過去の雑記 07年 1月

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1月 1日
あけましておめでとうございます。

簡易雑煮を食べた後、朝の新幹線で名古屋へ。そのまま実家に向かい新年の挨拶。姉2の夫のひとと顔をあわせるのは実は2回目だったらしい。そうだったのか。

ろくに挨拶も済ませないうちから、姪3-1に言われるままにWiiでMiiのキャラを作り、「おどるメイド イン ワリオ」をプレイ。どうだろうと思っていたが、なるほどよくできている。直感的なインターフェースをいじくるのが実に快感。これは子供にはうけるよなあ。姪3-1&2がずっとやっているというのもよくわかる。

もう1ゲームくらいしてもよかったが、次もあるので隔離席でふたりですき焼きを食べ苺を食べ、今度は滋賀へ。妻のひとの実家で新年のご挨拶をし、すき焼きを食べ苺を食べる。なんか既食感が。

6時過ぎにお暇し、ぼくのみ再度名古屋へ。録画テープを持ってきた牙狼の特番など観つつ就寝。

てなわけで、「GARO 白夜の魔獣」。ファミリー劇場10周年記念の特番で、テレビ版GAROの後日譚。

白夜ってのは、極圏の「夏」に起きる現象だってつっこみはもうさんざ既出だよね。きっと。

さて、それはともかく。いやもう、ほんとにさとうやすえ。なによりさとうやすえが素敵すぎる。さとうやすえが伸びやかに舞っているだけで、セリフのたどたどしさも、アクションのぎこちなさも、予想される制作時のイメージと現実の映像のギャップも、場面間のつなぎの悪さも、なにもかも許せてしまえるくらい。いいなあ、さとうやすえ。

ストーリーは……、別にどうでもいいや。本編での邪美の最期はあまりにも美しかったので、今回の復活はいまいち不満だったのだけど、邪美、というかさとうやすえの官能的な動きを観ていたらオール・オッケイな気分になった。いいなあ。さとうやすえ。美人じゃないあたりがまた。

1月 2日
浅井R宅で正月恒例のゲーム会。

メインの一つ目は "Age of Mythology"(Eagle Games)。リンク先では「戦闘のあるプエルトリコ」と紹介されているがコンポーネントをあけたときの印象はまさにそんな感じ。建物タイル、生産タイルがならぶボードに開拓/生産/貿易などのアクションカードはプエルトリコそのまま。そこに神話の怪物も含むミニチュアがならんでいる。
 ところが、この「戦闘のある」が曲者(これもリンク先に書いてある)で、ゲーム感/バランスは大違い。「攻撃」に勝つと他人の生産物を収奪することができるため、一度弱みを見せると連続攻撃を受けてまったく立ち直れなくなる。並の「生産」だと2〜4生産物程度なのに収奪は5個も奪えるから、相手は「生産」よりも攻撃を選ぶし、自分は生産しても追いつかない。なけなしの生産物を奪われては生産力の拡充もおぼつかないし、再軍備も不可能というわけで収奪で裕福になった相手の再襲撃を防ぐのはとうぜん不可能。序盤はまだしも、中盤で消耗すると致命傷になる。
 またゲームのVP条件の一つ、「世界の七不思議建造」の条件も謎。4種類の生産物を各4+5+6+7+10=32個も生産しなければならないのだけど、ゲームは全部で10ターンしかないから毎ターン3×4=12個以上生産する必要があることになる。他にも作るものが山ほどあるというのに、こんなことできるとは到底思えない。今回も9ターンまでプレイして、3段階目(4+5)までの到着がやっとだった。全般に最後の練りこみが足りないような。
 プレイは、序盤、中野のプレイするエジプトにファーストアタックを決められ脱落しそうになるも、圧倒的な生産タイル運に恵まれ(信仰心×2だの金×2だのといった生産力の高いタイルが多かった)持ち直し、中盤、再襲撃してきたエジプトの主力軍を撃破。一気に中野を脱落させるとともに経済力で他を圧倒し、最後はギリシャをプレイする浅井Rのプレイングミスもありそのままプレイを終えた。
 4種の勝利条件にプレイヤーが毎ターンVPマーカを置くことで最終的な配点が変わるというシステムは面白いのに、経済部分のバランスが悪すぎてゲームの面白さを損ねている印象。中野のアイデアだが、収奪を禁止するか、収奪によって奪える生産物量を減らせばもう少しマシになるかもしれない。いろいろもったいないゲームだ。

次にプレイしたのは"History of the World"の日本版ヴァリアント、"History of Samurai"(GJ)。3人プレイは本来、各自が2国を担当し6国をプレイするのだが、今回は東北と九州を除き3国をプレイする形で行なった。出現した勢力は

1巻「武家台頭」浅:源義家 林:河野水軍 中:佐竹氏
2巻「源平騒乱」中:平清盛 林:源頼朝  浅:北条氏
3巻「南北朝」 中:楠木正成(悪党) 浅:新田義貞+名和長年 林:足利尊氏
4巻「応仁大乱」中:関東公方 浅:山名宗全 林:大内氏
5巻「下克上」 浅:毛利元就 中:三好長慶+尼子氏 林:本願寺顕如
6巻「群雄乱立」浅:織田信長 中:明智光秀 林:柴田勝家
7巻「天下泰平」林:長宗我部元親+前田利家 浅:石田三成(西軍) 中:徳川家康

 序盤、源頼朝&足利尊氏を押し付けられ、ストレングス合計的には問題外になったので最終盤まではほとんど選択肢無し。なのに、頼朝&尊氏の稼ぎが中途半端で、正直だめかなと思っていたが、柴田勝家が完璧なダイス目だった(京都を落とし、尾張に城を築く特殊条件まで満たした)のと、運良く長宗我部をプレイできたことで最終的には圧勝。HotWと同様、最終ターンの連続プレイは勝利に直結する模様(あたり前)。
 ゲームはもちろん、まんまHotW。なので基本はそのままなのだけど、京都の存在がちょっと特殊。配点が異様に高い(1エリアで6点or12点)ので、中央の大名はともかく京都を目指し、それがゆえに毎回別勢力の手に落ちることになる。今回も、ハイスタックや城砦、悪党の特殊能力などでさまざまに防衛が試みられたが一度たりとも成功しなかった。
 京都が中心になる分、辺境は置き去りにされがちで、思いもつかない大名がいつまでも得点を稼いでくれたりする。伊予の河野水軍(七巻、長宗我部により滅亡)は四国の配点の低さで6,7点しか稼げてないが、常陸の佐竹(六巻、織田により滅亡)は10点以上稼いだような。この辺、じつはヒストリカルかも。
 なお、後に確認してみたら適用忘れ/ミスしたルールがいくつか。

3.1(1)第1巻は各プレイヤーが無作為に第1巻の大名カードを引きます → ダイスで順番を決め、2巻以降と同じルールを適用した
4.2(3)都のない大名(イベントによる小大名を含む)の出現した国に町を配置します。 → 忘れた
8.1(1)制覇(基本点×5):その地方の全ての国に現在の大名の軍がある → 京都を過去大名が支配している場合に、支配(基本点×4)ではなく、制覇を適用していた。
武将特別ルール 新田氏 関東内での戦闘はサイを3個振ることができる → 適用し忘れたような

 大勢に影響は無いと思うが、次回があれば正しくプレーしたい。

 最後は"Munchkin"(Steve Jackson Games)。ダンジョンをうろついて敵を(時に味方を)倒しつつ宝物をうばい、10レベルになることを目指すカードゲーム。ルールを適当に読んだだけでプレイを始めたので終始ぐだぐだの展開に。ちゃんと理解してプレイしてもぐだぐだになったと思うけど。  あとでルールを見返したらいろいろ間違っていたのだけど、それはともかく魔術師の卑怯な能力(手札さえ捨てれば宝物をもらえる)のおかげで勝利。勝利かな、あれ。

 そんなこんなでご祝儀相場な3連勝。きっと他プレイヤーに気を使われていたに違いない。肝心なところでとことん不運だった中野先生には申し訳ないことをした。明智で最強の軍事支援カードを使って6エリアしか取れないなんて、なにか悪いものが憑いてたとしか。

 最後は、Hearts of Iron2の話などしつつ飯を食い、解散。ぼくは久しぶりの参加だがやはり楽しいな。運がよければまた来年も。

おまけ。HoSのプレイレポートを探す途中で見つけたクレムリンのヴァリアント、「HEROINE VERSUS」。いろいろ応用が利きそうだ。

1月 3日
朝10時の新幹線などという、正月にあるまじき強行日程で柏に戻る。1日の夜からはそれぞれの実家へ分割帰省という合理性を追求した帰省方針をとったので、帰り道はひとり。

実家から名古屋駅に向かうバスの中では、後ろの席に座った看護士さん同士の会話を聞くともなしに聞いていた。帰省ルートの検討具合からするとどうやら、それぞれ九州と三重が実家らしいのだが、口調はみごとに名古屋弁。うちの姉が中学生の頃の言葉遣いとまったく変わっていない。名古屋の女性言葉の感染力はなかなか侮れないものがある模様。

話題は3連休が精一杯だとか夜勤明けには辞めたくなることがあるなんてのばかりで、やはり大変そう。「えー、あの病院を3人でまわしてるの?」とか。人数がいないとどうにもならない(でも、人数を満たす予算は無い)ところは辛いよなあ。

自営のコンビニをたたみ雇われ店長になった親戚も過酷な状況の様子。通勤片道1時間で深夜勤務とか。ぼくは7連休明けに4連休なんて言ったら怒られそうだ。

労働量の偏りってのは、もうすこしなんとかならないものなのかねえと思いつつ解決策は浮かばない。

1月 4日
たむ読書&映画日記を見たら面白そうな特集だったので、ミステリマガジンを久々に購入。2月号。モンスター特集で、ランズデール、プロンジーニ、ニーナ・キリキ・ホフマン、エリスン、カール・エドワード・ワグナーと読めるのはお得な気が。SFMが日本人作家特集だから海外短篇分の補給としてもちょうどよさげ。

問題は読むかどうかだ。

1月 6日
名大SF研OB有志での新年会の後、元ユタ。参加者は井手聡司、英保桐夏、英保時央、大森望、タカアキラ ウ、高橋良平、林、細井威男、牧みいめ、松村眞喜子、宮崎恵彦、柳下毅一郎。主な話題は、2月のパーティー、2月のファン交、世界絵本原画展、立川のウィリストークショーなど。

酒飲んで参加したせいか、話題がぜんぜん思い出せないな。

1月 7日
柏に来ていた東洋大OP、K菅夫妻のお誘いを受けたので、昼食をご一緒に。久しぶりにみる夫妻はすっかりお父さん、お母さんになっていた。あのK菅くんやK山さんがねえ、と思うとじつに感慨深い。また落ち着いたら、変な映画を観にいきましょう。

WebZap。

どこかのニュース系サイト経由で、シモ・ヘイヘという「白い死神」と呼ばれたスナイパーの存在を知る。冬戦争で505人のソ連兵を殺したという伝説のスナイパー。
 特に有名なのが4000名のソヴィエト軍に対して、ヘイヘを含むフィンランド軍わずか32名が迎え撃った"キラー・ヒル"での戦闘で、ついに終戦までフィンランドはコラー河付近の領土をソヴィエト軍の侵攻から守り抜き、この戦いは後に"コラー河の奇跡"と呼ばれた。
とか
 ある狙撃訓練課程でいとも簡単そうに1分間に150mの距離から16発の射的に成功した
とか、中学生でももう少しリアリティのある設定をするんじゃないかと。現実恐るべし。

なお、Wikipediaの項目が事実である保証なんてどこにもないよなとも思い、一応googleってみたのだが、そうしたら1万件ものHitが。そんなに有名な人物だったのか! すみません、恥ずかしながらまったく知りませんでした。

年末にやっていた薔薇乙女序曲を観てないとわかりにくいネタだが、「嫌な女…のガイドライン」の化学ネタがクオリティ高すぎる件まとめサイトもできているようだ。

1月 8日
逃避しながら冬の新番組をいくつか。

ショートDEアニメ魂
 デジタルハリウッドとタイアップかなんかだろうか。安いフラッシュアニメ2本とインタビュー、できの悪いオブジェクトアニメ1本。第1回の限りでは概ね観る価値なし。今後、良作が放送される可能性はあるがそのために時間を投入するのはコストパフォーマンスが悪そうだ。どうせ面白かったら、短篇アニメDVDかなんかになるだろうし。
#こういう番組を観て面白い作品を拾うのが短篇アニメファンの責務ではないかという心の声も聞こえるが、余裕が無いので聞き流すことに。

Saint October
 主人公側が探偵団の変身魔法少女物。「ロリ誕生!少女が超ゴスロリに!」という第1話サブタイで、狙いは明白。変身後の主人公が自ら「黒ロリ」と名乗ったときにはくずおれるかと思ったよ。うまく回れば面白くなるかもしれないが期待はしないでおくのが吉か。動きはまあそれなり。

デルトラクエスト
 16歳の誕生日を迎えた主人公はお供の戦士とともに魔王を倒す力を秘めた七つの宝玉を求める旅に出る。七つの宝玉が七つの秘境に隠されているとか、七つの種族がどうこうとか、80年代のCRPGとしか思えない。こんな話がベストセラーになるとは、オーストラリア人すごすぎ。と思ったら、日本でもえらい勢いで版を重ねている模様。ベタは強いということなのか。
 それなりにキャッチーなキャラクターが、それなりに良く動いているんで観ていてストレスはないが、全篇にただようそれだけ感が視聴意欲を殺ぐ。メインヒロイン(神秘的な森の少女、クラスはたぶん狩人)が登場するらしい次回までは観てみようか。

まなびストレート!
 電撃大王連載の学園物。番組開始以前からキャラソンを売るほどの強いタイアップ展開なので、もっとゲーム的な話かと思ったらふつうの学園コメディだった。話があまりになにもなかったので、次回を観るかどうかは微妙。キャラクター配置も既視感がありすぎる。OPだけ観るかなあ( < そうやって、なんど泥沼にはまったのかと)。

Master of Epic
 オンラインゲームタイアップのショートアニメ集。ゲームの同人4コマをそのままアニメ化したような話ばかりで、いったいどうしたらいいのかと呆然とする30分を過ごすことができた。いらねえ、そんな体験。ゲームの基礎概念をろくに説明することなく、細部の用語だけ説明をいれるというのも謎過ぎる。これはちょっとさすがにありえないだろう。

1月 9日
ニール・ゲイマン『アナンシの血脈(上下)』が面白い。すべての物語を司るクモの神、アナンシの息子のファット・チャーリーはうだつのあがらない平凡な青年。ロンドンのエージェント会社でごくごく地味に暮らしていたが、父の葬儀の席で再会した近所のおばさんの薦めに従い、いないはずの兄弟を呼び出してしまったことからすべての歯車が狂い始める。ラファティとチュツオーラを足して徹底的に灰汁を抜いたような原初的でありながら洒脱なファンタジー。

『ひとりっ子』とあわせ、〇七年度のベスト10はもう二枠埋まった感。これで"American God"も同じくらい面白かったらどうしたらいいんだろう。 < どうもしない

1月10日
工藤が来た。

最初に噂を聞いたときは「いやいや、まだプロテクト漏れしただけだし」……と思っていたのだが公式発表も出てしまった。年俸抑制で門倉を放出したってのに、工藤の年俸を払いきれるのか疑問なのだが。1億へのダウンを認めてくれてる?

 いくら 右 → 左 とはいえ昨年成績は 門倉 > 工藤 だし、耐用年数も明らかに門倉の方が上なんで戦力的には微妙すぎる補強だが、コーチ招聘を兼ねていると思って納得することにしよう。工藤には是非とも、対13球団勝利を達成していただきたい。

しかし、「即戦力投手、将来有望な投手と、2つの選択肢から時間をかけてじっくりと協議」したら工藤は選ばれないんじゃないかな。明らかに「優勝経験を伝えるベテラン」枠だろう。

1月11日
ハインラインの政治的転向という話があるらしい
 原作者のハインラインは最初左翼だったが、結婚相手が軍出身であったことに影響されて一気に愛国者となり、この小説(『宇宙の戦士』;引用者注)を執筆した。
 これは本当なのか。ハインライン自身も軍役経験があるんだし、「結婚相手が軍出身であったことに影響されて」ってのはどうなのか。いやまあ軍役経験があるというだけなら、心底リベラルのアシモフだってあるんだから、その当時のハインラインが左翼だったとしてもおかしくないんだけど。
 あの軍隊賛美は、他の作品の思想と決定的に違うようには読めなかったので、「転向」と言われるのがいまいち納得いかない。この記述によれば定説ではあるようだが。

ついでに、その他のWebから。

牙狼 〜Savior in the darkのJAM PRO内での歌い分けつき歌詞があった。なぜ中国語サイトなのかはわからないが、便利なので利用させてもらおう。

漫力。竹内義和と漫画家のトークライブ@ジュンク堂池袋。2/24の月野定規・鬼ノ仁・竹村雪秀はちょっと聞いてみたいかも。

冬新番つづき。

京四郎と永遠の空
 王子様に憧れる少女(ポエム系)の前に現れた王子様のそっくりさんは、いきなり少女の胸をはだけるのでした。学園都市だのサイズ変更可能(ただし、全体積は一定)なスタンドだのステキ設定がいっぱいで、ちゃんと観てればかなり狂ったものになってくれそうだが、介錯アニメをほとんど観ていない僕には、このスーパー介錯大戦(らしい)を観る資格はないだろう。ということで安心して今回で視聴終了。

Project Blue 地球SOS
 1時間OVA×6を30分枠×12で。小松崎茂原作というだけあって、のっけからすばらしいレトロフューチャーっぷり。いまどき原子力で動く弾丸列車て。敵も見えない怪円盤だし。ライバル関係にある天才少年ふたり組が主人公というのも実に正しくジュヴナイルしていていい感じ。これは視聴を継続しよう。

ひだまりスケッチ
 アバン+OPのみで涙を飲んで中断。ディティールをきちんと描く画は好感が持てるし、間の取り方も上手いが全体を縮小方向で検討中なので、「よくできた日常観察コメディ」は勇気を持って視聴しないことに。最大値でアニメ版「苺ましまろ」くらいは行くかもというところではあるが……。

SF人妻さんの日記(1/10)を読み、はたと手を打つ。
あの人達の言う「水」とは、きっとソラリスの海のことなんだよ。そりゃ汚い言葉を投げかけたら駄目だよ。
なるほど!これですべて得心が行った!

1月12日
 クラーク&バクスター『時の眼』を読み終えた。ああ、僕がSFだと感じるのはこういうものなのだよなあ。
 良いとか悪いとか、面白いとか面白くないとかではなくて、「SFってのはこう」という感覚。中学生の頃、『わたしはロボット』と『天の向こう側』で築いたイメージは、そう簡単に崩れるものではないようだ。

 2037年、アフガニスタンとパキスタンの国境付近で平和維持活動中、ゲリラに撃墜された国連軍の三人の兵士は、そこにはないはずの砦を目にする。それは19世紀の大英帝国軍が駐留する城砦だった。21世紀の国連軍に、19世紀の大英帝国軍に、13世紀のモンゴル軍に、紀元前4世紀のマケドニア軍に、果ては200万年前の直立猿人まで。人類史全体のパッチワークと化した地球を、空中から監視する眼の正体は。

 シリーズ・タイトルに《タイム・オデッセイ》とあり、著者自らも《スペース・オデッセイ》直角篇と呼ぶくらいで、『2001年宇宙の旅』に対する意識が強い。直立猿人が登場する冒頭から『2001年』色全開なわけだが、その後も随所で小説版『2001年』からの引用が雰囲気を盛り上げてくれる。
 本書の主眼はパッチワーク化した地球で何が起こるかの方で、眼の謎については終盤にすこし匂わされるのみ。このあたりも『2001年』の構成に敬意を表してのことだろうか。大軍勢同士がぶつかり合うクライマックスの合戦はかなりの迫力。バクスターもこんな場面が書けるようになったんだと思うと感慨深いものが。断片化した地球をつなぎ合わせることで自然環境がどうなるかについての考察が精緻なのは、このコンビなら当然なので割愛。
 ちょっと気に入らなかったのは、モンゴルが悪の存在としてのみ描かれること。どうも「ヨーロッパは正義」という感覚が根底にあるかのようで、腹立たしかった。これは、クラークとバクスター、どちらの感覚なのだろう。
#単に文科系には、都市破壊者の遊牧民が許せないというだけ?

 全体として、かなり面白かった。本格/ハードSF枠に対抗馬がなければベスト10中くらい。

現時点での個人的ベスト5は、
  1. ゲイマン『アナンシの血脈』
  2. イーガン『ひとりっ子』
  3. ペレーヴィン『恐怖の兜』
  4. クラーク&バクスター『時の眼』
  5. ウィリス『最後のウィネベーゴ』
これで出してもまったく恥ずかしくないというのはすごい。まだ2か月分なのに(というか、ほとんど12月の1ヶ月で出ている)。これで、なおも今後の予定に、レム『大失敗』、ゲイマン『アメリカの神々』、シモンズ『オリュンポス』、スラデック『蒸気駆動の少年』、エトセトラがあると。今年はベストを選ぶのがほんとに大変そうだ。

あ、マーティンを忘れてた。

1月13日
Webから。

PPGZ NewOP検証。PPGZ 新OPのPpGリスペクトぶりを検証する。ここまでやってたのか。

夢宮アリカの憂鬱 [苺ましまろ] すいみんぶそく 【おか】。via たまごまごごはんな、MAD。どちらも良く出来ている。

ってなことをしているうちに諸々遅れに遅れて、スウィフト『ガリバー旅行記』の読書会に参加し損ねる。12時30分五反田集合だというのに、14時30分に柏にいたんじゃ間に合うはずないという。結局、到着したときには二次会がはじまってました。うう。『奴婢訓』で受けが取れたから良しとすべきか。

1月14日
「いろはにほへと」#13(Gyao)を観損ねた。どうやら江戸篇の最終エピソードだったらしい。サイトに1/12配信終了と書いてはあったのだが、#14の配信が1/12開始だったので、1週間程度はどちらも観られるようになっているだろうとたかをくくっていたのが甘かったか。そのうちもう一度、まとめて配信してくれないかな。
#正直、これを機に見るのをやめる方が合理的な気もするが。

1月15日
はてなのREVさんのところの、らぶドルルーレットが面白かったのでメモ。

1月13日の日記に関連情報も。

1月16日
最近、若島正の『殺しの時間』を眺めている(細切れに眼を通しているだけなので、読んでいるとは言い難い)のだが、中に、ヘレン・マクロイとフィリップ・カーのそれぞれの作品として"Through a Glass, Darkly"という題名が出てくることに気づいた(ミステリ・ファンの方にはあまりにいまさらだろうがご容赦願う)。

そういえば去年出たヘンダースン『ページをめくれば』にも「鏡にて見るごとく ―おぼろげに」というのがあった。それに、確かティプトリーにも似たようなものが(「乙女に映しておぼろげに」*1)。これが聖書の一節から取られた有名なフレーズ、というのは聞いたことがあるが、本当に多いのだなあ。

はて、で、全部でいくつくらいあるんだろう。

そう思って調べてみても条件があいまいすぎるかそう簡単にはわからない。英米のフィクションインデックスを丹念に見ていけばわかるのかもしれないが、どこまで調べればとなると途方にくれる。ましてや、翻訳による表記ゆらぎの大きい日本語での用例まで探すとなると……。

というわけで疑問を持っただけで諦めた。とりあえず、フィクションにおける“Through a Glass, Darkly”については、ここがまとまっている方か。って、藤原編集室か。そら、詳しくて当然だ。

さて、「鏡もて」については諦めるとして、同題の別作品が最多になる題名というのは何で、いくつあるんだろうか。小説と映像作品を同列にカウントするかとか、「人間失格」とか「人間・失格」を同一タイトルとみなすかとか、細かい問題はあるが、そのあたりは適当に考えるとして。

映像も含めた場合、"Through a Glass, Darkly"はかなり多いようなのだが。
余談 1:「乙女に映しておぼろげに」の内容

余談 2:星新一トリビア。星新一には、同題で別内容の短篇/ショートショートが複数あり、中には3種類あるものもある(参考)。

読んだ事ないSF/ファンタジー/ホラーを勝手に推測するスレ まとめサイト。まとめサイトあったんだ、このスレ。

ときめきメモリアルOnly Love #15
 女教師、若竹遙は27歳。いつも騒がしいクラスをまとめることができず、教師としての自信を失いつつある今日この頃。プライベートも同僚の女性教師と飲みあかす程度で、実家の親からは浮いた話は無いのかとプレッシャーが強く。
 そんな彼女の最近の気晴らしは、ときめきメモリアルOnline。仮想現実のなかで生徒として過ごす夜に慰めを得る日々。ミニゲームのクイズで助けてもらったことをきっかけにある男性キャラを意識し始めた彼女は、しだいにその知的で冷静な態度に惹かれていく。しかし、彼女がその完璧さにコンプレックスを抱いている彼女のクラスの女生徒が、男性キャラと同じアバターでプレイしているところを見てしまい。

 ときめきメモリアルOnlineの世界をアニメ化した作品のなかで、ときめきメモリアルOnline自体が登場するとは思わなかった。やりすぎだ、コナミ。話のほうはゲームだけを楽しみに夜をすごす若竹先生が悲しすぎてどうしよう感。いや、ときメモだから、そんなに深刻にはならないんだけどな。
 これを観て、「わぁ、面白そう、ぼくもやってみよう!」なんてやつはいるのか。

VVV#1
 ねーちゃん二人が魔物退治。特に悪いところは無かったが、特に良いところも無い。まだ奇矯な分だけ聖十月のほうがマシか。たぶん、木曜アニメではひだまりスケッチを観るのがいちばん生産的。

生産的?

いろはにほへと#14
 前期エピソードの最終話となる#13を見逃しているのがむちゃくちゃ痛い。話がつながらねえ、つながらねえ。とりあえず、主人公およびヒロインは榎本武揚と同行している戯作者の先生を追って北に向かっているらしい。ライバルが新たな部下を得たのだが、剣士の老人、爆弾使いの巨漢、ナイフ投げの優男、クロスボウ使いの巨乳眼鏡と、まんま『RED』に出てきそうな連中で笑った。

最後の一人は『RED』じゃなくて『ヘルシング』かも。

1月17日
SFM2月号を読み始め。とりあえず小説外と連載、田中哲弥の短篇まで。

なにはさておきコラム・資料類の充実っぷりがすごい。日本の売血産業という闇に光を当てる永瀬唯連載をはじめ、ロボットSF史としてよくまとまった山本弘の講演採録、日本SFの基礎ガイドとなる日下三蔵の「日本SF全集[第二期・第三期]目録&編集後記」など興味深い記事がいっぱい。

なかでも収穫だったのが横田順彌連載。今回は『人類進化の研究』という本なのだが、これが。現代に書かれたとしか思えない記述だらけで、ほとんど偽書じゃないか、あるいはヨコジュンのフェイクじゃないかと疑いたくなるほど。いやはや、すごい本もあったもんだ。

田中哲弥の「羊山羊」も、比較的軽めながら筒井テイストの感じられる好短篇で良かったのだが、それはまた後の機会に。

1月18日
Webから。

もう一生女なんて信じない その1 何かのスペース。はてなのAnonymousダイアリー(通称 増田;あのに【ますだ】いありー?)で交わされた恋愛にまつわるつぶやきまとめ。

快楽のためのセックスは恥 : 男女 : 人生案内 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)。この夫がダメ野郎なのは良いとして、「女を感じないからその気になれない」とまで言われた相手と「笑いの絶えない毎日」を過ごしていた妻の内面が気になる。

ちゅるやさんのアニメ Dedicated to Churuya-san - Nyoro Nyolo

Saint October#3
 もう止めようかと思っていたのだけど、ふたりめが変身する回だったんでつい変身シーンだけ。ひとりめが黒い液体に身を浸して変身するんで、今度はきっと白い液体を浴びるんだろうなあとは思っていたが、見事なほどその通りだった。しかも、けっこう粘性が高い。あまつさえ、顔についたものをなめるというギミックつき。なんというか、いろいろ終わっている気が。
 とりあえず、変身後互いに「黒ロリ」「白ロリ」と呼び合うのはなんとかして欲しい。

ひだまりスケッチ#2
 なんとなく、途中から視聴。一部実写を流用した画作りはかなり好み。これもまたぱにぽにの正嫡なのだな。

1月20日
「今までに手書きで書いたマップ」バトンというものを拾ってきてみた。 いや、少ないね。どうも。M&Mは確かA1エリアに入るかどうかというあたりで力尽きたはず。ロードス島のPCゲームもやったけど、マップは書いたかな。あ、魔導物語は書いたような気がする。たぶん、1が完成で、2が途中。

YouTubeにむちゃくちゃ懐かしい曲が。「GOGOマリオ!!」だよ、「GOGOマリオ!!」。映像はどこで使われていたものなんだろう。あ、動画の題名には「谷山浩子」とあるけど、たしか歌い手はピーチ姫だったような。谷山浩子のように聞こえるけど、あくまでピーチ姫。

夕方から元ユタ。今日の参加者は、新井、SF人妻、小浜徹也、志村弘之、タカアキラ ウ、高橋良平、林、三村美衣、宮崎恵彦、山本和人(新井さんって、下の名前なんだっけ)。

主な話題は、タモリ倶楽部の鉄道特集、鉄道のマーケット、子供はつり革を買う、電車の扉あれこれ、同じ電車、東西線を愛する少年、最近の桃太郎電鉄など。他の話題もあったはずなのに、鉄道話しか思い出せないや。

えーと、ライトノベルの寡占状態とか、『恐怖の兜』とか、早川の原稿料とか、三大安い雑誌とか、一夜にして白髪になるトリックとか、コンビニで売っていたサンリオ文庫とか。

1月21日
 昼過ぎにうちを出て立川のオリオン書房ノルテ店へ。大森望×柳下毅一郎のコニー・ウィリス&奇想コレクショントークショーを聞いてきた。
 会場のオリオン書房は噂どおり、文芸棚が充実。『アナンシの血脈』の横にはちゃんと『ネバーウェア』を置くなど、フォローがきめ細かいのは好感度高い。近所にあったら絶対通うね。トーク対応ウィリス特集コーナーで『犬は勘定に入れません』の横に、『ボートの三人男』の原書まで置くのはやりすぎな気もするけど。アリスコーナーにさりげなく『ジャングルの国のアリス』があるのもいい感じ。

 トーク後は、近くのこじゃれた飲み屋で打上げ。予定外(だろうきっと)の大人数が集まってしまい、他のお客さんには迷惑だったかも。でもまあわれわれが楽しかったから良しだ。「《奇想コレクション》にぜひウォルドロップを」と主張する人が多かったのはわが意を得たり。セルフやマグラアがありなら、ウォルドロップも行けますって。

解散後、新宿の燻製バーでもう少し。スウェーデンの真っ赤なアクアヴィットが面白かった。

『逃亡日記』を1章まで。奥様アンケートの問6.「『失踪日記』が賞を受賞したときに、どのような感慨がありましたか?」の答えがむちゃくちゃ怖いんですが、読みすぎでしょうか。

1月22日
はてな無名日記のオタクの地域格差という記事を読む。放送エリアの問題や、イベント開催地域の偏りに起因する不公平感というのは、以前からよく見かけた話だが、
1日でもかなりのものなのに、2日経った今、既に今月号の話題は書きつくされてしまっていました。

彼は仕方がないと思いつつも、同じ時間を共有できないことに少し寂しさを覚えるのでした。
 というのは、あっと思った。ネットによるリアルタイム・コミュニケーションの存在が、かっては存在しなかった(あるいは気づきにくかった)不公平感を助長しているのだな。

アニメ・特撮をいろいろと。

ファイテンション・デパート#2
 蛙男商会ほかのFLASHアニメ数本を、堀内健とアシスタントふたりによるリアクションに困るコントでつないだ30分番組。FLASHアニメのできは、MX深夜の「ショートDEアニメ」魂とは段違いで十分に観る価値があるのだが、いかんせんコントが観るに堪えない。変なつなぎはいらないから、アニメだけみせてくれればいいのに。
 短篇群の中では、戦車によるチキチキマシン猛レースっぽいなにか、が面白かった。

カブト最終話
 あー。いや、まあ枝葉はともかく最低限の段取りはぜんぶ踏んでるんで文句も言いづらいんだけど、やはりこの、ノルマ消化感はどうにも否定できず。もりあがらねえな、おい。やはり、自分にも扱いかねるような大きな設定(時間操作とか、時間操作とか、時間操作とか)を入れるのはやめるべきだと思うことです。

ボウケンジャー#46
 黒の人が闇に落ちたり落ちなかったり。こちらも、全体にとってつけた感が。黒なんて途中おおかた空気だったのに、いまさら闇がどうとか言われてもなあ。これを観ると、デカレンジャーがいかに奇跡的な戦隊だったかという思いが新たに。いや、しかし。きっとガジャ様なら、ガジャ様ならなんとかしてくれる。

1月23日
Webから。

◆空を見上げて犬は今日も歩く経由で、世界一危険な歩道。蜀の桟道って奴かな。

Webコミック「LaLaLa…」。多少の覚悟をした上で読むこと。インガ13のシリーズにも秀作が多い。

って、後者は1回紹介したような気がしてならないけど、まあいいや。

1月24日
定吉七番 SFムーンストーン enziの日記で、衝撃の事実が明かされていた。
つまり、今回の騒ぎは悪の秘密組織NATTOの陰謀で!
人知れぬ定吉七番の活躍により、阻止されたのだ!
なるほど!すべてが腑に落ちた。世界が納豆に支配されずにすんだのは、大阪商工会議所のおかげだったのか。ありがとう、定吉七番!

SRW-OG/DW観中。敵増援を出すだけださせ、一点に集めた上でサイフラッシュ一閃て。どこまでゲームに忠実なんだ、おい。

無敵バリアーをはったヴァルシオン+ビアン総帥との決戦は、スーパーロボット軍団の波状攻撃で。アニメ的には正しいが、各ロボットの決め技に割く時間が少なく物足りないというのはスーパーロボットアニメ的に正しくないということだろう。

複雑な戦略がぴたりと決まるよりも、計都羅喉剣・暗剣殺だの、リボルビングステークだのが次々と決まりボロボロにしたところでとどめのアカシック・バスターのほうが見栄えがしただろうに。

しかしウィンキー時代に熱心にプレイしていた身からすると、サイバスターが対ボス決戦兵器というのがまったく納得いかない。熱血をいつまでも覚えないマサキじゃ、火力足りないじゃんよう。

でもまあ、バリアーがぱりんと割れたからすべて許そう。

おまけ。シーブックの精神コマンドを調べている途中で見つけた(おそらく)中国のSRWサイト

1月25日
Webから。

新たな温泉問題ぼっ発! - [日本の宿]All About。今年夏から適用される「水質汚濁防止法」の改正基準で、源泉掛け流しの温泉の排水が禁止されるかもという話。日帰りはOKで、厨房施設がある温泉はだめとかわけがわからない。いや、きっと納得のいく理由があるんだと信じていますが。それにしても。

Mr.I HD - もしも、関ヶ原で東軍が勝っていたら(戦国時代)。1の書き間違いから発生したすてきなifの世界。標準語ネタが活かされなかったのはちと惜しい。

「夏目漱石『坊ちゃん』の清に萌えた香具師の数→」スレより(嘘)。清の萌化。年齢設定が微妙に無視されている気がするのはたぶん仕様。

裁判所が知らなかった?法律で有罪だって 阿曽山大噴火コラム「裁判Showに行こう」 : nikkansports.com。マジック用のコインを作るために本物の硬貨に穴をあけた罪。裁判官の発言が面白すぎる。

SFM07年 2月号。特集は2月号恒例の日本人作家特集。

小林泰三「盗まれた昨日」
 肉体と長期記憶が分離した世界での、「わたし」とは誰か。少女を主人公に「わたし」の問題を扱うという点で、先月の「二人称現在形」と似ているが、手つきも、問題の焦点も、結論もかなり異なる。テーマをサスペンスとして料理する手法は、いつもの味の安定感。ただ安定しすぎて、せっかくのテーマがサスペンスの材料に堕している感も。中盤の不安感をもう少し突き詰めて欲しかった。

田中哲弥「羊山羊」
 羊山羊という新種の病が平和なはずの家庭にもたらした悲喜劇。異形コレクションの傑作群と比較してしまうのは酷かもしれないが、田中哲弥ならもう一段上を書けるはずと期待してしまう。このほろ苦い笑いも十分に優れているのだけど。

森奈津子「陽根流離譚」
 それぞれに極端なジェンダー研の面々と男根型宇宙人とのファーストコンタクト。(森奈津子としては)ふつう。

藤田雅矢「口紅桜」
 鬼を封じた桜を治療する。淡々とした描写の中、魔が立ち上がる瞬間は、本当にぞくっとする。こういう静かな描写は圧倒的にうまい。種明かしの後に余韻を残すラストも味わい深い。

スティーヴン・バクスター「避難所」
 フェルミのパラドックスへの回答。それかよ。主人公たちの葛藤をどう処理するのかと思ったら、すばらしく強引に解決してくれた。いいんだ、それで。

梶尾真治「ノアズ・アーク 怨讐惑星」
 破滅が予想される地球を脱し、新天地をめざす世代間宇宙船内では、いまだ破滅の兆候を示さない地球への帰還を求める声があがろうとしていたが。政治の非人間性を描いているが、さほどひどいことはしていない。単体で云々するよりも、連載全体のなかでの役割という文脈で抑えるべきだろう。最終的には(おそらく)敵となる地球脱出組に感情移入させるエピソードとしては正しく機能している。

1月26日
ぼくの周辺で、今年のSFM読者賞の結果に違和感を表明する人が多かったので、同時期のSFM考課表で人気の順を調べてみた。

海外(平均+1.0以上)  参加人数が少ないため、誰が投票したかに強く影響されるんであくまで参考値ではあるけど、上位はそれなりに共通。考課表では、カストロ&オルションの評価が突出しているのが目立つが、読者賞1位の「チップ軍曹」も2位につけている。
 最大の相違点は「青き深淵へ」の位置。考課表ではベスト10にも入ってこない。投票者の層が大きく異なるということなのだろうが、「青き深淵へ」を高く評価する(そして、それに比べて「プランク・ダイヴ」「ワイオミング…」を評価しない)層というのが想像できない。

国内(平均+0.85以上)  こちらは「大風呂敷と蜘蛛の糸」が突出。海外の結果と整合性が取れた形。読者賞1位の「ダーフの島」は6位と低めだが、「青き深淵へ」に比べればまだ納得できるか。

Webから。

「俺」っていうエロゲ買ったんだが。2chスレのまとめ。タイトルを大きく逸脱するほどのネタは無く、その点では昨日紹介した三戦板のスレに劣るが、参加者のネガティヴ思考とテンプレートっぷりが微笑ましい。

男心をよく解っているCM。BOBSONのジーンズのCM。あえて多くは語るまい。中国語のテロップがついている理由は謎。

眼鏡っ娘言えるかな。これが元ネタ。製作途中のサイトは見たことがあるような。懐かしいなあ。

「熊は勘定に入れません−あるいは、消えたスタージョンの謎−」というサイトの『子供たちの午後』評が面白かったのでメモ。
彼にとって「子供」と「女性」こそはもっとも身近なエイリアンであり、モンスターであったように感じられる。
そして「子供」と「女性」はまた天性のぺてん師でもある、というのがラファティの持論のようだ。
男性キャラクターで子供と女性に対抗しえた数少ない例外は、ウィリー・マッギリーただひとり、というのは鋭い指摘。ラファティの短篇群を「異質な存在に、大人の白人男性が翻弄される話」とまとめるのは、かなり適用範囲が広そう。

でも、それってシェクリイも同じ、というか短篇SFの典型だったりしないか?あれ?

1月27日
出ましたっ!パワパフガールズZ#30
 PpG最凶の敵、カレがついに本格登場。江戸時代に暴れたカレを封印したのは、平賀ケン内の作る「ケンナイニウム ヘ」で変身した「戦う愛の蘭学伝説」大江戸チャキチャキ娘だった!って、おい。  白い光と黒い光の戦いという形で、構図が一気にわかりやすく。カレにはモンスターを作る能力があるので、ガールズがどんどんモンスターを正気に戻していっても、敵に困ることはなさそうだ。
 と思ったら、次回、セデューサが再登場らしい。金時桜子は元に戻ったんじゃなかったのか。モンスター化は再発するの?

デルトラ・クエスト#4
 メインはナゾナゾ巨人とのなぞなぞ勝負。そんなもの、アニメでやられてもなあ。4つの謎のうちふたつが、アラビア数字の書体に依存していたのもファンタジーとしてどうなんだろう。

おとぎ銃士赤ずきん#30
 赤ずきん、故郷に帰る。で、ヴァルの正体が明らかに。赤ずきんとの因縁付きで実は人狼、というのは想定の範囲内だが、その正体を赤ずきんも知らないとは思わなかった。ストーリーとしては王道だと思うが、正体バレから赤ずきんの動揺までの流れがいまいちで、草太の最後のセリフの利きが悪い。
 いくらでも引っ張れそうなエピソードだが、予告からすると次回で解決してしまうようだ。本筋とは離れてるんで当然か。

昼過ぎから、ちょっと欲しいものがあって何年ぶりか(たぶん)で秋葉原。久しぶりに歩くと、どこに何があるかさっぱりわかりません。わかったのはブックタワーと石丸電気くらいという。それでも、予定より時間はかかったものの目的は果たし、ついでにドリヤス工場の武装錬金本とか、電車でDの最新刊とかを買ってみたりする。途中で見かけたイタリア風カレーというのはどんな料理なんだろう。

その後、高田馬場でアンサンブル例会に出てからタカアキラ邸へ。フィーちゃんに引っかかれたり、すばらしいものを見たりしつつ鍋を食う。その後、Yama-gatさんの「世界樹の迷宮」を借りてちょっとだけダンジョンにもぐったり。

「世界樹の迷宮」は噂どおりの面白さ。もう、手書きマップの快楽だけで十分満足できそうなでき。しかし、それに満足して町に帰ってきて、Yama-gatさんに返したら、むちゃくちゃ楽しそうにレベルアップ後のスキル割り振りとか、アイテム購入とかをしているので、嫉妬心がむくむくと。うらやましい。うらやましすぎる。うう、どこかでDSと世界樹を見つけてくるしか。

1月28日
タカアキラくんに車を出してもらってIKEAで買い物。電車で行ったときには「人が多いね」くらいの印象だったのだが、車で行ってみたらあまりにも洒落にならなかった。甘かった。

行きはまだそうでもなかったが、帰りは南船橋に出るまでろくに動かない状態。しかも、県道8号も鎌ヶ谷までみっちり車が詰まっていて、IKEAを出てから柏に着くまで3時間以上という大渋滞。いや、ほんとにまいった。

買ってきたCDタワーを部屋に運び込んだ後は、古本を売るために近所のブックアイランドへ。段ボール5箱で8000円弱。高い本は1冊も無かったんで、そんなものか。

そして、日も変わろうかという頃、とりあえず1箱組み立ててみたら、もっとも置きたい場所に置くには3cmほど高すぎるという落ちが。今の位置でも置けるけど、やはり梁の下がベストだよなあ。あ、本棚と位置を入れ替えれば行けるか。

ともあれ、タカアキラくんには1日付き合っていただき本当にありがたい。お礼は、そのうち。

1月29日
Webから。

日本国総メガ化のススメ。メガマックに倣い、さまざまなハンバーガーをメガ化しようという企画。メガモスやメガフレッシュネスはいくらなんでもいろんなものが過剰だろう。

秒ナビ: さて、あなたはどの人の誰が好き?。さまざまなSOS団。

1月30日
ふと思ったこと。SUICA圏、ICOCA圏、TOICA圏以外の地域の子供は、電王のスルっと変身は実感がわかないのではなかろうか。

と思ったけど、都会だけ/田舎だけで通用するものをモチーフにしたヒーロー物なんてありふれてるから別にいいのか。

とある歌詞サイトで、こんな歌詞の曲をみかけた。
僕の家に それは突然現れた
黒い顔した 未来の箱がやってきた

パパの机に どっしり居座って
ときどきパパと おしゃべりしてたんだ

恐る恐るスイッチ入れたら 無愛想な“OK”の2文字
「konnnichiwa」って入力しても “Syntax Error”何それ? 読めない・・・
図書館で借りたハンドブックで 覚えたてのベーシック文法
0の世界に夢を描くよ 僕ら幼い電気の申し子
気になって検索してみると、どうやらMOSAIC.WAVの「電気の恋人 I am Programmer's Song」という曲らしい。音楽ファイルのダウンロードができたので、試しに聴いてみたところ、好みよりややガチャガチャとうるさめながら、悪くない。他の曲も聴いてみるかな。
#「すもももももも」のOPで知ってはいたけど、こういう曲もやっていたのかと。

歌詞全文があった場所は、著作権的にやばげなので書きません。

ついでに、これも著作権的に微妙だけども

頻出画像の元ねたまとめ。2ch & ふたば文化圏でよく見られる画像(主にエロ)の元ネタまとめ。元ネタを教えてもらってもわからないのが、ほとんどだけどな。

1月31日
Webから。

[漫画]忘れ去られる永野のりこ氏
今の社会にすげこまの居場所はない
そんな哀しいことを。

[ゲーム][オタ][XBOX 360][NAMCO] THE iDOLM@STER
 なんだろうか、きらびやかな芸能界とか、スポットライトの当たっている向こう側とかが、Live ランキング上位の世界。Live のこちら側かつ画面の向こう側、つまりおれのゲームプレイは、ドロドロショボショボとしたパッとしないアイドルの苦労話界隈。
パンダを喰らう: スヌーピーのアニメ化。でましたっ!ピーナッツZ

書店員検定3級 Yahoo!ブログ - 本屋のほんね 別館。25/40で失格でした。

ひぐらしのなく頃に〜お兄殺し編〜。「お兄ちゃんどいて!そいつ殺せない!」をバックに竜宮レナをフューチャーしたMAD。はまりすぎ。

最近読んだ漫画。

竹本泉『竹本泉のいろいろぶっく』(ソフトバンククリエイティブ)
 ドリマガ連載のゲーム(というよりは近況)まんが。竹本泉の旧世代おたくっぷりが楽しすぎる。高校時代に「○○氏」と呼び合っていたとか。ちなみに、うちの高校でもありました。

白井三二朗『Dear Monkey西遊記』(講談社シリウスコミックス)
 テンテンとゴクウ、それぞれの因縁が交錯するトルファン篇をメインに、もうひとりのコピー悟空が登場するエピソードと、ゴジョウ師匠の過去エピソードを収録。ゴジョウ師匠の過去がとにかく熱すぎです。他のエピソードも盛り上がりまくりで、どんどん面白くなってきた。シリウスからアニメ化するなら『怪物王女』よりもこれじゃないか。

ドリヤス工場『私家版 武装錬金』(※同人誌)
 『武装錬金』のホムンクルス篇までをわずか12ページで完璧に要約した上で、水木しげる漫画に仕立てるという奇跡の名品。同時収録の「私家版 時をかける少女(予告編)」も恐ろしいまでの完成度。

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