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「古典派からのメッセージ・2005年〜2006年」目次へ戻る
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涙の数だけ強くなれるよ

 

娘へ

 卒業おめでとう。それにしても大学受験は大変だったね。結局「滑り止め」が効いたわけですが、いろいろな失敗から素直に学ぶことが大切です。自分の実力を冷徹に見つめることです。そしてこの悔しさや反省をバネに人生の次のステージを過すことです。お父さんは、君の受験を見ていて、何年か前に流行った、岡本真夜さんの「TOMORROW」という歌の一節が頭に浮かんできました。

   涙の数だけ強くなれるよ  アスファルトに咲く花のように

     見るものすべてに怯えないで  明日は来るよ君のために

   涙の数だけ強くなろうよ  風に揺れている花のように

     自分をそのまま信じていてね  明日は来るよどんな時も

 そうです、これからが本当の人生です。大学生活を始めるに当たって、お父さんは君にふたつのことを薦めます。まずひとつは、生活の基礎作りをすること。自分で自活できるように、料理・掃除・家計管理を(必要ならお母さんといっしょに)どこかで習うといいでしょう。豊田や浜松のおばあちゃんからご飯の美味しい炊き方や味噌汁の作り方を習うのもいいね。

 そしてふたつめは、自分が何をやりたいのかを見つけること。自分が社会の中でどんな存在でありたいのか、社会にどんな貢献をしたいのか、人との出会いの中で見出すことです。仕事や家庭はきちんと持つべきです。定職を持たないパート生活が実りある人生をもたらしてくれるとは思えません。君の性格からすると、子ども相手の仕事が向いているのではないかとも思いますが、あまり今から決めつける必要もないでしょう。お父さんも、この歳になってようやく、自分が本当に何をしたいのか見出しつつあるくらいなのですから・・・。自分探しの旅はおそらく生涯続くのでしょう。

父より

平成一七(二〇〇五)年三月二一日