控訴審で提出された医師の意見書
大阪高等裁判所は、証人尋問を行わずして判決をつけ棄却した。

上告受理申立にて提出した意見書はこちら↓



外科医師の先生が以下の意見書を提出して下さいました。

『本件においては、個々の医薬品使用・処置実施をみた場合は、それぞれにつき決定的な問題点は見られないと言いうるかもしれないが、そもそもの治療方針の決定が本人・家族に対する十分な説明を欠いたままに為された結果、その後のターミナル論として行われた主治医の状況判断・対処は、その処置の前後に全く必要な検査がなされていないことと相まって、本人・家族の望まない早い時期からの非積極的な安楽死誘導(過失、率直に言えば故意)となったものと考える




 


協力医私的鑑定意見書全文はこちら



日本外科医学界の重鎮だった元教授、各学会の会長の本多先生も呆れて意見書を提出してくださいました。

判決文、陳述書、カルテ、看護記録、レセプト請求書を数え 切れないくらい読み返しましたが、一審の棄却、判決文は理解できませんでした。

医師に治療の選択権はありますが、余りにも無茶な治療は糺 されるべきであります。

殊に、医療事故の多発する今日、被告藤村医師の如き、カルテも記載せず、指示簿も記載せず、昔の経験のみに頼る医師は厳しく糾弾すべきであると思うものであります。  
控訴審におきましては、U博士の意見書を重視することをお 願いし、私の意見書とします。



病院側の協力医として、パソコンに精通 されている小田徹也医師の意見書が提出されました。

残念ながらナトリウム値に『私の経験例でも100Emg/l程度にまで低下しても何の症状も呈さなかったが』などの庇い合い文章がありました。



突然、第三者の医師の証人尋問ナシに裁判が終結された為、本多先生は、小田医師の意見書を検討し、追加意見書を書いてくださいました。

この裁判には「論点のずれ」を感じています。 裁判官殿がしっかり把握されているか心配でなりません。

甲) 被控訴人大阪回生病院側主張の矛盾 

被控訴人大阪回生病院側の主張は、「ターミナルにおける緩和 医療を・・」とありますが、この問題は、「患者を東京に連れ て帰る」という契約を無視していると言うことです。

被控訴人大阪回生病院と海野氏との間のこの入院の契約は、いかにターミナルでも、『できる限り体力を付け、東京に連れて 帰れるだけの状態にすること』が、患者と医師の契約であり、 その為に患者は医師、病院に金銭を支払っているのです。



上告受理申立にて新たに本多先生が意見書を書いてくださいました。


裁判所が医療界の常識を混乱させると言っても過言ではありません。

結局、藤村医師は、裁判所に対して「緩和ケアであるから検査する必要はない」と主張し、医療現場のことをご存知ない裁判官殿たちはそれを信じて、藤村医師の行為をすべて誠実で適切な行為と認定されたようです。

しかし、藤村医師の行っている行為は医療行為であり検査は必須。

この行為を、緩和ケアではないという意識のないことが重大な過失であり、裁判官殿たちが、こんな単純な医師の詭弁に騙されることに対して落胆させられました。

転院前夜の呼吸困難(呼吸抑止)、過呼吸の当直医であった北田医師の処置のミスは、 被控訴人藤村医師がカルテなど何ら記載を残さず、この直前の輸液の増量 を明記せず に起こった不幸な過失です。

また、新幹線の中で心肺停止に陥ったという重大な結果を招いた原因は、主治医であ った藤村医師が、これまで何ら、患者に対しての情報を収集せずに、杜撰かつ怠慢な 行為を続けた結果に起こった過失であり、この心肺停止は、低ナトリウム血症と恐らく高カリウム血症の為と考えられます。

 


上告受理申立にて提出した帯津先生の意見書


低ナトリウムの杜撰な管理や、心ない医療を、ホスピス・緩和ケアというのは言語道断です。

末期癌で積極治療を中止し、ホスピス・緩和ケアを選ばれた患者さんでも、低ナトリ ウムなどの電解質の異常は定期的に注意して電解質バランスを保つことが必要です。

この裁判において、末期癌患者の緩和ケアは「何もしないのが誠実」という植えつけをされ、裁判所もそれを信じ誠実な医師と認定してしまったようですが、それは間違いです。






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