んでから。

10月29日
『地球礁』の感想を探してさまよううちに見つけたネタ。
75 :名無しは無慈悲な夜の女王 :02/10/16 23:08
 ホラー映画はSF
 SF映画はファンタジー
 ファンタジー映画はホラー
2ch SF/FT/HR板 SFとファンタジーとホラーの違いスレッド 75
うまい。

さらにGBA・BPPBをぶん回す。初期設定で2回試して、セントラルはどちらも読売首位の横浜最下位、パシフィックは西武首位でオリックスと千葉ロッテの最下位が一度ずつ。セは読売と横浜がそれぞれにダントツで他は並(ヤクルトが強め、阪神が弱め)。パは西武・福岡ダイエーの2強とオリックスの弱さがやや抜けた感じというデータ構成のようだ。個々の選手の成績レベルではかなりゆらぐのにチーム成績レベルでは割と安定しているというのはかなりのバランスの良さ。遊べそうである。

10月30日
新城カズマ『星の、バベル』(ハルキ文庫 ヌーベルSFシリーズ)読了。南洋の架空の島嶼国家を舞台にした本格SF。侵略する「言語」を柱に、社会も、民族も、国家も、文明も、人類もぶちこんで、ちゃんと活劇にしたてあげた豪腕は絶賛するほかない。会話と内省だけで種明かしをしてしまうなど表現のレベルに華がないのは玉に瑕だが、ここまでの設定力と展開力があればそんなものは些細な事だ。むしろこの骨格のしっかりした作品にはそれくらいでちょうど良いとすら思ったり。SFへの愛溢れる細かなくすぐりも含め、実に心地の良い作品だった。いまどきの中高生には是非とも、これを読んで泥沼への道を進んでもらいたいところ。
#え、設定の無理?そんな細かいこた気にするな!

てなところで今年のベストについて考える。しばらく前まで忘れていたのだが10月締めのベストの場合『サムライレンズマン』も対象作品になるのだな。とりあえずこれと『星の、バベル』『グラン・ヴァカンス』は確定のつもりなのだが、はて後をどうしよう。あと2枠じゃ足りない気がしてならないぞ。困った。

GBA・BPPB。今度はメジャー移籍予定の松井秀喜を外して回してみた。結果、読売の最終順位は3位と4位。松井が抜けても 仁志 二岡 清水 清原 高橋由 江藤 阿部 後藤 が組めるなら、さほど順位は変わらないだろうと思ったがそう甘くはないようだ。松井先生には是非とも海を渡っていただいて……。って他チームの戦力ダウンで有利になっても面白いかというとなあ。びみょー。

10月31日
カートゥーン・ネットワークで「トムとジェリー」の「勝利は我に」を久しぶりに見る。家の中を舞台にトムとジェリーが大戦争を繰り広げる文句のつけようの無い傑作。ああ、これがテレビ版ナレーター氏の名調子つきで聞けたらなあ。

たまには気合を入れようとBPPBの横浜を徹底的に改造。97年のチームをベースに全盛期のブラッグスと盛田を入れたドリームチームを作成。これならペナントもぶっちぎりだぜ、と思いきや読売といい勝負を繰り広げた末、2位になってしまった。マシンガン打線完全版に五十嵐、島田、盛田、佐々木の最強リリーフ陣でもここまでか。恐るべし読売。

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