過去の雑記 03年10月上

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10月 1日
定時であがって八重洲の酒屋に寄り蒸留酒の補給。ついでに、会社近くのあおい書店で見つからなかった本を探すため八重洲ブックセンターへ。目的の山尾悠子の新刊は見つからなかったが、《文学の冒険》の欠けは手に入ったので良しとしよう。これで、あと1冊で既刊分コンプリートだ。読むかどうかはともかく。
#いや、半分は読んでるんだけどもな。

近所のコミック専門店でちょいと前の新刊を探したが見つからず。しかたがないので代わりに阿{口云}とOursを買ってくる。Oursはジオブリーダーズの連載100回記念。人気アンケートで入江が8位というのは意外だなあ。こういう内海課長(@パトレイバー)タイプのキャラはもっと上位に食い込むのかと思った。Oursの読者って割に健全なんすね。

一時の気の迷いで買ってしまった『山村浩二作品集』(パイオニア)を少し。初期作品の「水棲」(1987)「ひゃっかずかん」(1989)は、シュワンクマイエルの影響が透けて見える感じ。特に「ひゃっかずかん」は、「「自然の歴史」じゃん」と言われても言い訳が聞かない風情。ただ、アニメーションで描かれる語を、英語と日本語両方のしりとり(「あり/Ant」→「りりく/Take off」など)で繋ぐのは、感心した。「遠近法の箱」(1990)からユーモラスな味が強くなり、個性をはっきりと感じるようになってくる。

観た中でのベストは「カロとピヨブプト サンドイッチ」(1993)。粘土と描かれた線を自然に共存させる軽やかさが魅力。カロとピヨブプトの造型も味がある。アカデミー賞ノミネートの「頭山」は確かに画と音楽がマッチした佳作だが、よく知っている噺そのままというのが難。いや、難と言うか。日本国内よりも、元の噺を知らない海外での評価のほうが高くなるのでは。

10月 2日
今日も国書刊行会の山尾悠子新刊を探すが見つからず。当初の印象よりは、だいぶ使えなくなってきたなあ。> 中野あおい書店

ついでに探したちょっと前の漫画も見当たらなかったので、TSUTAYAに行ったらふつうにあった。柏唯一のコミック専門店も、中野随一の大書店も、レンタルビデオ屋の書籍販売コーナーに敗北するなんて。恐るべし、TSUTAYA。

ふと思い立ち、横浜ベイスターズの現状を確認してみる。現在、横浜は44勝89敗1分で12位。11位のオリックス・ブルーウェーブまでは3ゲーム差がある。残り試合が、横浜6、オリックス5ということを考えるとなかなかに絶望的な数字だが、一応まだ確定したわけではない。オリックスが全敗すれば4勝2敗で、2勝3敗でも全勝すれば、まだ11位になれるのだ。残るは広島戦1試合と中日戦5試合。たとえ相手のAクラス入りを邪魔する結果となろうとも、是非とも残り試合の全勝を。< 無理だってば

噂のパンチラ&胸揺れアニメ、「一騎当千」の第1話を見る。うひゃー、ほんとうにそれしかないや。あっぱれというべき潔さだが、別に欲しい潔さでもない。これは、もういいや。

さらに「魁、クロマティ高校」も。描き文字で無理やりつなぐ手法には感心できないが、声の演技で笑ってしまったので僕の負けなのだろう。メカ沢に若本槻夫は反則だ。油断すると見てしまうかもだが、15分しかないからきっと油断せずに済むだろう。

10月 3日
「神魂合体ゴーダンナー」を観る。巨大ロボット物。串田OPで、宙明節で、堀江&水木EDで、必殺技の嵐なのに、どうしていま一つ燃えないのか。ぎりぎりで外し続ける間の悪さが全体の印象を損なっている。とりあえず、ヒロインの独白で状況を説明するのは許してくれないものか。シーン単位では良い画もあるのになあ。惜しい。

さらに、CATVでやっていた「ガドガード」をいまさら観る。4話からいきなりなので、世界観がよくわからなかったりするのだが、そんなことはまったく気にならない。まるっこい愛嬌のあるキャラ、メカを使いながら、影の濃い重めの演出。一見、相性の悪そうなそれがみごとに調和している。無駄に語らず、必要な時に必要な言葉を発することで効果的に話を進める。これだよ。これでなきゃ。地上波放映の時からチェックしておけばよかったと後悔気味。

あまつさえ、「御先祖様万々歳!」まで観たり観なかったりする。なんか、やたら押井くさい喋りをするアニメをやってるなあと思ったらこれだったという。全体の1/3も見ちゃいないのに、大方の話の流れがわかりかつ楽しめたので、よく出来た部類なのだろう。川井節をバックに、押井調で古川登志夫が喋ってりゃ、それなりに楽しめて当然という説もある。

10月 4日
テレビな日。

「プラネテス」1話。映像はきれいかもしれないが、タナベの鬱陶しさの前には、そんな輝き一瞬で失せます。いくら奇麗事担当とはいえ、ここまで鬱陶しいキャラにせんでも。まんが版より鬱陶しい奴になるとは想像しなかった。物理関係も一部微妙(計算してないんで確証は無いけど)なんで、その辺も過剰な期待は止めた方がよさげ。ショムニ化もいらん改変に見えるし……。もう1回見て駄目なら切っていいかな。

「グランセイザー」1話。話が荒唐無稽なのはしかたがないとして。キャラに落ち着きが無いのはそういうものだとして。設定説明がくどいのは諦めるとして。特撮がかっこよくないことくらいは、せめてなんとかして欲しかったところ。

昼過ぎに人と合流してカレーを食い、そのままうちで蒸留酒を飲みながらのDVD鑑賞。30前後の男3人で、精力的にDVDを見まくるという大変活動的なイベントだったのである。

観たのはバルタ「手袋の失われた世界」、ゼマン「水玉の幻想」、山村浩二「ひゃっかずかん」「頭山」、シュワンクマイエル「庭園」、川本喜八郎「鬼」、ホードマン「砂の城」。ホードマンの「砂の城」は、砂の中から生まれた生き物が次々と仲間を増やし、みなで城を作りはじめるというもの。少しでも砂が動いたら撮り直しとなりそうなんだけど、どうやって撮影したのだろう。

あとは今回のメイン、「フリクリ」一挙鑑賞とか。そのあまりの若さ、というか、かっての若さの記号にみなで身悶えしながら観続ける。ああ、苦しかった。面白いよ。面白いんだけど、これを正面から見られるほどの心の強さはまだ無いというかですね。恥かしさのポイントはギターだろうか、やはり。

新番もさらにいくつか。「鋼の錬金術師」はたいそう微妙。だいたい原作に忠実なのに、なんだかいろいろと足りないものを観たような。原作を高く評価しすぎていて、そこからのずれに耐えられないほど心が狭くなっているだけかもしれないけど。神父が街にとって不可欠な存在であることを強調するのはどうかなあ。後篇の展開が過剰に重くなるだけにならないか?画、声はこんなものだろう。これぞと快哉を叫んだりはしないけど、特に違和感も無い。異形と化してしまったおかーさんをしっかり描写していたのは偉いかも。

「瓶詰妖精/BPS」は辛かったんで、観/見なかったという方向で。

縁あって「なるたる」最終話も観ました。前回からの予想通りの重苦しい展開。そして、後味の悪い結末の後、そんなことは忘れたかのようなエピローグでいきなり終了。エピソードとしては完結しても、ストーリーとしてはまったく解決してないこの話でいきなり完結と言われましても。全話一挙鑑賞とかしたら、いろいろな次元で嫌な気分になれそうだ。

最後にOVA版「R.O.D.」。1話終了後に気づいたんで2,3話のみ。これは面白かった。バカ設定と派手なアクションに、基本に忠実な人間ドラマの組合せで手堅くまとまってます。まじめくさって司令部が伝えてくる作戦が、ほとんど意味をなさないのもいい感じです。アクション物のH.Q.は役立たずと相場が決まってるのだよ。三妖怪の妖術を一人で操る三蔵法師・玄奘と、ドジっ娘秘書ウェンディはたいそう気にいりました。
残念なのは、2,3話だと読子の書痴という設定があまり生きてないこと。「紙を操る特殊能力の持ち主」としか見えないのだよね。これは、神保町の丁寧な描写で評判の第1話を観るしかないか。

買ったけど観てないオブジェクト・アニメ、短篇アニメのDVDを消化するため、なおも一緒に見る人募集中なので、トルンカとかシュワンクマイエルとかゼマンとかバルタとかに興味がある知りあいの人はお声掛けを。

10月 5日
いしいひさいち『眼前の敵』(河出書房新社)。週刊誌掲載の戦場物四コマ集。戦線の位置どころか、政治体制も含めてさっぱりわからない、なんてのは作品の主旨とはなんの関係もないですな。いつものいしいひさいちです。キャラに頼れない分、苦労の跡は感じるか。

草川為『ガートルードのレシピ』5巻(白泉社 花とゆめCOMICS)。前巻でストーリーが完結したのになぜ、と思ったら番外編でした。ギャグ担当、プッペン&マリオットをメインに据えたシリーズなど、それなりに楽しみはしたけど、やはり本編ほどではないか。ヒロイン・佐原のまっすぐな意志が足りないのココロ。

重野なおき『ひまじん』2巻(芳文社 MANGA TIME COMICS)。そういえば、1巻は持ってなかったかも。究極のインドア女つぐみのインドア生活。インドアとは言っても、ただ外に出ないというだけで、読書だの音楽だのといったいわゆるインドア系の趣味を持っているというわけじゃないあたりが、潔くてよいです。だらだらは重要だよね。だらだら。

「R.O.D」の1話を観るため、近所のレンタルビデオ屋に行ったら置いてなかった。だーっ!使えねえ!

10月 6日
中根兄貴がついに引退とのこと。5年前(もう、そんなになるのか)のメンバーがまた一人いなくなった。予告されているベテランの大量解雇が実施されれば、さらに減るのだろう。5年前からの生き残りは、タカシ、モリチュウ、河原、川村、番長、福盛、横山、谷口、新沼、鶴岡、相川、万永、タクロウ、タカノリ、佐伯、田中充、多村仁の17人。意外といるなあ(10/11 調べてみると、森中はすでに戦力外なのだった)。しかし、当時の主力級となると投手の7人、野手の4人といったところか。親会社の思慮なさげな主張を聞いていると、来年には半分残っていないということも考えられる。そらまあ、向こう十年以内に優勝なんてのが夢物語だってのはわかっちゃいるが、Aクラスを争えるチームになるためには、優勝経験のあるベテランが必要だと思うんだが。その辺、わかって首切りしてくれるのかなあ。頼みますよ、親会社。

S-Fマガジン考課表更新。今月の感じ。非英語圏作家特集の評判自体は悪くないのだが、個々の作品の評価はいま一つ。リニューアルで完全にコラム欄となった水玉連載の足元にも及ばないという哀しい結果となった。っつーか、水玉コラムが強すぎますね。なお「他の連載コラム陣と形式上の差がなくなったのにこれだけ評価対象なのか何故か」という当然の疑問には、「そういうものだ」とお答えしておきます。

10月 7日
中日の新監督は落合に。本気か、というよりは正気か。> 中日フロント

人気はともかく、チームとしての中日は決して悪い状態ではない。今年も先発陣軒並みダウンの非常事態さえなければ、かなり行けただろう。先発がなんとか形になった春先と秋は阪神相手に互角以上の勝負をしているのだから。山田久志はよくやったと思うし、佐々木恭介も十分な成績を収めたと思う。この体制を壊して、よりにもよって落合を招くとは。そりゃ話題づくりにはなるだろうけど、たった数日の臨時コーチで主力打者を再起不能に出来る落合だよ?球団は、福留の将来を断つつもりなのか。でも、面白そうだから、まあいいか。しょせん、贔屓チームではないし。生暖かい目で見守っていこう。

「おかあさんといっしょ」の今月の歌が平沢進という謎情報を手に入れたので、出社前に観てみる。うわ、本当だ。「おかあさんといっしょ」とは思えない、本気のテクノ。こんな物をいたいけな子供に聴かせてよいものか。ぐにゃんぐにゃんと歪む曲調に、壮大かつシュールな詞もすばらしいので、一度観てみることをお薦めする次第。「地球ネコ」というタイトルです。

10月 8日
「落合選手は戦後最大の右バッターだと思いますから」って、そんなことを言っていいのか、長嶋一茂。父親の立場は。

Web上に、ラポート倒産という言葉が飛び交っているのだが、本当なのだろうか。関係者の日記での記述が多いので、信憑性は非常に高いが経済系や出版情報系のサイトで情報が見つからないのが気にかかる。業界に影響が無い程度のニュースだから?

ゆうきまさみの初期作品が数冊手に入りにくくなると思うんで、未入手のファン(いるのか?)は要チェックだ。

10月 9日
すごいよ!!落合さん。鈴木孝政に宇野勝って……。それならまだ、牛島投手コーチに矢沢打撃コーチのほうが救いがあるだろう。しかも、補強は要らないだの、FAは追わないだの言い出してるし。来年はどんなチームになっているんだろう。

実を言うと、われらが親会社は、それ以上のデンパを飛ばしている風情なのだが、考えると悲しくなりそうなんで考えないことにしたのだった。松原って……。

SFM10月号の感想に対して藤井さんの突っ込み(「アッシャ」評の後半)が。「わたし」の語りを読む限りでは、「わたし」も「わたしのアッシャ」も女性と見えるのには同意します。が、「わたし」がアッシャのアルバムを見るシーンで、若い頃のアッシャの傍らにいる人物(=前の回の「わたし」)は、男とはっきり書いてあるんですね。「前の回は男だったけど今回は女」だとすると、「無限に繰り返される永遠の愛(の不毛さ)」というテーマが薄れるから、今回も「わたし」は男のはずだと思ったわけです。なのに、口調が女性風味なのはなぜなのだろうか、と。

10月10日
最近は「サギリックウェブ」のほしなコーナーに夢中。セントラル・リーグのマスコットキャラを擬人化した野球ヒトコマ中心のコーナーな訳だが、ベイスターズ娘、星奈の駄目キャラぶりがかなりにツボ。ときおり、微妙にえろっちーあたりもあれだ。しかし、ドラゴンズ兄貴、荒人様が広島弁で喋るのはなんとかしていただきたい。

しまった。「Avenger」も「ゴーダンナー」も見逃した。OPだけ見ておこうと思ってたのに。

「GUNSLINGER GIRL」。後半10分だけなんで、評価不能。見た範囲の画と動きと演技は水準の出来でした。ただ、内容は僕には向いてない雰囲気ではある。EDは良かったのでOPだけでも見てみようかと。

「PEACEMAKER鐵」も。新撰組物。これは明らかに向いてなかった。とりあえず、剣劇アクションのふりをしながら、動きにスピードも重さも感じないのはなんとかならんのか。

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