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「古典派からのメッセージ・2003年〜2004年」目次へ戻る
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現代日本のデフレ

 

 現代日本のデフレは貨幣的な現象ではない、とのリチャード・クー氏の説に僕は同感である。氏は明快に論拠を示して説いておられる。曰く:

「日銀の資金供給は既に充分行われているし、マクロでは民間にもカネ詰まりは無い。なぜなら企業はマクロでは負債削減を行っており、かつ黒字セクターである。もしカネ詰まりがあるなら、企業は社債を発行したり、海外に資金調達パイプを求めるであろう。現に、一九九〇年代のアメリカ企業は、体力をすり減らした銀行の貸し渋りに遭ったため、日本市場にも資金調達にやって来た。現在の日本企業にこうした動きは無い。ゆえに、日本のデフレは貨幣的現象では無く、金融政策では解決できない。」

 また、デフレと不景気を混同してはいけないとのクー氏の警告も至当である。曰く:

「中国は経済成長率が七%と好景気であるが、物価は低下しておりデフレである。日本の問題はデフレというより、景気の悪さなのである。」

日本経済に必要なのは、バラマキでない効果的な財政政策と税政策である。

平成一五(二〇〇三)年六月一日