過去の雑記 03年10月

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10月21日
昼飯に牛丼を食べていて、突然、自分に並一杯食べる体力が無いことに気づく。その時は、無理してどうにか食べきったが、おかげで腹をこわし、午後一杯苦しむはめになった。ああ、体力がなくなったとは思っていたが、まさか牛丼を食べ切る力もなくなっていたとは。翌週には0x1F歳。年齢が重く身に染む今日この頃だ。

でも、晩飯の野菜炒め定食ビール付きはふつうに食えました。王将の餃子に耐えられて、吉野家の牛丼は無理というのはなにか年齢以外の理由がありそうだ。単に、昼は胃が目覚めてないだけなのかも。

しかし王将である。餃子割引の会員証を貰うための戦いは果てしない。12月20日までの残り2ヶ月で、7000円食わなければならないとは。餃子定食で考えると、4日に一度は餃子定食を食わねばならないという計算。そこまで、胃が保つだろうか。

週ベで五十嵐章人が引退することを知る。投手を含む全ポジションを経験し、全打順で本塁打を打ったという超万能選手。そうか辞めるのかという感慨と、まだいたんだという驚きが交錯中。っつーか、いつのまに近鉄に。

10月22日
全部入りに替え玉まで注文するのは、食が細くなったとは言わないと思う。 > STRさん(10/22付)

近所のレコード屋で<チェコアニメ新世代>の2と3を購入。2はアウレル・クリムト特集。鞍馬にまたがってモラヴィアの森林を駆ける東部の悪漢、「ブラッディ・ヒューゴ」など、全6作。「ブラッディ・ヒューゴ」以外は割と伝統的なチェコ・アニメ。3はヤン・バレイ、マーリア・プロハースコヴァー、ダヴィット・スークップ、ヴラスタ・ポスピーシロヴァーの4人7作。中ではプロハースコヴァーがお薦め。一面の砂地にただ足跡だけが増えていく「足跡」、幼い子の書いた(ような)絵がアニメーションする「おたふく風邪」。どちらも動かないはずのものが動く楽しさに満ちている。

荒川弘『鋼の錬金術師』6巻(ガンガンコミックス)。兄弟の過去篇と、師匠のもとでの再修業篇。回想がコンパクトにまとまっているのは良いのだが、やや急ぎすぎの感もある。もう2割、ゆっくり進んでくれるとちょうどいいのに。マスタング大佐が子飼いの部下を招集して中央行きを伝えるシーンの緊張感(とその後の弛緩)は良いです。

3晩連続で、カートゥーンネットワークのLate Night Black & White。それぞれに味があってつまらないなりに楽しいのだが、サイレント作品にヒス音をつけるのはなんとかならないか。放送事故ではないことを明示するためなのだろうが、あまりにうるさい。

今日もベティ・ブープが無かった。なんのためのBlack & Whiteか。イソップ寓話なんて別に観たかねえってばよう。

10月23日
王欣太『蒼天航路』29巻(講談社モーニングKC)。荀ケ(イク)がいつのまにか漢朝の忠臣になっていて何がなにやら。落ちの付け方もさっぱりでさすがにこれはちょっとどうよ。劉備の蜀盗り篇はなかなか好調。簡雍がうまく機能してます。{广龍}統の死なせ方はちょいともったいない気もするけど、原作もこんなもんか。

漆原友紀『蟲師』4巻(講談社アフタヌーンKC)。竹薮の中に囚われた男と、その家族の話「籠のなか」が良かった。他もみな高い水準でまとまっている。よくもまあ、これだけの幻想を毎回紡ぎだせるものだ。

10月24日
/.jより二題。

Amazon.comが書籍の全文検索サービス開始。12万冊の本の全文から入力した単語を検索するという、書籍検索ツールとしては最強に近い機能。でも、調査用の資料なんかだと、これで見える範囲だけで十分なんてことになって売上が落ちるかも。あ、でも必要とされる人に届く率も上がるのだな。非常に便利だと思うので、和書にも適用されることを熱望する。和書は電子テキストの用意が面倒(テキストデータがない場合、スキャニングしてOCRで読み取り後、校正となるが、日本語は英語より認識率が落ちる)と聞いたことはあるが、その辺は誰かがなんとかしてくれると信じて。

AIとヒトの壁。二人の人と10台のマシン相手のチューリングテスト。詳細結果を見ると、マシンを人間と勘違いした例はほとんどない(2/72)が、人間をマシンと勘違いした例はわりとある(5/18)。人間であるというのは、人間にも難しいくらいに大変なことなのだなあ。< そういう結論なのか

前回の元ユタでスター・ウォーズ内での位置付けを聞いてきたアニメ版SWこと 『スター・ウォーズ クローン大戦』。帯アニメを観るほどSWに執着はないしなどと油断していたら、ディレクターがゲンディ・タルコフスキーという事実が。がーん。そう、タルコフスキーですよ。『サムライ・ジャック』のあのタルコフスキー。ジャックの切れ味鋭いアクションで描かれるクローン戦争。それは観なきゃいけないような。というわけで、CS加入者はカートゥーン・ネットワークを要チェックだ。

タモリ倶楽部で知った日本ブレイク工業社歌。すごいっす。最近の軟弱なアニソンなど裸足で逃げていくような正統派ロボット物アニソン。水木一郎か山本まさゆきが歌ってないのが不思議になるくらい。なんたって「地球の平和をはばむやつらさ Break Out !」ですよ。「ケミカルアンカー大地を揺らし!!」ですよ。「家を壊すぜ! 橋を壊すぜ! ビルを壊すぜ! 東へ西へ」で、「走る! 走る! 日本ブレイク工業」ですよ。最後はもう一度「Break Out!」で締めですよ。おまけに、必殺技まで。「スチールボール Da Da Da」!イカスなあ。歌い方も曲も完璧で、会社サイトのダウンロード・コーナーが着メロだけなのが不満なほど。mp3版も欲しい、というよりCDの通販コーナーが是非欲しい。

10月25日
冲方丁:作、伊藤真美:画『ピルグリム・イェーガー』3巻(少年画報社 ヤングキングコミックス)。結集した10人の「銀貨」の反目と団結、そしてナポリに迫る「孔雀」の罠。今回はあんまり進んでません。この調子だと孔雀篇が終わるのが7〜8巻、全体が終わるのが30巻くらい?月刊誌のペースとしては遅めだが、詰め込まれたルネッサンス風俗と絵の密度を考えると遅いなんて文句はとても言えない。ともかく、途中で中断などということなく無事物語が語られることを祈るのみ。番外のロヨラ&ザビエル漫遊記も良い感じでした。ロヨラさん、いい人だ。

内藤泰弘『トライガン・マキシマム』9巻(少年画報社 ヤングキングコミックス)。全篇ウルフウッド。やっぱりヴァッシュよりもウルフウッドの方がかっこいいや。

秀さんのファンタジー・チャットに参加。なんか知り合いがいっぱいいてびっくりです。って、SF系日記更新時刻界隈の人間中心になるのは予想の範囲内か。年齢層が同世代前後に偏っていたため「予想も出来ない意見」にあわなかったのは残念。もっとこう、歴史観を持たないような意見に会いたかった。あと前半の自己紹介はやはり冗長だったので、Web上にアップしておいて貰って、その場所のURLだけ名乗ってもらうほうが良かったかも。その点を除けば楽しいチャットでした。僕は(主に堺さん相手に)チャチャを入れているだけで有益な発言を何一つしませんでしたが。

10月26日
録画分を消化。「TRICK」2話はいまいち。「TRICK 2」に比べても明らかに力が落ちている。鳥居の謎の馬鹿馬鹿しさはそれなりだったけど、黒い鳥居がまったく黒く見えない時点で落ちはわかるしなあ。でもまあ、1シリーズに1回くらいは確変があると期待して、しばらく見る予定。

「鋼の錬金術師」3話は兄弟の過去篇。予想より良かった。大佐の使い方が中途半端に終わったのは残念だが、このレベルの出来ならまあ許容範囲。4話は兄弟が旅に出てから国家錬金術師になるまで。ここに1話完結の話を詰め込んで話数をかせぐというアプローチは正解だろう。原作でもまだ使ってない時期だし。ただ、せっかく詰め込んだ話がこの程度か、というのはある。少年向け無国籍ファンタジーとしては水準程度の出来ではあるのだが。魔術師オーフェンだと思えば許せるか。

軌道警察掃除屋プラネテスはふつー。半端組織のプライド話に、新人が先輩に認められるというステップを組み込んで、きれいに仕上げてます。そんだけ。

SFM11月号読了。ブリンの<新知性化>最終巻刊行あわせの宇宙SF特集号。

マコーリイ「有機礁」:オールト雲に人工物から進化した生命がわんさかいるので調査に行った科学者達。科学者がブルーカラーという設定は面白かった。でも、そんだけ。

ランディス「ドラド・ワームホールで」:船乗りと酒場女物のバリエーション。ワームホールという設定を使ったネタは悪くないが、そこまで。草上仁が書いたというなら、それでよくなる部分も含めて褒められるだろうが、ランディスでは。彼に求めるのは、ひたすら月面を歩くとか、ひたすら火星を歩くという話であって、人情の機微なんざは求めちゃいないんで。

アレステア・レナルズ「火星の長城」:火星に生き残った脳接続な人たちとの戦争。未来史の断片という感じで、これ単独での面白さをどうこうというのは辛いところ。ガジェットはわりと楽しいか。

草上仁「セキュリティ・プロフェッショナル」:草上仁得意の見立て物。これをどう捻るんだろうと思ったら、捻らなかったんでおどろいた。きれいに落ちの決まる短篇として過不足無く出来上がっている。

林巧「レン・ヤップ號の最後の夜明け」:巻貝を取る浜にやってくる彼岸に向かう船。あいかわらずイメージ先行だが前作よりはまとまっている。挿入される別世界の話は、まだ役割が見えない。そうすると、ただ作品の足を引っ張る部分に過ぎなくなるんだが。

桐生祐狩/藤原ヨウコウ「神指――ゴッズ・フィンガーズあるいは接続されたおやぢ(ことのはの海、カタシロノ庭)」:とり・みきが『SF大将』で描いた「接続された女」に完全に負けている。

特集エッセイ、特集に合わせるため「科学的・技術的な飛躍を最小限に留めた、リアルさの感じられる宇宙SF」という限定条件を自らに科す、添野知生の律儀さには感じいった。「イベント・ホライズン」がリアルかというのはともかくとして。

10月27日
先日来、腹痛が復活気味。つくばの空気が合わないのか、ここ数ヶ月毎月数万単位の赤字が出ていることに気づいたのが悪いのか。なんにせよ明日は誕生日だというのに景気の悪い事この上ない。だいたい、木曜までに臨時作業を全部仕上げて、週末は2回のオールナイト含めて7回映画館に行って、来週末は京フェスに行って、それでいて原稿用に本を読まなきゃいけないんだから廃れている余裕はないのだ。とりあえず仕事すれ。 > おれ

縁あって『べーしっ君 DVD』を観る。うわ、これは。1度見れば十分という言葉の意味が良くわかった。いや、これはこれで良いんだけど、しかしこれは。全篇通して観るのはかなりきつい。巻末の荒井清和インタビューも面白くはあるのだが、いかんせん長く。とても長く。もう少し観るもののことを気遣っていただけると嬉しいな、と思いました、まる

掲示板でKAZUTOさんに教えていただいたのだが、先日の「日本ブレイク工業社歌」はWMAのダウンロードもできた。ありがとう日本ブレイク工業。

10月28日
SFM考課表。票の集まりが悪いので、暫定版ということで。A・レナルズは予想以上に高得点。連作の中に置かれて真価を発揮するタイプの作品が、ここまで軒並み+1になるとは。P・J・マコーリイはあと一歩。世界設定の面白さに話がついていけてないのが+1止まりとなった原因か。全体に0か+1かという状態で、結果としては面白みに欠ける。自分の感想通りなんで、こうしかならんよなあ、とも思うわけだが。

現在の結果は現在の結果として。未投票のかた、ご協力のほど、よろしくお願いします。

小林伸光さんのACTIVE-HOMING BBSの722番あたり。「リーグ・オブ・名作劇場」というのはすばらしいネタだ。

お誕生日なので、22時前まで仕事して、部屋でおにぎりひとつ食べました。おめでとうの声をかけてくれた人、ありがとう。殺伐とした日々に一時の潤いとなりました。

10月29日
目先の作業のことしか考えてないので、情報入力がないと出力するものが無い。そんな悲しい今日この頃。

朝から、NBK社歌が頭の中を回り続ける。油断すると歌ってしまいそうになるので、大変に辛い。どうにか止めることが出来たかと思ったら、今度は「炎の転校生」OPが流れ出すし。しまいには「セーラーファイト!」まで流れ出す始末。このマイナー曲ヘビーローテーション状態はなんとかならないものか。

「セーラーファイト!」のOP情報を調べていてたどりついた香坂真帆のサイト。そう、「B-CLUB」「宇宙船」「ハイパーホビー」で書いていた特撮系イラストレイターの香坂真帆。いまはタレント業もやっているそうな。こりゃまたびっくり。

いま頭の中で流れているのは「Bomb Dancing メガレンジャー」。さすがに諦めがつきました。これで腹痛から逃避できるならそれでいいや。

10月30日
筑波での仕事を無理やり終わらせ、取るものもとりあえず新宿へ。東京国際ファンタスティック映画祭の前夜祭オールナイト、「泣ける!?新世代ホラー最恐ナイト」を観る。

前半の2本(「恋する幼虫」「メイ」)はどちらも疎外された人々の切ない恋物語で、実に心に痛かった。もちろん、ホラー最恐ナイトってくらいで、痛覚を物理的に刺激する痛さもたっぷり。「恋する幼虫」の前半は自主映画風演出もたっぷりで、その意味でのイタさも。

後半は寝る予定だったのだが、席の堅さと狭さが予想以上で満足に眠れず。しかたなく観た「アナトミー2」の後半は、五〇年代SFを原作としたSFアクション(「フリージャック」とかの空気)になっていたのだが、これは本当に厭手術映画の続篇なのか。最後の1本、「ツイ・ハークの霊戦英雄伝」はかなり駄目。画面が暗すぎる上、シーンのつながりまで悪く何が起きているのかわかりにくい。5人の英雄が、まったく英雄に見えないのも難点。

会場に大熊君がいたのは当然として、他に出会ったのは、柳下さんとか、大森さんとか、添野さんとか、堺さんとか、良平さんとか。まったく、元ユタじゃないんだから。

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