過去の雑記 00年 3月

雑記のトップへ

前回へ
3月21日
明日は忙しいと分かっていながら睡眠誘導のためにはじめたスパロボ3(SFC版)にはまる。「紅の翼」登場の回の続きと、ライディーン登場の回と、破嵐万丈登場の回をクリアして、宇宙に戻るシナリオの直前まで。心ならずもボスを活躍させてしまったり(命中修正+160のボロットパンチは便利)、桜野マリ(パーティの平均レベル17の時点で、レベル1で登場)のレベルアップに勤しんでしまったりしたので、異様に時間がかかってしまった。それでなくとも、コウ・ウラキだの、クリスチーナ・マッケンジーだの、スレッガー・ロウだの無駄なキャラを育てているというのに。
ところで、なんで1stガンダムのキャラは必ずファースト・ネームで呼ばれるんですかね?(e.g. スレッガー中尉)敬称や称号はファミリー・ネームにつけるだろう、普通。

3月22日
浅暮三文『カニスの血を嗣ぐ』(講談社ノベルズ)読了。なんというか、その、とてももったいなかった。

現状の点数が格別低いというわけではない。時々気になる表現があって引っかかったりはしたが、まあその程度。短文で畳み掛ける冒頭の語りと、超人的嗅覚の主人公というメインアイデア、脇役野崎刑事の造形に、全体に漂う哀しみと、これだけで十二分に及第点ではある。ただ。

この材料の最高点はもっととてつもなく高そうに見えるのだ。匂いで世界を観るというメインアイデアと、その象徴としての犬。ここにもう少し力点を置けなかっただろうか。もっと徹底的に匂いで世界を再解釈し、犬の世界を描ききってくれていたら遥かに興味深くなっただろう。そう、1章前半の勢いで最後まで続いてくれれば。

無い物ねだりだということはわかっている。そんな幻想小説、講談社ノベルズという器に合うわけが無い。娯楽小説であることに力点を置くなら、主人公が特殊能力を持ったミステリという形をとるのが、多分正当なのだ。そう、多分。

でも、やはり、徹頭徹尾犬の物語を読みたかったというのは否めない。

3月23日
実際には8日ぶりでしかないのだが、心理的には久しぶりに定時で帰る。帰宅時間が4時間早いと世界が違うね。

いろいろと作業をしたり、遊んだりと計画を立てていたはずなのだが、SRW3を始めた時点で、すべてが狂ってしまった。困ったものだ。
今日プレイいたのは、3MAP。シナリオを読み違えてバーナード・ワイズマンのスカウトに失敗したので、クリスはいきなりいらなくなってしまった。おかげで育てるべき雑魚が減ったのはありがたいが、ガルガンチュア入手記念に明日香麗を育てはじめたりしていては意味が無い。なんぼなんでもコープランダー隊を2人も育てるのは良くないと思うぞ。> おれ

3月24日
星新一『気まぐれスターダスト』(出版芸術社)を購入。今度こそはと期待した、1001作確定リストは載っていなかった。いや、それどころかせっかくの単行本未収録作品集だというのに、初出情報すら載っていない。それはいくらなんでも対象読者層を読み誤っていないか。いや、対象読者層は、初出情報があろうが無かろうが、星の未収録作品があるというだけで買うんじゃないかという気もするが。

まあ、何はともあれ、出版されたということだけでも、ありがたいことではある。

3月25日
夕方部屋を出て神保町へ。久方ぶりにブックパワーワンダーRBを覗く。棚配置が変わり、幻想小説・SFとミステリが分離したのはいいが、それに伴って平均価格が上がったように思うのは気の性か。とりあえず、やっと見つけたジョン・アーヴィング『ウォーターメソッドマン』と「NW-SF」17号を購入。

その後、新宿に出て細木さん(8)、田口さん(9)、住田(11)と合流。三国一で飯を食った後、「発狂する唇」を観る。凄すぎ。確信犯のバカ映画は上滑りすると酷いことになるが、これはそんな次元を遥かに凌駕している。シーン平均のインパクトでは、昨年の私的ベスト「DEAD OR ALIVE 犯罪者」をも越えている。この作品なら、ネタを割ったがどうかという気もするが、せっかくならまっさらの状態で見てもらいたいので、敢えて一切ネタは割らない。未見の方はぜひ、何の情報を入れずにその衝撃を味わってほしい。必見。

映画終了後、細木さん、住田とカラオケに行く。SRW3全曲制覇というテーマはあまり面白くなかった。ネタ的にもう少し練りが必要だな。

帰りの電車で『SFバカ本 ペンギン篇』読了。今までにも増して見るべきところが無い。中井紀夫の短篇は割と好みだが、柱になる短篇が無い中でこれだけあっても評価しづらい。作品集の柱となる中短篇が別にあってこそ映える類の作品だろう。岬の短篇も近作では比較的気に入った方だが、作品集を支える出来とは言い難い。よくもまあ、こんな調子で続いているものだ。あと2冊買ってしまってはいるのだが、なんぼなんでも読むのを止めるべきなのだろうか。

3月26日
星新一『気まぐれスターダスト』(出版芸術社)読了。単行本未収録作品は、やはり故なく単行本未収録作品なわけではないというのが正直な感想。名のみ聞いていた作品が読めたことはファンとしては嬉しいが、全体に残念ながら読み継がれるべき出来とは言えない。星の文庫作品集をすべて読んだ上で、なお他の作品を読みたいと思った時、はじめて手に取るべき本だろう。新潮・角川のほぼ全作品を読んでいる者としては、作風の変遷が感じ取れて面白かった。ただ、本の性質上、どうしても歴史的位置づけを優先させがちなので、各作品の書誌データは欲しかったところ。初出誌が無理としても、各作品の初出年は記せなかったのか。巻末のリストからすれば資料的作品集ということはわかって編集しているはずなのに、その点大変惜しまれる。デビュー前の作品と一〇〇一作達成後の作品で作風がどう変わったか、などという点に着目しないと十分には楽しめないと思うがな。

なんとなく2000年1月現在ハヤカワ文庫SF目録落ちリスト(00/3/27 リンクミス修正)を期間限定(四月半ばまでの予定)でアップ。htmlではなく、S-JISベタテキストなので利用は各自の努力で。リクエストが多ければhtml化も考えなくはないけど、多分しない。
なお、これはあくまで「目録落ち」であって、「絶版」ではないので(多分絶版も含んではいるが)その点お間違え無きよう。

3月27日
SFバカ本『彗星パニック』読了。これまでのSFバカ本諸作に比べると圧倒的にレベルが高い。前作から半年というタイムラグは良い方に作用しているようだ。
集中では牧野「電撃海女ゴーゴー作戦」がベストか。(おそらく)SFM上で展開されている連作、<月戦争>シリーズの一作だが、媒体を意識してか、かなりわかりやすく仕上がっている。他では、歌舞伎の言葉でSF映画を語る、いとうせいこう「江戸宙灼熱繰言(えどのそらほのおのくりごと)」が良かった。

寸暇を惜しんでSRW3。リューネ登場面でミスを犯し、危うくリューネのスカウトに失敗しかけた。余りユニットで囲んで動けなくすることを忘れたため、中立状態のまま敵に突っ込んでしまったのだ。敵殲滅までは生き残ってもらわねばならんというのに、こちらのMAP兵器の射界内に居座り続け、挙げ句の果てには敵母船に反撃で破壊されること確実という攻撃をかけやがった。しかたがないので全力で母船のHPを削り、なんとかリューネの攻撃で壊れる(=反撃が無くなる)ようにする。おかげでだいぶ金と経験値を損してしまったよ。

SF-Onlineの99年度ベストアンケートの結果が出た。有効投票総数は281。十分な人数がいるように見える。しかし、これが曲者である。
 部門      総票数 1位 1票のみ(参考)
 SF長篇      78  17 17
 FT/HR長篇   49   8 18
 SF中短篇     57  15 18
 FT/HR中短篇  30   6 10
 第一長篇      37  17  7
 コミックス     95  16 31
 ノンフィクション  26   3  13
 映画       112  40 11
 アニメ       91  11 18
 実写ドラマ    149  96  4
 ゲーム       58   5 19
実に4部門で1位票が1桁だ。これでは1位のありがたみも薄れてしまう。中短篇、コミックス、ゲームなど票数に比べ選択肢が圧倒的に多い部門では、複数表記による投票も検討すべきでは。
個々の結果にたいしてはあまり感慨はない。予想通りか理解可能という作品がほとんどである。ただ、意思統一さえ出来ていればイーガンは長篇1位になれたかもしれないと思うと、やや惜しい。
なお、僕の投票内容はこの辺。SF短篇部門のイーガン「祈りの海」、コミックス部門の長谷川裕一『クロノアイズ』、映画部門の『DEAD OR ALIVE 犯罪者』が1票しか獲得出来ない死票となった。もったいないことをした。しかし、後二つはともかく、「祈りの海」が1票ってのはあんまりだ。あんなに前向きな良い話なのに。

3月28日
早川書房の復刊アンケートにからみ、銀河通信オンラインで、復刊して欲しいハヤカワ文庫のSF(微妙な表現)10作という企画が行われているので、考えてみた。未入手の本で何かあるかと考えてみたが、どうしても欲しい本というのはなかなか見当たらない。そらまあ、10年近く探してきたのだから当然か。

とりあえず既読で若者(笑)に読んで欲しい作品となると……。アンソロジーの『アザー・エデン』『80年代SF傑作選』、スターリングの『蝉の女王』にワトスンの『スロー・バード』、ウィンダムの『さなぎ』あたりはそろそろ復刊して欲しいかな。

しかし、Arteさんが「復刊はどうでもいい」と言い出すとわ(3月28日付日記)。あなたがウィンダムの復刊を願わずして何とする。

3月29日
早めに帰り、メジャー開幕戦を観る。解説の類が鬱陶しいので音声は、副音声に切り替えだ。
試合はどうも退屈。メッツの先発ハミルトンは四死球を連発するし、カブスはカブスで併殺を繰り返すし、なんだか。上手いプレイは確かに上手いが、漫然と観るにはさほど面白いもんでもない。どうせテレビ観戦ならレギュラーシーズンをNHKの深夜に観る方がなんぼかましだな。

4回を終えたあたりで、テレビ観戦を切り上げ六本木へ。俳優座でデイヴ・ボースウィック監督の「親指トムの奇妙な冒険」を観る。
謎の実験室の事故から生まれた"親指トム"の冒険を描く人形アニメ。ストーリーはさして面白みのあるものでもないが、人形達の造形、動きは実に素晴らしい。特に、主人公トムのグロテスクな造形とたどたどしい動きは出色。実験室内の不気味な実験生物たちの造形とともに一見の価値がある。
上映終了後、「親指トム」のTシャツを買うべきか買わざるべきか本気で悩むが、諦めてパンフを買うことし、帰宅する。ああ、でもやっぱり買っておくべきだったか。

3月30日
休みを取ったので、朝はのんびりと過ごし、昼から高田馬場へ。ビッグボックスの古書市、芳林堂、新宿書店などを廻り、ショウ『おれは誰だ?』、宮田昇『戦後「翻訳」風雲録』、トゥルニエ『メテオール(気象)』、吉田音『Think』『実用六体書字典』、ゆうきまさみ『じゃじゃ馬グルーミンUp!』22巻、あさりよしとお『宇宙家族カールビンソン SC完全版』9、10巻、王欣太『蒼天航路』19巻、西川魯介『昇天コマンド』などを購入。ちょっと無駄遣いしたかも。

高田馬場まで来た目的の半分は「π」を観ることだったのだが、昼の回は見逃し、夕方の回は待つのが馬鹿らしいという中途半端な時間になってしまったので、諦めて帰宅する。今度はもう少し時間を把握しておこう。

帰宅後収穫をチェック。
『宇宙家族カールビンソン』は特に追加も無いどうでもいい巻。いつかくる未収録の嵐のためだけに買っている。『じゃじゃ馬グルーミンUp!』は人間関係中心なので興味の対象外。人なんか描かなくていいから、馬を描け、馬を。『蒼天航路』は郭嘉の死と荊州侵攻。諸葛亮の一党はどんどん人間離れしてくるね。西川魯介『昇天コマンド』はなかなかの秀作。クトゥルーネタも登場するサバイバルゲームネタのギャグポルノマンガなんつー無茶な設計で、どの要素も一応機能しているというのは才能かも。
吉田音(っつーかクラフト・エヴィング商會)『Think』(筑摩書房)読了。これまでになく一般的な小説に近い構成になっている。特に地のパート(著者・吉田音が、この本が書かれた経緯について語るパート)に挟み込まれた三つの物語(「久助」「奏者」「箱船」)は完全に短編小説になっている。それでも、もっとも魅力的なのが地のパートというあたりはクラフト・エヴィング商會らしい。良質のファンタジーとして万人に"無難に"お勧めできる作品。

3月31日
ロバート・J・ソウヤー『フレームシフト』(ハヤカワ文庫SF)読了。ソウヤーは、どうもあと一歩突き抜けたところが無いというか、突っ込みが浅いところがあり、楽しみはしても好きではなかったのだが、これはかなり気に入った。確かに、ミステリ部分の面白さの前に、SF部分が霞んでいるという憾みはあるが、それを除けばかなり良く出来ている。テレパシー、遺伝病、優生学、ネオナチ、ヒトゲノム等々、組み合わさるべき要素が見事に組みあがった姿を見るのはなかなかの快感だ。ただ、クライマックス以降のバランスの悪さはやはり否めないかも。ラストで救われてはいるが、あれだけ静かに盛り上げた話をべたに崩してしまった展開は実に惜しい。70点。

一時の気の迷いでどうも2時間ドラマらしい「ブラックジャック」を見たりする。断片を見た限りでは、原作とは似ても似つかぬ作品になっていたようだが、なぜか双子の(いや原作でも双子だっつーのは一理あるが)ピノコはちょっとよかった。

もちろんプロ野球も見る。会社からの帰り際に一瞬チェックした時には5対1だったはずの横浜・阪神が6対6になっていたのは驚きつつ納得してしまった。今年はずっとこんなもんなんだろう。試合は進藤のサヨナラ打で勝利したので、それ自体は嬉しいが、過程はやや納得が行かない。7回から10回まで福盛を引っ張るくらいなら、川村にもう少し早く見切りをつけることは出来なかったのか。また、延長10回一死一、二塁で2番右打者の波留という併殺かチャンス拡大かという場面、敢えて無策なヒッティングを選んだのは何故か。それが「横浜の型」だ、というならそれはそれでいいが、後悔だけはしないようにしてもらいたい。>権藤。
まあ、木塚の新人初勝利で良しとする気分ではある。

無茶苦茶久しぶりにSF(中略)漫画家生年表を更新。ありがとう、堀川(12)。情報はまだ募集中なのでみなさんよろしく。

次回へ

このページのトップへ