過去の雑記 98年4月

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4月21日
昼休みに、週末に神保町で開催を知った中野サンプラザの古本祭りに行く。そんなもんかな、とも思っていたが、案の定いわゆる「古本」しか売っていない。残念ながらジャンルSF畑の掘り出し物はなかったので、諦めてファウルズの『コレクター』と、ダッジの『ゴーストと旅すれば』を購入する。前者はYAPOOSの歌に惹かれて買っただけだが、後者は往年の牧眞司の名連載「SFファンのための世界文学百科」紹介全作品読破計画の一環として購入した。
この連載、ついつい狭いジャンルSFの枠の中に閉じこもりがちなSFファンに「文学」の(SF的)面白さを紹介するというものだが、ただでさえSFファンの琴線に触れるタイプの作家が多いのに、それが牧さんの名文で紹介されると、作品を読んでみたくてたまらなくなるという、まさにレビューの鑑ともいうべき名連載だった。
実際、アフリカのゆったりとした世界が魅力的なチュツオーラ、豪快なホラ話が魅力のラブレー、喪われた物の世界ミルハウザー、静かなる狂気ジョーゼフ・ヘラーなど、この連載のおかげで出会うことができた作家も数多い。
このガイドにしたがって読んだ本は過半数が面白かったので、紹介された本を古本屋で見掛けるととりあえず買うようにしていたのだが、最近は読書力が急低下しているので、『ゴースト…』もいつ読み終わることやら。まあ気長に読みますか。


4月22日
モンスター・コレクションの拡張セット第1弾、『古代帝国の遺産』を買いに行く。ライバル中野君は昨日すでに買ってきてとっくにコンプリートしたそうなので、一足遅れているがまあ仕方が無い。とりあえず、お茶の水のYellow Submarineで3箱(18600円)買う。相変わらずの歯止めが利かない買い方だ。
中を見てちょっと驚く。アイテムが大半なのは知っていたが、基本セットとはかなり傾向の違うカードが多い。特に目に付いたのは、山札・手札に戻す系のカードの多さか。個々の戦闘を楽にするにも無謀な戦闘から脱出するのにも使えるわけだから汎用性は高いが、逆に言えば目的がはっきりしないわけで、もう一つ使いづらい。「死亡」じゃないので「対抗:死亡限定」で救助できないのはメリットだけど、そのうち再生してくるわけだし…。普段、山札が残っているうちの本陣攻略よりは山札が尽きたときの優勢勝ちをメインに戦っているので、ちょっと相性が悪いかもしれない。まあ、蟲対策のカードが多い、速攻イニシアをつぶす方法が増えた、等、魅力は多いので戦略はおいおい考えよう。とりあえず対決の日は29日に決定した。


4月23日
どうも、疲労がぬけない。行き帰りの電車も寝てしまうことが多く本が読めないし、帰ってからもテレビを見てそのまま寝てしまうことが多い。こんなことではいけないのだが。

大森望掲示板で、泣けるSFを募集していた。基本的に泣く話の評価の低い僕の場合、泣いた作品は覚えちゃいないので書き込みはできなかったが、さて、何があるだろう?マンガなら、『ドラえもん』六巻最終話「さようならドラえもん」、『サイボーグ009』地底帝国ヨミ編のアルベルトが張にビーナたちの埋葬を頼むシーン、などが思いつくけど活字となると…。あ、広瀬正『エロス』、スタージョン『夢みる宝石』の個人的ベストSFはどちらもそれなりに泣いたかも。ブラウン『天の光はすべて星』ってのもありかなあ。でも、単に泣いたのは<銀英伝>9巻のロイエンタールが死ぬシーンかも。文庫化されているかどうかは微妙だけど。
アニメなら、もちろん「きっと、ロディ達だわ」(声:笠原弘子)から「僕の記す航海日記も、これが最後だ」(声:鳥海勝美)までの一連のセリフだよね。

阪神戦は連敗の末、雨で流れる。いまだロードで勝ち星無し、ついに借金2だ。せめて残り2カード、ホーム6試合で5割に戻して欲しいのだが。


4月24日
帰りに芳林堂により大量にマンガを購入する。メインは唐沢なをき『ヌルゲリラ』ととり・みき『事件の地平線』。
とりの方は、雑誌「創」連載の事件テーママンガを中心にまとめたものだけど、元ネタからの飛躍が不十分な作品が多く、とり風理系ギャグとしても、事件エッセイとしてもイマイチ楽しめなかった。事件ウォッチャーとして有名なとりならもう少し突っ込んだ料理もできたと思うし、ギャグ職人とりなら、もっと軽やかに原典を消化したギャグが生み出せたのではないか。ちょっともったいなかった。
唐沢のほうは「週刊ファミ通」連載の4コマをまとめたもので、唐沢の力のぬけたギャグが見事に展開されている。もう、これさえあればどんなやる気も一遍に抜けるという傑作。座右に置きたい作品だ。
ついでに買ってきたのは『蒼天航路』12巻。最近低調なので惰性で買っているところがあったが、今回は陳宮のカッコよさだけで満足してしまった。もともと、このマンガの魅力は董卓、呂布、袁紹などの敵役、荀イク、陳宮などの軍師が魅力的に描かれるところにある。最近は、登場人物が増えすぎたせいか、荀イク、荀攸、程イク、郭嘉ら曹操陣営の軍師の扱いが小さくなってしまって悲しかったのだが、陳宮のカッコよさはそれを忘れさせてくれた。雑誌の方でそろそろ始まる官渡ではぜひとも荀イクたちに活躍して欲しいところだ。


4月25日
山本正之MLのオフ会に参加する。久しぶりにカラオケに行くことができ、かなりストレスを発散できた。やはり、カラオケは山本正之とYAPOOSと筋肉少女帯だな。


4月26日
29日に向け、『古代帝国の遺産』をコンプリートするためもう1箱買う。大笑い。1枚も増えなかった。
さて、これがどの程度の確率で起るか考えてみよう。レアリティ・レアのカードはブースター1パックに2枚含まれている。この2枚は必ず別の種類だ。今回、レアは48種類あり、現在の欠けは6種類なので、1ブースターに1枚も欠けカードが含まれていない確率は0.7633となる。1箱には15ブースター入っているので、コレクションが増えない確率は、0.7633の15乗、約1.7%である…。まあ、そういうもんだろう。

雨で流れ続けたヤクルト戦がやっと行われる。どうにか勝ったようだ。対ヤクルトなんて、戦力が整っていない今のうちにやっとくに限るんだが。

F1はマクラーレンがいつもの強さを見せつける。ハッキネンがメカトラブルでリタイアするものの、クルサードが危なげなく1位をゲット。アーバインがなんとか3位に滑り込んでも、コンストラクターズは縮まらない。今年の興味はミハエルがドライバーズを取れるかどうかだけかも。


4月28日
最近社内ネットがあまりに遅いので、ハブのせいではと疑い、接続を組み替えようとしてはまる。もう、まったくうまく行かない。あれや、これやと試して3時間、諦めて帰り支度をし、最後の望みをかけてチェックをすると、なんとうまく行った。15分前からまったく触っていなかったのに。うーむ。ネットワークとプリンタ周りは良く分からん。

帰宅後、明日の対戦に向けモン・コレのデックを調節。対抗で相手を空中に浮かして竜巻で殺す、水エレメント中心のデックを組み直していたら2時をまわってしまった。あわてて、何も考えず儀式スペルを詠唱するデックと、とにかく弓矢だけを大量にぶち込んだデックを構築する。さて、どうなりますか。


4月29日
中野君とモン・コレで対戦。儀式詠唱デックは相手の聖エレメントデックに完勝するものの、弓矢デック、水デックはぼろ負け。対戦成績は3勝6敗くらいか。ついでにやったナポレオン戦争を舞台としたゲームでも3連敗で、ちょっと酷い結果に終ってしまった。ただ、儀式デックは3勝3敗。負けるときは、1瞬で負けるが勝つときは相手を十二分にいたぶって時間切れで勝つので、意外と負けた気分は少ない。しかし、何も考えず凶悪な儀式呪文を20数枚もぶち込んだだけのデックが最強というのも悲しい話だ。もう少し、知的なデックも構築せんとなあ。


4月30日
とりあえず、『古代帝国の遺産』を3ブースターほど購入したところ、みごと最後の1枚「蛇遣いのドラム」を手に入れる。これで、もう買う必要が無くなった。あとは、デックをどこまで磨けるかだな。

SFM6月号を購入。驚いたことに、梅原がまだ投稿していた。あいかわらず、ええかげんな反論ばかりで本当にどうでもいい。みぐるしいから、もう載せるのを止めればいいのに。SFというラベルを広く使いすぎ、読者の信用を失ったのが今の不況の原因だという主張には納得するけど、歴史認識のこれっぽっちも無い議論に、明らかに不適当な比喩、なにより売れるものこそ最高という価値観を出版社にではなく、読者に押し付ける態度には納得がいかない。おれたちが何を面白いと言おうとこっちの勝手だ。あんたが何万部売れようが(10万部弱程度で威張るのも滑稽なのだが)知ったこっちゃないんだ。いくら正しい営業戦略で業界が活性化しようとも読みたい本が無くなったら元も子も無いんだよ。ジャンルSFが純エンターテインメントから、スリップストリームまで幅広い作品を同じラベルで呼んでいるのは売れる作品が稼いだ金で売れない(かもしれない)作品を出すためなんだからほっとけっての。ああ、馬鹿に言われると正しいことでも腹が立つから問題だよな。前にも書いたが、梅原はとっとと実験小説的SFの大家筒井康隆、日本ニューウェーブの旗印山野浩一、ポストモダンの尖兵巽孝之を名指しで批難すればいいんだ。その勇気も無く一般読者と戯れてんなら、その愚劣な文章で誌面を汚すな。

さて、野球だ。今日は奇跡的なほどにどのカードも接戦となった。しかも、磯・星野の投手戦となった、ロッテ・オリックスを除いてどれも打撃戦。実に派手な一日である。
横浜・広島は7対6。初回の2失点をすぐさま逆転し、谷繁の3ランなどで一気に5点差まで広げた楽勝のはずの試合だったのに、戸叶の乱調で8回から佐々木を投入する接戦になってしまった。勝ったからまだいいが、もう少し、締めていかないといずれ痛い目に会うだろう。
中日・巨人は8対7。中日は山本昌の乱調で、追いついても追いついても突き放されるという嫌な展開だったのだが、李の鬼神の如き働きで8回裏ついに逆転し、宣投入という理想的な形に持っていった。宣の疲労が心配だが、チームの雰囲気は最高だろう。

1ヶ月を終え、横浜は5割ちょうどの3位。首位広島は小林幹英がどこまで持つか次第なので、夏までには一度落ちてくるだろう。中日も山本・今中が今のままならAクラスを維持するのがやっとだろうから、まだ十分チャンスはある。巨人を十分にマークし、ヤクルト復調の芽を丹念に摘んでいけば、38年ぶりの奇蹟も決して夢とはいえないと思う。数年以内の民主党政権誕生の確率よりは高いんじゃないかなあ。


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