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岩橋百合の県議会レポート 2003年冬号 (2003年1月20日発行)

今 こ そ 市 民 が 主 役 の 政 治 を
県 議 選 は 議 会 を 変 え る チ ャ ン ス

 

 民主主義の危機?

 アメリカのイラク攻撃の可能性、日本のイージス艦派遣、北朝鮮による拉致、核開発など戦争不安の中で今年が明けました。不況、リストラ、失業、自殺者の増加など気が滅入る社会状況の中で、高くなるべき政治への関心が逆に低くなり、投票率が下がるというのは、民主主義にとって危険なことです。昨年10月の参院補選のように、無関心や白紙投票は結果的に現状維持にしかなりません。

 堂本県政による変革


観客から主役へ!!

 千葉県では、堂本知事登場で県政が福祉・環境に大きくシフトしました。三番瀬再生検討委員会、女性専用外来、菜の花エコプロジェクトなど全国から注目される施策が次々と打ち出されました。政党や財界に支援されずに当選した堂本知事は、誰にはばかることなく、外郭団体の整理、補助金や定員削減、NPO支援など大胆な行政改革を始めています。
 この1年半、男女共同参画促進条例づくりも進められ、条例専門部会11回、県民意見募集、中間報告発表、県民への説明シンポジウム4ヶ所など、千葉県では初めての本格的県民参加による条例作りでした。
 しかし、上程された9月議会では自民党の反対で継続とされ、12月議会でも継続。2月の議会では条例の重要な部分をほとんど削除した自民党独自案が出される可能性が高くなってきました。

 誰のための「政治」なのか?

 3年前に男女共同参画社会基本法が作られたのは、少子化による労働力不足、年金などの将来不安、中高年男性の自殺などの問題を解決し、男性も女性も共に働き、共に子育てできる社会を作ろうという目的のためでした。その後38もの都道府県で基本法に基づいた条例が作られているのに、なぜ千葉県だけがこんな足踏みをしなくてはいけないのでしょうか。政治は政党や議員のものではありません。男女共同参画を軽視している自民党が知事に県議会最大多数の力を示すために条例を道具に使うことはあまりにも政治の主役である市民を無視した不遜な態度であると思います。 
 今年は統一地方選の年、議会のバランスをもっと市民の感覚に近いものにするチャンスです。政治を変える決定権は市民だけが持っています。市民ネットワークでも県議を一人から五人に、堂本改革の実現をめざします。


岩 橋 百 合 の 4 年 間
知事を支え、二期目も頑張ります

 


知事選では中心的役割を担う。しがらみのない選挙で応援演説にも力が入る。

1999年4月に県議会に初めて参加して驚きや発見などを含めお届けしてきたこのレポートも今回で16号になりました。県民が選んだ2001年3月の堂本知事誕生後、千葉県政は想像以上に変わりました。福祉や環境施策が充実し、行政改革、情報公開、県民参加が進みました。しかし、直後に小泉首相誕生、9・11テロ、アメリカによるアフガニスタン攻撃、BSE(狂牛病)発生、住基ネット稼動、ブッシュ悪の枢軸発言、イラク攻撃予告、北朝鮮による拉致、核開発疑惑、NPT脱退宣言と、特にテロ以降の世界の動きは平和や安定を求める私たちの気持ちを不安に陥れています。政治の無力を感じ、政治に期待しない風潮の中で、日本は戦争のできる国へと一歩ずつ進みつつあります。そして、私たち市民のくらしが何かしら価値のないものに感じられる


知事と共に県議会控室で

ような、みんなが走りだしているような感じがする今日この頃です。立ち止まって、市民の暮らしの価値をもういちど思い出し、スローライフ、あったか社会をなくさないために、今自分の中にある力を信じて、できることから始めたいと思います。

 ■議会をどこまで 市民に近づけたか……議会改革

 議会がもっと市民県民に近づく必要があります。議会改革案を提出して意見を述べました。傍聴者への資料配布、予算委員会の設置、議会情報公開条例を実現しました。票の格差是正、本会議での質問回数の自由化を次期には強く働きかけます。


みはまネット「ベイエリアを楽しくする会」海からみはまの浜辺を検証。県・市へ市民の使いやすい海辺を提案。

 ■堂本以前と堂本以後県政はどこまで市民に近づいたか

三番瀬再生検討委員会、モノレール検討委員会、情報公開推進委員会、男女共同参画推進懇話会条例専門部会の検討状況をすべてホームページなどで公開、予算を立てる途中の情報公開、予算編成前に重要項目アクションプランを発表し県民の声を聞くなど、大きく近づきました。知事が県民と直接対話する市町村ごとの集会ももうすぐ80市町村で完了。オンブズマン代表が情報公開推進委員会に参加するよう提案し実現しました。

 ■DV被害女性、虐待される子ども、犯罪被害者、ホームレスへの対策は?


57年前、憲法24条の草案作りに加わったベアテ・シロタ・ゴードンさん を招いて講演会を開く。

 これらの最も弱い人が打ち捨てられる国は人間の尊厳が打ち捨てられる国でもあります。議会質問に取り上げ県の施策前進を促しました。
 

DVについては、堂本知事登場と共に女性サポートセンターが拡充。6000件の電話相談、132件の宿泊施設利用と需要にこたえ、全国からも注目されました。県立東金


フェミニスト議員連盟シンポジウム ーパネラーとしてー

病院の女性専用外来は全国からの視察が相次ぎました。児童虐待相談件数も過去最高で児童相談所の一時保護所は満杯、児童養護施設も一杯で待機児童が生命の危険と隣り合わせの状態が続いています。相談所への精神科医設置などは実現しましたが児童養護施設の民営化、NPOへの委託など新しい試みはこれからです。

 ホームレス増加は、国の無策の中、あまり人権感覚のない組織が宿泊所提供と生活保護申請を事業にしています。ホームレス新法がやっとできましたが、県や市町村の取り組みはこれからです。今年の冬の寒さは厳しく宿泊施設は必須です。

 犯罪被害にあっても相手に賠償能力がなければ、医療費などは自己負担。障害が残って住宅改造が必要でも自己負担、裁判情報からも遠ざけられる、こんな国の制度はおかしいと被害者の声がやっと社会に届きつつあります。犯罪被害者の保護制度が打ち出され、2000年5月には犯罪被害者保護二法が成立、1999年7月には犯罪被害者等給付金支給法が改正され補償の内容が拡大しましたがまだまだ不十分。被害者の尊厳を中心に据えた犯罪被害者基本法を作るよう国に求めていきます。


千葉県でも脱ダムを!!



八ッ場ダム底に沈む現地の人たちと話し合う。ー群馬にてー

 平成13年6月堂本知事になって初めての本会議で八ッ場(やんば)ダムの質問をしました。1952年に計画された八ッ場ダムですが、ダム底に沈む川原湯温泉を中心に大規模な反対運動が起き、水質が強度の酸性だったため凍結状態に。その後、国は川の水を中和するため品木ダムを作り、本格的に八ッ場ダム計画が動き始めて50年後の補償交渉妥結となりました。八ッ場ダムは東京、埼玉、千葉などの首都圏の飲み水や工業用水のため計画されたものですが、人口も水の需要も計画を下回り今や必要性に疑問がある計画となっています。
 群馬スタデイツアー。議会で質問、千葉市でシンポジウム開催。そのとき出来た「首都圏のダム問題を考える市民と議員の会」で、14年12月に県に住民監査請求。すでに支出された127億円は無駄な支出、ダム建設中止、地下水利用促進など、意見陳述を行ないました。今後千葉県民の負担は総額で560億円と推計され水道料金にはねかえってきます。今年は建設費の増加案件が県議会にかかる予定です。


ごぞんじですか?〜 レスパイトサービス

  重度障害のある子どもを育てたり、介護している家族にとって、必要なものはたくさんありますが、レスパイトサービスもその1つです。24時間365日介護に携わる家族が頑張りすぎて燃え尽きないように、時々重度の障害ある子どもや成人を預かってもらえるサービスです。
 レスパイトサービスは法律に位置付けられておらず、必要性にせまられた家族やその周辺の人が自宅を使って始めるケースが多く、流山の「バオバブ」などが草分け的な存在でした。県議になってすぐに千葉県内でレスパイトサービスをやっている人たちに集まっていただき障害福祉課とつなぎました。それから県が全県調査。堂本知事になってやっと、レスパイト事業を行なうNPOへの活動費支援が予算化されました。申請要綱作成が遅れて心配されましたが、なんとか、実施スタートです。


ミ ニ コ ラ ム

 知り合いの方が夫婦ふたりで2週間に一度、ホームレス支援のための炊き出しを始めました。
 私が、新宿などで路上生活者支援の団体が長く活動していることを伝え、支援ノウハウなどの情報をお伝えしましょうかというと、いいえ、少しずつ続けていけば自分たちなりにいろいろ判ってくると思います、そして、みんなが少しずつ身近なホームレスのひとへの支援をする、そんなふうになれば良いですね、ともいわれた。まさにそのとおり。

〜映画や音楽のことを話すように 政治のことを話す人をふやしたい〜

 

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