過去の雑記 07年 5月

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5月31日
 円城塔『Self-Reference ENGINE』を読んだ。国内SFの新刊を当月中に読むのはむちゃくちゃ久しぶりだな。面白かった。

 けど、これは読み解くタイプの人には罠みたいなもんだろうなあ。いかにも読み解けそうに作られているあたりが意地悪げ。いやまあ、ひょっとしたら読み解けるのかもしれないけど、幾度とかく繰り返される自己言及が正しければ、読み解けないのが正解だと思う。

 いや、自己否定もまた、この作品で繰り返されることではないか?

 あれ?

 とりあえず、レビュー対象でなくて良かった。ぼくの手には余るよ、これ。

 北野勇作や神林長平という声は非常にわかりやすいが、鉄家さんがパトリック・オリアリーを引っ張り出してきていたのは意表をつかれた。うーん、どうだろう。だいぶ違う気がする。連想がグロとベタではなく理系のタームに向かう田中啓文というのが、いまのところ最もしっくり来るかも。いや読後感がまったく似てないんで、なんの役にも立たない関連付けだけど。

 焦燥感と偏執性の無いスラデックとか。そんなん、スラデックちゃう

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