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「古典派からのメッセージ・2005年〜2006年」目次へ戻る
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初等教育の基本

 

子どもへの愛情は(従って初等教育の基本は)次の俚諺に尽くされている。


「若いときの苦労は買ってでもさせよ」

「可愛い子には旅をさせよ」


要は楽をさせるなということである。厳しさを我慢する力を養うこと、ハングリー精神を涵養することである。ゆとり教育などは、子どもをダメにしたいのか、と言いたくなる。

 

初等教育に格別の「工夫」なども要らない。小学生にはパソコンも英語も株式投資も教える必要などさらさら無い。パソコンよりもその原理となっている四則演算を体で覚えることのほうが大事だ。英語よりもまずは日本語で正確な論理を述べ豊かな情感を表現できることの方が大事だ。株式投資よりも勤勉に働いて地道に貯蓄することを習うほうが大事だ。時代の変化に応じた教育の工夫などとたわごとを言ってはいけない。どんなに時代が変わっても生きてゆける力を養うことが初等教育だ。

平成一七(二〇〇五)年七月一三日