ユニークなCD-ROMあります。モーツァルトの全作品の冒頭音声と楽譜、全作品の解説等を収録した「モーツァルトアーカイブ」(小学館)というCD-ROMです。
1991年のモーツァルト没後200周年の時に発売されたCD180枚からなるフィリップスの「モーツァルト全集」の続編として、1995年頃発売されたものです。値段は当時15,000円と安くはありませんでしたが、
モーツァルトの全作品を網羅してのこれだけの内容であれば納得できます。
今までもモーツァルトの作品の解説書は多数出ています。これをCD-ROM化するだけなら単なるペーパーレスの作品辞典ですが、冒頭音声と楽譜をくまなく付けたところに、このCD−ROMの斬新さが有ります。
モーツァルト研究の第一人者である海老澤敏氏の監修であり、内容的にも信頼のおけるものです。
実際に内容は充実しています。検索可能な完璧な作品目録としても有用ですし、イントロあてクイズでも遊べます。
あの曲はKV何番だっけというのも、各曲各楽章のイントロが音で収録されているので、それらしいジャンルを
順番に聴いていけば、それほど苦労なく探し当てることができます。CD-ROMならではの好企画と言っていいと思います。
私は、「モーツァルト全集」を持っていますが、これと完全に同期しているのも有り難いです。CD-ROMの内容をNAS(Network-Attached Storage)に入れてあるので、自宅のどのPCからも使えます。
ステレオセットのある居間のPCでも、自分の部屋のPCでも使えて便利です。
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ただ、このCD−ROMの冒頭音声は20秒足らずで、いかにも短すぎます。でもCD-ROMでは容量の制約上、「SoundVQ」で圧縮しているとはいえ、これ以上長いイントロの収録は難しいでしょう。
このモーツァルト・アーカイブが発売されたのは、1999年末ですから、当時はCD−ROMしか無かったので仕方がないのですが、DVDが普及した今になっては時代遅れという感じがします。
最近では大抵のPCにDVDドライブを装備しています。マイクロソフトのエンカルタのようにDVDを使った百科事典も出てきました。
モーツァルト生誕250周年記念で改訂版の出版をするのであれば、大容量のDVDを使って、せめて2分程度の冒頭音声を収録してもらえるとありがたいです。
ともあれ、この「モーツァルト・アーカイブ」、ユニークで、しかもとても役に立つ企画の妙に拍手を送りたいと思います。
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