過去の雑記 98年4月上中下
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- 4月11日
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偶然見てしまった「アキハバラ電脳組」は実に最低のアニメであった。
デザイン、動画、演出、キャラ設定、脚本とすべてにわたって最低である。まあデザインは趣味の問題なので置くとしても、止め絵で絵が崩れること、動画の動きにリアリティが全く無いこと(殴られた衝撃なんかがまったく伝わってこない動かしかただ)、キャラの演じ分けを語尾だけに頼る安易なキャラ設定、すべてのギャグがどこかで見た物である上にあまつさえ上滑りしていることなどは、まったく言い訳が利かないのではないか。
TVアニメに期待することなど無くなっているとはいえ、あまりにも酷いものを見てしまった。
#あんなもん見ちまったから、三浦、関口が乱調になっちまったんだ、多分。
- 4月12日
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久しぶりに書泉西葛西によると、ゆうき&とり『土曜ワイド殺人事件』がでていた。こーゆーことがあるから油断できないよな、等と思いつつ竹本泉の新刊、新田真子の新刊など3冊、…とモンスター・コレクションのスターター1、ブースター3を買う。いや、後ろ二つは無駄遣いだと思うのだが。
ゆうきととりの合作は傑作。とりのネームをゆうきが下書きし、とりがペン入れだそうで、ゆうきの一般受けするキャラと、とりの緻密なギャグがあいまって実に完成度の高いギャグマンガに仕上がっている。
流し読みして表面のギャグだけ追うと、往年のOUT時代のゆうきまさみのギャグマンガのようだが、細部をみれば明らかにとりの理系ギャグになっており、どちらのファンにも安心してお勧めできる出来だ。どうか、1度読み終わった後は、ゆっくりヒトコマヒトコマかみしめるように読んでみて欲しい。くだらないネタがいっぱい詰まっているから。
さて野球だ。1週間ぶりの野村−隆のリレーも冴え渡り、巨人相手に勝ち越しを決めた。昨日の負け方が悪かったのでちょっと不安だったのだが、中根、進藤のファインプレーに、マシンガン打線の爆発、それになんといっても斎藤隆のあぶなげのないピッチングで完勝である。
中日も負けて、とりあえずの首位。投手の層の薄さゆえ、夏までには中日ともども落ちていくことが予想されるだけに、いまどこまで貯金できるかが鍵となるだろう。とりあえず、巨人を独走させないこと、復活しないうちにヤクルト、広島を叩くことがペナントの条件だと思う。次からの広島戦、裏ローテでどこまで粘れるかが一つの試金石となるのではないだろうか。
しかし、あの中日のサンデーユニフォームはどうにかならんのか。純白・縦縞を基調にしたユニフォームと言うと、阪神・ロッテだぞ。こんなに不吉な色はないと思うんだが(笑)。
- 4月13日
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昼食後、ブロードウェイビルをうろついていたら、2Fのまんだらけで、ダイターン3の完全変形の超合金を見つけてしまった。一瞬無性に欲しくなってしまったのだが、値段を見て理性を取り戻すことに成功した。
6万5千円…。
おもちゃの値段というのはわからんなあ。
- 4月15日
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フジの新ドラマ「ショムニ」を見る。江角マキ子の演技がややくどく、鼻につくものの思ったよりは面白かった。ただ、原作のスラップスティックな味を十分に生かしきっているとは思えない。
原作つきで何かを作るなら、ちゃんと原作を越えて欲しいもんだ。
- 4月16日
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3連敗。だから広島には気をつけろといったのに。
- 4月17日
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fj.rec.sfの最近の話題はいろんな意味で面白かった。発端は15日の「最近のSFはつまらない」という投稿。これはまあ、よくある記事で「読んだことがないようなネタが見たいなあ」という無い物ねだりだったのだが、これに大笑いのフォローがついたのである。「科学の進歩でSFが書くものが無くなった」…。大笑いである。科学とSFになんの関係があるってゆーんだ?
確かにSFが、そのリアリティの裏付けとして科学の結果を利用することもあるのは否定しない。ファンタジイの一ジャンルとしてのSFは、純ファンタジーのように幻想のためにリアリティを捨てることをせず、ハイファンタジーなどのように緻密な文章でリアリティを保つ努力もしないのだ。
しかし、だからといってSFは常に科学の手の内にあるわけじゃない。SFの幻想は科学の有無に関わらず展開されるものだし、リアリティだって必要となれば論理的整合性だけに頼ることもできる。科学なんてありゃ便利と言うに過ぎないのだ。
考えても見て欲しい。SFの主なネタのうち、科学の成果が本当に追いついたものなんていくつあるだろう?時間テーマ、恒星間旅行、異次元、異星人…。科学の成果によって、限界の見えてきたものはあっても、現実になったテーマはほとんどない。惑星間旅行、クローンなど、小ネタで現実に近づいたものはあるが、これはむしろリアリティを出しやすくなっただけだ。現実のせいで書きづらくなったものなんてロボット/コンピュータテーマくらいではないだろうか。
もちろん、いまのSFが新味にかけることは事実だ。しかし、古典を読んでみて欲しい。『タイムマシン』を、『われはロボット』を、『火星年代記』を読んで「非現実的だからつまらない」などと思うか?科学の発達でSFが魅力を失うというのなら、新しい状況を反映してない古典から先に滅びていくはずだ。しかし、ちまたで魅力が無いといわれるのは「今」の作品のほうなのだ。
要は安易なネタが尽きてきたと言うことだろう。わかりやすい大ネタが打てなくて一般人には魅力の理解しにくい細部の研究が多くなっている科学と同様、SFも理解しやすい「夢」が減り、枝葉で幻想性を出さねばならないところに追いつめられていると言うわけだ。
しかし、すべてのトリックは出尽くしたとまで言われたミステリも古典的トリックの再生によって活気を取り戻している。一度絶滅して、昔を覚えているファンを見捨てればSFの再生も夢ではなくなるはずだ。
あれ?じゃあ、僕らは捨てられるわけか?
嫌な、結論だな、おい。
- 4月18日
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ああ…、やっと勝った…。昨年得意にした中日相手に久々の一勝。球界最強クラスの左投手、山本昌広が相手とはいえ、まあ今期まだ勝の無い投手だけに勝負は五分五分といったところだっただろう。満塁の場面で駒田の本塁打が出たおかげで12対1の圧勝に終ったが、ずるずると負けたとしてもおかしくないチーム状態ではあった。幸運がこちらに来てくれたのはありがたいことだ。
なんにせよ、とりあえずは貯金1、沈滞気味だったマシンガン打線も久々につながった。中日には悪いがここは明日の野村で連勝させていただいて、苦手甲子園での阪神戦につなぎたいものである。
福岡ドームでは広島が連勝。横浜がつけてしまった勢いは止まらないようだ。まあ、広島が序盤に走るのは、選手層の薄さを考えると秋まで持たないだろうからかまわないが、巨人が走ることだけは何としても避けたい。来週の巨人・広島、広島には頑張ってもらいたいものだ。
阪神も乱戦を制し、穏やかな気持ちでいたのにどうしてくれる、プロ野球ニュース!!多くは言わない。とっとと一茂をおろしてくれ!馬鹿が野球を知ってるかのように話すのも苛々するが、それ以上に腹が立つのが圧倒的な巨人偏重の報道だ。アナウンサー、解説陣ともに比較的公平な番組であるにもかかわらず、セントラル3戦の報道で、1本目の巨人・阪神の報道後、10数分にもわたって巨人の強さの秘密を語るっていう構成は何だおい!ふつう、ここは巨人・阪神を最後に持ってきて、その後に特集っていうのが筋だろう。ったく、あの馬鹿は…。問題でも起こして降板させられんかなあ、あいつ。
SFM500号を読み進む。小林泰三の「海を見る人」が面白かった。前作同様、特殊な重力場環境に生きる「人々」を描いた短編だが、自然に紹介される不思議な世界、その世界に何故かマッチするだんじり祭り、そしてまさにSFでしかありえない美しい(そして、何より嬉しいことにバカバカしい)ラスト。前作の「時計の中のレンズ」は狙いは分かるもののいま一つピンと来なかったが、今回は実によくできていた。
特殊相対論ではなく、一般相対論が支配する世界だけに細かい部分の整合性はよくわからないが、多分作者もそこまでは気にしちゃいないだろう(笑)。
SFの魅力ってのは、こーゆー不思議を論理で切り開くところだ。一見、ただの荒唐無稽と思われた風景が、論理の鎖で現実と地続きであることがわかる瞬間、逆に、何の変哲も無い世界から、論理の連鎖によって、いつのまにかとんでもない世界に運ばれていたことに気づいた瞬間、あの古き良き「センス・オブ・ワンダー」は発動する。
このような短編があるかぎり、SFは大丈夫だ。
あ、荒唐無稽な世界に展開する荒唐無稽な論理の魅力って奴もSFの重要な要素ではある。これを否定しちゃ、ラファティファンとして申し訳が立たんよな。
- 4月19日
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情報処理2種の試験を受けに行く。おかげで劇団山本正之プレゼンツの芝居のチケットをなかなか買いにいけなかったのだが、この試験、とんでもないことに午前・午後とも1時間半も時間があまってしまった。午後があまるのは早く帰るだけだから問題はないが、午前があまるのはつらい。おかげで1時間近く無為な時を過ごしてしまった。
ちなみに時間が余ったことと試験の出来とは無関係である。さすがに総試験対策時間が1時間に満たないだけあって、記憶系の設問はまったくわからなかった。まあ、秋に向けての模試だと思うことにしておこう。
試験後、前記チケットを買うため神保町へ。第1希望の土曜夜のチケットは手に入らなかったが、なんとか日曜昼を手に入れることはできた。山本正之ML の人々は土曜が主流のようだが、まあ仕方あるまい。
その後、当然Yellow Submarine、書泉ブックマートとまわって帰ったのだが、いろいろ不思議なものを発見できた。
ひとつが『超クソゲー』(太田出版)。そこで紹介されている味の素の販促ソフト、「もと子ちゃんのマジカルキッチン」はすごい。アドベンチャーシーンをクリアしてキッチンに入り、料理を作ってもと子ちゃんに食べさせるという過程で、料理の素晴らしさなどを学ぶCAI(笑)ソフトなのだが、アドベンチャーシーンというのが、皿をクリックすると突然ソーセージになって踊り出すだのといった「夢いっぱい」の代物らしいのである。ああ、もっとはるかにトンデモねー代物だったはずなのだが、細かいネタが思い出せない。ぜひ、書店で探してみて欲しい。
もう一つは最後のSF少年漫画家・長谷川裕一の『すごい科学で守ります! 』。96年のDAINA☆CONなどで行われた一連の講演をまとめたものだが、実に素晴らしい出来だ。これはあまりにおもしろかったのでレビューを書く予定である。
で、寮に帰ってくると横浜がまた負けていた。中日の実質的エース野口が相手なのだから、負けること自体はしょうがないが、8安打で1得点しかできないというのが信じられない。ちなみに現在、横浜のチーム打率は2割7分台で48得点なのだが、昨日時点でチーム打率2割2分の阪神は51得点である。ここからも如何に打線のつながりが悪いかがうかがえる。チーム防御率はリーグトップなだけに、早期に打線の改造を行うことが望まれるのだが…。権藤監督は良くも悪くも投手コーチだからなあ…。
- 4月20日
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青心社の『トマス・モアの大冒険』を再読する。お察しの通り、ラファティの邦訳作品レビューをしようかと思ってのことだったのだが、甘かった。
一度読んで知っていたはずなのだが、再読するまで、こうまでまとめにくい話だとは思っていなかった。作品のテーマはそれなりに読み取り易いし、ストーリーも単純といえば単純なのだが、なんで、このテーマをこのストーリーで描いてこうなってしまうのかがわからない。面白いっていやあ面白いんだが、短編のような無条件で「おもしろいっっ!!!」って断言できる爽快感にかけるところがなあ。実はラファティのファンじゃないのか? > おれ
SFマガジン500号をやっと読了。山田正紀の新連載が面白かったので、好感をもって読みはじめたのだが、全体としてのレベルはやや低調に感じた。確かに普段の号と比較すれば水準以上だが、前号499号に比べると1段劣るといわざるをえまい。致命的に酷い作品があったというほどではないが、飛びぬけた作品が少なかった。
中では、連載を除けば小林泰三の「海を見る人」がダントツだろう。先日も書いたが、SFとしての要件を完璧に満たしている。「酔歩する男」で見せた才能の蕾が見事に開花した作品だ。もう1、2作この水準の作品があれば文句無く素晴らしい号だといえたのだが。
次点は、草上仁の「五百光年」。草上仁といえば「どんでん返し」というわけで、ついそれを期待してしまうのだけれど、実は彼の才能は器用な雰囲気作りにこそあるのではと思っている。「こちらITT」の小気味よいテンポ、「サクラ、サクラ」の残酷さ、「ファンタジイ」の不思議な味、どこか温かさを感じる「古き良き五〇年代」の雰囲気、今回の作品にはその味があふれていた。やっぱり、草上は30ページ前後のノヴェレットが一番良いなあ。
もったいなかったのは森岡浩之「夜明けのテロリスト」。個人的には若干気に入らないが、それなりに魅力的なネタを思いついたというのに枚数との兼ね合いを考えずに料理法を選んだせいか、見事に尻つぼみの愚作に成り下がっている。この作家、デビューの頃からずっとこんな短編ばかり書いているので、短編に致命的に向いてないのではと疑っているのだが。
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