じり貧的瓦解4段階経過と第5段階への転落結果
09年総選挙結果の全体評価―前進か惨敗か
(宮地作成)
〔目次〕
〔段階1〕、赤旗HN歯止めのない30年間減退
〔段階2〕、参院選3連続惨敗結果と真相隠蔽・責任転嫁総括
〔段階3〕、党員拡大5カ年計画のマイナス決算と総括放棄・隠蔽による党の変質・退廃
〔段階4〕、赤旗新聞社経営破綻・選挙財政破綻
〔段階5〕、日本共産党の総選挙結果5回分データ分析−09年結果の評価
〔関連ファイル〕 健一MENUに戻る
得票率10%以上小選挙区数96年190→00年162→03年65→05年52→09年28と激減
MF生作成表『総選挙小選挙区−共産党の成績』共産党−小選挙区結果沈黙・隠蔽
得票率10%以上−05年52→09年28に激減
得票数25万3800票減、得票数05年比8%減少
総選挙09年結果 8月30日投票 朝日 読売 毎日 中日 産経 共同
総選挙05年結果 9月11日投票 総務省 朝日 読売 JANJAN
総選挙03年結果 11月9日投票 総務省 第43回衆議院選挙結果
〔段階1〕、赤旗HN歯止めのない30年間減退
赤旗HN読者は、共産党からの大逃散が続いている。すべて党大会報告数値だが、2010年1月数値は、第25回大会中央委報告である。それは、1980年をピークとし、30年間にわたって、一度も増えた党大会がなく、一貫して減り続けている。355万部−145.4万部≒209.6万人、59.0%読者が、共産党から大量離脱した。この減紙データからは、今後とも、赤旗HN部数が、党大会時点で増える見通しは絶無と断定できる。
(表1) 歯止めのきかない党勢力減退=読者大量離脱
年 |
80 |
82 |
85 |
87 |
90 |
94 |
97 |
00・9 |
04・1 |
06・1 |
10.1 |
大会 |
15 |
16 |
17 |
18 |
19 |
20 |
21 |
22 |
23 |
24 |
25 |
HN |
355 |
339 |
317.7 |
317.5 |
286 |
250 |
230 |
199 |
173 |
164 |
145.4 |
内H |
54 |
50 |
40 |
35 |
(30) |
(28) |
(25) |
||||
内N |
232 |
200 |
190 |
164 |
(143) |
(136) |
(120) |
||||
増減 |
−16 |
−21.3 |
−0.2 |
−31.5 |
−36 |
−20 |
−31 |
-26 |
-9 |
-18.6 |
2007年12月3日、幹部会・志位報告は、5中総による党勢拡大を柱とする「大運動」データを公表した。そして、赤旗HN部数は、前回05年9月11日総選挙時点党勢にたいし、赤旗H90.5%、N89.8%、いずれも約9%減紙と認めた。
2008年7月11日、6中総・志位報告は、前回05年9月総選挙時点党勢にたいし、赤旗H89.9%・3万部減紙、N89.9%・143万部減紙、いずれも約9%減紙で、HN合計16.8万部減紙と認めた。となると、幹部会以降の7カ月間で、日刊紙Hが増えるどころか、さらに0.6%・1500部減っている。志位和夫は、6中総において、日曜版N前進と報告したが、増加部数を言わないままだった。N89.8%−N89.9%=+0.1%増えたということは、7カ月間の差引で、約1200部増やしたことになる。
そして、2008年度内の6カ月間で、党勢拡大年内目標として、減った部数だけを全部増やせとし、党員2万人・日刊紙H3万部・日曜版N143万部の拡大目標の具体化と拡大運動を、47都道府県・316地区・2.4万支部に指令した。書記局は、この目標の具体化数字集約と拡大成績の点検を、直ちに週報・月報での集約活動に入る。これは、6中総決定の2009年1月第25回大会に向けたいつもながらの、党大会前・総選挙前の党勢拡大儀式と運動になる。
志位和夫は皮算用として、この指令を完全達成すれば、第24回大会比で、H+5千部・N+3万部上回るとも報告した。そこから逆算すれば、H減紙3万部―上回り5千部=現在2.5万部減紙、N減紙143万部−3万部=現在10.8万部減紙となり、2006年1月以降の2年6カ月間=30カ月間で、13.3万部の減紙となった。志位和夫は、これだけ減り続けた部数を、党大会前のわずか6カ月間で増やすことができると本気で思っているのだろうか。
これが証明することは、宮本・不破・志位らによる計画的党勢拡大路線は、完全に破綻した事実である。そして、彼らは、その破綻を認めないで、「増やせ増やせ」と指導・点検し、30年間にわたる長期的なじり貧的瓦解データを隠蔽し続けている。
共産党『5中総』07年9月 『6中総』08年7月 『第25回大会中央委報告』10年1月
問題は、〔数量的減退〕だけではない。むしろ、計画的党勢拡大路線は、〔それ以上に深刻な党変質〕を引き起こしてきた。表向きは、政策と計画、大量宣伝を先行させた大衆運動と党勢拡大の二本足活動を唱えている。しかし、宮本・不破・志位らの指導・追及実態は、(1)大衆運動を軽視・指導放棄し、共産党活動を(2)党勢拡大数量的追及と、(3)選挙票よみ活動だけに矮小化した。
私の民青地区委員長1年半は、班会議に出ても、大衆運動・学習会・サークル活動とその拡大が中心課題だった。ところが、共産党専従13年半は、赤旗拡大と選挙活動の指導・数量的点検だけに変質した。ピークの1980年以前、赤旗日刊紙・日曜版は、毎月、都道府県別の拡大成績%のランクづけ(表)を公表し、党勢拡大の社会主義競争を煽り立てた。それは、都道府県委員会内で地区別のランクづけと競争、地区内ではブロック別の比較公表となった。
中央委員会総会・都道府県委員長会議において、宮本・不破らは、拡大数字成績のいい委員会を褒めたたえ、一方、悪い委員長に打撃的侮辱的批判を加え、坊主ざんげ自己批判を強要した。そのスタイルは、党中央→47都道府県委員会→316地区委員会→1000前後の行政区別地区補助ブロックへと上意下達でストレートに流れ、数量的成績のみに拘束される政党に共産党とその全幹部を変質させた。
『日本共産党の党勢力、その見方考え方』1980年以前の赤旗HNデータ
大衆運動活動家や党支持者を、赤旗読者にする一面的な一本足刈り取り作業をするだけで、大衆運動の拡大指導を実質放棄したことは、運動の停滞をもたらした。専従4000人、とくに316地区専従は、私を含め、大衆運動指導能力を喪失し、赤旗拡大成績・票よみ数値の点検しかできない成績主義人間に変質させられた。これは、創業者ワンマン社長の指令にひれ伏して、拡大成績アップだけに突っ走る上向きひらめの新聞社幹部・社員に類似している。
計画的党勢拡大路線の破綻は、30年間の連続激減データから明白になった。しかし、その内実を、(1)数量的減退とともに、(2)党体質の質的劣化・変質の同時進行結果として捉える視点が必要である。そして、(1)時代錯誤的で犯罪的組織原則政党の機関紙赤旗の数量的拡大が今後とも絶無であるように、(2)劣化した党体質=上向きひらめの成績追及人間に作り変えられた4000人専従の人間改良ももはや手遅れとなった。
しかし、この現実を直視し、実害を与える破綻した計画的党勢拡大路線を廃止・大転換せよと主張する専従は一人も出ない。というのも、即座に査問・専従解任の報復を受けることが分かっているからである。22000支部の一つも、かつ、党費納入25万党員の一人もその声を公然と挙げない。誤った路線の転換主張をするという、いい意味での共産主義的人間は、党外排除されるか、党費納入拒否幽霊党員15万人に転化した結果、絶滅している。
〔段階2〕、参院選3連続惨敗結果と真相隠蔽・責任転嫁総括
選挙区・比例代表の合計当選議席は、15→5→4→3と減り続けている。参議院議席合計は20→9→7に減った。
これで、日本共産党は、この8年間に、国政選挙6連続惨敗をした。(1)2000年総選挙、(2)2001年参院選、(3)2004年参院選、(4)2003年総選挙、(5)2005年総選挙、(6)2007年参院選における敗北・後退である。
『共産党の総選挙、参院選結果データ分析』(1970〜2007参院選)
(表2) 議席・得票数・得票率と比例代表増減
年度 |
議席 |
得票数 |
得票率 |
||||||
選挙区 |
比例代表 |
選挙区 |
比例代表 |
選挙区 |
比例代表 |
||||
増減 |
増減 |
増減 |
|||||||
1998 |
7 |
8 |
875.9 |
819.5 |
15.66 |
14.60 |
|||
2001 |
1 |
4 |
-4 |
536.3 |
432.9 |
−386.6 |
9.87 |
7.91 |
−6.69 |
04 |
0 |
4 |
なし |
552.0 |
436.3 |
+3.4 |
9.84 |
7.80 |
−0.11 |
07 |
0 |
3 |
-1 |
516.4 |
440.8 |
+4.5 |
8.70 |
7.48 |
−0.32 |
2007年7月30日常任幹部会の自己評価は、次だけである。日本共産党は、比例代表選挙で三議席を獲得しました。これは、一議席減の結果ですが、得票数では、前回および前々回の得票を上回る四百四十万票(7・48%)という地歩を維持することができました。選挙区選挙では、議席を獲得することはできませんでしたが、東京、大阪、京都などで得票を増やしました。
2007年9月9日5中総の志位報告を見る。選挙の結果は、比例代表での獲得議席は三議席、選挙区では議席を失い、改選五議席から三議席に後退しました。議席を後退させたことは残念であります。同時に、比例代表で、前回、前々回の参議院選挙の到達点を基本的に維持する四百四十万票(得票率7・5%)を獲得したことは、貴重であります。
共産党『5中総・志位報告』全文07年9月9日
参院選結果に関して触れたデータは、たったのこれだけしかない。これら2つの結果公表には統計のからくり・欺瞞・隠蔽がある。そもそも、選挙結果総括といえば、議席・得票数・得票率の増減を、比例代表・選挙区ともすべて明記するのが常識である。それら6項目とともに、供託金没収を合わせれば、8項目の結果データを具体的に明記するのが、当然の選挙総括になる。都合が悪いデータを隠蔽する欺瞞手口は(表)で検証する。
(表3) 参院選結果8項目と5中総項目との比較
07年結果 |
真相データ |
共産党5中総 |
||
結果 |
増減 |
|||
選挙区 |
議席 |
0 |
−1 |
議席を失った |
得票数 |
516.4 |
−35.6 |
(沈黙による隠蔽) |
|
得票率 |
8.70 |
−1.14 |
(沈黙による隠蔽) |
|
供託金没収 |
31人9300万円 |
(沈黙による隠蔽) |
||
比例代表 |
議席 |
3 |
−1 |
1議席減の結果 |
得票数 |
440.8 |
+4.5 |
前回・前々回得票を上回る440万票 |
|
得票率 |
7.48 |
-0.32 |
(沈黙による隠蔽) |
|
供託金没収 |
11人6600万円 |
(沈黙による隠蔽) |
||
全体評価 |
議席・得票数・得票率とも全面惨敗 |
残念 (敗北・惨敗と認めず) |
志位報告は、比例代表得票数が4万5364票増加し、前回・前々回得票を上回る440万票になったからとし、敗北・惨敗真相を隠蔽している。この数値報告のやり方は、志位が得意とする党員騙しのペテンでないのか。その真相を検証する。私は愛知県選対部員としていつも県内の参院選結果分析をしていたので、常任幹部会や志位報告のペテンを暴くのは、難しい仕事ではない。ややこしい計算になるが細かく分析する。
得票数が、投票率・有権者数の増減と不可分な関係にあることを考慮することは、専門家の選挙結果分析の常道である。投票率は、56.54%→58.63%に上がり、+2.09%増えた。よって、党派別得票数合計は、5593万1785票→5891万3683票となり、+298万1898票増加した。共産党の今回得票率は、7.48%である。共産党がそれに比例して増加すべき得票数の計算式は次になる。増加得票数合計298万1898票×7.48%≒+22万3046票となる。ところが、共産党は4万5364票しか増えなかった。
となると、議席惨敗だけでなく、共産党の得票数も実質的に激減している計算になる。得票数の面でも、4万5364票−22万3046票=−17万7682票という惨敗結果だった。実質として、17万票も減らした惨敗だったのに、志位・市田・不破らは、「上回った」と数値の表面的比較で、党費納入25万党員を騙している。
得票数が「上回った」のに、なぜ1人減り、3人しか当選できなかったのか。その理由は、ドント式の比例代表当選者48議席配分システムにおいて、前回比で実質17万票も減らしたので、共産党4人目は、48位以内に入らず、落選したことにある。志位和夫は、(1)17万票実質激減と、(2)1人減ったこととの相関関係を覆い隠す詭弁を使っている。これは、志位・市田・不破らが、1人減理由について、党内にたいする説明責任を放棄しただけでなく、むしろ、「上回った」から敗北でないと目くらまし犯罪を掛けていると規定できる。
比例代表に関する志位報告は、(1)議席4→3への1議席・25%減、(2)得票数は実質17万票激減、(3)得票率は0.32%減、(4)供託金17人中11人・6600万円没収という選挙総括4指標とも全面惨敗だった真相を、上っ面の名目得票数増加数値と沈黙による隠蔽手口によって、党費納入25万党員を欺いたペテン内容だった。
(表4) 参院選惨敗要因の真相と5中総の詭弁・隠蔽
惨敗要因の真相 |
5中総の詭弁・隠蔽 |
|
党中央要因 |
(1)「オール与党」と「確かな野党」という画一的でうぬぼれた政党規定 (2)「靖国派を中軸とした内閣」−誰も口にしなかった不評なキャッチコピー (3)46選挙区立候補による野党票分断、自公政権存続支援戦略という左翼反動犯罪 (4)比例代表立候補者−従来の25人→5人に激減→当初公示日直前に泡沫・無名候補者12人追加をした右往左往のうろたえ戦術 (5)平和共同候補実現運動への敵対と詭弁=憲法改悪阻止議席獲得展望を欠いた片手落ち戦略の空想性・政党としての無責任性 (6)政権交代阻止戦略政党と閉鎖的な犯罪的組織原則政党の本質を露呈 |
(1)党中央路線・政治論戦・政策・戦術に誤りなく、すべて正しかった (2)綱領・歴史の紹介で党中央のイニシアチブに弱さがあった |
外部要因 |
自公政権にたいする国民の空前の怒りにおける共産党への投票激増見込という絶好条件 |
(1)自公政権への怒りが民主党に投票する流れ、(2)二大政党づくりキャンペーンという「反共シフト」の厳しい条件 |
下部要因 |
(1)選挙連続惨敗毎の責任逃れ総括・下部への責任転嫁総括にたいする憤りと、破綻した計画的党勢拡大路線継続への怒りに基づく選挙活動・党勢拡大サボタージュ党員、供託金募金納入拒否党員の激増 (2)そこから未結集党員増加→党費納入率63%に激減=幽霊党員37%・15万人に |
全支部と全党員の決起という点では、何らかの形で選挙戦をたたかった支部は九割、党員は五割から七割 (県、地区委員長からの共通した感想というからくり形式で下部批判をし、惨敗要因の責任転嫁をしている) 冷静にみれば、やはりやるべきことができていなかった。宣伝、対話・支持拡大の到達、党勢拡大の到達、党員・後援会員のたちあがり、結局、これらの到達が得票結果となって示された。なんといっても働きかけた総量が少なすぎた |
志位和夫は、残念という日本語しか知らないらしい。彼の辞書に、敗北・惨敗という日本語があるとしても、自民党・自公政権に貼り付けるためだけで、日本共産党に用いる用法は印刷されていないか、それとも、黒塗り抹殺されたと思われる。(表2、3、4)の比較データを見ても、これは、選挙総括と言えるレベルをまるで欠いている。よくぞ、このような欺瞞・隠蔽報告、下部への責任転嫁報告ができるものだと、あまりにも結果責任回避の鉄面皮ぶりには、怒るどころか、感心させられる。
〔段階3〕、党員拡大5カ年計画のマイナス決算と総括放棄・隠蔽による党の変質・退廃
〔小目次〕
〔党の変質・退廃要因1〕、5カ年計画自体が、達成不可能で、空想的な誇大目標
〔党の変質・退廃要因2〕、空想的数値目標50万人の具体化を全党機関に指令
〔党の変質・退廃要因3〕、5カ年計画総括の放棄・隠蔽と、トゥフタ政党への変質
〔党の変質・退廃要因4〕、党機関の離党表明・離党届受付拒絶による党費納入拒否党員激増
党員50万人拡大5カ年計画のマイナス決算と総括放棄・隠蔽
2000年11月第22回大会が決定した「党員50万人拡大5カ年計画」の期限は、2005年11月だった。2006年1月第24回大会は、その総括・決算をできたはずだった。志位和夫は、その後も決算報告に頬かむりしているので、私がその決算書を作成する。
(表5) 50万党員拡大5カ年計画のマイナス決算書
年月 |
大会 |
公表在籍党員 |
党費納入率 |
月間党費納入党員 |
幽霊党員 |
2000年11月 |
22大会 |
386517 |
69.0 |
266871 |
119646 |
2006年1月 |
24大会 |
404299 |
64.7 |
261900 |
142399 |
2007年9月 |
5中総 |
/ |
63.0 |
254708 |
149591 |
5カ年計画決算 |
+17782 |
−6.0 |
−12163 |
+29945 |
時期が異なるデータ比較もあるが、基本的には合致しているので、それを使った。2000年・2006年の党費納入率は、共産党が総務省に行った政治資金報告2000年・2005年データに基づく計算である。(1)共産党が総務省に報告した年間党費納入合計党員数÷12カ月=月間党費納入党員数である。(2)月間党費納入党員数÷公表在籍党員数=党費納入率とした。
2007年1月から7月までの7カ月間平均党費納入率63%は、志位和夫が5中総で告白した数値である。共産党が党費納入率数値を報告したケースはかつて一度もない。大げさに言えば、日本共産党史上、志位和夫が初めて63%に激減した現実を認め、日本共産党内部崩壊の危機感を込めて党費納入率アップを訴えた。
彼の危機感によるアピールは、同時に、公表在籍党員404299人×長期未結集・行方不明・党費納入拒否党員37%≒幽霊党員が149591に累積・激増してきた現実をリアルに証言したことになる。さらに、彼は、2008年3月幹部会報告において、党費納入が後退していると報告した。それは、5中総時点の63%=25万党員への激減よりも、半年間で一段と下がったとの真相告白である。
共産党『5中総』07年9月 『幹部会報告』08年3月党費納入さらに後退
5年を過ぎた7年間の決算は、2007年5中総データに基づいて、次の赤字決算書2枚になる。
(赤字決算書1枚目)、在籍党員数の7年間差引決算=実質的な差引12163人減少
公表在籍党員増加17782人−幽霊党員増加29945人=差引決算は党費納入拒否党員の方が累積増加12163人という惨憺たる5カ年計画決算書となった。これは、離党を表明しているのに、党機関によって離党拒絶をされている党費納入拒否党員がいかに激増しているかを証明するデータである。ただし、在籍党員数は、党大会でしか公表しないので、5中総時点の数値は分からない。それを踏まえて、比較した。
(赤字決算書2枚目)、党費納入党員数の7年間差引決算=差引12163人減少
月間党費納入党員数は、2007年9月5中総254708人―2000年11月第22回大会266871人=−12163人減った。党費納入率では、63.0%―69.0%=―6.0%も激減した。2枚目のデータは、(1)対総務省報告数値と、(2)5中総報告数値に基づくので、正確なデータである。
これでは、志位・市田・不破らが、そんな計画などあったのかというように、5年経過後も、8年目に入っても、知らぬ振りを決め込む心情も分からないでもない。これによって、日本共産党は、スターリンの5カ年計画よりもひどい空想的決定をしたレーニン型前衛党だという事実を、日本の有権者・左翼に自己証明してみせた。その欺瞞性と空想性にも、党費納入25万党員はなお気付かないのだろうか。
ここでも、問題は〔5カ年計画の数量的マイナス決算〕だけではない。その全過程と総括放棄・隠蔽は〔党全体の質的変質・退廃〕を引き起こし、沈着させた。その結果、5カ年計画問題を忘れさせられている人も多い。しかし、これは日本共産党史上初めての壮大な長期的数量計画であり、かつ、それがもたらした党の変質・退廃は、じり貧的瓦解の重要な指標の一つとなった。
〔党の変質・退廃要因1〕、5カ年計画自体が、達成不可能で、空想的な誇大目標
この計画は、2つの計画基準をもった。(1)、公表在籍党員数の基準から見ると、2000年第22回大会当時、公表在籍党員386517人を、5年間で12万人増やし、1.29倍にする。(2)、党費納入党員は何人だったか。共産党が総務省に報告した党費納入党員年間総計3202455人÷12カ月≒1カ月平均党費納入党員数266871人だった。党費納入党員数を基準とすれば、目標50万人に拡大するには、24万人増やし、一挙に1.88倍にするという空想的な誇大目標だった。
こんな目標は、下記のの長期データからも、とうてい達成不可能な数値だった。それとも、ソ連崩壊前の1987年度の公表在籍党員数49万人にまで復元させよう、それなら達成できると皮算用したのか。
(表6) 〔第三帳簿〕共産党の政治資金報告数値
年・党大会 |
党費納入党員年間総計 |
1カ月間平均党員 |
公表在籍党員数 |
党費納入率 |
1987・第18 |
最高3586808 |
298901 |
最高490000 |
61.0% |
1990・第19 |
3448750 |
287396 |
480000 |
59.9% |
1994・第20 |
最低3129769 |
260814 |
最低360000 |
72.4% |
1998 |
3183233 |
265269 |
(380000) |
69.8% |
1999 |
3163261 |
263603 |
||
2000・第22 |
3202455 |
266871 |
386517 |
69.0% |
2001 |
3245241 |
270436 |
||
2002 |
3311569 |
275964 |
68.3% |
|
2003 |
3277392 |
273116 |
(403793) |
67.6% |
2004・第23 |
3223973 |
268664 |
403793 |
66.5% |
2006・第24 |
3142808 |
261900 |
404299 |
64.7% |
2007・5中総 |
(254708) |
63.0% |
||
2007 |
3101919 |
258493 |
63.9% |
この党費納入党員年間総計データは、私が、総務省自治行政局政治資金課に、2004年2月、直接電話確認した数値である。第18・19・20回大会の数値と、最近5年間の数値を調べた。〔第三帳簿〕とは、党内には非公表で隠蔽するが、総務省にだけは報告する政府向け帳簿のことである。
共産党『政治資金収支報告』党費の年間総金額のみ、党員数カット
(1)、1カ月間平均の党費納入党員数=〔第三帳簿〕党費納入党員年間総計÷12カ月間で、計算した。
(2)、党費納入率≒〔第三帳簿〕1カ月間平均の党費納入党員数÷〔第一帳簿〕公表在籍党員数の式で、算出した。
〔第二帳簿〕は、非公表なので、〔第一・第三帳簿〕による推計になる。共産党は、HPにおいて、政治資金報告を毎年載せている。しかし、そこでは、政府=(公安調査庁筒抜け)に報告した党費納入党員年間総計でさえも発表したことが、一度もない。
2006年度データは、総務省政治資金HPから調べた。2006年度は2007年9月10日公表数値である。2007年9月5中総時点の党費納入党員は、約25万人というのが、志位和夫が報告した党費納入率63.0%に基づく正確な数である。
2007年度データも、総務省政治資金HPから調べた。2007年度は2008年9月12日公表数値である。06年から07年までの1年間の党費納入党員数の増減はどうなっているのか。
党費納入党員数は、延べ06年3142808人−07年3101919人=40889人減っている。
一カ月間平均党員数が、延べ06年261900人−07年258493人=3407人減った。(1)志位和夫が、毎月1000人づつ新規入党者があるというのは、真っ赤なウソなのか。(2)それとも、2007年9月5中総以降、突然増えだしたのか。たしかに、9月5中総時点の254708人にたいし、07年年度末報告の258493人へと、党費納入党員が3785人増えている。その一因として、志位和夫による党費納入率アップの危機感に溢れた訴えと納入率アップ点検・追及運動の成果もある。
または、(3)党費納入拒否党員数増加を黙殺・隠蔽し、差引の純増でなく、増えた数だけによる党員騙しのペテン報告なのか。その結論は、2009年9月公表の08年度政治資金報告書で判明する。
ここでの深刻で党内犯罪的な問題は、党費納入拒否・党内離脱党員数である。それは、06年公表在籍党員404299人−07年党費納入党員258493人=145806人いる。これらは、離党を申し出ても、党機関から離党を拒絶され、在籍名簿だけに存在させられている幽霊党員である。なぜ、離党・組織離脱を許さないのか。その性質は、まさに党内犯罪ではないのか。
『志位和夫「党員5カ年計画」の欺瞞性と空想性』党費納入による党員数の三重帳簿
この誇大計画の背景には、宮本・不破・上田らによる1972年の民青破壊クーデター・新日和見主義事件がある。共産党員拡大プールだった民青は、20万人から2万に激減し、民青地区組織もほぼ全滅したという破局があった。
若い入党者がなくなり、党員高齢化で党活動が停滞した。民青地区組織は共産党と同じく316地区あった。共産党はあわてて民青地区再建に転換したが、2007年11月民青第33回大会時点の報告で、再建51地区のみである。他は崩壊したままで、民青都道府県委員会と班との直結しかない。対民青クーデター35年後も壊滅したままが265地区・84%もある。
6中総・志位報告は、2008年7月時点で、再建民青地区53とした。民青第33回大会以降の9カ月間かかっても、再建は2地区しか増えていない。数年前、民青大会非公表データとした民青中央委員会内部報告は、在籍同盟員2万人×同盟費納入率40%≒実質8000人とした。それ以降も、民青崩壊が続いている真相を、再建地区数データが暴露している。
6中総・志位和夫は、民青地区専従のなり手がいなくとも、共産党地区が支援し、専従不在民青地区を再建させよとまで指令している。ただし、私が名古屋の民青専従・地区委員長になったとき、民間経営年収にたいし、民青年収は4分の1に激減した。地区委員長・私の責任でもあるが、地区専従3人の給与は遅配・欠配続きだった。その生活費面からも、もはや、民青専従になろうとする25歳未満の共産党員が払底している。日本共産党が崩壊しない限り、宮本・不破・上田らによる、日本共産党史上最大規模の対民青クーデター犯罪の実態が暴かれることはない。
『宮本・不破による民青破壊犯罪と民青壊滅』その経過と実態
『新日和見主義事件−600人査問・100人処分の冤罪・粛清事件』1972年
〔党の変質・退廃要因2〕、空想的数値目標50万人の具体化を全党機関に指令
47都道府県下り・後期党会議→316地区党会議→24000支部総会が、50万人目標を、党中央数量・拡大%以上で具体化し、書記局に報告した。ちなみに、私が友人の現役地区委員からもらった愛知県党会議決定は、5年間で党員を3万人に拡大すると決定した。それは、愛知県党の公表在籍党員を1.29倍以上にする、党費納入党員なら1.88倍以上にする数値だった。
党中央数量・拡大%以上の目標という意味は、都道府県党会議決定草案にたいする党中央書記局の事前検閲システムがあり、党中央基準の倍率以下だったら、こっぴどく批判され、目標引き上げを命令されるからである。全都道府県・地区の目標を集計すれば、50万人以上への党員拡大という壮大な計画が全党機関で決定されたことになった。不破・志位・市田らは、捕らぬ狸の皮算用で大喜びした。なお、事前検閲・統制システムは、都道府県・地区機関役員の選考=実態として上意下達の任命儀式においても秘密裏に貫徹されている。
『代議員・役員選出システム=任命システム』上意下達の中間機関役員人事統制
〔党の変質・退廃要因3〕、5カ年計画総括の放棄・隠蔽と、トゥフタ政党への変質
ところが、50万党員達成予定期日2005年11月は、当然ながらマイナス決算となった。目標数値・拡大比率を具体化・決定した47都道府県常任委員会、316地区常任委員会、政策と計画を立てた50%・12000支部LCは、志位・市田・不破らトップの総括放棄・隠蔽に倣って、沈黙し、頬かむりした。(1)空想的欺瞞的目標・拡大比率の決定をしたこととともに、(2)マイナス決算に関する総括放棄・隠蔽により、(3)日本共産党の全機関とその幹部たちが質的に腐敗した。(4)それは、日本共産党全体をトゥフタ政党に変質させた。この用語とスターリン5カ年計画の犯罪性については、別ファイルに詳しく検証した。
『党員50万人5カ年計画の空想性と犯罪性』トゥフタの意味と実態
その一部のみを簡単に書く。トゥフタとは、ソ連のラーゲリ用語である。ジャック・ロッシ『ラーゲリ強制収容所注解事典』(恵雅堂出版、1996年)から、一部引用する。トゥフタ=偽物、うそ、ごまかし、見せかけだけの仕事、公式の報告の中ではじめから嘘と承知の過大に見積もった指数。≪トゥフタ」という用語は1920年代半ば、ソロフキー監獄の刑事常習犯の使う言葉の中で初めて現れた。ここからトゥフタという言葉と制度はソ連邦の全ラーゲリに広がり、1930年代終わりには世界初の社会主義国の全土にわたるものとなる。
≪トゥフタ≫は≪TFT≫(重肉体労働の頭文字3字)に由来する。ソロフキー島の刑事常習犯はTFT(重肉体労働)のカテゴリーに入れられると、こう考えたのだろう:≪俺たちにTFTをやれっていうのかい? それならtefetaを見せてやろう!≫。後にトゥフタはこう解釈された:架空労働算出技術。トゥフタ隆盛の環境を生み出したのはレーニンである。トゥフタの誕生は論理的帰結にすぎなかった。生産の収益性と能率によってではなく、計画遂行の量的指標によって、指導職員の評価と報奨の原則があるからである(P.209)。
2008年7月、志位和夫は、6中総で、9000人近い新入党員を迎えたと誇示をした。ほとんどのマスコミがその数値を報道した。しかし、いつものように、党費納入拒否党員の増加と、それとの差し引き数値を隠蔽・沈黙している。党費納入率63.0%への激減データから見て、9000人を上回る党費納入拒否党員の激増があるのにもかかわらず、それを隠蔽する党費納入25万党員騙しのテクニックを使っている。
『志位和夫の新入党員9000人報告における二度目の党員騙しペテン』
そもそも、「しんぶん赤旗」は、赤旗を増やせ、増えたという記事を、いつも載せている。しかし、05年総選挙比で見ると、日刊紙H3万部減紙・日曜版N143万部減紙で、HN合計16.8万部も差し引きで減っている。それなのに、党員数だけが差し引きで9000人純増などはありえない。これは、党員数に関する志位和夫のペテン報告である。そして、年内6カ月間だけの拡大目標として、党員2万人、赤旗HNの減った部数全部の16.8万部を増やせと指令した。しかも、空想的で欺瞞的な「党員50万人拡大5カ年計画」の総括については、隠蔽・沈黙したままである。これらが、日本共産党委員長志位和夫がしていることと体質である。
『委員長志位和夫がしていることと体質』ファイル多数
〔党の変質・退廃要因4〕、党機関の離党表明・離党届受付拒絶による党費納入拒否党員激増
空想的で欺瞞的な「党員50万人拡大5カ年計画」を遂行し、拡大党員成績点検中なので、志位・市田・不破らは、離党=在籍党員減少そのものを認めない。差し引きで離党数が多い中間機関委員長は、こっぴどく批判・罵倒される。党員拡大をやる気があるのかと、自己批判書さえも書かされる。
その雰囲気によって、上向きひらめにさせられた316地区専従すべてが、再工作せよとの口実で、支部長が持ってきた(1)長期未結集党員の除籍実務処理や(2)離党表明をした党員の離党届・口頭離党受付を実質的に拒絶する。もし、それを実務的に受理し、地区委員長や上級機関に出せば、同じ目の打撃的批判に会う。
このやり方は、革命秘密結社、宗教カルト集団、暴力団の手口と同じである。組織にいったん入ったら、そこからの離脱を許さないという犯罪的組織原則である。入党はよいよい、離党はできない=実質的に拒絶される。21世紀世界で、こんな政党が、東方の島国に革命秘密結社のごとく、残存している事実を信じる有権者がどれだけいるだろうか。その証拠は、党費納入拒否党員37%・14.9万人を、あくまで共産党員として扱い、絶対に離党処理をさせないというデータである。
もちろん、離党表明・離党届を出す理由はさまざまである。ただ、共通要因は、(1)党内民主主義を抑圧するやり方にたいする批判・異論・怒りである。(2)そこには、民主主義的中央集権制からかけ離れた官僚主義的中央集権制の党運営からの明白な離脱意志がある。 (3)さらに、国政選挙6連続惨敗をしても、まともな総括もせず、責任をとらず、居座る志位・市田・不破らの自己保身犯罪への強烈な憤りがある。(4)党中央トップらが、民主集中制という党内民主主義を抑圧する犯罪的組織原則を手放さない理由は、彼らの自己保身目的しかないとする認識に到達した。
離党受付を党機関によって、不当に拒絶された共産党員はどうするのか。当然の行動として、(1)支部会議参加拒否、(2)赤旗購読中止だけでなく、(3)党費納入拒否という党内離脱党員に転化する。その結果が、党費納入率63.0%への激減となっている。公表在籍党員約40万4299人×37.0%≒党費納入拒否=党内離脱党員14.9万人になった。
かくして、志位和夫は、「党員50万人拡大5カ年計画」の完全破綻を証明するデータを、自らが自白しているのにもかかわらず、短期10カ月間で新入党員9000人が増えたと、誇らしげに報告する精神構造をどう考えたらいいのか。ところが、志位報告の真相は、党費納入拒否=党内離脱党員の方が差引で3600人増えているという推計が出ている。10カ月間の差引実態は、党費納入党員が3600人も減っている。この推計のややこしい計算式は、別ファイルで検証した。
『志位和夫2008年7月6中総―二度目の党員騙しペテン報告』
〔段階4〕、赤旗新聞社経営破綻・選挙財政破綻
01年以降7年間で、党費収入24.6%ダウン、機関紙収入24.0%ダウン
共産党の財政的瓦解スピードアップのデータ
〔小目次〕
2、党費収入の激減が示すもの=レーニン型前衛党の財政的破綻データ5つ
3、機関紙誌書籍収入のじり貧的激減が示す赤旗新聞社の経営破綻
1、日本共産党政治資金の収入分官報公表データ
日本共産党HPの政治資金データは、1995年以降の12年間を載せている。1997年はなぜかない。官報公表データの内、収入分のみを(表)にした。ただ、共産党HPは年間党費納入者数を意図的に削除していて、官報にしかない。その数値は、私が官報から直接調査し、上記(表6)に載せた。共産党は、2007年度政治資金データを、9月12日に公表したので、追加した
(表7) 日本共産党政治資金の収入分官報公表データ
年 |
党費収入 |
機関紙誌書籍 |
収入合計 |
収支差引 |
備考(宮地) |
1995 |
13.4 |
277.9 |
311.0 |
+4.6 |
|
96 |
143 |
270.4 |
304.0 |
−0.1 |
党費納入のピーク |
98 |
13.7 |
272.6 |
308.5 |
−0.3 |
|
99 |
13.6 |
256.0 |
302.3 |
+3.0 |
本部ビル建設前の建物資産53件19.8億円 |
2000 |
13.2 |
281.1 |
327.8 |
−11.9 |
赤旗の年度途中値上げ増収 |
01 |
12.6 |
291.7 |
342.8 |
−6.5 |
赤旗年度当初からの値上げ増収 |
02 |
12.6 |
282.1 |
334.2 |
−14.2 |
赤字決算数年は本部ビル建設の借入金・支出 |
03 |
12.1 |
260.0 |
307.1 |
−8.7 |
|
04 |
11.3 |
251.2 |
300.6 |
−23.7 |
|
05 |
10.9 |
240.7 |
284.1 |
−9.3 |
|
06 |
10.0 |
230.9 |
281.9 |
+10.6 |
党費・機関紙収入最低。建物資産109.2億円 |
07 |
9.5 |
221.5 |
264.8 |
+0.7 |
08年9月12日公表 |
単位は億円、百万円以下は切り捨て。収支差引のマイナスは年度赤字決算
共産党『日本共産党の財政−政治資金収支報告』95年〜06年
共産党『日本共産党の2007年政治資金収支報告』07年分−08年9月12日公表
総務省『日本共産党の平成19年度政治資金報告書』定期公表→共産党→1の2頁
総務省への共産党平成18年度・2006年度報告書における党費年間総額と党員数年間延べ総数の正確な数値を書いておく。(1)党費年間総額10億623万8426円、(2)党費納入党員数数年間延314万2808人である。
総務省への共産党平成19年度・2007年度分報告は、2008年9月12日にあった。(1)党費年間総額9億5138万84268485円、(2)党費納入党員数数年間延310万1919人である。
この(表7)は、資本主義世界で最後に残存するレーニン型前衛党において、(1)党員の党内離脱=党費納入拒否実態と、(2)赤旗読者の共産党からの大逃散=赤旗購読拒否実態を、官報公表の財政13年間データによって証明している。
最後に残存という意味は、ポルトガル共産党が、犯罪的組織原則としてのDemocratic Centralism・分派禁止規定を手放さないでいるにしても、1974年に、レーニン型前衛党かどうかの試金石とされたプロレタリア独裁理論と実践が誤りとして、ヨーロッパの共産党において、最初に放棄宣言をしたので、21世紀資本主義世界では、日本共産党しか残存していないという現実のことである。
2、党費収入の激減が示すもの=レーニン型前衛党の財政的破綻データ5つ
〔財政的破綻データ1〕、13年間の収入ピークは1996年の143億円である。最低は2007年の9.5億円になった。13年間で、−3.9億円・29.1%減った。この激減比率はきわめて高い。具体的な党員数は、上記(表6)で計算した。
〔財政的破綻データ2〕、共産党HPが意図的に削除・隠蔽している党費納入党員数の比較をしてみる。1998年度官報の党費納入党員数は26万5269人である。2007年9月5中総で志位和夫は、党費納入率激減%を報告し、それにより、党費納入率63%=党費納入党員数が25万4708人に減ったと証言した。比較年度がややずれるが、07年25万4708人−98年26万5269人=13年間で−10556人・−4%となり、それらが離党を拒絶され、党員在籍のままで党費納入拒否をする党内離脱・幽霊党員となっていることになる。
〔2つのデータからの疑惑〕、ただ、これら2つのデータの%がかけ離れている。〔データ1〕は、共産党HPなので、正確と思われる。というのも、政治資金規正法による総務省への正式報告なので、金額面をごまかせば、罰則に該当するからである。しかし、29.1%も党費収入が減っているのに、党費納入党員数が4%減という数値は釣り合わない。となると、真相は、党費納入党員数も29.1%減っているのではないか、官報での党員数だけはごまかしているのではないかという疑惑が発生する。私の共産党専従体験からも、個人別党費額が13年間で−29.1%も下がることはありえないからである。
党費収入減と党費納入党員数減とは、基本的に比例すると考えられる。となると、98年党費納入党員数265269人×70.9%≒2007年度党費納入党員数188075人となる。(1) 以前は28万人と推計していた。→(2)5中総における党費納入率激減63.0%志位報告によって25万人と訂正した。→(3)それが約19万人になるのだろうか。
〔財政的破綻データ3〕、2008年7月6中総志位報告の党員数比率
彼は、2006年第24回大会公表在籍党員40万4299人の綱領読了率と5中総読了率・徹底化率という2つの数値を幹部会で公表した。
(1)、綱領読了率39.9%=16万1315人とした。綱領決定2004年1月から4年2カ月間経った。その間、読了を指導・点検され続けても、約24万人が読まず、または、読ませる対象党員がいない。
(2)、5中総読了率・徹底化率43.2%=17万4657人と報告した。5中総決定2007年9月から10カ月間経っている。徹底化とは、党中央決定を自分で読了する党員が激減してきたので、支部指導部が要点の口頭説明をするか、党中央作成の5中総ビデオを視聴した党員を徹底化したとする簡易読了率のことである。それら簡易読了党員を含めても、約23万人が読まず、または、徹底化する対象党員がいない。
これら2つの党員数データ約17万人と、政治資金党費収入額激減データ推計約19万人とは、何か連結しているのだろうか。
〔財政的破綻データ4〕、一つの参考−フランス共産党のじり貧的瓦解データ
フランス共産党は、(1)プロレタリア独裁理論と実践、(2)民主主義的中央集権制・分派禁止規定と、(3)マルクス主義というレーニン型前衛党3原則ともが根本的な誤りだったとし、党大会で放棄決定し、さまざまな党改革もしてきた。
それにもかかわらず、党中央の公表によれば、党員は、1979年76万864人→96年27万4000人→98年21万人→99年18万3878人→2001年13万8756人→03年13万3200人→04年12万5000人へと、一貫した党員減退を続けている。06年は13万4000人へと微増した。党費納入党員数を、その年度の党員証交付数でほぼ毎年公表するので、1979年と比べ、党員62万6864人・81.6%がフランス共産党から離党した。18.4%党員しか残っていない。各種選挙結果データも、別ファイルのように、まさに共産党瓦解の末期症状を示している。
『フランス共産党の党改革の動向と党勢力』じり貧的瓦解の末期症状データ
単純に2党の比較はできないが、日本共産党の党費納入党員数は、約19万人しかなく、公表在籍党員40万人中で、党内離脱・幽霊党員約21万人というのがひた隠しにされた真相・実態なのかもしれない。それなら、約19万人数値は、赤旗HN部数激減データや下記機関紙収入の激減テンポ=赤旗新聞社経営破綻実態と比例する。現在その驚愕的な疑惑を解き明かすすべはない。次の(表)党員数データは、万人以下を切り捨てにする。
(表8) 在籍党員40万4299人実態の疑惑−08年7月時点
発表時期 |
期間 |
実質党員数 |
幽霊党員 |
備考 |
||
% |
党員数 |
党費納入拒否 |
||||
党費納入党員数 |
07年9月 |
6カ月間 |
63.0% |
25万人 |
15万人? |
5中総で公表 |
党費収入額の党員 |
08年9月 |
13年間で |
‐29.1% |
19万人 |
21万人? |
政治資金報告 |
綱領読了党員 |
08年3月 |
4年2カ月 |
39.9% |
16万人 |
24万人? |
綱領決定04年1月 |
5中総徹底化党員 |
08年7月 |
10カ月間 |
43.2% |
17万人 |
23万人? |
5中総決定07年9月 |
共産党『5中総』07年9月 『幹部会』08年3月 『6中総』08年7月11日
(表8)は何を証明しているのか。それは、フランス共産党党員数のじり貧的瓦解・激減経過とまったく同じテンポで、日本共産党においても、党勢拡大・国政選挙活動を積極的にする党員数が、約17万人へと激減し、じり貧的瓦解の第4段階に突入してきた事実を浮き彫りにした。
ただし、この数値は、私の共産党専従13年間体験から見て、(1)綱領読了率アップの厳しい成績主義的員数点検運動にたいする抵抗・反感から、不破綱領など読む気がしない、読んでいないのに読んだと返事した党員、(2)5中総読了率アップのための読了以外の徹底化党員=支部LC説明・ビデオ視聴による消極的な受身党員、(3)志位・市田・不破らに批判・異論を持ち、意見書を出しても握りつぶされたので、党勢拡大・選挙活動のサボタージュを意図的にする自主的思考党員、(4)目標押し付けにたいするトゥフタ党員などを含む。
よって、党勢拡大・選挙運動に積極的に取り組む実質党員数は、フランス共産党と同じく、24000支部LCら約10万人にじり貧的瓦解してきたとも推計される。
〔財政的破綻データ5〕、党員一人あたりの党費納入額の少なさへの疑問
共産党は、08年9月12日、2007年度分の政治資金報告を公表した。そこから計算する党員一人あたりの党費納入額が低過ぎるのでは、との疑問がメールで2回寄せられた。これには、私もうっかりして、見過ごしていたので、検討する。メールの一部を若干変更しつつ、転載する。
共産党『日本共産党の2007年政治資金収支報告』07年分−08年9月12日公表
共産党の07年度政治資金報告(しんぶん赤旗08/09/13)によると、党費収入は9億5139万円となっています。規約46条によると「党費は、実収入の1パーセントとする」となっています。これを100%に逆算すると、07年度の党員(党費納入者全員)の「年間実収入」は約951億円となります。
貴サイト資料によると、(1)公表在籍党員は約40万人(06/09現在)、(2)党費納入党員実数約25.5万人(07/09現在)となっています。951億円を、(1)「公表党員」数で割ると1人当たり年間実収入約24万円、(2)「納入党員実数」で割ると、約38万円となります。これは如何に「蟹工船時代」といえども、あまりにも低過ぎるのではないでしょうか。
考えられるのは、(1)党員が収入実態より低く申告している。(2)実態通り徴収できないので、党組織が収入額を安く見積もって、党費を負けてやっている。(3)「納入党員」数が実はもっと少ない。(4)ひょっとすると、党員の平均収入は実際相当低い−少額年金者、被生活保護者、無収入者(家族頼り)などが、多いのかもしれません。これらのいずれかではないでしょうか。
この疑問とデータを検証する。まず、実収入の1パーセントとは、所得税・住民税を差し引いた額の1%である。よって、メールのように、党費納入者全員の年間実収入は、100%に直せば、約951億3900万円となる。
共産党機関は、支部・地区委員会・都道府県委員会・党本部の4つがある。それら4機関の党費実収入総額が、約951億3900万円とすれば、メールの計算が成り立つ。しかし、それでは、あまりにも低過ぎる。
党費実収入や機関紙収入とも、4機関で配分することになっている。その場合、従来から、党本部配分率はは40%である。総務省への政治資金報告は、党本部分だけの額と考えられる。なぜなら、日本共産党の47都道府県委員会・316地区委員会は、それぞれの都道府県選挙管理委員会にたいし、党本部と別個に、収支報告書を提出しているからである。一例として、愛知県選挙管理委員会の『06年政治団体収支報告書』のリンクをする。
愛知県選挙管理委員会『06年政治団体収支報告書−共産党を含む』→末尾第7表
そうなると、4機関の党費実収入総額×40%=約951億3900万円になる。よって、951億3900万円÷40%≒4機関の党費実収入総額2378億4750万円が割り出される。そこから、2つのケースで、一人あたりの年間実収入を計算する。
(2)党費納入党員実数約25.5万人のケース
約2378億4750万円÷党費納入党員実数25.5万人≒1人当たり年間実収入約93.3万円
(3)党費納入党員実数約19万人(?)のケース
上記〔財政破綻データ1〜4〕から、党費納入党員実数が19万人ではないかとの疑惑がある。
約2378億4750万円÷党費納入党員実数19万人≒1人当たり年間実収入約125.2万円
メールの疑問(2)について、生活困窮の共産党員を党費無料にしているが、それはごく少数である。疑問(3)のケース=19万人にしても、いかにも低過ぎる。疑問(4)では、次の理由が考えられる。一般レベル給与所得額の共産党員の党内比率が、経営支部のじり貧的瓦解・崩壊や、学者・医師・弁護士・教師・公務員など高所得党員の離党・党費納入拒否などによって激減してきた。一方、低所得共産党員の党内比率が増大した。それは、民青壊滅による党員の高齢化、専業・パート主婦党員の増加がある。それらをならすとしても、やはり低過ぎる。
となると、残るは、疑問(1)が当てはまるか。このファイル全体で検証したように、日本共産党のじり貧的瓦解の分野は、全面に及んできた。志位・市田・不破らによる(1)政権交代阻止という誤った左翼反動路線=うぬぼれた自主孤立方針、(2)国政選挙6連続惨敗結果と欺瞞的で無責任な総括、(3)かくも長き鉄面皮な居座り、(4)分派禁止規定と一体化させた民主集中制による党内民主主義を抑圧する犯罪システムにたいし党内での批判・不満が鬱積してきた。
忠誠派党員10万人以外は、その認識から、かなりが、党勢拡大・選挙活動サボタージュ党員になっている。トップから24000支部LCまで、全党がトゥフタ政党化し、トゥフタ党員化してきた。離党しようにも、党機関から拒絶される。党費納入拒否党員には、まだならなくとも、党費1%納入額を真面目に、支払う気がしなくなったとする党員が激増しているのが原因か。
不破特権も暴露された。不破特権データを知った党員は、党費1%など払うのも、馬鹿らしくなる。実収入額などと関係なく、それを無視し、月額数百円出しておけばいい。支部長や支部財政係も、それを規約通りに正す気力も喪失した。不破哲三とは、何者か。彼は、常幹・社会科学研究所所長として、赤い院政で秘密裏に君臨する共産主義的人間である。かつ、時代錯誤のレーニン賛美者として、90冊以上の出版印税で私腹を肥やす男でもある。まさに、彼は、それらによって、日本共産党と共産党員を内部から腐敗させつつある。疑問(1)が、共産党員の心情の表面化ではないのか。
3、機関紙誌書籍収入のじり貧的激減が示す赤旗新聞社の経営破綻
機関紙誌書籍収入は、(1)赤旗日曜版、(2)赤旗日刊紙、(3)月間雑誌数誌、(4)新日本出版社書籍からなる。ただ、黒字は(1)日曜版だけである。(2)日刊紙は筆坂秀世も証言しているように恒常的赤字になっている。(3)は以前10誌を赤字による廃刊にしたように、『前衛』を含めほとんどが赤字である。(4)書籍も不破哲三のレーニン賛美著書など多数が赤字出版である。
よって、(1)日曜版収入の激減推移として、赤旗新聞社経営破綻を検証する。それを赤旗の料金値上げ時期の前と後に分ける。
〔値上げ前〕、1995年〜99年の5年間
99年度256.0億円−95年度277.9=5年前比で−21.9億円・−7.9%の年間減収になった。比較時期がややずれるが、赤旗日曜版Nの党大会報告数は、2000年164万部−1994年200万部=6年前比で−36万部・18%減った。機関紙収入のじり貧的減少と赤旗HNの歯止めのない減退とは比例している。その経営破綻に直面し、不破・志位・市田らは、2000年途中から、赤旗HNのカラー写真化を名目にし、赤旗料金値上げを決行した。
〔値上げ後〕、年度当初からの値上げ2001年〜07年の7年間
07年度221.5億円−01年度291.7億円=7年前比で−70.2億円・24.0%の年間減収になった。比較時期がややずれるが、赤旗日曜版Nの党大会と07年5中総報告数は、2000年9月164万部−2007年5月120万部=7年前比で−44万部・27%減った。値上げ後も、機関紙収入のじり貧的激減と赤旗HNの歯止めのない減退とは比例している。値上げ増収効果は、瞬く間に消えた。
〔通算〕、1995年〜06年の12年間
07年度221.5億円−95年度277.9億円=13年前比で−56.4億円・20.3%の年間減収になった。黒字の赤旗日曜版が今後とも増加見通しが絶無なので、赤旗新聞社の収入合計が増えることはもはやない。今後10年間で新聞社経営は破局を迎える。全般的な経営破綻に陥り、10雑誌廃刊を含む機関紙誌の経費節減程度では追いつかない。職業革命家の党というレーニン『なにをなすべきか』理論に基づく4000人専従体制のリストラも始まった。
それら13年間に及ぶ赤旗新聞社経営じり貧的瓦解データの当然の結果として、選挙財政も破綻した。316地区機関が、300小選挙区立候補を支え、供託金300万円事前準備するシステムも財政的に破滅した。不破・志位・市田らは全小選挙区で候補者を決定せよと指令してきた。しかし、小選挙区供託金300万円を自力で公示前に調達できる地区機関は激減した。
〔段階5〕、日本共産党の総選挙結果5回分データ分析−09年結果の評価
日本共産党常任幹部会は、09年9月1日、「総選挙の結果について」という総選挙結果の自己評価を公表した。その評価内容を見る。(1)、議席−「比例代表選挙で9議席を獲得し、現有議席を確保」。(2)、得票数−「491万9千票から494万4千票へと前進」。(3)、得票率−「前回総選挙の7.25%から7.03%に後退したものの」とした。(4)、全体評価として、「激しく難しい条件のもとで、わが党が現有議席を確保し、得票数で前進したことは、善戦・健闘といえる結果」だと、「善戦・健闘」との総括・自己評価をした。
共産党常幹『総選挙の結果について』09年9月1日−「得票数前進=善戦・健闘」
共産党『総選挙、共産党9議席守る。比例代表494万票、前回上回る』総選挙データ
しかも、見過ごすことができないテーマがある。それは、9月1日常幹総括が、小選挙区結果について、一言も触れないで、知らぬ顔をし、完全に沈黙、隠蔽していることである。その理由は何か。〔表1〕における小選挙区結果分析で検証する。
(表9) 5回目の小選挙区比例代表並立制総選挙
年 |
比例議席 |
得票数(万票) |
得票率(%) |
小選挙区データ |
96 |
24 |
727(小) 710(比) |
13.08(小) 12.55(比) |
299→190 |
00 |
20 |
735(小) 663(比) |
12.08(小) 11.23(比) |
300→162 |
03 |
9 |
484(小) 459(比) |
8.13(小) 7.76(比) |
300→65 |
05 |
9 |
494(小) 492(比) |
7.25(小) 7.25(比) |
275→52 |
09 |
9 |
297(小) 494(比) |
4.22(小) 7.03(比) |
152→28 |
小選挙区データとは、立候補者数→得票率10%以上選挙区の激減ペース
共産党は、2009年総選挙において、小選挙区候補者299→300→300→275→152に激減させた。そこから、小選挙区データの比較が単純にはできない。152選挙区どうしなら比べられる。09年総選挙結果を見ても、今後の総選挙300小選挙区において、いかなる政党との選挙協力も拒絶する路線の共産党が当選する見込みは皆無である。そこから、ここでは、各色太字で比例代表データだけの比較をする。
〔1、議 席〕、24→20→9→9→9である。3回連続で議席±0だった。ただし、09年の比例代表議席数を減らさないですんだのには、自民党の比例代表得票数・得票率が極度に激減→大量落選したことにより、共産党が比例代表ブロックの定数内に留まることができたという他党派との相関関係が一因としてある。
例えば、落選確率の高かった近畿ブロックでは何が起きたか。自民党は、05年比例代表得票数4003209票・11人当選だった。09年では、得票数2592451票・当選7人で、4人が落選した。共産党の05年当選順位は8、19、29位・定数29人中最下位だった。09年当選順位は8、16、29位最下位当選だった。もし、自民党の得票数大量141万票減・大量4人落選という地殻変動がなければ、共産党近畿ブロック3人目は、定数29位以下になり、当選者は2人に留まっていた。東北ブロック1人当選についても、ほぼ同じデータになっている。
〔2、得票数〕、05年491万9187票→09年494万3886票で、2万4699票増やした。一方、比例代表投票率は、67.46%→69.27%へと、1.81%アップした。投票総数は、05年67811069票→09年70370255票へと、255万9186票増加した。
投票率1.81%アップ、255万票増加に比例すれば、共産党はとれだけの得票数を増やしているべきかというテーマが浮上する。この計算はややこしいが、志位和夫が毎回使う詭弁・強弁の悪質さを証明する上では必要となる。党費納入25万党員や読者たちは、彼の詭弁・ペテンに、いつもころりと騙され続けているので、この推計は重要となる。
255万9186票増加×共産党得票率7.03%≒17万9910票を増やしているはずである。この得票数差は、実質的な得票数減少を意味する。17万9910票増えたはず−2万4699票増やした=実質的に15万5211票を減らした敗北だった。それは、得票率05年7.25%→09年7.03%=0.22%ダウンデータと一致している。得票率ダウンは、実質的な得票数15.5万票減の惨敗結果を証明している。96年と比べれば、13年間で、710−494=216万票・30.4%減少という得票数連続大敗北過程にある。
〔3、得票率〕、12.55%→11.23%→7.76%→7.25%→7.03%になった。得票率4回連続ダウンの惨敗結果である。12.55−7.03=5.52%減少となり、13年間で、得票率を44%も激減させたじり貧的瓦解過程に入っている。
〔4、小選挙区〕、共産党は、小選挙区結果にたいし、沈黙・隠蔽している。いくら「比例を軸」方針としても、その無総括はおかしい。よほど都合の悪い=党員・読者に知られたくない大惨敗結果になったのか。
まず、得票率10%以下小選挙区のテーマがある。総選挙小選挙区の得票率10%以上は、供託金300万円が没収されない。10%以上小選挙区数は、96年190→00年162→03年65→05年52→09年28と激減してきた。得票率10%以上に到達する小選挙区がいかに激減してきたのかというデータによって、それが、日本共産党のじり貧的瓦解テンポを示すバロメーターの一つになっている。
MF生作成表『総選挙小選挙区−共産党の成績』得票率10%以上52→28に激減
小選挙区得票数結果もある。全体は立候補選挙区激減で比較できない。しかし、05年立候補しなかった広島6区を除く151選挙区どうしなら比較できる。MF生さんがその詳細な表を作ってくれた。私のHPに載せた(表)によれば、151小選挙区間を比べると、得票数が25万3800票減り、05年得票数より8%減少という大敗北結果になっていた。志位・市田・不破らが、この惨敗結果を隠し、沈黙した気持ちは哀れでもある。
〔5、絶対得票率〕、05年4.76%→09年4.75%へと、0.01%減らした。絶対得票率に基づく長期的、比較分析は、今まであまりされていない。
相対得票率=得票数÷有効投票総数×100 ・・・通常いわれる「得票率」のこと。
絶対得票率=得票数÷当日有権者数×100 ・・・05年総選挙における有権者数1億335万人
09年総選挙比例代表絶対得票率=得票数494万3886票÷当日有権者数1億394万9442人×100
これらデータ5つは、日本共産党が、総選挙において、議席だけは9→9→9としても、得票数・得票率を合わせれば、実質的に4連続惨敗をしたことを示している。参院選での3連続惨敗を合わせると、国政選挙で7連続惨敗をした証拠となっている。
『共産党の参院選結果7回分データ分析』参院選での3連続惨敗
以上 健一MENUに戻る
〔関連ファイル〕
得票率10%以上小選挙区数96年190→00年162→03年65→05年52→09年28と激減
MF生作成表『総選挙小選挙区−共産党の成績』共産党−小選挙区結果沈黙・隠蔽
得票率10%以上−05年52→09年28に激減
得票数25万3800票減、得票数05年比8%減少
総選挙09年結果 8月30日投票 朝日 読売 毎日 中日 産経 共同
総選挙05年結果 9月11日投票 総務省 朝日 読売 JANJAN
総選挙03年結果 11月9日投票 総務省 第43回衆議院選挙結果