過去の雑記 04年 6月

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6月 2日
今週の週刊ベースボール、石田雄太のコラムでオールスター阪神大行進が好意的に書かれていた。そうですか。熱狂的なファンなら全ポジション投票しても当然ですか。そうでなければ冷たいファンですか。そらまあ、プロ野球という興行に関係して飯を食うなら、この手のファンはありがたいかもしれないわなあ。しかし、スポーツライターと名乗る人のコラムで、応援する球団の平凡な成績の選手よりも他球団の優れた選手を優先する立場を否定されると、哀しいものがあることだ。

それはそれとして「特集・天性の遊撃手たち」である。データページの「12球団「正遊撃手」の変遷」はなかなか面白かった。ここ20年間の各球団の最多出場試合遊撃手の一覧なのだが、久慈(T)、川相(G)、池山(S)、高橋慶彦(C)、進藤(YB)と何年もレギュラーを張った名ショートが並ぶ中、中日と近鉄だけは見事なまでの猫の目ショートになっている。特に中日は井端の登場まで、三年連続の正遊撃手がいないというぐずぐずぶり。宇野の後の人材に恵まれなかった、というよりは遊撃の選手を取りすぎて誰も絶対の地位を築けなかったという感じか。選手補強はバランスが大切ですな。

しかし、中日は他のポジションもこれという印象が無いな。捕手の中村、二塁の立浪くらいか。なんで、そんな安定しないメンバーでAクラスを争えるんだろう。
#一年単位で安定してれば問題ないからだ。

6月 4日
反対運動の甲斐も無くあっさり決まってしまった音楽メディア禁輸法案なわけだが、どうもこの関係の報道をテレビで見ない気がする。やはり、大きなスポンサーであるレコード業界にたてつく事は出来ないのか、単に僕が気づかなかっただけなのか。社会面だの芸能面だののニュースをえんえん追い続ける時間があったら、生活に直結しそうなこの手の話をきちんと報道してくれる方がありがたいのだがなあ。

相性というのはいかんともしがたいもので。阪神投手陣の好投に散発4安打に抑えられた上、1点ビハインドのまま終盤を迎えたってのに、3本のソロホームランだけで勝利を奪い取り、対阪神戦8勝目。前回の敗戦で神通力も切れたかと思っていたのに喜ばしいことである。まさか門倉たてて勝てるたあなあ。ギャラード離脱、川村不調で翳りが見え始めたリリーフも、佐々木磐石、加藤好調持続で何とか保っている状態。これで斎藤隆が帰ってきてくれれば、もうしばらく戦えるかも。あと若田部とか。< いたなあ、そんな人も

虎ノ門で「しりとり竜王戦」。板尾がぐずぐずなのはともかくとして、挑戦者のレベルがあまりにも低くてどうにもこうにも。志茂田景樹のあまりにも古すぎてひとまわりしていい感じになりかけてるフレーズが良かったくらいか。もう少し「しりとり」のなんたるかをわかった面子を集めないと「うんちく」のようにはいかないんじゃないかな。

6月 5日
先日買ってきた《夢路行全集》1〜3巻(一賽舎 ZERO-SUM COMICS)をまとめ読み。最初期作品はただの少女まんが系SF(拙め)なんでやはり辛いなあ。89年の《畑の主様》シリーズ開始から一気に上手くなった感じだ。でも全体にピークではないので、夢路行も一冊買ってみようかねという向きには第3弾あたりまで待ってみることをお薦めしたい。もちろん、もとからのファンは四の五の言わずにマストバイだ。同人誌初出のショートショート「金魚」は良いぞ。

秋葉原で修理に出していた携帯MP3プレイヤーを受け取ったあと、夕方から元ユタ。参加者はSF人妻、大森望、小浜徹也、堺三保、志村弘之、添野知生、タカアキラ ウ、高橋良平、のむのむ、林、三村美衣、宮崎恵彦、柳下毅一郎、山本和人(あいうえお順、敬称略)。僕の周囲での主な話題は、いまさら電車男、長崎の事件、件に学ぶネットリテラシー、京ぽん、歴代5月に読む本、最近の映画、ここしばらくの映画、最近のSF、ここしばらくのSF、など。男の子達の読む本はかわらないのだなあ。

対阪神第10戦は鈴木尚典の劇的サヨナラホームランで9勝目。今年、不振のあえぎ続けるタカノリがやっとお立ち台に昇れたのかと思うと嬉しいやら切ないやら。ねばりの石井と神打のローズをつなぐマシンガン打線不動の3番。通算打率が3割を超える安打製造機。そのタカノリが打率2割を割り込む大不振に陥るとは。金城、多村、古木と若手が急速に成長し、ベテラン佐伯が好調を維持する外野で、守備に致命的な難のあるタカノリがポジションを守るためには、他を寄せ付けない打力が要求される。そこに翳りが見えたら。正直、下手すると来期いないかもとすら覚悟していただけに、この活躍は嬉しい。やはり愛着のある選手なのだ。まだ、32。老け込むには早過ぎる年。この一打をきっかけに、是非とも巻き返しを期待したい。

それで来期はパ・リーグの左の先発あたりとトレードを狙うのかなあ。
#ごめんよタカノリ。でも、金城、多村、古木、佐伯、田中一、小池、ウッズ、吉村、七野と考えていくと一塁にも外野にもキミのポジションが無いんだ……。

6月 6日
クリストファー・プリースト『奇術師』(ハヤカワ文庫FT)読了。いまのところ《プラチナ・ファンタジイ》のベスト。かつ、今年度長篇の暫定ベスト。奇術を詐術の粋として追求する男と、奇術の産む幻想に魅了された男。ふたりの奇術師の争いとその行き着く果てを描く幻想譚。多重入れ子構造の手記という凝った形式が、ただのこけおどしではなく、作品を成立させる上の必然として導入されているのが美点の一。五つの一人称として語られるそれぞれのパートが、各々の語り手の個性をうかがわせるバラエティに満ちた文体となっている点。文章の力が形式の要請に汲々とせず、さらなる彩りを与えるだけの力を持っている。これが美点の二。そして、ロジカルに構成された形式と、豊かな文体によって紡がれる幻想の衝撃力、これが大事な美点の三。設計と実装と成果のすべての面で隙のない佳品。

ただ、個人的には、ちと不幸な読み方をしてしまったかもしれず。出遅れにも程があったので事前情報がいくらか入ってしまい、余分に穿った読み方をしすぎてしまったのだった。おかげでサプライズが「え?そんな、まんまでいいの?」というサプライズになってしまったり。もっと徹底的に事前情報をシャットアウトすべきだった。ここ(a day in the life of mercy snow 2004年4月後半)の読み方に引きずられたのが最大の問題点か。

しかし、そんな失敗はたいしたダメージにならないほど良く出来た作品なのは確か。エンジャパートがもう100ページ短ければ完全に手放しで褒めるのになどという満足を知らぬ心の声は置いといて。大絶賛。お薦め。

というわけで、11月から始まるSFM歴での上半期海外作品は概ね読んだ(取りこぼしあり)。今年、上半期の暫定ベストはスタージョン『不思議のひと触れ』、ビッスン『ふたりジャネット』、プリースト『奇術師』、ウィリス『犬は勘定に入れません ――あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』、ダンセイニ『世界の涯の物語』(順不同)というところか。次点がリンク『スペシャリストの帽子』。殿堂入りの別枠がステープルドン『最後にして最初の人類』。「いかにもSF」の惨状の割には、質の高いベストになっていることにびっくりだ。さて。下半期の作品で、ここに割って入るものはどれだけありますか。

6月 7日
近所の書店で新刊をまとめ買いして帰ってきたら久々にやらかした。アレックス・ガーランド『 昏睡(コーマ)』(アーティストハウス)って持ってるじゃん、おれ。そう言われてみれば確かに買ったような気もしてきた。ああ、このところダブりはなかったのに。激安でお譲りする用意があるんで欲しいという知り合いがいたら連絡ください。

唐沢なをき『新・電脳なをさん』1巻(ASCII)をいまさら読了。発売のしばらく後に買っているから2ヶ月くらい寝かした計算か。どうもこう、最近まんがを読む気力が無くてなあ。今回はソフトカバー、完全モノクロになっての新規版。安くしたところで読者を選ぶことに変りは無いんだから豪華なままの方が売れそうに思うのだが、これもまた時代の流れか。ネタとしての切れ味は「チッチとサリー」が一番だろうけども、もっともツボだったのは「プラモのモ子ちゃん」。なんでこんなものをネタにしようと思うかね。そのうち「ぼく、ウーくん」とか「べーしっ君」とかやりださないかと期待中。

部屋に溜まっていたビデオテープの中身をざくっと確認。どうやら30時間分くらい未消化のビデオがあるらしい。どうすんだ、それ。

6月 8日
ねばならぬことをこなすかたわら、4月14日に録画して以来となっていた「うんちく王決定戦」のゴールデン進出篇を見る。すばらしい。ゴールデン枠の予算と制約のために呼んだ/呼ばされたゲストをろくに使わず、本質であるうんちく対局と、いとうせいこうの司会、勝俣州和の解説という深夜枠の武器だけで戦い、勝利している。深夜の心意気これにあり。ただ、これができるなら、坂下千里子も使ってあげて欲しかった。たとえ、役立たずであろうとも。

川村さんの体調は戻ってないようで、最後まで粘りながらも負けました。相性の悪いヤクルト相手なのだからこんなものか。きっちり追いつき、逆転した中日を見習えと言いたいところだが、抑えの切り札を同点の場面で使う明日無き戦いが必要かといわれると甚だ疑問なので、まあ良しだ。あと2戦でどちらか勝つことを希望。

先日、『ビッグフィッシュ』のサントラ(名盤!)を買うついでに注文してしまった「神魂合体ゴーダンナー!!」のOP/EDを聴いているのだが。串田アキラの声に迫力を感じないのが悲しいのココロ。ミッチー&兄貴は期待通りなだけに、更に悲しい。

6月 9日
今日の横浜・ヤクルト戦は雨天試合。終盤は雨脚の強まる中、中断また中断の展開で大変だったようだ。試合のほうは、序盤に大量失点した横浜が、追いつくまで無理矢理試合を続けさせ、追いついた後にピンチになるとあっさりそこで打ち切るという、ホームの利を最大限に生かした裏技を使って引き分け。美しい方法とはいえないが、これはこれでありだろう。それがホームというものだ。付き合わされた観客の人にはご愁傷様という他ないけどな。

6月10日
今日も序盤の大失点。今日は追いつけずに負けました。ヤクルトにはほんと勝てないなあ。

いつのまにかはてなのキーワードからリンクされていたので文学の冒険タイトルリストに情報追加。どうやらWeb上の《文学の冒険》リストに充実したものは少ないようなので、時間が出来たらもう少し情報を追加しておこう。

6月11日
会社帰りに近所の映画館でレイトショーの「デイ・アフター・トゥモロー」を観る。もちろん、ネタ用。超古代文明の絶滅を気候の激変で説明するという原作をどうするのかと思ったら、気候の激変以外の要素をすべて取り去るという実にまっとうな方法で料理していた。ただしいぞエメリッヒ。その反動か、気象関係が実に大雑把にデフォルメされていたけど、これはまあそんなものだろう。やりすぎ加減が実に楽しい災厄描写だけでも観てみるくらいの価値はある。

6月12日
「ビッグ・フィッシュ」を観にいく人たちにまざって、2回目。ああ、もう。何度観てもいいなあ。

その後、飲み。のどくろは一夜干しにしようがどうしようが旨いということを知る。次はお造りだな。

6月13日
こんなことを書いている場合ではないのだけれども。近鉄とオリックスが合併(というか近鉄がオリックスに吸収)。ここ半世紀ほど維持されていた2リーグ12球団体制に、ついにひびが。

このまま、一気に球界再編とかなると、一番やばそうなのは横浜なんで、できれば球団譲渡で経営陣交代、2リーグ12球団維持となって欲しいんですが。どうなることやら。

6月15日
いつもの某所には書かなかったこと。

ギブスン『パターン・レコグニション』(角川書店)で一番気になったのは頻出する「鏡の世界」というフレーズだった。アメリカのようでアメリカでないロンドンをこう呼んでいるのだが、これによって視点人物がアメリカ人であることを強く意識させられることになる。ロンドン、東京、モスクワと世界を飛び交いながら、すべてをアメリカの目にはどう映るかという視点で書いているのが興味深い。世界として一纏まりに捉えられなくなったのは、アメリカが内に籠もったのか、ようやく自分達とは違うものもあることに気づいたのか。

原作を読み、映画を観て、あまつさえノヴェライズまで読んでしまった『デイ・アフター・トゥモロー』は結局またしても使わず。映画は(ちょっとデフォルメしすぎだけど)まあ順当な災害映画なのだけども、「原作」はかなり超文明がかっているという点はちと注意しておきたいんだけど、まあ、あの欄で注意してもしかたがあるまい。

《アニモーフ》は児童書でしかないけど、よくできた児童書。でも、ここまで表紙が恐いのはどうかと思う。そら、動物への変身中は気色悪いと何度も書いてあるけどさ。

6月16日
鈴木尚典が何をどうしたのか5打数4安打3打点の大活躍で横浜が快勝。この程度ではまだまだ不振脱出とは言えないが、どんな形にせよ同い年の活躍というのは嬉しいもの。守備に難のある選手には厳しい季節がやってきそうだけど、どうにかこのまま活躍して欲しいものだ。

三家本礼『ゾンビ屋れい子』10,11巻(ぶんか社 ホラーMコミックス)。ノンストップ・ゾンビ・ホラーついに完結。魔女カーミラ篇はかなりだれていたので、終わるのもしかたないところ。正直、リルカとの戦いから後は撤退戦だったように思う。それでも最終巻までずっとアクションまんがの基準値を上回るテンションとアクションを維持し続けたのは高く評価したい。力の残るうちにきれいに着地できたというのは作品として幸福だったのではないか。

6月17日
現実を拒否してばかりでもしかたがないので「みらいのにっぽんぷろやきゅう」を考えてみる。

いろいろ構想がある中で最も現実的なのは10球団東西二地区1リーグという形式か。各地区間で対戦のないチーム同士が地区間戦を争う形式。各地区首位(あるいは2位まで)でプレーオフ。ただ、この形式だと、東地区(北海道日ハム、千葉ロッテ、西武、読売、ヤクルト、横浜から5チーム)は日程的にかなり不平等。日ハム以外の全球団が関東だからなあ。日ハムは移動だけでえらいことになりそうだ(現状では、関西、九州の移動があるので多少平均化している)。

あ、東西地区案だと中日、阪神は読売と別ブロックになる。こんな案を、アンチ読売に存在価値を置く両球団が認めるわけないな。

ゆうきまさみ『鉄腕バーディー』4,5巻(小学館 ヤングサンデーコミックス)をいまさらまとめて。いやいやいや。油断してる間にどんどん面白くなって来てます。昭和版ではただのかませ犬だった米軍が、異星人の技術供与を受けてそこそこ戦えるようになっていたり、登場する勢力が一気に増えていたり。ゆうきまさみの複雑な状況をわかりやすく魅せる芸が堪能できる状況になってきて、次巻以降の「戦争」状況が大変に楽しみ。

6月18日
毎度データの切り口が面白い小野俊哉「プロ野球データ分析」。今回の横浜の「大魔神」効果はホンモノ? も、佐々木効果を具体的な数値で検証していてたいへん興味深い。ページレイアウトのためか数値が本文中のみなのは残念だが、今後も面白いデータを期待したい。

球界再編は巨人渡辺オーナーが仕切る!なんて記事をみると暴君に振り回されるであろうパ・リーグのために悲しみが込み上げてくるわけだが、当事者のパ・リーグが主体性放棄したパ・リーグ 5球団存続を言明できずなんて状態じゃ、しかたがないか。リーグの独自性を保つよりも1リーグの方が旨みがあるってんじゃ話にならないよなあ。

SFM7月号読了。異色作家短篇特集号。スタージョンにボーモント、デイヴィッドスンにライバー、ビッスンと作家の方は名前だけでも酔いが廻るようなすばらしい面子。小説以外も中村融、若島正、大森望によるアンソロジスト座談会、異色作家とは何かを趣味的に示す牧眞司の解説風エッセイ、異色作家の偏愛する異色作家にまつわるエッセイと充実しており、たいへん読みでのある号となってる。

個々の作品でもっとも面白かったのは、巻頭、スタージョンの「ニュースの時間です」。ハインラインが原案を出したという奇妙な考え方路線。ニュースだけが趣味だった男の転落先。タイトルと話のつなぎかたの巧さに座布団一枚。話の転がり先がどこに行くのかまったく読めないのに、落ちてみるとこれ以外ないと納得させられる。

ボーモント「床屋の予約」はいかにも『幻想と怪奇』あたりに載っていそうな皮肉な短篇。人気絶頂の男がこだわった床屋の秘密。ラストの一行がきれいに利いている。

デイヴィッドスン「グーバーども」は幼い頃に特有の恐怖心を扱った作品。いじめられていた者が幻想により復讐を果たすという部分だけ取れば、名作「そして赤い薔薇一輪を忘れずに」と同じ話と言えんこともない。幻想のよってきたる所が全然違いますが。幻想と怪奇系短篇としては悪くないんだけど、悪くないんだけどくらい。デイヴィッドスンらしさというか奇妙さがやや希薄で、これなら、実はブラッドベリだとか(もっとリリカルになります)、ダーレスだとか(もっとセンチメンタルになります)言われても信じるかも。

ライバー「王侯の死」は、一人称の回顧録という、やや古風な形式のSF短篇。わが友人フランソワ・ブルザールの秘めたる謎とは。謎の核心を明かすまでの焦らし方が非常に巧い。あまり巧いので、謎そのものの魅力がかすんでしまうほど。

ビッスン「ザ・ジョー・ショウ」はプレイボーイ誌掲載のSF艶笑譚。草上仁だといわれても納得するかもしれない典型的なSF短篇。内容と完全にマッチした小菅久美のイラストが、艶っぽく大変よろしい。

小説以外では、異色作家なんて定義できるわけがないと開き直りながら、ちゃんとまとまった異色作家概観になっているという牧眞司のエッセイ「異色作家紹介の系譜」が非常に良かった。ややSFに寄り過ぎているように思うのは、ぼくが『幻想と怪奇』に軸足を置いているためだろう。あれが入ってない、それは入るのかという議論を楽しめる、しっかりと芯の通ったガイドだ。

特集外は国内作家の読み切りが2本。津原泰水「バレエ・メカニック」は5月号掲載分の後篇であり連作の第一回。少女の心の内に取り込まれた東京の描写が圧巻、だったのだが今回分は抑え目。新宿方面に向ううちに都庁の壁面を登ってしまう馬車など前篇のイメージがすばらしかっただけに、ちと残念。それでも連作の今後に期待させるには十分なイメージの奔流があった。

林譲治「イジュティハードの門」は《AADD》シリーズの新作。「経典Ver2.5に深刻なモラルホールが発見されました」というフレーズだけでほとんど勝ったようなもの。オープンソースによる経典作りというアイデアの面白さに物語が完全に負けているが気にしない。全宗教共通の経典作りのようでありながら、源泉がユダヤ/キリスト/イスラム教だけというのは、どんな意図があるのかと思うが、気にしない。

6月19日
まんがをいくつか。

雷句誠『金色のガッシュ!!』16巻(小学館 少年サンデーコミックス)。主に対デモルト。笑いあり泣かせありであいかわらずの出来栄えなんだけど、パティの心理変化はちと唐突なような。

六道神士『Holy Brownie』3巻(少年画報社 ヤングキングコミックス)。こんな際物が3巻も続くとは。嬉しいけど間違っているような気が強くする今日この頃。中身はいつもどおりで、世界構造に対する仄めかしも抑え目なんで印象は薄い。

イダタツヒコ『美女で野獣』5巻(小学館 サンデーGXコミックス)。女子高生キャットファイトコミック好調継続中。アラン・スミシー監督の映画も大概笑った(カゲスターはないだろう)が、クトゥルフで魔女っ子のリル&heartsリル・スウィーツにはまったくもってどうしたもんだか。楽しそうだなあ。

昼から「キューティーハニー」を観にいく。えーと、金のかかった「セーラーファイト」?アクションシーンがちゃんと楽しいし、ミッチーはさすがだし、なっちゃんと執事のキャラは良く描けてたんで積上げ点数で代金分は面白かった。聞いていた評判の範囲から一切逸脱せず、こんなものかなというところではある。とにかく色々と「安い」のは仕様なんだろうなあ。

夕方から元ユタ。参加者はSF人妻、大森望、小浜徹也、志村弘之、添野知生、高橋良平、林、三村美衣、山本和人(あいうえお順、敬称略)。主な話題は、ライトノベル史、最近の映画、『蒼穹の槍』、無線LAN入門、赤いノート、初心者に勧めるシェアウェア、『ロボット・オペラ』『ロデリック・ランダムの冒険』、図書館を使うなら、〈本の雑誌〉対決企画に勝つ法、日本のジャニス・イアンは甲斐よしひろ、ファンダム噂話、レンズマンいろいろ( ex. 子連れレンズマン)など。「箪笥」は話に聞く限りでは面白そうな気がしたよ。

6月20日
ル・シネマでベント・ハーメル監督「キッチン・ストーリー」を観る。直前に食べた昼飯が重かったせいか予告のあたりで寝てしまい、冒頭15分ほどを見逃してしまったのは残念至極。だがしかし主役ふたりの掛け合いは十分に楽しめたので良しとしたい。高い椅子に座って台所を観察する男と観察される独身男の関係が、次第に変化していく過程の見せかたが上手いのは当然として(肝の部分なのでこれが下手なら映画として成立しない)、カロリーだけはたっぷりのスウェーデン風のごちそうが妙に美味そうだったのが印象に残っている。ソーセージとソーセージで挟んだチーズって、あーた。

6月21日
オリ近“最強合併”巨西許さん!。ナベツネは前からこう言っていたのでいまさらではあるけれども、やはり改めて読んでも悲しい気分になる。主力級がひとつのチームに集まらないのだとしたら合併に何の意味があるだろう。ファンの人数が足りないからファン数を合計したいというのが合併の主旨じゃないのか?人の不幸に付け込んで火事場泥棒的に戦力を増やそうとする下劣な品性。その行為が自チームの魅力には何ら貢献しないということに気づかない鈍磨した感性。こんなジジイが球界のドンだっていうのなら、NPB人気が低迷するのも当然だ。

あー、たぶん他のチームの関係者も似たようなことを言っているのだろうから、ナベツネだけあげつらうのはほんとは正しくない。でも、このジジイの下品な言動が嫌いなので、特に強く反発してしまうのだった。

ついでに。上の記事の横浜、中日関係者の発言も予想通りであり、実に恥かしいものだった。お前らには自チームの魅力で商売をしようという矜持がないのか。

台風で電車が止まらないうちにと早めに帰宅。先日やっとみつけた、加藤元浩『ロケットマン』8巻を読む……、7巻を買い忘れてた。AA不使用を天に誓った身ゆえ使いはしないが、かなりおーあーるぜっとな気分だったことである。

6月22日
しろはた経由でアンティークショップ千年堂 ver.1.01 エニアグラム性格鑑定室(要JAVA、IE専用というかMS JVM対応)。結果は

あなたは「タイプ6」をウィングに持つタイプ5 の 「考える人」です。
基本タイプが
「知識を蓄えることを好み、賢明であろうと心がけています。分析力や洞察力に優れ、客観的な傍観者に徹することを好み、現実の観察力に長けています。しかし、遠慮しがちで、口数が少なく、愚かさを恐れ、仕事を始める前や意見を述べる前に、情報を収集し、状況を全て把握してからでないと行動を起こせない傾向もあります。孤独を好み、自分一人の時間をとても大切にしています。「知恵がある」、「賢い」、「何でも知っている」事で満足感を得ます。
で、良い方に出ると
未来を予見し、深く世界を洞察する一方で、包括的に世界を理解でき、他人に様々な助言をします。常に冷静さと柔軟さを失わず、他人の過ちも穏やかな調子で指摘し、寛大です。賢明で客観的で、複雑な物事でも、わかりやすい言葉で簡潔明瞭に表現することができます。分析力があり、責任感があり、粘り強いので、難しい仕事を巧みにこなします。
悪い方に出ると
積極的に人と交わるのを避け、自分の財産を他人と分かち合うのを惜しみます。知的な面で傲慢で、愚かさを軽蔑し、自分の知っていることしか口にしません。知識、情報を蓄えるのに余念がなく、自己主張をしない一方で論理を振りかざします。疑り深く、頑固で、批判的で、人との距離を狭める努力をしません。
副次的な性格が
6のウイングが強い タイプ5は、知的で論理的、分析力があり、勤勉な傾向がありますのじゃ。対人関係等に不安を持ち、親密さを恐れ、引っ込み思案で懐疑的な面もありますのう。
ストレス時には
現実逃避の度合を強め、自分に甘くなります。衝動的になり、浅はかな考えに基づいて行動するようになります。神経質になってピリピリし、怒りっぽくなります。自制心を失い、自分を上手にコントロールできなくなります。
安静時には
自分が傷つくことを恐れず、他者と積極的に関わるようになります。ポーズを作ることをやめ、率直かつ誠実に意志表示ができるようになります。怒りや不満を素直に自覚し、それを表明できるようになります。より積極的になり、自分の意欲を喚起し、勝つために闘うようになります。
だそうです。90問も設問があっちゃ当然というのを忘れれば、この手の分析としてはよくできてるほうかな。「疑り深く、頑固で、批判的で、人との距離を狭める努力をしません」とかのあたり。

6月23日
じつは買い逃していたらしい『美女で野獣』4巻を探して柏駅周辺の書店をまわる。売り切れでやんの。しかたがない。週末に都内に出るか。

書き忘れていたが、中野善夫さんの<手に取って、読め!>によればダンセイニ作品集の3、4巻の内容が決定したようだ。3巻は『時と神々の物語』!ひゃっほう!「時と神々」が全訳ですよ。生きていれば良いことはあるものだなあ。これで来年春までは死ねないことになったので、がんばって生きていきたい。

アテネ五輪の野球日本代表選手が決定したようだ。一部予想も含むが
投手:和田 毅(FDH) 松坂大輔(L) 岩隈久志(Bu) 上原浩治(G) 清水直行(M) 黒田博樹(C) 三浦大輔(YB) 小林雅英(M) 岩瀬仁紀(D) 安藤優也(T) 石井弘寿(S)
捕手:城島健司(FDH) 相川亮二(YB)
内野手:小笠原道大(F) 藤本敦士(T) 宮本慎也(S) 中村紀洋(Bu) 金子誠(F)
外野手:福留孝介(D) 高橋由伸(G) 谷佳知(BW) 村松有人(BW) 和田一浩(L) 木村拓也(C)
という布陣。今年の成績からすると不安な選手もいるが、まずは順当なところか。

横浜ベイスターズからは三浦、相川の2名。故障などもあって第一捕手から、中村、小田嶋につづく第三捕手の位置に近づいている相川は問題無いとして、エース三浦というのはやはり痛い。しかし、レギュラー外野手を二人持っていかれるオリックスを目にしてしまうと、とてもじゃないが泣き言は言えない。そりゃ五輪期間中に阪神戦が2カードあることを考えると、もったいないのは確かなのだがな。

そのベイスターズ、内川が例によって故障したらしい。体が弱いのに出続けだったからしかたのないところか。10日間しっかり休んでくれたまい。不在の間は、4種田 6石井琢 5村田の布陣でなんとかなる。はず。

チャンスがいっぱいの内野に比べると外野は人が多すぎるね。スタメン候補だけでも金城、多村、佐伯、古木、鈴木尚と5人もいるのだからなあ。愛着のある鈴木尚にはぜひとも頑張って欲しいのだが。

週刊ベースボールの特集は投球術。山本昌の投球内容を1球ずつ分析する記事が読みであり。すでに信仰告白に近くなっているオレ竜密着記事は、今回もタカマサ降格を独特の視点で取り上げてます。例の1リーグについては豊田さんが許さんで8チーム制を支持。お前もか、豊田さん。

8チームだと既存球団で確実に残れるのは読売、阪神、中日くらい?あとは地理的条件からホームを移さずに済むのが北海道、福岡くらいかな。で、残りは東北から関東で2、関西から中国四国で1というところ。横浜は横浜+ヤクルト(orロッテ)で横浜市に球団が残れば御の字か。寂しい話だ。しかし、堤はなぜ8球団制支持なんですかね。西武が残る保証なんてどこにもないと思うんだが。

ベースボールマガジン夏季号は守備特集。現役選手守備全成績が面白すぎ。あと、中日・高代コーチの溢れんばかりの自信もいい感じです。確かに中日の守備はいいけど、課題はないとまで言うか。

季刊エスなんてものを買ってみました。女性読者中心と思われるイラスト誌。草なぎ琢仁、村田蓮爾、小島文美などチェックしたい名前がちらほらと。特集は女學生なんだけど、雑誌名との関係はたぶんないと思う。中村佑介の記事があったのが個人的に収獲でした、

6月24日
志田唯史『不思議な漢字』(文春文庫PLUS)を読む。「稲妻」の「妻」とはなにかの項を見て手に取ったのだが、序文の「さまざまな関連図書や、辞書、語源辞典、あるいはまたインターネットのHPで展開されている諸説などを参考にさせてもらった」という一文に気力が7割減。ほとんど期待せずに読み始めたら、その予想を上回る程度にはしっかりしていた。常識程度の話、うさんくさい話もあるが、自分の解釈は解釈と記し、出典がある場合にはそれを明記するという態度は、たいへん好ましい。「「敗北」の「北」が原義の「にげる」なのはいい。じゃあ、なぜ「北」を「きた」の意味に使うようになったのか」など、そこからが知りたいという部分を書いてないのは不満だが、この薄さの本にとっては仕様というべきだろう。パッケージにふさわしい程度には価値ある一冊。

6月25日
バリー・ユアグロー『一人の男が飛行機から飛び降りる』(新潮文庫)をあまりにもいまさら。いや、断片的には読んでたんだけど。1、2ページの超短編ばかり149本という形式は一気に読むとさすがに飽きるということが判明。印象がぼやけない程度にちまちまと読んでいくというのが正解なのだろう。女の子の顔にはりついたイチゴが気になって、集中していちゃいちゃできず、果てには「私のイチゴだけが目当てなのよ」などと言われてしまう「イチゴ」が微笑ましくもエロティックで良かった。

やっと7巻を手に入れることが出来た加藤元浩『ロケットマン』7,8巻(講談社 KCGM)。Rの残したロケットを狙う敵組織が現れ事態は急展開。役者もほぼ出揃い物語はいよいよ佳境に。もうしばらく葉の成長話という設定の単発エピソードを続けるのかと思っていたので、この速さは意外。あと2〜3巻で決着というところだろうか。8巻の展開は王道の少年漫画という風情でラストに向けて大いに期待が持てる。単発も面白かっただけに終わるのは寂しいが、たぐいまれな構成力による風呂敷畳みの出来栄えを楽しみにしよう。
ああ、しかし、だが、しかし。これだけまんがのうまいまんが家なのだから、あと一歩、絵がキャッチーなら大ブレイクしているだろうに。大変もったいないことだ。下手ではないんだけど、固いんだよなあ。

小田扉『江豆町 ブリトビラロマンSF』(太田出版)。奇妙な風習と奇妙な出来事があふれる江豆町を舞台にした連作集。ギャグというには物悲しさの強い不条理もの。個々の話は印象深いのだが、それが太田出版で小田扉だと思うと、ちと意味が強くなりすぎる。いや意味を取る方が悪いんだが。

6月26日
積まんが消化月刊なのでまんがを8冊。

久正人『グレイトフルデッド』2巻(講談社 ZKC)。「マガジンZ」掲載の霊幻道士まんが待望の第2巻。今回は一冊まるまる一つのエピソード。特別列車で運ばれたキョンシーに端を発する事件の行末は、上海租界を激震させる大事件に発展する。1巻のテイストそのままに、大アクションが展開。「さあ格闘のお時間だ」落ち(別名ジャンプ打ち切り落ち)で終わっているが、ヒロインなら無事切り抜けることはわかっているので、次巻では何事もなかったように始まるのだろう。このテイストは貴重なので、末永くつづいて欲しい。

岩永亮太郎『パンプキン・シザーズ』1巻(講談社 KCDX)。なんとなく第二次大戦後っぽいけど帝国だの貴族だのが普通に登場する世界。戦災復興を任務とする軍のお荷物、陸軍情報三課、パンプキン・シザーズの戦いの記録。一見醜い世界の中で正義の勝利する「気持ち良い」世界のお話だが、それでも「気持ち良さ」を自覚しているようなので不快感はない。なにより、すかした「現実」よりも、安楽な「正しさ」の方が、今にあっては貴重なものだ。「正しさ」の快を楽しめる正しい戦争まんが。

トミイマサコ『マゴロボ』(講談社 アフタヌーンKC)。高齢化社会の行き着いた果て、街には老人福祉のための幼児を模したロボット、孫ロボが溢れていた。しかし政権交代により誕生した政府は孫ロボへの課税を断行。爺さんと孫ロボの生き残りを賭けた日常が始まる。人情物で、爺さんと幼児にロボットで、不治の病まで投入というのは最強カードを切りすぎという気もするが、それに見合った成果をあげているのだから多くは言うまい。初連載としては十分な出来でした。オジジかっこいいよ。

ここからはなにをかいまさらシリーズ。戸田誠二『生きるススメ』(宙出版)は例のアレ。いまさら言及するのも恥かしいんで特にどうということはないんだけれども、最も印象的なシーンだけが存在するというのは大変Web的であることだと思ったよ。雑誌媒体なら、いやでも16ページなり12ページなりが与えられちゃうから、ここまで純粋にはできないよね。

長谷川裕一『超電磁大戦ビクトリーファイブ』2巻(双葉社 アクションコミックス)もじゅうぶんにいまさら。長浜三部作大戦争だった前巻に加え、ダルタニアスが参戦。ガルーダ・オリジナルと死闘を繰り広げる。数の勝負ではなく、質の勝負に徹したのは正解だと思いました。アクションの出来は前作以上。

小田扉『男ロワイヤル』(太田出版 F×COMICS)。この程度にまとまりが悪いと意味を忘れて作風を楽しめる。作品として気にいったのは自然にSFな「百年後の子供」なのだが現象として面白かったのは《野木さん》シリーズが「MANGA EROTICS F」掲載という事実なのだった。どのへんがエロティックなのか。

三部敬『テスタロト』1巻(角川書店 DRAGON COMICS)まで行くといまさらとかどうかという世界ではないな。ちなみに2001年刊行。瓦敬介をはじめて読んだときに手に入れたのだが、ありがちファンタジー色が強いように見えたのでここまで放置していた。きちんと読んでみると問題意識が強く出た志の高い作品であることがわかったが、次巻を買うほど興味が出来たかと問われるとそれ程でもなく。画の健全なエロさがうまく活きてないのが惜しい。

南條竹則『ドリトル先生の英国』(文春新書)もついでに。もう、「ドリトル先生」の一言で買ったようなもの。期待通りの内容でした。ドリトル先生に懐かしさを覚えるものは必読、ドリトル先生の記憶がないかわいそうな人は門前払い。まず、10歳に戻ってから、岩波書房の《ドリトル先生》全12巻を買ってもらおう。

6月27日
久しぶりに、うちに中野を迎えて一日ゲーム。

プレイしたのは「サン・ファン」、「ヒトラー帝国の興亡」(2ターンのみ)、「原始スープ」(EGC版)。正味のゲーム時間が5時間強と、普段に比べて余裕がなかったので、あまり多くのゲームは出来なかった。

「サン・ファン」は名作「プエルト・リコ」をカードゲームとして再デザインしたもの。大幅に簡略化されており、また、原作にはなかった運の要素が多大に入り込んでもいるが、戦略性の高さという原作のもっとも需要な要素は維持されている。ゲームは2戦2敗。ルールの読み込みが甘く、また誤適用のルール(聖堂の発動条件、図書館の二人プレイ特別ルール)もあったため、具体的な作戦判断の是非については保留するが、プレイ方針の不徹底が最大の敗因だったので、この辺をなんとかしていきたい。今回われわれは、二人プレイの場合鉱山掘りを排除することでプレイに幅を出すべきという結論に達したが、誤適用ルールがあったことを考えると、正規ルールでどうなるかを試してみてからルール改変の是非を判断すべきだろう。

「ヒトラー帝国の興亡」は一部では1万円の値段がついていたという翔企画SSシリーズのゲーム。欧州全域マップで、ドイツ歩兵が10幾つという低密度、それでいながら艦名の入った艦艇ユニットが存在するという難しいスケールのゲーム。実際のところは、だいたい戦略級。ルール把握もいいかげんなまま適当にはじめて、2ターンで時間がないと止めたので、ゲームの感想をどうこうという状態ではない。完全に偶然だけで決まる機甲戦、空戦など、豪快なルールはいいかもしれない。

「原始スープ」は今回、ヨーロピアン・ゲーム・コレクションの4人プレイ版。コンピュータの攻撃的戦略に対し、僕は移動2&逃走の逃走戦略、中野は偏食中心の適応戦略を取った。中盤、コンピュータの集中攻撃を受けたり操作ミスがあったりで中野が大きく出遅れている間にリードを手に入れそのままゴール。一時、コンピュータプレイヤーにも大きく離されていた中野も、終盤の紫外線レベル活性化と、それにともなう大絶滅でコンピュータが凋落する間に躍進し、2位に。お互い、どうにか人間としての面目を保った。コンピュータは、そのターンの効率を重視するあまり、紫外線レベル低下時の対応が甘いようだ。

あとは「たぶらか」を説明プレイ。なんとかシステムの目指している方向が見えたような。確かめてみたいのでプレイヤーあと二人募集。

帰りがけに中野先生が買った「仮面舞踏会」はなんだか焦点の見えないゲームでした。やってみると印象変わるのかなあ。

ゲーム以外の話はあまりしていないのだけど。韓国の出生率が年.15人という急激なペースで低下して、2003年は日本を大きく下回る1.17というのには驚き。なにがあったんだ、いったい。

積まんが消化月刊なのでまんがを6冊。高橋葉介『悪夢交渉人』(朝日ソノラマ)。表題連作他、短篇計11本。やや低調。中では、公務員のリアリティを武器に妄想を修正して廻る“修正者”の活躍を描く「リセット」が良かった。

玉置勉強『東京赤ずきん』1巻(幻冬舎 BIRZ COMICS)。目の下にくまをつけたバレッタが狼を探してやりまくる(下品なダブルミーニング)。登場人物みな異常者ばかりでどうしたもんだか。表紙買い、正解。いや玉置勉強なんだから絵柄も成年誌での作風も知ってたわけだけど。この地平からどこに行くのか、そもそも行き着く先があるのか、ここからが本当に楽しみ。

6月28日
オールスター結果発表。中間発表時点でいかがなものかと憤っていた「阪神タイガースと愉快なパ・リーグ」状態は無事解消し、「オール阪神・巨人対ダイエーwithパ・リーグ」に。結局ファンの人数にはかなわないのだなあという哀しみと、それでこそオールスターかもしれないという納得で、特に文句をどうこうという気にはならなかった。今月半ばからこっち、NPBに対する興味が急速に失せているしな。

とは言うものの気になる点もあったりなかったり。ファン投票で選手が選ばれなかったチームは中日と広島(ロッテを忘れてた:29日記)。チームも低迷している広島はともかく、首位を争い、5月の月間MVPを独占し、かてて加えて今年のオールスター開催地でありながら、選手を送り込めなかった中日は、一度ファン対策を抜本的に見直すべきかもしれない。今年の成績(打率.350(1位)、得点圏打率5割強)で立浪が選ばれないというのはさすがに情けない。オールスターにそれなりに相応しい成績(打率3割、本塁打22本(4位))を残した上、読売票に加え、ダイエー票まである小久保に勝つのは難しいとは思うが、36万票差は多すぎるだろう。

読冊日記で存在を知ったシュヴァンクマイエル映画祭2004。8プログラム32作品を一挙上映。長篇4本、短篇4プログラムはかなりの重量級。DVDで全部持ってるんでモチベーションは低いけどどれか観にいくか。

6月29日
東京国立近代美術館フィルムセンター日本アニメーション映画史、えーと、37プログラム。いくら単価が安いとはいえ全部は見にいけるわけ無いボリュームな訳で。さて、大藤信郎の回にするか、政岡憲三の回にするか。

オールスター参加全選手が発表になった。不人気中日からは監督推薦で5人が参加。川上、山本昌、岡本、立浪、福留ということは、バルデス、落合、岩瀬の救援陣を温存できるということか。すばらしい。あとは川上、山本昌が疲労しない範囲で大活躍するだけだな。わが横浜は三浦、佐々木と、種田の三人。えー、佐々木だけでも十分じゃないか?

氏家のセリーグ合併あるかも発言に、先日の峰岸社長の「合併も視野」発言が思い出されて、大変憂鬱になっていたのだが、砂原オーナーが合併しない発言をしたので、ちと救われる。もちろん、8球団なら間違いなく10球団でも場合によっては合併に巻き込まれだろうチームなわけで、儚い安心だとわかっちゃいるのだが。ま、合併したら、NPBを見るのをやめるか、星野色が薄れ応援する気になってきた中日(の子孫)でも応援しよう。

ところで。1リーグ、1リーグといっているエライヒトたちは、セ・パのルールの差をどうするつもりなんですかね。ホールドだ、リリーフポイントだなんて些事はともかく、DHをどうするかってのは、チーム構成の根幹に関わる重要事だと思うんだが。

積まんが。荒木飛呂彦『スティール・ボール・ラン』1,2巻(集英社 ジャンプコミックス)。いまさら。面白いけど、僕にとっては雑誌で読むべき面白さだ。

無気力度診断は65でキリンでした。これをやれば最大だろうという選択でも97なんだけど、最大は幾つなんだろう。

6月30日
小田扉『団地ともお』2巻(小学館 ビッグコミックス)。あれ?なんか微妙にシュールな話が混ざってる。ほんわか小学生日記も良い出来だが、商店街そうとっかえネタのようなシュールに流れた話のほうが、個人的には好みなので嬉しいことである。日常篇も、とってもツボにはまってしまった坂の上のおねえさんや、物知り小僧のみつお君など、好みのキャラが増えてきて嬉しい限り。この調子でゴーゴーだ。

今日も負けました。もともと駒だって全然足りてないのに、先発まで壊滅して負担が一気に増していたから、ついに中継ぎ陣総崩れってのも当然の話。野手陣も、効率が皆無なのをカバーするように手数だけで戦ってたし。そろそろへたれるのも当然だろう。

それはわかっちゃいるさ。わかっちゃいるけど。もうちょっとだけ戦ってくれないものだろうか。今年の戦力にそれをいうのは無理なのかもしれないが、せめて、今年こそ、9月まで5位を争って欲しいのだ。もう、夏前に最下位を確信するのは厭だよ。

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