過去の雑記 04年 7月

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7月 1日
とり・みき&ゆうきまさみ『新・土曜ワイド殺人事件 京都藁人形殺人事件』。タイトルそのまんま。細かいネタふりの丁寧さには、さすがこのコンビと唸らされた。ギャグとストーリーのバランスの良さは、傑作『DAI-HONYA』に通じるところがある。謎解きも、オカルトネタも、ラストの大立ち回りもすべてが治まるべきところに治まった良質のギャグまんが。

各球団社長たちに視野には「ファン」なるものは入ってないのではなかろうか。かれらの目に入っているのは、多くの娯楽のひとつとしてたまにプロ野球を選択することもある、その際に観る球団は別になんだっていい、プレーの巧さではなく劇的な展開だけを期待する「消費者」なのではないか。そんな気がする今日この頃。

7月 2日
久しぶりに会社近くの本屋に寄る。探していたまんががあらかた手に入ったのはありがたいのだが、半透明のビニール袋だってーのに、ほりほねさいぞうを一番外側に入れるってのはなんの嫌がらせか。> 本屋

ほりほねさいぞう『ニクノアナ』(一水社 IZUMI COMICS)。ショタ物(身体改造付)、時代物風(身体改造付)、幼なじみ(身体改造付)、ロリ物(身体改造付)、ホラー(身体改造付)などバリエーションに富んだ作品集。ぜんぶ身体改造付なのは仕様なんでしかたがない。掘骨砕三系名義の作品とテイストは違うが、体中にきのこが生えるホラー「茸」が好み。

本屋でもらった、集英社のコミックスフェア小冊子。ナルトのコスプレの表紙にそうくるかと思っていたら、中にもう一段の落ちが。コスパとタイアップですか。そうですか。どこを狙ってるんだ、この小冊子。

7月 3日
夢路行『モノクローム・ガーデン』2巻(一賽舎 ZERO-SUM COMICS)。読み切り連載の第二巻。「ヒーリングファンタジー」という煽りはどうかと思うが、「貴方に綴る、優しい記憶…。」の方はなるほど、と納得。確かに、記憶の話は多いな。海を見にいく話、かかしの話、モデルの話、天狗の話、風邪の話。どれも穏やかで、どこか懐かしく、堪能できました。良い。

島本和彦『ゲキトウ』1巻(講談社 イブニングKC)。また続篇か。『逆境ナイン』は清く正しく終わっていたと思うので、続篇登場はあまりうれしくない気分。これから先、このネガティヴな感情を振り払ってくれるだけの炎が燃え上がることを祈りつつ、次も読むかどうかは不明のココロ。

まさか、富岡の初勝利なんてイベントがあるとは。首位対最下位の上、相性も悪い中日相手に連勝できるとはまったく信じがたい事態。これでなんとか借金5。オールスター前残り4試合をどうにか五割で乗り切って、後半戦に望みをつなげたい。夢はでっかく、5位確保だ。

夕方というか夜からユタ。参加者はSF人妻、大森望、添野知生、高橋良平、林、宮崎恵彦、山本和人(あいうえお順、敬称略)。聞こえた範囲での主な話題は、プロ野球の明日はどっちだ、年の半分を西で過ごす、噂の真相の表紙アンソロジー、ロボット・オペラ、名前を考えよう、ローダン・ハンドブック2は凄い(凄いは凄い)、ナツコミ(集英社 夏のコミックスフェアの小冊子)、中野ブロードウェイ、とり・みきの最高傑作など。すんません、あんまり話を覚えてません。山本さんに指摘された、うちの過去日記がばかでかいフォントになっている問題は、<H2>の閉じタグを忘れていたためと発覚。うちで発症しなかったのは、ネスケ7が無駄に親切なためのようで。

ジェフ・ヌーン『未来少女アリス』(ハヤカワ文庫FT)を読み終わったのは、ちょいと前。詳しい話はまた後日。どこでかは未定。カバーアートは大変すばらしいと思うんだけど、背表紙との相性はいまひとつ。そらまあ、水色よりはなんぼかましだけどな。

7月 4日
対中日戦は追いつ、追いつ、追いつ、くらいの展開で力及ばず1点差負け。首位中日相手に3連勝なんて出来るわけないのでこの結果は諦められる範囲。残塁の多さは気になるが、野口だの、岡本だの、落合だの、バルデスだの、岩瀬だのがまともに打てるわけないので仕方あるまい。火曜日からの読売戦に期待だ。

なぜだか昨日から、右上門歯の裏側に冷たい水がしみるように。いや、そんなはずはない。まさか、虫歯だなんて。そんなはずは。ましてや歯槽膿漏だなんて。そんなことはあるはずない。きっと。たぶん。おそらく。望むらくは。

7月 5日
ダン・ブラウン『天使と悪魔』(角川書店)読了。イルミナティの陰謀という大ネタを軸に科学と宗教の相克を描く、ノンストップスリラー。ローマ市外に残された手がかりからイルミナティの本拠を暴くメインプロットは出色の出来。科学と宗教の争いというありがちなメインテーマも両者の立場を象徴するキャラ同士の争いとしてわかりやすく描き、悪くない。ハリウッド映画の原作としてはなんの不満も無いのだが、主人公がただの謎解きマシンなのは、ちと残念。また、反物質云々の科学関係の記述と、初期キリスト教成立あたりの説明には嘘が散見されるので、考証マニアは広い心で望むほうが無難。一気読みエンターテインメントとして、多くの期待を持たなければ、十分以上に楽しめる。

7月 7日
近所の書店でまんがを4冊ほど買って帰宅。大外れ。久々に、失敗しました。

特に、軽いエロネタも入れ込んだコメディ基調の格闘漫画(おたく誌掲載)がまったく波長にあわず、大変辛い気分に。まったく独立に2作選んだはずなのに、なぜこうも同じような調子で合わないのか。これをこのような内容として求める人もいるのだろうと思わなくは無いのだけれども、僕はかけらも必要としない内容でありました。同じ、「軽いエロネタも入れ込んだコメディ基調の格闘漫画(おたく誌掲載)」でも、『美女で野獣』は楽しめるのになあ。

近所のおもちゃ屋で「モンスターメイカー」のリメイクを見つける。今の世の中に、あれを必要とする人がいるのか。

ついでに見つけたd20FF版「火吹き山の魔法使い」はちょっと欲しかったかも。

縁起物なので、夜空を見上げてみたら、天頂付近に直角三角形が見えた。ひょっとして、これが夏の大三角形という奴か。意識して観たのは初めてかもしれない。

7月10日
近所のおもちゃ屋で「サン・ファン」日本語版と「モンスター・メイカー」リメイク版を購入。英語版をプレイして多いに気にいった「サン・ファン」はともかく、ほんの三日前に「今の世の中に、あれを必要とする人がいるのか」とまで言ったゲームを買うのはいかがなものか。って、だから、そもそもそんなことをしてる場合じゃないんだってば。

それはそれとして。「サン・ファン」のルールをざっと見たら、先日は間違ったルールでプレイしていたことに気づいてしまった。一見小さな間違いだけど、ゲーム展開には大きな差を生みそう。正規ルールでのプレイもはやく試してみたい。このようにルールの解釈ミスがおきにくくなるという点で「日本語版はすばらしい、買った甲斐があった」な気分なのだが、カードの記載がすべて日本語になってしまっているので甲斐も半減。気分の問題でしかないんだけど、建物や役割の名前には英語表記も残して欲しかった。正解は、日本語版を買ってルールを把握した上で、人の買った英語版と交換するだったか。

「モンスター・メイカー」リメイク版はほんとうにまんま。なので、メインルールに対して特に言うことは無いです。いやあ、さすがに前にやったのが10年以上前だと、プレイ感覚がまったく思い出せねえや。ポイントに従いデックを構築して戦う新規追加のヴァリアントルールはちと気になる。試してみるにはもう一セット要りそうなので、気軽に出来ないんだけど。一セットだけでやってもいいのかなあ。

7月11日
山本正之コンサート、ザ・ブライト・スタンダード・ショー「あなたの命」に行く。新宿朝日生命ホール最後のコンサートということで、壇上にはグランド・ピアノが置かれる豪華版。キーボードがピアノになるだけでだいぶ迫力が違うね。曲目は「元気のススメ」「ビンボーの夜明け」などいつもと違うラインも混ぜつつの21曲。道中アニソン系が多かったのは楽しくはあったけど、せっかくピアノがいるのだから、メロディを聞かせるタイプ主体のほうが良かったなと贅沢に思ったりなんだりだ。

7月12日
選挙結果は民主が他の反自民勢力を食いつぶし、2党対立構造が明らかに。この頃のメディア統制政策から自民には入れたくないが、外交スタンスのふがいなさを思うと民主もどうだかというのは難しい二者択一だったことだよ。いやまあ、参院選なんで「民主が多少勝っても大丈夫、反感を伝えるほうを優先」という社会党に票入れるようなことをしてきたわけなのだけどもな。

7月16日
そんなわけで、いつもの書かなかった話、は今回あまりないな。アリスとローダンだけじゃ、ちと弾が足りないかなと、手を出してみたグルーバー『夜の回帰線』(新潮文庫)はなかなかのヒット。サスペンス小説の体裁で基調は確かにそこにあるんだけど、文化人類学系の記述が多すぎてすっかり軸足を失っているというあたりがとってもいい感じ。呪術薀蓄サスペンスとしては出色の出来ではないか。< 他に作品あるのか、そのジャンル

ただ、一生懸命醸し出そうとしている「熱帯としてのマイアミ」の空気は微塵も感じられなかったり。雰囲気を作るのはあまりうまくない。もっと、理に訴えかける方が向いていると思う。

7月17日
昼過ぎから名大SF研OB-ML有志でカラオケ。いまさら、どんな曲が入ろうと驚くことはないだろうと思っていたが、さすがに「超空飛来ゴールドライタン」は予想していなかった。番組タイトルが「超空飛来ゴールドライタン」だった時に作られたOPで、「黄金戦士」に変わったときにお蔵入りとなり、今年四月にCDに初収録なんて超マイナー曲がなぜ入るのか。恐るべし、アニソンカラオケ。

諸般の事情で飲み会の類は不成立だったので、夕方から元ユタへ。参加者は、青井邦夫、SF人妻、大森望、添野知生、タカアキラ ウ、高橋良平、林、宮崎恵彦、柳下毅一郎、山本和人(あいうえお順敬称略)。主な話題は、「アイ,ロボット」は面白いらしい。さまざまな“I, Robot”、すごいぞアーサー王、マッハ!、いくらの予算で撮っても同じテイストになる映画監督、最近のプロ野球、ケルベロスと未来の文学、未来の文学・次期ラインナップ、アイン・ランド、ドクトル・マブゼ、SFファンな議員、ABC倒産、もう半分終わった、mixiにはまる人々、mixiアンテナを埋め尽くすABC、ローダン、アニソンレベルの差など。

柳下さんが『ケルベロス第五の首』を持ってきたので色々と触ったり。未来の文学はたいそう期待できそうです。ABC倒産の話題は元ユタの場ではじめて知り非常に驚いたのだが、そんなそぶりは微塵もださず、さも最初から知っていたかのように振る舞ってみる。mixiで更新される日記、更新される日記すべてこの話題というのは不謹慎ながら笑ってしまった。あとはウ君が参加したアニソン・カラオケOFFで起こったアニカラ文化ギャップの話題が面白かった。70年代以前、特撮、ゲームなど文化圏によってメインの歌はまったく異なるらしい。

7月19日
新宿YSで「Mare Nostrum」と「Once Upon a Time」を購入。

「マレ・ノストルム」はカエサルとハンニバルとペリクレスとハムラビとクレオパトラが地中海の派遣を争う久々の歴史(風)マルチ。この無茶な設定だけでも、ドイツ系(作者はフランス人)らしさがあふれてますね。まだプレイしてないんでよくわからないが、コンポーネントとルールの概要だけ見た限りでは、文明カードの貧弱な「文明の曙」っぽい。

「ワンス・アポン・ナ・タイム」はみんなでお話を作るカードゲーム。ゲームとして成立するかどうかは疑わしいが、「めでたしめでたし」カード(プレイヤーの目指すべき勝利条件)を読んでいるだけでも結構楽しく時を過ごせる。

昼飯を食べようと新宿・ボンベイに立ち寄ったら、当分閉店の張り紙が。ビルに問題があったってのはなんなんだろう。ボンベイは新宿で飯を喰う際の重要な選択肢なので早期の復帰を望む。

7月21日
6月号(578号)のSFM考課表に、たぶん一回きり企画 SFM考課表考課表を追加。やると言ってしまった手前やりました、なアリバイ工作風味の強い文章になってしまい、猛省中。っつーかですね。自分で参加者を募集しておきながら、その評価を批評するなんてシステム。参加者も読者もすべて共犯関係であることが保証されていた前世紀のファンジンじゃなきゃ出来ねえってば。結果のほとんどが-1〜+1とあっちゃ、解像度が低すぎて点数をいじって遊ぶことも出来ないし。メタ考課をやりたかったら、それ用のシステムが要るわけですよ。そんなわけで予想通り、期待に添えずに申し訳ない。> やりたがってた人

いまさらアニメ視聴シリーズ。録りためていたビデオから、「プラネテス」17話「それゆえの彼」を観る。ロックスミス大活躍。このおっさんが出るだけで、話が締まるなあ。やや詰め込みすぎで1割ほど余分に忙しい回だったんだけど、ほとんど気にならなかった。おまけ回のキャラの使いまわしもいい感じ。後半はコンスタントに出来がいいね。

7月22日
ANIMAXで一月遅れの「Kurau」を観る。前半で、非人類と人類のファースト・コンタクトに親子の交流を混ぜてというあたりかと思ったら、いきなり近未来アクションになったんでびっくりだ。どう展開する気なのかイマイチ見えないが楽しそうなので、しばらく追う予定。

東京創元社からアシュリー『SF雑誌の歴史』(東京創元社)が届く。ありがとうございます。ソフトカバーだと思ってなかったので不意をつかれた気分。膨大な索引と附録のおかげで訳者あとがきが予想外のところ(全378頁の293頁)に来ているのがちといい感じでした。

考課表考課表に対する一歩さんの反応。「僕がコメントに望んでいるもの」は特にありません。僕は一歩さんの日記をずっと読んでいるので「私は極私的な部分を1行で」でも十分楽しめますから。また、考課表主催者としては「ともかく反応があること」が嬉しいので、きちんとした説明に毎回悩んで考課が出なくなるよりは一行コメントでもコンスタントに出るほうが嬉しいです。考課表考課の文は「事情をあまり斟酌せず、コメントだけを評価するとしたら」という架空のスタンスから書いた文(けっこう言い訳入って、立場がぶれてるけど)なので、その辺を汲み取っていただけると幸い。

7月23日
読売、パ・リーグ入り構想。すばらしい!これが現時点で考えられる最高の解決策だろう。読売は有り余る打力をDHとして使えるようになるし、セントラル各チームは「巨人人気におんぶに抱っこ」の汚名から逃れられる。セントラルに代わりに入る球団は西武がいいかな。松坂の打席は見てみたいし。読売がパに来るなら近鉄、オリックス合併だって止められるかもしれない。経営の魅力が増すしな。セ・リーグの減収予測分は阪神戦の放送枠拡大と、人件費の削減で対応すればなんとかなるさ。少なくとも2,3年くらいは。それくらい余裕があれば落ち着いて物を考えることも出来るだろうし、うるさい爺も死ぬかもしれないし。というわけで、合併を破棄した上での上記案採用希望。

『コミック 星新一 空への門』(秋田書店)は星新一のショートショートをコミカライズする企画第二集。『午後の恐竜』の続篇ですな。毒の効いた原作をアレンジしてハートウォーミングに仕上げた鬼頭莫宏「空への門」も悪くないが、好みは、原作そのままなのに『船を建てる』の一篇のようになっている鈴木志保「ゆきとどいた生活」の方。ほとんど真っ白な画面の端に二つの手だけが小さく描かれた見開きの存在感。鈴木志保の真骨頂とも言うべき間のとり方の巧さが光る。

昨日からヴ君の紹介でmixi触ってます。そんなわけでmixiで知ったネタ。

ナナちゃんはいつの間にかTommy february6になっていたらしい。スパイダーマンは先日終わったみたいなんで、今は裸かな。

なんだか面白そうな二人用カードゲームバベル。次に新宿西口YSに行ったときにでも探そう。

7月24日
録画してあった「ニニンがシノブ伝」を観る。本編はどうでもいいとして。マテリアルアニメっぽいEDはちと好みかも。

人をわざわざ呼び出して、カードゲーム。プレイしたのは「サン・ファン」3回と「モンスター・メーカー」「たぶらか」。結果、1勝も出来ませんでした。なにかの間違いに違いない。

サン・ファンは4人プレイで、3位タイ(最下位)、2位タイ、2位。明らかに序盤の戦略に失敗しているんで、この辺をどうにかしなくては。っつーか、連敗直後に一つ目の建設で「ギルド・ホール」(3周目)なんてネタプレイやってちゃだめだろう。もう少し、真剣さを持ってプレイに望みたい。

たぶらかは4人だとプレイが成立しないことが判明。一組も捨てられなかったカードは、4組とも場にあるなら全員一枚ずつ持っているはずだから、自分の手元に無ければそれが回答になってしまう。プレイ開始の瞬間にゲームを終えることが出来るというのはダメすぎだよなあ。

ゲーム終了後は、祭りで賑わう柏の街をしばしぶらついた後、「100種のビール」という売り文句が気になっていた店に。店内はかなり騒がしく、KEG(京都のビール力(ちから)がむちゃくちゃ高い呑み屋)のような落ち着いた店とは比べ物になんないのだけど、それでもギロチンを飲める店が近所になるというのは重要なこと。今後も利用できそうだと確認できたのはめでたいことだよ。

7月25日
昼過ぎに起きだして川崎市民ミュージアムで開催されている「日本の幻獣」展を見物に行く。大変充実した展示で大満足。ミイラなどの立体物件にも、古い絵巻にも、近代の新聞記事にもそれぞれに見所が多く楽しかった。なにより、江戸時代の文書と現代の雑誌記事を同列のものとして扱う展示姿勢に感心。この展示を、外部監修ではなく、自前の学芸員で出来るってんだから川崎市は恵まれている。

展示中、最も気にいったのは雷獣のミイラ。どことなくかわいらしくもあるんだけど、でもやっぱりミイラなんでグロテスクなあたりが切なくて良かった。ただの猫のミイラのようにも見えるんだけど、その辺は気にしない方向で。

しかし、あれですな。絵巻や本の類は、いますぐガラスケースから出してめくりたいという気分になっていかんですな。

ところで。この特別展以外の展示(谷岡ヤスジ展など)も面白そうなので後で観ようと思っていたら、見る間もなく追い出されてしまったのだった。午後遅くに着くと17時締りというのは結構辛い。これから行く人は、正午には着くくらいの気持ちでいる方が良かろうと思うことです。

7月26日
職場の人にお借りしたので横山光輝『鉄人28号』1,2巻(秋田書店サンデーコミックス)を読む。人造人間の巻、ブラックオックスの巻、ブラックマスクの巻を収録。「なるほど、あれはこれを元にしていたのか」など発見はいくつもあったが、中でも驚いたのは鉄人が小さかったこと。どこかで聞いた記憶はあったけど、改めて画面で見ると驚きが大きい。人物との対比で見ると、だいたい4〜6mといったところか。ガンダムとかマジンガー程度の大きさだと思っていたのだがなあ。スコープドッグ≦鉄人≦イングラムといったところなのか。

上映中のものの中で観たいような気がする映画。 実際に観られるのはいくつあるだろう。

7月27日
『ライトノベル完全読本』をぱらぱらと。るりあ046はいい仕事しているなあ。

夢路行全集4〜6巻はまだ買っただけ。そうか。エッセイまんがの類まで収録なのか。

adramineさんの日記経由で体位メイカー。デフォルトは有名体位リストモードだが、右上のボタンを押して一度ヘルプ画面に入りコンティニューで戻ると、体位コンストラクションモードになる。いろんな体位が作れて楽しい。っつーか、バカすぎだ。

7月29日
SFM8月号読了。特集はヒーロー・フィクション。ヒーローっぽかったり、そうでなかったり、いくらなんでも関係なかったりする短篇4本のほか、SFとアメコミの関係、ヒーローSFガイド、ヒーロー映画史、アメコミ最新事情の各解説記事とアメコミ邦訳リスト。映画方面のアメコミ大作公開にあわせた特集で、ジャンルSFの立場からすれば周縁のサブジャンルというところだが、掲載短篇の質と、記事の面白さで、魅力的な特集となっている。特に、SFとアメコミの関係を書いた高橋良平の記事は「もうひとつの側面から見たSF史」として楽しく読めた。

ボーヴァ「オリオン」は特集掲載作の中でももっとも真っ正直にヒーロー物をやっている作品。であるが故にか、単に作品の出来の問題か、掲載作の中では最も古びた凡庸な作品になってしまっている。エターナル・チャンピオンもどきの設定もオリジナリティという面でどうかと思うのに、そこにしか売りがないというのはどうしたもんだか。ヒーローの設定は40年代の作品といわれてもそれなりに信じてしまいそう。

ワット=エヴァンズ「COOL」はスパイダーマンに憧れた少年の話。力と機知とモラルを併せ持つ存在として、スパイダーマンがちゃんとかっこよく描かれているのはさすが。正義と暴力という問題を真面目に取り入れながら、タイトル通りCOOLでちょっと苦い短篇に仕上げている。

コリンズ「ニューヨークの妖精」はヘルボーイ。これはもう妖精の描写に尽きる。昔々より存在し、現代の狭間に生きる妖精の真の姿。物語前半で描かれるそのおぞましい姿だけでも十二分に価値あり。後半、ヘルボーイとの戦いが始まってしまうと、おぞましさが滑稽さに転じてしまうところがあるが、そのあたりもいかにもヒーロー・アクションという感じで好感が持てる。

ストロス「ツーリスト」は《アッチェレランド》の第三話。っつーか、さすがにこれはヒーロー物じゃないだろう。作品としては十分に楽しめたので別にいいんだけど。ストーリーがアイデアに負けている、というか、ストーリーは半分不在でアイデア集になってしまっている、ってのは突っ込んでも無駄ですか。連作全体を通してだとストーリーが動いている感じなので、長篇の断片だくらいに思うべきかも。

特集外。桐生祐狩「小説探偵GEDO 第二話 妖蛾異人伝」はげどがやおいの国を訪れる。かなりどうでも良かった。しかし、6月末に第二話が雑誌掲載されたばかりの連作が、7月に全7話で刊行ってのはびっくりだ。

谷甲州「パンドラ」。面白いけどかけらも終わる気配がありません。どうやって次で終わるんだ。

その他、永瀬唯「デッド・フューチャー ReMiX」が面白い。人類進化思想篇も『幼年期の終り』の話題が終わり、次はいよいよ小松左京とクライマックス感がもりあがりまくり。毎回本当に楽しみです。

7月31日
STRさん主催の読書部第二回活動、クリストファー・プリースト『奇術師』読書会に参加。謎や矛盾を、「プリーストだからなあ」で片付けてしまいがちだったのは、なげやりに過ぎたかと反省。でも、でも、プリーストは、細部の詰めに関しては信頼できないのだよ。ミステリ系の人の読み方とか、エンジャ派とボーデン派の違いとかは面白かった。

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