過去の雑記 07年 2月

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2月 1日
Webから。

『SWITCH』(吉井凜・作) お詫びと休載のお知らせ。「扉および予告ページのイラストが、ファッション誌のグラビア写真を模写したもの」という理由で連載中断&過去に遡っての絶版。ここのサンプルをみると確かに模写のようだが、これを否定すると出版できない漫画ってかなりの量にならないか。モラルレベルが上がった結果といわれればそれまでだけど。元のグラビア誌経由で写真家に連絡をとって許可を得ていれば良かったのかな。服のデザインまでそのままというのは手抜き過ぎという意見には、納得。

メガマックとは逆の方向性へ。ヨクトマック。アイデアだけだと面白そうなのだけど、写真で見るとなんとも。なんでも逆にしてみればいいってもんじゃないらしい。

2月 2日
いや別に特定の誰かを思い浮かべたわけではないが、くすぶれ!モテない系 第7回 モテない系趣味二大地獄。いや、ほんと別に他意はないですよ?

2月 3日
今日、ゲーム屋数軒に寄ってみたら、どこもかしこも「世界樹の迷宮」を山盛り積んでいた。よきかな。

でも、DSを持ってないから買わなかったけどな。
#つうか、当面はやる時間が無い。

今日のびっくりさん。「花さか天使テンテンくん」を描いた小栗かずまたは、小栗上野介忠順のひ孫の子で、矢野龍渓の甥の孫。小栗上野介忠順も矢野龍渓も個人的には超有名人なんですが、皆さんはそんなことないですか?
平松伸二のアシだったというのも驚きだ。

夕方から元ユタ。今日の参加者は林、高橋良平、宮崎恵彦、柳下毅一郎、添野知生(登場順、敬称略)。

主な話題はファンジン装丁の安っぽさ、『幻影城の時代』はすごい、雑誌と広告、SFマガジンとタイアップ、国書の情報の出し方は上手い、タイアップの見せ方、無料コンテンツの時代における商業コンテンツのあり方、作品リストを載せることの是非、映画が多すぎる、そもそも作品が多すぎる、DVDは場所をとる、試写室客のマナー、映画を途中から観られるか、最近の映画秘宝、BIG BOXの古本市、リック・ベイカーに会った、forbiddenplanetの広告、最近の邦画、「どろろ」がいかにひどいか、「BABEL」や「蟲師」も、「デジャヴ」のつじつまはあっているか、特集上映各種、仕事でもなけりゃ旧作だけ観ていたい、今年は昭和82年、いまの高校現代史には竹下元首相が登場する、リアルタイムで体験した大事件、お祖父さんの・すごい・経歴、など。

まったく関係ないけど、↑の固有名詞を確認している途中で見つけた「ピンチクリフ グランプリ」が気になった。ノルウェーの人形アニメらしい。

2月 4日
『大失敗』が読みすすまない。気合を入れて読んでいるつもりなのだが、数ページ進むと急に目が上滑りをはじめる感じでなかなかうまく乗れない。現在、やっと1章「バーナムの森」を読み終えたところ。こんなペースではまずいのだがががが。

2月 5日
最近読んだもの。

吾妻ひでお『逃亡日記』(日本文芸社)。どの時代のエピソードもそれぞれに興味深いのだが、なによりもアシスタントAのアンケートのインパクトが強い。怖すぎるよ、これ。

大島正二『漢字伝来』(岩波新書)。日本で漢字が受容されていく過程を簡潔に。まだ十分に成熟していなかった(=抽象化された語彙を持たない)日本語が、圧倒的な漢語の影響をどのように制御していったか。そのことにより日本語が負った負債である絶望的な同音異義語の多さについては高島俊男『漢字と日本人』(文春新書)に詳しい。同音異義語の大半が、中国語では発音で区別できるというのは、そらそうなんだろうけどどうもイメージしづらい。

速水健朗『タイアップの歌謡史』(洋泉社 新書y)。日本の歌謡曲の歴史を、タイアップの歴史としてまとめなおす。タイアップは大正時代からあったなど興味深いエピソードがいっぱいなのはいいが、肝心の曲が聴けないのは(本なんで当然なのだが)もったいない。これをベースにNHKあたりが特番つくらないかな。

岸本佐知子『ねにもつタイプ』(筑摩書房)。「マシン」や「Watch Your Step」「作法」などの、子供の頃に見ていた世界の再現力がすばらしすぎる。日常のなかでふとおきる思考の脱線をみごとに写し取った「「毎日がエブリデイ」」「Don't Dream」なども秀逸。軽妙なエッセイがホラーに転じていくショートショート風の作品も、……とあげているときりがないか。ともかく全体に満遍なく面白い。

2月 6日
「電撃オンライン:インタビュー『世界樹の迷宮』」にある
ゲームっていうのはゲームそのものを楽しむより、ゲームの体験を人と話すのが楽しいんです。もう、「1人でゲームやって、クリアして、おもしろかった」という時代は終わったと思います。
という一節を受けたコラム、[コラム]みんなと同じゲームをプレイし、みんなと同じ感想を持つゲーマーが勝ち組がちょっと面白かった。アニメの受容のされ方が、「観ること」ではなく、「観ながら感想を語ること」のほうに移りつつある(ように見える)のと似た現象か。「同時」の価値については、SFM2月号で水玉蛍之丞も書いていたような。あ、友人間というレベルで「経験を共有する」ことに価値を置くというのはあまりにも当たり前の話なんで、ここで違和を持っているのは全国レベルで高度に同時的(数日〜数週間での同時消費)な経験共有の話、ね。

 この辺、「前からそうだった」というのは簡単だが、それはネットの規模を無視した戯言とも思う。量の違いは質の違い。と、ながながとふっときながらあれですが、例によって結論はありません。

2月 7日
世の中には第2次大戦を政略レベルから作戦レベルまで統一的にシミュレートするHeart of Iron2というゲームがあって、こいつのプレイヤーコミュニティの中に、AARというプレイレポートを書く文化がある。これが、そのAARを集めたWikiなのだが、その中で「大英帝国騒乱記」というイギリスのAARがある。で、まあ。こいつがとんでもなく面白いのだ。ジョージ5世のとんでもないサプライズから掴みはばっちりだし、その後の展開も想像を絶している。このページの真ん中あたりの画なんてふつう拝めない。

でもって、この事態をどう収拾つけるのかと思っていたら、真打ジョージ6世の登場。よくまあ、これだけキャラを立てられるもんだ。この作者のひとは他に「大ルーマニア攻防記AAR」ってのも書いていて、これも滅法面白い。

AARじゃないプレイレポでは4Gamerの、これこれもお勧め。

SRW-OG/DWを観た。せっかくのリューネ登場回なのに、顔かたちが崩れまくり。ヴァルシオーネもお人形さんにしか見えないプラスチック顔で、どうにもこうにも。ヴァルシオーネのデザインは、顔をうまく隠したSRW3のそれがベストだと思うんだが。
 話の展開も今ひとつ。けじめをつけると啖呵を切って登場したのに、軽く切り結んだだけで剣を弾き飛ばされて終わりじゃ、覚悟の程もしれたもんとしか。ここはゲームどおり(いや、SRW3のイメージだけど)に、切り結ぼうとした矢先にゲスト出現 → リューネが力を見せ付ける → 撃退後仕切りなおして戦闘 → マサキの勝利でリューネが納得というシーケンスじゃないと。本当にゲームどおりだと、リューネが力を過信して特攻即死 → リセットしてどうにかリューネが突っ込まないよう四苦八苦 になってしまうというのは気にしない方向で。
 しかし、もう18話だってのにこんなエピソードをやっててちゃんと終わるんだろうか。変なタイミングでOPが変わってるし。実は3クールだとか?

ネギま!?も観た。みんなでSDモードになってかわいくころころしてました。終わり。
 えーと?
 いやまあ、話が進んでいくことなんざいまさら求めちゃいませんが、いくらなんでも内容が無い気が。どこに向かうつもりなんだろう。OPの2番がはじまったときにはさすがにびっくりした。

2月 9日
「SFが読みたい2007」が届いたのでとりあえず刊行予定をチェック。

早川はなんだか、らしくないくらいにやる気が続いている様子。『輝くもの天より堕ち』(仮題は原題のかな書き)もついに出ますか。《エルリック》は《エレコーゼ》《フォン・ベック》とつづくとか。……コルムは?ねえ、コルムは?

創元は『揺籃の星』の続巻とか、《ヴォルコシガン》とか。既に予定にも載ってない『ブルー・マーズ』はどうなるんだろう。

伏兵、扶桑からはカート・シオドマク!いつの時代か、それ。なんか映画化だそうな。落ちの"Deathbird Stories"も利いてます。しかし、「来年のこの欄でも同じ書名があがりそうですな」はいかがなものか。

国書は国書で「伊藤典夫評論集成も着々と進行中……21世紀中に必ず」とか書いてますが。今年も海外SFの弾数はたいへん豊富な模様。

WebZap。

あの「コミ通」石館通信と似たスメルがする「ひだけーだい」。「私の考えたギャグやネタを売りますよ」というビジネスをはじめたひとがすごい(悪い意味で)という話。世の中には勇気のある人がいるんだなあ。伊藤剛さんの記事の元にあたる 笑いをクリエイトするギャグ作家がマンガ家たちの怒りを買っているまでは読んだけど、大本のすごい人のサイトは見に行ってないんで、ほんとにひどいのか、どれくらいひどいのかは知りません。

おまけ:AYSさんのサイト経由で、たどりついた「お笑いデザインパターン」がちょっと興味深い。「天丼」は恥ずかしながらはじめて知りました。

個人的には銀河漂流バイファムの脚本家として印象深い星山博之が亡くなった。享年62。アニメ関係者の早過ぎる死が、またひとつ。

星山博之の業績については、はてなキーワードが詳しい。氷川竜介さんの日記も。

2月11日
 休憩中(逃避中ともいう)に眺めていたら、理系の人々というサイトのこの回がツボだったんでメモ。そうだよ。好き嫌いと、SF的に許せる/許せないは別物だよ。ああ、この話も身に覚えが!
 しかし、この回の最後の文章はどうかと思った。科学的根拠がどうこうなんてネタも書いているのに、無邪気に血液型性格診断を引用するのはいかがなものか。

『大失敗』読了。大失敗する話。といか、構造的に大失敗になってしまう話。いかにもレムの書きそうな小説で立派な作品だと思うのだけど、いかんせん楽しんでは読めなかった。かなりの部分は訳文の退屈さのせいだと思うが、もともと娯楽性に欠けるという感じも。

2月12日
wikipediaにこんな項目があった。ギフテッド。えーと、ゼナ・ヘンダースン?

2月13日
 中日が育成枠で中村紀を取るという話が真実味をこめて語られている。まっさきに「いらない」といったくせにどんな変わり身かと思うが、中日には大塚や中山など行き場を失った選手を取って使い捨てる(大塚はWin-Winだったが)伝統があるのでらしくはある。
 確かに、威圧感のある大砲ってのは代打として貴重な人材だから格安で取れるなら当然の判断なんだけど、立浪の影がさらに薄くなりそう(立浪は左だけど)な点だけは残念至極。読売にはぜひとも横からかっさらっていただきたい。

某日記で方程式物アンソロジーを作ったらという話題があったのでふらふらと検索していたら、「お茶の間“方程式”劇場」の映像化なんてものを見つけてしまった。正確にはプラネタリウム・プログラム化。スライドショーに声がつく形式らしい。
声の出演
オレ:石丸 博也
美少女:天野 由梨
おれ:古川 登志夫
コンピュータ:龍田 直樹
ってのは無駄に豪華な気が。

2月14日
アニメ版「ひだまりスケッチ」の伏線を観込んでいる人がいた(12)。なんとなく「観込む」を使ってみたが、読み込む、聴き込むに対応する映像版の表現はこれでいいんだろうか。とりあえず、IMEでは変換できる模様。

こっちは、小ネタ系。掲示板シーンの書き込みにある名前が「湯浅真沙子」とか。
#湯浅真沙子の名前は、これを見て検索するまで知りませんでした。

Webから。

週刊少年漫画雑誌はここ30年くらい値上がりしていないという話。ページ単価での比較。そら苦しくもなるだろう。別のエントリの、「[古雑誌][漫画]少年誌発行部数1位だった頃のチャンピオンはこんな感じ その4 本当に発行部数1位だったのか検証してみる」も興味深い。

地球温暖化防止のための最終手段、月の砂で太陽光の侵入を防げ!。タイトルどおりのオモシロアイデア。太陽光圧&太陽風ですぐ吹き飛ばされそうな気がするけど、どうやって、保持するつもりなんだろう。

オタク〜知らないのが当たり前!?。これについては、もうちょっと考えてから。「程度問題」のひとことで片付くような気も。

2月15日
【中国】雲南:ペンキ塗って「山を緑化」に非難・失笑・落胆のニュースはみなさんご記憶に新しいと思うが、 たまごまごごはんさんの[国際]案外身の回りである気がする「環境破壊」っぽいなにか。を読んでいたら、日本にも類例があるという話が。
298. Posted by 緑の脳味噌 2007年02月13日 22:59

中国だからって笑っていられないぞ。

日本でも以前山道走っていたら、崖の崩落防止にモルタル吹き付けてある箇所で、どぎつい緑の着色してあったのを見たことがある。

今回の中国の場合、岩壁に直接緑のペンキを塗っているようだけど、日本のは10年以上昔からあるわけで、決して中国のことを馬鹿にできる立場ではない。
へーと思いgoogleってみたら、それらしきものが見つかった。崩落防止用のモルタルを目立たないように着色するという話だから、中国のニュースとはやや違うようにも思うが。しかし中国のほうも、「石の採掘場跡」だしなあ。

と思いつつニュースを眺めていたら。【中国】ペンキ緑化の動機は「風水」、林業局は責任放棄。だめだ、やはり中国のほうが圧倒的に面白い。 その他、WebZap。

世界びっくりニュース バレンタインにぴったり!? チョコレート風呂。「日本の温泉施設が、バレンタインデーにぴったりの性欲増進剤を提供している。チョコレートのお風呂だ」ってのはすごい書き出しだ。箱根に混浴(家族風呂?)のチョコレート風呂があるというニュース。ロイターの記事なんで微妙に翻訳調。毎回、お湯をかえるとしたらコスト的にも環境影響の面でも問題ありげだし、かといって変えないとしたら入りたくないし……。

マンガの帯つけかえて遊ぼうぜwwwww。楽しそうだ。

最近読んだもの。

ジョン・J・ナンス『軌道離脱』(ハヤカワ文庫NV)
 懸賞であたった民間船での宇宙旅行の途中、デブリがパイロットと通信機を直撃して、ひとり軌道に取り残された男の奮闘記。民間の宇宙旅行会社なのでライバル視しているNASAの長官が助けてくれないとか、万策尽きて船内のノートで手記を書き始めたらそれの自動ダウンリンクだけが生きてて手記の内容が全国公開されるだとか、面白いところもけっこうある。飛行機からの空中発進で、しかも往還機という設定は荒唐無稽に過ぎるように思うが、そこは受け入れるべきウソだろうし、序盤と終盤のシーンはこの設定のおかげでかなり燃える。中盤がやや冗長なことを我慢すれば、総じてサスペンス小説として悪くないと思う。
 ただ、主人公の奥さんの扱いがひどいのだけは気になる。「宇宙旅行は自殺行為だと思い込み、離婚をちらつかせてまで主人公を思いとどまらせようとする」という序盤の書かれ方は、悪役ながらまだ正当なものだと思うのだが、「セックスさせてくれなくなったのが家庭不和の原因」などと全世界に向けて書かれた上、あげくには空想の離婚状まで書かれるというのはいくらなんでもひどすぎる。せめて、それに対してなにか感情を見せるシーンがあればまだしも、まったく登場させてもらえないし。彼女の父も、「(主人公の)良き理解者」として登場し主人公と息子の和解までお膳立てしたのに、娘が公開の場で一方的に断罪されてからは一切登場しないし。さすがに怒ってるんじゃないのか、じいさん。全般に、主人公の身勝手さが非難されること無く、ただただ英雄視されるばかりというのが気持ち悪くてしかたがない。もう少し、節度というものをだな。

高遠るい『SCAPE-GOD』(電撃コミックス)
 お勧めされたので読んでみた。宇宙の存続の代償として常に魔神、妖魔に襲われつづける「神」、ひつじさんと、彼女の不幸の巻き添えとなりすべてを失った少女の物語。セカイ系のパロディであることと、パロディ文化のパロディであることを明示し、そのとおり描きあげるという態度はいささか鼻につくところではあるが、それはそれとして面白いというあたりがまたいやらしい。この技量があれば飛び道具なんて使わなくても、どうとでもできるだろうに。悪意か。悪意なんだろう。

前半のクライマックスを観損ねるという致命的なミスを犯した「いろはにほへと」だが、一応、まだ観てはいる。しかし、始皇帝がどうこうの世に戦乱をもたらす「覇者の首」がとりついた先が榎本武揚ってのはいくらなんでも小物に過ぎないか。思わせぶりにでてきたイギリス軍兵士4人組が、案の定いきなりヤムチャ化(テリーマン化でも可)しているのが悲しくてしかたありません。

2月16日
ふとしたことから、自分が住む市を管轄するのが東京国税庁であり、その管轄区域が東京、神奈川、山梨、千葉であることを知った。ほう、そうすると茨城はどこなんだろう。調べてみると、関東信越国税庁であり、その管轄は、茨城、栃木、群馬、埼玉、新潟、長野とのこと。へ?なに、その不思議エリア。

いやまあ、関東甲信越を南北に切っただけかもしれないけど、なぜそんな風に。人口バランスも悪そうだし、日常的な地域割りとも外れるし。で、気になってきたんで全国を見てみたところ、こんなだった。

うーん。概ねのところは、日常感覚どおりの分割だが、なぜ東北や近畿はひとつで九州はふたつ(沖縄を含めると三つ)に分割されるのかとか疑問は多いなあ。ひょっとして、鉄道距離で分割しているとか?だとしたら、茨城が埼玉(関東信越)の管轄になるのは不自然か。謎だ。

 「ダンクーガ・ノヴァ」#1を観た。パイロットが4人とも、拉致されてきた一般人。操縦法は寝ている間に刷り込んでおいたという超展開に呆然。いやそら、ザンボットとかあるわけだけど。
 戦いの目的はまったく明かされず、いきなり圧倒的な格下(にしか見えない)相手に勝利して終了。パイロットを4人集めておきながら、実際に操縦してるのはひとりだけ。記憶に残るのは既視感だけで構成されたような(ダンクーガのラインをまるまる残してるんだから当然なんだけど)メカと、しつこく描かれる乳のみ。いさぎよいというか、なんというか。次週、どうするかなあ。

2月17日
昼からファン交に出演。「海外SF最前線」という題名ではあったが、2000年代以降の翻訳SFガイドのような内容でということだったので、向井くん、東さんと3人でその辺の話を適当に。思いつくままのとりとめのない発言ばかりでたいそう申し訳なかった。とくに、00年、01年あたりは「読んだけど覚えてない」ばかりで、「おれが聞いてるほうなら日記でいかりをぶつけているね」と思ったが、来場の方々は、その場では聞き流してくださった模様。みなさん、大人だなあ。

打上げ後、事前に募っておいた有志と忘年会以来の徹夜カラオケ。当初予定より若干人数が増えたものの、存分に歌うことができた。まんぞく。早朝、言いだしっぺでありながら一足早く帰宅。皆さん失礼しました。いろいろお付き合いいただいたみなさま、ありがとうございます。

なお、行かなかった元ユタは高橋良平さんと添野さんだけだった模様。

話題は、SFが読みたい、我慢の必要な本が多すぎる、ファースケープの完結篇、スペオペの今日的な可能性、ロックニ・オバノンのセンス、J・J・エイブラムスとマイケル・ストラクジンスキーの間に正解はある、メビウスの北斗と南、ウルトラマンのオリジナリティ、巨大化して闘うということ、1話1怪獣形式の衝撃、坂井くんは元気にしているの? 『Gガール 破壊的な彼女』は悪くない、『ディパーテッド』は全然ダメ、スコセッシのどこがいいの?などだったとのこと。

2月18日
朝帰りのあと昼過ぎに起きだして、上野へ。

国立博物館の中国国家博物館名品展に行ってきた。古代文明展は全力で行くぜモード。

今回は、新石器時代の土器から、五代の仏画まで5000年分の展示。時代幅も地域幅もむちゃくちゃ広いのに、展示数は60点ほどと少なめで文明展としての見応えはいまひとつ。でも、個々の展示には面白いものが多く、満足度はわりと高め。特に前漢・蜀で作られた「祭祀場面貯貝器」(リンク先は個人blog)は必見。祭りの場面を象っている状景フィギュアなのだけど、これがむやみに写実的ですばらしく不気味。祭りの生贄として縛りつけられた人なんかもいたり。観ていると、とりこまれて自分も人形になってそうです( < どこの諸星大二郎だ)。あとは、虚ろな表情の人形たちがならぶ後漢の陶船もいい感じ。これも諸星系。

東京マラソン当日に博物館に来るなんて酔狂な人間は少ないということか、適度に空いていて徹夜明けに優しい展示でした。同時開催のマオーリ展は、無料と気づいたのが閉館10分前でほとんど観られなかったので、そのうちに再挑戦したい。

2月19日
SF好きに共通する論調。 ※1)元ネタ
※2) パロディをつくるきっかけ

元ネタは「作品」なんだから、「ジャンル」ネタにしてしまうのは拡大しすぎか。スタ・トレとかの単位で作るほうがいい?

Webから。

ファミコンを知らない小中学生が急増中 orz(電速!!)。昔のゲームをプレイした小中学生の評価に、2ch住人が呆然とするスレッドの紹介。歴史的価値云々を斟酌しないなら、小中学生のほうが正しかろうと思う部分も。

旧暦2033年問題。天保暦では2033年の閏月の名前を定義できない件。過去には同じような問題が発生しなかったのか。

エロエロ広告で有名なボディスプレー「AXE」が日本上陸。オサレなので「エロエロ」という言葉で表現するほど下品な印象は無いような。中で選ぶならこれかな。落ちがいい。

2月20日
「バファローズ」今季限り?:プロ野球:野球:スポーツ報知の記事を読み、近鉄ファンの心中を慮って勝手に憤っていたのだが、Webをまわった感じだと「ようやく忌まわしき合併球団からバファローズの名をとりもどせた」と喜ぶ人が多く、意外な気分を味わった。なるほどなあ。その視点は気づかなかった。

井上史雄『変わる方言 動く標準語』(ちくま新書)読了。方言に関する著者の講義録をまとめたもの。方言に対する意識の分布、外国語との相互干渉、語彙ごとの普及度比較による言語伝播の体系化と、どれも面白い話題で、総論としては納得できるのだけど、図の読み取りの細部のレベルで時折納得がいかない。

たとえばp187の図3-20。古代(14世紀以前)東国語彙、近代(15世紀以降)東国語彙、古代西国語彙、近代西国語彙それぞれの県別の使用率分布から、語彙の伝播過程を説明する際、なんの留保も無く古代東国語彙の出発点を東京に置くとか。

確かに図の上では、関東中で東京だけ特殊な分布になっているから、なにかしらの理由があると推察はできるけど、14世紀までの東京、というか南武蔵は政権中枢でも文化中枢でもなんでもないただの低湿地なんだから、そこが語彙分布の起点になる理由をでっちあげなきゃ説得力が不足する。何か一言、たとえば大国武蔵の国府がある府中、一宮がある大宮、政府のある鎌倉などの中心になるため仮想的な重心になったとか書いてくれれば気にならないのに。

あと講義録という部分を引きずりすぎて、冗長な語りになっているのも悪印象。整理すれば2,3割削れるだろう。

とはいえ、先にも書いたように全体としては面白かった。特に、単語の伝播は1年1kmペースでおきていたという話はたいへん興味深い。海外でも観測できる事例とあったので、この辺をふくらませてくれていれば。

2月21日
[web]”SFは1000冊、ではライトノベルは何冊?”という記事を読み、本筋とは異なるところがいまさら気になった。はてな系ラノベ界隈では決まり文句のように使われている(というかぼくも二日前の日記で使った)「SFを語るなら1000冊読め」の出典はなんなのだろう。確かに、いかにも偏屈なSFファンが言いそうなフレーズなのだが。誰がいいだしたのか、ちょっと気になる。ラノベ界隈で広まるきっかけになったのは、SF1000冊読破していない人は語る資格無し / ウィグナーの友人(山本弘のSF秘密基地内BBS)かなあ。mixiで話題にしたときは「吾妻ひでおの『パルプちゃんの大冒険』でのSF研部長のセリフ「おまえらSFの千や二千読んだからって でかいつらするなよな」からだったりして」というコメントをもらったけど、さすがにそれは……、どうだろう。
#個人的には、海外・国内それぞれタイトルを厳選して100ずつも読めば、アウトラインくらいはつかめると思うけど、それはまたそれ。

 エントリの本題のほうだと、『クラッシャー・ジョウ』or『ダーティ・ペア』から『エリアル』あたりまでのSF系作品が落ちてるのが気になるかな。「ライトノベルとは」を語るならいらないけど、歴史を語るなら読んどけ感。

その他、Webから。

どらみ。すばらしき妹まんが。ミミソギラジカルのネタを実際にやってみました、みたいな(本当に、関連があるかどうかは知らない)。

続・呼び名で分かる:身の回り編 「ハマ付き」の自転車って…。昨日の読了本関連で新方言分布調査事例。「ワッパつき」なんていった覚えは無いけどなあ。

2月22日
最初のSFとはなにか。

ポーだ、「フランケンシュタイン」だ、ルキアノスだうんぬんと飽きるほど繰り返されてきた話題とは違って。

ライトノベル関係で狩田が一番困る問いという記事の、
ライトノベル関係で狩田が一番困る質問って、実は「あなたが一番最初に読んだライトノベルはなんですか」だったりします(笑)

いや、どこら辺までをジュブナイルSFとしてどこら辺までをライトノベルとするかが問題で…。
というところからわいた疑問。

最初にSFと定義された作品は何か、より正確に言うと、SFというラベルが発生したときに、最初にそのラベルで言及された作品はなんだろうか、と。SFを、Scientifictionととるか、Science Fictionととるか、SFととるかで答えは変わりそうなんで(というか絶対変わる)、前二者それぞれあたりで。『SF雑誌の歴史』を読み返せばすぐにわかることなんだろうか。

元ネタのラノベに関しては、ニフティのライトノベルフォーラム誕生時に最初に言及された作品ということで良いのかな。

アニメをいろいろと。

武装錬金#21
 火渡 対 キャプテン・ブラボー&火渡 対 カズキ、なんだけど、すべてBパートのディープブレッシング 対 ヴィクターにもっていかれた感。まさか潜水艦の武装錬金が、6通りに変形したとは。尺が足りなくて、いろんなエピソードを端折ったはずなのに、こういうネタには時間をかけるのな。いいぞ、もっとやれ。

SRW-OG/DW#20
 DC残党壊滅。リュウセイがすごい勢いで存在感を消していくとともに、ふつうに面白くなってきた気が。SRWの記憶にだまされているだけという気もするけど。クロススマッシャーのマーブル光線だけで嬉しくなるし。狂気のテンザンとか、必殺技の集中打でヴァルシオン改を落とすところとかも、いい感じに盛り上がってました。
 DC残党の首領をリューネが追い詰めいざ、というところで、いきなり登場するなり首領を真っ二つにしてしまったゼンガーさんはおいしいところをもっていきすぎだと思ったことだ。

ダンクーガ・ノヴァ#2
 設定紹介&出撃&変形バンク公開篇。戦場にあらわれては強者を破壊し、戦争を長引かせるという行動については謎のまま。でも、それが不自然な行為であることは言及されたので、合理的な理屈がつくのだろう。SFえんじさんが日記で書いてた、「いつか来る敵のため、地球の戦力を育てている」あたりが正解かな。ダンクーガ形態でパイロットがひとりしかいらない問題についても一部解答が。断空砲を撃つ際には射撃モードになってパイロットが変わるのだね。きっと、他の二人にも似たような番がまわってくるのだろう。
 そんな感じで、穴に見えたところはそれなりに考えてそうなんだけど、それで結果として面白くなるかというのは不明。
 あと、女性パイロットがバイクにまたがるように乗るコクピット(結果的に尻をつきだした構図になる)というのはいささか飽きてきた気が。
#ところで、これってゾイド・ジェネシス以前にもあったっけ?

とmixiで書いたら、『超時空世紀オーガス』(1983〜84)に登場するモラーバというメカがわりと古い、かもと教えていただいた。なるほど、勉強になる。

2月23日
 とある日記を読んでいたら、「ヤングチャンピオン増刊号もおかしいことになっている。掘骨砕三の作品をはじめて読んだのですが」という記述があってびっくり仰天。えええええええ?掘骨砕三が一般誌????あの、ロリと身体改造と獣と蟲とスカトロの掘骨砕三が?
 どうやったらそんなことがありうるのかと思い秋田書店サイトでチェックしてみたところ、どうやらヤングチャンピオン烈という雑誌のようだ。
 ああ、葉月京に東鉄神に和六里ハルにみた森たつやに……、というラインナップならありうるか。ってか、成人コミックだろう、これは。

Webから。

ウィキペディア頼み、誤答続々 米大学が試験で引用禁止。アメリカで行われた日本史の試験で、Wikipedia/enの間違った記述を参考にした解答が多数あったので、Wikipediaからの引用が禁止になったという話。参考にしてもいいけど、信用してはいけないというのは、理念としては妥当だけど実運用は難しそう。
 まあ、このケースの場合、Wikipediaの記述に(原理的には)参考文献が明示されているはずだから、そちらを当たれということなんだろうけど。

U35男子マーケティング図鑑 第21回 チェック男子。いろいろ胸に刺さる。

ダンキンVsミスド 台湾で日米ドーナツ戦争。ミスドって出自は日本だっけ?と思ってWikipediaを引いてみたら、「元はアメリカだけど、ダンキンが買収したんで、アメリカにミスドブランドは残ってない」(要約)という話が。創業者どうしが親族関係なんだそうな。へー。

2月25日
ゲキレンジャー#2を観た。ダム破壊による大洪水の被害はもう起きてしまっているので、巨大化したカマキリ男を倒しても何も解決しないのでは、ってのはおいといて。巨大ロボが微妙にゴライオンなのが気になります。やっぱり、あと二人でてきて、ゴライオン完全体になるんだろうか。

最大の候補は、ライオン拳の使い手で、ビーストアーツの裏切り者であることがほぼ確実な敵首領なんだけど、敵首領が寝返るってのは無理があるか。中盤、真の敵が登場するとか?

一昨々日あたりからどうにも風邪気味なのだけど、あまり部屋にこもっているのもあれかなと思い、ちょいと出かけた近所のアニメ系DVD屋でニンテンドーDS Liteを発見。さっそく買ってきた。ああ、なるほど。こんな感じなのか。

とりあえず、しばらく前にソフトだけ買っていた「世界樹の迷宮」をプレイしてみる。ギルド名は迷った挙句に「げんとうかん」に。同じメンバーでプレイしている人は全国に5000人くらいいるに違いない。メンバーがほぼ3レベルになった時点で、虎蔵と房八が一回ずつ死んだ。虎蔵がソードマンというのはわれながらどうかと思うが、他に適当な前衛職がないのだよな。 CRPGでは、いつも使っているパーティーがあるのだけど、ギルド名を思いつかなかったので今回は封印。またの機会に。今回のメンバーの問題は、前衛候補の少なさだな。ブシドーはやはり由貴彦さんか。

レベル6平均になったところで2FのFOEを倒してみた。なんとかはなったが、後列二人が死亡。まだまだだな。

パーティーの平均レベルが10に達し、すぐに可能なクエストをひととおり終えたところで3階に突入。ここでふと魔がさして、うろついているカマキリに突っ込んでみたら、1ラウンドひとりの割りで前衛が死亡。逃亡にも3ラウンド連続で失敗し、みごとに全滅となった。

話には聞いていたけど洒落にならんなあ。

2月27日
風呂上りに頭を乾かしながら、いろはにほへと#19を消化しながら、カマキリに挑戦。

スタン、バインド系スキルをまったくもっていないため、純粋火力勝負という無茶な戦いを平均レベル15という基礎力の高さと、いままで得てきた薬品の力で押し切った。最後はTP回復後にブーストした電撃の術式のパワーで辛くも勝利。美津里(アルケミスト)様々である。

しかし、どう考えても無理筋の戦い方なので、薬が足りなくなった今、2匹目のカマキリはかなり辛いし、2匹まとめてなカマキリに至っては問題外っぽい。どうするかね。

と、悩む前に頭も乾いたし寝よう。

2月28日
Webから。

しょこたん☆ぶろぐ。ここから、20エントリくらい過去にわたって、えんえんヒーローごっこをするアイドルが(ただし、デンジレッドのマスクおよびスーツ着用)。天然は強いなあ。

SFな兵器のお部屋。実在した(あるいは計画された)SFっぽい兵器の紹介。

ゲティスバーグPowerPointプレゼンテーション。リンカーンのゲスティバーグ演説をパワーポイント化(日本語訳)。関連:PowerPointの罠


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