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岩橋百合の県議会レポート 2003年2月議会号 (2003年3月17日発行)

男女共同参画条例案が廃案に
最後まで自民党の迷走に振り回された2月議会


議会を終えて
議員控室にて堂本知事と

 マスコミ報道でご存知の通り、自民党は議会終盤に出した自民党案を自ら継続とし、知事案とともに自然廃案にして2月議会を終了しました。昨年9月から今年3月まで続いた自民党の迷走とそれに振り回されながらも県条例制定を実現しようとして走り回った私たちのエネルギーを思うと、一体どうしてくれるんだ! と言いたい気分です。でもとにかく、男女共同参画条例はスタートラインに戻りました。選挙後の仕切りなおしです。
条例をめぐる一連の動きは自民党の家父長的体質を余すことなく示しました。千葉県議会の議員のバランスをもっと市民社会に近づけなくてはならないと強く思います。 ネットでは5人の県議候補が各地で奮闘中。
 4月13日には5人揃って当選をめざします。

来年度予算〜借金2兆円超・赤字決算…厳しい財政状況の中で

 一般会計1兆6504億9200万円、昨年比マイナス0・2%、県債発行は2788億円、昨年より678億円32%も増えました。県債残高は2兆1156億円、借金返しの公債費は昨年より15%もふえて1978億3100万円。平成14年の決算は46年ぶりに100億円の赤字の見込みです。
 昨年3600本の県事業を見直し、公社等外郭団体の整理統合、廃止を実施。血清研究所の廃止、補助金の見直しなどが行なわれました。行革や県民参加、健康福祉環境の新規施策を評価して一般会計その他93議案に賛成しました。

きらりと光る新規予算
市町村補助金の総合化による分権新時代・市町村総合補助金 10億円
市町村進行資金貸付金 40億円
中核地域生活支援センター・ふれあいセンターモデル事業 1212万円
里親制度充実事業 414万円
母子家庭就労関連ニーズ調査 120万円
一体型デイケアハウスモデル事業 250万円
袖ヶ浦福祉センター・強度行動障害棟建設事業 1億円
医療安全相談センター 500万円
バイオマス利活用事業 5000万円
NPO地域資源活用マップ作成事業 3217万円
NPO法人年次報告書等情報公開システム構築事業 1580万円
食の安全・安心システム支援事業 1億5177万円
里山総合保全整備事業 1100万円
県立都市公園のあり方調査 500万円
公共空間犯罪対策推進 2511万円
大 型 予 算
私立学校経常費補助 309億円
土地改良事業 273億円
道路橋梁事業 453億円
道路維持 111億円
河川・海岸・砂防事業 321億円
流域下水道事業 427億円
反対した予算
八ッ場ダム関係の上水道会計と工業用水会計

▼住民不在の議案には反対
 野田市と関宿町の合併は市長と議会だけで住民参加不足のまま、強引に進められ、野田ネットなどが多くの署名を添えて要請した住民投票も行なわれませんでした。そのため、合併に関する3議案に反対しました。


知事が変わって制度が変わった
ようやく実現した乳幼児医療費現物給付

 乳幼児医療費の現物給付がやっとこの4月から始まる。これまで市町村でバラバラだった給付方法も基本的には共通の制度となった。千葉市では窓口で一旦お金を支払い、区役所で申請手続きをして払った医療費が戻ってくる仕組みだった。申請には必要書類を揃える事も含め、わざわざ行くのが面倒、時間が取れないなどで、遠い医療機関や単発でかかった場合には利用しない場合もみられた。沼田県政の頃、市では「県が全県的な共通の制度を作らなければ無理」、県では「市町村の中には負担増に理解を得られていないところもある」として、それぞれ責任の転嫁をしていたが、堂本知事になって「やりましょう!」と態度を決め、様々な課題解決に取り組み、今回の制度導入になった。県の負担はコンピューターのソフト整備に3570万円、市町村の負担はそれぞれの人口に応じた補助分の持ち出しで、ちなみに千葉市では今年度予算は7500万円。
 診察時に払う200円も含めて無料化できれば、もっと良かったと思うが、今後は3歳未満となっている通院医療費の年齢枠拡大をめざしたい。ちなみに、入院の場合は就学前まで。


どんな医療を望みますか?
県 立 病 院 将 来 構 想

 千葉の県立病院は地域一般病院として、
  東金市:県立東金病院
  佐原市:県立佐原病院
  市原市:循環器病センター(一般医療部門)
高度専門病院として
  千葉市:がんセンター、救急医療センター、精神科医療センター、こども病院、千葉リハビリテーションセンター
  市原市:循環器病センター
の8ヶ所です。病院会計は一般会計からの繰り出しが毎年100億円ほど、その原因は県立病院はいずれも規模が小さく、医師や検査部門などをそれぞれに配置していることによる負担が大きいことがあります。東金病院やがんセンターはそれぞれ、50年、30年が経過し老朽化も進んでいます。そこで「地域一般病院を市町村や民間と連携して再構築する」「高度専門病院は千葉県民が行きやすい所に総合病院として統合する」などの県立病院将来構想素案がホームページに載せられています。
 子ども病院をなくさないでという署名を始めている団体もあり、市民の間には不安を感じておられる方もありますが、将来構想は10年後の県立病院の姿をめざしてこれから具体的な計画が作られるものであり、子ども病院がすぐに遠いどこかに行ってしまうことはありません。何と言っても千葉県の県庁所在地・中心地は千葉市であり、千葉市に高度医療を提供できる県立総合病院があることが県民にとって便利です。パブリックコメントを出しそこなった人も、今後の検討委員会を注目してください。

議員は世襲制ではない

 政治を自分のこととして考える、そんな市民が日本にもふえてきました。でも、観客としてではなく、政治劇場の出演者になる人はまだまだ少なく国会では、自民党議員の半数以上、民主党でも4分の1が2世議員と呼ばれる人たちです。県議会も同様で4分の1が2、3世議員、若くして当選してきます。議会の世代交代は当然必要ですが、若いからといって、彼らが、共働きしている多くの若い市民層の声を議会に反映しているかは疑問です。その政治手法や考え方はおじいさんやお父さんと共通、しかもしっかりと利権構造を引き継いでいます。今回千葉県の男女共同参画促進条例に反対したのはそんな若手議員たちでした。


あなたもやってみませんか?〜 一体型デイケアモデルハウス事業

  日本の法律の縦割りの弊害はあちこちに見られます。たとえば、今の法律では高齢者のデイケアを障害のある人や障害のある子どもが利用することは出来ません。しかし、富山県では、『この指とーまれ』という名前のデイケアハウスを民間のNPOが経営、実績を積み上げて県の補助金も出るようになりました。高齢者の方々が子どもと一緒に過ごすこと、知的障害のある人を助けることが生きがいになるなど、『このゆびとーまれ』の実践は高く評価されています。今回のこの特区申請はこのような場所を地域のあちこちに作っていくための申請です。県の予算でもNPOが民家を借り受けて住宅改造をする際の補助金を新設しました。あなたもぜひやってみませんか?

 

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