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登 山 の 体 験 談

目    次
靴のサイズに思う
山登りは良い
軽登山靴に思う
降雨時の登山に思う
アイゼン歩行の危険
登山計画書は!
登山靴のサイズ選びに思う

靴のサイズに思う
 先日、岩登りの練習をした。
 初心者が、新品の最高級登山靴とクライミング・シューズで受講した。その靴のサイズは、持ち主の足が入るとは思えないほどの、大きな登山靴と小さなクライミング・シューズだった。
 専門店で相談して購入したと言う。山では、登山靴で岩登りをしたり、クライミング・シューズで歩いたりもする。登山の経験が無く、試しに履いても、適当なサイズを選べない初心者である。
専門店に適切なアドバイスをお願いしたい。
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山登りは良い
 山で、声をかけられたりすることがある。
 自分でも、少し山に慣れているせいか、気楽に話しかけることがある。友達になったり、結ばれた話も聞く。
 先日、そんな人から、メールが来た。とても偉い人だった。日常の場では、とても話しかけられない人と、知り合いになれた。また一つ、宝が増えた。
 山の自然も良いが、人も自然の一部として、道で、小屋で、話しかけることを奨める。
 山の好きな人は、良い人ばかりだと教えられた。
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軽登山靴に思う
 最近の軽登山靴は、つま先の部分がそり上がっている。
 昔ならば、先が減り丸まって、張り替える状態にひとしい。これらの軽登山靴を履いてみると、足の指先は地面を感じない。バランスを取るのに大事な指先は、身体が前傾してはじめて、地面を感じる。これでは、動作が遅れないだろうか。「履きこなすことの難しい軽登山靴」こんな風に思うのは、私だけだろうか。
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降雨時の登山に思う
 この頃、雨天の穂高や剣等の稜線で、多くの登山者に出会う。それなりの備えをしているものと思うが、不安な気持ちになることがある。
 濡れた登山道は不意に滑ったりする。下りはことさら滑りやすい。滑落を起こさないためには、より水平に近い足場を選び、静かに靴底を置き、滑りを確かめながら、体重を少しずつ加重する。
 スリップに備えて、腕は手掛かりを積極的に利用する。慎重に登降するためには、時間を要するから、行程にはゆとりがなければならない。
 濡れた衣類は身体を冷やす。夏でも稜線の気温は、東京の春や秋に相当する。春や秋の高山では、みぞれや雪に変わることがある。風に当たりやすい稜線では、濡れた身体はより寒さを覚える。行動中は良いが、立ち止まると身体は冷え、長くは休んではいられない。身体が濡れ寒気を覚える状態での休憩は逆効果であるから、休憩を要しないペースでの歩行と、体力的な余裕がなければならない。
 降雨時の登山は、やっかいなものであり、精神的にも疲れる。それなりの備えを忘れないで欲しい。晴天時の登山はとても楽しい。
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アイゼン歩行の危険
 登山靴では、立ち入らないであろう、滑落の危険がある雪や氷の斜面に、アイゼンを利用すると、容易に立ち入ることができる。
 アイゼン歩行時に、アイゼンで斜面を踏みつけている状態と、転倒した状態とでは、大いに状況が異なることを、雪山の登山者は理解していなければならない。雪や氷の斜面を、アイゼンを装着して移動している時は、誤ると滑落する、危険地帯の真っ直中に居ることを忘れてはならない。突然に、アイゼンが登山靴から外れたり、アイゼンの爪を、足元の突起や互いの足に引っかけて、斜面で転倒した場合を想像すると理解できる。
 私自身、アイゼンの操作には習熟したつもりだが、雪山シーズン中に、何度かヒヤリとすることがある。稜線や下り斜面を移動時のアイゼン操作には、慎重な行動が望まれる。
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登山計画書は!
 雪山は、実際に登山を開始しないと、その姿が解らないことが多い。また、それが登山者にとっては魅力でもある。
 先日、山岳警備隊の方から、登山計画書を関係者に、登山届を登山口に提出して欲しい、単独登山はやめて欲しい、とお願いされた。
 登山は、準備から始まると言われる。コース、体力、技術等に無理がないか、衣類や行動用具類に不備がないか、検討しながら、計画を立ってるのも楽しいものである。また、実際の行動にゆとりを生むためのトレーニングで汗を流すのも楽しいのもである。
 登山口での登山届の提出は、積極的に利用すべき制度ではないだろうか。
 登山には、計画、トレーニング、登山届等の、備えが求められる
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登山靴のサイズ選びに思う
 登山者にとっての登山靴は、身体の一部のようなものではなかろうか。
 登山中に靴擦れをおこしたり、アイス・クライミング中にプラスチック・シューズが壊れたのでは、たまらない。
 以前から気になっていたが、サイズが大きすぎるのではと思われる靴を履いた初心者に、しばしば出会う。それも、スポーツ店に相談して購入したらしい。試しに履いてみたが、自分では大きさが解らなかったと言う人が多い。
 サイズの大きな「どた靴」では、足捌きが悪く、神経を擦り減らし、不愉快であり、平坦地ならともかく、登ったり下ったりの稜線歩きでは、危険でもある。なぜ、適当なサイズが選べなかったのか、残念でならない。
 そこで、試しに履いてもサイズが解らない理由と、サイズの選び方を考えてみた。
・靴の内側のクッションと厚手のソックスが、試しに履いたときの足の感覚を鈍らせるから、素足で履いて大きさを選ぶ。
・横からの圧迫感を気にする人が多いが、サイズは靴の幅ではなく、長さだと考えて選ぶ。
・爪先のゆとりを見るために、踵に指を差し込んで調べるが、足首の深い登山靴は指が入りにくく、踵の部位のクッションが隙間を解りにくくするから、普段に履いているジョギング・シューズ等を持参して、履き比べてみる。
・爪先が当たらないかと共に、小さな足場に靴先が掛けやすいかを調べる。
・登山に最も大事で高価な登山靴ですから、時間をかけて入念に選ぶ。
 購入される方は、登山靴は山登りの道具であり、靴に因って、登山が容易に楽しくなったり、苦労させられ危険な状況を生むことを忘れないで欲しい。
 スポーツ店の方は、サイズは小さすぎるよりも大きすぎる方が無難ではあるが、登山靴には、クライミング・シューズの役目も求められることを考慮され、より適当なサイズのものを薦めていただければと思う。
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e-mail:w-tomo@mte.biglobe.ne.jp
アルパイン・ガイド 渡辺篤夫

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更新:2015/07/01