過去の雑記 05年 1月

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1月 1日
というわけで年明けである。本年もどうかよろしくお願いします。

で、まあ、せっかく正月なので餅を買ってきて雑煮のような物を作ってみた。雑煮といっても、しょせん餅菜は手に入らないので菜抜きの雑煮。さすがに寂しいのでかまぼこと玉子をいれてみた。悪くはないが、香り付けのつもりだった醤油が入れすぎ。やや失敗。まあ、餅はまだあるから次でなんとか。

今年最初に読み終えたまんがは山名沢湖『委員長お手をどうぞ』1巻(双葉社 アクションコミックス)。委員長まんが(どんなジャンルだ)連作の1巻目。いずれ劣らぬ名委員長達の中、白眉は図書委員長。どこが、という具体的なポイントはないけど、良いんですよ、ええ。

1月 2日
寒いからと飯を食う以外はふとんにくるまって過ごしていたら体重と体脂肪率がえらいことになっていた。これはまずい。甚だしくまずい。

しかし、寒いもんは寒いのである。どうしたもんだかなあ。

さて、小腹が空いたから米袋に最後に残った0.8合の米と、こんなこともあろうかと買っておいた豚汁で飯でも食うかね。 < それがいかんとゆーとろう

1月 3日
カレル・ゼマン『ほら男爵の冒険』を観る。いや、これはすばらしい。傑作ですよ、傑作。「盗まれた飛行船」と比べても甲乙つけがたい。海と空と色彩と笑い、ほんとにもうゼマンたっぷり。

人類初の宇宙飛行士が月面の足あとを見つけてから、ミュンヒハウゼン男爵登場までのオープニングシーケンスだけで完全にもってかれます。そうは言っても現代物にしちゃって大丈夫なのかと思っていたら、そこから強引に男爵ワールドに突入するし。男爵のほらとゼマンのとぼけが絶妙に交じり合って、うさんくささ全開の不思議ワールドが広がってきます。

全人類必見なので、とりあえずシアターイメージフォーラム@渋谷に行ける範囲の方は是非。

1月 4日
シャッフルユニットで漫才orコントをする番組(「ザ・ドリームマッチ」)を観た。そんな暇無いってのはいつもの話なんで気にしない。概ね笑っていたのだから、それはそれで良いんだけど。優勝チームには納得いかない。テンションで勝負する笑いは嫌いなのだよ。無難にまとめた天野・宮迫、技術に淫しすぎた山口・上田、丁寧に世界を作った大竹・蛍原あたりのほうが良かったな。

と思ったのだが、Webの各種感想を見て評価が揺らぐ、というかお笑い鑑賞道の厳しさを痛感した。そうか、そう見るのか。各種感想にあるとおり、田中・三村が丁寧にネタを作っていたのは確かなので、僕が不満に感じたのはそれをテンション高く演じたため、というかテンション高く演じなければならないネタが嫌いなため、だと思いました、まる。

1月 5日
yahoo経由でeiga.com。「Mr.インクレディブル」のできが良すぎたせいで「ファンタスティック・フォー」は作り直すことになったらしい

肉体がゴムのように伸縮するミスター・ファンタスティックについては、製作費を抑えるために、活躍の場面を少なくしていたという。しかし、「Mr.インクレディブル」では、同種の伸縮能力を持つインクレディブル夫人がその能力をふんだんに使って観客を魅了してしまっているため、「ファンタスティック・フォー」の製作陣も、ゴム人間ミスター・ファンタスティックの見せ場を作る必要があると判断したもようだ。
それは、最初のバージョンがおかしいだろう。FFで、Mr.ファンタスティックの活躍削ってどうすんだ。思わぬ形で正しい方向に世界が進むのはめでたいことだ。

1月 6日
スワニスワフ・レム『高い城・文学エッセイ』(国書刊行会)を読み中。なかなか進まない。

時速40ページくらいかな。幻想文学系のハードカバーでもふつうは7,80ページ毎時くらいは出るんで、僕としては異様な遅さ。そんでも、むちゃくちゃ面白い。特に、戦前のポーランドの古都の街並みとか、学生時代のレムの遊びとかが大変いい感じ。お奨めです。> all

解説の類では読み飛ばしていたのかレムのバイオグラフィはまったくイメージが無かったので、そこが得られるのもちょいと収穫。医学研究者->科学解説者(まあ、だいたい)をやっていたのか。なるほど、これはいろいろ納得がいった。そろそろ歯に衣着せぬSF論になるところ。どんな暴言が出るか楽しみにしよう。

1月 7日
新成人の皆さんは「負け犬」にはなりたくないんだそうな
「早く結婚したい」と答えた女性の割合は、比較できる調査結果がある2003年の新成人で11・0%だった。それが今回では23・9%に増えた。
というのは、なかなかの数字。キャッチーなキーワードの影響力はすごいな。元の本を読んでいないので、「負け犬」という言葉から負の意味しか読み取らない当該記事の解釈が、そもそもの文脈に合致しているかどうかは不明。

なんとなく調べてみたところによると、いつのまにか尾張も市町村合併が進んでいたらしい。中島郡も葉栗郡もなくなるのか、ってーのも気になっているが、とりあえずは新市名。西春日井郡南部の清洲市はいい。北部の北名古屋市は恥かしいが諦めよう。海部郡東部の名西市は北名古屋よりまし。と、ここまでは許容範囲なんだけど海部郡西部の愛西市ってのは何の冗談ですか。有名地名+方角の恥かしさに比べれば、大域地名+域内での位置の方がまだましだとは思うんだが、愛西市では字面が恥かしすぎる。なんでも、最後まで海西市の方が上だったのに、最後の最後の決選投票で逆転してしまったらしい。偉い人にネーミングセンスが無いのは哀しいことだね。

1月 9日
まあまあの値段と、ちゃんとした味、それに豊富なサイドメニュー(モモ(チベット餃子)が美味い)で、わりと気にいっている近所のインド・ネパール料理屋が、メニューを増やすらしい。それで、今後は、インド・ネパール・ベトナム・タイ・スリランカ料理屋になるそうな。大丈夫なのか、それ。

昨日はナンを食べる気分だったので、当初予定通り、マトン・マサラとナンとモモという組合せで喰ってきたけど、そのうちタイ料理メニューの方も試してみよう。

1月10日
気分転換に外に出てみたらスーツの若人が集団で歩いている。なにごとだろうと考えつつ、しばらく歩いて、やっと成人式なのだと気づいた。
そうか、成人式か。なんだか、自分の時からあまり日が経ってないような気がするね。などと暢気に歩いているうちに、今の彼らと自分が一回り違うという事実に行き当たり激しく落ち込んだり。肉体的には30代半ばな気分だけど、精神的には24,5の意識が抜けてないのだよな。自分はかくも成長していないのかと呆然中。

散歩の途中立ち寄った書店で、突然現われるとものすごい勢いできららときららMAXを二冊ずつ取り、良い方を選んで(きららはどちらも気にいらなかったのか別の一冊を取り)、そのまま恐ろしい速度で去っていった男性がいた。そのあまりにまんまな風情と立居振舞に、自らの姿を見てしまい悲しくなった初春の昼下がり。
色々片付いたら髪を切ってすっきりしよう。うん。

グレアム・ジョイス『鎮魂歌』(ハヤカワ文庫FT プラチナ・ファンタジイ)を読む。妻に死なれた男が罪悪感を抱えてエルサレムをうろつくうちに、幻影を見るという紹介文から予想する物よりは、派手だし、面白くはある。ただ、キリスト教を断罪しているはずなのに、矢面に立たされるのがユダヤ教だったり、贖罪の贄になるのがイスラム教だったりするのは、技巧的にも倫理的にも、納得が行かない。重苦しい空気が生み出す幻影の描写はすぐれているし、構成自体は巧いと思うのだが、根本のところでのふらつき、というか甘えがどうもなあ。

1月11日
南千住の人身事故で天王台で電車が止まったり、15分後になんとか柏までだけは動いてくれたので後は野となれ山となれだったり、賞味期限切れの温野菜サラダを炒めて無理矢理食べたり、作業を始めるまでに予定より2時間ほど余分にかかったり色々あったが、まあ、進みはしたので良しとしよう。色々と目処もたったしな、というあたりでまた明日。ちなみに敗因は、あふがにすタンを読み耽っていたこと。ぱきすタンかわいいなあ。

1月12日
帰り道、週ベをちらっと立ち読みしたら、年間回顧が檻波&横浜だった。

横浜のポイントは終盤の粘りのなさと、左打者に弱い左投手。去年は確かに、終盤に逆転されたり、追いつけそうで追いつけなかったりという、ストレスの溜まる試合が多かったが、6回以降で打率が4分も落ちていたとは。もう少し粘ってくれよ、平均年齢だけは若いんだからよ。

年寄り組、種田&石井琢の6回以降の落ち込みは目を覆わんばかりの物があってすてきです。

1月13日
VC3000のど飴のCMを見てしまう。天童よしみと配下の子供のコスプレは、どうみてもキュアブラックであり、結果としての画面の破壊力は法律で禁止しても良いレベルの物だと思うのだが、だれか止める奴はいなかったのか。

1月16日
とり・みき&おおひなたごうトークライブ@新宿タワーレコード7Fイベントスペースに行く。『エキサイトな事件』出版を記念したトークライブ。お題は、それぞれの個人的事件ベスト3と、それぞれが作詞作曲した『エキサイトな事件』主題歌(「インサイトさん」「おやすみ、eちゃん」)の演奏。トークのほうは、ネタがネタな上時間が短く特にどうということはない感じ。おおひなたごうはなかなか喋りが達者だなあというくらいか。あ、絵を勉強するためデッサン教室に通っているというのは笑いました。ライブは、まあ、そんな感じで。受けを狙いにいったポイントがわかりやすい、「おやすみ、eちゃん」のほうが安心して見られた分だけ、マイ評価は上。ライブ後、サイン色紙の手渡し会があり、ついつい貰ってしまったわけですが、これをどうしようかと悩み中。サイン色紙を飾る趣味は無いんだよね。

1月17日
舞HiME先先週分&デカレン先週分をいまさら。

舞HiMEはこんなもんじゃない?シリアスパート(舞の決断のあたり)はRPGセッションを中途半端に小説っぽくしたリプレイみたいで楽しかった。そうそう、こういうありきたりなセリフになるんだよね。

デカレンは、シリーズ構成としてどうよという問題もあるけど、単独エピソードとしても、役者の演技が脚本についていってないという問題が致命的。CM直前の緑桃対決の間が持たないことといったら。デカウイングロボ大活躍のメカ格闘は、面白い画が満載で楽しかったので、全体としてはふつう。

というわけで、舞-HiME観てる間の30分は久しぶりに台を踏んでみました。4kgの鉄アレイを両手に持ってやってるとなかなかダメージがでかい。問題は、踏み終えてからクールダウンする間に、つまみと酒とかやってることだな。いや、ほら、晩飯が18:30で、寝るのが26:00だと腹が減ってさ。

1月18日
というわけで踏み台日記。今日観たのは、舞-HiMEの先週分。惜しいなあ。ワンダバまではちゃんと大笑いしつつもわくわくしたのになあ。お約束はお約束でいいんだけど、どれはやってどれはやらないという取捨選択が出来ないと、なにもかも中途半端になるということですね。でも、お約束を全部やるというのがコンセプトっぽいのが難しげ。

HiMEが一人ずつ死んでいき最後に残ったHiMEをどうにかするという蠱毒落ち(理事長がオーディン@龍騎)のような気がしてきてちょっと嫌なんですが、まさかそんなことはないよね。

1月19日
帰り道、書店のはしごをしようと駅近くの新星堂に向う途中、定時間日のつれづれをどう過ごそうかと考えながら歩いていたら、突如膝下に違和感が。道中にある車止めのポール(高さ50cm、直径30cmくらいのコンクリの固まり)に気づかず、思いっきり膝をぶつけてしまったのだ。すっかり油断していたので止まることもままならず、視野の回転に、ああ、これはやばい体勢を立て直さないと、と思う間もあらばこそ、もののみごとにすっころび、弁慶の泣き所を強打するはめに。とっさに手をつくことで、上半身は守られたものの、結果としてのその姿はまさに、_| ̄|○のAAそのままだった。

いや、しかし、ほんと。打った直後は、洒落にならない激痛で気持ち悪くなるほどだったんですが、それでもはいずるように書店に向った自分を褒めたもんだか馬鹿にしたもんだか。本屋で物色するうちに大まかな痛みは引いたんで、大事はない様子。

決死の思いで寄った書店で、二次元ドリームノベルズの新刊が145弾となっていることに気づき驚く。もう創刊から6年も経つのだね。6年間月2回ペースを保つと144冊だから、妥当な数字なのか。ゲドノベ145冊+ナポレオン文庫全巻を萌えorフェチテーマ別に分類し統計的な議論をするファンジンとか作らないだろうか。> T洋大

デカレンジャー今週分を観ながら踏む。デカレンジャーは青黄回、のふりをした赤回。ドラマのやりたいことは悪くないし、緑桃よりは演技も耐えられたけど、尺の問題で無理展開に。青黄が事実上役立たずに終わるのもどうも。アクションもいまいちで残念。あ、でも、ライオンは良かった。マジレンジャーは、青桃の顔立ちが割と被ってる気がすんだけど大丈夫なのか。キャラ立てに気を使わないとかわいそうなことになりそうだ。

1月20日
「メガネの国のひとだもの」というフレーズを突発的に思いついた。

特に意味はない。

こんな無意味なフレーズでも、googleとちゃんと引っかかるんだから世の中広いと思いました。

いまさらシリーズ。レム『浴槽で発見された手記』(サンリオSF文庫)。ひょっとしたら、一度読んでたかもしんない。いまひとつ読んだかどうか自信がない。

訳者あとがきには「ユーモア小説」と書いてある。実際、この内容に対しては、笑う以外の反応はできないと思う。思うんだけど。この陰鬱な話を「ユーモア小説」と呼ぶのはいかがなものか。硬直した官僚制のパロディだし、深刻さのない『キャッチ=22』という空気だし、不条理小説っぽさを大げさに演出している感じはあるし、レムはユーモア小説を書こうとしてたんだろうけど、結果としてのこれは「ユーモア小説」という言葉の陽気さとは無縁というか。面白いのは面白いです。ひきつった笑いが浮かんでくる感じが楽しい。もう少し、文章にとぼけた感じがあったら、より楽しめたのかも。

1月21日
虎の門「せいこうナイト」を観る。第一部は全国共通ヤマカンセンター試験。問題を見ずに回答したセンター試験の成績を競う。…。……。…………。企画を思いついたときは面白かったんだろうね。リアクション力高めの芸人を集めて、なんとか見せているけど、やはり根源的に無理がある。第二部は創作昔話。与えられたタイトルと教訓に見合った2分間の昔話を即興で作る、って無茶だろそれは。お題をだしたあとにもう少し時間的余裕があれば面白くなるかも。

冒頭、MEGUMIが「自分は最年少」と言っていたのを聞き、「え?内山信二は?」と思い調べてみたら、ふたりは同い年だった。しかも誕生日まで同じ。なるほど、確かに最年少(タイ)だ。しかし、内山君が23とはね。

踏みながら「舞-HiME」を観る。中盤と終盤の山のブリッジとなる息抜き回。緩急のためには、こういう回も必要なのはわかる。ただ、単体での流れの悪さはどうしたものか。Aパートのテンポの悪さには何度かつんのめりそうになった(比喩表現)。しかし、まさか、ほんとに龍騎モードに入るとは、っても、バトること自体はある意味お約束なので、予想の3σ以内。どこまで、本気かがポインツだろう。問題は実際にバトり始めるにしては、メイン三人以外の戦闘用のキャラ立ちが足りないこと。蝦蟇、馬、蜘蛛あたりは印象が薄すぎて、バトると言われても感、大。草は突発設定追加か、誰かと同盟を使えば、それなりに印象づけられるか。なんにせよ、カグツチとの戦力差が圧倒的過ぎて話になりません。現時点で二人が敗退し、残るチャイルドは11。HiME戦隊の七人と、晶は確定だから、現時点で登場していないHiMEが三人(真白、静流、詩帆?)。これの登場と敗退までやって、あと10話というのは実に微妙な数字か。設定の量といい、起伏といい、休日朝か平日夕方で全39話が妥当だったんでは。まあ、まだどうなるかわからないけどな。

1月22日
夕刊フジの愉快な読売関連記事。河原(ジャイアンツ)がまだ音信不通なんだけど、そういやドラクエにはまってたから、まだゲームし続けなんじゃないの、というヨタ記事なんですが。

「そういえば、この男を忘れていた。すっかり影の薄くなった巨人の元守護神・河原だ」に始まり、ドラクエは「指先ひとつで自分の理想の世界を築くことができるのだ」のに、現実の河原は「立ち向かっていく敵(打者)にはバッタバッタとやられまくり、年俸も4940万円(推定)と1560万円ダウンという苦汁をなめさせられた。主人公になれないどころか、お金も減らされるという、まさに踏んだりけったりの生活だ」と叩き落し、「まさかストーリー上で出現する異世界に行っちゃってたりして!? 」と放り投げる、手ひどい扱い。なにもここまで馬鹿にしなくても。酷いなあ夕刊フジ。久々にフジを読んで笑ってしまったよ。

ふと飲みたくなったので、mixi等で人を募り、上野の酒菜家で呑んできた。井手さんとふたりで読むべきファンタジーの話とかしてたら牧さんご夫妻があらわれて大びっくり。半地下で電波が入らない場所なんで、なんども連絡いただいたらしいのに返事をできず。申し訳ない限り。

で、牧さんたちがいらっしゃってからは牧さん&井手さんのSF・文学講義ライブ。たいそう楽しかった。SFセミナースタッフの人はこれを毎月とか観られるのか。それは羨ましいなあ。

ファンタジーをまったく読んでない人に薦めるべきファンタジーとは何かを考えつつ帰宅。

1月23日
デカレンジャーを観る。赤の栄転話から転がして地球署最大の危機まで。物語の流れと演出、画面に関しては特に不満はないです。最終エピソードの小ささも、ここまで来ちゃうとしょうがないし。宇宙警察上層部の不正(特にトッキョウがらみ)を暴くとか欲しかったけど、いまとなっては無理でしょう。

不満なのは赤が完璧すぎること。無茶をやる分、まわりの被害も甚大。そうならないよう青黄緑がフォローという図式が崩れ、一番スマートな解決策を提示するのも赤になってしまったのが。結局、ヒーロー1人+その他かよ。

いまさら『Mr.インクレディブル』を観た。いまさらなんで、いまさらですがむちゃくちゃ良かった。期待値がかなり高くなっていたのに、それを上回るクォリティがありました。

どこをとっても気にいってるんだけど、特にというならインクレディブル夫人ことヘレン。ゴム体質という設定を十全に活かした動きも、しっかりした性格も、ヒップの大きなスタイルもすべてがツボ。ボブにはもったいないよ。

あとはエンディングですね。スタイリッシュなカットの連続は、昔のスパイ物の雰囲気で実にかっこよい。もちろん、ヒーローの存在意義を問う物語も、テンポの良いストーリー展開も、ユーモアたっぷりのキャラクターも、スピーディーな画面も重要。アクションの連続なのに、次々と新しい動きで魅せてくれるからまったく飽きない。繰り返し観たくなるに決まってるんだから、もっと早く観にくりゃ良かった。時間が取れたらもう一度観にいこう。

1月24日
mixi経由で、明日香翔さんがリスト化していた長門有希の100冊を見る。ザ・スニーカー2004年12月号の企画で、谷川流〈涼宮ハルヒ〉シリーズのヒロイン(嘘)、文芸部不思議系眼鏡さんの長門有希が選んだ百冊という設定らしい。このリストがまた変な風に偏っていてむちゃくちゃ面白い。国内ミステリの定番+海外SF(SFミステリ中心)の定番+やや偏った海外ミステリ+やや偏った国内SF+オカルトってところか。全部読んでる奴なんているわけねえという挑戦的なラインナップ。チェックしながら、いやあ、自分は基礎教養がねえなあと思っていたわけですが。そうやって油断していると『妄想自然科学入門』なんてタイトルを見つけちまうわけですよ。

『妄想自然科学入門』だよ、『妄想自然科学入門』。コンプティーク連載の多摩川に模型飛行機飛ばしに行ったり、アンソニイ・フィリップスのすばらしさについて語ったり、どこをめざしてんだかわからないエッセイ。好きだったんだよ。これ読んでアンソニイ・フィリップスのアルバム集めたりなあ。しかし、これを読んでいる女子高生はさすがにいないだろう。70年代前半生まれピンポイントだぜ。

などと考えているうちに、ふと気になった。『妄想自然科学入門』の読者ってどれくらいいるんだろう。70年代前半、団塊ジュニアの人口は多いがコンプティークを読んでいて、しかも単行本が出たことに気づき、夢路行のイラストであることにびっくりした(それは余分)人数はそう多くあるまい。まして、そのうちの〈ハルヒ〉読者の人数となれば。

わからないものは調べればいい。というわけで久しぶりに既読チェッカーを用意しました。題して長門有希に挑戦!。御用とお急ぎでない方は、ぜひ試していただきたい。

こけた足を変にかばっていたか、右ひざの調子がいまいちなので大事を取って今日は踏まず。このままずるずると行きかねないので明日は踏みたい。

実は、踏むこと自体もさることながら、録りっぱなしアニメの消化も目的だったりする。このまま行けば巌窟王、Kurauを消化するどころか、さらに古い地層を崩すことすら出来るかも。そのためにも、是非継続したいと決意をあらたにしておこう。っつーか、足に問題があるなら、ダンベル体操だけでもしておけばいいんだよな。

1月25日
ザッピング中、「考えるヒト」という番組に行き当たり途中から見た。ダウンタウンメインで、さまざまな公募に挑戦する番組。内容はかなりどうでも良かったが、司会の女性の松本に対するツッコミが辛辣で面白かった。中田有紀という人らしい。はてなキーワードによるとフリーキャスターだとか。こんなに美人で喋りが上手いのに、今まで知らなかったとは。って、青森放送出身で、早朝と深夜の番組だけじゃしかたがないか。

SFマガジン2月号読み始め。まだ、小林泰三「天体の回転について」のみ。これは科学解説であってSF小説の体を為してないとか、説明が2重になってて冗長とか、主人公の設定というか知識レベルが揺らぎすぎとか、萌えを装った少女の発話文がぬめっとした感触で気色悪いとか、その辺の些細なところは別にいい。きっと狙いだろう。その狙い先に誰がいるのかと思うと疑問だが。

問題は、この一文。「ラグランジュ点というのは地球の引力と月の引力と遠心力が釣りあう点で全部で四つあります」

四つ組のラグランジュ点ってのは、どこの物理法則のラグランジュ点だ。

小林泰三がラグランジュ点を四つだと思ってるとは考えられないので、どこかで紛れ込んだ単純ミスなのだとは思うが。「良い子の科学解説」シリーズで、こういうミスはわりと致命的。

でもまあ、あれだ。こんな安直な話が単独で終わるはずはないので、今後外宇宙に向う続篇が登場して、その中でこの世界がどうやって今のようになったかが語られるはず。リーナ・シリーズの存在意義もそこで明かされるだろう。本作は退屈な導入として受容することにして、まだ見ぬすばらしき計算に満ちた続篇に期待しよう。

P.S. 軌道エレベータの組合せがあれば、ほとんど推進剤を使わずに地球圏を離れられるというアイデア自体は面白いけど、それは短篇ひとつの骨格を支えられるほどじゃないよ。

ちょっと思ったこと。「リーナ」が実は「麗奈」だなんてことはないよね。

1月26日
朝から雪がちらついていたのでどんなもんかと思ったら、案の定、利根川から北は一面の雪景色(やや誇張あり)。土浦の南端あたりはすっかり雪に覆われていた。ちばらぎだの、常総だのという言葉はあるけど、やはり、茨城と千葉は気候が違うと思った次第。

1月27日
谷川流『涼宮ハルヒの溜息』読了。2ヶ月か3ヶ月前から読んでいたのだが、2、30ページ読むたびに中断して週単位で放置するのでまったく進まなかったのだった。朝比奈さん周りのおやじくさいエロネタと、視点人物の品の無い内省が気色悪くてどうもなあ。

終盤、世界構造にテーマが移ってからはそこそこのテンポで楽しめはした。完全に1巻の焼き直しだが、単発のつもりだったのに続いちゃったから、あらためてお約束を提示した上で「このメンバーでまったりいきますよ」というメッセージを送ったというところ?なんつーか、こう、中身のわりに長くて、だるい。80ページの中篇なら、もう少し好感が持てたかも。

1月28日
合併で、南セントレア市誕生。そんな腐れた地名をつけるのはどこかと思ったら南知多か。さすがにこれは恥ずかしいので、知多郡南部を尾張から三河に移管すること希望。かわりに西加茂郡をもらうという方向で。などと、このニュースを読んだ時にはこう思ったのだが。

合併協議会の委員26人が、昨年12月に公募した名称に、自分たちの作品を含めて投票。新空港の愛称を使った案は公募ではゼロだったが、委員案には「南セントレア市」「セントレア市」「遷都麗空(セントレア)市」の三つがあった。(朝日新聞)
なんだ、またぞろ委員連中の自己満足だったのか。あらぬ疑いをかけて悪かった。> 知多南部の人々
こんな恥かしい名前、住民投票で覆してしまえ。

油断してCATVを流していたら「神無月の巫女」の最終2話をやってたのでつい見ちまいました。なるほど、これが噂の百合落ちって奴か。脇役男性キャラの「おれにできるのはせいぜい地球を救うことくらいだけど」というセリフが、作品のなんたるかを象徴しているような。見始めたとたんにヒロイン2のヒロイン1への大告白が始まって、互いに愛を打ち明けあって、永遠の愛の絆を確かめて終わる。脇キャラも、地球の運命もみんなおいてきぼり。面白いっちゃー面白いんだけど、なんでこんな話を思いついたんだろう。

1月29日
踏みながら「舞-HiME」を観る。バトルロワイヤルモードへの準備回ということで良いのかな。いままでのためが足りないもんでドラマに厚みがでませんな。4クールの作品にどれだけ捨て回があったとしても、それは無駄ではないのだな。途中じゅうよう。

トークには行かなかったが、ラノめったトークの打上げ宴会にだけ参加してきた。< さいてー

30人からの盛況の中、一部の知っている人とわらび餅売りの話をするだけというのはあまりにも非生産的ではないかと思わなくも無い。とりあえず、今月読むべき本について知識を得たので良しとしよう。『タイムトラベラーズ・ワイフ』について褒めすぎだとつっこまれたことも記録しておくべきか。そんなに褒めたかなあと、自分の記述を読み返してみたら褒めてました。あれ?
でもまあ「時間SFとロマンスは相性がいい」「その中には傑作・佳作がある」「この作品は「時間SF」で「ロマンス」である(系譜に連なる)」「フラッシュバックを多用して破綻してないのは“デビュー作としては”巧い」「ラストは(それなりに)胸を打つ」のは僕の読書体験としては事実だから良しとしよう。悪目の予想をして読み始めたら、思いのほか普通だったんでやや高めのバイアスがかかったのだな。「この作品が終わる時点からを突き詰めて書くほうがSFとしては面白くなるだろう」というのは書くべきだったか。ロマンスって、読み方が良くわからないんで評価がおっかなびっくりになりがちなんだよね。

宴会後は喫茶店組についていく。アニドウ通販の充実っぷりについて学んだ。せっかく池袋にきたってのに、タイミングの問題でジュンク堂に行き損ねたのは少し心残り。久しく行ってないけど、いまどんな風になっているのだろう。

帰宅後、ANIMAXで永久家族を観た。森本晃司の超ショートフィルム連作、らしい。本編とも言える後半の逃走シーケンスは悪くないのだが、前半の永久家族を演じているシーケンスが、数十秒ごとに「ギャグ」→「アイキャッチ」と繰り返していて、目がちかちかする&すぐに飽きてつのが難点。前半のパートは、後半のドラマに対する思い入れを与える場面なんで、ここに入り込めないのは全体としては辛いかな、と。本来の形(全53話の連続CF)で、30秒ごとに他の映像を挟むなら、大丈夫だったのかも。

1月30日
踏みながら「デカレンジャー」49話を観る。地球署がぼろぼろにされる話。メカがガッツンガッツンぶつかっていて、その辺はまあまあ。いままでのメカ戦に比べると面白い絵が足りないのが不満か。人間サイズの方はデカマスターの活躍がちょっと足りない。もっと魅せて欲しい。尺と詰め込み具合からすると無茶な要求ではあるのだが。ドラマはこんなもんかなあ。アブレラ四人衆に伏線が無かったのはかなり不満。早めにこのラストを意識していればもっと盛り上げられただろうに。意味無く出てきたハクタクとギンは最終回で役に立つのか。というわけで次週、最終回。

「せっかく池袋にきたってのに、タイミングの問題でジュンク堂に行き損ねたのは少し心残り」と書いたすぐ翌日に、昼から池袋。ジュンク堂は久しぶりすぎて、どこが記憶と違っているのかすらわかりませんでした。わかったのは委託同人誌棚が移動していたことくらいかな。

買ったものは山ほどあるけどめぼしいのは、原作:倉知淳、作画:秋乃茉莉ほか『名探偵 猫丸先輩の事件簿』(秋田書店 サスペリアミステリーコミックスアルファ)くらいか。猫丸先輩シリーズを10人の漫画家が一人一本でコミカライズした物。表紙の同一人物とは思えない猫丸先輩達を見ればコンセプトは一目でわかるか。中身はまだ読んでません。全体に漂うオーラが買うほどではないと叫んでいるけど無視の方向で。

でもって、池袋に来た目的の一つ五十嵐大介原画展もしっかり観てきた。白黒の画も力が籠もっていて見応えあるんだけど、それ以上に良いのがカラー。タッチの美しさがはっきりとわかり感動ものですよ、お立会い。2月のしばらく公開しているらしいので、心ある者はジュンク堂池袋本店にダッシュのココロだ。

原画展の後は、もうひとつの目的の「カンフーハッスル」を観る。とにかく派手さで勝負の馬鹿映画として楽しめた。終盤まで主人公がただの狂言回しという作りに驚いたり、何の努力も無くスーパーサイヤ人化するのに呆然としたり。勢いがあれば何でもできると思ってるだろう。CGによる人体変形を多用したコミカルな画面の割に、陰惨なシーンも多く、それはちょっと引くってばなところもあるんだけど、そこもひっくるめて味と考えるべきなのだろう。小悪党の主人公が如来神拳に目覚めた途端に全てが許されるげなところなど、ちょいと引っ掛かり気味なところも多いけど。主人公はともかく、長屋の達人たちはみな好感が持ててとても良いです。槍術のおっさんがかっこよかった。

でもって柏に戻ってから、近所のインド・ネパールその他料理屋で、念願のタイ料理メニューを食う。タイ風さつま揚げも、青菜いためも、鶏野菜炒め&ライス目玉焼き乗せも美味かったのだが、さすがに量が多すぎた。そのあと、2時間くらい動けなかったよ。ライスが多すぎたよなあ。
タイ料理担当は一人しかいない上に一度に調理するのはひとつだけなので時間がかかるというのは予想外の展開。ナン担当がやること無くて遊んでいる時もタイ料理担当は大車輪で働いてるのに、べた遅れという。頼むなら夜中の空いてる時間にすべきと憶えておこう。しかし、トム・ヤン・クンのスープを店の外から運んできてたのはなんだったのだろう。 #松戸の本店から運んできてたら笑うなあ。

1月31日
SFマガジン 2005年2月号。特集は『パンドラ』刊行記念で谷甲州。

小説は新シリーズ連作の第一話となる「葛城天狗」。葛城の役小角と吉野の一言主の争いに巻き込まれた前鬼の物語。霊峰の涼やかな空気が流れているような文章は文句なし。役小角と一言主のエピソードをきれいに整理して、リアリティを高める(輪廻転生云々には目を瞑ろう)手つきもさすがの技。見事です。そらまあ、地味だけどな。
役小角は名前くらいしか知らなかったんで軽く元ネタを調べてみたのだが、パーツパーツは本当にまんまなんで驚いたよ。

他は著者インタビュー、総論、作品論。どの論も「ちゃんとしてる」という感じで、派手さは無いけど危うさもない。お題となった作者にふさわしい論になっている。北満州油田の存在に日本政府/軍が気づいていたらというifから始まる歴史改変SF《覇者の戦塵》は読んでみたくなったのだけど、今から読み始めるには量が多いかなあ。

特集以外の小説は読み切り2本と新連載1本(と、連作第二話の途中)。

小林泰三「天体の回転について」は、良い子の科学解説シリーズで、軌道エレベータとラグランジュポイントの組合せによる地球圏脱出法。すべてが書かれていて含みもふくらみもないので、どう受け止めたもんだかさっぱり。そのまま、まんがサイエンスの一篇にしたほうがいいんじゃ。科学解説としても、主人公の少年と解説役の意志疎通ができないという設定が読みのテンポを大きく損なっていて評価し難い。単純ミス(ラグランジュ点の数)があるのもマイナス。小説ならともかく科学解説だし。この舞台を使った続篇があるのでもなければ、とてもじゃないがまともに評価できない。

山本弘「シュレーディンガーのチョコパフェ」は、世界の破滅とおたくの話。おたくの恋愛を描くのはいいんだけど、彼女がいる横で(少し嘘)魔改造というのはいかがなものか。また、冬は換気ができないからアセトンやシンナーが使えないなどとほざくのも、モデラーとしてあまりにも根性が足りない。おたく女性の描き方や、あまりにもあまりなラストなど、困ったところは多々あれど、ハミルトンかウェルズかという古典的な話を、うまく現在の物語に再生している点は高く評価したい。
実は『星群ノベルズ』10号、『エデンの産声』掲載で1986年のファンジン大賞創作部門を受賞した作品の全面改稿らしいのだが、この星群版はどんな作品だったのだろう。おたくアイテムの数々は時代にあわせて置換すれば済むことだけど、時代の空気そのものが違うように思うのだが。作中のおたくカップルの部分を、当時の作者がどう書いていたかも気になる。

田中啓文「罪火大戦ジャン・ゴーレ」は<人類圏>シリーズに属する新連載。死者の復活が常態となった結果、悪夢の世界と化した地球が舞台。毎度ながらシチュエーションの厭度は高いが、先が見えないので評価は保留。いまのところ、フックがまだ弱い。

特集、小説外では香月祥宏の〈F&SF〉レビューで紹介される作品がどれも面白そうで弱った。ワシントン将軍がピルグリムのウェインジョンの言葉に従い、王子ヒトラーの魔の手から国を守るためラシュモア山を目指すという「ヨークの戦い」はぜひ読んでみたい。

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