- 11月 1日
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渋谷ユーロスペース「中平康レトロスペクティヴ」で「若くて悪くて凄いこいつら」を観る。柴田錬三郎原作の青春映画。若い頃の高橋英樹があまりにいまのままなんで笑ってしまった。無軌道な学生達がふとしたことから知合った老人を守り悪徳企業家の手先と対決する。登場する学生がみな眩しいまでに健全(ワルぶってる学生が4人中3人まで未体験という)で、心洗われるよう。たわいない話ながら、メリハリの利いた演出のおかげで楽しく観ることが出来る。時代がかった部分も「そういうものだ」と思えば問題なし。楽観的なラストもそこまでの話の色調に合っていて不自然さはない。主題歌そのままの痛快活劇だった。
「キル・ビル」観る。タランティーノ最高!冒頭のBang Bangからキッチン用品での決闘までのシーケンスで何が起きても許す気になっていたので、あとは流れに身を任せて楽しむだけだった。元ネタなんてこれっぽっちもわかりゃしないが、マカロニと特撮と時代劇と任侠とクンフーへの愛を感じてしまっては心をさらけ出すしかあるまい。いかした戦いの数々に喝采を送り、ベタなギャグに身を折って笑う。それ以上のどんな反応が必要だろう。看護師に扮したエル・ドライバーの色気、ザ・ブライドの見せる鉄の意志、オーレン・イシイの凛とした強さ、すべてに文句なく感動した次第。そして、なによりGo Go 夕張の「はぁい&hearts」に。
いやほんと予想よりはるかにアクションがしっかりしてるんでびっくり。へっぴり腰のユマ・サーマンのチャンバラはやや辛いが、栗山千明やルーシー・リューはほとんど不満のない動き。立ち姿がちゃんと決まっているというのは偉大だ。ユマ・サーマンにしても、プロの殺陣師を相手の乱戦パートはそれなりに見栄えするものになっている。やはり、アクションは殺陣が決まってなんぼですね。
喫茶店経由で飲みに行った後で寄った高田馬場の新宿書店で福井健太さんに会う。そこで聞いたところによると元ユタ参加者は堺三保、福井健太、山本和人、SF人妻、高橋良平(おそらく到着順、敬称略)だったらしい。さすがに話題までは聞きませんでした。
新宿書店では竹本泉『夢みる7月猫』、『ハジメルド物語』(エンターブレイン ビーム・コミックス)とエロまんがとエロ小説を購入。『夢みる7月猫』はほとんど単行本未収録という蔵出し集。制服物ばかりで個人的にはいまひとつ。変な話ばかりの『ハジメルド物語』の方が好み、っつーかどちらにせよ、このころの絵柄はあまり好きではないのだった。
- 11月 2日
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渋谷ユーロスペース「中平康レトロスペクティヴ」で「狂った果実」を観る。これで気の迷いで買った5回券はめでたく使い切り。中平康のデビュー作、石原裕次郎初主演と話題は多いが、観た作品の中では最も興味をひかれなかった。四〇年前の金持ちのボンボンの生態に興味はないし。石原裕次郎よりも津川雅彦のほうがはるかにかっこよく見えることに気づいたのが収獲か。
日本のビリー・ワイルダー!中平康監督作品人気投票によると観にいった作品はすべて1位ないし4位と高評価。さすが映画評論家お二人の薦めに従っただけのことはある。実際、観て損したと思った作品はないし。特に、「危いことなら銭になる」と「月曜日のユカ」は是非とも観ておきたい作品だと思ったことだよ。
新宿に移動して「映画秘宝スペシャル ギロチンまつり ―伝説の<英雄>ジミー・ウォング―」と「ラス・メイヤーvs毛皮族 女性上位ナイト」、はまたあとで。
- 11月 3日
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ビデオを消化。「R.O.D -THE TV-」は3姉妹in神保町。丁寧な背景美術には素直に感嘆するしかない。神保町ブック・フェスティバルに合わせた(偶然だって)読子祭りも良い感じ。ただ「本の街」として出てくるのが、神保町だけというのは少し寂しい。早稲田・高田馬場にももっと光を。
「TRICK3」はスリット篇。おおかた、決めゼリフの地口のためにテーマをひねり出したのだろうが、そこはまあどうでも良く。「テンションが元に戻った」とまでは言わないが、山田奈緒子の扱いの酷さは光明と言えそう。こうやって登場人物たちの駄目な部分を書き続けるというのならまだ期待が持てるかも。
東京ファンタのクロージングを観にいく。ゲストのチョウ・ユンファはすばらしかった。会場からの質問メインという展開の予想が出来ないことをしながら、すべてに見事な答えを返す。外した質問には逆質問で受けを取り、熱心なファンは壇上に上げてサービスをする。そのいたれりつくせりのスターっぷりに会場全体が虜に。いや、さすが世界的スターは違う。
が、クロージング作品として上映された出演作「バレット・モンク」はちょっと、あれ。世界を支配する力を持つ巻物を巡り、チベット仏教の僧侶とナチの残党が対決する話。チープな設定はともかく、チベットの僧院に伝わる予言が、英語の地口で実現するという脳みそをどこかに忘れてきたような展開には唖然とするばかり。アメコミのスーパーヒーロー物だと思ってみていれば気にならなかったことなのかもしれないが、インディ・ジョーンズや007程度のリアリティはあるかと思っていたのでちょっとショックが大きかった。信じれば重力は存在しなくなるワイヤーアクションも全開で、ジャッキー・チェンを基準にアクションを見てしまう人間には甚だ辛い。どうにもこうにも。チョウ・ユンファのセリフのごく一部など見所もかすかにあり、三週間で打ち切りになる端境期のSFアクションだと思えば許せなくもないので、1000円以下なら観にいってもいいかも。
あ、主人公である猿顔の白人青年が、カンフーを覚えた方法は面白かった。
上映後はクロージング・セレモニー。600秒フィルムコンテスト優勝者発表は対象フィルムを観ていないので興味をつなぐのがやや難しかった。が、そこで上映されても時間的に辛いので、優勝者の作品の予告編バージョンを流すだけという今回の対応は正解だろう。来場有名人の紹介を事前撮影スナップだけですませたのも好印象。全体にあっさりとしていて、良かった。無駄に時間を浪費することなく、さくさく済ませるという手法は今後も継続して欲しいところだ。
結局、観たのは4.5日間で5企画、9.5作品。合間の進行に居心地の悪さを感じた場面もあったが、全体としては概ね好印象。ミラノ座の堅く狭い席の辛さを上回る楽しみを得ることが出来た。節目の二〇回を迎える来年も全力で参加したい。参加できるといいな。筑波勤務の予定だけど。
クロージング後、東洋大OP組に混ざり夕食。かぼちゃの煮付けの魂揺さぶる美味さに感動してました。良かった、まだ本当に美味いものは美味いとわかるらしい。
- 11月 4日
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齋藤君の若さに衝撃を受け、俺ファンタジー年表を書こうかと思ったが、時間が無いのでまた後日。キー・ポイントだけ挙げると、
- 精神としてのファンタジーは児童書(プロイスラー『小さい魔女』、佐藤さとる『だれも知らない小さな国』、ロフティング《ドリトル先生》シリーズ)から(〜10歳)
- 剣と魔法の世界はハイドライド、かと思ったら84年12月か。LOGiNの特集でUltima&Wizardry+D&Dの記事を見たのとどちらが先かは不明(12〜13歳)
- ファンタジー小説のガイドになったのは、コンピュータ誌での記事(安田均(LOGiN)とか、黒田幸弘(コンプティーク)とか)
- 「ウォーロック」をはじめて読んだ(12号くらい)ときには大まかな自分なりの地図(間違いだらけだったが)は持っていた
- でも「摩由璃の本棚」の影響も、多分ある
こんな。異世界ファンタジーを意識して読んでいたのは中学・高校(85〜90年)の間だけなので、何か語るには知識が絶望的に不足している感じ。あ、月刊RPGマガジンは月刊タクテクスのRPG号(当時、SG号と交互に出ていた)が月刊化したものなので、創刊によるファンタジー側へのインパクトはさほど大きくなかったと思う。> 齋藤君
ついでの余談。創刊によって月刊タクテクスが廃刊したことがシミュレーションゲームに与えた影響の方は致命的だった。あれで入門ルートが壊滅したからなあ。いまだに作戦級ゲームが生き残っているのが不思議なほど。ぼくが最も愛していたヒストリカル・マルチプレイヤーズ・ゲームというサブジャンルは絶滅したし。嗚呼、Avalon Hill……。
ビデオを消化。「プラネテス」は可もなく不可もなく。未来世界日常路線で堅実に。タナベの「愛がないです!」はすでにルーチン・ギャグの域に来ている。
「ふたつのスピカ」はメインストーリーの前提条件提示まで。学園編に入るまでは評価不能というのが誠実な態度だろう。いまのところ原作の再現性は高い。とりあえずEDは良いですね。
「鋼の錬金術師」は列車篇。まあ、ふつう。ギャグとドラマのバランスはいままでで一番マシかな。ホークアイ中尉の声が若すぎるように思ったが、当時25、26のマスタング大佐の部下なんだからこんなものかも。いや榊原良子で読んでいたんで。そうか榊原良子では年が行き過ぎか。そうか。
- 11月 5日
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野球の五輪予選を最後だけ。さすがに中国相手に負けるわけはないらしい。先制、中押し、ダメ押しと理想的な点の入れ方に、中継ぎ・抑えの調整までして圧勝。野手もほぼまんべんなく活躍し、残り2試合に期待の持てる展開となった。これなら、残り一つ位は勝てるに違いない。そして2勝1敗3チームとなって得失点差で勝負が……、違った、直接戦績 > 直接試合総失点最少 > 直接試合総得点最多(開催要項:pdf)なのか。じゃあ、中国戦の結果は「勝った」という意味しかないのだね。なんだ。
しかし、外野の配置は予想外だった。センター谷は不動、高橋は元部下に対する温情で正位置のライト、空いたレフトに福留と来るかと思ったら、日本球界最強肩の福留をライト、で後は左にひとつずつ移動ですか。福留の肩が使えるのは魅力だけど、高橋は春先調子を崩したポジションで大丈夫なのか。
- 11月 6日
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対台湾も大勝で2勝目。これでほぼ五輪出場は確定となった。次回韓国戦に敗れて台湾が中国に勝った場合の、2勝1敗3チームの形が唯一出場を逃しうるケース。この場合、三つ巴で三竦みなので「当該国同士の勝敗」条件が適用されないので、「当該国同士の総失点」が問題となる。台湾はすでに13失点で日本はまだ0なので、韓国戦で13失点以上しないかぎり予選通過が決まる。先発・和田毅の出来にもよるが、岩瀬を温存、小林雅も中一日という状況なら、そこまでの失点はないだろう。めでたい、んだか、めでたくないんだか。
アテネ五輪の期間中、ペナント・レースはどうするんだろう。五輪が11月開催なら素直に喜ぶのだがなあ。
小川一水『第六大陸』(ハヤカワ文庫JA)読了。噂通りの実録宇宙開発物。後半のアレもほとんど気にならなかった。大ジャンルとしては近そうな谷甲州あたりと並べてしまうと、汗の臭いを感じないというか、机上の小説という空気を強く感じてしまうけど、机上といえど計算してあるんだから十分偉い。質実剛健な近未来SFとしては合格点では。
- 11月 7日
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食欲がないからといって、フライドチキン2ピースとコーラで昼飯というのは微妙に過ぎるのではないか。 > おれ
人類なので、軟骨をばりばりと齧ってました。
なにはともあれ五輪は1位抜け。福留が活躍したし、それ以上に宮本が活躍したのでめでたいことにしておこう。
- 11月 9日
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起き抜けから酷い二日酔いに悩まされる。朝の喫茶店を瀕死の状態で乗り切った後、京都の書店を巡る人々についていったが、1軒目でダウン。ひとりで駅のほうへ。……向かったはいいが、京都駅へ電車で直に行く方法がみつからず、けっきょく頭の回らぬまま、ひたすら歩くことに。二日酔いで吐き気を抱えたまま四条河原町から京都駅まで歩くのは拷問のようでしたね。
それでも、なんとか駅にたどり着き、どうにかこうにか帰宅。新幹線中の睡眠でかろうじて生きていけるくらいには回復したので、選挙に行き買い逃していたまんがを買う。でも、忙しいので読むのは週が明けてから。
中学の時の同級生が衆院選に立候補していたことを知る。政治家一族の孫息子とは聞いていたので、いつかそんな日も来るとは思っていたが、いざ名前を見るとちょっとした感慨が。我々もそんな年なのだなあ。
- 11月10日
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レンタルビデオ屋で資料を借りてくる。でも、観るかどうかは不明。
なお、役に立たないことは確実。「マトリックス」だけを対象にした評論本を読むのに、「マトリックス・リローデッド」は必要ないだろう。