- 多くのスキルを身につける
▲戻る
家を建てるとき、金槌やかんな、鋸などの道具はかならず使います。けれども、いくら立派な道具をもっていても、その道具を使えなければ役に立ちません。スキルとは、その道具を使いこなす技能(ツール)に熟達したみたいな状態をいいます。
多くの道具とスキルをもっていれば。夢のある家を設計し、それを思い通りにたてることができます。夢のある仕事をするには、二つや三つの数少ない道具をもっただけで満足しないように、どん欲に道具を求め、それを自分のものにするくらいの意欲が欲しいです。
多くの道具、つまり多くのスキルを身につければ、活動への意欲に駆られ、変化のある展開に役立てることが可能になります。
- 実践に結びつけるスキルにする
▲戻る
いくらスキルを学んでも、それが実践に結びつくものでなければ役に立ちません。
グループワークは、只何とはなしにやるのではなく、職場が抱えている問題を取り上げ、効果的、あるいは効率的に、解決や改善を図るものでなければ意味がありません。
そのためには、自分たちの職場ではどのようなスキルを用いて実践すればよいのか、よく考えてみる必要があります。
近頃のように色々なスキルが開発されてきますと、どれを使えばよいのか、迷うときがあります。よく調べて、これだけは、みんなで吸収しようとするスキルを選択し、実践に必ず生かしていくことが大切です
- 興味を持ってスキルを学ぶ
▲戻る
「好きこそものの上手なれ」ということわざがあるように、何ごとも、興味と関心を持たなければ、技術や技能を自分のものにするには、無理があります。
スキルを学ぶ場合も、人からやらされているように思ったり、どうしてもみんなと一緒に学習しなければならないとか、強制されているような感じをもつ義務感で対応しては、グループワークを長続きさせることはできません。
人間には、得手根不得手があるのですから、好きなものを選択して、面白く学習できるスキルを学ぶようにします。
スキルを使い分ける楽しさを味わいながらグループワークを実践することにすると、自然に活動のレベルアップにつながります。
- スキルを積極的に活用する
▲戻る
スキルは、只小集団活動のようなグループワークのためだけにあるのではありません。むしろ、日常における仕事の進め方や、会議などの場で生かすことが多いはずです。
できるだけ多くの機会をとらえて、それを積極的に活用する習慣を付ければ、スキルを向上・洗練させ、活動の充実と拡大へ効果的なものにすることができます。
どれだけスキルを勉強しても、それを使うことが限られていたのでは、なかなか自分のものにはなりません。
活用の場を積極的に利用して、実際に使う習慣を身につけなければ自分たちのものになりません。
- スキルのタレントになる
▲戻る
できるだけ多くのスキルを習得しようといっても、最近のようにあまり多くのスキルが準備されておると、あれも、これも少しずつかじっていたのでは、一つのスキルを満足にものにすることはできません。
出きれば、自分はこれだけのスキルは、誰にも負けないぐらい学んだ、と、いう自信をもって、そのスキルの才能所有者つまり、タレントになることです。
企業によっては、このようなタレントを社内インストラクターとして登録し、リーダー教育にあたらせているところもあります。これも効果的な方法です。
全面的に、外部講師に依存するのでなく、社内のスキルタレントによって指導を受けるようにすれば、自社のニーズに対応した形でスキルを生かすことができます。また、それ以上に、相互啓発の雰囲気を高めることができます。
- スキルのレベルアップを図る
▲戻る
興味をいだいて、スキルを使いだすと、自然にレベルアップするようになります。しかし、初歩的な段階にとどまっているとそれ以上にはのびません。
少しむずかしいと思われても、それに挑戦していくぐらいの意気込みをもって取り組むと、興味が湧くようになり、活動に生かしていくことができます。
けれども、いきなりなんか異なスキルを押しつけると、活動へのスキルの中から、一定のスキルを選択して、メンバーのそれぞれに解りやすく、学べるように配慮することが必要です。
企業によっては、自社版のスキルコースを設定し、手作りのスキルマニアルを用いて、活動の進展にあわせたスキルの習得を試みているところもあります。
- スキルに関する情報を集める
▲戻る
特定のスキルだけにこだわっていると、活動の展開が固定化して、マンネリ化するおそれが出てきます。
いま、小集団活動では、どのようなスキルが導入され、どのような活動場面に応用されているのか。できるだけ、スキルに関する情報・知識を集め、メンバーに知的な刺激を与えることも、活動を活性化する上で重要になります。
定期的にスキル情報を提供し、関心を高めるようにするのも一つのやり方になります。
- グラフを活用する
▲戻る
文字や数字だけではわかりにくいものをグラフに表すことによって、全体的な理解を得ることができます。また、だれが見ても、解りやすいので、興味を持たせ、説明の理解を促進するために効果的です。
グラフは、色々工夫してみることによって、問題の推移や傾向を細かく分析するのに役に立ちます。右の参考図はいろいろなグラフの例です。
- 棒グラフ
- 折れ線グラフ
- 円グラフ
- 帯グラフ
- 点グラフ
- バレート図を活用する
▲戻る
バレーと図は、バレート分析のために用いる図面で、最小の努力で最大の効果を上げようとする重点管理の手法に用います。色々な事象を、グループ分けして、重要度の高いグループを重点的に扱い、低いグループは逆に手を抜きます。パレート図には、損失金額あるいは、生産量の多い順に並べて、P――Q(品質バレート)チャートを作成して設備などに対応させます。
あることがらが全体の中でどれくらいの割合を占めているかを確かめ、どれを取り除けば、無駄・無理の多くを減らすかを知ることができます。
- チェックシートを活用する
▲戻る
一定期間に起きた事柄の頻度を調べます。問題の発生した原因をとらえたり、事後の点検を確実におこなったりするのに活用されます。
チエックシートは、現状や結果を把握・分析するのに、色々な形を変えて応用することもできます。
- 特性要因図を活用する
▲戻る
問題点に影響をあたえている原因を洗い出し、系統的・層別的にまとめていく方法です。
問題点やその発生原因を捉えるのに有効です。
その形をなぞらえて、「魚の骨(フィッシュ・ボーン)」ともよばれます。
- 管理図を活用する
▲戻る
工程が安定した状態にあるかどうかを調べるため、あるいは、工程を安定した状態に保持するために用いる手法といえます。
管理限界を示す一対の線を引いておきます。点が、その限界線の外にでれば、見逃せない原因があったことをあらわしていることになります。
- ヒストグラムを活用する
▲戻る
データ集団の性質をつかみ、問題の所在をとらえるのに有効な方法です。
多くの問題は、長さ、重さ、といったことをはじめ、時間、日数、人数などデータをとることができそれを明らかにすると、原因のありかを発見することができます。
- レーダーチャートを活用する
▲戻る
問題を分類別にとらえて、その平均値や目的値の関係を比較するのに便利です。
ひと目で全体の状態や傾向を解るように図をあらわすことが可能です。
- 系統図法を活用する
▲戻る
目的を果たす最適な方法を系統的に追い求めていく手法です。
めざす目的を果たすための手段は何かといったかたちで、目的――手段の関連を線で結びつけながら問題の整理・対策をはするのに用いられます。
- IE(インダストリアル・エンジニアリング)
▲戻る
IEの発想は「どうしたら仕事が能率よくおこなえるか」と、考えはじめたところにあります。
ムダ・ムリ・ムラを徹底的に排除し、仕事を効率的に進めようと考えたわけです。
このIEのやり方の特徴は、仕事の内容を人の動きやものの動きにそって細かに分析して、無駄・ムリをとり除いて仕事の進め方を最良の方法に組あげるところにあります。
そのために、時間測定、動作分析がもちいられ、フローチャートは仕事の流れを解りやすくとらえる方法としてよく知られています。
- VE(バルー・エンジニアリング)
▲戻る
一般に価値分析といわれます。製品や仕事の目的や働きをあきらかにして、その目的をもっとも安い費用で達成しようとする活動です。
VEの基本は、必要な機能コストとの関係を調べて、不必要な機能を除去して、必要機能をはたす方法はいく通りあるか、その中で改善案として採用できるものはどれかを探しだすことにあります。
つまり、「なんのためにやってるのか」「なんのためにあるのか」といった具合に、機能・目的を問いかけ、他によい方法はないかと考えて改善していきます。
これを形にあらわすと、
V=(価値) F=(機能) C=(コスト)とすると
V=F/C となります。
コストを下げるか、もしくは、機能を上げると価値を、上げることになります。
- PM(プロダクト・エンジニアリング)
▲戻る
設備管理の方式のことです。
設備効率を最高にすることを目標とした生産保全を意味します。
事後保全、予防保全を経て生産保全に至ったもので、ロスの構造を分析し、故障対策のプログラム化、保全活動の展開などをはかっていくことをねらいとしています。
最近では、これを日本的な形にしてとりいれ、全員参加のPM、略してTPMと呼ばれることが多くなりました。
これは「設備の計画部門、使用部門、保全部門などのあらゆる部門にわたって、トップから第一線従業員に至るまで、全員が参加し、小集団自主活動によるPMを推進する」ことです。
PMそのもののあり方については、今後、近代的な設備診断技術を取り入れた予知保全にすすむことが予測されています。
- KYT(危険予知トレーニングの略)
▲戻る
ひとことでいって安全先取りのためのチームワーク訓練であるといえます。
KYTは危険予知トレーニングの略されたもので、危険に対する個別訓練であると同時に、チームワーク訓練で展開されることが多くなってきました。
安全をベースにした小集団活動がKYサークル、あるいはKYTサークル活動といわれる理由でもあります。
このKYTの内容は、大きく分けて、
@感受性訓練
A短時間ミーテング
B問題解決訓練
――の三つです。
なかでも問題解決訓練ではKYT4ラウンド法というのがあり、事実をつかむ、本質を探る、対策を立てる、行動計画を決める――を段階的に進めていく方法がとられています。
イラストシートに描かれた職場状況の中から、「どんな危険がひそんでいるか」を職場のメンバーで話し合う場合に活用されるわけです。