電話03-5424-1347
住所:東京都目黒区三田 1-13-1 恵比寿ガーデンプレイス内
ランチ11:30〜14:00 (L.O.)、ディナー18:00〜21:30 (L.O.)
最寄りの駅は恵比寿。駅から動く歩道に乗ってガーデンプレイスへ。雨の日は地下を通ると駅から濡れずに着ける。
2014年11月
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ロブションのスペシャリテを集大成したメニュー(10皿20品)をいただきました
食べたもの
◎アミューズ:キャヴィア 甲殻類のジュレになめらかなカリフラワーのクレーム
Le Gelee de Cavier a la creme de chou-fleur
◎前菜1-a:スモークサーモン フリヴォリテ仕立てにし、わさびのムース添え
Le Saumon Fume en frivolite avec une fine mousse au wasabi
◎前菜1-b:オマール海老 甘酸っぱい蕪のマリネ、ローズマリーの香り
Le Hommard des Cotes Bretonnes et fine lamelles de navet en aigre doux au romarin
◎前菜1-c:北海道産インカめざめ マリネしカルパッチョ仕立てに フォアグラのコポーに白トリュフを削りかけて
La Salade de Pomme de Terre aux copeaux de foie gras et truffe blanche
◎前菜2-a:とうもろこしのなめらかなヴルーテ仕立て ターメリック風味のオイルをまとわせて
Le Veloute glace de mais releve d’une huile au curcuma
◎前菜2-b:秋野菜とフォワグラのミルフィーユ仕立て
Le Millefeuille de jeunes legumes mitonnes et vinaigrette tiede
◎前菜2-c:ウズラの卵 カリッと焼いたリゾットに乗せ、白トリュフを散りばめて
L’OEuf de Caille miroir au plat sur un riz nacre juste colore aux copeaux de truffe blanche d’Alba
◎前菜3-a:ラングスティーヌ ラヴィオリにし、ちりめんキャベツと白トリュフを添えて
La Ravioli de langoustine au chou vert
◎前菜3-b:ホタテ貝 ポアレしブラック・ファルファレでエスコート、ホタテ貝エッセンスの軽いクリームソースを添えて
La Noix de Saint-Jacques avec une emulsion vegetale a l’huile d’olive vierge, farfalles a l’encre de seiche
◎前菜3-c:ウニ コーヒーの香るロブション風ピュレにのせて
L’Oursin accomppagne d’une puree de pomme de terre au caf?
◎魚料理a:甘鯛 うろこ付きで香ばしく焼き、百合根と枯木柚子のナージュに浮かべて
L’Amadai servi sur un bouillon parfume au yuzu
◎魚料理b:車エビのアンフュージョン フレッシュコリアンダー風味
Le The de crevette “Kuruma Ebi” a la coriandre fraiche
◎魚料理c:オマール海老のヴァプール ハーブをきかせたソースシヴェ
La Rouelle de homard a la vapeur aux herbes en civet
◎肉料理:パンタードのロースト ジャガイモのコンフィとフォワグラと共に
La Pintade fermiere et foie gras rotis, pommes de terre confites au jus gras
◎フランス産フロマージュ
Les Fromages de France, frais et affines
◎アヴァンデセールa:シャンパンロゼ ソルベと弾けるエアーに買え、アロエベラを忍ばせて
Le Rose Champagne mousse rafraichie et petillante a l’Aloe Vera
◎アヴァンデセールb:ラム酒のグラニテ パッションクリームとココナッツのエスプーマを添えて
Le Parfum des Iles aux fruits de la passion, granite “Royal Ambre”, legerete a la noix de coco
◎アヴァンデセールc:マロン 軽めのクレームをマンゴーと洋梨のジュレに乗せて
Le Marron onctueux sous une fine coque de sucre a la poire
◎グランデセール:シャルトルーズのスフレとグラスピスタシュ
Le Souffle a la Chartreuse verte V.E.P et sa glace a la pistache
◎お茶と小菓子カフェとタルトショコラ
Le Moka ou le The et sat arte au chocolat amer
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「タイユバン・ロブション」時代から数えて20周年とのことで、期間限定でスペシャリテ尽くしのコースが期間限定でつくられた。少量ずつといっても20皿なので食べられるのか心配だったが、チーズで欲張らなかったからかちょうどよい量。食材やソースのダブりに注意するだけでなく、箸休め的料理(例えば、とうもろこしのスープや生姜の香る車エビのアンフュージョン、和風テイストの甘鯛)を随所にいれたうえでカロリー計算をし、メニューを構成していることがわかった。
実をいえば白トリュフのコースを目当てに行ったので、当てが外れた。宮崎辰さんに尋ねると、彼も20周年記念には白トリュフメインかと思っていたところ、1サーヴィスに3品ずつスペシャリテを出すというロブションの方針を聞き、想像がつかなかったとのこと。
とはいえ、前菜の3つのサーヴィスではそれぞれ1品に白トリュフが効果的に使われており、その意味では半分くらい希望が叶えられた。
どの料理もポーションは小さめ(アラカルトでは鶏の卵を使うが今回は鶉の卵、といった具合)ながら、細かいところまでしっかりつくりこまれたロブションのスペシャリテであることには変わりない。
ウニを使った前菜と甘鯛の料理もロブションのなかでの頂点かもしれない。前者はスペシャリテであるマッシュポテトとウニの相性や食感の良さに驚かされているとコーヒーがほんのり香ってくる趣向で、後者は今では当たり前になっているうろこのカリカリ揚げが、やはりこのレストランで食べると軽やかさと印象深さにびっくりさせられる。
肉料理のパンタードは普通においしい鶏肉料理で、宮崎さんのデクパージュを「鑑賞」するのがメインとなっていた。
料理はこのようにとてもレヴェルの高いものだったけれど、点数をつければ10点満点の9点。それは、ある程度の量がなければ完成品になりえない料理が多かったから。たとえば白トリュフが使われていてもその料理の大きさに規定される量、各々3枚程度しか使われておらず、お皿に鼻を近づけなければ匂ってこない。今回のコースはたとえていえば高級こども服のようなもので、デザイン、素材、工程すべてが一流だとしても大人が満足して着ることはできず、まさに究極の「お試し」のコースだった。だけど、その物足りなさは再訪を刺激するものなので、レストランとしてはしてやったりなのかもしれない。
ワインの値付けはとても高く、小売価格のざっと4〜5倍。楽天で4500円ほどのCh.Cantemerle 2009がグラスで4800円(+サ12%)。ボルドー赤の最安は9000円( Ch.Temperance 2011)、サ込みで10000円ちょいからなのでまだいいが、ブルゴーニュは村名以上しかなく、20000円を越える。ただ、地域名ごとに整理されたiPadのリストでていねいに探せば質の高い安めのワインもある。ちなみに赤白ともに一番安いボトルはサーヴィス料込みで7840円。