過去の雑記 03年 7月上

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7月 1日
つい油断して「ビーストウォーズ」の第1話を観る。こんな話だったのか。アドリブ利かせまくりの声優陣のはっちゃけぶりには感動するしか(脚本どおりだとしたらそれはそれで凄すぎる)。EDのテロップまで悪ふざけ満載で感動してしまった。ここまで、だーだかだーな締まりの無さだと、味があるね。

7月 2日
会社の麻雀部の人に捕まったので定時後麻雀。開始直後に「リーチ、ハイテイ、ツモ、ドラ3、三暗刻、トイトイ、えーとタンヤオはついてたかなあ、ま、いいや実は役満だから、8000,16000」という傍若無人なあがりをしてトップをもぎ取ったものの、その後、ボウテン即リー全ツッパーと呪文のように唱えていたら三回連続ラスを引いて、都合マイナス。振り込みまくりで場を乱したのでちゃんと麻雀をやろうとした人には、えらく迷惑だっただろう。ま、僕を誘ったのが運のつきだという事で諦めてくれれば幸いだ。

無能を開き直るのはいけませんやね。いや、わかっちゃいるんすよ。

7月 3日
加藤理絵『灰色の乙女たち』1巻(スクェア・エニックス ステンシルコミックス)を読む。小さな頃に母親を亡くし、今また父親に出て行かれた少女が、せいいっぱい強がって生きようとする。少女の頑張った笑いが、あまりにも痛い痛しく、辛い。

7月 5日
夕方から馬場例会。参加者は、SF人妻、大森望、小浜徹也、堺三保、添野知生、高橋良平、林、三村美衣、柳下毅一郎、山本和人(いつもの順、いつもの略)。主な話題は、虎を見よう、虎と浜、バカ女本の2、喧嘩を売る人、裁判本の著作権、むこう十年使えないタイトル、食玩様々、腰痛の日々、非セルアニメの小ブーム、めでたい、など。

例会を途中で抜けて池袋で泡盛を飲む。度数の高い古酒は雑味が無く、大変おいしくいただけることが判明。チェコアニメの話も楽しくできたし。善き哉。

2時間ばかり飲んだところで、カラオケに。途中、別宴会の方々にご挨拶しつつ、朝まで。なんだかこんなんばっかりだ。

7月 6日
近所の本屋で、円卓の騎士占いの本を見つけた。世の中に氾濫する占いサイトの山を考えれば、いまさら1種類や2種類増えたって驚くことではないのだが、書店の幻想文学棚で見かけるとは思っていなかったので不意を突かれてしまった。油断は禁物。

この本によると、僕の守護騎士はトリスタンであるらしい。トリスタンって、トリスタンとイゾルデのトリスタンか。えーと、なにやった人だっけ?ロイエンタールの旗艦の名前になったことくらいしか知らないぞ。

いまさらながらの流行り物ってことで、恋愛頭脳をやってみたり。総合判断は「適」で、「ちょっと騙されやすいお馬鹿さんなのかな、となめられています。接しやすくて裏表がなさそうだと思われています」なのだそうな。ふーん。結果を取っておくことはできないらしいので、代わりに僕との相性チェック用URLをメモしてみる。いや、別に特別な意図は無いですよ。ええ。

飯を食いに出る気力も無かったので、カップめんにコンビニ売りのサラダに野菜ジュースで夕食。いや、料理屋で食う料理もおいしいとは思うのだが、こういったメニューと決定的な差があるとも思えないのだよな。インスタントとできあい惣菜だけの生活も、さほどひどいものとは感じない昨今。院生時代の、毎食「鳥タル弁当」に比べると、かなり健康的になったし。ほら、野菜ジュースのあたり。

SFM考課表更新しました。今回は参加人数が17人。今回から齋藤さんヒラマドさん(7日追加:忘れてました、失礼)が参加してます。結果はごらんのとおり。キャラクター小説としての面白さに個性をプラスした冲方丁と吉川良太郎、旧来のSFの味が強い長谷敏司は高評価。西島大介のコミックもコンスタントに+1を稼いで、平均+0.8とこれも高評価。傾向がもっとも異なる元長柾木は弱い賛意と強い拒否が入り混じりマイナス気味と評価が別れた。個々にプラスマイナスはあっても評価0は少な目で、なんらかのリアクションは引き出せた感じ。特集の意義はあったということではないかと。

SFM考課表ではつねに新規参加者を募集してます。時々参加でもOKなので、興味のある方はご連絡を。

7月 7日
縁あって「なるたる」を見る。第1話という点を割り引いても、ちょっと説明パートが詰まりすぎ。主人公が溺れるシーンなど、セリフの間というものがないので緊迫感がわいてこない。見せ場の飛翔シーンは悪くなかっただけにもったいなさがつのる。

その流れで「D.C.」まで観てしまったり。絵に書いたような(絵だって)ギャルゲ物。ここまで徹底的にあざといと、いっそ爽快ではある。僕の人生にはかけらも必要ないけど。

そのままカートゥーン版ピンクパンサーを観る。このアニメは最近のお気に入り。ギャグはトム&ジェリーやルーニー・トゥーンズで使い尽くされたものばかりでぱっとしないが、絵柄、演出に独特の味わいがある。ピンク・パンサーの飄々とした人柄(毒気の薄いバグズ・バニーといったところか)や、シンプルにも程がある人物のデザイン、そしてなにより様々なアレンジで繰り返されるピンク・パンサーのテーマのすばらしさ。画面なんて観なくても、これを聴いているだけで幸せになれるくらいだ。カートゥーンの価値というのは一面的には語れないものであることだよ。

さらに、そのままトム&ジェリー。日に2時間もテレビを見るなんてめったにないのに、そのすべてがアニメ、しかも半分は30年以上前のカートゥーンというのはいかがなものか。こうしてどんどん他者に通じる話題がなくなっていくのだな。

7月 9日
昨日からずっと、背中の下のほう、腎臓の裏あたりが痛む。昼間スーツを着ているときは、四六時中背中を揉んでないと耐えられないくらい。おそらく、常に鞄を右肩にかけているため筋肉にダメージがきているのだろう。もうすこし均等に重さをかけるようにしつつ、ちゃんとマッサージに行けば治るのではないか。そう、頭でわかってはいても、結局対策を放棄し、症状の我慢を選ぶ今日この頃。だって、面倒なんだもん。ここに愚痴をこぼしていれば少しは気が紛れるから大丈夫さ。たぶん。

晶文社から書評用のシオドア・スタージョン作品集『海を失った男』が届く。「ビアンカの手」「シジジイじゃない(旧訳題:めぐりあい)」など、スタージョンらしさの溢れる作品ばかり8作。諸般の事情で読み始めるのは来週になる予定なんですが、収録作タイトルだけでも必読とわかります。書店に並んだら、その瞬間に手に入れることを強く強くお薦め。この後にも河出の短篇集、国書の長篇が控えているかと思うと嬉しくてどうしたらいいかわかんなくなっちゃいますね。祝、スタージョンの夏。

東京創元社からの『ファースト・レンズマン』も届く。堺三保の解説は、初めて知る話ばかりで目から鱗が何枚も。躊躇なく20へーくらい押す感じ。内容は書店でご確認を。

小田扉『こさめちゃん 小田扉作品集』(講談社 KCDX)。男子のだめさを描くのが天才的にうまいね。変さを狙っているものより、日常に近いものの方が味わい深くなっている。孤独な少女が唯一の友人の明るさに苛立ち、殴ってしまう「スミ子の窓」の最後の一言がとても良いです。

米倉けんご『私立星之端学園恋愛!?専科』(メディアックス MDコミックス)。えー、漫研部長で高校生漫画家の兄ちゃんをメインの主人公に周囲の人物が連鎖的にやりまくる話。エロ・コメから純エロのあたりなんで、ページ数の半分はやってる描写なわけだが、ちゃんと恋愛ものとしてしみじみさせる話が有るあたり、さすが米倉けんご。番外編のかたくなな女の子、ゆたかちゃんはかわいいなあ。

草川為『ガートルードのレシピ』4巻(花とゆめCOMICS)は物語の完結篇。悲劇発生装置を自己犠牲の連鎖と魔法で乗り切ってハッピーエンドという展開には少女まんがのお約束の風味もあるが、ここまでに至る主人公達の想いが十全に描かれているので御都合の空気は感じない。適切な長さで正しく終わった、良き物語でした。ああ、佐原さん、いいなあ。

カサハラテツロー『空想科学エジソン』1-2巻(幻冬舎バーズコミックスデラックス)。天才発明少女が恋人と世界を求めて大冒険。30年代SFの香りすら漂う昔懐かしき冒険SF。目が小さく、目と目の間が離れ、全般に彫りの浅い顔立ちはいまの主流の絵柄ではないが、落ち着いてみるとかなり上手い。線の太さが均一で、目立たせるべき物が目立たないのが弱点か。テイストがまんま、未来少年コナンなのでその辺が好きな人なら見逃す手はない。っていまさら言っても遅いですか、そうですか。

日本橋ヨヲコ『G戦場ヘヴンズドア』1,2巻(小学館IKKIコミックス)。漫画に取り憑かれた二人の男が、互いに助け、傷つけあいながら漫画を求め、あがき続ける。力強く、それでいて端整な描線で描かれる熱の籠もった物語が、心に高く、激しく響く。鉄男も、町蔵も、久美子も、みんなかっこいいぞ。

7月10日
夜中に腹が減ったのでスパゲッティを茹でる。茹でかけてから、先日醤油を切らしてしまったことに気づいた。これでは、いつもの「とりあえずオリーブオイルと醤油だけかけたスパ」が作れない。しばし考えた後、オリーブオイルとタバスコをかけてみる。……まずい。実に淡々とまずい。基本的に味が無いなか、タバスコの酸味だけが虚ろに主張している。だめだ、これはどうにもならない。しかたがないので、切り札ラー油を投入してみる。……なにも改善していない。辛味だけは増したが、それだけだ。どうしよう。

けっきょく、あきらめてそのまま食いました。今回の教訓。タバスコの酸味やラー油の辛味は、塩味がちゃんとついてないと状況を悪化させるだけだ。諦めて醤油を買ってくるか。

現在、うちにある食材は、スパゲティ、米、塩、胡椒、ラー油、一味唐辛子、マスタード、胡麻油、オリーブオイル、バター、めんつゆ、マヨネーズ。

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