MY MELODIC BEST 21〜40

私が好きなアルバムしか載せていません。あなたもどれかが好きなら、別のアルバムも好きになる可能性大のはず、かな。保証はしませんが…。

FLYING DONUTS "LAST STRAIGHT LINE"

FLYING DONUTSロック不毛の地と言われて久しいフランス産です。かくいう私も、ふと考えてみるとLES THUGSくらいしか思い浮かばなくて、フランスものはほとんど持っていない気がします。フランスといえば、ロックとは無縁でシャンソンみたいなイメージですよね。で、本題のFLYING DONUTSによる本作品です。簡単に言うと、えげつないほどカッコ良すぎて、サッドな傑作なんです。この素晴らしさを言葉で表現できればいいのですが、自分の言語能力が低すぎて悔しいです。駄耳で鈍感な私みたいなレベルだと、UKメロディックだと言われても何の疑いもなく信じてしまいますよ。2曲目の"The Right Way"や7曲目の"Life Style"なんて、疾走感があって盛り上がりまくりで、泣いてしまうこと間違いなしです。ザグザグしたギターが効果的で、恐ろしいほど曲がいいんです! さすがAGE OF DISTRESSさんで発掘された作品ですね。フランスの奇跡ですよ! 2002年にリリースされた1stアルバム。お願いですから、下のBandcampでぜひ聴いてみてください。ちなみに、フランス産ではSPLIT仲間のSECOND RATEなんかもおすすめですよ。

NOTHINGTON "ALL IN"

NOTHINGTON本作は2007年に名門Better Youth Organizationからリリースされたサンフランシスコ産のNOTHINGTONによる1stアルバムで、出来栄えが最高です。TSUNAMI BOMBの元メンバーらが参加しているってWebに書かれていますが、それはどうでもいいですよ。無視して大丈夫です。このアルバム、見事に私の好きなツボを押さえまくっています。熱くて渋い、心から湧き出てくる男くさいボーカルとグッド・メロディが、私の心の琴線にバシバシ触れてくるんです。疾走感溢れる曲もあれば、アコギをバックに歌い上げる曲もあって、アルバムとしてのトータルバランスも見事に取れていると思います。アメリカならではの土の匂いがしますが、LEATHERFACE好きとか、私のランキングに少しでも共感してくれる人なら間違いないですよ。その後の作品より、私はこれが一番好きです! 3曲目の"Something New"でぜひ胸を熱くしてください。

ALKALINE TRIO "FROM HERE TO INFIRMARY"

ALKALINE TRIOジャケットのダサさは究極レベルですが、そんなビジュアル面で敬遠するのはあまりにもったいない。曲作りに関しては、溢れる才能を存分に発揮した素晴らしい作品に仕上がっています。Vagrant Recordsから2001年にリリースされたこのシカゴ産のALKALINE TRIOによる3rdアルバムは、確かに少しメジャーっぽい仕上がりかもしれません。でも、そんなことはどうでもいいぐらい、他の彼らのアルバムとは別格の完成度を誇る一枚。憂いを帯びたエモーショナルなメロディが、疾走感とともに心に染み渡る。これぞ彼らの真骨頂。ゴス? エモ? そんなジャンルの枠に当てはめること自体、野暮ってもんです。ただただ耳を傾けて、その音に身を委ねるだけでいいんです。特に2曲目"Mr. Chainsaw"や4曲目"Stupid Kid"なんて、最高すぎて言葉が出ません。聴けばきっとわかる、これぞ完璧な一枚。ジャケットの印象だけでスルーしていたら、それこそ人生の損失。今すぐ鼓膜を震わせてください!

MILES APART ".:STORYBOARD:."

MILES APARTMILES APARTは、MEGA CITY FOURの曲名から名前を取ったイタリアのバンドで、元EVERSORなんです。イタリア人といえば陽気で明るいステレオタイプ的なイメージがありますが、この音はそこから逸脱していて、MEGA CITY FOURと同じように哀調を帯びた情けない感じの珠玉のメロディが湧き上がり、涙腺を緩ませること間違いなしです。まさにイタリア映画の名作みたい。5曲目の"Another Time Another Place"など、どうしてこんなに感情を掻き乱すような素晴らしい曲を連発できるのか、感嘆せずにはいられません。10曲で29分ちょっとのアルバムですが、聴き終わると脳みそがMILES APART色に染まって、多幸感に包まれますよ。ちなみに、恥ずかしながら、このMILES APARTでの感動がきっかけで、聴かず嫌いだったMEGA CITY FOURに遡って聴いたことを告白しておきます。はい。2002年にリリースされた2ndアルバム。なお、どのアルバムもMILES APART節を存分に堪能できて最高なので、見つけたらぜひ買ってください。

FOR SCIENCE "WAY OUT OF CONTROL"

for scienceニュージャージー産のFOR SCIENCEによるこの8曲入りミニアルバムと1stアルバム"REVENGE FOR HIRE"のどちらを紹介するか悩みましたが、やっぱりERGS的な抜群のポップセンスとブチ切れ具合が見事にリンクした個性豊かなこのミニアルバムの方が、わずかな差で私の好みに合っているので、こちらを選びました。とにかく喉から血が出そうな独特の鼻づまり・だみ声ボーカルが実に感情豊かで、このバンドの個性をしっかり特徴づけています。ちょっとヘンテコな楽曲群なので、かなり好き嫌いが分かれる作品だと思いますが、とても魅力的な大傑作ですよ。57秒の傑作、6曲目の"Swimming Around, Fighting Frowns"なんてカッコ良すぎて最高じゃないですか。センスがめちゃくちゃというか、異常にあると思います。ということで、一枚いかがでしょうか。2007年にリリースされました(CDはIt's Alive Records、LPはDon Giovanni Recordsから)。

TIN ARMOR "A BETTER PLACE THAN I HAVE BEEN"

tinarmor2007年にOne Percent Pressからリリースされた、オハイオ産のTIN ARMORによる1stアルバム。とにかく青臭くて、甘酸っぱい――そんな青春の香りを求めている人、この指とまれ!って感じのパワーポップ&ポップパンク。曲のスタイルは違えど、THE TATTLE TALESやTOKYO ADVENTURES級の糖度を誇る、胸がギュッとなる一枚です。特に5曲目の"This Evil Way"を聴けば、そのメロディの甘さと透明感あるボーカルに、思わずほんのり涙が滲みそう。おしっこにアリが群がるように、心の奥底に染み込んでくる楽曲ばかり。特に斬新なアレンジや奇抜なアイデアがあるわけではないけれど、そこがむしろいいんです。疲れた心にスッと染み込むこのハーモニーこそ、何にも代えがたい癒し。ゴリゴリなハードコアに疲れたら、ぜひこの一枚で心を浄化してほしい。カフェで流れていても違和感がないぐらいの爽やかさです(まあ、実際に流れることはない…)。

DRIVEWAY SPEEDING "REASONS ARE NOT ANSWERS"

ipanemaHOOTON 3 CARやIPANEMAといったUKメロディックの王道が好きな方には、間違いなく突き刺さるDRIVEWAY SPEEDINGによる一枚です。派手さはないものの、むしろその地味さこそがじわじわと心に染み込んでくる魅力になっています。調べてみると、pre-SERVO、RANGER SMITH、OHNO EXPRESSのメンバーが集まって結成されたバンドらしく、「そりゃあ良いに決まってる!」と納得。感傷的なボーカルと、それに寄り添うように鳴るギターの響きが、何とも言えない空気を生み出しています。全7曲ながら、1曲目"Grey"、3曲目"The Comforts Of Home"、5曲目"S.T.O.L."など、味わい深い名曲が並びます。好きなのに好きと言えなかった、あの青春時代の甘酸っぱい記憶を呼び起こされるような、そんな切なさと温かさが共存する作品です。2004年にCrackle! Recordsからリリースされた唯一の音源。めちゃくちゃ好きです!

TOWN BIKE "When Good Kids Go Bad"

town bikeリバプールの女性ボーカルバンドTOWN BIKEによる4曲入りシングル(2008年リリース)。曲の流れが完璧なので、例外的に2009年リリースの1stアルバム "GO! FIGHT! WIN!" ではなく、こちらを紹介します(もちろん1stアルバムも素晴らしいので、皆さんは無理せずそちらを買ってください)。出だしの1曲目 "Bad Girls"(1stでも収録)、これでもう決まりでしょう。数秒聴くだけで、胸がぎゅ〜っと締め付けられるような感覚に襲われます。どんよりとした空の下、あるいは明かりの差さない部屋での三角座り(体育座り)が似合う、甘酸っぱくもポップな大々名作。キャピキャピしたアイドルっぽさもなければ、ドスの利いた迫力系でもない。ある意味"普通"な声が、このメロディにぴったりとハマっています。続く2曲目 "Dougie" も素晴らしい。いわゆる王道のUKメロディックとは少し異なるかもしれませんが、これこそがUKらしい良き音。見かけたら、ぜひチェックを!

THE ERGS "DORKROCKCORKROD"

ERGSダサいオッサン3人組がやっているとは思えないほど、とてつもなくキャッチーでポップな、神懸かり的大傑作のTHE ERGSの1stアルバム。まさに2004年のエポックメイキングな作品であります(CDはWhoa Oh Records、LPはDon Giovanni Records からリリース)。6曲目"Pray For Rain"をはじめ、青臭くてちょっと遣る瀬無い楽曲のオンパレード。似ているバンドを挙げるのは苦手なのですが、SICKO、STEINWAYS、ALLあたりに通じるものがあるかも。世の中には似たようなポップパンク・バンドが腐るほどいますが、神・THE ERGS閣下は別格の領域にいらっしゃいます。そういったバンドが好きなら、間違いなくハマるはず。素敵すぎて、名状しがたい不安なんか吹き飛ばしてくれます。ちなみに、一部の再発ジャケットでは、右側にあるプリッツみたいなものが写真からイラストに変更されています。大人の事情なのかなぁ…。何はともあれ、必聴!ニュージャージー産。

AIRBAG "ENSAMBLE COHETES"

airbag1970年代生まれの私としては、このジャケットを見た瞬間に「買い!」と即決せざるを得ませんでした。「マセキ!」って何やそれ? という謎ワードと共に、2003年リリースのAIRBAGによる2ndアルバムがこれ。日本で異常に売れているのかと思いきや、いやいや、そこまで世間を騒がせているわけではないので、永井先生もどうか許してあげてください(笑)。青春スパニッシュ・ラモーン・パンクとひと言で片付けるのは簡単ですが、疾走感を保ちつつ、甘酸っぱくて泣けてくるメロディを惜しげもなく連発するその才能は、そこらのバンドとは明らかに一線を画しています。ありがちなポップ・パンクの枠に収まらず、もう一段階上のところに鎮座する存在。本当に恐るべし、スペイン無敵艦隊。2曲目の"Mafia Rusa En La Costa Del Sol"なんか、もう完全に撃沈されること間違いなし。スペイン語の語尾の響きが妙にかわいく感じるのは私だけ? なんとなく猫っぽい気がするんですよね(対してドイツ語は犬っぽい…?)。

WACT "THE ANTHOLOGY"

wact1990年代のUKメロディック・バンドに対して、どうしても甘くなってしまう私。内申点が高いため、すぐに心を掴まれてしまいます。本作は、まさにそんな私の弱点を突くようなWACTのディスコグラフィー集。2008年に日本の良心FIXING A HOLEさんからのリリース。歴史の中で埋もれそうだった作品をこうして耳にできることに感謝しかありません。正直、最初から知っていたのは"Burnout"という名曲だけでしたが、他の曲も見事にその期待を裏切りません。特に"Punk Rock Gurl"なんて、SKIMMERが頭に浮かぶような、情けなくも軟弱で、涙なしでは聴けない青春メロディックソングです。ただ、後半はデモ音源が多いため、アルバムとしての統一感が欠けているのが少し残念な点。これだけ良い曲が並んでいるのに、なぜちゃんと録音してくれなかったのか… その分余計にもったいない気持ちが込み上げてきます。
FIXING A HOLE

THEY FIGHT CRIME "HINTS & TIPS"

they fight crime最初、THEY FIGHT CRIMEによるこのアルバムをサイトにアップすべきかどうかちょっと迷いましたが、最終的には「自分のサイトに好きなものを載せて何が悪い!」という思いで、堂々と紹介することにしました。衝撃的でも攻撃的でもなく、パンク度ゼロ。もうUKメロディックとは言いづらく、むしろインディーロックと呼ぶべきかなと思います。正直、誰をターゲットにして作ったのか全く分からない2006年リリースの1stアルバムです。ちなみに、この記事を書いている時点ではDiscogsでも完全に無視されています。聴く人によっては、耳障りが良いだけの退屈な作品と捉えられるかもしれませんが、元ELMERHASSELのメンバーが関わっているだけあって、どこかしら漂う不安感の棘が、聴いているうちにスッと抜けていくような心地よさがあります。特に、7曲目"Ideal Match"は、心が和む名曲で、全曲通して良い感じです。少なくとも私にとっては、愛聴盤のひとつとなっています。

PSYCHO GAMBOLA "PSYCHO GAMBOLA"

psycho gambolaSP RECORDSのWebサイトのUSEDコーナーで、「ドイツのLEATHERFACE」という記載に引かれて購入したPSYCHO GAMBOLAによるアルバム。Webサイトにほとんど情報がないので、1999年リリースの1stアルバムぐらいしか分かりません。肝心の内容についてですが、まさに私のツボにハマる作品です。UKメロディックな雰囲気が漂う、哀愁を帯びたメロディや心地良いスピード感が特徴的で、気に入らないわけがありません。ドイツ語で歌っているのにも関わらず、英語っぽく聴こえるので、全く違和感がなく、その点も素晴らしい。LEATHERFACEやCHINA DRUMを混ぜたようなサウンドと言ってしまっていいのかどうか…、言葉ではうまく表せませんが、とにかく素晴らしいです。無視するのは本当に勿体無い。ちなみに、2nd"Heute War Gestern Morgen"も良いですが、私は断然この1stアルバムをオススメします。さらに、10インチ"Die Macht Der Lüge"は良いので、併せてチェックしてみてください。

WALKER "ACTUALLY,BEING LONELY..."

walkerルイジアナ産のWALKERによる唯一のフルアルバム。1997年にリリースされた隠れた傑作オブ傑作。初めて聴いたときは一瞬ゴミかと思っていたけれど、いつの間にかそれは光り輝くダイヤモンドに変わっていました。このアルバム、何度聴いても飽きない不思議な魅力が詰まっています。高音が効いたボーカルが、珠玉の青臭いメロディに乗って気持ち良いスピードで軽快に流れていき、時折織り交ぜられる感傷的なフレーズがまた、彼らの真骨頂を感じさせます。ポンポンと軟弱で爽やかなメロディが矢継ぎ早に繰り出される様子は、アメリカ版SKIMMERとも言えるかもしれません。とはいえ、2曲目"RightField"の出だしなんて、まるでFIFTEENのような感覚にさせられる、なかなか面白く粋なアルバムです。中でも、相好を崩さずにはいられない名曲、7曲目"SomePlace, Someday"が非常にお気に入りです。

CRAIG'S BROTHER "HOMECOMING"

CRAIG'S BROTHER1998年リリースの隠れた大傑作、カリフォルニア産のCRAIG'S BROTHERによる1stアルバム。Tooth&Nail Recordsからのリリースで、胸が締め付けられるような陰影のある名曲が揃っており、聴けば号泣すること必至です。サラッと最後の曲まで到達してしまい、もうその感動から抜け出せません。LAGWAGONに若干似たボーカルに、重なるギターやバックコーラスが本当に格好良くて、聴いているうちに気分が爽快になれます。メロコアな疾走感もありつつ、哀愁漂う泣けるメロディックなアルバムとして見事に完成されており、その才能には脱帽です。特に6曲目の"Lonely Girl"で泣けない人がいるのでしょうか?本当に心に刺さる名曲です。ちなみに、2ndアルバム"LOST AT SEA"は、疾走感よりも歌心が重視され、大人なサウンドに仕上がっているものの、1stに心奪われた人にとっては少し辛く感じるかもしれません。

CRIMPSHRINE "DUCT TAPE SOUP"

CRIMPSHRINEFIFTEENのJeff Ott大師匠が在籍していた伝説のバンドCRIMPSHRINE、イーストベイパンクの歴史を語るうえで外せない存在。OPERATION IVYと並ぶイーストベイパンクの頂点に位置する、偉大で最も重要なバンドの一つです。今でもその影響力は色褪せることなく、イーストベイ系といえばこのバンドを指すことが多いはず。音が悪いとか演奏に問題があるとか、そんなことは全く問題になりません。このアルバムを聴かずしてイーストベイを語るな!と、熱く語りたくなるほど、1992年にLookout! Recordsからリリースされた名作編集盤です。後のFIFTEEN、TILT、PINHEAD GUNPOWDERなどに繋がる、暗くて静かに燃え上がるポップセンスがこのバンドの真髄。特に私は"Closed Doors, Closed Minds"や"Fucked Up Kids"で胸が熱くなり、思わず涙がこぼれてしまいます。心に深く響く一枚です。

LOS REACTIVOS "EX TEENAGERS"

los reactivos最近、我がWebサイトにも登場するようになった、スペイン語で歌うポップパンクバンド。もう…スペイン語の語尾の響き、「…モス」や「…ピョン」だけで涙が溢れそうになるなんて、反則すぎます。しかも、このバンドLOS REACTIVOSにはDEPRESSING CLAIMやSHOCK TREATMENTといったベテランメンバーが参加しているとのこと。熟練の演奏なのか、それとも青春時代を思い出しながら音を鳴らしているのか、どちらにせよ、このポップなサウンドからどうしてこんなに甘酸っぱくて哀切を極めた雰囲気を感じさせるのか、言葉では言い尽くせません。本当に、笑顔で泣けてしまいそうな音です。特に3曲目(何か日本のことを歌っているのでしょうか?)をはじめ、捨て曲がないと言えるほど、収録されたすべての曲がかなりのクオリティーを誇っています。2007年リリースの1stアルバム。

THE FEEDBACKS "READY,STEADY,BANG!"

feedbacksスペインと言えば、フリオ・イグレシアス(古いですね!)か、このTHE FEEDBACKSを思い浮かべる人が多い、と言われていますが(冗談)、1997年にNo Tomorrowからリリースされたこの1stアルバムは、何のためらいもなく「極上の超傑作ポップ・パンクアルバム」と断言できます。このアルバムを聴くたびに感じるのは、ただ単にポップでキャッチーなだけでなく、その中に絶妙な物悲しさが滲み出ているところです。どこかで聴いたことのあるようなメロディでも、このバンドならではの魅力が詰まっています。そのバランス感覚は、まさに完璧で、心にずっと残るものがあるんです。他のWebサイトでPARASITESと似ていると挙げられていたのも納得で、その哀愁を帯びたポップ感がまさに共鳴します。特に、1曲目"Real Real Good Time!"は、ポップ・パンクの枠を超えて、感動的で、聴くたびに心がじんわりと温かくなります。2nd"SPEEDWAY"も名盤とされていますが、私は断然1st派です。

CHOPPER "LAST CALL FOR THE DANCERS"

CHOPPERCHOPPERは、HOOTON 3 CARやBROCCOLIと並び、UKメロディック第二世代を代表するバンドの一つで、1998年にCrackle! Recordsからリリースされた傑作1stアルバムがこれ。このアルバムは、他の同時代バンドと比べて比較的入手しやすいので、入手困難な音源のために高いお金を払う前に、まずはこのバンドを聴いてみてほしいと思います。このバンドの魅力は、メロコア的なスピード感で駆け抜けながらも、単に速いだけではなく、その中にしっかりとUKらしい味わい深い哀愁を感じさせるメロディが滲み出ているところです。特に、6曲目"Flatmate"はその真骨頂で、心地よくも切ないギターの響きが、何度でも聴き返したくなる魅力を放っています。個人的にはもっと世間に評価されるべきバンドだと感じています。ちなみに、裏ジャケットに記載されている通り、LEATHERFACEのFrankie Stubbs師匠が録音に関わっていることからも、そのクオリティの高さが伺えます。流石です。

PARASITES "PUNCH LINES"

PARASITES寄生虫というバンド名からは想像がつかない青くて爽やかで甘酸っぱいポップパンクの珠玉の名作であるシカゴ産のPARASITESによる2ndアルバム(1993年にShredderからリリース)。いきなりの超名曲である1曲目"Crazy"からお分かりいただけると思いますが、Nikki Parasiteの曲作り能力は尋常じゃありません。VACANT LOTのPeteとともに1990年代を駆け抜けた2大ポップパンク巨頭だと思います。で、エンジニアとしてKevin Armyがクレジットされているんだけど、FUEL、CRIMPSHRINE、FIFTEEN、J CHURCH、OPERATION IVY、TILT等でも見かけるこの御仁って、一体何者っていつも思います。誰か日本語にてKevin Armyについての記事をアップしてくれたら嬉しいです。なお、最後の曲"Letdown"のリードギターはあのKurt Bloch先生です。ちなみにLP盤のジャケットはCDで黄色ベース(写真参照のこと)ところが赤色になっております。
ちなみに寄生虫繋がりで目黒の寄生虫博物館も是非。故亀谷先生の書物愛読しておりました。


たまにこういうページを作るのって邪魔くさいけど、改めて聴き直す機会となって思い入れのあるのが今となってはさっぱりだったり、その逆もあったり、楽しいものでした。また、今回、インターネットで結構検索したんですが、このあたりのバンドを扱った日本語のページが他のロックのジャンルに比べ少ない気がしました。若い衆の奮起に期待します。


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